平成27年11月5日判決言渡同日判決原本領収裁判所書記官平成27年(ワ)第9005号商号使用差止等請求事件口頭弁論終結日平成27年10月22日判決 原告ユーシーシーホールディングス株式会社 同訴訟代理人弁護士岡田春夫同瓜生嘉子 被告株式会社ユー・シー・シー 主文 1 被告は,「株式会社ユー・シー・シー」の商号を使用してはならない。 2 被告は,大阪法務局平成27年1月30日付けをもってなされた被告の設立登記中,「株式会社ユー・シー・シー」との商号の抹消登記手続をせよ。 3 被告は,バイクによる荷物の輸送・配送の役務を提供するに当たり,別紙被告標章目録記載1ないし3の各標章を使用してはならない。 4 訴訟費用は被告の負担とする 5 この判決は,1項,3項及び4項に限り仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求主文同旨第2 当事者の主張 1 請求原因(1) 当事者 ア原告は,コーヒー関連事業等を行うUCCグループを構成する各会社の株式等を保有して当該会社の事業活動の支配,管理業務等を目的とする株式会社である。 イ被告は,一般貨物自動車運送事業等を目的とし,主にバイクによる荷物の輸送・配送を業務とする株式会社である。 (2) 被告による不正競争(不正競争防止法2条1項2号)ア原告の商品等表示の著名性UCCグループを統括し,その社名に「UCC」の名称を含んでいる原告は,昭和8年に創業の上島忠雄商店を前身とし,昭和26年に上島珈琲株式会社として設立 項2号)ア原告の商品等表示の著名性UCCグループを統括し,その社名に「UCC」の名称を含んでいる原告は,昭和8年に創業の上島忠雄商店を前身とし,昭和26年に上島珈琲株式会社として設立されたが,以来,同社の頭文字をとった「UCC」や「ユーシーシー」(以下,「UCC商号」という。)は,UCCグループを表すものとして,UCCグループが国内外で展開している全てのコーヒー関連事業等において,長年にわたり継続して使用されてきた。 とりわけ,UCC商号は,UCCグループにおいて,レギュラーコーヒーを始めとするインスタントコーヒー・缶コーヒー・一杯抽出システムなど,コーヒーに関するフルラインの製品の提供や,上島珈琲店など,国内外の約650の外食店舗によるコーヒーの提供等において使用されてきた。最近では,UCCグループは,昭和62年にUCCコーヒー博物館を設立し,平成19年に教育機関であるUCCコーヒーアカデミーを開校するなど,国内におけるコーヒー文化の創出にも積極的に取り組んできており,その際にもUCC商号を広く使用してきた。なお,UCCグループを構成する62社の平成27年3月期の連結売上高は3348億円である。 このように,長年にわたる継続使用の結果,UCC商号は,UCCグループを表す商品等表示として,日本国内において広く取引者及び一般 消費者に認識されるに至っており,著名なものと言える。 被告商号の使用被告は,平成27年1月30日,「株式会社ユー・シー・シー」(以下,「被告商号」という。)なる商号で,一般貨物自動車運送事業及び貨物軽自動車運送事業等を目的として設立され,その旨の設立登記が大阪法務局同日付けでなされている。 そして,被告商号をインターネット上のウェブサイト(URL:http://www.ucc- 業及び貨物軽自動車運送事業等を目的として設立され,その旨の設立登記が大阪法務局同日付けでなされている。 そして,被告商号をインターネット上のウェブサイト(URL:http://www.ucc-bike.com/)その他において,バイク便(バイクによる荷物の輸送・配達)を業務とする自己の商号として使用している。 UCC商号と被告商号の類似性被告商号は,会社の種類を区別する「株式会社」を除いた「ユー・シー・シー」部分が識別力を有する要部となるが,当該要部「ユー・シー・シー」と,原告のUCC商号は,いずれも称呼が「ユーシーシー」であり,同一である。また,いずれも,特別な観念は生じない。 したがって,被告商号はUCC商号に類似している。 小括被告は,自己の商品等表示(商号)として,原告の商品等表示(UCC商号)と類似する被告商号を登記し,使用しているのであって,かかる行為は,不正競争防止法2条1項2号の不正競争に該当する。 イ被告の不正競争によって原告が営業上の利益を侵害され又は侵害されるおそれがあることUCCグループの中には運送業を行う企業もあることから,被告商号を設立登記に用い,商号として使用する行為は,原告の経営の多角化という現状からして,一般消費者に,被告が,原告と何らかの関係のある会社,あるいは,UCCグループの一員であると誤信させ,混同を生じさせるお それがある。 また,それと同時に,原告が長年にわたって形成してきた「UCC」ブランドの信用力に便乗することになり,さらにはその信用力を希釈化することにもなり,原告の営業上の利益が侵害され又は侵害されるおそれのあることは明らかである。 (3) 被告による商標権侵害ア原告の商標権原告は,以下の商標権(以下,「本件商標権」といい,本件商標権 り,原告の営業上の利益が侵害され又は侵害されるおそれのあることは明らかである。 (3) 被告による商標権侵害ア原告の商標権原告は,以下の商標権(以下,「本件商標権」といい,本件商標権にかかる商標を「本件商標」という。)を有する。 登録番号第3003950号出願日平成4年9月22日登録日平成6年9月30日商品の区分第39類指定役務車両による輸送等登録商標 UCC(ロゴ)イ被告の商標権侵害行為被告は,インターネット上のウェブサイト(URL:http://www.ucc-bike.com/)等において,「ユー・シー・シー」(別紙被告標章目録記載1,以下「被告標章1」という。),「UCC」(別紙被告標章目録記載2,以下「被告標章2」という。),又は,「UCC」(赤色ロゴ)(別紙被告標章目録記載3,以下「被告標章3」という。)(以下,総称して「被告標章」ともいう)を,いずれもバイク便(バイクによる荷物の輸送・配達)の役務について,使用している。 ウ被告標章と本件商標が類似し,役務が同一又は類似であること被告標章は,いずれも本件商標と称呼が同一であり,特別な観念が生じない点も共通する。したがって,被告標章1ないし3は,いずれも本件商 標と類似している。また,被告の役務であるバイク便(バイクによる荷物の輸送・配達)は,本件商標の第39類の指定役務「車両による輸送等」に該当し,又は,類似している。したがって,被告の役務は,本件商標の指定役務と同一又は類似である。 エ小括被告が,被告標章を上記ウェブサイト上等で使用する行為は,本件商標に係る指定役務と同一又は類似する役務につき,本件商標と類似する商標を使用するものであるから,商標法 又は類似である。 エ小括被告が,被告標章を上記ウェブサイト上等で使用する行為は,本件商標に係る指定役務と同一又は類似する役務につき,本件商標と類似する商標を使用するものであるから,商標法37条1号に該当し,本件商標権を侵害する。 (4) よって,原告は被告に対し,ア不正競争防止法3条1項及び2項に基づき,被告商号「株式会社ユー・シー・シー」の使用を停止し,且つ,被告商号登記の抹消登記手続をすることイ商標法36条1項に基づき,バイク便の役務を提供するに当たり,被告標章1ないし3の使用を停止することを求める。 第3 当裁判所の判断 1 被告は,適式な呼び出しを受けながら,口頭弁論期日に出頭せず,何ら準備書面を提出しないから,請求原因(1),(2)ア(ア),(イ),(2)イ,(3)ア,イの各事実を自白したものとみなす。 2 請求原因(2)ア(ウ)について被告商号「株式会社ユー・シー・シー」は,会社の種類を区別する「株式会社」を除いた「ユー・シー・シー」部分が識別力を有する要部となるが,当該要部「ユー・シー・シー」と,原告のUCC商号は,いずれも称呼が「ユーシーシー」であり,同一である。また,いずれも,特別な観念は生じない。したがって,被告商号「株式会社ユー・シー・シー」と原告のUCC商号とは,類 似している。 3 同(3)ウについて被告標章は,いずれも本件商標と称呼が同一であり,特別な観念が生じない点も共通する。したがって,被告標章1ないし3は,いずれも本件商標と類似している。 また,被告役務であるバイク便(バイクによる荷物の輸送・配達)は,本件商標の第39類の指定役務「車両による輸送等」に該当し,又は,類似しているから,被告の役務は,本件商標の指定役務と同一又は類似である。 4 以上によ バイク便(バイクによる荷物の輸送・配達)は,本件商標の第39類の指定役務「車両による輸送等」に該当し,又は,類似しているから,被告の役務は,本件商標の指定役務と同一又は類似である。 4 以上によれば,原告の被告に対する請求はすべて理由がある。 5 よって,原告の被告に対する請求をすべて認容することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条を,仮執行宣言につき同法259条1項を適用して主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第21民事部 裁判長裁判官森崎英二 裁判官田原美奈子 裁判官大川潤子
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