【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 被告人株式会社A製釘所を判示第一の(イ)の罪につき罰金参拾万円 に、判示第一の(ロ)の罪につき罰金百五拾万円に、 被告人Bを懲役六月及び
主文 原判決を破棄する。 被告人株式会社A製釘所を判示第一の(イ)の罪につき罰金参拾万円に、判示第一の(ロ)の罪につき罰金百五拾万円に、被告人Bを懲役六月及び罰金拾万円に、被告人Cを懲役六月に、各処する。 但被告人B、同Cに対し本裁判確定の日から参年間右懲役刑の執行を猶予する。 被告人Bに於て右罰金を完納することができないときは金五百円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。 訴訟費用中原審証人Dに支給した分は被告人Bの負担とし其の余の原審における訴訟費用は全部被告人等の負担とする。 理由 弁護人岡田玄次郎の控訴趣意は別紙記載の通りである。 控訴趣意第一点について<要旨>法人の代表者が正規の会計簿以外に別口帳簿を作成して所得を隠匿し納付期限までに何等の申告をせず従つ</要旨>て法人税の納付をしないときは法人税法第四十八条第一項の詐偽其の他不正の行為により法人税を免れた場合の既遂と解するを相当とする。正規の法人税を所定の期限までに納付した場合に対比すればこの理は明らかである。所論の同法第三十条の規定はこの解釈を妨げるものではない。本件は正にこの場合に該るのであるから逋脱犯の未遂で犯罪にはならないとの論旨は採用出来ない。 同第二点について。 原判決が本件会社及被人B、同Cの個々の益金個々の損金(必要経費等)の当否を判示せずしてその普通所得金を認定し続いて法人税、所得税の各脱税額を算出していることは所論の通りであるが原判決挙示の証拠によれば原判決は個々の益金、個々の損金について一々その当否を判断して結論を出していること即ち所得額を算定し続いて脱税額を認定していることが窺えるのであつてこの点については本件訴訟記録並 挙示の証拠によれば原判決は個々の益金、個々の損金について一々その当否を判断して結論を出していること即ち所得額を算定し続いて脱税額を認定していることが窺えるのであつてこの点については本件訴訟記録並原審に於て取調べた証拠を精査し弁護人の援用する事実を検討しても所論のような判断の遺脱、或いは犯意とか脱税額についての事実誤認の形迹は見当らないから論旨は理由がない。 同第三点について論旨は原判決が本件法人税法違反につき被告人Bと同Cとの共謀関係を認定しBに行為者としての責任を負はしたのは事実誤認であると主張するのであるが原判決挙示の証拠によれば優に右共謀の事実を認めることが出来るのであつて本件訴訟記録並びに原審証拠を調査し弁護人援用の事実を斟酌しても原判決には所論のような事実誤認はない。論旨は理由がない。 同第四点について本件訴訟記録並びに原審の証拠を調査し弁護人援用の事実を吟味すると(イ)被告人B、同Cはいづれもこれまでに前科がなく、本件税法違反検挙後悔悟、謹慎していること(ロ)逋脱した税金は総べて完納せられていること其の他の情状が認められるから被告人等に対する原審の量刑は稍重すぎると思はれるからこの点の論旨は理由がある。 仍て刑事訴訟法第三百八十一条第三百九十七条により原判決はこれを破棄し、同法第四百条但書の規定に従い当裁判所において次の通り自判することとする。 罪となるべき事実及びこれを認めた証拠は原判決に記載の通りであるからここにこれを引用する。 法律の適用原判決に記載の各法条の外昭和二十五年三月三十一日法律第七十二号法人税法の一部を改正する法律附則第二十項、昭和二十三年七月七日法律第百七号所得税法の一部を改正する等の法律附則第六十条、昭和二十五年三月三十一日法律第七十一号所得税法の一部を改正する法律附則第二十一項、罰 一部を改正する法律附則第二十項、昭和二十三年七月七日法律第百七号所得税法の一部を改正する等の法律附則第六十条、昭和二十五年三月三十一日法律第七十一号所得税法の一部を改正する法律附則第二十一項、罰金等臨時措置法第二条、刑法第六条第十条第二十五条を適用して主文の通り判決する。 (裁判長判事坂本徹章判事浮田茂男判事熊野一良)
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