昭和34(オ)321 抵当権不存在確認請求

裁判年月日・裁判所
昭和37年3月15日 最高裁判所第一小法廷 判決 その他 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。      被上告人の請求を棄却する。      訴訟費用は各審を通じ被上告人の負担とする。          理    由  上告代理人

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判決文本文1,215 文字)

主文 原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。 被上告人の請求を棄却する。 訴訟費用は各審を通じ被上告人の負担とする。 理由 上告代理人米津稜威雄の上告理由第一点について。 原審の確定した事実関係によれば、「被上告人は、昭和二八年四月一三日、上告人の亡夫Dのため被上告人所有の本件不動産について、被上告人主張の債権額五〇〇万円の債務のため抵当権を設定し、翌一四日右抵当権について横浜地方法務局溝口出張所同日受付第七七七号をもつて抵当権設定登記を経由したところ、被上告人は、昭和二八年七月九日Dに右五〇〇万円の元利金全額を返済したので、右債務並びに抵当権は消滅に帰したわけではあるが、被上告人は、その直ぐ翌日である昭和二八年七月一〇日、右と同額の金員を、弁済期を同年一〇月一〇日とするほか前と同じ約定で借受け、前と同じ不動産に抵当権を設定することを約したため、旧債務のためになされていた抵当権設定登記を、そのまま後の債務のために流用することにした」というのであり、いわば、旧抵当権付債務の借替えをしたというだけの事案とみられるのであつて、しかも抵当権も、それを設定する目的不動産も、旧債務の場合と結局同じに帰するものであつたため、手続の煩を省いて、前の設定登記をそのまま後の抵当権のために流用したというに過ぎないのである。 このようないきさつ及び内容をもつ事案にあつては、たとえ不動産物権変動の過程を如実に反映しなくても、登記が現実の状態に吻合するかぎり、それを後の抵当権のために流用したからといつて、第三者に対する関係はしばらく措き、当事者間においては、当事者みずからその無効を主張するにつき正当の利益を有しないもの- 1 -と解するのが相当である。 しかるに原判決が、本件不動産につき、当事者 三者に対する関係はしばらく措き、当事者間においては、当事者みずからその無効を主張するにつき正当の利益を有しないもの- 1 -と解するのが相当である。 しかるに原判決が、本件不動産につき、当事者間において、上告人主張の如き抵当権設定契約の成立した事実及び上告人主張の如き抵当権設定登記流用の合意があつた事実を肯定しながら、かかる合意は法律上無効であるとの主張を前提とする被上告人の本訴請求を認容したのは、結局法令の解釈適用を誤まつたものというべきであり(原判決引用の大審院の判例は、本件と事案を異にし、本件には適切でない)、原判決は、他の上告論旨に対する判断をまつまでもなく破棄を免れない。論旨は理由がある。 そして原判決が確定した前示事実によれば、被上告人の請求はこれを棄却するのが相当であり、当審において裁判をなすに適しているから、民訴四〇八条、三九六条、三八六条、九六条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官高木常七裁判官斎藤悠輔裁判官入江俊郎裁判官下飯坂潤夫- 2 -

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