平成26(行ケ)10137 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成27年3月10日 知的財産高等裁判所 2部 判決 審決取消
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判決文本文34,143 文字)

- 1 -平成27年3月10日判決言渡平成26年(行ケ)第10137号審決取消請求事件口頭弁論終結日平成27年2月24日判決 原告アウトラストテクノロジーズ,リミテッドライアビリティカンパニー 訴訟代理人弁護士仁田陸郎萩尾保繁山口健司石神恒太郎関口尚久伊藤隆大弁理士古賀哲次胡田尚則高橋正俊出野知小林直樹訴訟復代理人弁理士関根宣夫 被告特許庁長官指定代理人栗林敏彦渡邊真井上茂夫 - 2 -堀内仁子 主文 1 特許庁が不服20 井上茂夫 - 2 -堀内仁子 主文 1 特許庁が不服2013-3363号事件について平成26年1月20日にした審決を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告が求めた判決主文同旨第2 事案の概要本件は,特許出願の拒絶査定不服審判請求に対する不成立審決の取消訴訟である。 争点は,①審判における手続違背の有無及び②補正の適法性についての判断(補正に係る新規事項追加禁止要件該当性及び独立特許要件該当性についての判断)の当否である。 1 特許庁における手続の経緯原告は,平成13年9月21日(優先権主張平成12年9月21日・米国)を国際出願日とし,発明の名称を「可逆的熱特性を有する複合繊維」とする発明につき,特許出願をし(特願2002-529579号),平成16年4月2日付けで公表されたが(特表2004-510068号。甲4),平成23年6月28日付けで拒絶理由通知を受けた(甲5。以下「本件拒絶理由通知」ともいう。)ので,平成24年1月5日,手続補正をした(甲7。以下「平成24年補正」ともいう。)。 原告は,同年10月18日付けで拒絶査定を受けた(甲8。以下「本件拒絶査定」ともいう。)ので,平成25年2月21日,これに対する不服の審判を請求する(不服2013-3363号。甲12。以下「本件審判手続」ともいう。)とともに,手続補正をした(甲10。以下「本件補正」ともいう。)。 特許庁は,平成26年1月20日,本件補正を却下した上で,「本件審判の請求は, - 3 -成り立たない。」との審決(以下「本件審決」とい 続補正をした(甲10。以下「本件補正」ともいう。)。 特許庁は,平成26年1月20日,本件補正を却下した上で,「本件審判の請求は, - 3 -成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。)をし,その謄本は,同年2月4日,原告に送達された。 2 本願発明の要旨⑴ 本願特許に係る公表特許公報(甲4。以下「本願公表特許公報」という。)に掲載されている特許請求の範囲(以下「当初特許請求の範囲」という。)別紙1のとおり。 以下,各請求項を「当初請求項1」,「当初請求項2」などといい,各請求項に記載された発明を「当初本願発明1」,「当初本願発明2」などという。 ⑵ 平成24年補正によって変更された特許請求の範囲(以下「平成24年補正後特許請求の範囲」という。)別紙2のとおり(甲7)。 以下,各請求項を「平成24年補正後請求項1」,「平成24年補正後請求項2」などといい,各請求項に記載された発明を「平成24年補正後本願発明1」,「平成24年補正後本願発明2」などという。 ⑶ 本件補正後の特許請求の範囲(以下「本件補正後特許請求の範囲」という。)別紙3のとおり(甲10)。 以下,各請求項を「本件補正後請求項1」,「本件補正後請求項2」などといい,各請求項に記載された発明を「本件補正後本願発明1」,「本件補正後本願発明2」などという。 3 本件審決の理由の要点⑴ 本件補正についてア本件補正後請求項19について本件補正後請求項19には,「セルロース材料と前記セルロース材料中に分散された複数のマイクロカプセルとを含む繊維本体を含み」という発明特定事項及び「前 - 4 -記セルロース繊維が10重量%~60重量%の前記パラフィン系炭化水素を含む複数のマイクロカプセ 中に分散された複数のマイクロカプセルとを含む繊維本体を含み」という発明特定事項及び「前 - 4 -記セルロース繊維が10重量%~60重量%の前記パラフィン系炭化水素を含む複数のマイクロカプセルを含む」という発明特定事項が記載されている。 しかしながら,これらの発明特定事項は,いずれも願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載されておらず,当初明細書等の記載から自明な事項とも認められない。 したがって,本件補正後請求項19に係る本件補正は,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく,平成14年法律第24号改正附則(以下「平成14年法改正附則」という。)3条1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「平成14年改正前特許法」という。)17条の2第3項の規定に違反するものであるから,本件補正は,(判決注:平成14年法改正附則2条1項によりなお従前の例によるとされる)同法159条1項において読み替えて準用する(判決注:平成14年法改正附則2条1項及び3条1項によりなお従前の例によるとされる)同法53条1項の規定により却下されるべきものである。 イ本件補正後請求項1について(ア) 本件補正後請求項1に係る本件補正は,平成24年補正後請求項1につき,①「向上した可逆的熱特性を有する複合繊維」を「複合繊維」と補正する補正事項及び②「ポリマー相変化物質」を「パラフィン系炭化水素」と補正する補正事項を含んでいるが,①は,(判決注:平成14年法改正附則2条1項によりなお従前の例によるとされる)平成14年改正前特許法17条の2第4項4号所定の明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当し,②は,同項2号所定の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 りなお従前の例によるとされる)平成14年改正前特許法17条の2第4項4号所定の明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当し,②は,同項2号所定の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (イ) 本件補正後本願発明1の独立特許要件(平成18年法律第55号改正附則3条1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法〔以下「平成18年改正前特許法」という。〕17条の2第5項において準用する〔判決注:平成23年法律第63号附則2条18項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法[以下「平成23年改正前特許法」という。]〕126条5項)充 - 5 -足の有無についてa 引用発明引用例(特開平8-311716号公報。甲1。以下「引用例」は甲1を指すものとする。)には,以下の引用発明が記載されているものと認められる。 「吸発熱性複合繊維であって,前記吸発熱性複合繊維が,芯成分である重合体Aとパラフィンとの混合体,及び鞘成分である重合体Bを含む同心型芯鞘複合繊維であり,前記重合体Aとパラフィンとの混合体が,凝固点Tc23℃,融点Tm36℃のパラフィンワックスを含み,前記パラフィンワックスの融解及び凝固による吸発熱を提供する吸発熱性複合繊維。」b 本件補正後本願発明1と引用発明との対比引用発明における①「吸発熱性複合繊維」,②「芯成分である重合体Aとパラフィンとの混合体及び,鞘成分である重合体B」,③「同心型芯鞘複合繊維」,④「凝固点Tc23℃,融点Tm36℃」,⑤「パラフィンワックス」,⑥「融解」,⑦「凝固」及び⑧「吸発熱を提供する」は,それぞれ,本件補正後本願発明1における①´「複合繊維」,②´「複数の長手部材」,③´「複数の長手部材から形成さ 6℃」,⑤「パラフィンワックス」,⑥「融解」,⑦「凝固」及び⑧「吸発熱を提供する」は,それぞれ,本件補正後本願発明1における①´「複合繊維」,②´「複数の長手部材」,③´「複数の長手部材から形成された繊維本体」,④´「22.0℃~40.5℃の範囲の転移温度」,⑤´「パラフィン系炭化水素」,⑥´「溶融」,⑦´「結晶化」及び⑧´「温度調節を提供する」に,相当する。 また,引用発明における「重合体Aとパラフィンとの混合体が,凝固点Tc23℃,融点Tm36℃のパラフィンワックスを含み」は,本件補正後本願発明1における「長手部材の少なくとも1本が22.0℃~40.5℃の範囲の転移温度を有するパラフィン系炭化水素を含み」に相当する。 c 以上によれば,本件補正後本願発明1は,引用発明と同一のものであるから,特許法29条1項3号の規定に該当し,特許出願の際独立して特許を受けることができない。 - 6 -したがって,本件補正は,独立特許要件を欠き,平成18年改正前特許法17条の2第5項において準用する平成23年改正前特許法126条5項の規定に違反するものであり,平成14年改正前特許法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。 ⑵ 平成24年補正後本願発明1についてア平成24年補正後本願発明1は,本件補正後本願発明1につき,①「パラフィン系炭化水素」を「ポリマー相変化物質」と技術的に拡張し,また,②「複合繊維」を「向上した可逆的熱特性を有する複合繊維」としたものである。 イ引用発明との対比についてみると,引用発明の「吸発熱性複合繊維」は,平成24年補正後本願発明1の「向上した可逆的熱特性を有する複合繊維」に相当する。平成24年補正後本願発明1のその余の構成 イ引用発明との対比についてみると,引用発明の「吸発熱性複合繊維」は,平成24年補正後本願発明1の「向上した可逆的熱特性を有する複合繊維」に相当する。平成24年補正後本願発明1のその余の構成要件と,引用発明の構成要素との対応関係は,前記⑴イ(イ)bのとおりである。 ウ以上によれば,平成24年補正後本願発明1は,引用発明と同一のものであるから,特許法29条1項3号の規定に該当し,特許を受けることができない。 第3 原告主張の審決取消事由 1 取消事由1(審判における手続違背〔平成14年法改正附則2条1項によりなお従前の例によるとされる平成14年改正前特許法159条2項,50条本文違反〕)本件審決は,本件拒絶査定の理由と異なる拒絶の理由をもって審判不成立の判断をしているところ,平成14年改正前特許法159条2項により準用される同法50条本文所定の手続を履践していない。これは,重大な手続違背といえるから,本件審決は,取り消されるべきである。 ⑴ 本件拒絶査定の理由についてア本件拒絶理由通知書(甲5)の記載本件拒絶査定に先立って行われた本件拒絶理由通知においては,当初請求項1が, - 7 -引用例との関係において,特許法29条1項3号(「理由1」)及び同条2項(「理由2」)に該当し,特許を受けることができない旨が記載されていた。 イ平成24年1月5日付け意見書(甲6。以下「平成24年意見書」という。)及び同日付け手続補正書(甲7。以下「平成24年手続補正書」という。)の記載原告は,当初請求項1について,本件拒絶理由通知において指摘された「理由1」及び「理由2」を回避するために,平成24年1月5日付けで,平成24年補正を行うとともに,平成24年意見書を提出した。 原告は, 当初請求項1について,本件拒絶理由通知において指摘された「理由1」及び「理由2」を回避するために,平成24年1月5日付けで,平成24年補正を行うとともに,平成24年意見書を提出した。 原告は,平成24年補正において,当初請求項1を平成24年補正後請求項1に変更する補正を行った。そして,平成24年意見書において,平成24年補正後本願発明1等が,①本件拒絶理由通知書記載の引用文献1(甲1。以下「引用文献1」は甲1を指すものとする。)に対して新規性を有すること並びに②引用文献1,本件拒絶理由通知書記載の引用文献2(特開平08-246227号公報)及び引用文献3(特開平05-311579号公報)に対して進歩性を有することを主張した。 ウ本件拒絶査定(甲8)の記載本件拒絶査定においては,平成24年補正後請求項1に関し,①当該補正が新規事項を追加するものであること及び②請求項の記載が明瞭でないことのみが指摘され,本件拒絶理由通知書に記載されていた「理由1」及び「理由2」には,一切言及されていない。 本件拒絶査定の「備考」欄には,平成24年補正後請求項24及び25が本件拒絶理由通知書の「理由1」及び「理由2」に該当すること,平成24年補正後請求項26が「理由2」に該当すること,平成24年補正後請求項6及び9から12が「理由2」に該当することのみが記載されており,平成24年補正後請求項1を含むその他の請求項については,「理由1」及び「理由2」に言及されていないことは,明らかである。 エ小括 - 8 -本件審決は,平成24年補正後本願発明1が,引用発明と同一のものであるから,特許法29条1項3号の規定に該当する旨の判断をしているところ,本件拒絶査定には,上記判断に対応する拒絶理由は記載されていない。 したがっ 4年補正後本願発明1が,引用発明と同一のものであるから,特許法29条1項3号の規定に該当する旨の判断をしているところ,本件拒絶査定には,上記判断に対応する拒絶理由は記載されていない。 したがって,本件審決については,拒絶査定不服審判において「査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合」(平成14年改正前特許法159条2項)に該当し,「特許出願人に対し,拒絶の理由を通知し,相当の期間を指定して,意見書を提出する機会を与えなければならない」(同項の準用する同法50条本文)にもかかわらず,この手続を履践しなかったという,重大な手続違背が存する。 オ被告の反論に対し以下の点に鑑みれば,原告において,本件拒絶査定の趣旨を被告主張のとおりに解することは,不可能である。 (ア) 本件拒絶理由通知書においては,①理由の種別,②当該理由に該当する請求項及び③根拠とする引用文献の組合せが,すべての請求項について漏れなく具体的に記載されており,このことから,同一の審査官による本件拒絶査定についても,同様の形式及び意味内容で記載されていると理解するのが自然である。 したがって,本件拒絶査定の記載については,「理由1」及び「理由2」に該当する請求項は,備考欄において具体的に列挙されたものに限られると解するのが自然といえる。 (イ) 平成24年補正によって当初請求項4及び10が削除され,また,新たな請求項が追加されたことから,本件拒絶査定時においては,本件拒絶理由通知時と請求項の項番号を異にしており,当時は存在しなかった請求項も追加されている。 この点に鑑みると,本件拒絶査定において「理由1」及び「理由2」に該当するとされる請求項が,本件拒絶理由通知書の記載にかかわらず,「備考」欄において具体的に指摘されている請求項のみであ ている。 この点に鑑みると,本件拒絶査定において「理由1」及び「理由2」に該当するとされる請求項が,本件拒絶理由通知書の記載にかかわらず,「備考」欄において具体的に指摘されている請求項のみであると理解されるのは,やむを得ない。 (ウ) ①平成24年補正によって新たに追加された請求項のうち,平成24 - 9 -年補正後請求項27及び28については,本件拒絶査定において全く言及されていないこと,②本件拒絶査定の「備考」欄において,本件拒絶理由通知書中,「理由2」に該当するものとされた当初請求項7及び11から16に対応する平成24年補正後請求項6及び9から12については,なおも「理由2」に該当する旨の判断が,本件拒絶査定の「備考」欄に再度明示されていることから,本件拒絶査定の「備考」欄の記載をもって,本件拒絶理由通知後の平成24年補正によって新たに追加された請求項に係る拒絶理由のみを追記したものにすぎないと解することは,できない。 (エ) 平成24年補正後請求項1の記載は,当初請求項1に新たな限定要素を追加する減縮補正をしたものであるから,明示的な説明もなく,平成24年補正後請求項1につき,当初請求項1と同様に「理由1」が維持されているとは,理解できない。 ⑵ 本件拒絶査定に関する原告の認識について仮に,本件拒絶査定において,平成24年補正後請求項1につき,本件拒絶理由通知書記載の当初請求項1に関する引用文献1に係る「理由1」及び「理由2」が維持されていると解されるとしても,以下のとおり,原告は,本件拒絶査定の記載内容が不明瞭なために,前置報告書の見解が示されるまで,上記拒絶理由が維持されていることを認識しておらず,十分な主張,反論及び補正の機会を与えられなかった。このことは,実質において,平成14年改正前特許法 不明瞭なために,前置報告書の見解が示されるまで,上記拒絶理由が維持されていることを認識しておらず,十分な主張,反論及び補正の機会を与えられなかった。このことは,実質において,平成14年改正前特許法159条2項及び同項が準用する同法50条本文に違反するといえる。 ア本件拒絶査定の拒絶理由についての原告の認識(ア) 原告は,前記⑴ウにおいて前述した本件拒絶査定の記載により,平成24年補正後請求項1について,本件拒絶理由通知書に記載されていた「理由1」及び「理由2」の問題は,当然に解消されたものであり,本件拒絶査定において指摘された,補正に係る新規事項追加禁止要件の違反及び明確性要件の違反の問題が解消されれば,特許査定を得られるものと認識していた。 (イ) 原告は,本件拒絶査定において指摘された上記の問題を解消するため - 10 -に,本件補正を行った。 原告は,平成24年補正の際,当初請求項1の「相変化物質」を「ポリマー相変化物質」に限定するとともに相変化物質の転移温度の範囲を限定する補正をしたところ,本件拒絶査定において,同補正が新規事項の追加に当たるとの指摘を受けたことから,本件補正においては,平成24年補正後請求項1の「ポリマー相変化物質」を「パラフィン系炭化水素」に減縮して,上記指摘に係る問題を解消した。また,原告は,本件拒絶査定において,平成24年補正後請求項1の「向上した可逆的熱特性」の文言が不明であるとの指摘を受けたことから,本件補正においては,同文言を削除して,上記指摘に係る問題も解消した。 他方,原告は,本件拒絶査定の記載により,平成24年補正後請求項1及びこれを減縮した本件補正後請求項1は,本件拒絶理由通知書記載の引用文献1から3に対して当然に新規性及び進歩性を有するものと認識し 他方,原告は,本件拒絶査定の記載により,平成24年補正後請求項1及びこれを減縮した本件補正後請求項1は,本件拒絶理由通知書記載の引用文献1から3に対して当然に新規性及び進歩性を有するものと認識していたことから,本件補正後請求項1の新規性及び進歩性の問題に関しては,一切,主張,反論しなかった。原告の上記認識は,①審判請求書(甲12)において,本件補正後請求項1の新規性及び進歩性の問題については,何ら主張,反論していないこと,②平成25年2月13日付け応対記録(甲13)によれば,原告出願代理人は,本件拒絶査定後,審判請求に先立って,審査官に対し,本件補正後請求項1につき,本件拒絶査定において指摘された点について補正することの可否のみを問い合わせたことからも,明らかといえる。 イ補正の機会等を与えられなかったこと審判合議体は,平成25年7月17日付けの審尋(甲14。以下「本件審尋」という。)において,本件補正につき,本件補正後請求項1が引用例との関係で特許法29条1項3号に該当し,独立特許要件に違反する旨の前置報告書の見解を示した。 原告は,前記アのとおり,本件拒絶査定の記載により,平成24年補正後請求項1及びこれを減縮した本件補正後請求項1は,引用文献1から3に対して新規性及び進歩性を有するものと認識していたので,不意をつかれることとなった。 - 11 -そこで,原告は,平成25年11月28日,回答書(甲11)を提出し,補正案を複数提示した上で,新たな補正の機会を強く求め,また,審判合議体からの示唆があれば,上記補正案以外の補正についても対応できる旨を主張した。 しかしながら,審判合議体は,原告に対して新たな補正及び意見書提出の機会を与えることなく,前述した前置報告書の見解に従って,本件審決に至った。 以外の補正についても対応できる旨を主張した。 しかしながら,審判合議体は,原告に対して新たな補正及び意見書提出の機会を与えることなく,前述した前置報告書の見解に従って,本件審決に至った。 ウ小括平成14年改正前特許法159条2項及び同項が準用する同法50条本文の趣旨は,特許出願人に対し,拒絶理由について意見を述べる機会及びこれを解消する機会を与えるという手続的利益を保障するとともに,審判合議体又は審査官に再考の機会を与えることにより,その判断の適正及び発明の適正な保護を確保することにある。 上記趣旨に鑑みれば,出願人が拒絶理由の存在を誤認し,審判合議体又は審査官の意図する拒絶理由に対応した主張,反論をしていないことが明らかであり,審査経過等に照らして上記誤認を誘発する相当の事情があった場合に,出願人が認識していなかった拒絶理由を採用することは,実質的に,拒絶査定不服審判において「査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合」に該当し,少なくとも当該出願人が上記誤認に気付いて再度の意見の提出及び補正の機会を求めた際には,「拒絶の理由を通知し,相当の期間を指定して,意見書を提出する機会を与えなければならない」はずである。 以上によれば,前記イのとおり,審判合議体が,前記回答書提出後,原告に対して新たな補正及び意見書提出の機会を与えることなく,本件審決に至ったことは,平成14年改正前特許法159条2項及び同項が準用する同法50条本文に違反する。 2 取消事由2(補正の適法性についての判断の誤り)以下のとおり,本件補正を却下した本件審決の判断は,誤りであり,取り消され - 12 -るべきである。 2-1 本件補正に係る新規事項追加禁止要件(平成14年改正前特許法17条の2第3項)違反についての判断 補正を却下した本件審決の判断は,誤りであり,取り消され - 12 -るべきである。 2-1 本件補正に係る新規事項追加禁止要件(平成14年改正前特許法17条の2第3項)違反についての判断の誤り本件審決は,本件補正後請求項19の認定を誤り,その結果,本件補正後請求項19に係る本件補正は,当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない旨の誤った判断に至った。 ⑴ 本件補正後請求項19の「セルロース材料と前記セルロース材料中に分散された複数のマイクロカプセルとを含む繊維本体を含み」という発明特定事項についてア本件審決は,「セルロース材料」につき,①請求人(原告)が指摘する本願公表特許公報に掲載されている明細書(以下「本願公表明細書」という。)の段落【0047】に記載されているのは,「セルロース化合物」であり,「セルロース材料」ではないこと,②「セルロース化合物」の具体的内容は,当初明細書等において説明されていないことから,上記発明特定事項は,当初明細書等に記載されておらず,当初明細書等の記載から自明な事項とも認められない旨判断した。 イしかしながら,本願公表明細書の段落【0045】及び【0047】の記載によれば,段落【0047】中の「セルロース系化合物」は,段落【0045】中の「ポリマー材料」の例であり,したがって,本件補正後請求項19の「セルロース材料」が,上記「セルロース系化合物」と同義の用語として用いられていることは,当業者には明らかである。 以上によれば,本件補正後請求項19の「セルロース材料」は,当初明細書等の記載から自明な事項といえ,本件審決の前記判断は,誤りである。 ⑵ 本件補正後請求項19の「前記セルロース繊維が10重量%~60重量%の前記パラフィン系炭化水素を含む ス材料」は,当初明細書等の記載から自明な事項といえ,本件審決の前記判断は,誤りである。 ⑵ 本件補正後請求項19の「前記セルロース繊維が10重量%~60重量%の前記パラフィン系炭化水素を含む複数のマイクロカプセルを含む」という発明特定事項についてア本件審決は,上記発明特定事項につき,「その文脈からして,複数のマイ - 13 -クロカプセルが10重量%~60重量%のパラフィン系炭化水素を含み,この複数のマイクロカプセルをセルロース繊維が含む」という趣旨に解した上で,請求人(原告)が指摘する本願公表明細書の段落【0043】には,「少なくとも,複数のマイクロカプセルが,パラフィン系炭化水素を上記重量%含むことは記載されていない。」として,上記発明特定事項は,当初明細書等に記載されておらず,当初明細書等の記載から自明な事項ともいえない旨判断した。 イ(ア) しかしながら,上記発明特定事項は,文理的に,セルロース繊維が10重量%~60重量%の複数のマイクロカプセルを含み,これら複数のマイクロカプセルが,パラフィン系炭化水素を含む趣旨と解するべきである。 (イ) この点に関し,本願公表明細書には,①温度調節材料は,相変化物質を含有する複数のマイクロカプセルを含んでよいこと(【0042】)及び②長手部材は,10重量%~60重量%の相変化物質又は温度調節材料を含んでよいこと(【0043】),すなわち,長手部材は,10重量%~60重量%のマイクロカプセルを含んでよいことが記載されている。 また,温度調節材料は,相変化物質を含有する複数のマイクロカプセルを含んでよいこと(【0042】)を考慮すると,本願公表明細書の段落【0052】及び【0058】には,長手部材又はその例である芯部材は,10重量%~60重量%のマイ を含有する複数のマイクロカプセルを含んでよいこと(【0042】)を考慮すると,本願公表明細書の段落【0052】及び【0058】には,長手部材又はその例である芯部材は,10重量%~60重量%のマイクロカプセルを含んでよいことが,記載されている。 以上によれば,上記発明特定事項について前記(ア)のとおり解することは,本願公表明細書の記載にも対応している。 (ウ) したがって,上記発明特定事項は,当初明細書等に記載されている事項に該当し,又は,少なくとも当初明細書等の記載から自明な事項といえ,本件審決の前記判断は,誤りである。 2-2 本件補正に係る独立特許要件(平成18年改正前特許法17条の2第5項において準用する平成23年改正前特許法126条5項)違反についての判断の - 14 -誤り本件審決は,本件補正後本願発明1が特許法29条1項3号の規定に該当することから,本件補正は独立特許要件に反する旨の判断をしているところ,以下によれば,同判断は,誤りである。 ⑴ 本件審決は,本件補正後本願発明1と引用発明との対比を誤った。 (2)アすなわち,本件審決は,引用発明における「重合体Aとパラフィンとの混合体が,凝固点Tc23℃,融点Tm36℃のパラフィンワックスを含み」は,本件補正後本願発明1における「長手部材の少なくとも1本が22.0℃~40. 5℃の範囲の転移温度を有するパラフィン系炭化水素を含み」に相当する旨判断した。 イしかしながら,本願公表明細書には,全体にわたり,温度調節材料又は相変化物質が他の材料を母材として長手部材中に「分散」されていることが記載されており,したがって,本件補正後本願発明1における「長手部材の(中略)含み」は,長手部材中の少なくとも1本中にパラフィン系炭化水素が他の の材料を母材として長手部材中に「分散」されていることが記載されており,したがって,本件補正後本願発明1における「長手部材の(中略)含み」は,長手部材中の少なくとも1本中にパラフィン系炭化水素が他の材料を母材として分散していることを意味する。 他方,①引用発明においては,熱可塑性重合体Aとパラフィンワックスとは,混合体である。また,②引用例においては,熱可塑性重合体Aとパラフィンワックスの状態について,「混合物」及び「均一な混合」以外,開示されておらず,「分散」という語句は,見当たらない。しかも,パラフィンワックスと重合体Aとを均一に混合することが困難になることは,好ましくないとされている。 以上によれば,長手部材中の少なくとも1本中に温度調節材料又は相変化物質が他の材料を母材として分散していることを意味する本件補正後本願発明1の「長手部材の(中略)含み」と,材料が均一に混合されていることを意味する引用発明の「重合体Aとパラフィンとの混合体が(中略)含み」とは,少なくとも同義ではない。 したがって,本件補正後本願発明1が引用発明と同一のものであるという本件審 - 15 -決の判断は,誤りである。 第4 被告の反論 1 取消事由1(審判における手続違背〔平成14年改正前特許法159条2項,50条本文違反〕)について⑴ 本件拒絶査定の理由についてア本件拒絶理由通知書(甲5)の記載本件拒絶理由通知書においては,拒絶理由の対象となる請求項を,「理由」欄に記載せずに「下記の請求項に係る発明は,」としてその後の記載に委ね,これに続く「記」欄において,拒絶理由の詳細と共に記載している。 「記」欄に挙げられている拒絶理由の対象となる請求項は,「理由1」については,「1,2,5~8,11~16,20~ 後の記載に委ね,これに続く「記」欄において,拒絶理由の詳細と共に記載している。 「記」欄に挙げられている拒絶理由の対象となる請求項は,「理由1」については,「1,2,5~8,11~16,20~22,25」であり,「理由2」については,全請求項(1~25)である。 イ平成24年手続補正書(甲7)の記載平成24年補正により,当初請求項4及び10が削除されて項番号が振り直されたことから,平成24年補正後において,「理由1」の対象となる請求項は,「1,2,4~7,9~14,18~20,23」となった。 また,平成24年補正により,新たに請求項24から26が追加された。 ウ本件拒絶査定(甲8)の記載(ア) 本件拒絶査定においては,「この出願については,平成23年6月28日付け拒絶理由通知書に記載した理由1,2によって,拒絶をすべきものです。」と,本件拒絶理由通知書に記載した「理由1」及び「理由2」によって拒絶したことが記載されている。 前記のとおり,本件拒絶理由通知書においては,拒絶理由の対象となる請求項の記載を「下記」に委ねているので,いずれの請求項が拒絶理由の対象とされているかを知るためには,「記」欄の記載を参照する必要がある。一方,本件拒絶査定にお - 16 -いては,本文に続いて「備考」欄が設けられているものの,拒絶査定の対象となる請求項の記載をその後の記載に委ねていない。 以上によれば,本件拒絶理由通知書及び本件拒絶査定の記載から,「理由1」によって拒絶された請求項は,第一義的には,平成24年補正後の請求項「1,2,4~7,9~14,18~20,23」であることが理解できる。また,平成24年補正によって追加された請求項24から28は,平成24年意見書(甲6)によれば,それぞれ当初請求 補正後の請求項「1,2,4~7,9~14,18~20,23」であることが理解できる。また,平成24年補正によって追加された請求項24から28は,平成24年意見書(甲6)によれば,それぞれ当初請求項1を更に限定したものであるところ,上記追加に係る請求項24及び25については,本件拒絶理由通知書において提示した「理由1」に該当することから,第二義的に,「理由1」によって拒絶査定することを,「備考」欄で述べている。 (イ) 本件拒絶査定は,平成24年補正によっても,本件拒絶理由通知書記載の「理由1」及び「理由2」が解消していなかったことから,これらの理由により,拒絶の査定を行った。その上で,本件拒絶査定は,原告が不服の審判を請求するとともに特許請求の範囲に記載された発明を技術的に限定する補正を行い,特許権の取得を目指す可能性があることを考慮し,原告の便宜を図るために,平成24年補正後請求項1に関し,当該補正が新規事項の追加であること及び請求項の記載が不明確であることを指摘した。 ⑵ 本件拒絶査定に関する原告の認識について本件拒絶査定の「備考」欄には,「・理由1,2 ・請求項24,25 ・引用文献等1 出願人は意見書において(中略)依然として差異がない。」と,平成24年補正後本願発明24及び25につき,新規性を欠く旨が記載されている。 平成24年意見書(甲6)によれば,平成24年補正後本願発明1は,「前記複合繊維が複数の長手部材から形成された繊維本体を含むこと」及び「前記長手部材の少なくとも1本が22.0℃~40.5℃の範囲の転移温度を有するポリマー相変化物質を含み,前記ポリマー相変化物質が転移温度において前記ポリマー相変化物質の溶融および結晶化の少なくとも1つに基づく温度調節を提供すること」を特徴 - 17 - 転移温度を有するポリマー相変化物質を含み,前記ポリマー相変化物質が転移温度において前記ポリマー相変化物質の溶融および結晶化の少なくとも1つに基づく温度調節を提供すること」を特徴 - 17 -とするものであるところ,平成24年補正後本願発明24は,これらの特徴につき,平成24年補正後本願発明1を更に限定したものといえる。 以上によれば,本件拒絶査定の「備考」欄において,平成24年補正後本願発明1を更に限定した平成24年補正後本願発明24につき,新規性を欠く旨が説明されているのであるから,当業者であれば,平成24年補正後本願発明1が,依然として,引用文献1に記載された発明に対して新規性を欠くとの拒絶理由を回避できないことは,当然に予測できる。 なお,原告は,本件審尋に対し,回答書(甲11)を提出する機会を与えられており,また,本件審決は,上記回答書と併せて提出された補正案についても,「付記」において,進歩性を欠く旨の判断をしている。 ⑶ 本件審決について本件審決においては,平成24年補正後請求項1につき,新規事項追加の有無及び記載の明確性について検討したところ,当初明細書等のすべての記載を総合して導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものであるとまでは直ちにいえず,また,記載の明確性に関しても,新規性,進歩性の有無を判断できないとまではいえないことから,本件拒絶査定の本来の趣旨,すなわち,平成24年補正後本願発明1は,「理由1」に該当し,新規性を欠く旨を説明した。 このような本件審決につき,取消しを免れないような重大な手続違背は存しない。 2 取消事由2(補正の適法性についての判断の誤り)について以下のとおり,本件補正を却下した本件審決の判断に誤りはない。 2-1 本件補正 しを免れないような重大な手続違背は存しない。 2 取消事由2(補正の適法性についての判断の誤り)について以下のとおり,本件補正を却下した本件審決の判断に誤りはない。 2-1 本件補正に係る新規事項追加禁止要件(平成14年改正前特許法17条の2第3項)違反についての判断の誤りについて⑴ 本件補正後請求項19の「セルロース材料と前記セルロース材料中に分散された複数のマイクロカプセルとを含む繊維本体を含み」という発明特定事項について - 18 -ア当初明細書等の記載について(ア) 本件補正後請求項19は「セルロース材料」という用語を含むところ,本願公表明細書の段落【0047】には,「本発明の種々の実施形態による長手部材を形成するために使用し得るポリマーの例」の1つとして「天然高分子(例えばセルロース系化合物…)」が挙げられているが,同明細書中,「セルロース系化合物」につき,それ以上の説明はされていない。 (イ) 「ポリマー」に関し,本願公表明細書の段落【0045】には,ポリマー材料は,溶融紡糸法を使用して複合繊維を形成できるものがよいことが記載されている。ポリマー材料中に相変化物質やマイクロカプセルを分散し,これらを含んだ複合繊維を形成するためには,ポリマー材料を液体状態にして相変化物質やマイクロカプセルを混合し,その後,繊維状(長手部材)にする必要があり,これは,当業者に自明のことである。 また,「セルロース系化合物」という用語は,一般に,「セルロースを基本構造とする化合物」という意味で用いられている。 以上によれば,当業者は,本願公表明細書に記載されている「ポリマー材料」としての「セルロース系化合物」は,液体状態にでき,その後,繊維状にできる「セルロースを基本構造とする化 で用いられている。 以上によれば,当業者は,本願公表明細書に記載されている「ポリマー材料」としての「セルロース系化合物」は,液体状態にでき,その後,繊維状にできる「セルロースを基本構造とする化合物」という意味に解すると考えるのが自然である。 イ本件補正後請求項19の記載について他方,本件補正後請求項19に含まれる「セルロース材料」という用語は,一般に,「セルロースを含むいずれかの材料」という意味で用いられている(乙5の【0012】など。)。 このことから,当業者は,本件補正後請求項19中の「セルロース材料」につき,「セルロースを含むいずれかの材料」,すなわち,「セルロース系化合物」を含むが,それ以外の材料をも含む用語として理解するものといえる。当業者が,上記「セルロース材料」を,本願公表明細書の段落【0047】記載の「セルロース系化合物」と同義の用語と解する理由はない。 - 19 -ウ以上によれば,上記発明特定事項につき,当初明細書等に記載されておらず,当初明細書等の記載から自明な事項とも認められないという本件審決の判断に,誤りはない。 ⑵ 本件補正後請求項19の「前記セルロース繊維が10重量%~60重量%の前記パラフィン系炭化水素を含む複数のマイクロカプセルを含む」という発明特定事項についてア本願公表明細書の段落【0042】及び【0043】の記載によれば,①温度調節材料は,相変化物質を含有する複数のマイクロカプセルを含むこと,②長手材料は,60重量%の相変化物質を含んでよく,約10重量%ないし約30重量%の相変化物質を含んでよいことが理解でき,また,③マイクロカプセルは,相変化物質とは別の何らかの材料からなる中空の殻として形成された,少なくとも重量を持つものであることが明ら 量%ないし約30重量%の相変化物質を含んでよいことが理解でき,また,③マイクロカプセルは,相変化物質とは別の何らかの材料からなる中空の殻として形成された,少なくとも重量を持つものであることが明らかである。 以上によれば,本願公表明細書において,長手部材が「10重量%~60重量%の相変化物質」を含むことが記載されているとしても(上記②),その相変化物質を含むマイクロカプセルの重量が加われば,「パラフィン系炭化水素を含む複数のマイクロカプセル」が,長手部材に相当するセルロース繊維の「10重量%~60重量%」になるとは,直ちにいい難い。 イ以上に鑑み,本件審決は,上記発明特定事項につき,「セルロース繊維が10重量%~60重量%のマイクロカプセルを含む」という趣旨ではなく,「複数のマイクロカプセルが10重量%~60重量%のパラフィン系炭化水素を含み,複数のマイクロカプセルをセルロース繊維が含む」ことを意味するものと理解した。 そして,本件審決は,本願公表明細書の段落【0043】には,長手部材,すなわち,繊維本体が10重量%~60重量%の相変化物質,例えば,パラフィン系炭化水素を含むことが記載されており,少なくとも,複数のマイクロカプセルが,パラフィン系炭化水素を上記重量%含むことは記載されていないことから,上記発明特定事項につき,当初明細書等に記載されておらず,当初明細書等の記載から自明 - 20 -な事項とも認められない旨結論付けており,この判断に誤りはない。 2-2 本件補正に係る独立特許要件(平成18年改正前特許法17条の2第5項において準用する平成23年改正前特許法126条5項)違反についての判断の誤りについて本件審決が,本件補正後本願発明1が特許法29条1項3号の規定に該当するとして,本件補正は独 7条の2第5項において準用する平成23年改正前特許法126条5項)違反についての判断の誤りについて本件審決が,本件補正後本願発明1が特許法29条1項3号の規定に該当するとして,本件補正は独立特許要件に反すると判断したことに,誤りはない。 ⑴ 本件補正後本願発明1の実施形態の一例として,本願公表明細書の段落【0049】には,「溶融紡糸プロセスにおいて(中略)均一なブレンドを生成するために,(中略)パラフィン系炭化水素とポリエチレン(中略)との混合を行ってよい。」と,段落【0051】には,「本発明の別の実施形態によれば,第一のポリマー材料は低分子量ポリマーと高分子量ポリマーの混合物を含んでよい。(中略)低分子量ポリマーまたは高分子量ポリマーは,相互に相容性または親和性を有するように選択してよい。かかる親和性は,複合繊維の製造時に低分子量ポリマーと高分子量ポリマーと温度調節材料の混合物の形成を促進することができ,(中略)複合繊維中への相変化物質のより均一な取込み(中略)を促進することができる。」と,それぞれ記載されている。 加えて,本願公表明細書の記載からは,本件補正後本願発明1の「長手部材の少なくとも1本が22.0℃~40.5℃の範囲の転移温度を有するパラフィン系炭化水素を含み」につき,「混合(体)」が含まれないとする理由は見出せず,むしろ,「混合物」又は「ブレンド」,すなわち,「混合(体)」が含まれると理解するのが妥当である。 ⑵ 他方,引用発明は,引用例の段落【0016】及び【0025】の記載によれば,パラフィン系炭化水素(パラフィンワックス)とポリエチレンとを均一に混合するものであるから,本願公表明細書の段落【0049】及び【0051】に記載されている実施形態と差異がないことは,当業者に自明のことといえる。 (パラフィンワックス)とポリエチレンとを均一に混合するものであるから,本願公表明細書の段落【0049】及び【0051】に記載されている実施形態と差異がないことは,当業者に自明のことといえる。 - 21 -⑶ 以上によれば,本件補正後本願発明1の具体的実施態様と,引用発明とは,技術的に同一のものであるといえ,原告が指摘する「分散」という語の有無は,表現上の相違にすぎないというべきである。 したがって,本件補正後本願発明1と引用発明とが同一である旨の本件審決の判断に,誤りはない。 第5 当裁判所の判断 1 取消事由1(審判における手続違背〔平成14年改正前特許法159条2項,50条本文違反〕)について⑴ 手続の経緯及び内容ア平成16年4月2日公表の本願公表特許公報(甲4)掲載の当初特許請求の範囲別紙1のとおり。 イ平成23年6月28日付け本件拒絶理由通知書(甲5)本件拒絶理由通知書に記載された拒絶理由は,以下のとおりである。 1.この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。 2.この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 - 22 -記 (引用文献等 分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 - 22 -記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・理由1,2・請求項1,2,5~8,11~16,20~22,25・引用文献等1・備考・・・・(省略)・・・・・理由2・請求項23,24・引用文献等1・備考・・・・(省略)・・・・・理由2・請求項1,2,4~8,11~20,22~25・引用文献等2・備考・・・・(省略)・・・・引用文献等一覧1.特開平08-311716号公報2.特開平08-246227号公報3.特開平05-311579号公報ウ平成24年手続補正書(甲7。同年1月5日付け)記載の平成24年補正後特許請求の範囲別紙2のとおり。 エ平成24年10月18日付け本件拒絶査定(甲8)本件拒絶査定には,以下のとおり記載されている。 - 23 -この出願については,平成23年 6月28日付け拒絶理由通知書に記載した理由1,2によって,拒絶をすべきものです。 なお,意見書及び手続補正書の内容を検討しましたが,拒絶理由を覆すに足りる根拠が見いだせません。 備考 ・理由1,2・請求項24,25・引用文献等1 出願人は意見書において,・・・・(省略)・・・・記載されている。 よって,本願請求項24,25に係る発明と,引用文献1に記載された発明とは,依然として差異がない。 ・理由2・請求項26・引用文献等1 出願人は意見書において,・・・・(省略)・・・・認められない。 よって,本願 と,引用文献1に記載された発明とは,依然として差異がない。 ・理由2・請求項26・引用文献等1 出願人は意見書において,・・・・(省略)・・・・認められない。 よって,本願請求項26に係る発明は,なおも,引用文献1に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることが出来たものである。 ・理由2・請求項6,9~12・引用文献等2 - 24 - 出願人は意見書において,・・・・(省略)・・・・採用することが出来ない。 よって,本願請求項6,9~12に係る発明は,なおも,引用文献2に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることが出来たものである。 <引用文献等一覧>1.特開平08-311716号公報2.特開平08-246227号公報 なお,平成24年1月5日付けでした手続補正は,下記の点で国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文,国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下,翻訳文等という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでなく,いわゆる新規事項の追加に該当する点についても留意されたい。 (1)上記補正により,請求項1の「相変化物質」が「ポリマー相変化物質」に限定され,かつ,相変化物質の転移温度の範囲が規定された。 しかしながら,翻訳文等において,上記転移温度の範囲は,特定のパラフィン系炭化水素の融点の範囲であって,この特定のパラフィン系炭化水素以外の「相変化物質」に対する転移温度の範囲を規定したものではない。そして,翻訳文等には,特定のパラフィン系炭化水素以外の「相変化物質」に対する転移温度を特定の範囲とすることについて ィン系炭化水素以外の「相変化物質」に対する転移温度の範囲を規定したものではない。そして,翻訳文等には,特定のパラフィン系炭化水素以外の「相変化物質」に対する転移温度を特定の範囲とすることについては,記載も示唆もされていない。 ・・・・(省略)・・・・(7)上記補正により,・・・・(省略)・・・・記載されていない。 - 25 -また,請求項1~28の記載は,以下の点で明瞭でないことについても留意されたい。 (A)請求項1,6,13,28の「向上した可逆的熱特性」とは,何と比較して「向上」しているのか,その基準が不明であるし,また,「可逆的熱特性」を具体的にどのように評価するのかについても不明である。 ・・・・(省略)・・・・オ平成25年2月21日付け手続補正書(甲10)平成25年2月21日付け手続補正(本件補正)は,審判請求書(甲12)記載のとおり,平成24年10月18日付け拒絶査定(本件拒絶査定)の拒絶理由を解消するためにされたものであり,本件補正後特許請求の範囲は,別紙3のとおりである。 カ本件審決原告は,平成25年2月21日,本件拒絶査定に対する不服の審判を請求した(甲12)。 本件審決は,平成26年1月20日,前記第2の3記載のとおり,(1)本件補正につき,①本件補正後請求項19については,新規事項の追加に当たり,②本件補正後請求項1については,本件補正が,明瞭でない記載の釈明及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認定した上で,本件補正後本願発明1は,引用発明と同一のものであり,独立特許要件を欠くと判断して,本件補正を却下するとともに,(2)本件補正前の平成24年補正後本願発明1についても,引用発明と同一のものであり,特許法29条1項3号の規定に該当し,特許を受けること ,独立特許要件を欠くと判断して,本件補正を却下するとともに,(2)本件補正前の平成24年補正後本願発明1についても,引用発明と同一のものであり,特許法29条1項3号の規定に該当し,特許を受けることができない旨の判断をした。 ⑵ 手続の適法性についてア本件審決は,上記のとおり,平成24年補正後本願発明1につき,引用発明と同一のものであるから,特許法29条1項3号の規定に該当し,特許を受けることができない旨の判断をしている。 - 26 -イ(ア) 他方,本件拒絶査定においては,前記⑴エのとおり,①平成24年補正後の「請求項24,25」に係る発明につき,「理由1,2」,すなわち,新規性及び進歩性欠如に該当し,「引用文献1に記載された発明とは,依然として差異がない。」,②平成24年補正後の「請求項26」に係る発明につき,「理由2」,すなわち,進歩性欠如に該当し,「なおも,引用文献1に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることが出来たものである。」,③平成24年補正後の「請求項6,9~12」に係る発明につき,「理由2」,すなわち,進歩性欠如に該当し,「なおも,引用文献2に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることが出来たものである。」と記載されている。 (イ) 平成24年補正後本願発明1,すなわち,平成24年補正後の「請求項1」については,「<引用文献等一覧>」に後続する「なお書き」の(1)において,当初特許請求の範囲の「請求項1」の「相変化物質」を「ポリマー相変化物質」に限定し,かつ,「相変化物質の転移温度の範囲」を「規定」した点が,「いわゆる新規事項の追加に該当する」こと,(7)の後の(A)において,「向上した可逆的熱特性」につき,「明瞭でない点」があることが指摘されているにと 相変化物質の転移温度の範囲」を「規定」した点が,「いわゆる新規事項の追加に該当する」こと,(7)の後の(A)において,「向上した可逆的熱特性」につき,「明瞭でない点」があることが指摘されているにとどまり,本件拒絶査定中,上記指摘以外に,平成24年補正後の「請求項1」に言及した記載は,ない。 (ウ) 以上によれば,平成24年補正後本願発明1が本件拒絶査定の理由となっていないことは,明らかというべきである。 ウ以上のとおり,本件審決が,特許法29条1項3号の規定に該当し,特許を受けることができない旨の判断をした平成24年補正後本願発明1は,本件拒絶査定の理由とされていなかったのであるから,平成14年改正前特許法159条2項にいう「査定の理由」は存在しない。 したがって,本件審決において,平成24年補正後の「請求項1」を拒絶する場合は,平成14年年改正前特許法159条2項,50条本文に基づき,出願人である原告に対し,拒絶の理由を通知し,相当の期間を指定して,意見書を提出する機 - 27 -会を与えなければならないところ,本件審判手続において,拒絶理由は通知されなかったのであるから,本件審判手続には,平成14年改正前特許法159条2項,50条本文所定の手続を欠いた違法が存することは,明らかである。 ⑶ 被告の主張についてア(ア) 被告は,①本件拒絶理由通知書においては,「理由1」,すなわち,新規性欠如を拒絶理由とする請求項として,当初請求項「1,2,5~8,11~16,20~22,25」が挙げられていること,②その後,平成24年補正により,当初請求項4及び10が削除されて項番号が振り直されたことから,平成24年補正後請求項「1,2,4~7,9~14,18~20,23」が,「理由1」の対象となったこと, その後,平成24年補正により,当初請求項4及び10が削除されて項番号が振り直されたことから,平成24年補正後請求項「1,2,4~7,9~14,18~20,23」が,「理由1」の対象となったこと,③本件拒絶理由通知書においては,拒絶理由の対象となる請求項につき,「下記の請求項に係る発明は,」という,「記」以下の記載に委ねる文言が明記されているのに対し,本件拒絶査定においては,そのような文言は記載されておらず,本件拒絶理由通知書に記載した理由によって拒絶したことが記載されていることから,本件拒絶査定により「理由1」に基づいて拒絶された請求項は,第一義的には,上記②の平成24年補正後請求項「1,2,4~7,9~14,18~20,23」であることが理解できる旨主張する。 (イ)a しかしながら,前述した本件拒絶査定の記載内容によれば,本件拒絶査定の理由となる請求項は,「備考」欄に記載されたものとみるのが自然である。 b そして,前述したとおり,本件拒絶査定中,平成24年補正後請求項1に言及しているのは,「なお書き」における新規事項追加及び明瞭性の問題点の指摘のみであり,それ以外にはない。 加えて,本件拒絶理由通知書において,「理由2」,「引用文献等2」,すなわち,引用文献2に対して進歩性を欠くことを拒絶理由とする請求項として挙げられている当初請求項のうち,「7」及び「11~14」に対応する平成24年補正後請求項は,「6」及び「9~12」であるところ,これらの請求項は,本件拒絶査定においても,本件拒絶理由通知書と同じく,「理由2」,「引用文献等2」の対象として明記 - 28 -されており,「なおも,引用文献2に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることが出来たものである。」と記載されている。これは,上記請 ,「引用文献等2」の対象として明記 - 28 -されており,「なおも,引用文献2に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることが出来たものである。」と記載されている。これは,上記請求項については,平成24年補正を経てもなお,本件拒絶理由通知書記載の拒絶理由が解消されていないことを示すものである。 上記の点に鑑みれば,本件拒絶査定において,「理由1」及び「理由2」のいずれの対象にも記載されていない平成24年補正後請求項1につき,これに対応する当初請求項1について本件拒絶理由通知書に記載されていた拒絶理由が,黙示に維持されているものと解する余地はないものというべきである。 c 以上によれば,被告の前記主張は,失当といわざるを得ない。 イ(ア) また,被告は,本件拒絶査定には,平成24年補正後本願発明1を更に限定した平成24年補正後本願発明24につき,新規性を欠く旨が説明されているのであるから,当業者であれば,平成24年補正後本願発明1が,依然として,新規性を欠くとの拒絶理由を回避できないことは,当然に予測できる旨主張する。 (イ) しかしながら,前記アのとおり,①本件拒絶査定中,平成24年補正後請求項1については,「なお書き」において新規事項追加及び明瞭性の問題点を指摘されているほかは,一切,言及されていないこと,②他方,本件拒絶理由通知書中,「理由2」,「引用文献等2」の対象とされている当初請求項のうち「7」及び「11~14」については,これらに対応する平成24年補正後請求項の「6」及び「9~12」が,本件拒絶査定においても,「理由2」,「引用文献等2」の対象として明記されていること鑑みれば,当業者は,当初請求項1について,本件拒絶理由通知書に記載された拒絶理由はすべて平成24年補正により解消 ,本件拒絶査定においても,「理由2」,「引用文献等2」の対象として明記されていること鑑みれば,当業者は,当初請求項1について,本件拒絶理由通知書に記載された拒絶理由はすべて平成24年補正により解消し,本件拒絶査定において指摘されている新規事項追加及び明瞭性の問題点を解消すれば,特許査定が得られるものと認識するのが,当然である。 以上に加え,①平成24年補正後請求項24は,平成24年補正後請求項1を含むほかの請求項を引用することなく,独立の請求項であること,②クレームの文言上,平成24年補正後請求項24が平成24年補正後請求項1を包含するものとま - 29 -では,直ちにいい難いことも併せ考えれば,原告を含む当業者が,本件拒絶査定において平成24年補正後本願発明24が新規性を欠く旨が説明されていることをもって,平成24年補正後本願発明1についても同様に新規性を欠くものと認識することは,考え難い。平成24年補正後本願発明1が,新規性を欠いているのであれば,それを拒絶査定で明示すれば足りるのであり,出願人に対し疑義を与えるような記載をすべきではない。 以上によれば,被告の前記主張は,失当である。 ウさらに,被告は,原告が,本件審尋に対し,回答書提出の機会を与えられていたことを指摘する。 しかしながら,本件審尋の書面(甲14)には,本件審尋は,拒絶理由の通知ではなく,回答に際し,特許法17条の2に規定する補正はできない旨が明記されている(甲14)。この点に鑑みると,被告指摘に係る上記の点は,平成14年改正前の159条2項,50条本文所定の拒絶理由通知を行わなかったという本件審判手続の瑕疵を治癒するものでないことは明らかである。 第6 結論以上のとおり,原告主張の審決取消事由1は理由があるから,本件審決は 条本文所定の拒絶理由通知を行わなかったという本件審判手続の瑕疵を治癒するものでないことは明らかである。 第6 結論以上のとおり,原告主張の審決取消事由1は理由があるから,本件審決は,取消しを免れない。 よって,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求は理由があるから認容することとし,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 - 30 - 裁判長裁判官清水 節 裁判官新谷貴昭 裁判官鈴木わかな - 31 -別紙1 <当初特許請求の範囲> 【請求項1】向上した可逆的熱特性を有する複合繊維であって,複数の長手部材から形成された繊維本体を含み,前記長手部材の少なくとも1本がその中に分散された温度調節材料を有し,前記温度調節材料が相変化物質を含む複合繊維。 【請求項2】前記相変化物質が,炭化水素,塩水和物,ワックス,オイル,水,脂肪酸,脂肪酸エステル,二塩基酸,二塩基酸エステル,1-ハロゲン化物,第一級アルコール,芳香族化合物,クラスレート,セミクラスレート,ガスクラスレート,ステアリン酸無水物,炭酸エチレン,多価アルコール,ポリマー,金属およびこれらの混合物からなる群より選択されたものである請求項1の複合繊維。 【請求項3】前記温度調節材料が,相 クラスレート,ステアリン酸無水物,炭酸エチレン,多価アルコール,ポリマー,金属およびこれらの混合物からなる群より選択されたものである請求項1の複合繊維。 【請求項3】前記温度調節材料が,相変化物質を含有する複数のマイクロカプセルをさらに含む請求項1の複合繊維。 【請求項4】前記温度調節材料が,相変化物質を含浸したシリカ粒子,ゼオライト粒子,炭素粒子または吸収性物質をさらに含む請求項1の複合繊維。 【請求項5】前記長手部材が海中島構造,区分パイ構造,芯鞘構造,並列構造またはストライプ構造に配列された請求項1の複合繊維。 【請求項6】前記繊維本体の断面形状が円形,多葉形,八角形,長円形,五角形,方形,正方形,台形または三角形である請求項1の複合繊維。 - 32 -【請求項7】向上した可逆的熱特性を有する複合繊維であって,第一のポリマー材料と前記第一のポリマー材料の中に分散された温度調節材料とを含んでなる第一の長手部材を含み,前記温度調節材料が相変化物質を含み,また第二のポリマー材料を含んでなる第二の長手部材を含み,前記第二の長手部材が前記第一の長手部材と接合されている複合繊維。 【請求項8】前記相変化物質が炭化水素または炭化水素の混合物である請求項7の複合繊維。 【請求項9】前記温度調節材料が,相変化物質を含有する複数のマイクロカプセルをさらに含む請求項7の複合繊維。 【請求項10】前記第一のポリマー材料が前記マイクロカプセルと親和性を有し,前記第一のポリマー材料中の前記マイクロカプセルの分散を促進する請求項9の複合繊維。 【請求項11】前記第一のポリマー材料および前記第二のポリマー材料が,ポリアミド,ポリアミン,ポリイミド,ポリアクリル類,ポリカーボネート,ポリジエン,ポ の分散を促進する請求項9の複合繊維。 【請求項11】前記第一のポリマー材料および前記第二のポリマー材料が,ポリアミド,ポリアミン,ポリイミド,ポリアクリル類,ポリカーボネート,ポリジエン,ポリエポキシド,ポリエステル,ポリエーテル,ポリフルオロカーボン,ホルムアルデヒドポリマー,天然高分子,ポリオレフィン,ポリフェニレン,ケイ素含有ポリマー,ポリウレタン,ポリビニル,ポリアセタール,ポリアリーレート,コポリマー,およびこれらの混合物からなる群より独立して選択されたものである請求項7の複合繊維。 【請求項12】前記第一の長手部材が前記第二の長手部材に取り囲まれている請求項7の複合繊維。 【請求項13】 - 33 -前記第一の長手部材が前記第二の長手部材の中に配置されて当該長手部材により完全に取り囲まれている請求項12の複合繊維。 【請求項14】前記第一の長手部材が当該複合繊維の全重量の約10%ないし約90%を構成する請求項7の複合繊維。 【請求項15】向上した可逆的熱特性を有する複合繊維であって,第一のポリマー材料と前記第一のポリマー材料の中に分散された温度調節材料とを含んでなる芯部材を含み,前記温度調節材料が相変化物質を含み,また第二のポリマー材料を含んでなる鞘部材を含み,前記鞘部材が前記芯部材を取り囲んでいる複合繊維。 【請求項16】前記相変化物質が,炭化水素,塩水和物,ワックス,オイル,水,脂肪酸,脂肪酸エステル,二塩基酸,二塩基酸エステル,1-ハロゲン化物,第一級アルコール,芳香族化合物,クラスレート,セミクラスレート,ガスクラスレート,ステアリン酸無水物,炭酸エチレン,多価アルコール,ポリマー,金属およびこれらの混合物からなる群より選択されたものである請求項15の複合繊維。 【請 ラスレート,セミクラスレート,ガスクラスレート,ステアリン酸無水物,炭酸エチレン,多価アルコール,ポリマー,金属およびこれらの混合物からなる群より選択されたものである請求項15の複合繊維。 【請求項17】前記温度調節材料が,相変化物質を含有する格納構造をさらに含み,この格納構造がマイクロカプセル,シリカ粒子,ゼオライト粒子,炭素粒子または吸収性物質を含む請求項15の複合繊維。 【請求項18】前記温度調節材料が第一の温度調節材料であり,前記鞘部材が前記第二のポリマー材料の中に分散された第二の温度調節材料をさらに含んでなる請求項15の複合繊維。 【請求項19】前記第一の温度調節材料と前記第二の温度調節材料が異なる請求項18の複合繊 - 34 -維。 【請求項20】前記第一のポリマー材料および前記第二のポリマー材料が,ポリアミド,ポリアミン,ポリイミド,ポリアクリル類,ポリカーボネート,ポリジエン,ポリエポキシド,ポリエステル,ポリエーテル,ポリフルオロカーボン,ホルムアルデヒドポリマー,天然高分子,ポリオレフィン,ポリフェニレン,ケイ素含有ポリマー,ポリウレタン,ポリビニル,ポリアセタール,ポリアリーレート,コポリマー,およびこれらの混合物からなる群より独立して選択されたものである請求項15の複合繊維。 【請求項21】前記第一のポリマー材料が前記相変化物質と親和性を有し,前記第二のポリマー材料が前記芯部材の中の前記相変化物質を封じ込め,当該複合繊維に対し望ましい物理特性を付与する請求項15の複合繊維。 【請求項22】前記芯部材が前記鞘部材の中に配置されて当該鞘部材により完全に取り囲まれている請求項15の複合繊維。 【請求項23】前記芯部材が前記鞘部材の中に同心状に配置されている請求項1 請求項22】前記芯部材が前記鞘部材の中に配置されて当該鞘部材により完全に取り囲まれている請求項15の複合繊維。 【請求項23】前記芯部材が前記鞘部材の中に同心状に配置されている請求項15の複合繊維。 【請求項24】前記芯部材が前記鞘部材の中に偏心状に配置されている請求項15の複合繊維。 【請求項25】前記芯部材の断面形状が円形,多葉形,八角形,長円形,五角形,方形,正方形,台形,三角形または楔形である請求項15の複合繊維。 以上 - 35 -別紙2 <平成24年補正後特許請求の範囲>下線部は,当初特許請求の範囲からの変更箇所である。 【請求項1】向上した可逆的熱特性を有する複合繊維であって,前記複合繊維が複数の長手部材から形成された繊維本体を含み,前記長手部材の少なくとも1本が22.0℃~40.5℃の範囲の転移温度を有するポリマー相変化物質を含み,前記ポリマー相変化物質が転移温度において前記ポリマー相変化物質の溶融および結晶化の少なくとも1つに基づく温度調節を提供する複合繊維。 【請求項2】前記ポリマー相変化物質が,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリプロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコール,ポリビニル,ポリエチレンオキシド,ポリエステル,およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項1の複合繊維。 【請求項3】ポリマー相変化物質を含有する複数のマイクロカプセルをさらに含む請求項1の複合繊維。 【請求項4】前記長手部材が海中島構造,区分パイ構造,芯鞘構造,並列構造またはストライプ構造に配列された請求項1の複合繊維。 【請求項5】前記繊維本体の断面形状が円形,多葉形,八角形,長円形,五角形,方形,正方形,台形または三角形である請求項1 鞘構造,並列構造またはストライプ構造に配列された請求項1の複合繊維。 【請求項5】前記繊維本体の断面形状が円形,多葉形,八角形,長円形,五角形,方形,正方形,台形または三角形である請求項1の複合繊維。 【請求項6】向上した可逆的熱特性を有する複合繊維であって,第一のポリマー材料と前記第 - 36 -一のポリマー材料の中に分散された第一の温度調節材料とを含んでなる第一の長手部材であって,前記第一の温度調節材料が第一のポリマー相変化物質を含む第一の長手部材と,第二のポリマー材料と前記第二のポリマー材料中に分散された第二の温度調節物質とを含んでなる第二の長手部材であって,前記第二の長手部材が前記第一の長手部材と接合され,そして前記第二の温度調節物質が前記第一のポリマー相変化物質と異なる第二のポリマー相変化物質を含む第二の長手部材とを含む,複合繊維。 【請求項7】前記第一の温度調節材料と第二の温度調節材料との少なくとも1つが,相変化物質を含有する複数のマイクロカプセルをさらに含む請求項6の複合繊維。 【請求項8】前記第一のポリマー相変化材料が前記マイクロカプセルと親和性を有し,前記第一のポリマー相変化材料中の前記マイクロカプセルの分散を促進する請求項7の複合繊維。 【請求項9】前記第一のポリマー材料および前記第二のポリマー材料が,ポリアミド,ポリアミン,ポリイミド,ポリアクリル類,ポリカーボネート,ポリジエン,ポリエポキシド,ポリエステル,ポリエーテル,ポリフルオロカーボン,ホルムアルデヒドポリマー,天然高分子,ポリオレフィン,ポリフェニレン,ケイ素含有ポリマー,ポリウレタン,ポリビニル,ポリアセタール,ポリアリーレート,コポリマー,およびこれらの混合物からなる群より独立して選択されたも マー,天然高分子,ポリオレフィン,ポリフェニレン,ケイ素含有ポリマー,ポリウレタン,ポリビニル,ポリアセタール,ポリアリーレート,コポリマー,およびこれらの混合物からなる群より独立して選択されたものである請求項6の複合繊維。 【請求項10】前記第一の長手部材が前記第二の長手部材に取り囲まれている請求項6の複合繊維。 【請求項11】 - 37 -前記第一の長手部材が前記第二の長手部材の中に配置されて当該長手部材により完全に取り囲まれている請求項10の複合繊維。 【請求項12】前記第一の長手部材が当該複合繊維の全重量の約10%ないし約90%を構成する請求項6の複合繊維。 【請求項13】向上した可逆的熱特性を有する複合繊維であって,第一のポリマー材料と前記第一のポリマー材料の中に分散された第一の温度調節材料とを含んでなる芯部材であって,前記第一の温度調節材料が-5.5℃~61.4℃の範囲において転移温度を有する相変化物質と前記相変化材料を含む複数のマイクロカプセルとを含む芯部材と,前記芯部材を取り囲む鞘部材であって,前記鞘部材が鞘部材中に分散された第二の温度調節材料を含む鞘部材とを含む,複合繊維。 【請求項14】前記相変化物質が,炭化水素,塩水和物,ワックス,オイル,水,脂肪酸,脂肪酸エステル,二塩基酸,二塩基酸エステル,1-ハロゲン化物,第一級アルコール,芳香族化合物,クラスレート,セミクラスレート,ガスクラスレート,ステアリン酸無水物,炭酸エチレン,多価アルコール,ポリマー,金属およびこれらの混合物からなる群より選択されたものである請求項13の複合繊維。 【請求項15】前記マイクロカプセルがシリカ粒子,ゼオライト粒子,炭素粒子または吸収性物質を含む請求項13の複合繊維。 【請求項16 からなる群より選択されたものである請求項13の複合繊維。 【請求項15】前記マイクロカプセルがシリカ粒子,ゼオライト粒子,炭素粒子または吸収性物質を含む請求項13の複合繊維。 【請求項16】前記鞘部材が第二のポリマー材料をさらに含んでなる請求項13の複合繊維。 【請求項17】前記第一の温度調節材料と前記第二の温度調節材料が異なる請求項16の複合 - 38 -繊維。 【請求項18】前記第一のポリマー材料および前記第二のポリマー材料が,ポリアミド,ポリアミン,ポリイミド,ポリアクリル類,ポリカーボネート,ポリジエン,ポリエポキシド,ポリエステル,ポリエーテル,ポリフルオロカーボン,ホルムアルデヒドポリマー,天然高分子,ポリオレフィン,ポリフェニレン,ケイ素含有ポリマー,ポリウレタン,ポリビニル,ポリアセタール,ポリアリーレート,コポリマー,およびこれらの混合物からなる群より独立して選択されたものである請求項16の複合繊維。 【請求項19】前記第一のポリマー材料が前記相変化物質と親和性を有し,前記第二のポリマー材料が前記芯部材の中の前記相変化物質を封じ込め,当該複合繊維に対し望ましい物理特性を付与する請求項16の複合繊維。 【請求項20】前記芯部材が前記鞘部材の中に配置されて当該鞘部材により完全に取り囲まれている請求項13の複合繊維。 【請求項21】前記芯部材が前記鞘部材の中に同心状に配置されている請求項13の複合繊維。 【請求項22】前記芯部材が前記鞘部材の中に偏心状に配置されている請求項13の複合繊維。 【請求項23】前記芯部材の断面形状が円形,多葉形,八角形,長円形,五角形,方形,正方形,台形,三角形または楔形である請求項13の複合繊維。 【請求項24】複合繊維であ 3の複合繊維。 【請求項23】前記芯部材の断面形状が円形,多葉形,八角形,長円形,五角形,方形,正方形,台形,三角形または楔形である請求項13の複合繊維。 【請求項24】複合繊維であって,前記複合繊維が複数の長手部材から形成された繊維本体を含み,前記複数の長手部材の少なくとも1本が22.0℃~40.5℃の範囲の転移 - 39 -温度を有する温度調節材料を含み,前温度調節材料が複数の長手部材の少なくとも1つと部分的な相容性または部分的な親和性を有し,そして前記複数の長手部材の少なくとも1つの中に少なくとも1つの別個の領域を形成し,そして前記複数の長手部材が,海中島構造,区分パイ構造,芯鞘構造,並列構造,およびストライプ構造の1つに配列されている複合繊維。 【請求項25】複数の島部材であって,前記複数の島部材の少なくとも1つが10.0℃~50. 9℃の範囲の転移温度を有する未処理またはカプセル化されていない相変化物質を含み,前記未処理またはカプセル化されていない相変化物質が前記複数の島部材の少なくとも1つの中に少なくとも1つの別個の領域を形成し,そして転移温度において潜熱の吸収と放出との少なくとも1つに基づき温度調節を提供する島部材と,前記複数の島部材を取り囲み,そして複合繊維の外部を形成する海部材とを含んでなる,複合繊維。 【請求項26】複数の芯部材であって,前記芯部材の少なくとも1つが10.0℃~50.9℃の範囲の転移温度を有する未処理またはカプセル化されていない相変化物質を含み,前記未処理またはカプセル化されていない相変化物質が前記複数の芯部材の少なくとも1つの中に少なくとも1つの別個の領域を形成し,そして転移温度において潜熱の吸収と放出との少なくとも1つに基づき温度調節を提供する芯部材と,前記複数の いない相変化物質が前記複数の芯部材の少なくとも1つの中に少なくとも1つの別個の領域を形成し,そして転移温度において潜熱の吸収と放出との少なくとも1つに基づき温度調節を提供する芯部材と,前記複数の芯部材を取り囲み,そして複合繊維の外部を形成する鞘部材とを含んでなる,複合繊維。 【請求項27】セルロース材料と前記セルロース材料中に分散された複数のマイクロカプセルとを含む繊維本体を含み,前記複数のマイクロカプセルが-5.5℃~61.4℃の範囲の転移温度を有する相変化物質を含み,そして前記相変化物質が転移温度において潜熱の吸収と放出との少なくとも1つに基づき温度調節を提供し,前記セル - 40 -ロース繊維が10重量%~60重量%の前記相変化物質を含む複数のマイクロカプセルを含む,複合繊維。 【請求項28】混合物を形成する複数のセルロース繊維であって,前記複数のセルロース繊維が向上した可逆的熱特性と長手部材を含む繊維本体とを含む少なくとも1つのセルロース繊維を含み,前記長手部材がセルロース材料と前記セルロース材料中に分散された温度調節材料とを含み,前記温度調節材料が-5.5℃~50.9℃の範囲の転移温度を有する相変化物質を含み,そして前記少なくとも1つのセルロース繊維が第一のセルロース繊維であって,前記温度調節材料が第一の温度調節材料であり,そして前記複数のセルロース繊維が向上した可逆的熱特性を有しかつ第二の温度制御材料を含む第二のセルロース繊維を含む,繊維。 以上 - 41 -別紙3 <本件補正後特許請求の範囲>下線部は,平成24年補正後特許請求の範囲からの変更箇所である。 【請求項1】複合繊維であって,前記複 以上 - 41 -別紙3 <本件補正後特許請求の範囲>下線部は,平成24年補正後特許請求の範囲からの変更箇所である。 【請求項1】複合繊維であって,前記複合繊維が複数の長手部材から形成された繊維本体を含み,前記長手部材の少なくとも1本が22.0℃~40.5℃の範囲の転移温度を有するパラフィン系炭化水素を含み,前記パラフィン系炭化水素が転移温度において前記パラフィン系炭化水素の溶融および結晶化の少なくとも1つに基づく温度調節を提供する複合繊維。 【請求項2】パラフィン系炭化水素を含有する複数のマイクロカプセルをさらに含む請求項1の複合繊維。 【請求項3】前記長手部材が海中島構造,区分パイ構造,芯鞘構造,並列構造またはストライプ構造に配列された請求項1の複合繊維。 【請求項4】前記繊維本体の断面形状が円形,多葉形,八角形,長円形,五角形,方形,正方形,台形または三角形である請求項1の複合繊維。 【請求項5】複合繊維であって,第一のポリマー材料と前記第一のポリマー材料の中に分散された第一の温度調節材料とを含んでなる第一の長手部材であって,前記第一の温度調節材料が第一のポリマー相変化物質を含む第一の長手部材と,第二のポリマー材料と前記第二のポリマー材料中に分散された第二の温度調節物質とを含んでなる第二の長手部材であって,前記第二の長手部材が前記第一の長手部材と接合され,そ - 42 -して前記第二の温度調節物質が前記第一のポリマー相変化物質と異なる第二のポリマー相変化物質を含む第二の長手部材とを含み,前記第一の温度調節材料と第二の温度調節材料との少なくとも1つが,相変化物質を含有する複数のマイクロカプセルをさらに含む,複合繊維。 【請求項6】前記第一のポリマー材 第二の長手部材とを含み,前記第一の温度調節材料と第二の温度調節材料との少なくとも1つが,相変化物質を含有する複数のマイクロカプセルをさらに含む,複合繊維。 【請求項6】前記第一のポリマー材料および前記第二のポリマー材料が,ポリアミド,ポリアミン,ポリイミド,ポリアクリル類,ポリカーボネート,ポリジエン,ポリエポキシド,ポリエステル,ポリエーテル,ポリフルオロカーボン,ホルムアルデヒドポリマー,天然高分子,ポリオレフィン,ポリフェニレン,ケイ素含有ポリマー,ポリウレタン,ポリビニル,ポリアセタール,ポリアリーレート,コポリマー,およびこれらの混合物からなる群より独立して選択されたものである請求項5の複合繊維。 【請求項7】前記第一の長手部材が前記第二の長手部材に取り囲まれている請求項5の複合繊維。 【請求項8】前記第一の長手部材が前記第二の長手部材の中に配置されて当該長手部材により完全に取り囲まれている請求項7の複合繊維。 【請求項9】前記第一の長手部材が当該複合繊維の全重量の10%ないし90%を構成する請求項5の複合繊維。 【請求項10】複合繊維であって,第一のポリマー材料と前記第一のポリマー材料の中に分散された第一の温度調節材料とを含んでなる芯部材であって,前記第一の温度調節材料が-5.5℃~61.4℃の範囲において転移温度を有するパラフィン系炭化水素と前記パラフィン系炭化水素を含む複数のマイクロカプセルとを含む芯部材と, - 43 -前記芯部材を取り囲む鞘部材であって,前記鞘部材が鞘部材中に分散された第二の温度調節材料を含む鞘部材とを含む,複合繊維。 【請求項11】前記鞘部材が第二のポリマー材料をさらに含んでなる請求項10の複合繊維。 【請求項12】前記第一 が鞘部材中に分散された第二の温度調節材料を含む鞘部材とを含む,複合繊維。 【請求項11】前記鞘部材が第二のポリマー材料をさらに含んでなる請求項10の複合繊維。 【請求項12】前記第一の温度調節材料と前記第二の温度調節材料が異なる請求項11の複合繊維。 【請求項13】前記第一のポリマー材料および前記第二のポリマー材料が,ポリアミド,ポリアミン,ポリイミド,ポリアクリル類,ポリカーボネート,ポリジエン,ポリエポキシド,ポリエステル,ポリエーテル,ポリフルオロカーボン,ホルムアルデヒドポリマー,天然高分子,ポリオレフィン,ポリフェニレン,ケイ素含有ポリマー,ポリウレタン,ポリビニル,ポリアセタール,ポリアリーレート,コポリマー,およびこれらの混合物からなる群より独立して選択されたものである請求項11の複合繊維。 【請求項14】前記第一のポリマー材料が前記パラフィン系炭化水素と親和性を有し,前記第二のポリマー材料が前記芯部材の中の前記パラフィン系炭化水素を封じ込め,当該複合繊維に対し望ましい物理特性を付与する請求項11の複合繊維。 【請求項15】前記芯部材が前記鞘部材の中に配置されて当該鞘部材により完全に取り囲まれている請求項10の複合繊維。 【請求項16】前記芯部材が前記鞘部材の中に同心状に配置されている請求項10の複合繊維。 【請求項17】前記芯部材が前記鞘部材の中に偏心状に配置されている請求項10の複合繊維。 - 44 -【請求項18】前記芯部材の断面形状が円形,多葉形,八角形,長円形,五角形,方形,正方形,台形,三角形または楔形である請求項10の複合繊維。 【請求項19】セルロース材料と前記セルロース材料中に分散された複数のマイクロカプセルとを含む繊維本体を含み,前記 ,五角形,方形,正方形,台形,三角形または楔形である請求項10の複合繊維。 【請求項19】セルロース材料と前記セルロース材料中に分散された複数のマイクロカプセルとを含む繊維本体を含み,前記複数のマイクロカプセルが-5.5℃~61.4℃の範囲の転移温度を有するパラフィン系炭化水素を含み,そして前記パラフィン系炭化水素が転移温度において潜熱の吸収と放出との少なくとも1つに基づき温度調節を提供し,前記セルロース繊維が10重量%~60重量%の前記パラフィン系炭化水素を含む複数のマイクロカプセルを含む,複合繊維。 以上

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