平成24(受)2675 相続預り金請求事件

裁判年月日・裁判所
平成26年12月12日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 高松高等裁判所 平成24(ネ)34
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判決文本文1,570 文字)

- 1 -平成24年(受)第2675号相続預り金請求事件平成26年12月12日第二小法廷判決 主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人島内保夫の上告受理申立て理由について 1 原審の適法に確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。 (1) 上告人は,平成8年10月に死亡した亡Aの子である。亡Aの法定相続人は,上告人を含めて3名であり,その法定相続分は各3分の1である。 (2) 亡Aは,その死亡時において,販売会社であるB証券株式会社から購入した複数の投資信託(以下「本件投資信託」という。)に係る受益権(以下「本件投信受益権」という。)を有していた。 (3) 平成8年11月から平成10年9月までの間に発生した本件投資信託の収益分配金及び平成16年に発生した本件投資信託の元本償還金は,B証券又は同社を吸収合併した被上告人の亡A名義の口座に預り金として入金された(以下,この預り金を「本件預り金」といい,その返還を求める債権を「本件預り金債権」という。)。 2 本件は,上告人が,被上告人に対し,本件預り金の3分の1に当たる金員及びこれに対する遅延損害金の支払を求める事案である。 3 原審は,本件預り金債権は当然に相続分に応じて分割されるものではないなどとして,上告人の請求を棄却すべきものとした。 - 2 - 4 所論は,本件投信受益権が亡Aの相続開始後に金銭債権である本件預り金債権になった以上,本件預り金債権は当然に相続分に応じて分割されるというものである。 5 本件投信受益権は,委託者指図型投資信託(投資信託及び投資法人に関する 相続開始後に金銭債権である本件預り金債権になった以上,本件預り金債権は当然に相続分に応じて分割されるというものである。 5 本件投信受益権は,委託者指図型投資信託(投資信託及び投資法人に関する法律2条1項)に係る信託契約に基づく受益権であるところ,共同相続された委託者指図型投資信託の受益権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである(最高裁平成23年(受)第2250号同26年2月25日第三小法廷判決・民集68巻2号173頁参照)。そして,元本償還金又は収益分配金の交付を受ける権利は上記受益権の内容を構成するものであるから,共同相続された上記受益権につき,相続開始後に元本償還金又は収益分配金が発生し,それが預り金として上記受益権の販売会社における被相続人名義の口座に入金された場合にも,上記預り金の返還を求める債権は当然に相続分に応じて分割されることはなく,共同相続人の1人は,上記販売会社に対し,自己の相続分に相当する金員の支払を請求することができないというべきである。 これを本件についてみると,共同相続された本件投信受益権につき,亡Aの相続開始後に元本償還金及び収益分配金が発生して預り金として本件投信受益権の販売会社であるB証券又は被上告人における亡A名義の口座に入金されたものであるところ,共同相続人の1人である上告人は,被上告人に対し,当然には自己の相続分に相当する金員の支払を請求することができない。 6 以上によれば,上告人の請求を棄却すべきものとした原審の判断は,結論において是認することができる。論旨は採用することができない。 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 - 3 -(裁判長裁判官山本庸幸裁判官千葉勝美裁判官小貫芳信裁判官鬼丸かおる) 主文 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 理由 論旨は採用することができない。 事実 - 3 - 判断 裁判長裁判官山本庸幸裁判官千葉勝美裁判官小貫芳信裁判官鬼丸かおる

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