昭和26(オ)683 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
昭和29年9月21日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄し本件を東京高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人春田定雄の上告理由(後記)第二点について。  原判決の引用する第一審判決の理由によれ

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判決文本文1,678 文字)

主文 原判決を破棄し本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人春田定雄の上告理由(後記)第二点について。 原判決の引用する第一審判決の理由によれば、本件「売買契約の締結に当つては被告Bが売主となり建物の所有権者が訴外Eなることを格別明かにしなかつたので原告においでは所有者が被告Bであると信じて契約したものであることは之を認めるに難くないが」と判示しているが、原審の引用する第一審判決事実摘示によれば上告人(原告)は、被上告人(被告)Bが本件建物の売買契約締結当時「同被告が所有権者なる旨の被告等の言を信じて代金十七万円内金八万五千円は即日支払……」と主張し、故ら本件建物の所有者の点につき同被告が不実の告知をした事実によつて詐欺の主張をしているものと認められるから、原審は、単に「格別明かにしなかつた」事実を判断したのみで足るものではなく、さらに進んで不実の告知をすることにより売買契約を締結させたかどうかを審理しなければならないのである。けだし当事者の一方が相手方に対し不実を知りながら告知し、相手方がその告知された事実を真実なりと信じたが故に告知者の意図した意思表示をしたとすれば民法九六条にいう詐欺による意思表示は成立するのであつて、本件において上告人主張のように、もし被上告人Bが本件家屋が自己の所有でないにかかわらず自己の所有である旨を告げ(原審の採用した甲第一号証にはB所有の旨が書いてある)、上告人がそれを信じたが故に安心して本件売買契約の意思表示をしたものであるならば特別の事情なき限り詐欺による意思表示といつて差支ないからである(現に自己が居住する家屋につき、他人の所有なることを告げず契約書に自己所有なる趣旨の記載をした事実があれば、特別の事情なき限り自己所有なる旨を告げたものと見るの る意思表示といつて差支ないからである(現に自己が居住する家屋につき、他人の所有なることを告げず契約書に自己所有なる趣旨の記載をした事実があれば、特別の事情なき限り自己所有なる旨を告げたものと見るのが相当である)。 - 1 -なお、原判決の引用した第一審判決事実摘示によれば「……右建物は被告Bの所有でないに拘わらず同被告が所有権者なる旨の被告等の言を信じて……の約で買受け同日内金として金八万五千円を支払つたが一向に之が所有権移転手続を履践しないので屡々催告に及んだところ同年五月七日被告Bは右建物は自己の所有のものでない為め所有権移転登記を為し得ない旨を告白するに至つた」云々と主張しているのであるから、右主張の中には原審のいう(原審の引用する第一審判決理由)「契約法上の問題」すなわち民法五六〇条以下の主張をも含むものと見られないことはない。なお上告人は「右…不法行為」である旨述べているけれども、これは右事実に対する余計な解釈であつて、上告人のいうような不法行為でなくても、民法五六一条による請求権行使ができるわけであり、また少くとも同条所定の主たる要件事実は前記のように主張されていると認められ、(すなわちBは第三者の物たることを告げないで第三者の物たる本件家屋を上告人に売りながら、その所有権を移転することができないのであり、上告人は第三者の物たることを知らなかつたというのである)、 当事者は適用条文まで主張する必要あるものではないから、原審はなおこの点につき上告人の意のあるところを明らかにし審理判断をしなければならないのである。 要するに原判決は、審理不尽又は理由不備の違法あるものというの外なく上告は結局理由があり原判決は破棄を免れない。 よつて民訴四〇七条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小 決は、審理不尽又は理由不備の違法あるものというの外なく上告は結局理由があり原判決は破棄を免れない。 よつて民訴四〇七条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介裁判官小林俊三- 2 -裁判官本村善太郎- 3 -

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