平成10(ネ)3576 特許権に基づく製造販売禁止等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成11年9月30日 大阪高等裁判所
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判決文本文5,359 文字)

平成一〇年(ネ)第三五七六号 特許権に基づく製造販売禁止等請求控訴事件   (原審・大阪地方裁判所平成五年(ワ)第二五四九号の一)   〔当審口頭弁論終結日 平成一一年六月二二日〕 判    決         控訴人(一審被告)      勝山電機株式会社         右代表者代表取締役 【A】         右訴訟代理人弁護士      鷹取重信         同              福田 正         同              草尾光一         同              宮本圭子         被控訴人(一審原告)     株式会社ウチノ         右代表者代表取締役      【B】         右訴訟代理人弁護士      松本 司         右補佐人弁理士        【C】 主    文  一 本件控訴を棄却する。     二 控訴費用は控訴人の負担とする。              事実及び理由 第一 当事者の求めた裁判  一 控訴人   1 原判決を取り消す。   2 被控訴人の請求をいずれも棄却する。   3 訴訟費用は、第一、二審を通じ、被控訴人の負担とする。  二 被控訴人    主文と同旨 第二 事案の概要    本件事案の概要、争点、争点に関する当事者の主張は、次に付加・訂正する ほか、原判決「事実及び理由」欄の「第二 事案の概要」及び「第三 争点に関す る当事者の主張」に記載するとおりであるから、これを引用する。    ただし、原判決八頁三行目の「である」を「であり、イ号物件は一素子のト ランジスターにコンデンサーを直列接続したものである」と、同九頁四行 事者の主張」に記載するとおりであるから、これを引用する。    ただし、原判決八頁三行目の「である」を「であり、イ号物件は一素子のト ランジスターにコンデンサーを直列接続したものである」と、同九頁四行目の「で ある」を「であり、イ号物件は各トランジスターユニットにコンデンサーを直列接 続したものである」とそれぞれ改める。 第三 当裁判所の判断  一 当裁判所も、被控訴人の本件各請求には理由があり、その請求はいずれも認 容されるべきものと判断する。控訴人の当審における主張にかんがみ検討しても、 右判断は左右されない。    その理由は、以下に付加・訂正するほか、原判決「事実及び理由」欄の「第 四 争点に対する当裁判所の判断」に説示するとおりであるから、これを引用す る。  二 原判決の補正等   1 原判決七八頁一行目の「する」の次に「と」を加える。   2 同八五頁六行目の「トランジスター」の次に「(それ自体独立したトラン ジスターとしての機能(特性)を有し、一つの物品として認識することが可能な部 品としてのそれ)」を加える。   3 同八九頁二行目の「需要者が」から同頁四行目の「部品」までを次のとお り改める。    「それ自体独立したトランジスターとしての機能(特性)を有し、需要者 が、それを回路構成要素の一つの独立した単位と認識し、その特性に着目して購入 (準備)・保管し、接続・組立て等の取扱いをすることができる(したがって、所 要の端子(少なくとも三端子)を通じて外部からの電気接続が可能であることが必 要となろう。)通常の意味での部品」   4 同九〇頁五行目の「独立」の前に「前記のような意味での」を、同九二頁 三行目の「接続すること」の次に「(構成要件(イ)ⅱ)」を、同頁四行目の「特徴 である」の次に「ところ、控訴人の右主張は、この」をそれぞれ加える。   5 同 の前に「前記のような意味での」を、同九二頁 三行目の「接続すること」の次に「(構成要件(イ)ⅱ)」を、同頁四行目の「特徴 である」の次に「ところ、控訴人の右主張は、この」をそれぞれ加える。   5 同九四頁一行目の「記載されている」から同頁六行目の「されてい る)。」までを次のとおり改める。    「記載されており、その意味が、部品等を機能体としてみた場合の単位表現 という意味なのか、機能体としての回路を構成する要素につき一つの単位として取 り扱われる範囲を示すものなのかは必ずしも明らかではないが、仮に後者であると しても、その単位は物理的形状や機能的単一性を離れて自由にとらえ得るものとは 考えられず、それ自体一素子と認められる部品を複数結合した全体を『素子』とい うことはできないから、『素子』とは、一般的には、回路の構成要素の単位となる 部品をその機能面に着目して把握するときの呼称と認めるのが相当と考えられる (『素子』の意味につき、『一定の電気特性を持ち、かつ回路を作るために他の素 子と接続する端子を持つ電機部品』とする説明もある〔マグローヒル科学技術用語 大辞典第2版等〕ことは、当裁判所に顕著である。)。なお、トランジスター等複 数の本来的回路素子からなる集積回路も、回路要素として機能しているときは『素 子』と呼ばれるが、それは、集積技術の向上の結果、本来的回路素子が一枚の基盤 上又は基盤内で分離できない形で結線され、それらが一個の部品、一つの単位とし て取り扱われるようになったためであって、このような状態にまで至らない素子の 結合・ユニットをもって『素子』ということはできない。」   6 同九四頁六行目の「たとえば、」から同九五頁三行目末尾までを削り、同 頁四行目から同九六頁一行目までを次のとおり改める。    「そうすると、前記のとおり、本件発明において、『トラン きない。」   6 同九四頁六行目の「たとえば、」から同九五頁三行目末尾までを削り、同 頁四行目から同九六頁一行目までを次のとおり改める。    「そうすると、前記のとおり、本件発明において、『トランジスター』と は、それ自体独立したトランジスターとしての機能(特性)を有し、一つの物品 (回路構成単位)として認識することが可能な部品を意味するものと解するのが相 当であって、『素子として』とは、これを機能面に着目して把握・表現したものと 解される。外形形状、寸法、パッケージ手段、端子の形状・配置、独立部品か複合 部品かといったトランジスターの『形態』につき、いかなる『形態』をとるかが本 件発明の本質に関係しないことは控訴人主張のとおりであるとしても、それは、あ くまでも部品として一個の金物であることを前提とするものである。これに対し て、控訴人のいう、トランジスターを独立して使用するか、並列接続して使用する かは、トランジスターの『使用形態』の問題であって、トランジスターの『形態』 そのものとは異なる。」   7 同九八頁二行目末尾の「『」から同頁三行目の「該当するか」までを 「『それ自体独立したトランジスターとしての機能(特性)を有し、一つの物品 (回路構成単位)として認識することが可能な独立した金物(ハードウェア)とし ての部品』であるトランジスターを二個直列に接続したものといえるか」と改め る。   8 同九九頁四行目の「での」の次に「内部配線」を加え、同行の「であ る。」の次に「確かに、右各トランジスターユニットの内部には、トランジスタ ー、ダイオード、抵抗等の機能を有する内部配線が認められるが、それらは、樹脂 モールドを通して他の部品と接続するための端子を有するものではなく、通常トラ ンジスターの有するベース、エミッタ、コレクタの三端子は、各ユニットごとに一 つずつ る内部配線が認められるが、それらは、樹脂 モールドを通して他の部品と接続するための端子を有するものではなく、通常トラ ンジスターの有するベース、エミッタ、コレクタの三端子は、各ユニットごとに一 つずつ設けられているにすぎない。トランジスターの性能(特性)も、各ユニット ごとに計測され、需要者に紹介されるものである。」を加える。   9 同九九頁五行目の「そもそも」から同一〇〇頁四行目末尾までを次のとお り改める。    「そもそも富士モジュールをはじめとする富士パワートランジスタモジュー ルは、富士電機株式会社が種々の応用分野を想定し、複数のトランジスターを内蔵 して必要な入出力端子を設けた汎用性のある部品(複合部品)として設計し、樹脂 モールドした完成製品として販売しているものである。需要者においては、カタロ グ(甲一五)の中から、端子構成から把握される各トランジスター素子ごとの特性 に着目し、それを一つのスイッチング機能を有する部品として選択するものであっ て、右の構造以上にその内部構造を考慮する必要はなく、各ユニット(トランジス ター素子)及びモジュールそれ自体の流せる電流の大きさ、スイッチング時間等の 性能を目安に、自己の製品・回路に採用するかどうかを検討すれば足りるのであ り、その内部回路を変更するようなことは予定されておらず、内部構造の一部のみ が破壊された場合も、その内部構造を修理して再使用するようなものではなく、そ の一つのモジュール全体を取り替えてしまうものであるから、各ユニット(トラン ジスター素子)の内部構造であるトランジスター等を更に一つの部品として扱うこ とが予定されていないことは明らかである。したがって、富士モジュールについて も、その端子構成からして二個のトランジスター素子を直列接続した構造のパワー トランジスタモジュールとして販売されており、 こ とが予定されていないことは明らかである。したがって、富士モジュールについて も、その端子構成からして二個のトランジスター素子を直列接続した構造のパワー トランジスタモジュールとして販売されており、前記各ユニットの内部構造である トランジスター等を独立した部品として扱うことは予定されていないものというべ きである。」。   10 同一〇〇頁五行目の「トランジスターユニット」の前に「控訴人の主張す る」を加え、同頁一〇行目の「富士」から同一〇一頁三行目末尾までを「富士モジ ュールの前記内部構造中、二つのダーリントントランジスターを並列接続したトラ ンジスターユニット101aと、同じく二つのダーリントントランジスターを並列接続 したトランジスターユニット102aとは、それぞれがそれ自体独立したトランジスタ ーの機能(性能)を有し、一つの物品(回路構成単位)として認識することが可能 な、独立した金物としての部品であって、それぞれが本件発明にいう『トランジス ター』に当たり、富士モジュールは、」と改める。   11 同一〇二頁一〇行目の「トランジスター」の次に「(小トランジスタ ー)」を加え、同一〇三頁四行目の「をいうから」を「をいい、A物件では、トラ ンジスターユニットを構成する複数の各トランジスター(小トランジスター)が、 この『トランジスター』に当たり、『素子』としてとらえられる(乙二九において も、この小トランジスターが『素子』に当たることは認められている。)から」と 改め、同頁五行目の「である。」の次に「また、A物件の各トランジスターユニッ トは、複数のトランジスター(小トランジスター)を並列接続したものであり、各 トランジスターにそれぞれ直列にコンデンサーが接続されているわけではないか ら、本件発明が不均衡電流及び連鎖的破壊という課題を克服するために採用した構 成要件 ランジスター)を並列接続したものであり、各 トランジスターにそれぞれ直列にコンデンサーが接続されているわけではないか ら、本件発明が不均衡電流及び連鎖的破壊という課題を克服するために採用した構 成要件(ロ)ⅱの要件を充足していない。」を、同頁六行目の「(イ)ⅱ」の次に「及 び(ロ)ⅱ」をそれぞれ加える。   12 同一〇六頁四行目の「特許法」の次に「(平成一〇年法律第五一号による 改正前のもの)」を加え、同頁六行目の「請求するところ」を「請求していたが、 右請求は、現在では特許法一〇二条三項にいう『特許発明の実施に対し受けるべき 金銭の額に相当する金銭』を損害額として賠償請求をするものと解されるとこ ろ、」と改め、同行の「通常」を削る。 第四 結論    以上によれば、被控訴人の本件各請求はいずれも認容すべきものであり、こ れと同旨の原判決は相当であるから、本件控訴は棄却を免れない。    よって、主文のとおり判決する。    大阪高等裁判所第八民事部 裁判長裁判官    鳥越健治 裁判官 小原卓雄 裁判官    川神 裕

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