昭和48(行ウ)109 課税処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和52年12月27日 東京地方裁判所 租税
ファイル
hanrei-pdf-17731.txt

タグ

判決文本文19,367 文字)

○ 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。2 訴訟費用は原告の負担とする。○ 事実第一当事者の求めた裁判一原告 1 被告向島税務署長が原告の昭和四四年分の所得税について同四六年三月一五日付でなした更正及び過少申告加算税の賦課決定を取り消す。2 被告国税不服審判所長が昭和四八年三月三一日付で原告に対してした前項の更正及び賦課決定についての審査請求を棄却する旨の裁決を取り消す。3 訴訟費用は被告らの負担とする。との判決二被告ら主文と同旨の判決第二当事者の主張一請求原因 1 原告は、昭和四四年六月から東京都墨田区においてメリヤス製造業を営む者であるが、昭和四四年分(以下「本件年分」という。)の所得税について原告がした確定申告、これに対する被告向島税務署長(以下「被告税務署長」という。)がした更正(以下「本件更正」という。)及び過少申告加算税の賦課決定(以下「本件賦課決定」という。)並びに原告の異議申立てについての決定並びに被告国税不服審判所長(以下「被告審判所長」という。)がした原告の審査請求に対する裁判(以下「本件裁決」という。)の経緯は別表一記載のとおりである。2 しかしながら、本件更正及び賦課決定(以下「本件更正等」ともいう。)は、次に述べるとおり違法である。(一) (1)日本橋税務署A係官は、昭和四五年一〇月初旬ごろ訴外株式会社クレール(以下「クレール」ともいう。)の所得を調査するためと称して原告方を訪問し、原告に対し昭和四四年分の帳簿の提示を求めたが、原告は仕事が忙しかつたため右の求めを拒否したところ、同係官は、帰途向島税務署に立ち寄り右原告の態度を被告税務署長に通告した。次いで、被告税務署長所部のB係官は同月一五日及び同月下旬ころ原告方に臨店し、突然何の根拠を示すことなく修正申告することを要求し、原告 帰途向島税務署に立ち寄り右原告の態度を被告税務署長に通告した。次いで、被告税務署長所部のB係官は同月一五日及び同月下旬ころ原告方に臨店し、突然何の根拠を示すことなく修正申告することを要求し、原告がこれを拒否したところ、本件更正等をした。 態度を被告税務署長に通告した。次いで、被告税務署長所部のB係官は同月一五日及び同月下旬ころ原告方に臨店し、突然何の根拠を示すことなく修正申告することを要求し、原告 帰途向島税務署に立ち寄り右原告の態度を被告税務署長に通告した。次いで、被告税務署長所部のB係官は同月一五日及び同月下旬ころ原告方に臨店し、突然何の根拠を示すことなく修正申告することを要求し、原告がこれを拒否したところ、本件更正等をした。このように、被告税務署長は、原告が右の帳簿提示の求めに応じなかつたことの報復として本件更正等をしたものである。(2) 被告税務署長の所部係官は、原告が、昭和四五年一〇月下旬から翌四六年一月中旬にかけ、帳簿を整理したうえ、再三再四にわたり原告方に臨店するよう求めたのに、これを拒否し、原告の本件年分の所得について全く調査を行なわないで本件更正等をした。(3) 原告は、昭和四五年当時、墨田民主商工会会員で、同会寺島支部東向島二丁目班長として活動していたものであるところ、被告税務署長は、民商破壊のみを目的として原告に無断で反面調査を行ない、原告の営業を妨害し、原告の所属する墨田民主商工会の結社の自由を侵害した。このような調査は違法であるから、これに基づく本件更正等も違法である。(二) 本件更正(前記異議申立てについての決定によつて維持された部分。以下同じ。)には、原告の所得を過大に認定した違法があり、これを前提とした本件賦課決定も違法である。3 また、本件裁決は以下に述べる理由により違法である。(一) 原告は、本件審査請求の審理において、入院のため外注に依存しており、本件更正の差益率は高すぎる旨を主張したのに、被告審判所長はこの点について実質的審理をしないで本件裁決をした。(二) 原告は、仕入金額について領収書を提示し仕入金額を明らかにするため協力する姿勢を示したのに、被告審判所長は実額について審理をせず、推計によつて本件裁決をした。(三) 東京国税不服審判所C国税審判官は、原告に対し、被告税務署長 書を提示し仕入金額を明らかにするため協力する姿勢を示したのに、被告審判所長は実額について審理をせず、推計によつて本件裁決をした。(三) 東京国税不服審判所C国税審判官は、原告に対し、被告税務署長が原告の所得の認定に用いた差益率の算出の基礎となつた同業者三名の売上金額及び仕入金額を開示すると約束しながら、これを履行しなかつた。 した。(三) 東京国税不服審判所C国税審判官は、原告に対し、被告税務署長 書を提示し仕入金額を明らかにするため協力する姿勢を示したのに、被告審判所長は実額について審理をせず、推計によつて本件裁決をした。(三) 東京国税不服審判所C国税審判官は、原告に対し、被告税務署長が原告の所得の認定に用いた差益率の算出の基礎となつた同業者三名の売上金額及び仕入金額を開示すると約束しながら、これを履行しなかつた。4 よつて、原告は本件更正及び賦課決定並びに本件裁決の取消しを求める。二請求原因に対する被告税務署長の認否 1 請求原因1の事実は認める。2 同2の冒頭の主張は争う。2 の(一)(1)のうち、A係官が昭和四五年一〇月九日クレールの所得調査のため原告方を訪問し、原告に対し帳簿の提示を求め、原告がこれを拒否したこと及びA係官が右の帰途向島税務署に立ち寄つた事実並びに同月一九日及び同月下旬ころB係官が臨店し、右下旬に臨店した際原告に修正申告をすすめ、原告がこれを拒否した事実は認め、その余の事実は否認する。2 の(一)(2)のうち、原告が昭和四五年一〇月末ごろ係官に臨店することを求めた事実及び係官がこれを断わつた事実は認め、その余の事実は否認する。2 の(一)(3)のうち、原告が墨田民主商工会の会員であつたことは認めるが、東向島二丁目班長であつたことは不知、係官が原告の承諾を得ないで反面調査を行なつた事実は認め、その余は争う。2 の(二)の主張は争う。三請求原因に対する被告審判所長の認否 1 請求原因1の事実は認める。2 同3の(一)のうち、原告が本件更正の差益率が高すぎると主張したことは認め、その余は否認する。同3の(二)のうち、原告が領収書六枚を提示した事実は認め、その余の事実は否認する。同3の(三)の事実は否認する。国税審判官は昭和四七年一一月六日原告主張の同業者三名の売上金額及び売上原価等を記載した の(二)のうち、原告が領収書六枚を提示した事実は認め、その余の事実は否認する。同3の(三)の事実は否認する。国税審判官は昭和四七年一一月六日原告主張の同業者三名の売上金額及び売上原価等を記載した書面を原告に開示した。四被告税務署長の主張原告の昭和四四年分の総所得金額及びその内訳は次のとおりである。1 (一)主位的主張総所得金額一四四万六八〇〇円(内訳)事業所得一〇八万六八〇〇円不動産所得一二万〇〇〇〇円給与所得二四万〇〇〇〇円(二) 予備的主張総所得金額二一六万八二一三円(内訳)事業所得一八〇万八二一三円不動産所得一二万〇〇〇〇円給与所得二四万〇〇〇〇円 売上金額及び売上原価等を記載した書面を原告に開示した。四被告税務署長の主張原告の昭和四四年分の総所得金額及びその内訳は次のとおりである。1 (一)主位的主張総所得金額一四四万六八〇〇円(内訳)事業所得一〇八万六八〇〇円不動産所得一二万〇〇〇〇円給与所得二四万〇〇〇〇円(二) 予備的主張総所得金額二一六万八二一三円(内訳)事業所得一八〇万八二一三円不動産所得一二万〇〇〇〇円給与所得二四万〇〇〇〇円 2 事業所得について(一) 推計課税の必要性被告税務署長は原告の本件年分の所得税について、事業所得の金額を推計により算出したが、これは次のような事情によるものである。すなわち、(1) 被告税務署長所部のB係官は、昭和四五年一〇月二〇日原告の所得税について調査のため原告方へ臨店し、原告に対し右調査について協力を要請し、帳簿の提示を求めたところ、原告は帳簿はない旨を申し立てた。その際、原告方の店舗内に居た三、四名の者が原告と係官を取り囲み、「何をしに来たのか」「調査の根拠をはつきりさせろ」などとこもごも発言して係官の右調査を妨げたので、係官は原告にそれらの発言を制止するよう要請したが、原告はこれに応じようとしなかつた。次いで、被告税務署長所部のD及びE両係官は、昭和四六年一月二一日原告の所得税調査のため原告方に臨店し、帳簿の有無や所在を尋ねたところ、原告は税理 よう要請したが、原告はこれに応じようとしなかつた。次いで、被告税務署長所部のD及びE両係官は、昭和四六年一月二一日原告の所得税調査のため原告方に臨店し、帳簿の有無や所在を尋ねたところ、原告は税理士のところに帳簿があるので税理士に出署するよう連絡する旨を約したが、同月下旬に至り、原告は前言をひるがえし、税理士はいない、原告自身が出署する旨を申し立てるに至つたが、その後原告の出署ないし連絡は全くなかつた。(2) 右D係官は、同月二五日前記クレールにおいて、原告とクレールとの取引金額等を調査していたところ、原告はその場に現われ、右D係官に対し、「無断で反面調査をするとは何事だ」と大声で詰問し、さらにクレールの担当者に対し、調査に応じないようしつように要求し、係官の右調査を妨害する挙に出た。(3) さらに、右D及びEの両係官が同年二月三日第一銀行押上支店において、原告と同銀行との取引状況等について調査していたところ、原告及びその友人と称する五、六名の者が同支店に押しかけ、両係官に対し、「無断で銀行調査をするとは何事だ」「財産権の侵害だ」と大声でわめき立てたため、両係官は当日右銀行においての調査を中途で打ち切らざるを得なかつた。 ないようしつように要求し、係官の右調査を妨害する挙に出た。(3) さらに、右D及びEの両係官が同年二月三日第一銀行押上支店において、原告と同銀行との取引状況等について調査していたところ、原告及びその友人と称する五、六名の者が同支店に押しかけ、両係官に対し、「無断で銀行調査をするとは何事だ」「財産権の侵害だ」と大声でわめき立てたため、両係官は当日右銀行においての調査を中途で打ち切らざるを得なかつた。(4) なお、原告は、本件更正に対する異議申立ての審理に際しても、係官の調査に協力せず、かつ、帳簿書類を提示しなかつた。(5) このように、原告は帳簿書類の提示をせず、また、係官の税務調査を妨げ、右調査に協力しなかつたため、被告税務署長は、原告の所得金額を実額によつて算出することが不可能であつたので、原告の所得金額を推計により算出したものである。(二) 事業所得の金額の算出根拠(主位的主張)(1) 事業所得の金額〔(1)―((2)+(3))〕 一〇八万六八〇〇円(1) 売上金額七四一 り算出したものである。(二) 事業所得の金額の算出根拠(主位的主張)(1) 事業所得の金額〔(1)―((2)+(3))〕 一〇八万六八〇〇円(1) 売上金額七四一万三三一六円(2) 売上原価及び一般経費六二九万五三八七円(3) 特別経費三万一一二九円(内訳)建物減価償却費一五二九円支払地代三〇八〇円支払利息二万六五二〇円(2) 売上原価及び一般経費について原告と同じく東京都墨田区内に事業所を有するメリヤス製造業を営む個人事業者のうち、本件年分の所得税について青色申告書を提出した者で、売上(収入)金額が七〇〇万円以上二八〇〇万円未満であり、給料賃金の支払いがあり、かつ、横編機を使用している者(ただし、全自動式横編機を使用している者を除く。)(以下「同業者」という。)全員の「(1)売上(収入)金額」並びに「(2)売上原価及び一般経費」(売上原価と特別経費(建物の減価償却費、利子割引料、地代家賃及び貸倒金をいう。)の金額を除く経費(青色申告書を提出する者に認められる経費の諸特例の金額を除く。)の金額との合計額である。)は別表二記載のとおりであり、(1)の(2)に対する割合の平均は八四・九二パーセントである。よつて、前記(1)の売上金額七四一万三三一六円に右平均率を乗じて得た売上原価及び一般経費額は六二九万五三八七円である。 経費」(売上原価と特別経費(建物の減価償却費、利子割引料、地代家賃及び貸倒金をいう。)の金額を除く経費(青色申告書を提出する者に認められる経費の諸特例の金額を除く。)の金額との合計額である。)は別表二記載のとおりであり、(1)の(2)に対する割合の平均は八四・九二パーセントである。よつて、前記(1)の売上金額七四一万三三一六円に右平均率を乗じて得た売上原価及び一般経費額は六二九万五三八七円である。(三) 事業所得の金額の算出根拠(予備的主張)仮に、前記(二)が認められないとすれば、次のとおり主張する。(1) 事業所得の金額〔(3)-((4)十(5))〕 一八〇万八二一三円(1) 売上(収入)金額七四一万三三一六円(2) 二)が認められないとすれば、次のとおり主張する。(1) 事業所得の金額〔(3)-((4)十(5))〕 一八〇万八二一三円(1) 売上(収入)金額七四一万三三一六円(2) 売上原価二九二万六〇三五円(3) 差益金額((1)-(2)) 四四八万七二八一円(4) 一般経費二六四万七九三九円(5) 特別経費三万一一二九円(2) 売上原価について前記(二)の(2)の同業者全員の売上金額及び売上原価は別表三のとおりであり、その平均売上原価率は三九・四七パーセントである。よつて、売上原価は、右売上金額七四一万三三一六円に右平均原価率を乗じて得た二九二万六〇三五円である。(3) 一般経費について(1) 租税公課二万〇三五五円固定資産税三六〇円、自動車税一万三九九五円及び組合費六〇〇〇円である。(2) 水道光熱費三万〇〇三四円事業用の水道代一一九四円、電力電灯代二万三三一五円及びガス代五五二五円である。(3) 通信費一万五五〇一円(4) 保険料一万二一四七円建物の火災保険料は二万四二九五円であるところ、原告は右建物のうち五〇パーセントを事業の用に供している。(5) 修繕費五〇〇〇円(6) 消耗品費二四万七〇七二円(7) 雇人の給料一二万〇〇〇〇円原告の雇人Fに対する給料である。(8) 福利厚生費一万五〇〇〇円(9) 外注工費二一一万二七六四円(10) 減価償却費 一二万〇〇〇〇円原告の雇人Fに対する給料である。(8) 福利厚生費一万五〇〇〇円(9) 外注工費二一一万二七六四円(10) 減価償却費七万〇〇六六円原告所有の横編メリヤス機及びボイラーの減価償却費二万六一四五円、計算機一台の減価償却費七一九二円並びに自動車一台の減価償却費三万六七二九円である。 対する給料である。(8) 福利厚生費一万五〇〇〇円(9) 外注工費二一一万二七六四円(10) 減価償却費 一二万〇〇〇〇円原告の雇人Fに対する給料である。(8) 福利厚生費一万五〇〇〇円(9) 外注工費二一一万二七六四円(10) 減価償却費七万〇〇六六円原告所有の横編メリヤス機及びボイラーの減価償却費二万六一四五円、計算機一台の減価償却費七一九二円並びに自動車一台の減価償却費三万六七二九円である。3 以上のとおり原告の本件年分の総所得金額は一四四万六八〇〇円又は二一六万八二一三円であり、いずれにしても本件更正に係る所得金額を下回らないから本件更正は適法であり、これを前提としてされた本件賦課決定も適法である。五被告審判所長の主張 1 東京国税不服審判所C国税審判官は、昭和四七年七月六日原告方に臨店し、本件更正で用いられた差益率について原告から意見を聴取し、さらに国税審査官に対し右差益率の審理に必要な資料の調査を命じ、右調査資料に基づいて合議を行ない、議決をした。被告審判所長は、右議決に基づいて本件裁決をしたものであるから、本件裁決は差益率についても審理を尽しているものである。2 東京国税不服審判所G国税審判官は、原告の本年分の事業所得金額を実額で計算することができるかどうかを検討するため、同年九月二二日付及び同年一〇月三〇日付各文書をもつて原告に対し、本件年分に係る帳簿書類を提示するように求めたが、原告はこれらを提示せず、同年一一月二一日に至り仕入れに関する領収書六枚のみを提示した。そこで、同審判官は、さらに同年一二月一一日付文書をもつて原告に対し帳簿書類の提示を求めたが、原告はこれに応じなかつた。このため、仕入金額の実額について審理をすることができなかつたものであり、被告審判所長は止むを得ず推計によつて本件裁決をしたものである。したがつて、本件 の提示を求めたが、原告はこれに応じなかつた。このため、仕入金額の実額について審理をすることができなかつたものであり、被告審判所長は止むを得ず推計によつて本件裁決をしたものである。したがつて、本件裁決に原告主張のような違法はない。六被告税務署長の主張に対する原告の認否 1 被告税務署長の主張1の事実のうち、不動産所得及び給与所得が同被告主張の金額であることは認め、その余は争う。2 同2の(二)(1)の事実のうち、売上金額及び特別経費がその主張の各金額であることは認め、その余は争う。 ることができなかつたものであり、被告審判所長は止むを得ず推計によつて本件裁決をしたものである。したがつて、本件裁決に原告主張のような違法はない。六被告税務署長の主張に対する原告の認否 1 被告税務署長の主張1の事実のうち、不動産所得及び給与所得が同被告主張の金額であることは認め、その余は争う。2 同2の(二)(1)の事実のうち、売上金額及び特別経費がその主張の各金額であることは認め、その余は争う。(2)の事実は不知。原告の本件年分の売上原価及び一般経費は後記八の2及び3のとおりである。3 同2の(三)(1)の事実のうち、売上金額及び特別経費がその主張の各金額であることは認め、その余は争う。(2)の事実は否認する。売上原価は後記八の2のとおりである。(3)の事実のうち(5)(6)(8)及び(9)については認め、その余は争う。七被告審判所長の主張に対する原告の認否 1 被告審判所長の主張1の事実のうち、C国税審判官が原告から差益率について意見を聴取したことは認め、その余は不知。2 同2の事実のうち、G国税審判官が各文書をもつて三回にわたり帳簿書類の提示を求めたこと及び原告が領収書六枚を提示したことは認める。八原告の反対主張原告の本件年分の事業所得の金額及びその算出根拠は次のとおりである。1 事業所得の金額〔(3)-((4)+(5))〕 損失九一五八円(1) 売上金額七四一万三三一六円(2) 売上原価四三二万七二七六円(3) 差益金額((1)-(2)) 三〇八万六〇四〇円(4) 一般経費三〇六万四〇六九円(5) 特別経費 四三二万七二七六円(3) 差益金額((1)-(2)) 三〇八万六〇四〇円(4) 一般経費三〇六万四〇六九円(5) 特別経費三万一一二九円 2 売上原価について仕入金額(1)は次のとおり四六二万七二七六円であり、期首たな卸金額(2)は零、期末たな卸金額(3)は三〇万円である。よつて、売上原価は四三二万七二七六円である((1)+(2)-(3)). 仕入先(品名) 仕入金額(1) (株)九十商店(糸) 三五一万九三八六円(2) 吉田(株) (糸) 五二万五八〇〇円(3) 坪川製箱(株)(製箱) 一万三〇〇〇円(4) 柴五紙業(株)(ビニール袋) 八三五二円(5) 大関商事(株)(生地) 八万五八〇〇円(6) 小宮山繊維(株)(糸) 九七七五円(7) (株)クレール(メリヤス材料) 三六万四四五五円(8) 古河釦店(ボタン、ゴムチヤツク) 一〇万〇七〇八円一般経費について(一) 租税公課二万四〇七五円前記被告税務署長の主張の(1)(前記四の2(三)(3)(1)参照)(以下この項においては、「被告主張の(1)」「被告主張の(2)」というように略称する。 (5) 大関商事(株)(生地) 八万五八〇〇円(6) 小宮山繊維(株)(糸) 九七七五円(7) (株)クレール(メリヤス材料) 三六万四四五五円(8) 古河釦店(ボタン、ゴムチヤツク) 一〇万〇七〇八円一般経費について(一) 租税公課二万四〇七五円前記被告税務署長の主張の(1)(前記四の2(三)(3)(1)参照)(以下この項においては、「被告主張の(1)」「被告主張の(2)」というように略称する。)のほか、印紙代一二〇円及び民商会費三六〇〇円である。(二) 水道光熱費三万九〇三四円被告主張の(2)のほか、薪炭・油代九〇〇〇円である。(三) 通信費一万六八〇〇円被告主張の(3)のほか、電話代一二九九円である。(四) 接待交際費七万六〇〇〇円中 張の(2)のほか、薪炭・油代九〇〇〇円である。(三) 通信費一万六八〇〇円被告主張の(3)のほか、電話代一二九九円である。(四) 接待交際費七万六〇〇〇円中元・歳暮などの贈答品代六〇〇〇円及び得意先・外注などの接待費七万円である。(五) 保険料三万一〇七三円自動車等の火災保険料は一万二一四六円であるところ、原告は右自動車等のうち五〇パーセントを事業の用に供している。また、自動車の損害賠償保険料二万五〇〇〇円である。(六) 修繕費五〇〇〇円(七) 消耗品費二四万七〇七二円(七) 雇人の給料等三九万〇〇〇〇円原告の雇人の給料三〇万円、手当賞与三万円及び食事代六万円である。(九) 福利厚生費一万五〇〇〇円(一〇) 外注工費二一一万二七六四円(一一) 減価償却費一〇万七二五一円被告主張の(10)の計算機一台及び自動車一台の減価償却費合計四万三九二一円のほか、横編メリヤス機五台の減価償却費三万三五二八円、編半自動機五台の償却費二万四五八七円及びボイラー一台の償却費五二一五円である。第三証拠(省略)○ 理由第一原告の被告税務署長(以下この第一の二及び三において「被告」という。)に対する請求について一請求原因1の事実は当事者間に争いがない。二そこで、まず本件更正等に請求原因2の(一)の違法があるか否かについて判断する。1 原告は、本件更正等は原告が訴外クレールの所得の調査に協力しなかつたことに対する報復としてなされたものであるから違法である旨主張する。日本橋税務署のA係官が昭和四五年一〇月初旬ごろ原告方を訪問し、クレールの所得調査に必要であるとして原告に対し帳簿の提示を求め、 る請求について一請求原因1の事実は当事者間に争いがない。二そこで、まず本件更正等に請求原因2の(一)の違法があるか否かについて判断する。1 原告は、本件更正等は原告が訴外クレールの所得の調査に協力しなかつたことに対する報復としてなされたものであるから違法である旨主張する。日本橋税務署のA係官が昭和四五年一〇月初旬ごろ原告方を訪問し、クレールの所得調査に必要であるとして原告に対し帳簿の提示を求め、 たことに対する報復としてなされたものであるから違法である旨主張する。日本橋税務署のA係官が昭和四五年一〇月初旬ごろ原告方を訪問し、クレールの所得調査に必要であるとして原告に対し帳簿の提示を求め、原告がこれを拒否したこと、A係官は右の帰途、向島税務署に立ち寄つたことは当事者間に争いがない。証人H及び原告本人は、被告所部のB係官は原告方に臨店した際、突然なんらの根拠を示すことなく原告に対し修正申告をすることを要求した旨供述するが、右各供述は、証人Bの証言によつて認められるB係官は原告方に臨店した際、原告に対し申告が間違つていたら修正申告をするようにと話した事実と対比してたやすく信用できない。原告は、本件更正等は、原告がA係官に対し帳簿を提示することを拒否したため、その報復としてされたものである旨主張するが、前記争いのない事実をもつて、原告主張の右事実を推認することは到底できないし、他にこれを認めるに足る証拠は何もない。したがつて、原告の前記主張は失当である。2 原告は、本件更正等は被告が原告の所得について全く調査を行なわないでしたものであるから違法である旨主張する。被告の所部係官Bが昭和四五年一〇月二〇日原告方に臨店し、次いで、被告所部のD及びE両係官が翌四六年一月二一日原告方に臨店し、いずれも原告の所得を調査するため帳簿書類の提示を求めるなど調査について協力を要請したが、結局原告は帳簿の提示等をしなかつたことは後記三の2(一)において認定のとおりである。そうして、証人Dの証言によれば、右D及びE両係官は、昭和四六年一月原告の所得の調査に当たつたが、原告の協力を得られなかつたので、原告の製品の納入先であるクレールや取引銀行である第一銀行押上支店などに赴いていわゆる反面調査を行ない、その結果原告の収入金額については把握できたが、売上 当たつたが、原告の協力を得られなかつたので、原告の製品の納入先であるクレールや取引銀行である第一銀行押上支店などに赴いていわゆる反面調査を行ない、その結果原告の収入金額については把握できたが、売上原価や一般経費については十分な把握ができなかつたので、同業者の所得率を調べ、原告の所得金額の推計を行なつたうえ、本件更正等をしたことが認められ、右認定に反する証拠はない。 金額については把握できたが、売上 当たつたが、原告の協力を得られなかつたので、原告の製品の納入先であるクレールや取引銀行である第一銀行押上支店などに赴いていわゆる反面調査を行ない、その結果原告の収入金額については把握できたが、売上原価や一般経費については十分な把握ができなかつたので、同業者の所得率を調べ、原告の所得金額の推計を行なつたうえ、本件更正等をしたことが認められ、右認定に反する証拠はない。したがつて、被告は原告の所得について調査を行なつたというべきである。この点に関し、原告は、昭和四五年一〇月末ごろ被告の所部係官に対して臨店を求めたところ同係官がこれを断わつたものである旨主張し、右事実は当事者間に争いがない。しかし、証人Bの証言によると、B係官が同月二〇日原告方に臨店した際は全く協力が得られなかつたこと、その後B係官は原告から電話で二回にわたり右のように臨店を求められたことがあつたが、その際同係官の帳簿に関する質問に原告は全く答えず、調査には協力してもらえないと判断されたこと及び当時他の調査で多忙であつたことから、原告に対し帳簿を持参して税務署に出頭されたい旨を告げ臨店しなかつたことが認めれるから、右争いのない事実によつて、被告の前記調査が行なわれたものとすることはできない。してみると、被告が原告の所得について調査を行なわないで本件更正等をしたとの原告の前記主張は失当である。3 原告は、本件更正等は、被告が民商破壊のみを目的として原告に無断で反面調査を行ない、これに基づくものであるから違法である旨主張する。(一) 原告が昭和四五年当時墨田民主商工会の会員であつたこと、被告の所部係官が原告の承諾を得ないで、いわゆる反面調査を行なつたことは当事者間に争いがない。そうして、証人Hの証言及び原告本人尋問の結果によると、原告が昭和四五年当時墨田民主商工会寺島支部東 と、被告の所部係官が原告の承諾を得ないで、いわゆる反面調査を行なつたことは当事者間に争いがない。そうして、証人Hの証言及び原告本人尋問の結果によると、原告が昭和四五年当時墨田民主商工会寺島支部東向島二丁目班長として活動していたこと及び被告は昭和四五年当時右寺島支部の会員八〇名中、五名についていわゆる事後調査を行なつたことを認めることができる。(二) しかしながら、証人B、同Dの各証言によれば、被告の所部係官は原告の提出した確定申告書記載の収入金額が他から人手の資料に基づく金額に比し著しく低額と認められたので、原告の所得について調査のため原告方へ臨店したが、後記三の2(一)のとおり原告の協力が得られなかつたため、原告の製品の納入先や取引銀行等に赴いていわゆる右反面調査を行なつたものであることが認められる。 なつたことを認めることができる。(二) しかしながら、証人B、同Dの各証言によれば、被告の所部係官は原告の提出した確定申告書記載の収入金額が他から人手の資料に基づく金額に比し著しく低額と認められたので、原告の所得について調査のため原告方へ臨店したが、後記三の2(一)のとおり原告の協力が得られなかつたため、原告の製品の納入先や取引銀行等に赴いていわゆる右反面調査を行なつたものであることが認められる。そうして、いわゆる反面調査は、納税義務者の承諾を得なければ行なうことが許されないものではないから、右(一)の事実をもつて、被告が墨田民主商工会の破壊のみを目的として反面調査を行なつたと推認することは到底できない。したがつて、右調査が違法であるから本件更正等も違法であるとの原告の主張は理由がない。三次に、本件更正が原告の所得金額を過大に認定した違法があるか否かについて判断する。1 原告の本件年分の不動産所得の金額が一二万円及び給与所得の金額が二四万円であることは当事者間に争いがない。2 事業所得について(一) 被告の主張に係る原告の本件年分の事業所得の金額は推計によつて算定したものであるから、右推計の必要性について検討する。証入B、同D、同Hの各証言及び原告本人尋問の結果(後記信用しない部分を除く。)によれば、次の事実を認めることができる。被告所部の係官Bは、昭和四五年一〇月二〇日原告の所得税に関する調査のため原告方に臨店し D、同Hの各証言及び原告本人尋問の結果(後記信用しない部分を除く。)によれば、次の事実を認めることができる。被告所部の係官Bは、昭和四五年一〇月二〇日原告の所得税に関する調査のため原告方に臨店し、原告に対し帳簿書類の有無等について質問したところ、原告は帳簿や伝票はない旨を申し立てた。またその際、B係官は、原告から調査理由の開示を求められたので、申告に係る収入金額が取引先であるクレールから得た資料によるものと違つている旨を告げたが、その場に居合わせた三、四名の者は「どこがどう違つているんだ。」「何の根拠があつて調査したんだ。」などと発言して詰問し、また原告もB係官からこれを制止し、調査に協力するよう求められながらこれに応じようとしなかつたため、B係官は調査を続けることができなかつた。次いで被告所部のD、Eの両係官は翌四六年一月二一日原告方に臨店したところ、原告は帳簿は税理士のところにあるので、税理士に持参させて税務署へ行くように連絡する旨申し出た。 名の者は「どこがどう違つているんだ。」「何の根拠があつて調査したんだ。」などと発言して詰問し、また原告もB係官からこれを制止し、調査に協力するよう求められながらこれに応じようとしなかつたため、B係官は調査を続けることができなかつた。次いで被告所部のD、Eの両係官は翌四六年一月二一日原告方に臨店したところ、原告は帳簿は税理士のところにあるので、税理士に持参させて税務署へ行くように連絡する旨申し出た。ところが、原告は同月下旬に至り、税理士はいないので原告自身が帳簿を持つて税務署へ出頭する旨を申し立てたが、結局税務署へ出頭せず、帳簿の提示もしなかつた。また、右D係官らは、その後第一銀行押上支店に赴き、原告と同支店との取引状況等を調査していたところ、原告は五、六名の者と共に同係官らを取り囲み「無断で銀行調査をするとは何事だ。」「財産権の侵害だ。」などと大声で詰問したため、同係官は右銀行における調査を中途で打ち切らざるを得なかつた。以上の事実を認めることができ、原告本人尋問の結果中右認定に反する部分は、前記各証言と対比して信用しない。右事実によれば、本件更正当時、原告は本件年分の帳簿書類を提示せず、被告の反面調査を妨げ、かつ、被告の所部係官の質問に応じないなどして調査に協力しなかつたものであ 前記各証言と対比して信用しない。右事実によれば、本件更正当時、原告は本件年分の帳簿書類を提示せず、被告の反面調査を妨げ、かつ、被告の所部係官の質問に応じないなどして調査に協力しなかつたものであるから、被告は本件年分の所得金額を実額により把握するに由なく、これを推計により認定する必要性が存したことは明らかである。また本訴においても、原告は売上原価について実額を主張するが、実額によりその金額を確定できないことは後記(二)の(2)において説示のとおりであり、他に売上原価を実額により算定するに足る資料の存在をうかがうべき証拠はないから、本訴においても、売上原価を推計によつて算定するほかはない。(二) そこで事業所得金額の算出について検討する。(1) 原告の本件年分の売上(収入)金額が七四一万三三一六円であることは当事者間に争いがない。(2) 売上原価について(被告の主張2の(三))成立に争いのない乙第二号証、第四号証、第一六号証、第一八号証、証人Iの証言により真正に成立したと認められる乙第一七号証、証人Jの証言により真正に成立したと認められる乙第一九号証及び証人K、同L、同I、同Jの各証言によれば、東京国税局長は向島税務署長及び本所税務署長に対し、その管内に事業所を有するメリヤス製造業を営む個人の青色申告者で、売上(収入)金額が七〇〇万円以上二八〇〇万円未満であり、給料賃金の支払いがあり、かつ横編機を使用している者(ただし、全自動式横編機を使用している者を除く。 したと認められる乙第一七号証、証人Jの証言により真正に成立したと認められる乙第一九号証及び証人K、同L、同I、同Jの各証言によれば、東京国税局長は向島税務署長及び本所税務署長に対し、その管内に事業所を有するメリヤス製造業を営む個人の青色申告者で、売上(収入)金額が七〇〇万円以上二八〇〇万円未満であり、給料賃金の支払いがあり、かつ横編機を使用している者(ただし、全自動式横編機を使用している者を除く。)全員の売上金額、売上原価及び売上原価率について報告するように通達したこと、向島及び本所各税務署長が右通達により調査した結果、右抽出基準に該当した同業者はそれぞれ別表三の記号AないしGに掲げる七名及びHないしMに掲げる六名であり、青色申告決算書記載の売上金額等により個人事業経営 本所各税務署長が右通達により調査した結果、右抽出基準に該当した同業者はそれぞれ別表三の記号AないしGに掲げる七名及びHないしMに掲げる六名であり、青色申告決算書記載の売上金額等により個人事業経営者の「課税事績報告書」(乙第一七号証及び第一九号証)を作成して報告したこと、右各調査表記載の売上金額、売上原価及び売上原価率は右別表の該当欄記載のとおりであることが認められ、その平均売上原価率が三九・四七パーセントであることは計数上明らかである。右認定の事実によると、右平均売上原価率の算出の基礎となつた者は原告と同じく東京都墨田区内において事業所を有するメリヤス製造業を営む個人事業者で、かつ、売上金額が原告のそれとほぼ類似するものであるから、同業者の抽出基準に合理性があり、その抽出には恣意の介在する余地がなく、前記別表記載の金額は同業者の各青色申告決算書の記載によつたものであり、その抽出数は同業者の個別性を平均化するに足るものといえ、また同業者の売上原価率については、極端に低率又は高率を示す同業者は選出されていないから、このようにして算出された平均売上原価率については一応の正確性と普遍性とが担保されているということができる。そうすると、原告の本件年分の売上原価は前記売上金額七四一万三三一六円に右平均売上原価率を乗じた金額二九二万六〇三五円となることが計数上明かである。ところで、原告は、本件年分の売上原価について被告主張の推計による右金額を争い、売上原価は仕入金額から期末たな卸金額を控除した四三二万七二七六円であると主張する。 て算出された平均売上原価率については一応の正確性と普遍性とが担保されているということができる。そうすると、原告の本件年分の売上原価は前記売上金額七四一万三三一六円に右平均売上原価率を乗じた金額二九二万六〇三五円となることが計数上明かである。ところで、原告は、本件年分の売上原価について被告主張の推計による右金額を争い、売上原価は仕入金額から期末たな卸金額を控除した四三二万七二七六円であると主張する。成立に争いのない乙第一〇号証の二及び原告本人尋問の結果によれば、原告は昭和四二年七月、Mら三名の合計四名で有限会社タマコシニツトを組織し、その代表取締役となり、同会社は、右四名及びその家族が主となつてメリヤス製造を業とし 号証の二及び原告本人尋問の結果によれば、原告は昭和四二年七月、Mら三名の合計四名で有限会社タマコシニツトを組織し、その代表取締役となり、同会社は、右四名及びその家族が主となつてメリヤス製造を業としていたが、同四四年三月ごろ事実上倒産し、同年五月に解散し、原告は、同年六月から個人でメリヤス製造を営むようになつた、以上の事実を認めることができる(原告が、右六月からメリヤス製造業を営む者であることは当事者間に争いがない。)。そうして、まず仕入金額については、原告本人尋問の結果により真正に成立したと認められる甲第七、八号証の各一、弁論の全趣旨により真正に成立したと認められる甲第七号証の二ないし四、第八号証の二、第九号証の一・二、第一〇、一一号証、第一二号証の一・二、第一三号証の一ないし六、第一四号証の一・二、第一五号証の一・二、同号証の四及び原告本人尋問の結果によれば、原告は、本件年中にその主張の仕入先から原材料等をその主張の金額で仕入れた事実が認められ、この認定に反する証拠はない。したがつて、仕入金額は計数上四六二万七二七六円となる。次に、原告は期首におけるたな卸金額が零、期末におけるたな卸金額が三〇万円である旨主張し、原告本人は右主張に沿う供述をする。しかしながら、仮に原告の期首及び期末におけるたな卸金額が原告本人の供述どおりであるとすれば、売上原価(「期首たな卸金額」+「仕入金額」-「期末たな卸金額」)は計数上四三二万七二七六円となり、他方売上金額が七四一万三三一六円であることは前認定のとおりであるから、その売上原価率は五八・三七パーセントとなることが計数上明らかである。 るたな卸金額が三〇万円である旨主張し、原告本人は右主張に沿う供述をする。しかしながら、仮に原告の期首及び期末におけるたな卸金額が原告本人の供述どおりであるとすれば、売上原価(「期首たな卸金額」+「仕入金額」-「期末たな卸金額」)は計数上四三二万七二七六円となり、他方売上金額が七四一万三三一六円であることは前認定のとおりであるから、その売上原価率は五八・三七パーセントとなることが計数上明らかである。そうすると、前認定のように、原告の同業者一三名の売上原価率は二五・一〇パーセントから五〇・五九パーセントまでであり、その平均率が三九・四七パーセントであるから、原 となることが計数上明らかである。そうすると、前認定のように、原告の同業者一三名の売上原価率は二五・一〇パーセントから五〇・五九パーセントまでであり、その平均率が三九・四七パーセントであるから、原告の売上原価率はこれと対比して著しく高率であるといわなければならず、本件においてはこのような高率となるべき特段の事情を認めるに足りる証拠がないこと及び期末におけるたな卸金額に関する原告本人の供述があいまいで具体性を欠いていることなどを合わせ考えると、原告本人の前記たな卸金額についての供述部分は信用できないものといわざるを得ない。したがつて、原告主張の実額計算による売上原価の金額については期首及び期末における原材料、仕掛品及び製品のたな卸金額を確定することができない以上、期中の仕入金額を確定し得ても、売上原価の金額を確定できないというほかはない。結局、売上原価については、被告主張の前記推計が合理性を有しないとすることは到底できないというべきである。(3) 特別経費について本件年分の特別経費が三万一一二九円であることは当事者間に争いがない。(4) 事業所得金額の認定被告は本件年分の一般経費は「被告の主張」2の(三)(3)のとおり合計二六四万七九三九円であると主張するのに対し、原告は「原告の反対主張」3のとおり合計三〇六万四〇六九円を主張する。しかしながら、仮に一般経費として原告主張の金額が認められたとしても、原告の事業所得金額は前記売上金額七四一万三三一六円から前記売上原価二九二万六〇三五円と前記特別経費三万一一二九円と右三〇六万四〇六九円との合計額(六〇二万一二三三円)を控除した一三九万二〇八三円となり、これを下回ることはない。 万七九三九円であると主張するのに対し、原告は「原告の反対主張」3のとおり合計三〇六万四〇六九円を主張する。しかしながら、仮に一般経費として原告主張の金額が認められたとしても、原告の事業所得金額は前記売上金額七四一万三三一六円から前記売上原価二九二万六〇三五円と前記特別経費三万一一二九円と右三〇六万四〇六九円との合計額(六〇二万一二三三円)を控除した一三九万二〇八三円となり、これを下回ることはない。3 総所得金額について以上の認定によれば、原告の本件年分の総所得金額は不動産所得の金額が一二万円、給与所得の 額(六〇二万一二三三円)を控除した一三九万二〇八三円となり、これを下回ることはない。3 総所得金額について以上の認定によれば、原告の本件年分の総所得金額は不動産所得の金額が一二万円、給与所得の金額が二四万円及び事業所得の金額が少なくとも一三九万二〇八三円となり、その合計額は本件更正に係る総所得金額一三一万六〇七一円を上回ることが明らかであるから、所得金額の認定について違法はなく、本件更正は適法であり、本件賦課決定にも右違法を前提とする違法はないものというべきである。四よつて、原告の被告税務署長に対する本訴請求は理由がないから棄却すべきものである。第二原告の被告審判所長に対する請求について一請求原因一の事実は当事者間に争いがない。二原告は、まず被告審判所長は本件審査請求における審理において、本件更正において用いられた差益率の合理性及び仕入金額の実額について実質的な審理をしないで本件裁決をした違法がある旨主張する。1 東京国税不服審判所C国税審判官が昭和四七年七月六日本件更正で用いられた差益率について原告から意見を聴取したことは当事者間に争いがない。証人Nの証言によれば、原告は本件審査請求の審理において右差益率が高すぎる旨を主張したので、同審判所N国税審査官は原告と同規模の同業者を選び出し、その所得率を調査し、国税審判官は国税審査官の調査資料に基づき合議を行ない、本件裁決となつた、以上の事実を認めることができ、この認定に反する証拠はない。右事実によれば、被告審判所長は右差益率につき実質的審理を行なつたことが明らかであるから、本件裁決には審理を尽さなかつた違法がないものというべきである。2 G国税審判官が、昭和四七年九月二二日付、一〇月三〇日付及び一二月一一日付各文書をもつて原告に対し、帳簿書類の提示を求めたこと、原告が同 官の調査資料に基づき合議を行ない、本件裁決となつた、以上の事実を認めることができ、この認定に反する証拠はない。右事実によれば、被告審判所長は右差益率につき実質的審理を行なつたことが明らかであるから、本件裁決には審理を尽さなかつた違法がないものというべきである。2 G国税審判官が、昭和四七年九月二二日付、一〇月三〇日付及び一二月一一日付各文書をもつて原告に対し、帳簿書類の提示を求めたこと、原告が同 決には審理を尽さなかつた違法がないものというべきである。2 G国税審判官が、昭和四七年九月二二日付、一〇月三〇日付及び一二月一一日付各文書をもつて原告に対し、帳簿書類の提示を求めたこと、原告が同年一一月二一日に仕入に関する領収書六枚を提示したことは当事者間に争いがない。証人Nの証言によれば、G国税審判官が原告に対し右帳簿書類の提示を求めたのは、原告の本件年分の事業所得金額を実額で算出しようとしたためであつたが、原告は右の求めに対し前記領収書六枚を除いては、帳簿書類をついに提示しなかつた。このため、同国税審判官は仕入金額の実額について審理することができなかつたので、原告の事業所得金額を推計により算出した、以上の事実を認めることができ、この認定に反する証拠はない。右認定の事実によれば、仕入金額の実額について審理を行なうことができなかつたのは、帳簿書類がないため審理することができなかつたためであるから、これをもつて仕入金額の実額について審理をしなかつた違法があるものとすることはできない。したがつて、原告の前記仕入金額の審理についての主張は失当である。三原告は、次に東京国税不服審判所国税審判官は原告に対し同業者三名の売上及び仕入金額を開示することを約束しながら、これを履行しなかつた違法がある旨主張する。原告本人尋問の結果のうちには、右審判所C国税審判官は原告の求めに応じ、原告の同業者三名が提出した確定申告書を氏名及び住所欄は伏せることにして見せる旨を約したが、その後その売上金額及び仕入金額を原告に告げただけで申告書そのものを見せなかつた旨の供述がある。しかしながら、本件審査請求における審理において右のようなことがあつたとしても、右審理が違法ということはできないから、これにより本件裁決が違法であるとする原告の右主張は失当である。四 供述がある。しかしながら、本件審査請求における審理において右のようなことがあつたとしても、右審理が違法ということはできないから、これにより本件裁決が違法であるとする原告の右主張は失当である。 見せなかつた旨の供述がある。しかしながら、本件審査請求における審理において右のようなことがあつたとしても、右審理が違法ということはできないから、これにより本件裁決が違法であるとする原告の右主張は失当である。四 供述がある。しかしながら、本件審査請求における審理において右のようなことがあつたとしても、右審理が違法ということはできないから、これにより本件裁決が違法であるとする原告の右主張は失当である。四よつて、原告の被告審判所長に対する本訴請求は理由がないからこれを棄却すべきものである。第三以上の次第であるから、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁判官三好達菅原晴郎成瀬正已)別表一 (省略)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る