主文 一原告Aに対し,,,, 被告B被告Cは別紙第1物件目録(1)ないし(6)記載の各土地につき岡山地方法務局倉敷支局平成9年8月6日受付第○○○○○号をもってした各持分2分の1の共有とする所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。 被告Dは,別紙第1物件目録(6)記載の土地につき,岡山地方法務局倉敷支局平成10年5月7日受付第○○○○○号をもってした共有者全員持分全部移転登記の抹消登記手続をせよ。 被告Bは,別紙第2物件目録(1)ないし(5)記載の各土地につき,岡山地方法務局倉敷支局平成10年4月20日受付第○○○○○号をもってした所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。 二原告Eに対し,被告Bは, 別紙第3物件目録(1),(2)記載の各土地につき,岡山地方法務局倉敷支局平成10年4月20日受付第○○○○○号をもってした所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。 金1956万7139円及びこれに対する平成12年10月26日から支払済まで年5分の割合による金員を支払え。 三原告Aの被告F,被告G,被告Hに対する請求並びに原告らの被告Bに対するその余の請求をいずれも棄却する。 四訴訟費用はこれを10分し,その3を原告らの負担とし,その5を被告Bの負担とし,その1を被告Cの負担とし,その1を被告Dの負担とする。 五この判決は,二の2項につき,仮に執行することができる。 事実及び理由 第一請求の趣旨一原告Aに対し,,,, 被告B被告Cは別紙第1物件目録(1)ないし(6)記載の各土地につき岡山地方法務局倉敷支局平成9年8月6日受付第○○○○○号をもってした各持分2分の1の共有とする所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。 被告Dは,別紙第1物件目録(6)記載の土地につき,岡山地方法務局倉敷支局平成10年5月7日受付第 日受付第○○○○○号をもってした各持分2分の1の共有とする所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。 被告Dは,別紙第1物件目録(6)記載の土地につき,岡山地方法務局倉敷支局平成10年5月7日受付第○○○○○号をもってした共有者全員持分全部移転登記の抹消登記手続をせよ。 被告Bは,別紙第2物件目録(1)ないし(5)記載の各土地につき,岡山地方法務局倉敷支局平成10年4月20日受付第○○○○○号をもってした所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。 被告F,被告G,被告Hは,別紙第2物件目録(5)記載の土地につき,岡山地方法務局倉敷支局平成11年11月22日受付第○○○○○号をもってした所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。 被告Bは,別紙動産目録(一)記載の各動産を引き渡せ。 二原告Eに対し,被告Bは, 別紙第3物件目録(1),(2)記載の各土地につき,岡山地方法務局倉敷支局平成10年4月20日受付第○○○○○号をもってした所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。 金2212万5139円及びこれに対する平成12年10月26日から支払済まで年5分の割合による金員を支払え。 別紙動産目録(二)記載の各動産を引き渡せ。 三訴訟費用は被告らの負担とする。 四一の5項並びに二の2及び3項につき,仮執行宣言第二事案の概要一前提事実(当事者間に争いがないか,弁論の全趣旨により明らかな事実) 別紙第1及び第2物件目録記載の各土地は,いずれも,Iが所有していたが,同人は昭和36年5月2日死亡し,その養子である原告Aがその所有権を相続承継した。 別紙第3及び第4物件目録記載の各土地は,いずれも,Jが所有していたが,同人は平成4年5月20日死亡し,その長女である原告Eがその所有権(,「」)。 を相続承継した以下上記各土地につき単 別紙第3及び第4物件目録記載の各土地は,いずれも,Jが所有していたが,同人は平成4年5月20日死亡し,その長女である原告Eがその所有権(,「」)。 を相続承継した以下上記各土地につき単に第1の(1)土地等という原告両名は昭和42年婚姻した夫婦であり,原告Aは「K建設」の屋号,で,重機・ダンプカーを使用して土木請負事業を営んでいた。 第1各土地には,被告B,被告Cを各持分2分の1の共有者とし,平成9年8月6日売買を原因として,岡山地方法務局倉敷支局平成9年8月6日受,(「」)付第○○○○○号をもって所有権移転登記以下本件共有登記というが経由され,そのうち第1の(6)土地には,さらに,平成10年5月7日売買を原因として,同支局平成10年5月7日受付第○○○○○号をもって,,(「」被告Dに対し共有者全員持分全部移転登記以下本件持分全部移転登記という)が経由されている。 第2各土地には,同支局平成10年4月20日受付第○○○○○号をもって,被告Bに対し,平成10年4月20日売買を原因として,所有権移転登記(以下「本件第2土地B移転登記」という)が経由され,そのうち第2の(5)土地には,さらに,平成11年11月22日売買を原因として,同支局平成11年11月22日受付第48219号をもって,Lに対し,所有権移転登記(以下「本件L移転登記」という)が経由されている。 第3各土地には,同支局平成10年4月20日受付第○○○○○号をもって,平成10年4月20日売買を原因として,被告Bに対し,所有権移転登記(以下「本件第3土地B移転登記」という)が経由されている。 Lは,平成12年8月8日死亡し,妻である被告F,子である被告G及び被告Hが同人の権利義務を相続承継した。 二本件請求 原告Aは,所有 下「本件第3土地B移転登記」という)が経由されている。 Lは,平成12年8月8日死亡し,妻である被告F,子である被告G及び被告Hが同人の権利義務を相続承継した。 二本件請求 原告Aは,所有権に基づき,第1各土地につき,被告B,被告Cに対し,本件共有登記の抹消登記手続きを,被告Dに対し,第1の(6)土地につき,本件持分全部移転登記の抹消登記手続きを求め,第2各土地につき,被告Bに対し,本件第2土地B移転登記の抹消登記手続きを,第2の(5)土地につき,被告F,被告G,被告H(以下「被告F等」という)に対し,本件L移転登記の抹消登記手続きを求め,被告Bに対し,寄託終了に基づき,別紙動産目録(一)記載の各動産(以下「本件動産(一)」という)の返還引渡しを求めた。 原告Eは,被告Bに対し,第3,第4各土地の処分及び債務清算の委任終了に基づき,あるいは不当利得返還請求権に基づき,第3各土地につき,本件第3土地B移転登記の抹消登記手続きを求め,別紙清算書修正欄記載の返還債務金2215万5139円及びこれに対する訴状送達日の翌日である平成12年10月26日から支払済まで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払いを求め,所有権に基づき,別紙動産目録(二)記載の各動産(以下「本件動産(二)」という)の引渡しを求めた。 三 争点 第1,第2各土地についての被告らへの本件各登記の登記原因(一)被告ら主張の登記原因(抗弁)(1)被告B,被告C①被告B及び被告Cは,原告両名から,平成9年8月5日,第1ないし第3土地全部を,代金合計2565万円とし,設定されている抵当権の被担保債務は被告両名において引き受け負担する旨の約定で,買い受け,第1各土地については,被告両名の共有名義に,第2土地については被告B名義に所有権移転登記を経由したもの し,設定されている抵当権の被担保債務は被告両名において引き受け負担する旨の約定で,買い受け,第1各土地については,被告両名の共有名義に,第2土地については被告B名義に所有権移転登記を経由したものである。 ②被告両名は,原告両名に対し,上記代金合計2565万円につき,次のとおり支払った。 ⅰ平成9年6月30日500万円ⅱ同年7月4日200万円ⅲ同年7月11日150万円ⅳ同年7月18日500万円ⅴ同年7月21日35万円ⅵ同年7月31日250万円ⅶ同年8月4日130万円ⅷ同年8月5日800万円③被告両名は,本件各土地の所有権を全うするため,次のとおり,本件各土地上の抵当権の被担保債務の弁済をした。 ァ平成9年8月28日(株)M商店に290万円ィ同年9月8日(株)M本店に336万8760円ゥ平成10年1月6日O信用金庫P支店に662万4953円ェ同日Q信用保証協会に476万2276円(2)被告D①被告Dは,原告A代理人Rと被告B及び被告Cから,第1の(2),(3),(6)土地につき,登記名義上は被告両名の共有となっているが,その所有権は原告Aにあると説明され,原告Aから上記各土地を買い受けるが,形式上は,中間省略登記をして,被告両名から買い受ける旨,原告A代理人Rと被告B及び被告Cとの間で合意し,平成9年12月12日,被告B及び被告Cを売主,被告Dを買主とし,売買代金800万円とする売買契約を締結し,手付金100万円を原告代理人Rに支払った。 ②ところが,その後,第1の(2)及び(3)土地につき株式会社Sから処分禁止の仮処分を受けたことから,移転登記手続きの履行がなされないままとなり,平成10年5月になって,上記仮処分がなされていない第1の(6)土地につ 第1の(2)及び(3)土地につき株式会社Sから処分禁止の仮処分を受けたことから,移転登記手続きの履行がなされないままとなり,平成10年5月になって,上記仮処分がなされていない第1の(6)土地についてのみ,原告代理人R及び被告B,被告Cにおいて,本件持分全部移転登記手続きを履行してきたものである。 (3)被告F等①第2の(5)土地の被告Bへの所有権移転(あ)(主位的主張(なお,被告F等訴訟代理人は,後記3の再々抗)弁をもって主位的主張とし,本主張を予備的主張とする旨主張変更をしたが,本抗弁事由を再々抗弁事由の予備的主張とすることには論理的に無理があるから,上記変更がないものとして,主張整理するほかない)。 (1)と同じ(い)(予備的主張1)原告両名は,被告B及び被告Cから,平成9年8月6日,3000万円を借り受け,上記借受債務を被担保債務として,第2各土地につき,抵当権を設定し,抵当権設定仮登記を経た。 原告Aは,同日,上記借受債務の一部弁済として,第2の(5)土地をもって被告Bに代物弁済し,同日付売買を原因とする所有権移転仮登記(農地法5条の許可を条件とする)を経た。 原告Aは,平成10年4月20日,第2の(5)土地につき,前記抵当権設定登記の抹消登記を経た上,被告Bに対し,上記仮登記の本登記に代えて,同日付売買に基づく本件第2土地B移転登記をなした。 (う)(予備的主張2)本件第2土地B移転登記の登記原因である平成10年4月20日付売買は,原告Aが自己の債権者を害する目的で財産隠しのために行われたもので,民法708条所定の不法原因給付に当たる。 したがって,その反射的効果として,第2の(5)土地の所有権は被告Bにいったん帰属していたこととなる。 ②第2の(5)土地のLへの所有権移転被告Bは,Lに対し,平成10年5月 法原因給付に当たる。 したがって,その反射的効果として,第2の(5)土地の所有権は被告Bにいったん帰属していたこととなる。 ②第2の(5)土地のLへの所有権移転被告Bは,Lに対し,平成10年5月29日,同人の使者である被告Fを通して代金1622万円手付金200万円で第2の(5),(),土地を売り渡した。 (二)原告らの反論(1)被告B,被告Cの登記原因主張について①原告らは被告B,被告Cに対し,土地を売り渡したことはなく,原告らの債務の整理を委任するに伴い登記名義を移転したに過ぎない。 ②被告B,被告Cの代金支払いの主張についてⅳないしⅶの現金交付を受けたことは認めるが,上記合計915万円は,原告らが被告B,被告Cから借り受けたものである。その余の現金授受がなされた事実はない。 (2)被告Dの主張について否認する。 (3)被告F等の主張について①(い)の予備的主張のうち抵当権設定の事実及び各登記がなされたことは認めるが,その余の事実は否認する。 (う)の予備的主張のうち不法原因給付に当たることや法的効果については争う。 ②②の事実は不知 第1及び第2各土地の登記原因についての無効事由(再抗弁)(一)原告らの主張(1)原告両名は,原告A経営の土木請負事業の経営状態が悪化し,金融業者等からの4000万円以上の借金を抱えて窮し,所有土地売却の相談をするうちに,平成9年7月18日から31日までに合計785万の金銭の借り入れをすることとなった被告Bとの間で,同年8月4日ころ次のとおり合意した上,さらに,被告Bから130万円の手形決済資金を借り受けた。 ①原告E所有の第3,第4土地は,被告Bが所有名義の移転を受けた上,不動産業者として売却し,売得金によって,各土地に設定されている抵当権の被担保債務 Bから130万円の手形決済資金を借り受けた。 ①原告E所有の第3,第4土地は,被告Bが所有名義の移転を受けた上,不動産業者として売却し,売得金によって,各土地に設定されている抵当権の被担保債務及び被告Bからの原告両名の借入金等を返済する。 ②被告Bは,上記返済後の余剰金(被告Bの予想では3000万円程度)を原告Eに支払う。 ③原告A所有の第1,第2土地につき,同原告の債権者からの差押え等を免れるため,被告Bに売買を仮装して架空の所有権移転をし,登記名義を被告Bに移す。 ④原告Aの倉敷市a町所在の事務所及び原告Eの実家にある動産類は被告Bが保管し,将来返還する。 ⑤原告両名は倉敷市bから離れて身を隠し,居住家屋の賃料及び生活費(1ヶ月30万円)を被告Bが負担する。 (2)原告両名は被告Bに対し,上記合意に基づき,登記及び農地法上の許可申請の必要書類を交付し,被告Bは,上記必要書類により,第1土地については被告B,被告Cの各持分2分の1とする共有名義の所有権移転登記を,第2及び第3土地については被告B名義の所有権移転仮登記を,第4土地については株式会社Tへの所有権移転登記(中間省略登記)をなした。 (3)したがって,第1,第2土地の移転登記にかかる登記原因は通謀虚偽表示に当たるものとして無効である。 (二)被告B,被告Cの反論原告ら主張の仮装売買を含む合意は被告Bに協力を動機づけるメリットがないのみならず,原告らにとっても,必要性のない不自然なものである上,原告らが,児島簡裁に提起していた当初の訴えにおいて,処分信託契約の主張をしていたこととも矛盾する。 被告F等の善意主張(再々抗弁)(一)被告F等仮に,第2の(5)土地についての前記所有権移転仮登記及び第2土地B移転登記にかかる登記原因事実が通謀虚偽表示に当たる していたこととも矛盾する。 被告F等の善意主張(再々抗弁)(一)被告F等仮に,第2の(5)土地についての前記所有権移転仮登記及び第2土地B移転登記にかかる登記原因事実が通謀虚偽表示に当たるとしても,Lは,上記土地買い受けに際して,善意であった。 (二)原告Aの反論原告Aは,平成10年7月から10月にかけて,第2の(5)土地に重機を無断で置いていたU建設経営者のLに対し,電話で,第2の(5)土地は原告Aの所有であり,被告Bの登記名義は虚偽のものであるから,被告Bから買わないようにと,数度に亘り,申し入れていたものであり,Lは,被告Bに対する移転行為が通謀虚偽表示であることを知っていた。 ,,,,また原告Aは平成11年2月第2の(5)土地を含む各土地につき被告Bらに対し,本件所有権移転登記抹消登記手続請求訴訟を児島簡易裁判所に提起し,登記抹消の予告登記がなされたが,原告ら代理人に訴訟委任することに伴い,上記訴訟の訴え取下げ(欠席による取り下げ擬制)をして,岡山地方裁判所に本件訴訟を提起し直した。ところが,Lは,上記予告登記が抹消となった間の平成11年11月22日に本件L移転登記を経由したものであり,予告登記がなされこれが抹消された経緯について原告Aに確認を怠った過失がある。 そして,本件の被告BとL間の売買契約日は平成10年5月24日,県知事の許可がなされたのが平成11年6月30日,所有権移転登記が経由されたのが同年11月22日,代金完済がなされたのが同月29日であるところ,農地法上の県知事の許可がない以上は未だ所有権の移転はなく,また,Lは,売買契約完了時点までは,売主たる被告Bに所有権がないことを理由として,売買契約を解除し得たものであるから,民法94条2項,,,所定の善意か否かの判断の基準時は少なくと 転はなく,また,Lは,売買契約完了時点までは,売主たる被告Bに所有権がないことを理由として,売買契約を解除し得たものであるから,民法94条2項,,,所定の善意か否かの判断の基準時は少なくとも農地法上の許可時から売買契約完了時点までとすべきである。 したがって,Lは,民法94条2項の善意の第三者には当たらない。 第3,第4各土地の処分及び債務清算の委任契約の終了若しくは不当利得に基づく返還債務(一)原告Eの主張(1)前記2(一),(1)のとおり,平成9年8月4日ころ,原告両名は,被告Bに対し,原告E所有の第3,第4各土地につき,被告Bにおいてその所有名義に移転登記を経た上,不動産業者として売却し,売得金によって,各土地に設定されている抵当権の被担保債務及び被告Bからの原告両名の借入金等を返済する旨の土地売買委託と債務清算の委任をなした。 (2)被告Bは,平成10年12月8日までの間に,第4各土地を整地,分筆するなどして売り出し,V外3名にそれぞれ売却し,売却金総額は6984万9000円となり,第3各土地について売却するまでもなく,抵当権の被担保債務及び原告両名の被告Bに対する債務はすべて,上記売得金によって支払われ,上記委任事務は終了した。 (3)平成11年2月17日,被告Bは,Rを通じて,原告両名に売却金総額は6553万円である旨過少報告し,また,別紙清算書の報告欄記載のとおり上記売却による清算の結果を報告し,原告Eに返還すべき金額は437万4847円である旨通知した。 (4)しかしながら,同欄記載の工事代金,経費,手数料,人件費,利息は控除されるべきではなく,上記清算書の修正欄記載の2212万5139円が原告Eに返還されるべきであり,また,委任が終了した以上,第3各土地の登記名義は,これを被告Bに留保しておく 料,人件費,利息は控除されるべきではなく,上記清算書の修正欄記載の2212万5139円が原告Eに返還されるべきであり,また,委任が終了した以上,第3各土地の登記名義は,これを被告Bに留保しておく根拠はなく,原告Eに回復されるべきである。 (二)被告Bの反論被告Bは原告両名から、第3,第4土地を含む土地を代金2565万円とし,被担保債務をすべて被告Bにおいて引き受け負担する約定にて買い受けたものであり,土地売買委託や債務清算の委任を受けた事実はない。 本件動産(一)の寄託(一)原告Aの主張前記2(一)(1)のとおり,平成9年8月4日ころ,原告両名は,被告Bに対し,原告Aの倉敷市a町所在の事務所等にある動産類を寄託し,同月5日,被告Bは上記事務所にあった本件動産(一)を同被告管理のガレージに運搬して占有下に置いた。 (二)被告Bの認否否認する。 本件動産(二)の存在及びその所有権並びに被告Bの占有(一)原告Eの主張被告Bは,倉敷市a町c-d-e所在の建物内にあった原告E所有の本件動産(二)を持ち出して,占有している。 (二)被告Bの認否否認する。 第三争点についての判断一本件の各登記原因について 被告B及び被告Cの登記(一)原告Aを売主,被告B,被告Cを買主,代金2565万円とし,売買物件として,第1ないし第3各土地を表示し,特約事項として,既に買主において,ⅰ平成9年6月30日500万円,ⅱ同年7月4日200万円,ⅲ同年7月11日150万円,ⅳ同年7月18日500万円,ⅴ同年7月21日35万円,ⅵ同年7月31日250万円,ⅶ同年8月4日130万円,ⅷ同年8月5日800万円を支払って売買代金を完済している旨記載した平成9年8月5日付け不動産売買契約書(乙イ第1号証),及び同日付けで原告Aが農地につい 1日250万円,ⅶ同年8月4日130万円,ⅷ同年8月5日800万円を支払って売買代金を完済している旨記載した平成9年8月5日付け不動産売買契約書(乙イ第1号証),及び同日付けで原告Aが農地についての移転手続責任を負う旨の「土地について確約書」が提出されており,原告A本人尋問の結果によると,原告Aがその売主欄に署名し,被告Bに預けた実印によって,同原告名下の捺印,契印,捨印がなされていることが認められる。 また,上記代金支払いに沿う原告A,原告E名の署名,捺印のある領収証(乙イ2ないし9号証)が提出されており,原告両名の本人尋問結果によれば,原告両名のいずれかがこれに署名したことが認められる。 (二)そして,被告B本人は,被告B及び被告Cにおいて,原告両名から,平成9年8月5日,第1ないし第3土地全部を,代金合計2565万円とし,設定されている抵当権の被担保債務は被告両名において引き受け負担する旨の約定で,買い受けた旨供述する(同被告本人尋問結果。 )これに対し,原告両名は,陳述書(甲第5,第17号証)及び原告ら各本人尋問において,概ね次のとおり供述する。 (1)平成9年当時,原告両名は,K建設の経営の悪化に伴って,多額の借財をするに至り,抵当権被担保債務として,株式会社N本店に約400万円,株式会社M商店に約300万円,O信用金庫に約700万円,Q信用保証協会に約500万円の借入金があり,さらに,株式会社Sに約500万円,Rに約1300万円の借入債務があったほか,システム金融等にも相当額の借入をしており,手形決済資金の準備に窮していた。 (2)原告両名は,その所有する不動産を売却して,返済資金を得ようとし,不動産業者である被告Bに所有土地売却の相談をするうちに,平成9年7月18日から31日までに合計785万の金銭の借り入れを (2)原告両名は,その所有する不動産を売却して,返済資金を得ようとし,不動産業者である被告Bに所有土地売却の相談をするうちに,平成9年7月18日から31日までに合計785万の金銭の借り入れをすることとなった。これが,前記ⅳないしⅵの現金受領である。 (3)そして,原告両名は,被告Bに全幅の信頼を寄せるようになり,同年8月4日ころ次のとおり合意した上,さらに,被告Bから130万円の手形決済資金を借り受けた(これが前記ⅶの現金受領。 )①原告E所有の第3,第4の(2),(3)土地(a町の土地)は,被告Bが所有名義の移転を受けた上,不動産業者として売却し,売得金によって,各土地に設定されている抵当権の被担保債務及び被告Bからの原告両名の借入金等を返済する。 ②被告Bは,上記返済後の余剰金(被告Bの予想では3000万円程度)を原告Eに支払う。 ③原告A所有の第1,第2土地(fの土地)につき,同原告の債権者からの差押え等を免れるため,被告Bに売買を仮装して架空の所有権移転をし,登記名義を被告Bに移す。 ④原告Aの倉敷市a町所在の事務所及び原告Eの実家にある動産類は被告Bが保管し,将来返還する。 ⑤原告両名は倉敷市bから離れて身を隠し,居住家屋の賃料及び生活費(1ヶ月30万円)を被告Bが負担する。 (4)原告両名は被告Bに対し,上記合意に基づき,登記及び農地法上の許可申請の必要書類を交付し,実印を預けた。原告A署名時には,乙イ第1号証の売買物件の表示,代金額,特約事項については,記載されておらず,乙イ第10号証の本文の記載もなかった。 (5)前記ⅰないしⅲ,ⅷの金銭受領はしていないが,原告両名は被告Bから,債権者に見せるために必要であると言われ,売買代金として受(,)。 領した旨の架空領収証乙イ第2ないし第4第9号証 5)前記ⅰないしⅲ,ⅷの金銭受領はしていないが,原告両名は被告Bから,債権者に見せるために必要であると言われ,売買代金として受(,)。 領した旨の架空領収証乙イ第2ないし第4第9号証を作成したその際原告Eは,架空の領収証である目印にするため,自己が作成した乙第2ないし第4号証の領収証の左上にボールペンで丸印をつけたが,原告Aが司法書士方で作成した乙第9号証の領収証には,目印をつける余裕がなかった。 (三)そうすると,その実質はともかく,法形式上は,原告A所有のf所在の第1,第2土地について,原告Aと,被告Bあるいは被告Bの指定する者(被告C)の間に売買契約が成立し,原告E所有のa町所在の第3土地について原告Eと被告Bの間に売買契約が成立したこととなる。 被告Dの登記本件持分全部移転登記につき,被告D主張の登記原因,即ち,第1の(6)土地を第1の(3),(6)土地とともに,被告Dは原告Aから買い受けたが,登記名義人が被告B及び被告Cとなっていたため,三者で合意して中間省略登記をしたことを認めるに足る証拠はない。 Lの登記乙ア第3号証,第4号証の1ないし5,第5,第11,第12号証,被告B本人被告F本人尋問の結果によれば,被告Bは,Lに対し,平成10年5月29日,同人の使者である被告Fを通して,代金1622万円(手付金200万円)で,第2の(5)土地を売り渡し,平成11年5月19日県知事の転用許可がなされた後,同年11月22日,被告Bにおいて改めて同日付け売渡証書を作成して,本件L移転登記が経由され,同月29日,代金が完済されたことが認められる。 二第1ないし第4各土地を原告両名が被告Bらに移転した実体について 甲第2号証の1ないし5,第3号証の1,2,第4号証の1ないし3及び被告B本人尋問結果によれば,第 済されたことが認められる。 二第1ないし第4各土地を原告両名が被告Bらに移転した実体について 甲第2号証の1ないし5,第3号証の1,2,第4号証の1ないし3及び被告B本人尋問結果によれば,第2,第3の各土地は農地であるところ,平成9年8月6日,被告B,被告Cを権利者として,同日付け条件付所有権移転仮登記(農地法第5条の許可を条件,同日付け3000万円の貸金を被),,担保債務とする抵当権設定仮登記条件付賃借権設定仮登記がなされたこと第4の(1)土地については,既に平成9年7月7日,原告EからWに売り渡され,同月17日所有権移転登記が経由されていたこと,第4の(2)及び(3)の土地については,被告Bにおいて,その関係する株式会社Tに平成9年8月6日売買を原因として,同月7日所有権移転登記を経由したことが認められる。 ,,,, 甲第5ないし第9号証第11ないし第15第17号証証人Rの証言原告両名,被告B各本人尋問の結果によれば,平成9年8月6日,原告両名は,被告Bに原告A事務所にあった動産類を被告Bの管理倉庫に運び込んだ後,被告Bが準備してくれた笠岡市内のアパートに移転し,債権者から隠れるようにして生活するようになり,被告Bにおいて,当初は,賃料を含む生活費を原告両名に渡してくれた。しかし,原告両名は,被告Bが,間もなく生活費等を渡してくれなくなり,また,原告両名所有の備前焼を株式会社Tの社長に譲渡するなどしたことから,被告Bに不審を抱くようになり,平成10年1月末ころ,原告Aの幼友達で,債権者であるRに連絡をとり「被,告Bに第3,第4土地を売却してもらって売得金を渡してもらうことになっている。原告Eの医療費がいるので,300万円程,売得金の先払いをしてもらうよう頼んで欲しい。第1,第2土地は被告Bの登記名 ,告Bに第3,第4土地を売却してもらって売得金を渡してもらうことになっている。原告Eの医療費がいるので,300万円程,売得金の先払いをしてもらうよう頼んで欲しい。第1,第2土地は被告Bの登記名義にしてもらっているが,信用できないので,R名義にするよう頼んで欲しい」等と依頼。 した。 Rは,上記依頼に基づき,被告Bと交渉した結果,平成10年4月10日ころ,被告Bは200万円を原告両名に支払った。その後,被告Bは,Rの,,,,協力を得て同年12月8日までの間に整地分筆するなどして売り出し,,V外3名にそれぞれ売却し売却金総額は6984万9000円となったが平成11年2月17日,Rを通じて,原告両名に売却金総額は6553万円であり,別紙清算書の報告欄記載のとおり上記売却による余剰金は437万4847円である旨の報告書を交付した。 以上認定したところと,一の1に記載の前記売買契約書には,売主において,設定されている抵当権の抹消義務を負担する旨の印刷文言があるにもかかわらず,これと反対趣旨である被担保債務の買受人負担についての記載はなされないままとなっている上,被告B及び被告Cにおいて主張するところによると,最も取引価値の高い第4の(2),(3)土地について,被告Bにおい,,,て売却した根拠が見出せずまた売買代金が定められた根拠も判然とせず売買に至った経緯も具体性がないことなどに照らして,一に摘示した双方の陳述を吟味すると,被告Bの供述はにわかに措信できないのに対し,原告らの供述するところは排斥すべき根拠を見出せない。 そうすると,原告両名は,被告Bに全幅の信頼を寄せるようになり,同年8月4日ころ次のとおり合意した上,さらに,被告Bから130万円の手形決済資金を借り受けたことを認定すべきこととなる。 ①原 そうすると,原告両名は,被告Bに全幅の信頼を寄せるようになり,同年8月4日ころ次のとおり合意した上,さらに,被告Bから130万円の手形決済資金を借り受けたことを認定すべきこととなる。 ①原告E所有の第3,第4の(2),(3)土地(aの土地)は,被告Bが所有名義の移転を受けた上,不動産業者として売却し,売得金によって,各土地に設定されている抵当権の被担保債務及び被告Bからの原告両名の借入金等を返済する。 ②被告Bは,上記返済後の余剰金を原告Eに支払う。 ③原告A所有の第1,第2土地(fの土地)につき,同原告の債権者から,,の差押え等を免れるため被告Bに売買を仮装して架空の所有権移転をし登記名義を被告Bに移す。 ④原告Aの倉敷市a町所在の事務所及び原告Eの実家にある動産類は被告Bが保管し,将来返還する。 ⑤原告両名は倉敷市bから離れて身を隠し居住家屋の賃料及び生活費1,(ヶ月30万円)を被告Bが負担する。 なお,被告Bらは,上記認定のような約定では,被告Bには何らメリットはなかった旨主張するが,被告B,原告E各本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨によれば,被告Bは,土地売却により不動産業者としての手数料等を得るメリットはあったことが認められるから,上記主張は採用できないし,また,児島簡裁における訴状記載と矛盾があるとしても,原告らにおいて司法書士に依頼する際の表現によっては,必ずしも,原告らの説明どおりの訴状が作成されるものとは限らないこと等に照らして考えると,このことによって,上記認定に消長を来すものとはいえない。 してみれば,第1及び第2土地についての被告Bあるいは被告Cへの所有権移転は通謀虚偽表示に基づくものとして無効事由を有することとなる。 三Lの登記原因に係る民法94条2項の適用について乙ア第1号証の1 みれば,第1及び第2土地についての被告Bあるいは被告Cへの所有権移転は通謀虚偽表示に基づくものとして無効事由を有することとなる。 三Lの登記原因に係る民法94条2項の適用について乙ア第1号証の1ないし10,第2,第9,第10号証,証人Xの証言及び被告F,被告B,原告A各本人尋問結果によれば,平成9年7月ころ,原告Aは第2の(5)土地につき,Xを通じて売却しようとし,Lにも買取り方を依頼したが,同人は買い受けの意思表示を留保したままにしていたこと,その後,Lは被告Bから売却の申し入れを受け,不動産業者が入って来たことで安心し,,,て何ら法律的にも問題ないものと確信して上記土地買受けの意思を確定し平成10年5月29日,同人の使者である被告Fを通して,代金1622万円(手付金200万円)で,第2の(5)土地を買い受けたことが認められる。 上記証拠によれば,原告Aが,平成10年7月から10月にかけて,Lに対し,第2の(5)土地に重機を置いていることにつき,電話で,抗議したことが認められるが,これによって,Lが通謀虚偽表示であることを認識し得たともいえず,また,平成11年2月,第2の(5)土地を含む各土地につき,被告Bらに対し,本件所有権移転登記抹消登記手続請求訴訟を児島簡易裁判所に提起され,登記抹消の予告登記がなされた後,予告登記が抹消されたことを認識したとしても,これによって,Lが善意者でなくなるものとはいえないし,原告Aに確認を怠った過失があるとしても,民法94条2項の善意者に該当する妨げとはならない。 四本件第3土地B移転登記の抹消登記手続請求権並びに第4各土地売却に伴う清算金返還請求権について 前記認定したところからすると,平成9年8月4日ころ,原告両名は,被告Bに対し,原告E所有の第3各土地及び第4の(2)及び(3)土地 手続請求権並びに第4各土地売却に伴う清算金返還請求権について 前記認定したところからすると,平成9年8月4日ころ,原告両名は,被告Bに対し,原告E所有の第3各土地及び第4の(2)及び(3)土地につき,被告Bにおいてその所有名義に移転登記を経た上,不動産業者として売却し,売得金によって,各土地に設定されている抵当権の被担保債務及び被告Bからの原告両名の借入金等を返済する旨の土地売買委託と債務清算の委任をなしたことが認められる。 甲第6,第7,第9,第11ないし第15,第17号証,証人Rの証言,原告両名,被告B各本人尋問結果並びに弁論の全趣旨によると,次のとおり認定できる。 ①前記認定のとおり,被告Bは,Rの協力を得て,平成10年12月8日までの間に,整地,分筆するなどして売り出し,V外3名にそれぞれ売却し,売却金総額は6984万9000円となり,第3各土地について売却するまでもなく,抵当権の被担保債務及び原告両名の被告Bに対する債務はすべて,上記売得金によって支払われ,被告Bの前記委任事務は終了した。 ②平成11年2月17日,被告Bは,Rを通じて,原告両名に売却金総額は6553万円である旨過少報告し,また,別紙清算書の報告欄記載のとおり上記売却による清算の結果を報告し,原告Eに返還すべき金額は437万4847円である旨通知した。 ③同欄記載の工事代金,経費,人件費,利息はその趣旨あるいは根拠が判然とせず,売得金から控除すべきものとはにわかに認められないが,被告Bが本件の委任を実質的に無償で受けたものでなく,不動産業者として売却するに伴う手数料を受け取ることは双方間で予定されていたものというべく,手数料として計上されている合計255万8000円は被告Bが取得するのが不合理なものともいえない。 そして,上記認定したところ るに伴う手数料を受け取ることは双方間で予定されていたものというべく,手数料として計上されている合計255万8000円は被告Bが取得するのが不合理なものともいえない。 そして,上記認定したところによると,別紙清算書の修正欄記載の2212万5130円からさらに手数料名目の255万8000円を控除した1956万7130円が原告Eに返還されるべきであり,また,委任が終了した以上,第3各土地の登記名義は,これを被告Bに留保しておく根拠はないから,原告Eに回復すべく,その方法として,被告Bは,本件第3土地B移転登記の抹消登記手続きをなすべきこととなる。 五本件動産(一)及び本件動産(二)の引渡請求について甲第5,第8,第17号証,原告両名の本人尋問結果並びに弁論の全趣旨によると,原告両名が転居するに際し,原告Aの倉敷市a町所在の事務所等にあった動産類を被告B管理のガレージに運び込んだこと,被告Bが,同町所在の原告Eの母方建物の取り壊しに際し,動産類を持ち出したことは認められるけれども,上記寄託にかかる動産類が本件動産(一)であること,被告Bが本件動産(二)を持ち出し,現に占有していることをそれぞれ裏付けあるいは特定しうる資料は見出せない。 そうすると,本件動産(一)及び(二)の引渡請求は理由がないものというほかない。 第四結語以上の次第で,原告Aの本件請求は,第1各土地の所有権に基づき,被告B,被告Cに対し,本件共有登記の抹消登記手続きを,被告Dに対し,第1の(6)土地につき,本件持分全部移転登記の抹消登記手続きを求め,第2各土地の所有権に基づき,被告Bに対し,本件第2土地B移転登記の抹消登記手続きを求める請求はいずれも理由があるから認容すべきであるが,第2の(5)土地につき,被告F等に対し,本件L移転登記の抹消登記手続きを求め,被告B き,被告Bに対し,本件第2土地B移転登記の抹消登記手続きを求める請求はいずれも理由があるから認容すべきであるが,第2の(5)土地につき,被告F等に対し,本件L移転登記の抹消登記手続きを求め,被告Bに対し,本件動産(一)の返還引渡しを求める請求はいずれも失当として棄却すべく,原告Eの本件請求は,被告Bに対し,第3,第4各土地の処分及び債務清算の委任終了に基づき,本件第3土地B移転登記の抹消登記手続きを求め,清算後の返還債務金1956万7139円及びこれに対する訴状送達日の翌日である平成12年10月26日から支払済まで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度で理由があるから認容すべきであるが,被告Bに対する,その余の返還債務金の支払請求部分と本件動産(二)の返還引渡しを求める請求は失当として棄却すべきである。よって,訴訟費用の負担につき民訴法61条,64条,65条一項本文を適用し,総費用につき主文のとおり按分して各敗訴被告に負担させることとし,仮執行宣言につき同法259条1項を適用して,主文のとおり判決する。 岡山地方裁判所第1民事部裁判官金馬健二
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