主文 被告人を懲役2年6月に処する。 この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。 被告人から金200万円を追徴する。 理由 (罪となるべき事実)当裁判所の認定した罪となるべき事実第1は,平成30年7月25日付け起訴状に記載された公訴事実中冒頭部分の「被告人A」とあるのを「A」と訂正するほか,公訴事実冒頭部分及び第1と同一であり,罪となるべき事実第2及び第3は,平成30年10月30日付け起訴状に記載された公訴事実中冒頭部分の「被告人B」とあるのを「B」と訂正するほか,公訴事実冒頭部分並びに第1の1項及び2項とそれぞれ同一であるから,これらを引用する。(起訴状の添付省略)(証拠の標目)[以下,括弧内の番号は証拠等関係カード記載の検察官請求証拠の番号を示す。]判示事実全部について被告人の公判供述被告人の警察官調書(乙3)履歴事項全部証明書(甲2)判示第1及び第3の事実について被告人の検察官調書(乙6,7)及び警察官調書(乙8)Cの検察官調書(甲4)Dの検察官調書抄本(甲6(不同意部分を除く),甲7)Eの検察官調書抄本(甲8)Fの検察官調書抄本(甲9)Gの警察官調書抄本(甲10)Hの警察官調書抄本(甲11) Aの検察官調書謄本(甲17,18)及び警察官調書謄本(甲15)捜査報告書(甲1,3,12,13)判示第2及び第3の事実について被告人の検察官調書(乙16)及び警察官調書(乙10,11,12)Iの検察官調書抄本(甲26,不同意部分を除く)Jの検察官調書抄本(甲27,不同意部分を除く)Kの警察官調書抄本(甲29)Bの検察官調書謄本(甲36)及び警察官調書謄本(甲 12)Iの検察官調書抄本(甲26,不同意部分を除く)Jの検察官調書抄本(甲27,不同意部分を除く)Kの警察官調書抄本(甲29)Bの検察官調書謄本(甲36)及び警察官調書謄本(甲30,32,33)捜査報告書(甲20,21,25(甲20は謄本))判示第3の事実について被告人の警察官調書(乙14)Bの警察官調書謄本(甲35)写真撮影捜査報告書謄本(甲19)(法令の適用)罰条判示第1,第2の各所為いずれも刑法60条,入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律8条判示第3の所為刑法197条の3第3項刑種の選択判示第1,第2の各罪につきいずれも懲役刑を選択併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(犯情の最も重い判示第3の罪の刑に法定の加重)刑の執行猶予刑法25条1項追徴刑法197条の5後段(判示第3の犯行により収受した賄賂は没収することができない)(量刑の理由) 被告人は,a市の副市長当時,懇意にしているBほかL株式会社関係者から,同市が行う総合評価落札方式による公共工事の入札において同社が落札できるよう取り計らいを依頼され,同社担当者に公告日前に落札者決定基準等極めて機密性の高い入札に関する詳細な情報を提供したり,市の担当職員らに指示して技術提案書の技術評価点を恣意的に操作するなどして,2件の入札において同社に落札させたものであり,立場を悪用して入札結果に重大な影響を及ぼし,入札の公正を著しく害したといえる。さらに被告人は,副市長を辞職後に,前記Bから謝礼等として200万円と高額の賄賂を受領しているところ,被告人が要求した ,立場を悪用して入札結果に重大な影響を及ぼし,入札の公正を著しく害したといえる。さらに被告人は,副市長を辞職後に,前記Bから謝礼等として200万円と高額の賄賂を受領しているところ,被告人が要求したものでないとはいえ,公務の公正に対する社会の信頼を大きく害する行為である。副市長であり,かつ総合評価審査委員長という入札の公正を厳守すべき立場にあったにもかかわらず,同社関係者の依頼を安易に受け入れ,これらの犯行を重ねた被告人は厳しい非難を免れない。 したがって,被告人の刑事責任は重いが,被告人が各犯行を認めて反省の弁を述べており,既に公務から離れていることなどからすると再犯のおそれも低いこと,前科前歴がないこと,被告人の妻が監督を誓約していることなどの事情も踏まえると,今回は,社会内で更生する機会を付与するのが相当であり,主文の刑に処してその刑事責任の重さを明確にした上で,その刑の執行を猶予するのが相当と判断した。 (求刑懲役2年6月,200万円追徴)平成31年2月5日奈良地方裁判所刑事部 裁判官重田純子
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