平成14(行コ)162 都議会1人会派呼称変更処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成13年(行ウ)第389号)

裁判年月日・裁判所
平成14年11月14日 東京高等裁判所 地方自治
ファイル
hanrei-pdf-15269.txt

判決文本文2,642 文字)

主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴人(1) 原判決を取り消す。 (2) 被控訴人が平成13年12月7日付けで行った事務連絡「会派等略称について(通知)」に係る決定処分を取り消す。 (3) 被控訴人が平成13年12月7日付けで行った事務連絡「会派等略称について(通知)」に係る決定処分の効力が無効であることを確認する。 2 被控訴人控訴棄却第2 事案の概要 1 本件は,東京都議会(都議会)議員であり,「行革110番」との会派結成届を出した控訴人が,都議会運営委員会理事会が平成13年12月17日に会派等の表記について申し合わせ(本件申し合わせ)をし,同日,議会局管理部総務課長が控訴人の会派の名称を「無(行)」あるいは「無(行革110番)」などと略称する旨の通知をした(本件通知)ことについて,本件通知は,対外的に控訴人所属会派の名称を変更する行政処分であるとしたうえ,その処分によって控訴人は一方的に無所属とみなされ,会派議員としての利益を害されたなどとして,その処分の取消しあるいは無効確認を求めた事案である。 原判決は,本件通知は,本件申し合わせを受けて印刷物等に使用する各会派等の名称をどのように表記することになったかを関係者に通知したものであるところ,本件申し合わせは,単に会派の名称の表記に関する取扱いを定めるという事実上の取り決めにすぎず,これらは控訴人に権利義務の変動を与える効果を生じさせるものではないとして,控訴人の訴えを却下したため,これに対し,控訴人が不服を申し立てたものである。 2 以上のほかの事案の概要は,次のとおり付加するほか,原判決の事実及び理由欄第2記載(2頁以下)のとおりであるから,これを引用する。 (控訴人の当審における主張 訴人が不服を申し立てたものである。 2 以上のほかの事案の概要は,次のとおり付加するほか,原判決の事実及び理由欄第2記載(2頁以下)のとおりであるから,これを引用する。 (控訴人の当審における主張)(1) 原判決は,都議会運営委員会理事会における本件申し合わせは,事実上の取決めにすぎないとしている。 しかし,地方自治法109条の2の3項各号では,議会運営委員会の行いうる活動範囲を決めており,これに基づいて議会運営委員会及び同理事会が活動をなし得るものである。このように,同委員会及び理事会の活動が同条に基づくものである以上,本件申し合わせが事実上なされたものであるとはいえないから,原判決のこの点に関する判断は失当である。 (2) 原判決は,都議会運営委員会理事会における本件申し合わせや,それに基づく本件通知はいずれも控訴人に権利義務の変更を与える効果を生じさせるものとは認められないと判断した。 しかし,本件申し合わせ及び本件通知によって,会派名を使用した都議会における活動が被控訴人の主張するいわゆる「会派」に属する議員と比較して一部制限される結果となっており,控訴人の都議会での権利に変更があったというべきである。すなわち,控訴人が結成した会派によって都政を中心とした活動を行うに当たっては,都議会議員個人の名称もさることながら,会派の名称を用いて活動することがほとんどであり,会派を結成することが認められた以上は,会派名を公示した上での活動が保障されると考えるのが表現の自由の趣旨及び地方自治の趣旨に合致する。 とすれば一方的に都議会における会派の表記方法を変更する本件申し合わせ及び本件通知は,控訴人に権利義務の変更を与える効果を生じさせるものであり,行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に該当する。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判 の表記方法を変更する本件申し合わせ及び本件通知は,控訴人に権利義務の変更を与える効果を生じさせるものであり,行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に該当する。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,本件通知は行政処分に当たらず,本件訴えは不適法で却下を免れないものと判断する。その理由は,次のとおり付加するほか,原判決の理由記載のとおりであるからこれを引用する。 (1) 証拠(甲1)及び弁論の全趣旨によれば,本件申し合わせがなされた経緯は,本来,「会派」とは,議会内に結成された複数の議員の集合体を意味するため,いずれの会派にも属さないで会派の名称を名乗る議員については,都議会内部における取扱いとして,その名称とは別に「無所属」(略称の場合は「無」)と表記し,いずれの会派にも属さないことを表記上明確にすることにしたものであること,そして,本件通知は,このような表記方法を関係機関に通知したものであることが認められる。 そうすると,本件申し合わせ及び本件通知は,名称と実態とを合致させようとするものにすぎず,対外的にも,都議会の内部においても,当該議員がみずから名乗る名称を制限したり,禁止するものではないし,これによって当該議員が政務調査費の交付その他において,他の議員と比較して何らかの不利益を受けるものとも認め難い。この理は,本件申し合わせが議会運営委員会という地方自治法に基づく議決機関の理事会で決議されたからといって変わるものではない。 (2) したがって,本件申し合わせ及び本件通知が控訴人の権利義務に変動を与える効果を生じさせるものとは認められないから,本件通知に係る決定は行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」には該当しないというべきである。 控訴人は,本件申し合わせ及び本件通知によって,会派名を使 ないから,本件通知に係る決定は行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」には該当しないというべきである。 控訴人は,本件申し合わせ及び本件通知によって,会派名を使用した都議会における活動が制限される結果となっている旨主張するが,議員としての活動の上で,具体的にどのような制限や支障が生じているのかについての主張,立証はないから,その主張は採用し難い。 2 結論したがって,控訴人の訴えを却下した原判決は相当で,本件控訴は理由がない。 よって,主文のとおり判決する。 (口頭弁論終結の日平成14年10月1日)東京高等裁判所第19民事部裁判長裁判官淺生重機裁判官及川憲夫裁判官原敏雄

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る