平成16(ワ)322 交通事故による損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成18年10月27日 甲府地方裁判所
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判決文本文18,946 文字)

平成16年(ワ)第322号交通事故による損害賠償請求事件(A事件)平成16年(ワ)第419号交通事故による損害賠償請求事件(B事件)平成17年(ワ)第38号交通事故による損害賠償請求事件(C事件)主文 被告D及び被告F工業は,原告Aに対し,連帯して金3512万3617円及び内金3193万3617円に対する平成14年6月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告D及び被告F工業は,原告Bに対し,連帯して金3512万3617円及び内金3193万3617円に対する平成14年6月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告(原告)Cは,原告Aに対し,被告D及び被告F工業と連帯して金2458万8531円及び内金2235万3531円に対する平成14年6月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告(原告)Cは,原告Bに対し,被告D及び被告F工業と連帯して金2458万8531円及び内金2235万3531円に対する平成14年6月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告D及び被告F工業は,被告(原告)Cに対し,連帯して金5000万円及びこれに対する平成14年6月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告Aの被告Eに対する請求並びに被告(原告)C,被告D及び被告F工業に対するその余の請求をいずれも棄却する。 原告Bの被告Eに対する請求並びに被告(原告)C,被告D及び被告F工業に対するその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,A事件,B事件及びC事件を通じて,(1)原告Aに生じた費用の16分の3を被告(原告)Cの,16分の9を被告D及び被告F工業の各負担とし,原告Aに生じたその余の費用を原告Aの負担とし, (2)原告Bに 事件及びC事件を通じて,(1)原告Aに生じた費用の16分の3を被告(原告)Cの,16分の9を被告D及び被告F工業の各負担とし,原告Aに生じたその余の費用を原告Aの負担とし, (2)原告Bに生じた費用の16分の3を被告(原告)Cの,16分の9を被告D及び被告F工業の各負担とし,原告Bに生じたその余の費用を原告Bの負担とし,(3)被告(原告)Cに生じた費用の4分の1を原告A及び原告Bの,2分の1を被告D及び被告F工業の各負担とし,被告(原告)Cに生じたその余の費用を被告(原告)Cの負担とし,(4)被告Dに生じた費用の10分の1を原告A及び原告Bの負担とし,被告Dに生じたその余の費用を被告Dの負担とし,(5)被告Eに生じた費用を原告A及び原告Bの負担とし,(6)被告F工業に生じた費用の10分の1を原告A及び原告Bの負担とし,被告F工業に生じたその余の費用を被告F工業の負担とする。 この判決は,1項ないし5項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1請求 A事件及びC事件関係(1)被告(原告)C,被告D,被告E及び被告F工業は,原告Aに対し,連帯して金4670万1617円及び内金4245万1617円に対する平成14年6月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2)被告(原告)C,被告D,被告E及び被告F工業は,原告Bに対し,連帯して金4670万1617円及び内金4245万1617円に対する平成14年6月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 B事件関係被告D及び被告F工業は,被告(原告)Cに対し,連帯して金5000万円及びこれに対する平成14年6月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要 事案の要旨(1)被告( 被告F工業は,被告(原告)Cに対し,連帯して金5000万円及びこれに対する平成14年6月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要 事案の要旨(1)被告(原告)Cの子であるGは,原告A及び原告B(以下「原告Aら」という。)の子であるHを後部座席に乗せて普通自動二輪車(以下「本件自動二輪車」という。)を運転していた際,被告Dの運転する普通乗用自動車(以下「本件自動車」という。)と衝突し(以下「本件事故」という。),G及びHは,本件事故によって死亡した。 (2)A事件及びC事件は,Hの父母である原告Aらが,被告(原告)C,被告D,被告E及び被告F工業に対し,下記の請求権(原告Aら固有の請求権及び同人らがHから相続した請求権)に基づき,本件自動二輪車を運転していたGの相続人である被告(原告)C,本件自動車を運転していた被告D,本件自動車の自動車登録ファイル上の使用者であった被告E及び本件事故当時に被告Dを雇用していた被告F工業に対し,本件事故によってH及び原告Aらの被った損害の賠償を求めている事案である(附帯請求は,弁護士費用を除く損害に対する本件事故の日の翌日からの民法所定年5分の割合による遅延損害金請求である。)。 ア被告(原告)Cに対する関係不法行為による損害賠償請求権イ被告Dに対する関係不法行為による損害賠償請求権ウ被告Eに対する関係自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)3条による損害賠償請求権エ被告F工業に対する関係使用者責任による損害賠償請求権及び自賠法3条による損害賠償請求権(両請求権に基づく請求は,選択的併合の関係にある。) (3)B事件は,Gの母である被告(原告)Cが,Gから相続した次の請求権,すなわち,被告Dに対しては不法行為による損害賠償請求権に 償請求権(両請求権に基づく請求は,選択的併合の関係にある。) (3)B事件は,Gの母である被告(原告)Cが,Gから相続した次の請求権,すなわち,被告Dに対しては不法行為による損害賠償請求権に基づき,被告F工業に対しては自賠法3条の損害賠償請求権に基づき,本件事故によってGが被った損害の一部の賠償を求めている事案である(附帯請求は,本件事故の日の翌日からの民法所定年5分の割合による遅延損害金請求である。)。 前提となる事実(1)当事者等ア(ア)原告Aは,Hの父であり,原告Bは,Hの母である。 (イ)H(昭和57年8月11日生)は,平成14年7月1日,本件事故により死亡した。 (ウ)Hの相続人は,父である原告A及び母である原告Bの2名であり,それ以外にはいない。 イ(ア)被告(原告)Cは,Gの母である。 (イ)G(昭和58年1月5日生)は,平成14年6月20日,本件事故により死亡した。 (ウ)Gの相続人は,母である被告(原告)Cのみであり,それ以外にはいない。 ウ(ア)被告Dは,本件事故当時,本件自動車を運転していた。 (イ)被告Eは,本件事故当時,本件自動車の自動車登録ファイル上の使用者であった。 (ウ)被告F工業は,本件事故当時,被告Dを雇用していた。 (エ)Lは,本件事故当時,本件自動車に同乗しており,また,被告F工業の代表取締役を務めていた。 (争いがない。)(2)本件事故の発生 Gが運転し,Hが同乗していた本件自動二輪車と被告Dが運転し,Lが同乗していた本件自動車との間で,次の交通事故(本件事故)が発生した。 ア発生日時平成14年6月20日午前零時14分ころ(甲25,乙2,証人I)イ発生場所甲府市O町(以下省略)国道20号線O交差点(以下「本件交差点」という。)(争いがない。) した。 ア発生日時平成14年6月20日午前零時14分ころ(甲25,乙2,証人I)イ発生場所甲府市O町(以下省略)国道20号線O交差点(以下「本件交差点」という。)(争いがない。)ウ関係車両(ア)被告D運転車両(本件自動車)普通乗用自動車(日産グロリア)登録番号省略(イ)G運転車両(本件自動二輪車)普通自動二輪車(スズキGS400X)登録番号自動車登録番号標(ナンバープレート)なし(争いがない。)(3)H及びGの死亡アHは,本件事故の後,心肺停止状態となり,救急車で山梨医科大学医学部附属病院に搬送されたが,平成14年7月1日,同病院において,本件事故によって負った脳挫傷が原因で死亡した。 イGは,平成14年6月20日午前6時ころ,本件事故によって負った傷害が原因で死亡した。 (争いがない。)(4)本件実況見分調書の記載内容 アJ巡査は,平成14年6月20日午前零時45分から午前2時30分までの間,被告D及び目撃者と称するKの立会いを得て,本件事故について実況見分を行い(以下,この実況見分を「本件実況見分」という。),同月27日,実況見分調書(甲5号証はその写しである。 以下「本件実況見分調書」という。)を作成した。 イ本件実況見分調書には,被告Dの指示説明として,次の記載がある(なお,指示説明に用いられている各記号は,本件実況見分調書中の交通事故現場見取図に記載のある各記号を指す。以下,この交通事故現場見取図を「現場見取図」といい,その写しを別紙現場見取図として本判決に添付する。)。 (ア)対面信号の青色を見た地点は①,その時の信号は(信1)(イ)右折のため停止した地点は②(ウ)青色矢印信号が出て発進した地点は②,その時の信号は(信1)(エ)衝突した地点は(×),その時の本件 対面信号の青色を見た地点は①,その時の信号は(信1)(イ)右折のため停止した地点は②(ウ)青色矢印信号が出て発進した地点は②,その時の信号は(信1)(エ)衝突した地点は(×),その時の本件自動車の位置は③,本件自動二輪車の位置は(×)(オ)本件自動車が停止した地点は④,本件自動二輪車の位置は(ア),H及びGの位置は(イ),(ウ)(カ)(イ)に横たわっていた人(G)を移動させた地点は(イ)'ウ本件実況見分調書には,Kの指示説明として,次の記載がある(指示説明に用いられている各記号については,上記イと同じ。)。 (ア)Kが信号待ちしていた地点は(目)(イ)本件交差点の信号が矢印信号に変わったのを見た地点は(目),その時の信号は(信2),その時の本件自動車は②(ウ)本件自動車と対向直進の無灯火のバイク(本件自動二輪車)が衝突した地点は(×),その時のKは(目),その時の本件自動車の進行方向の信号は青色矢印信号 (エ)本件自動車が停止した地点は④,バイクが転倒した地点は(ア),G及びHが転倒した地点は(イ),(ウ)(甲5,証人K,被告D本人)(5)本件事故の目撃者Iは,本件事故の際,トレーラーを運転して本件自動二輪車の後方を竜王町方面へ向かって走行しており,本件事故の発生現場を目撃したが,警察官等に対して自己が目撃した本件事故の内容を話すことなく,すなわち,本件実況見分に協力することなく,本件事故の現場から離脱した。 (甲12,乙2,証人I) 争点 (1)本件事故の態様は,どのようなものであったか。 ア本件自動車と本件自動二輪車の衝突地点はどこか。 イ本件事故が発生した際,本件自動二輪車が進行する方向の信号機は青であったか,それとも赤(本件自動車にとっては右折信号青)であったか。 ウ本件事故が発生し 車と本件自動二輪車の衝突地点はどこか。 イ本件事故が発生した際,本件自動二輪車が進行する方向の信号機は青であったか,それとも赤(本件自動車にとっては右折信号青)であったか。 ウ本件事故が発生した際,本件自動二輪車のヘッドライトは点灯していたか。 エHは,本件事故が発生した際,ヘルメットを着用していたか。 (2)本件自動車の運行供用者は,被告Eか,それとも被告F工業か。 (3)本件事故によってH及び原告Aらが被った損害の内容及びその額(4)無償同乗(好意同乗)による減額の可否(原告Aらと被告(原告)Cとの間の争点)(5)本件事故によってGが被った損害の内容及びその額(被告(原告)Cと被告D,被告E及び被告F工業との間の争点)(6)過失相殺の可否(被告(原告)Cと被告D,被告E及び被告F工業との間の争点) 争点に対する当事者の主張(1)争点(1)(本件事故の態様は,どのようなものであったか。)についてア原告Aらの主張本件事故の態様は,次のとおりである。 本件自動二輪車を運転していたGは,本件事故の前,ヘルメットを着用したHを後部座席に乗せた上,ヘッドライトを点灯させて,国道20号線の最も左側の車線(別紙現場見取図の最も下方の車線)を竜王町方面に向かって走行し,青信号に従って本件交差点に進入したところ,本件交差点を一旦停止せずに右折してきた本件自動車と別紙現場見取図の(ア)地点で衝突した。 イ被告(原告)Cの主張(ア)上記アの事実は認める。 (イ)本件事故は,本件自動車を運転していた被告Dが本件交差点を右折する際に左右及び前方の安全確認を怠ったために発生したものである。 ウ被告D,被告E及び被告F工業(以下「被告Dら」という。)の主張(ア)上記アの事実は否認する。 (イ)本件事故の態様は,次のとお に左右及び前方の安全確認を怠ったために発生したものである。 ウ被告D,被告E及び被告F工業(以下「被告Dら」という。)の主張(ア)上記アの事実は否認する。 (イ)本件事故の態様は,次のとおりである。 被告Dは,本件交差点を右折するため,別紙現場見取図の②の地点で一旦停止し,右折の時機をうかがっていたが,本件交差点の信号が右折信号青に変わったので,この信号に従い右折を開始したところ,赤信号を無視し,かつ,無灯火で本件交差点に進入してきた本件自動二輪車と同見取図(×)の地点で衝突した。また,Hは,本件事故当時,ヘルメットを着用していなかった。 (ウ)以上のとおり,本件事故は,Gの一方的な過失によって発生し たものである。 (2)争点(2)(本件自動車の運行供用者は,被告Eか,それとも被告F工業か。)についてア原告Aらの主張(ア)被告Eは,本件事故当時,本件自動車の自動車登録ファイル上の使用者であった。 (イ)したがって,被告Eは,本件事故当時,本件自動車を自己のために運行の用に供していたというべきである。 イ被告(原告)Cの主張被告F工業は,本件事故当時,本件自動車を所有し,自己のために本件自動車を運行の用に供していた。 ウ被告E及び被告F工業の主張(ア)上記ア(ア)の事実は認める。同(イ)の主張は争う。上記イの事実は認める。 (イ)被告F工業は,平成12年12月18日まで,本件自動車の自動車登録ファイル上の所有者であったが,これを被告Eに売却することとして,同日,本件自動車の所有者を被告Eとする旨の登録手続を行った。しかしながら,被告Eがその代金を支払わなかったため,被告F工業は,被告Eへ本件自動車を引き渡すことなく,本件自動車を使用し続けていた。したがって,自己のために本件自動車を運行の用に供していた た。しかしながら,被告Eがその代金を支払わなかったため,被告F工業は,被告Eへ本件自動車を引き渡すことなく,本件自動車を使用し続けていた。したがって,自己のために本件自動車を運行の用に供していたのは,被告Eではなく,被告F工業であるというべきである。 (3)争点(3)(本件事故によってH及び原告Aらが被った損害の内容及びその額)についてア原告Aらの主張(ア)Hの損害 ①死亡慰謝料本件事故が被告Dの故意又は重大な過失によって発生したこと,被告D及び被告F工業の代表者であり,本件事故当時に本件自動車に同乗していたLが本件事故について何ら謝罪していないこと,被告D又は被告F工業の関係者が本件事故時にHが着用していたヘルメットを隠すなど証拠隠滅工作を行ったことなどにかんがみると,Hが本件事故によって死亡したことに対するHの慰謝料は,3000万円を下らないというべきである。 ②逸失利益aHは本件事故当時19歳であり,いわゆる若年労働者であったから,Hの逸失利益を算定するに当たっては,男子労働者全年齢平均の賃金センサスを用いるべきである。 b平成14年賃金センサスによると中卒男子労働者の年収額は,464万9600円である。 c19歳に対応するライプニッツ係数は,18.077である。 dHの生活費控除率は,50%とするのが相当である。 eそうすると,Hが本件事故によって死亡したことによる逸失利益は,次のとおり4202万5409円を下らないというべきである。 4,649,600×18.077×0.5=42,025,409.6③葬儀費用253万6000円④治療費Hは,平成14年6月20日から同年7月1日までの間,山梨医科大学医学部附属病院に入院し,治療費及び文書料として24万4925円を支払った。 ⑤休 葬儀費用253万6000円④治療費Hは,平成14年6月20日から同年7月1日までの間,山梨医科大学医学部附属病院に入院し,治療費及び文書料として24万4925円を支払った。 ⑤休業損害aHは,本件事故当時,M堂という看板を作る会社に雇用され,少なくとも1日当たり8075円の給与の支払を受けていた。 bHは,本件事故によって負傷し,平成14年6月20日から同年7月1日までの間,山梨医科大学医学部附属病院に入院せざるを得なくなり,その間,稼働することができなかった。 cそうすると,Hは,本件事故によって,休業損害として,少なくとも9万6900円(=8075円×12日)の損害を被ったというべきである。 (イ)原告Aらの損害原告Aらが本件事故によって未成年者である最愛の長男を失ったことに対する慰謝料は,各500万円を下らないというべきである。 (ウ)弁護士費用合計950万円(各425万円)イ被告(原告)Cの主張上記アの事実は知らない。 ウ被告Dらの主張上記アの事実は否認する。 (4)争点(4)(無償同乗(好意同乗)による減額の可否)についてア被告(原告)Cの主張(ア)Hは,自ら進んで本件自動二輪車の後部座席に同乗し,本件事故に遭遇した。 (イ)したがって,本件事故によるH及び原告Aらの損害は,いわゆる無償同乗(好意同乗)として相当額において減額すべきである。 イ原告Aらの主張上記ア(ア)の事実は認める。同(イ)の主張は争う。 (5)争点(5)(本件事故によってGが被った損害の内容及びその額)についてア被告(原告)Cの主張Gは,本件事故によって,次のとおりの損害を被った。 ①死亡慰謝料2200万円②逸失利益(ア)Gは本件事故当時19歳であり,いわゆる若年労働者であったから,G てア被告(原告)Cの主張Gは,本件事故によって,次のとおりの損害を被った。 ①死亡慰謝料2200万円②逸失利益(ア)Gは本件事故当時19歳であり,いわゆる若年労働者であったから,Gの逸失利益を算定するに当たっては,男子労働者全年齢平均の賃金センサスを用いるべきである。 (イ)平成14年賃金センサスによると中卒男子労働者の年収額は,464万9600円である。 (ウ)19歳に対応するライプニッツ係数は,18.077である。 (エ)Gの生活費控除率は,50%とするのが相当である。 (オ)そうすると,Gが本件事故によって死亡したことによる逸失利益は,次のとおり4202万5409円を下らないというべきである。 4,649,600×18.077×0.5=42,025,409.6③葬儀費用150万円④弁護士費用500万円イ被告Dらの主張上記アの事実は否認する。 (6)争点(6)(過失相殺の可否)についてア被告Dらの主張 本件事故はGの一方的な過失によって発生したものであるから,仮に本件事故の発生につき被告Dに過失が認められたとしても,Gの損害を相当額において過失相殺すべきである。 イ被告(原告)Cの主張上記アの主張は争う。 第3当裁判所の判断 争点(1)(本件事故の態様は,どのようなものであったか。)について(1)衝突地点についてア(ア)証拠(甲5,乙2,証人K,証人I,被告D本人,被告F工業代表者L)及び弁論の全趣旨によると,本件事故によって,本件自動二輪車の後部座席に乗っていたHは,別紙現場見取図(ウ)の地点まで投げ出され,また,本件自動二輪車を運転していたGは,同見取図(イ)の地点まで投げ出され,それぞれ各地点に横たわっていたことが認められる。 (イ)このH及びGが上記各地点まで投 図(ウ)の地点まで投げ出され,また,本件自動二輪車を運転していたGは,同見取図(イ)の地点まで投げ出され,それぞれ各地点に横たわっていたことが認められる。 (イ)このH及びGが上記各地点まで投げ出されていたという事実(仮に,本件自動二輪車と本件自動車の衝突地点が被告Dらの主張するように別紙現場見取図(×)の地点であったとしても,(×)の地点からHが投げ出された(ウ)の地点までは,20.7mもの距離があり(別紙現場見取図参照),また,仮に,衝突地点が原告Aらの主張するように(ア)の地点であったならば,その距離は更に長くなるから,本件事故当時の本件自動二輪車の速度は,後部座席に同乗していたHが20m以上も投げ出されるほどの速度ということになる。)に証拠(甲5,25,乙2,証人K,証人I)及び弁論の全趣旨を総合すると,本件自動二輪車は,蛇行して走行していた状態ではなく,ほぼ直進の状態で本件自動車に衝突し,その際の速度は, 時速60㎞を大幅に超えていたと認められる。 (ウ)そうすると,本件自動車に衝突した本件自動二輪車に乗車していたH及びGは,本件自動車のフロントガラスに衝突して若干方向が変わることはあったとしても,ほぼ進行方向に向かって投げ出されたと推定することができる。この事実に加えて,証拠(甲5)及び弁論の全趣旨によると,本件自動車と本件自動二輪車は,本件事故の直後に行われた本件実況見分の際,本件自動車は別紙現場見取図④の地点で,また,本件自動二輪車は同見取図(ア)の地点で,本件自動二輪車が本件自動車のエンジンルーム部分に激しく衝突した状態で停止していたと認められること,また,別紙現場見取図③の地点から④の地点までの道路表面に本件自動二輪車を引きずったような顕著なこん跡が存在しなかったと認められることを総合すると,本件 突した状態で停止していたと認められること,また,別紙現場見取図③の地点から④の地点までの道路表面に本件自動二輪車を引きずったような顕著なこん跡が存在しなかったと認められることを総合すると,本件事故の発生地点は,Hが横たわっていた同見取図(ウ)の地点及びGが横たわっていた同見取図(イ)の地点のほぼ延長線上にある同見取図(ア)の地点付近であったと推認することができる。 イこの点,被告Dらは,本件事故の発生地点は別紙現場見取図(×)の地点であると主張し,本件実況見分調書には,被告D及び証人Kが,本件事故の直後に実施された本件実況見分の際,J巡査に対し,上記主張に沿う旨を説明したとの記載がある。また,証人K,被告D及び被告F工業代表者Lは,その証人尋問及び本人尋問において,上記主張事実に沿う旨を証言及び供述する(証人Kの陳述書である丙4号証の記載を含む。)。 ウしかしながら,上記ア(イ)で述べた本件事故の発生態様によると,被告Dらの主張するように別紙現場見取図(×)の地点で本件自動車と衝突したH及びGが同見取図(ウ)及び(イ)の地点に投げ出されることは物理的に困難であると解される。すなわち,被告Dらの主張によると, Gは,同見取図(×)の地点で本件自動車に衝突した後,ほぼ90度左に投げ出されたことになるが,時速60㎞を大幅に超える速度で本件自動車に衝突したGが,いかに強烈に本件自動車のフロントガラスに衝突したとしても,ほぼ90度左に方向を変えるとは考え難い。そうすると,本件実況見分調書中の本件事故の衝突地点に関する被告D及びKの指示説明に関する記載及びこの指示説明に沿う旨の証人K,被告D及び被告F工業代表者Lの証言及び供述(陳述書の記載を含む。)は,にわかに信用することができない。 エまた,本件実況見分調書には,別紙現場見取図 に関する記載及びこの指示説明に沿う旨の証人K,被告D及び被告F工業代表者Lの証言及び供述(陳述書の記載を含む。)は,にわかに信用することができない。 エまた,本件実況見分調書には,別紙現場見取図(×)の地点の石和町側に60㎝の擦過痕(別紙現場見取図のa地点からb地点にかけての60㎝であり,本件実況見分調書に添付されている№28の写真は,この擦過痕を撮影したものである。)があった旨の記載があるが,既に判示したところに加えて,この擦過痕が本件事故によって作出されたことを裏付ける的確な証拠がないことにかんがみると,この擦過痕の存在に関する本件実況見分調書の記載によって,上記ア(ウ)の認定を覆すことはできない。 オ他に,上記ア(ウ)の認定を覆すに足りる証拠はない。 (2)本件交差点の信号についてア証拠(甲12,乙2,証人I)及び弁論の全趣旨によると,本件交差点の本件自動二輪車及び本件自動車の進行方向の信号は,本件事故の発生時,青信号であったと認められる。 イこの点,被告Dらは,本件事故の発生時,本件交差点の信号は赤信号(右折青信号)の状態であったと主張し,証人K,被告D及び被告F工業代表者Lは,この主張事実に沿う旨の証言及び供述をする(証人Kの陳述書である丙4号証,被告Dの陳述書である丙6号証及び被告F工業代表者Lの陳述書である丙5号証の記載を含む。)。 ウしかしながら,証拠(甲12,25(特に4頁),乙2,証人I)及び弁論の全趣旨によると,トレーラーを運転して本件自動二輪車の後方を時速約60㎞で走行していたIは,本件事故の発生を目撃して急減速したが,本件交差点の停止線までに停止できなかったことが認められるところ,もし,本件交差点の信号が被告Dらの主張するように赤信号(右折青信号)であったのならば,Iがこのように急減速し, 撃して急減速したが,本件交差点の停止線までに停止できなかったことが認められるところ,もし,本件交差点の信号が被告Dらの主張するように赤信号(右折青信号)であったのならば,Iがこのように急減速し,しかも本件交差点の停止位置までに停止できないとは考え難い(Iは,信号機が赤信号(右折青信号)に変わる前の黄信号に従って減速したはずである。)。そうすると,これと矛盾する上記イの供述及び証言(陳述書の記載を含む。)は,にわかに信用することができないといわざるを得ず,他に,上記アの認定を覆すに足りる証拠はない。 (3)ヘッドライト点灯の有無についてア証拠(甲12,32,乙2,証人I)及び弁論の全趣旨によると,本件自動二輪車は,本件事故の発生時,二つあるヘッドライトのうち少なくとも一つは点灯させていたことが認められる。 イこの点,被告Dらは,本件自動二輪車は本件事故の発生時に無灯火であったと主張し,本件実況見分調書には本件自動二輪車のヘッドライトのスイッチがオフであった旨及びKがJ巡査に対して本件自動二輪車は無灯火であったと説明した旨の記載があり,また,証人K,被告D及び被告F工業代表者Lは,この主張事実に沿う旨の証言及び供述をする(証人Kの陳述書である丙4号証,被告Dの陳述書である丙6号証及び被告F工業代表者Lの陳述書である丙5号証の記載を含む。)。 ウ(ア)しかしながら,上記イの証人Kの証言,被告D及び被告F工業代表者Lの各供述(陳述書の記載を含む。)は,同ア掲記の各証拠,特に,本件自動二輪車のヘッドライトが本件事故の際に通電状態で あったとする報告書(甲32)に照らして信用できない。 (イ)また,本件実況見分調書には,本件実況見分の際,本件自動二輪車のヘッドライトのスイッチがオフであったとの記載があるが,上記ア掲記の各証拠に ったとする報告書(甲32)に照らして信用できない。 (イ)また,本件実況見分調書には,本件実況見分の際,本件自動二輪車のヘッドライトのスイッチがオフであったとの記載があるが,上記ア掲記の各証拠に加えて,本件事故後の現場の混乱に紛れて何者かによってスイッチがオフにされた可能性や本件事故の衝撃によってスイッチがオフになった可能性を否定できないことに照らすと,本件実況見分の際に本件自動二輪車のヘッドライトのスイッチがオフであったことをもって,上記アの認定を覆すことはできないというべきである。 (ウ)なお,証人Kは,その証人尋問において,本件自動二輪車は本件事故時に無灯火であったと明確に証言するので更に検討するに,上記認定事実に証拠(甲5,証人K)及び弁論の全趣旨を総合すると,①証人Kは,本件事故の発生直前,別紙現場見取図(目)の地点で停車して自己の進行方向の信号が青に変わるのを待っていたこと,②本件交差点の道路両側には商店,ガソリンスタンド等が連立しており,同見取図(目)の地点から国道20号線の石和町方面の見通しは限られていたこと,③本件交差点は,街灯及び近隣のガソリンスタンドの照明によって,100m先まで見通せる程度に明るかったこと,④本件自動二輪車は,時速60㎞を大幅に上回る速度で本件交差点に進入してきたことが認められるところ,このような本件事故の発生時の状況にかんがみると,本件事故時に本件自動二輪車のヘッドライトが点灯していなかったとする証人Kの証言等の信用性には,疑問が残るといわざるを得ない。すなわち,既に認定したとおり,本件自動二輪車は,証人Kの視界に入ってから一瞬の間に本件自動車に衝突したと認められるが,本件事故の発生を予期していなかった証人Kが,この一瞬の間に,本件自動二輪車の ヘッドライトの点灯の有無 本件自動二輪車は,証人Kの視界に入ってから一瞬の間に本件自動車に衝突したと認められるが,本件事故の発生を予期していなかった証人Kが,この一瞬の間に,本件自動二輪車の ヘッドライトの点灯の有無について明確に認識し得たとは考え難い。 (エ)おって,証人Iが平成14年12月1日付けで作成した「目撃者証明」と題する書面(甲11)には,証人Iの認識として「オートバイのライトが点灯していたかどうかは,店の前が明るく,意識が右にありましたのでよく覚えていません。」との記載があるが,証人Iは,その証人尋問において,本件事故直前の記憶が喚起された経緯について具体的かつ合理的に証言しており,この「目撃者証明」と題する書面の記載のみをもって,証人Iのこの点に関する証言の信用性を否定することはできない。 (4)ヘルメット着用の有無についてア証拠(甲12,22,31,乙2,証人I,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,Hは,本件事故の際,ヘルメットを着用していたと認めることができる。 イこの点,証拠(甲7,9,被告D本人)及び弁論の全趣旨によると,Hは,本件事故の後,救急車で搬送される際,ヘルメットを着用していなかったこと及び本件事故の後,本件現場からHのヘルメットが発見されなかったことが認められる。 ウしかしながら,証拠(甲12,乙2,証人I)によると,本件事故によって別紙現場見取図(ウ)の地点まで投げ出されたHの近くに,甲22号証に写っているHのヘルメットが落ちていた事実が認められる。 そうすると,Hは,本件事故の際,ヘルメットを着用していたものの,本件事故の衝撃によってヘルメットが脱げ,その後,本件事故後の現場の混乱に紛れて,Hのヘルメットが行方不明となった可能性も否定できないから,上記イの事実をもって,上記アの認定を覆すことはできず, 本件事故の衝撃によってヘルメットが脱げ,その後,本件事故後の現場の混乱に紛れて,Hのヘルメットが行方不明となった可能性も否定できないから,上記イの事実をもって,上記アの認定を覆すことはできず,他に,上記アの認定を覆すに足りる証拠はない。 エなお,Gが本件事故当時にヘルメットを着用していた事実は,当事 者間に争いがない。 (5)まとめアそうすると,以下の検討に当たっては,次の事実を前提とすべきこ①Gは,ヘルメットを着用し,本件自動二輪車の後部座席にヘルメットを着用したHを同乗させ,国道20号線を竜王町方面に向かって走行していた。 ②その際,Gは,二つあるヘッドライトのうち少なくとも一つを点灯させていた。 ③Gは,国道20号線の一番左の車線を時速約60㎞を大幅に超える速度で走行し,青信号に従って本件交差点に進入し,別紙現場見取図の(ア)の地点付近で本件自動車と衝突した。 ④本件事故によって,Gは別紙現場見取図(イ)の地点まで投げ出され,また,Hは同見取図(ウ)の地点まで投げ出された。 イまた,上記前提となる事実及び認定事実によると,被告Dは,本件事故発生の前から,国道20号線を竜王町方面に向かって走行する本件自動二輪車の存在を認識していたと優に認めることができる。 この点,被告Dは,その本人尋問において,本件事故の発生まで本件自動二輪車を認識していなかった旨供述し,同人の陳述書である丙6号証にも同旨の記載があるが,これらの供述及び陳述書の記載は,全く信用することができない。 ウそうすると,本件事故は,本件自動車を運転していた被告D及び本件自動二輪車を運転していたGが,互いに相手方が衝突回避の措置をとるものと軽信して本件交差点に進入し,それぞれ衝突回避の措置をとることが遅れたことから発生したと認めることができる。 エ 被告D及び本件自動二輪車を運転していたGが,互いに相手方が衝突回避の措置をとるものと軽信して本件交差点に進入し,それぞれ衝突回避の措置をとることが遅れたことから発生したと認めることができる。 エしたがって,被告D及びGには,本件事故の発生につき,いずれも過失があるというべきである。 オなお,原告Aらは,被告Dが故意に本件自動車を本件自動二輪車に衝突させたと主張するが,そのような事実を認めるに足りる証拠は全くない。また,原告Aらは,被告Dが本件交差点を右折する際に一旦停止しなかったと主張するが,そのような事実を認めるに足りる的確な証拠はない。 争点(2)(本件自動車の運行供用者は,被告Eか,それとも被告F工業か。)について(1)本件事故時の本件自動車の運行供用者が被告F工業であったことは,被告(原告)Cと被告F工業との間で争いがない。 (2)証拠(丙1ないし3,5,被告F工業代表者L)及び弁論の全趣旨によると,被告F工業と被告Eは,平成12年12月ころ,本件自動車を被告Eに売却する旨合意したが,被告Eがその代金を支払わなかったため,被告F工業は,本件自動車を被告Eに引き渡すことなく,本件自動車を使用し続けていたことが認められる。そうすると,本件事故当時,本件自動車を所有し,自己のために本件自動車を運行の用に供していたのは,被告Eではなく,被告F工業であったというべきである。 (3)以上によると,原告Aらの被告Eに対する各請求は,その余の点につき検討するまでもなく理由がないから,いずれもこれを棄却すべきである。 争点(3)(本件事故によってH及び原告Aらが被った損害の内容及びその額)について(1)Hの損害について①死亡慰謝料ア既に判示したとおり本件事故の態様がせい惨なものであったこと,本件事故時にHが )(本件事故によってH及び原告Aらが被った損害の内容及びその額)について(1)Hの損害について①死亡慰謝料ア既に判示したとおり本件事故の態様がせい惨なものであったこと,本件事故時にHが19歳と若年であったこと,一方,下記===のとおり,Hの両親である原告Aらに対しても慰謝料の支払が命じられ ること,証拠(甲6,31,乙2,証人I,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,Hが自ら進んでいわゆる暴走行為に参加し,本件事故に遭遇したと認められることなど,本件にあらわれた一切の事情を総合考慮すると,本件事故によってHが死亡したことに対する慰謝料は,1600万円をもって相当と認める(Hと原告Aらの慰謝料の合計は2000万円となる。)。 イなお,被告D又はLが,自ら又は第三者をして,Hが着用していたヘルメットを隠匿するなど,本件事故に関する証拠を隠滅した事実を認めるに足りる証拠はない。 ②逸失利益アHは本件事故当時19歳であり,いわゆる若年労働者であったといえるから,Hの逸失利益を算定するに当たっては,男子労働者全年齢平均の賃金センサスを用いるのが相当である。 イそして,証拠(原告B本人)によると,Hは高校を中退して就職していたと認められるところ,平成14年賃金センサスによると,中卒男子労働者の年収額は,464万9600円である。 ウ19歳で死亡したHは,67歳までの48年間にわたって労働能力を喪失したと認めるのが相当であるところ,同期間に対応するライプニッツ係数(小数点4桁四捨五入)は,18.077である。 エHの生活費控除率は,50%とするのが相当である。 オそうすると,Hが本件事故によって死亡したことによる逸失利益は,次のとおり4202万5409円を下らないというべきである。 4,649,600×18.077×0. は,50%とするのが相当である。 オそうすると,Hが本件事故によって死亡したことによる逸失利益は,次のとおり4202万5409円を下らないというべきである。 4,649,600×18.077×0.5=42,025,409.6③葬儀費用本件事故と相当因果関係のある損害として認めるべき葬儀費用は,150万円をもって相当と認める。 ④治療費証拠(甲4の1ないし5)によると,Hは,平成14年6月20日から同年7月1日までの間,山梨医科大学医学部附属病院に入院し,治療費及び文書料として24万4925円を支払ったことを認めることができる。 ⑤休業損害ア上記前提となる事実,証拠(原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,Hは,本件事故当時,少なくとも1日当たり8075円の給与の支払を受けていたこと,また,Hは,本件事故によって負傷し,平成14年6月20日から同年7月1日まで山梨医科大学医学部附属病院に入院せざるを得なくなり,この間,稼働することができなかったことを認めることができる。 イそうすると,Hは,本件事故によって,休業損害として,少なくとも9万6900円(=8075円×12日)の損害を被ったといえる。 ⑥まとめ上記①ないし⑤の損害額を合計すると5986万7234円となるから,原告Aらは,それぞれ2993万3617円の損害賠償請求権をHから相続したこととなる。 (2)原告Aらの損害について原告Aらは,せい惨な本件事故によって不意に長男であるHを失っており,甚だしい精神的苦痛を被ったと認められる。この事実に加えて,上記(1)で述べたとおりHの死亡慰謝料として1600万円の支払が命じられることなど,本件にあらわれた一切の事情を総合考慮すると,本件事故によってHが死亡したことにより原告Aらが被った精神的苦痛は,それぞれ2 述べたとおりHの死亡慰謝料として1600万円の支払が命じられることなど,本件にあらわれた一切の事情を総合考慮すると,本件事故によってHが死亡したことにより原告Aらが被った精神的苦痛は,それぞれ200万円の支払をもって慰謝するのが相当である。 (3)弁護士費用について本件訴訟の難易の程度や認容額などを考慮すると,原告Aらと被告Dらとの間において本件事故と相当因果関係のある損害として認めるべき弁護士費用は,合計638万円(各319万円)をもって相当と認める。 (4)まとめ以上によると,原告Aらの被告D及び被告F工業に対する請求は,被告Dに対しては各人固有の及びHから相続した不法行為による損害賠償請求権に基づき,被告F工業に対しては各人固有の及びHから相続した自賠法3条による損害賠償請求権に基づき,連帯して3512万3617円及び弁護士費用を除く損害である3193万3617円に対する本件事故の日の翌日である平成14年6月21日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,その限度でいずれもこれを認容し,その余は理由がないから,いずれもこれを棄却すべきである(なお,被告F工業に対する請求について,自賠法3条に基づく損害賠償請求と選択的併合の関係にある使用者責任に基づく損害賠償請求が上記認容額以上に認容されることがないことは両請求相互の関係から明らかであるから,使用者責任による損害賠償請求については判断しない。)。 争点(4)(無償同乗(好意同乗)による減額の可否)について(1)Hが自ら進んで本件自動二輪車の後部座席に同乗し,本件事故に遭遇した事実は,原告Aらと被告(原告)Cとの間で争いがなく,また,証拠(甲5,6,12,22,乙2,証人I)及び弁論の全趣旨によると,HとGは,本件 で本件自動二輪車の後部座席に同乗し,本件事故に遭遇した事実は,原告Aらと被告(原告)Cとの間で争いがなく,また,証拠(甲5,6,12,22,乙2,証人I)及び弁論の全趣旨によると,HとGは,本件事故の当日,Qという名称のグループによって行われた暴走行為に参加し,本件事故当時は集団から離脱していたものの,蛇行運転をするなど危険な走行をしていたことが認められる。 (2)そうすると,Hは,本件事故の当日,危険であることを承知して 本件自動二輪車に同乗し,Gとともに暴走行為に及んでいたと認められるから,原告Aらと被告(原告)Cの間においては,いわゆる無償同乗(好意同乗)として,過失相殺の規定を類推適用して,その損害額の3割を減額するのが相当である(減額後の弁護士費用を除く損害額は,合計4470万7063円となる。)。 (3)本件訴訟の難易の程度や認容額などを考慮すると,原告Aらと被告(原告)Cとの間において本件事故と相当因果関係のある損害として認めるべき弁護士費用は,合計447万円(各223万5000円)をもって相当と認める。 (4)以上によると,原告Aらの被告(原告)Cに対する請求は,各人固有の及びHから相続した不法行為による損害賠償請求権に基づき,被告D及び被告F工業と連帯して2458万8531円及び弁護士費用を除く損害である2235万3531円に対する本件事故の日の翌日である平成14年6月21日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,この限度でいずれもこれを認容し,その余の請求は理由がないから,いずれもこれを棄却すべきである。 争点(5)(本件事故によってGが被った損害の内容及びその額)について①死亡慰謝料既に判示したとおり本件事故の態様がせい惨なものであったこと,本 ないから,いずれもこれを棄却すべきである。 争点(5)(本件事故によってGが被った損害の内容及びその額)について①死亡慰謝料既に判示したとおり本件事故の態様がせい惨なものであったこと,本件事故時にGが19歳と若年であったこと,一方,証拠(甲6,乙2,証人I)及び弁論の全趣旨によると,Gが自ら進んでいわゆる暴走行為に参加し,本件事故に遭遇したと認められることなど,本件にあらわれた一切の事情を総合考慮すると,本件事故によって死亡したことに対するGの慰謝料は,2000万円をもって相当と認める。 ②逸失利益アGは本件事故当時19歳であり,いわゆる若年労働者であったから,Gの逸失利益を算定するに当たっては,男子労働者全年齢平均の賃金センサスを用いるべきである。 イ証拠(乙4)及び弁論の全趣旨によると,Gは中学を卒業して就職したと認められるところ,平成14年賃金センサスによると中卒男子労働者の年収額は,464万9600円である。 ウ19歳で死亡したGは,67歳までの48年間にわたって労働能力を喪失したと認めるのが相当であるところ,同期間に対応するライプニッツ係数(小数点4桁四捨五入)は,18.077である。 エGの生活費控除率は,50%とするのが相当である。 オそうすると,Gが本件事故によって死亡したことによる逸失利益は,次のとおり4202万5409円を下らないというべきである。 4,649,600×18.077×0.5=42,025,409.6③葬儀費用本件事故と相当因果関係にある損害として認めるべき葬儀費用は,150万円をもって相当と認める。 ④弁護士費用本件事故と相当因果関係のある損害として認めるべき弁護士費用については,争点(6)(過失相殺の可否)について検討した後に検討する。 争点(6)(過失相殺の可 をもって相当と認める。 ④弁護士費用本件事故と相当因果関係のある損害として認めるべき弁護士費用については,争点(6)(過失相殺の可否)について検討した後に検討する。 争点(6)(過失相殺の可否)について(1)上記1で検討した本件事故の発生態様によると,本件事故の発生については,Gにも過失(落ち度)があったというべきであるところ,本件事故の発生態様及び本件にあらわれた一切の事情を総合考慮すると,Gの損害の1割5分を過失相殺するのが相当である(過失相殺後の損害額は,5399万6597円(1円未満切捨て)となる。)。 (2)本件訴訟の難易の程度や認容額などを考慮すると,本件事故と相当因果関係のあるGの損害として認めるべき弁護士費用は,被告(原告)Cの主張する500万円をもって相当と認める。 (3)そうすると,本件事故によってGが被った損害の合計は,合計5899万6597円となる。 (4)以上によると,被告(原告)Cの被告D及び被告F工業に対する請求(一部請求)は,すべて理由があるから,いずれもこれを認容すべきである。 結論 よって,訴訟費用の負担につき民事訴訟法64条本文,65条1項及び61条を,仮執行の宣言につき同法259条1項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。 甲府地方裁判所民事部裁判官岩井一真

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