【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する 被告会社を 第一の事実につき罰金二千円に 第二の事実につき罰金一万円に 第三の事実につき罰金一万円に 各処す
主文 原判決を破棄する被告会社を第一の事実につき罰金二千円に第二の事実につき罰金一万円に第三の事実につき罰金一万円に各処する 理由 本件控訴の趣意は弁護人平野一郎提出の控訴趣意書記載のとおりであるからここにこれを引用する。これに対する当裁判所の判断は左のとおりである。 弁護人の論旨第二点について先ず両罰規定に関する主張について按ずるに、原判決が原判示第一乃至第三の事実につき、物品税法第二十<要旨第一>二条を適用して被告会社を処罰していることは所論のとおりであるが、同条は法人の代表者又は法人若しくは</要旨第一>人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関し同法第十八条乃至第二十条の違反行為をしたときは行為者を罰する外その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科することとしたものであつて行為者の違反行為が存する以上、もとより行為者を処罰しない場合においてもその法人又は人を処罰することを妨げないものというべく、したがつて所論のごとく、行為者を処罰しない場合は使用者を処罰するに由なきものということはできない。この点に関する所論は到底採用し難い。 次に、原判決が被告会社に対し、物品税逋脱以外になお、申告義務違反を処罰すべきものとして物品税法第十九条を適用した点に関する主張について按ずるに、原判決が被告会社に対し、物品税逋脱に関する物品税法第十八条を適用した外なお同法第八条、第十九条(第一号)を適用していることは所論のとおりである。しこうして、原判決の適用した右第十九条第一号の規定は物品税を不正に免れ又は免れようとした場合でなく、他の目的を以て申告を怠り又は虚偽の申告を行つたような場合に適用される一種の秩序罰的な規定と解 。しこうして、原判決の適用した右第十九条第一号の規定は物品税を不正に免れ又は免れようとした場合でなく、他の目的を以て申告を怠り又は虚偽の申告を行つたような場合に適用される一種の秩序罰的な規定と解すべきであり、(最高裁判所昭和二三年(れ)第一、七三八号、同二四年十二月十三日第三小法廷判決参照)したがつて、第二<要旨第二>物品税を不正に免れ又は免れようとして同法第十九条第一号の申告を怠り又は虚偽の申告を行つた場合はいわ</要旨第二>ゆる詐欺その他不正の行為を以て物品税を逋脱し又はその逋脱を図つた場合に該当し、同法第十八条を適用して処断すべきものというべく、この外に同法第十九条第一号を適用すべきでないことはまことに所論のとおりである。すなわち原判決はこの点において法令の適用を誤つたものというべく、この誤は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決は爾余の論旨につき判断するまでもなく破棄を免れない。 なお、原判決はその適条において物品税法第十八条、第十九条と列記するのみで、両者が刑法第四十五条の併合罪の関係にあるのか、又は同法第五十四条第一項の一所為数法等の関係にあるかにつき説明を欠き、したがつて主文の刑のよつて来る所以を明らかにしていないものというべく、原判決はこの点においても失当であつて、破棄を免れないものといわなければならない。 そこで刑事訴訟法第三百九十七条、第三百七十八条第四号、第三百八十条に則り原判決を破棄し、同法第四百条但書に則り当裁判所において直ちに判決すべきものとする。 被告A株式会社は銚子市a町b丁目c番地に本店を有し、同所に工場を設け、澱粉及び飴の製造販売その他これに附帯する事業を行つている会社であるが、同会社代表取締役Bは同会社の使用人Cと共謀の上同会社の業務に関し物品税を逋脱しようと企て一、 昭和二十 同所に工場を設け、澱粉及び飴の製造販売その他これに附帯する事業を行つている会社であるが、同会社代表取締役Bは同会社の使用人Cと共謀の上同会社の業務に関し物品税を逋脱しようと企て一、 昭和二十六年五月二日頃前記工場において東京都文京区d町D株式会社に前に製造にかかる澱粉飴四百二十五斤を移出したにかかわらず、これが事実を正規帳簿に記載せずかつこれに所定の申告書を提出せずその物品税額二千百二十円を納期迄に納付せずして逋脱し二、 同年六月十九日頃同所において右D株式会社に同様の澱粉飴二千百二十五斤を移出したにかかわらず、これが事実を正規帳簿に記載せずかつこれにつき所定の申告書を提出せず、その物品税額一万六百二十円を納期迄に納付せずして逋脱し三、 同年十月四日頃及び同月二十七日頃の二回に亘り前同所において前記D株式会社に同様の澱粉飴二千百二十五斤を移出したにかかわらず、これが事実を正規帳簿に記載せず、かつこれにつき所定の申告書を提出せず、その物品税額一万六百二十円を納期迄に納付せずして逋脱したものである。 右の事実は一、 被告会社代表者Bの原審公判廷における供述一、 Cに対する大蔵事務官E作成の質問てん末書及び追加質問てん末書の記載一、 C作成の昭和二十六年三月一日以降水飴販売先調査書の記載一、 本郷税務署作成のD株式会社こ対する間税課税物件移出入調査箋の記載一、 F株式会社G営業所作成提出の輸送証名書の記載一、 C作成の逋脱せる分の明細書の記載一、 Cの検祭官に対する第一、二回供述調書の記載一、 Bに対する大蔵事務官E作成の質問てん末書の記載一、 Bの検察官に対する第一、二回供述調書の記載を綜合してこれを認める。 法律に照すと被告会社の所為は昭和二十九年法律第四十六号附則第十六項(昭和二十八年法律第 官E作成の質問てん末書の記載一、 Bの検察官に対する第一、二回供述調書の記載を綜合してこれを認める。 法律に照すと被告会社の所為は昭和二十九年法律第四十六号附則第十六項(昭和二十八年法律第四十一号附則第七項、昭和二十七年法律第五十六号附則第四項)昭和二十六年法律第二八七号による改正前の物品税法第十八条第一項第二号前段、罰金等臨時措置法第二条に各該当するのでいずれも所定刑中罰金刑を選択し、その金額の範囲内で被告会社を判示第一の事実につき罰金二千円、判示第二及び第三の事実につき各罰金一万円に処すべきものとする。 なお、本件公訴事実中被告会社代表者B及び同会社の使用人Cが共謀の上被告会社工場から移出した本件澱粉飴につきいずれも所定の申告をしなかつた点については本件逋脱罪の外別罪を構成しないことは前記説明のとおりであるが、右は本件の逋脱罪と刑法第五十四条第一項前段の関係にあるものとして、すなわち一個の行為で数個の罪名に触れる場合として起訴されたものと認められるのでこの点について主文において特に無罪の言渡をしないものとする。 よつて主文のとおり判決する。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事花輪三次郎判事山本長次判事下関忠義)
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