昭和24(オ)132 家屋明渡請求

裁判年月日・裁判所
昭和25年5月2日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人等の負担とする。          理    由  上告代理人浦野光義の上告理由は、末尾に添えた別紙記載の通りである。  (一)

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判決文本文3,529 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人等の負担とする。 理由 上告代理人浦野光義の上告理由は、末尾に添えた別紙記載の通りである。 (一)本件家屋明渡訴訟は、第一審においては原告の請求が棄却され、第二審において原告の控訴が容れられて家屋の明渡を命ずる趣旨に判決が変更された事件であるが、原告(被上告人)Bがその住宅から疎開するに当り訴外Dに留守居の趣旨でその家屋に住居することを認め、Dは原告の許可を得て被告(上告人)A1を同居させ、その後被告(上告人)A2が原告に無断で同居したこと、およびDがその家屋から他へ移転したのち両被告はあとに残つて原告からの家屋明渡請求に応じなかつたことについては、両審とも認定を同じくし、たゞその後原告の代理人として家屋明渡請求に来た同人妻Eと被告との間に新たにその家屋の賃貸借が成立したかどうかにつき、第一審は然りとし第二審は然らずとしたために、判決の結論が逆転したのである。そこで論旨はこの第二審の判定を争うのであるか、結局原審のした証拠の取捨判断と事実認定とを非難するに過ぎないものである。 (二)論旨第一点は、原審が証人Dの第一、二回の証言により同人と被上告人との間の家屋使用契約の合意終了の事実を認定したのは「理由に齟齬あり」と主張する。しかしながら、原判決は先ず右証言により、Dが二一年五月ごろ他に家を見つけて本件家屋から退去した事実および同人がその後被上告人の要求によりしばしば上告人に本件家屋の明渡を勧告した事実を認定し、さらにこれらの事実に基き、Dと被上告人との間の本件家屋の使用契約は右退去当時合意によつて終了したものと認めたのであつて、それら認定には何ら違法のかどもなく、Dが退去後上告人に対して明渡を勧告したところから見ても、同人の退去は使用契約 人との間の本件家屋の使用契約は右退去当時合意によつて終了したものと認めたのであつて、それら認定には何ら違法のかどもなく、Dが退去後上告人に対して明渡を勧告したところから見ても、同人の退去は使用契約関係をそのまゝにし- 1 -て置いて一時的にそこを出たというような関係ではなく、明示的な解約の合意こそ認められないか、退去の際被上告人との黙示の合意によつて契約関係を終了させたものと認める、という原判決の趣旨であることは、判文上容易に理解されるのであつて、その判断は正当であり、何ら理由に齟齬あるものではなく、論旨は理由がない。 (三)論旨第一点はさらに、原判決が乙一号証に関する証人Fの証言が信用せらるべきものか否かについての判断を示さなかつたのは、審理不尽および重要な証拠の判断遺脱である、と主張する。しかしながら、一件記録によると、FはDを妾としていた関係上Dの義兄なる上告人A1と親しい間からであり、他方被上告人とも知合であつたので、Dが本件家屋の留守番にはいつた当初から同人らの右家屋の使用関係については密接な交渉のあつた者で、被上告人と上告人との間に明渡の紛争が生じたのちも、その解決に種々斡旋した事実がうかゞわれる。ところで右Fの証言によれば、同人は二元年四月Dが退去したのち、被上告人から上告人をも退去させるよう請求を受けたので、その旨を上告人に申し入れたけれども、上告人は容易に応じなかつたので、被上告人に懇請した結果、Fが二一年一二月末まで右家屋を借り受けた形とし、それまでの間上告人の退去を猶予しでもらい、その代り同月限りFの責任において上告人を退去させることを約束した関係上、Fはその後数回にわたり一ケ月一五〇円の家賃を被上告人に支払つたが、その中二一年五月六月七月の三ヶ月分合計四五〇円を後日上告人から支払を受けた証拠として、上告人に 人を退去させることを約束した関係上、Fはその後数回にわたり一ケ月一五〇円の家賃を被上告人に支払つたが、その中二一年五月六月七月の三ヶ月分合計四五〇円を後日上告人から支払を受けた証拠として、上告人に差し入れたのが乙一号証である。というのであつて、論旨も指摘するように、右証言は必ずしも乙一号証の文言と適切に合致するものではなく、右乙一号証は、被上告人上告人間に賃貸借が存在したという一応の証拠となし得そうな形式のものであるか、原審がこれを右賃貸借存在の認定資料としなかつたのは、Fがその証言中に右乙一号証に関連して、「A1トBトハ直接ニ関係ハアリマセヌ」「Bヵラ家賃ヲ取立テ- 2 -ル事等タノマレテハ居リマセヌ」「Bハ終始……A1ニ貸ス意思ガ無カツタ」「金ノ受取リハ明ラカニシテ置カナケレバイケナイト云フ意味デ乙一号証ヲ出シタノデBノ方ヨリA1ニ対シ百五十円トシ貸スト云フ依頼ハ受ケテ居リマセヌ」等と言つているためと思われるのであつて、右乙第一号証についての判断を遺脱したものとは言えず、またその判断が実験則に反するとも考えられず、その説明がいさゝか不充分とは思われるが、論旨は結局理由なきに帰する。 (四)論旨第一点中右(二)(三)に取扱つた以外の部分は、すべて単に原審の証拠の取捨判断および事実の認定を攻撃するに過ぎないものであつて、しかもそれら原審のした証拠の取捨判断および事実の認定には実験則違背その他法令違反のかども認められないから、これら諸点の論旨はいずれも理由がない。 (五)論旨第二点は、「原審判決は明渡を求めるにつき正当な理由の存在するや否やに付き全然判断していない」と非難する。しかしながち、原審は、判文上明かなように被上告人と上告人との間には本件家屋について賃貸借が成立したものではなく、上告人は被上告人と訴外Dとの間の使用契約に基き に付き全然判断していない」と非難する。しかしながち、原審は、判文上明かなように被上告人と上告人との間には本件家屋について賃貸借が成立したものではなく、上告人は被上告人と訴外Dとの間の使用契約に基き右Dと同居して本件家屋を占有することを許されていたに過ぎず、しかも被上告人とDとの右使用貸借関係が合意により終了したのちは、上告人の占有は何らの権限なき不法のものとなつた事実、およびその後においても被上告人と上告人との間には賃貸借その他上告人の占有を正当ならしめる契約関係が成立するに至らなかつた事実を証拠により適法に認定したのである。然らば被上告人は上告人に対し本件家屋の明渡を求め得べきこともちろんであるから、原審が右以外に明渡を求めるにつき正当の事由の存在などを全く問題にしなかつたのは当然である。論旨は、原審か適法に認定した事実に即応せず、被上告人と上告人との間に賃貸借関係が存在すること、従つて借家法第一条の二の適用があることを前提とする議論であつて、採用の限りでない。 (六)論旨第三点は、「原審か控訴人のみを訊問して為した判決は権限の濫用で- 3 -ある」と非難する。なるほど記録によれば、原審二四年二月一二日の口頭弁論期日において、当事者双方から控訴の趣旨の陳述、これに対する答弁、事実上の主張および証拠の提出認否がなされたのち、裁判所が職権を以て弁論を続行しかつ次回に職権を以て控訴(被上告)本人を訊問する旨を決定し、次回期日に右本人の訊問を為した上弁論を終結した事実を認め得るけれども、「双方代理人共新主張新証拠全然なき旨陳述」し、双方代理人共に結審を求めたのに、「双方代理人の意思に反して」控訴本人訊問を決定した事実は認め得ない。のみならず「裁判所ガ証拠調ニ依リテ心証ヲ得ルコト能ハザルトキハ……職権ヲ以テ当事者本人ヲ訊問スルコトヲ得」( 結審を求めたのに、「双方代理人の意思に反して」控訴本人訊問を決定した事実は認め得ない。のみならず「裁判所ガ証拠調ニ依リテ心証ヲ得ルコト能ハザルトキハ……職権ヲ以テ当事者本人ヲ訊問スルコトヲ得」(民訴第三三六条)るし、この場合当事者とは、当事者双方とは限らず、その一方でもさしつかえなく、そのいずれを訊問するかしないかは、一切裁判所の裁量にまかされていること言うまでもないから、原審の右の措置を以て違法とすることはできない。いわんや、原審がことさら控訴本人だけを職権によつて訊問し、一方的に控訴人の利益に第一審判決を変更したというような口ぶりは、論旨の独断に過ぎず、到底採用し得ない。 よつて、民事訴訟法第四〇一条第九五条第八九条により主文のとおり判決する。 以上は当小法廷裁判官全員一致の意見である。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官島保裁判官穂積重遠裁判官河村又介は差支につき署名押印することができない裁判官長谷川太一郎- 4 -

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