昭和56(行ク)1 執行停止申立事件

裁判年月日・裁判所
昭和56年8月14日 奈良地方裁判所 その他
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【DRY-RUN】○ 主文 一 本件申立を却下する。 二 申立費用は申立人の負担とする。 ○ 理由 一 申立人の申立の趣旨及び理由は、別紙「行政処分執行停止申立書」記載のとお りであり、これに対する被申立人の意見は別紙

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判決文本文11,531 文字)

○ 主文一本件申立を却下する。 二申立費用は申立人の負担とする。 ○ 理由一申立人の申立の趣旨及び理由は、別紙「行政処分執行停止申立書」記載のとおりであり、これに対する被申立人の意見は別紙「意見書」記載のとおりであるから、ここにこれらを引用する。 二当裁判所の判断 1 申立人が「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「法」という。)七条、九条並びに「五条市廃棄物の処理及び清掃に関する条例」(以下「条例」という。)一三条により、被申立人から一般廃棄物(し尿)処理業(及びし尿浄化槽清掃業)の許可を受け、吉田衛生の名称で右業務を行なつてきたものであること、被申立人は、昭和五五年一一月一二日付で申立人に対し、同年四月一日付で許可した申立人の従前の処理区域を一部変更(削減)する旨の通知をなし、また、申立人の昭和五六年度分(同年四月一日から同五七年三月三一日まで)許可申請に対し、同年四月一日付で(現実の許可通知は同年五月中ごろである。)右変更にかかる処理区域をさらに削減した区域をもつて同人の処理区域とする旨の許可(以下「本件許可処分」という。)をなしたこと、右二回にわたる処理区域の削減は、申立人の義弟にあたる申立外Aが被申立人に対し、申立人と同一の一般廃棄物(し尿)処理業の許可申請をなしたため、同人の処理区域にあてるためになされたものであることの各事実は当事者間に争いがない。 2 疎明によれば、一応、以下の事実を認めることができる。 (1) 吉田衛生は、もと、申立人の夫亡Bが昭和四〇年六月ころ、同人の名義で一般廃棄物(し尿)処理業の許可をうけ、その実弟にあたるAと共同で営業を開始したものであるが、昭和四六年一〇月二〇日、右Bがバキユーム・カーとともに谷底に転落して死亡するに至り、そのため同人の妻である申立人が右処理業の営業許可をうけて事 の実弟にあたるAと共同で営業を開始したものであるが、昭和四六年一〇月二〇日、右Bがバキユーム・カーとともに谷底に転落して死亡するに至り、そのため同人の妻である申立人が右処理業の営業許可をうけて事業を相続し、毎年、申立人の名義で許可がなされてきた。 (2) ところで、B死亡後は、Aが従業員としての登録をうけ、自らバキユーム・カーを購入して実質上吉田衛生の事業を継続し、その利益の一部を申立人に交付してきたが、昭和五一年に、申立人の次女CがDと結婚し、昭和五二年五月頃から申立人は自らバキユーム・カーを購入し、右Dをして独自に処理業を開始せしめるに至り、両者が同一の処理区域内で入り乱れて業務を行なうなどの事態となつたため、市の衛生事業を監督する民生部が両者の調整に努め、円満な処理区域の分担を勧めた。 (3) 申立人とAは一時和解し、各々の処理区域を定めて営業を行なつていたが昭和五四年二月一三日に申立人がAを解雇したことから争いが激化し、再び双方からの五条市民生部に対する調整の申入れが相次ぎ、同部は双方の説得にかかりきりになるような始末であつた。 (4) 右Aは、昭和五五年二月一九日、自らもし尿浄化槽維持管理者の資格を取得し、同年度分のし尿処理につき五条市長に対し営業許可申請書を提出したため、申立人との争いはますます熾烈となり、再三にわたる市の説得にもかかわらず、両名の態度が改たまらなかつた。 (5) 同年八月ころ、許可を受けられぬことに業を煮やしたAは、同市の誘致した工業団地に通ずる農道の通行妨害行為に出るなどのこともあつたが、被申立人(前市長)は結局、Aが昭和四六年から同五二年五月頃まで、実質的に処理業に従事していた者であり、その後は吉田衛生が内部的に分裂したものと判断し、五条市において処理業を営む他の三業者の処理区域には手を加えることなく、 、Aが昭和四六年から同五二年五月頃まで、実質的に処理業に従事していた者であり、その後は吉田衛生が内部的に分裂したものと判断し、五条市において処理業を営む他の三業者の処理区域には手を加えることなく、吉田衛生に認められてきた処理区域をその実績等を考慮してほぼ六対四の割合で分割し、(ただし暫定的に昭和五五年一一月一四日から同年度末までは七対三の割合。)後者をAの処理区域として許可を与えることとし、本件許可処分をなした(なお、Aと申立人の処理実績は別表(一)のとおりであり、また昭和五六年度の処理予定比較は同表(二)のとおりである。)。 3 ところで、申立人は、処理区域の定めを許可の条件であるとし、処理区域を限定する部分の効力の執行停止を求めているので、まずその当否につき判断する。 思うに、処理区域の定めは、法及び条例上の根拠に基づき、許可権者たる市長が、当該年度の処理計画に従い、廃棄物の処理の円滑な遂行と(副次的には)業者間における秩序ある処理事業の運営を目的として、自由な裁量のもとに地域的な限定を付するものであり、いわゆる行政行為の付款の一たる条件とは明らかに異なるものである。すなわち、条件とは、一定の外部的な事実の成否に許可の効力の発生又は消滅をかかわらしめるものであるのに対し、区域の指定は許可の効力を地域的に限定するに止まり、当該区域内における営業を一律、全面的に許すものであり、いわば許可の内容そのものであつて許可と一体不可分の関係に立つものである。従つて右区域の指定に不服のある者は、これと一体をなす許可処分自体の効力を争うべきであり、執行停止においても地域指定部分のみの効力につき停止を申立てるのは相当でないと解される。 仮に本件申立が、本件許可処分自体の効力につき執行停止を求めるものと解しうるとしても、廃棄物処理業に関する許可は、各年度 おいても地域指定部分のみの効力につき停止を申立てるのは相当でないと解される。 仮に本件申立が、本件許可処分自体の効力につき執行停止を求めるものと解しうるとしても、廃棄物処理業に関する許可は、各年度毎に新たな許可がなされるものであり(右事実は許可証である疎甲第一号証、同第四号証の一に各期限が付されていることから明らかである。)、本件許可処分自体の効力を停止すると、申立人は本年度分の事業につき、何らの許可を受けていない状態が惹起されるという不都合が生ずることとなる。(申立人の真意は、実質的には不許可となつた収集区域につき不服申立をするものと解されないではないが、本許可処分に対する執行停止は原則として不能である。)従つて昭和五四年一一月一二日付の変更許可処分につき、変更前の許可が効力を失なわない時点で効力の執行停止を求めるのは格別、現時点で本件許可処分の効力の執行停止を求めることによつて、申立人は目的を達することはできないものというべきである。 4 のみならず申立人の本件申立は以下のとおり回復困難な損害の疎明がなくかつ本案について理由がないとみえるときに該当するので右申立は理由がない。 すなわち、申立人は本件許可処分による生活の困難を訴えるが具体的な疎明がないのみでなく、従前の収入の減少のようなことは金銭的賠償によつて賄いうるものであり、また前記事実によれば、本件許可処分はAのこれまでの処理業従事の実績を評価し、申立人とA間のいわば身内の争いによつて、し尿処理業務の円滑な遂行が害されることを予防し、かつ右両名の営業上の権利を公平に分配するとの見地から、区域内の世帯数、人口、処理総量等を考慮して申立人六、A四の割合で按分したものであること、他の業者の処理区域に手を加えなかつたのも、これまでの申立人とAの関係、粉争の経緯に照らし、吉田衛生が事実上 、区域内の世帯数、人口、処理総量等を考慮して申立人六、A四の割合で按分したものであること、他の業者の処理区域に手を加えなかつたのも、これまでの申立人とAの関係、粉争の経緯に照らし、吉田衛生が事実上分裂したものと判断したためであること、Aに対する許可は、Aによる通行妨害行為の結果でなく、同人が許可取得資格を得、正式な許可申請をなした結果であることなどの事実が認められ、申立人主張のような本件許可処分の動機の不正及び、公平原則違反につきいずれも疎明がない点に徴すると、被申立人のなした本件許可処分に裁量権の濫用があつたということはできない。 三結語以上のとおり、申立人の本件申立は執行停止の積極的要件が不存在で消極的要件が存在するからいずれにしても失当としてこれを却下することとし、申立費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり決定する。 (裁判官仲江利政山田賢三代川俊一郎)別表(一)、(二)(省略)(別紙)行政処分執行停止申立書申立の趣旨一申立人の昭和五六年三月二五日付一般廃棄物(し尿)取扱業許可申請に対し、被申立人が同年四月一日付書面をもつて同年五月六日付でなした許可に付された条件のうち処理区域に関する部分の効力を停止する。 二申立費用は、被申立人の負担とする。 申立の理由一許可処分の存在被申立人は、申立人の昭和五六年三月二五日付の一般廃棄物(し尿)取扱業許可申請に対し、同年四月一日付書面でもつて同年五月六日付で許可処分(本件許可処分という)をした。 右の許可処分に付された条件のうち処理区域については疎甲四号証の二の図面赤線部分となつている。これは、申立人が前年度の昭和五五年度の許可処分で保有していた処理区域を大巾に削減したものである。すなわちバキユーム車の延台数を基準にして約六〇%、処 ては疎甲四号証の二の図面赤線部分となつている。これは、申立人が前年度の昭和五五年度の許可処分で保有していた処理区域を大巾に削減したものである。すなわちバキユーム車の延台数を基準にして約六〇%、処理区域の世帯数(くみとりの必要な世帯及び必要でない世帯を含めた総世帯をいう)を基準にすれば約四〇%の各削減である。 二本件許可処分の違法(一) 1法目的違反行政庁の処分は、一定の行政目的達成のためにあり、その目的達成のため、法が行政庁の自由裁量を認めているのであるから、裁量が権限付与の目的にそつて行使されなければならない。ところで本件行政処分は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下法という)七条二項に規定する許可の条件とは無関係な(二)において述べるような事項を考慮してなしたもので、法の目的に反する違法がある。(最判昭28・12・23民集七巻一三号一五六一頁参照)。なお本件許可処分に先立つてなされた一回目の処理区域の削減を内容とする変更処分においては、理由として「諸般の事情を踏え、市行政運営の円滑化を図るため」とある。 2 動機の不正行政は公益目的のためにのみその権限の行使を行うべきであるのに、本件行政処分は、次に述べる不正の動機、恣意独断ないし他事考慮に基づいてなされたもので違法である(福島地昭29・6・18行裁例集五巻六号一四五頁参照)。 3 平等原則違反行政法の適用は、し尿処理業者すべてに平等になされねばならない(最判昭30・6・24民集九巻七号九三〇頁、岡地昭33・1・13行裁例集九巻一号一頁参照)。 しかるに本件許可処分は、申立人の処理区域のみから、しかも収益のいい区域をとりあげた内容となつている。そしてこれを、次に述べるように、そのままAに与えたのである。従来五条市における四人の処理業者間においてほぼ平等の処理区域が与えられ 区域のみから、しかも収益のいい区域をとりあげた内容となつている。そしてこれを、次に述べるように、そのままAに与えたのである。従来五条市における四人の処理業者間においてほぼ平等の処理区域が与えられていたのに、申立人の処理区域のみから、しかも収益のいい区域のみ約六〇%取り上げ、Aに与えたため、処理業者間に著しい不平等をもたらすことになつた。 4 手続上の違法(法七条一二項違反)被申立人は、本件許可処分をするについて、その理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなかつた。 (二) 本件許可処分がなされた経緯 1 申立人の亡夫Bは、長年にわたり努力した結果ようやく昭和四〇年六月一三日被申立人から一般廃棄物処理業の許可をうけ、以来五条市のためし尿処理一本に専念し、その妻である申立人とともに勤めていた。ところが昭和四六年一〇月二〇日右処理業に従事中に事故が発生した。すなわちBは、バキユーム車にし尿を積み、野瀬川街道を目的地まで走行中、バキユーム車もろとも谷の方へ転落して即死した。右Bが長年にわたり五条市のためし尿処理業に献身して来たことから、当時の田中市長は、これを哀れに思い、かつ残された申立人の生活を考え、即日Bの妻である申立人に、一般廃棄物処理業の許可を与え、申立人が引続き従来の設備人員でし尿処理業が行えるよう取り計らつてくれた。以来申立人は、五条市において毎年年度始めに被申立人から許可をうけて、し尿処理業を行つて来ている。処理区域は昭和四〇年以来昭和五五年度まで変更がなかつた。 2 ところで申立人の従業員であつたAは、し尿処理業の売上金を申立人にわたさず自己取得したり、又し尿を山や川に不法投棄したりして、これが問題となつた。 これらの不正行為が重なつたため申立人は、昭和五四年二月一三日同人を解雇した。これに対して、同人は、その実弟で 立人にわたさず自己取得したり、又し尿を山や川に不法投棄したりして、これが問題となつた。 これらの不正行為が重なつたため申立人は、昭和五四年二月一三日同人を解雇した。これに対して、同人は、その実弟であるEとはかり、被申立人を困らして、何とかし尿処理の許可を自から受けようとして、右Eがたまたま五条市土地開発公社が造成した造成地内の通路に所有する土地の権利を主張して通行妨害行為を行つた。このため前記公社の理事長でもある五条市長Fは、その造成地への誘致企業から契約解除、損害賠償を請求され、困つてしまつた。これに対して通行妨害禁止仮処分などなされたが、結局右F市長と、E両名とが話し合つた結果、昭和五五年一〇月に至り五条市長F名義の念書がEに手渡された。右念書の内容は、申立人の処理区域を、昭和五五年一一月に約三〇%、昭和五六年四月に約四〇%(各世帯数を基準にして)各削減して、これらをそのまま、Aに許可することを約束したものである。これにより前記通行妨害事件の解決がはかられた。 そして被申立人は、前記念書に従い、昭和五五年一一月一二日付で約三〇%の処理区域の削減を内容とする許可変更処分を・行つた。なおこの処分は、昭和五五年四月一日付許可処分と明らかに矛盾し、違法無効と判断される。 3 昭和五六年一月二八日市長の交替があり、被申立人G市長は、前記念書に従い、昭和五六年四月一日付書面で五月六日本件許可処分をした。 三 「回復困難な損害を避けるため緊急の必要」 1 申立人及びその亡夫は、昭和四〇年六月以来五条市においてし尿処理業を行つて来ており、自己の資産、精力を投げうち、これのみに専業して現在に至つている。すなわち、昭和四〇年にBが始めて許可をうけるときにも、約二年にわたり運動した結果であり、以来Bは、朝早くから夜遅くまでバキユーム車に乗り、所によつては遠 うち、これのみに専業して現在に至つている。すなわち、昭和四〇年にBが始めて許可をうけるときにも、約二年にわたり運動した結果であり、以来Bは、朝早くから夜遅くまでバキユーム車に乗り、所によつては遠く片道三時間もかかる山奥まで行つて仕事に励み努力していた。処理場の完成するまでし尿を投棄する場所を貸してくれと市から頼まれて、Bは、自己の所有する田二筆を無償で提供して、し尿投棄場とした。そのため右土地は、現在でも沼地のようになり、耕作できない。申立人も、夫とともにバキユーム車に乗り、し尿の収集、運搬に従事して励んでいた。申立人の夫は、し尿処理の仕事に従事中に死亡し、その生命を奉げているのである。申立人は、従業員である娘Cに昭和四七年に浄化槽の講習を受けさせ、さらに昭和五三年には、一年間の通信教育を受けさせて後、月人に廃棄物処理施設技術管理者の資格を得させて、し尿処理業に力を入れて来た。 し尿処理は本来市町村の行うべき仕事である(法六条二項参照)。これを申立人がかわつて行つて来たわけである。し尿処理業は、事の性質上誰でも簡単に行えるものでなく、相当の覚悟を決めて継続的に行う必要があ9、そのための設備、人員も必要である。またし尿を扱うことであるので特殊な能力も要求される。し尿は毎日毎日各家庭から排出生産されるもので、これを「生活環境の保全上支障が生じないうちに収集し、運搬処分しなければならない」(法六条二項)。従つて市の職員に準じる地位にあると考えられ、本質的には市と雇用関係に準じる法律関係が成立していると考えられる。現に近時下水道化された場合、多くの自治体において、従来のし尿処理業者に対し、相当の補償がなされている。しかるに本件許可処分により申立人は、正当の理由なく、何らの補償もなくして、従来の法律上の地位を奪われることになる。 2 申立人及 治体において、従来のし尿処理業者に対し、相当の補償がなされている。しかるに本件許可処分により申立人は、正当の理由なく、何らの補償もなくして、従来の法律上の地位を奪われることになる。 2 申立人及び従業員ならびにこれらの者の家族の生活は、し尿処理業による収入によつて成り立つている。申立人本人、従業員D、C及びこれらの子二人、従業員H、その妻、以上七人の者は、すべて、このし尿処理業による収入によつて生活している。これらの者は、他に生活手段としての職はなく、今後他の職につこうとしても、長年し尿を扱つて来ており体にし尿がしみ込み、他の職につくための能力、技能を有しない。 申立人にわずかに残された処理区域は、山間部で辺ぴの地が多く労多くして収入の少い地域である。収入面から考えて約六〇%削減された現在の状況が続けば、貯蓄もないので、たちまち生活していけなくなる。現に仕事量は従来に比べ約三分の一に減じ、バキユーム車に乗つて仕事ができるのは、月のうち八日ないし九日間くらいになつてしまつている。収入も三世帯が筆分に分けたとしても、従来の三分の一にへり、とうてい生活のめどはたたない。 申立人は、右のとおり三世帯の家族の生活について責任があるところ、本件許可処分がなされ、行先どうしようかと悩み、シヨツクで寝込んでしまい、現在病院通いをしている状況である。事情を知つてくれている人達は、申立人に深く同情してくれているが、今や裁判による以外どうしようもない状況である。 右のとおり回復の困難な損害をうけること明らかであり、これを避けるため緊急の必要がある。 四よつて、申立人は、申立の趣旨のとおりの裁判を求める。 (別紙)意見書意見の趣旨一本件申立を却下する。 二申立費用は申立人の負担とする。 との決定を求める。 意見の理由一本件許可処分に申立人の主張する 人は、申立の趣旨のとおりの裁判を求める。 (別紙)意見書意見の趣旨一本件申立を却下する。 二申立費用は申立人の負担とする。 との決定を求める。 意見の理由一本件許可処分に申立人の主張するような違法はない。 (一) 本件許可処分に至るまでの経緯申立人の亡夫Bが昭和四〇年六月一三日、被申立人から一般廃棄物処理業の許可を受け五條市において指定せられた区域でし尿処理業を行うようになつたのは申立人が主張する通りである。 しかし、右営業許可の名義人はB個人になつてはいるが、そもそも同営業は、同人の実弟に当るAと協同して開始するに至つたもので、同人らは「南和衛生」という名称を使用して、し尿のくみ取り業を行つていた。これは被申立人の関知しないところであるが、内部的には費用及び利益共に折半という約束になつていたようである。 ところが、昭和四六年一〇月二〇日に右兄のBがバツキユーム車と共に谷へ転落して死亡するに至つたため、今度は同人の妻である申立人に一般廃棄物処理業の許可が与えられ、引続き申立人及びAはし尿処理業を継続して行うことができるようにはなつたが、申立人自身にし尿処理の知識及び経験があるわけでなく、右許可に基く爾後のし尿処理業の経営は、右転落によつて使用できなくなつたバツキユーム車の新規購入代金等一切の費用負担を含めてすべてAが「吉田衛生」という名称を使用して行うようになり、申立人とA間に別段問題はなかつた。 ところが、昭和五一年九月にDが申立人の次女Cと結婚し、その頃から右DはAの下においてし尿処理業に従事するようになるのであるが、それから約八ケ月程経過した昭和五二年五月頃から、申立人とAとの間において利益配分等を含めし尿処理業の経営権をめぐつて紛争が始まり、終に申立人自身もバツキユーム車を独自に購入し、同年六月頃からは申立人、A双方そ 月程経過した昭和五二年五月頃から、申立人とAとの間において利益配分等を含めし尿処理業の経営権をめぐつて紛争が始まり、終に申立人自身もバツキユーム車を独自に購入し、同年六月頃からは申立人、A双方それぞれが同一区域に自らの車を乗り入れ、入り混つてし尿のくみ取りを行うという最悪の事態に立至つた。 法の定めるところにより、一定の処理計画を定めそれに従つて一般廃棄物の処理を行うべき義務を負わされている被申立人としても、右申立人ら間における争いの影響が一般市民にまで及びかねない状況になつてきたこと、及び当事者双方からも頻繁に仲介を求める申し出がなされたことからこれを放置しておくこともできなくなり、再三に亘つて当事者双方と話合い、指導した結果、漸く同年九月二一日から、従前Aがし尿処理していた区域の収集量を申立人が約六〇%、Aが約四〇%になるように区域割を行い、双方が合意して以後それぞれの区域でし尿の収集を行うようになり右紛争は一応の解決をみた。尚、申立人が収集するところとなつた右区域は、申立人が本申請において問題としている本件許可処分に付された指定区域とはぼ同一である。 しかし、右の状態が続いたのも昭和五四年三月三一日までの約半年間だけで、同年二月一三日付をもつて、申立人がAを解雇するという手段に出、昭和五四年度の一般廃棄物処理業の許可申請書に同人を従業員として記載しなかつたことから、昭和四六年度以降、申立人名義の傘下でし尿処理業を行つてきたAとしては以後五條市内において全く右営業を行うことができなくなつたため、Aにおいて申立人を相手方として五條簡易裁判所に調停の申立などをして争いが再燃するようになり、特にAが昭和五五年二月一九日付で、し尿浄化槽清掃業務の資格を取得してからは、自ら一般廃棄物処理業の許可申請を行うことができるようになり、同人が昭和五 に調停の申立などをして争いが再燃するようになり、特にAが昭和五五年二月一九日付で、し尿浄化槽清掃業務の資格を取得してからは、自ら一般廃棄物処理業の許可申請を行うことができるようになり、同人が昭和五五年度の右許可申請を行つたことから一層激化するところとなつた。このようなことから再び被申立人としても申立人らに対し円滑適正なし尿処理業務を行なわしめるため申立人及びAと引続き協議を重ねた末、同年一一月八日から、Aが兄Bとし尿処理業を始めるに至つた経緯、同人ら間の取り決め、昭和四六年一〇月二〇日兄B死亡後実質的にAが営業を行つてきていた事実等を総合勘案し、従来の処理区域のうち約七〇%を申立人に、そして約三〇%についてAに許可を与えることとなつた。 右過程において、申立人らが主張するような行為が生活をせんがためにあせつたAにより行われ、被申立人としてはこれに対し独自に法的手続をとつていたことはあるが、そのことを直接の基因として右処分がなされたというようなことはない。そして、被申立人は、昭和五五年度の許可期限の満了に伴い、昭和五六年度の一般廃棄物の処理業の許可を与えるにあたり、被申立人の作成した処理計画に照らしかつ各申請者についてそれぞれ検討を加えた上、申立人とAについては元来、申立人の夫BとAの兄弟が協同で行つていた「吉田衛生」の経営がここに至つて実質上分化するに至つた事実、当事者の利害が真向から対立している中で、当事者双方が並び立ち、かつし尿処理収集業務に遺憾なからしむるためには、当事者の合意の下に行われ過去に実績のある前記昭和五三年九月二一日から昭和五四年三月三一日までの例に従い、従来申立人らがし尿処理収集業務を行つていた区域を分割し、申立人に約六〇%、そしてAに約四〇%の収集処理区域を与えるのが妥当との判断に基き、本件処分に至つたものである 四年三月三一日までの例に従い、従来申立人らがし尿処理収集業務を行つていた区域を分割し、申立人に約六〇%、そしてAに約四〇%の収集処理区域を与えるのが妥当との判断に基き、本件処分に至つたものである。尚、申立人らに対する本件許可処分が昭和五六年五月六日付と遅れてなされたのは、申立人らから許可申請がなされて以後、被申立人において、右区域に指定して許可処分する予定であることを申立人とAに告知し、同人らの意思を聞いた上、できるだけ合意点を求めようとしていたからである。 (二) 被申立人としては、昭和五六年度における一般廃棄物処理業の許可を与えるにあたり、当然、まず、関係法令及びそれに基き五條市が定めた一般廃棄物処理計画に準拠して判断をなし、その上で申立人とAについては、(一)で述べた様な過程を経て申立人の夫であるBと同人の弟のAが許可を受けて始めたし尿収集処理業がここに至つて分化するに至つた実体及び今日までの経過を併せ考慮して本件許可処分に至つたもので、申立人の主張する様な法目的違反、平等原則違反及びその動機に不正はない。 また、右許可処分をなすにあたり、被申立人は法第七条第一二項の規定に準じ、申立人らの許可申請がなされてから本件許可処分をなした昭和五六年五月六日まで、申立人にその理由を告知し、弁明等の機会を与えたからその手続に違背もない。よつて、被申立人がなした本件許可処分に自由裁量権の濫用若くは踰越はない。 二本件許可処分により、申立人に回復の困難な損害を与えることはない。従つて右処分を停止する緊急の必要性もない。本件許可処分によるし尿収集処理区域の指定は、第一項(一)でも述べた通り、申立人とA間の合意に基き、既に昭和五三年九月二一日から昭和五四年三月三一日まで本件許可処分と同一の区域割に従つて、Aと申立人が実際営業を行いそれぞれ生活を行つ 指定は、第一項(一)でも述べた通り、申立人とA間の合意に基き、既に昭和五三年九月二一日から昭和五四年三月三一日まで本件許可処分と同一の区域割に従つて、Aと申立人が実際営業を行いそれぞれ生活を行つていた実績をもとにしているものであり、両当事者間において、当時と比べて従業員、その家族構成等に変化はなく、また収集実績をみてもほぼ申立人六〇%、A四〇%となつているところ、申立人及びAが収集したし尿の総収集量も当時とほとんど変つていないことから、申立人及びその家族、従業員らが本件処分によつて生活ができなくなつたということは考えられない。 三申立人が本件執行停止で求めているのは、本件許可処分のうち処理区域に関する部分のみである。もし、右処理区域に関する部分のみが取消された場合、申立人は区域指定のない単純な許可処分を受けたと同一に帰する。法第七条第三項は、被申立人が本件許可処分をなすに当り、適正かつ秩序あるし尿収集処理業務を行わしめるために、収集を行うことができる区域を定めることができると規定しているのであるが、もし、申立人に対する本件許可処分のうち処理区域のみが停止された場合、申立人は処理区域の指定を受けない単純な許可を受けたことと同一に帰し、五条市が定めた一般廃棄物の処理計画を根底から覆えすことは勿論、業者間においてもまた市民にまで無用の混乱を招くことは必至で、公共の福祉に重大な影響を及ぼす恐れがある。

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