主文 被告人を懲役1年に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の全部の執行を猶予する。 訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 【罪となるべき事実】被告人は、第1 令和7年1月9日午前10時37分頃から同日午前10時38分頃までの間に、広島県竹原市(住所省略)から東南東約350メートル先の遊歩道付近において、みだりに、愛護動物であるいえうさぎ1羽の脚部を手で掴んで折り曲げ、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、もって愛護動物に対し、虐待を行い、第2 同日午後0時31分頃から同日午後0時32分頃までの間に、同所において、みだりに、愛護動物であるいえうさぎ1羽の脚部を右手で掴んで折り曲げ、更に頭部を右足で踏みつけ、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、もって愛護動物に対し、虐待を行い、第3 同日午後4時59分頃、同市(住所省略)から東方約140メートル先の集水桝付近において、愛護動物であるいえうさぎ1羽の胸腹部を蹴るなどし、よって、同いえうさぎに左腹壁皮下出血等を負わせ、もって愛護動物をみだりに傷つけ、第4 同月21日午後0時頃から同日午後0時38分頃までの間に、同所において、愛護動物であるいえうさぎ1羽の左後肢を掴んで折り曲げるなどし、よって、同いえうさぎに左下腿骨(脛腓骨)骨折等を負わせ、もって愛護動物をみだりに傷つけ、第5 同日午後0時38分頃、同市(住所省略)から東南東約350メートル先の遊歩道付近において、みだりに、愛護動物であるいえうさぎ1羽の頸部を右手 で掴みながら、左手でその口腔内にはさみの刃を挿入して、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、もって愛護動物に対し、虐待を行い、第6 同日午後3時30分頃、同市(住所省略)から南 手 で掴みながら、左手でその口腔内にはさみの刃を挿入して、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、もって愛護動物に対し、虐待を行い、第6 同日午後3時30分頃、同市(住所省略)から南方約180メートル先の山中の休憩所付近において、みだりに、愛護動物であるいえうさぎ1羽の口腔内にはさみの刃を挿入して回転させるなどして、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、もって愛護動物に対し、虐待を行い、第7 同日午後5時30分頃、同市(住所省略)から東方約300メートル先の遊歩道において、愛護動物であるいえうさぎ1羽の胸腹部を蹴り、よって、その頃、同所において、同いえうさぎを循環血液量減少性ショック等により死亡させ、もって愛護動物をみだりに殺した。 【証拠の標目】(省略)【法令の適用】(省略)【量刑の理由】被告人は、愛護動物であるいえうさぎ7羽に対し、脚部を手で掴んで折り曲げたり、頭部を足で踏みつけたり、胸腹部を蹴ったり、口腔内にはさみの刃を挿入して回転させたりするなどの暴行を加え、愛護動物に対して虐待を行い、又は、愛護動物をみだりに傷つけ若しくは殺した。 被告人がうさぎに加えた暴行は、いずれも、その生命や身体を害する危険性が高いものであって、態様は悪質であり、被告人から一方的に暴力を受けるうさぎらの姿は痛ましいというほかなく、本件各犯行は、動物愛護の精神に反するものであるといわざるを得ない。 被告人は、うさぎを虐待したときのうさぎの反応を見たいと思い、本件各犯行に及んだ旨供述するが、このような動機におよそ酌量の余地はない。また、被告人は、わずか1か月弱の間に、わざわざ遠方から本件犯行現場まで2回にわたり赴き、連続して本件各犯行に及んでいることからすれば、被告人には、この種犯行の常習性が認められるほか、本件各 ない。また、被告人は、わずか1か月弱の間に、わざわざ遠方から本件犯行現場まで2回にわたり赴き、連続して本件各犯行に及んでいることからすれば、被告人には、この種犯行の常習性が認められるほか、本件各犯行が、強固な犯意に基づく計画的な犯行であることも 指摘できる。そうすると、被告人が、本件当時、精神疾患を抱えており、精神的に不安定であったことが認められることを踏まえてもなお、本件各犯行は、強い非難に値する。 以上によれば、本件の犯情等の悪さは、軽視はできず、本件については、懲役刑を選択するのが相当である。 もっとも、被告人には、当初から一貫して事実を認めて反省の弁を述べていること、被告人の実父が、今後の被告人の監督を誓約するとともに、被告人も、実父の監督に従う旨誓約していること、前科はおろか前歴もないこと、自業自得とはいえ、実名も含め、本件が広く報道され、勤務先を退職せざるを得なくなったりするなど一定の社会的制裁を受けていることなど、酌むべき事情も認められる。このような被告人のために酌むべき事情をも考慮すると、被告人に対しては、主文の懲役刑を定め、その刑事責任を明確にした上で、今回に限り、その刑の全部の執行を猶予し、社会内で更生する機会を与えるのが相当である。 よって、主文のとおり判決する。 (求刑懲役1年)令和7年4月14日広島地方裁判所呉支部裁判官島﨑 航
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