昭和23(れ)1312 窃盗、賍物故買

裁判年月日・裁判所
昭和24年2月24日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 広島高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件各上告を棄却する。          理    由  弁護人柏原語六上告趣意第一点について。  記録を精査するに、原審公判調書の第三六二丁と第三六三丁(同調書最終の一葉)

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判決文本文2,430 文字)

主文本件各上告を棄却する。 理由弁護人柏原語六上告趣意第一点について。 記録を精査するに、原審公判調書の第三六二丁と第三六三丁(同調書最終の一葉)との間に書類作成者である裁判所書記の契印なく、従つて右調書はその点において、旧刑訴第七一条第二項所定の方式に違反しているものであることは所論の通りである。しかし右刑訴の規定は、公文書の公正を期するための訓示規定に過ぎないのであるから、たとい、その一部に同条項所定の契印が欠如しているとしても、その形式及び内容に照らし正当に連絡がありその間に落丁又は後日の剥脱等のないことが認められるときは、契印遺脱の一事を以て直ちに該文書を無効となすべきではない。 しかるところ、所論の公判調書には、その冒頭に公判立会書記がAである旨の記載があり、その第一葉から第三六二丁まで毎葉Aと表示した契印があり、第三六三丁の末尾には裁判所書記Aの署名捺印がある。そして右契印と末尾署名下の捺印とは同一の印影であつて、且該調書は終始同一筆跡で記載されているものと認められるのであるからその第一葉から第三六二丁までの部分もまた第三六三丁もともに立会書記Aの作成に係るものであることが確認されるのである。しかも第三六二丁裏面の空白にはその全面に斜線が引かれてあり、これに他の個所の印影と同一と認められるAの認印が押捺されてあつて、これにより同丁表面の末尾から直接次丁冒頭に連絡するものたることが表示されているのである。そしてその記載内容によれば第三六二丁表面末尾には裁判長が事実及証拠調の終了したことを告げた旨、又次丁第三六三丁の冒頭には、検事が事実及び法律の適用につき意見を陳述した旨、それぞれ記載があり、これを連絡通読すれば通例の公判手続進展の順序によく符合し、その間何等落丁又は後日の剥脱等 告げた旨、又次丁第三六三丁の冒頭には、検事が事実及び法律の適用につき意見を陳述した旨、それぞれ記載があり、これを連絡通読すれば通例の公判手続進展の順序によく符合し、その間何等落丁又は後日の剥脱等のあつた形跡は認められないのである。従つて右公- 1 -判調書は所論契印の欠如あるにも拘わらず完全一体をなすものというべきであり直ちにこれを無効とすべきいわれはない。而して該公判調書によれば原審公判手続に違法のかどありとは認め得ないのであるから、原審が右公判における被告人等の供述を事実認定の資料に供したとしても原判決に所論のような違法があるとはいい得ない。論旨は理由なきものである。 同第二点について。 所論原判決判示第五の犯行に関する事実認定はその挙示する証拠に照らしこれを肯認するに難くないのである。 尤も原判決認定の犯行場所と、原審援用の証拠中被告人Bに対する検察事務取扱副検事の聴取書における同被告人供述の犯行場所とが一致しないことは、論旨の指摘する通りである。しかし、原審が右判示事実を認定したのは、該副検事の聴取書における被告人Bの供述記載の外同被告人の原審公判廷における知情の点を除く判示同趣旨の供述並びに原審相被告人C及び被告人Dに対する昭和二三年三月一日付各検察事務取扱副検事の聴取書中における供述記載をも綜合認定の資料としているのであつて、これら後段列記の証拠内容と前段掲記の所論副検事の聴取書内容とを対比するにその時日売買物件及び当事者等の関係に鑑み、いずれも同一犯行に関する供述記載たることを認めるに何等の妨げもないのである。そして本件犯行の場所に関しては、原審は所論副検事の聴取書中の供述記載を捨て、同被告人の原審公判廷における判示同旨の供述を採用して判示の如く認定をなしたものゝ如くである。 かくの如く同一事実に関するものと認め 行の場所に関しては、原審は所論副検事の聴取書中の供述記載を捨て、同被告人の原審公判廷における判示同旨の供述を採用して判示の如く認定をなしたものゝ如くである。 かくの如く同一事実に関するものと認め得られる数多の証拠を綜合認定の資料とする場合、その一部において相互に牴触する点があるとしても、論理の法則又は実験則に反しない限り自由心証により、その一を捨て他を採用することはもとより妨げないところである。そして刑事被告人がその犯行につき数度尋問せられる場合、その犯行場所に関し時に誤つて別異の供述をなすことは、必ずしも稀有のことでは- 2 -ないのであるからその一を捨て他を採用したからというてこの一事を捉えて実験則に背反するものということはできない。まして本件においては原審は自ら直接尋問した際における被告人Bの供述を採用しているのであるから、正当な自由裁量の結果とみるべき一層強力な理由が存在するのである。論旨は畢竟事実審である原審の裁定権の範囲に属する証拠の取捨事実認定を非難するに帰着し、上告適法の理由とならない。 同第三点について。 しかし、原判決は被告人Bが盗品たるの情を知りながら判示玄米約三斗を買受けたものであるとの事実を認定してゐるのである。この事はその判文に照し明白である。そしてこの事実認定がその証拠に照し肯認し得るに足るものであることは既に論旨第二点に対する説明において判示した通りである。論旨は原審の認定しない事実を前提とし贓物故買罪の成立を否定し以て原判決を非難するか若しくは事実審である原審の裁定権の範囲に属する事実認定を非難するに帰着し採用の限りでない。 よつて旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。 この判決は裁判官全員の一致した意見である。 検察官小畑勇三郎関与昭和二四年二月二四日最高裁判所第一 着し採用の限りでない。 よつて旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。 この判決は裁判官全員の一致した意見である。 検察官小畑勇三郎関与昭和二四年二月二四日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官岩松三郎裁判官沢田竹治郎裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔- 3 -

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