【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 本件を原裁判所に差し戻す。 理 由 弁護人鶴田常道の被告人Aのための弁論要旨は同弁護人及び鶴田英夫名義の控訴 趣意書、弁
主文 原判決を破棄する。 本件を原裁判所に差し戻す。 理由 弁護人鶴田常道の被告人Aのための弁論要旨は同弁護人及び鶴田英夫名義の控訴趣意書、弁護人井上音次郎の被告人Bのための弁論要旨は同弁護人名義の控訴趣意書各記載事実と同一であるからここに引用する。 鶴田両弁護人の控訴趣意第一点について。 原判決が証拠の標目に判示第一の事実について証人C同D同第二の所為について証人Eの各当公廷における供述を示しており右証人C同Dが昭和二十六年三月二十二日の第三回公判廷において証人Eが同年四月十九日の第四回公判廷において夫々尋問せられおること、同年五月二十五日の第五回公判期日において裁判官がかわつて公判手続を更新しその裁判所で判決していること寔に所論の通りである。而して前記各証人が右更新後の裁判所において直接尋問せられた形跡は更にない。従つて更新前の右各証人の供述を証拠に供するためにはこれを記載してある右公判調書の証拠を必要とし証人の供述自体として直に証拠とはなし得ないことは当然である。 論旨は理由がある。 その第二点について。 原判決は判示第一の事実の証拠としてFの司法警察員に対する供述調書を示している。右供述調書については原審第二回公判期日において被告人Aの弁護人が証拠とすることに同意しなかつたので検察官は第四回公判期日においてこれを刑事訴訟法第三百二十一条第一項第三号の書面として証拠調を請求し右Fの所在不明の立証として司法警察員Gの「証人等所在捜査について」(昭和二十六年三月二十三日作成日附)と題する書面の取調を求め弁護人においても右各書面の取調について異議のなかつたことは記録によつて<要旨>明らかである。然し右「証人等所在捜査について」の書面をみるとFは本年(昭和二十六年)一月二十</要旨 る書面の取調を求め弁護人においても右各書面の取調について異議のなかつたことは記録によつて<要旨>明らかである。然し右「証人等所在捜査について」の書面をみるとFは本年(昭和二十六年)一月二十</要旨>四日福岡市a町bに転出した旨の記載があり右記載によつては直ちにFの所在が不明とは断じ切れずその他にその所在不明を裏づける資料は更にない。してみればFの右供述調書は検察官主張の右法規に基く証拠能力ありとは言えない。また弁護人においてその取調に異議がない旨の陳述はこれを証拠とすることに同意するの意思表示とは解すべきではない。従つて原判決がこれを証拠に採用して事実認定の資料に供したのは違法で本論旨も理由がある。 井上弁護人の控訴趣意第一点について。 原判決が起訴状記載の強盗傷人の公訴事実について訴因罰条の変更手続を経ることなく傷害の事実を認定していることは所論の通りである。然し元来訴因又は罰条の変更につき一定の手続が要請される所以は裁判所が勝手に訴因又は罰条を異にした事実を認定することに因つて被告人に不利な不意打を加えその防禦権の行使を徒労に終らしめることを防止するに在るからかような虞のない本件事案内容の強盗傷人の起訴に対し傷害の事実を認定する場合には訴因罰条の変更手続を経る必要はない。論旨採用し難い。 鶴田両弁護人指摘の通り原判決は前記二点において違法がありその違法は原判決に影響を及ぼすこと明らかであり、その第一点は共同被告人Bのためにも共通するから両被告人のための各量刑不当の控訴趣意については判断を省略し刑事訴訟法第三百九十七条第四百一条によつて原判決を破棄し同法第四百条本文によつて本件を原裁判所に差し戻す。 仍て主文の通り判決する。 (裁判長判事白石亀判事後藤師郎判事大曲壮次郎) 原判決を破棄し同法第四百条本文によって本件を原裁判所に差し戻す。 仍て主文の通り判決する。 (裁判長判事白石亀 判事後藤師郎 判事大曲壮次郎)
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