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主文 本件抗告を棄却する。抗告費用は抗告人の負担とする。理由 抗告人は「原審判決を取消す。相手方の不服申立を却下する。」との裁判を求めた。抗告理由は別紙のとおりである。<要旨第一>よつて考えるに、女が甲男と婚姻をした後、これと別居し、乙男と事実上同棲中生れた子丙は、甲乙を被告</要旨第一>とし、そのいずれかの死亡後は生存者を被告とし、、そのいずれもが死亡した後は検事を被告とし、甲、乙いずれを父とするかを確定する人事訴訟を提起することができる(昭和一一年七月二八日大審院判決、同民事判例集一五巻一五三九頁参照)。これは民法第七七三条人事訴訟法第三〇条第三二条第四項第二条第三項を類推してかように解すべきものである。いま、本件について見るに、相手方Aの母BがC(昭和一八年四月一四日死亡)と婚姻をした後、昭和六年三月事実上の離婚をなし、昭和八年二月Dと事実上の婚姻をなし、同人と同棲中昭和九年九月二一日相手方Aが出生したのであつて、Aは前記人事訴訟を提起する前提として、家事審判法第二三条第二項第一七条第一八条第一項により、大阪家庭裁判所に家事調停の申立をしたのが、同裁判所昭和三〇年(家イ)第一八九号親子関係存在確認調停事件であることは、同事件の記録により明白である。この場合、Cはすでに死亡しているから、当時の生存者D(その後、同人も昭和三〇年八月八日死亡)を相手方として、右調停の申立をしたのは、もとよ<要旨第二>り正当であつて、右家事審判によつて、AはDの子であることが確認された。而して右審判が確定</要旨第二>すれば、確定判決と同一の効力を有し、かつ該審判は人事訴訟手続法第三二条第一八条第一項の類推により第三者に対しても効力があり、また同一人に二人の父の存在はあり得ないから、右審 審判が確定</要旨第二>すれば、確定判決と同一の効力を有し、かつ該審判は人事訴訟手続法第三二条第一八条第一項の類推により第三者に対しても効力があり、また同一人に二人の父の存在はあり得ないから、右審判は同時にその反面において、AはCの子でないことをも確認するものというべきである。 訴訟手続法第三二条第一八条第一項の類推により第三者に対しても効力があり、また同一人に二人の父の存在はあり得ないから、右審 審判が確定</要旨第二>すれば、確定判決と同一の効力を有し、かつ該審判は人事訴訟手続法第三二条第一八条第一項の類推により第三者に対しても効力があり、また同一人に二人の父の存在はあり得ないから、右審判は同時にその反面において、AはCの子でないことをも確認するものというべきである。さらに、右審判の確定により、相手方は戸籍法第一一三条により大阪家庭裁判所に戸籍訂正許可の申請をしたのが、同裁判所昭和三〇年(家)第三四五三号戸籍訂正許可申立事件であることは、同事件の記録により明白であつて、該事件において、同裁判所が申請通り戸籍の訂正を許可する旨の審判をしたのは、何等の違法がないものと言わなければならない。しかのみならず、市(区)町村長は戸籍の届出があつたときは、届書の記載が戸籍法第一一一条第一一〇条の法定要件を具備するかどうか、添付された許可の審判書の謄本の記載と届出事項が一致するか等、いわゆる形式的審査権を有するに止まり、審判に示された事実上法律上の判断を調査検討し、その審判の当否を判断し、これを不当として、届出を不受理にする権限、いわゆる実質的審査権のないことは、当裁判所の判例とするところである(大阪高等裁判所昭和二九年(ラ)第一〇四号同三〇年一月二九日第三民事部決定、高等裁判所判例集第八巻第一号五三頁参照)。よつて抗告人が相手方の戸籍訂正申請を不受理処分としたのはいずれの点より考えても違法であり、本件抗告は理由がないから原審判を相当と認め、民事訴訟法第四一四条第三八四条第八九条により主文のとおり決定する。(裁判長判事田中正雄判事神戸敬太郎判事平峯隆) 神戸敬太郎判事 平峯隆
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