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昭和36(ラ)93 不動産仮処分申請却下決定に対する抗告事件

裁判所

昭和37年3月13日 高松高等裁判所

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2,812 文字

主文 本件抗告を棄却する。抗告費用は抗告人の負担とする。理由 抗告人は「原決定を取消す、別紙目録記載の不動産に対する相手方の占有を解き抗告人の委任する高知地方裁判所所属執行吏に保管を命ずる、右執行吏は現状を変更しないことを条件として抗告人に右物件の使用を許さなければならない」との裁判を求めた。その抗告の理由は別紙「抗告の理由」のとおりである。当裁判所が、記録にあらわれた疏明によつて認定する事実は原決定の記載と同一であるからここに右記載を引用する。抗告理由第二点について。<要旨>いわゆる占有回収の訴は占有という事実的支配状態をそのあるがままに保護することを目的とするもので、</要旨>占有が侵奪されてそこに暫時の間秩序が撹乱された状態が生じたときにその撹乱の原因を問うことなくともかく一応前の秩序を回復させる制度であるから、それは原則として私人間の占有侵奪についてのみ適用があるものというべきであつて、強制執行という社会的に公認された方法による占有侵奪についてはたとえ後になつてその執行の違法であることが明らかになつた場合においてもそれが著しく違法性を帯びてもはや社会的に公認された執行というにたえないものでない限り適用されないものと解するのが相当である。本件においては前認定のように、相手方(競落人)の引渡命令による執行によつて抗告人(物件所有者)が本件(抵当)不動産の占有を奪われた後に、かねて抗告人が右執行について申立てていた執行方法の異議事件の抗告審において、相手方が右引渡命令の執行に著手してから本件不動産を抗告人に売渡したことを認め「右売買によりもはや執行手続のなかで相手方のために簡易迅速な引渡方法を認めて相手方を保護する必要はなくなつたからたとえ右売買が解除されても右引渡 に著手してから本件不動産を抗告人に売渡したことを認め「右売買によりもはや執行手続のなかで相手方のために簡易迅速な引渡方法を認めて相手方を保護する必要はなくなつたからたとえ右売買が解除されても右引渡命令による執行を続行することは許されない」という裁判がなされた。 買によりもはや執行手続のなかで相手方のために簡易迅速な引渡方法を認めて相手方を保護する必要はなくなつたからたとえ右売買が解除されても右引渡 に著手してから本件不動産を抗告人に売渡したことを認め「右売買によりもはや執行手続のなかで相手方のために簡易迅速な引渡方法を認めて相手方を保護する必要はなくなつたからたとえ右売買が解除されても右引渡命令による執行を続行することは許されない」という裁判がなされた。当裁判所も右抗告審と見解を同じくし、抗告人は相手方の違法な執行により占有を奪われたものと判断する。しかしそれにもかかわらず、抗告人は相手方の右占有侵奪に対して占有回収の訴によつて救済を求めることはできない。かかる場合右執行はいまだ前記の強制執行というに価しない程までに著しく違法性を帯びていわば私人の実力による占有の奪取と同一視すべきものとまでは認めがたいからである。(なお本件では論旨のいうように引渡命令が効力を失つたと認定された後に相手方がその引渡命令を有効なもののように装つて執行したものではない。)さらに抗告人は「相手方は本件の引渡命令による執行はしないと確約したのにかかわらず執行をした」旨主張し、かかる確約があつたとする証明書(疏第三号)があるが、それによつても右約言が本件不動産の売買契約の存続している間執行しないことを約したばかりでなく右売買が解除された場合を含めていかなる場合にも一切執行をしない趣旨であるとは認めがたいので、右売買契約の存続中はともかくそれが解除された後のこととしては右確約違反の主張は採用できない。したがつて本件執行がこの点において著しく違法性を帯びて前記例外の場合にあたるとすることはできない。要するに抗告人には占有訴権が認められない。論旨は理由がない。第三点について。冒頭認定の事実によれば、原審が本件不動産の売買契約が相手方によつて解除されたと認めたのは相当である。抗告人はその所有権を主張することはできない。本件不動産の昭和三五年度分固定 第三点について。冒頭認定の事実によれば、原審が本件不動産の売買契約が相手方によつて解除されたと認めたのは相当である。抗告人はその所有権を主張することはできない。本件不動産の昭和三五年度分固定資産税についてはむしろ抗告人に納税義務があると解されるから(地方税法第三四三条第三五九条参照)たとえ相手方が抗告人との約定を履行しない場合でも抗告人は先ず自ら納税をして滞納による差押をうけないようにすべきであつて(相手方との関係は抗告人の代金債務から差引くこともできる)、それをしないために滞納による差押を受けたからといつて相手方に責任を転嫁することはできない。 きない。本件不動産の昭和三五年度分固定資産税についてはむしろ抗告人に納税義務があると解されるから(地方税法第三四三条第三五九条参照)たとえ相手方が抗告人との約定を履行しない場合でも抗告人は先ず自ら納税をして滞納による差押をうけないようにすべきであつて(相手方との関係は抗告人の代金債務から差引くこともできる)、それをしないために滞納による差押を受けたからといつて相手方に責任を転嫁することはできない。論旨は理由がない。第一点について。叙上のような認定、判断からすれば、抗告人の本件仮処分の申請は、占有回復請求権にもとずく場合もまた所有権にもとずく場合もともに認容しがたい。右申請は却下されざるをえず、原決定の判断に違法はない。論旨のいう執行しない確約について原決定は判断を明らかにしていないが、前記のとおり右確約は認められないから論旨を排斥する結論に影響しない。第四点について。当裁判所は上述のように本件不動産の売買が解除され抗告人はその所有権を失つたことを認定したので、右解除が認められず抗告人が依然として所有者であることを前提とするこの論旨はもとより採用の余地がない。第五点について。原審は昭和三六年一一月二五日の更正決定により論旨のように原決定を更正したから、もはや論旨は抗告理由としては採用しがたい。その他原決定には違法の点はなく、その判断は正当であり、本件抗告は理由がない。よつて抗告費用について民事訴訟法第九五条、第八九条を準用して主文のとおり決定する。(裁判長裁判官渡辺進裁判官水上東作裁判官石井玄)目録高知市a町字a町b番一、 つて抗告費用について民事訴訟法第九五条、第八九条を準用して主文のとおり決定する。(裁判長裁判官渡辺進裁判官水上東作裁判官石井玄)目録高知市a町字a町b番一、宅地四三坪同所同番地上家屋番号同町c番一、居宅木造瓦葺平屋建一棟床面積一九坪七合九勺一、浴室木造瓦葺平屋建一棟床面積二坪八勺

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