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主文 原判決中第一審判決が上告人に対し金八六二、〇〇〇円に対する昭和二六年一月一日から支払済に至るまで年一割の割合による金員の支払を命じた部分に関して控訴を棄却した部分を破棄し、その余の部分に関する本件上告を棄却する。右破棄にかかる部分についての本件を福岡高等裁判所に差戻す。理由 上告代理人弁護士古賀野茂見の上告理由第二点について。所論の金借に関し、原判決の引用する第一審判決は「右金員の貸借日時が原告(被上告人)の主張のように九月一〇日であることを確認するに足る証拠はないが、しかし甲第一号証の一ないし三の記載順序、原告本人尋問の結果竝びに叙上認定事実を綜合すると、右金員は早くとも昭和二五年八、九月中に、おそくともその後の同年中に貸付けられたことが認められる」旨認定しているのであり、このように認定された事実は、被上告人主張の昭和二五年九月一〇日に所論金員を貸付けた旨の事実と喰い違うものでなく、従つて原判決は被上告人主張の金員貸借の同一性を害する事実を毫末も認定していないのであるから、原判決は被上告人の申立てない事項について判断し、被上告人に利益を与えているものとは云えない。所論は、右に反する独自の所見であつて、採るを得ない。同第一点について。原判決の引用する第一審判決は「原告(被上告人)は被告(上告人)に対し別紙目録記載のとおり、昭和二四年九月から同二五年一〇月までの間に、いずれも利息は一ヶ月五分とし、弁済期は右目録記載の番号25は昭和二五年(原判決で訂正す)一一月二〇日、その余はいずれもこれを定めることなく、金員を貸与し」と認定した上、「しからば、被告は原告に対し本件貸金九二二、〇〇〇円及びこれに対する弁済期以後の昭和二六年一月一日から完済まで年一割の割合による遅延損害金 いずれもこれを定めることなく、金員を貸与し」と認定した上、「しからば、被告は原告に対し本件貸金九二二、〇〇〇円及びこれに対する弁済期以後の昭和二六年一月一日から完済まで年一割の割合による遅延損害金を支- 1 -払うべき義務がある」旨判示していることは判文上明らかである。 、被告は原告に対し本件貸金九二二、〇〇〇円及びこれに対する弁済期以後の昭和二六年一月一日から完済まで年一割の割合による遅延損害金 いずれもこれを定めることなく、金員を貸与し」と認定した上、「しからば、被告は原告に対し本件貸金九二二、〇〇〇円及びこれに対する弁済期以後の昭和二六年一月一日から完済まで年一割の割合による遅延損害金を支- 1 -払うべき義務がある」旨判示していることは判文上明らかである。しかしながら、右目録記載の番号25の金員については、上告人は右認定にかゝる弁済期の到来とともに遅滞に陥り、その翌日以降の遅延損害金の支払義務を免れないことは多言を俟たないところであるが、その余の金員すなわち金八六二、〇〇〇円については弁済期の定めがないのであるから、上告人が遅滞に陥つた何らかの事情、例えば催告をうけ乍ら法定の猶予期間を経過したとか、訴状の送達を受けたとかいう事実のない限り、上告人に遅延損害金の支払義務あるものとなすを得ないことは当然の筋合と言わなければならない。しからば、右金八六二、〇〇〇円について上告人に履行遅滞の責があつたか、なかつたか、あつたとすればその時期は何時であるか等について何ら審究することなく、漫然と昭和二六年一月一日以前に履行遅滞に陥つていたものの如く思念し、右年月日以降遅延損害金支払の義務ありと判断した原判決(その引用にかゝる第一審判決)は、審理不尽、理由不備の欠点を包蔵するものであつて本論旨は理由あるに帰し、原判決は上叙の点において到底破棄を免れないものと認めざるを得ない。よつて、民訴四〇七条一項、三九六条、三八四条一項に従い裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官下飯坂潤夫裁判官入江俊郎裁判官斎藤朔郎裁判官長 飯坂潤夫裁判官入江俊郎裁判官斎藤朔郎裁判官長部謹吾- 2 -
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