【DRY-RUN】主 文 本件各控訴を棄却する。 理 由 本件各控訴の趣意及び検事の控訴の趣意に対する答弁の要旨は、被告人の弁護人 羽山竜及び横浜地方検察庁小田原支部検察官検事
主文本件各控訴を棄却する。 理由本件各控訴の趣意及び検事の控訴の趣意に対する答弁の要旨は、被告人の弁護人羽山竜及び横浜地方検察庁小田原支部検察官検事大沢一郎各作成名義の控赤趣極書並びに被告人の弁護人羽山竜作成名義の答弁書と各題する書面にそれぞれ記載してあるとおりであるが、右各控訴の趣意に対し、当裁判所は、次のとおり判断をする。 弁護人羽山竜の控訴趣意について論旨第一点。 原審が、証拠に採用しているA、Bのアメリカ合衆国軍師団刑事捜査官に対する口供書が、A、C、Bの供述を録取した書面で同人の署名のあることは、原審が、その提出を許可した口供書の謄本及びこれに添付の訳文書によつて明白であつて、その口供書が、その性質上、刑事訴訟法第三百二十一条第一項第三号にいわゆる前二号に掲げる書面以外の書面に該当することは、同項第一号及び第二号との関係において自ずから明らかである。同条第一項第三号によるときは、同号にいわゆる「前二号に掲げる書面以外の書面」でも、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、且つ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないもの<要旨>であるときはこれを証拠とするを得べきところ右にいわゆる「その供述が、犯罪事実の存否の証明に欠くこと</要旨>ができないものであるとき」とあるは、その供述内容にして苟くも犯罪事実の存否に関連ある事実に属するかぎり、その供述が、これが事実の証明につき実質的に必要と認められる場合のことをいうものと解するを相当とするから、原審において右供述者Bを証人として尋問すべく、適式に召喚手続をしたけれども、同人は、重労働三年に処せられ、原審の審判当時米国の軍刑務所に在つて服役中のため ことをいうものと解するを相当とするから、原審において右供述者Bを証人として尋問すべく、適式に召喚手続をしたけれども、同人は、重労働三年に処せられ、原審の審判当時米国の軍刑務所に在つて服役中のため、原審公判期日において供述することのできなかつたことの明らかな本件において、原審が被告人とべリーの共謀にかかる本件強盗の事実の存否に関連する事項として、被告人とべリーとの聞及びその両人と被害者等との間の犯罪当時及びその前後における事の真相を直接明らかならしむる上において実質的に必要な証拠であると認めることの相当であつた右口供書を証拠にしたからといつて、何等非議さるべきいわれはなく、また該口供書が被告人の立会なく、従つてその反対尋問なくして作成されたことや被告人がその作成者の前示刑事捜査官によつて被疑者又は証人として取調べられたことがないからといつてその証拠能力に消長のあるべきかぎりではない。而して口供書の謄本及びその訳文書の各冒頭及び末尾記載の英文によるときは、口供書の作成に当り、合衆国憲法等の定むるところに従い、供述者たるべリーの不名誉となるとか、同人を罪に落すおそれのある陳述はこれをするに及ばない旨、及びその供述したところを軍裁判所やその他の裁判所で同人の不利益な証拠として使用することのない旨をべリーに予告し、且つその供述が調書に録取された後べリーはこれが調書を全員に亘り閲読し、何等の脅迫も加えられることもなく任意これが供述をした旨自認してこれに署名したことが窺われると共に、その供述内容自体において、また、記録の上においても、特にその任意性を疑うべき事由を認め得るに由のないとこであるから、右口供書は、その作成に際し、供述者べリーに黙秘権のあることを告げられなかつた違法があるとか任意性がないとか(而して、当事者において供述調書の任意性を争つ べき事由を認め得るに由のないとこであるから、右口供書は、その作成に際し、供述者べリーに黙秘権のあることを告げられなかつた違法があるとか任意性がないとか(而して、当事者において供述調書の任意性を争つたからといつて、特に任意性あることを立証しなければならないものではないのであるから、口供書の任意性につき特段の立証を要するまでもなく、調査の可能餐あつたことの認められる本件において、原審がこの点について特別の証拠調をしなかつたことを非難する所論は採用できない)、或いは、その供述は、特に信用すべき情況の下にされたものでないとか主張して原審がこれを証拠に採用したことを論難する主張も当らない。 次に、所論は、被告人による本件犯行は、当時終始被告人に加えられたA、Bの脅迫によつて行われたもので原審が証拠に採用した被告人の各供述調書の供述もBの脅迫による畏怖心の結果為されたものであつて、事Bに関係ある事実に関するかぎり真相を語つたものでないから、これら供述調書は任意性なく従つて証拠能力乃至は証拠価値のないものであるという趣旨の主張をしている。然しながら、記録を精査するも、本件犯行がBの脅迫によつて止むなく行われたものと認むべき確証なく、況んや、所論各供述調書の供述が同人の脅迫による畏怖心によつて為されたものであるということは到底認め得るに由のないところでもあるから、所論は採用するに由がない。原判決には採証の法則に違背するものがあるとして展開する論旨はすべてその理由がない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事大塚今比古判事三宅富士郎判事河原徳治) 河原徳治)
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