1 令和4年8月29日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官令和3年(ワ)第23647号 国家賠償請求事件口頭弁論終結日 令和4年7月8日判決主文51 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由第1 請求被告は、原告に対し、200万円及びこれに対する令和3年9月25日から10支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は、原告が、平成30年法律第78号による改正後の健康増進法29条1項2号及び30条の規定(以下「本件規定」という。)は、喫煙者の「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」を一律に制限する点で、憲法13条及び1415条1項に違反するものであり、原告は、本件規定に係る立法行為(以下「本件立法行為」という。)によって精神的苦痛を被ったと主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料200万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和3年9月25日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 201 健康増進法の定め本件に関連する健康増進法の定めは、平成30年法律第78号による改正前のものにつき別紙2、改正後のものにつき別紙3各記載のとおりであり、その概要は、以下のとおりである。 ⑴ 健康増進法は、国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定25めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措2 置を講じ、もって国民保健の向上を図ることを目的として(1条)、平成14年に立法された。 平成30年法律第78号による改正前の健康増進法は、喫煙に関し、①厚生労働大臣が定める基本的な方針において喫煙に関する正しい知識の普及に関する事項 を目的として(1条)、平成14年に立法された。 平成30年法律第78号による改正前の健康増進法は、喫煙に関し、①厚生労働大臣が定める基本的な方針において喫煙に関する正しい知識の普及に関する事項を定める旨(7条1項、2項6号)、及び②飲食店を含む多数の5者が利用する施設の管理者に対し、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるよう努力義務を課す旨(25条)を規定するほかは、特段の定めを設けていなかった。 ⑵ア 平成30年法律第78号(健康増進法の一部を改正する法律)は、望まない受動喫煙の防止を図るため、多数の者が利用する施設等の区分に10応じ、当該施設等の一定の場所を除き喫煙を禁止するとともに、当該施設等の管理について権原を有すべき者が講ずべき措置等について定めることをその趣旨とするものであり、平成30年6月19日に衆議院本会議、同年7月18日に参議院本会議で法律案がそれぞれ可決され成立し、同月25日に公布された(乙1、2、14、19)。 15イ 平成30年法律第78号による改正後の健康増進法(以下、単に「健康増進法」という。)は、多数の者が利用する施設(特定施設)を、①学校、病院といった受動喫煙により健康を損なうおそれが高い者が主として利用する施設(第一種施設)、②喫煙をする場所を提供することを主たる目的とする施設(喫煙目的施設)及び③これら以外の施設(第二種施設)に区20分し(28条4~7号)、飲食店が含まれることになる第二種施設においては、喫煙専用室及び喫煙関連研究場所を除いては、喫煙をしてはならないこととしている(29条1項2号)。 そして、第二種施設を含む特定施設の管理権原者は、喫煙が禁止された場所(喫煙禁止場所)に専ら喫煙の用に供させるための器具等をその用25に供することができる状態で設置しては (29条1項2号)。 そして、第二種施設を含む特定施設の管理権原者は、喫煙が禁止された場所(喫煙禁止場所)に専ら喫煙の用に供させるための器具等をその用25に供することができる状態で設置してはならず(30条1項)、また、喫3 煙禁止場所において喫煙をし、又は喫煙をしようとする者に対し、喫煙の中止又は当該喫煙禁止場所からの退出を求めるよう努めなければならないこととされている(同条2項)。 第二種施設において喫煙が許される喫煙専用室は、「専ら喫煙することができる場所」と規定されているため(33条1項)、室内において喫煙5とともに飲食を行うことは許されない。もっとも、喫煙専用室を加熱式たばこの喫煙専用の場所とした場合には、当分の間、当該喫煙専用室(指定たばこ専用喫煙室)は、「喫煙することができる場所」として扱われることとなるため(平成30年法律第78号附則3条1項によって読み替えて適用される健康増進法33条1項、平成31年厚生労働省告示10第39号)、室内において喫煙とともに飲食を行うことが可能となる。 また、平成30年法律第78号施行の際に現に存する第二種施設のうち、飲食店等であって、所定の要件を満たす経営規模の小さなものについては、例外的に、店舗の全部又は一部を「喫煙することができる場所」である喫煙可能室と定めることができるため(平成30年法律第78号附15則2条1項によって読み替えて適用される健康増進法33条1項、同附則2条2項)、この場合には、店舗の一部又全部において、喫煙とともに飲食を行うことが可能となる。 ウ 平成30年法律第78号は、公布の日以降順次施行され、上記イの規制に係る部分については、令和2年4月1日に施行された。 202 前提事実原告は、喫煙の習慣を有する成人男性である。なお、原告 平成30年法律第78号は、公布の日以降順次施行され、上記イの規制に係る部分については、令和2年4月1日に施行された。 202 前提事実原告は、喫煙の習慣を有する成人男性である。なお、原告が専ら喫煙しているたばこは、加熱式たばこではなく、たばこを燃焼させることにより煙を発生させる、いわゆる紙巻たばこである。(甲9、10、弁論の全趣旨)3 争点及びこれに対する当事者の主張25本件の争点は、①健康増進法29条1項2号及び30条(本件規定)の憲法4 適合性(争点1)、②本件規定に係る立法行為(本件立法行為)の国家賠償法上の違法性(争点2)並びに③本件立法行為によって原告に生じた損害の有無及び額(争点3)であり、これらに関する当事者の主張は、以下のとおりである。 ⑴ 本件規定の憲法適合性(争点1)5(原告の主張)ア 本件規定の憲法13条適合性本件規定は、飲食店を含む第二種施設において、喫煙専用室及び喫煙関連研究場所を除き、喫煙を禁ずるものである。喫煙専用室においては飲食ができず、特に紙巻きたばこについては、加熱式たばこのような10例外規定も設けられていないこと、飲食店は喫煙関連研究場所に当たらないことからすれば、本件規定は、紙巻きたばこの喫煙者に対し、「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」を一律に制限するものといえる。 ところで、憲法13条は、国民の権利や自由を包摂する包括的な権利を規定するものであり、法令が個人の自由に不合理な制約を加えた場合15には、当該法令は憲法13条に違反するとの評価を受けるものと解される。そして、このような憲法13条適合性の判断は、①立法目的が正当であり、かつ、②規制手段について、立法目的を達成するためにより制限的でない他に選び得る手段がないかどうかによって審査され のと解される。そして、このような憲法13条適合性の判断は、①立法目的が正当であり、かつ、②規制手段について、立法目的を達成するためにより制限的でない他に選び得る手段がないかどうかによって審査されるべきである(いわゆるLRAの基準)。 20本件規定の立法目的は、受動喫煙の防止であるところ、受動喫煙を防止する必要性があることは当然であり、原告もこれを否定するものではない。しかし、その目的を達成するための規制手段について、立法目的を達成するためにより制限的でない他に選び得る手段が存在するのであるから、本件規定は憲法13条に違反する。 25すなわち、上記で述べたとおり、本件規定は、「喫煙を楽しみなが5 ら飲食を行う自由」を一律に制限するものであるが、店舗内に喫煙専用室を設置することによる分煙という方式ではなく、喫煙専用店舗の存在を認め、経営者に店舗の形式を自由に選択させるという手段を採用すれば、受動喫煙防止という立法目的を達成しつつ、「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」に対する一律の制限も避けることができる。 5イ 本件規定の憲法14条1項適合性憲法14条1項は、法の下の平等を定めており、法的な差別的取扱いを禁止している。 本件規定は、非喫煙者に対して、「受動喫煙を回避しながら飲食を楽しむ自由」を認める一方、喫煙者に対しては、「喫煙を楽しみながら飲食を10行う自由」を制約するものであって、非喫煙者と喫煙者とを法的に区別して取り扱っている。そして、本件規定について、立法目的を達成するために、より制限的でない他に選び得る手段がないとはいえないことは、上記アで述べたとおりであるから、上記法的区別に合理的な根拠があるということもできない。 15したがって、本件規定は、喫煙者に対し、法的な差別的取扱いをする 得る手段がないとはいえないことは、上記アで述べたとおりであるから、上記法的区別に合理的な根拠があるということもできない。 15したがって、本件規定は、喫煙者に対し、法的な差別的取扱いをするものといえるから、憲法14条1項に違反する。 (被告の主張)ア 本件規定の憲法13条適合性原告は、本件規定について、喫煙者の「喫煙を楽しみながら飲食を20行う自由」を一律に制限する点で、憲法13条に違反すると主張する。 「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」が憲法13条によって保障されるというためには、その前提として、上記自由の中心をなすと解される喫煙の自由が、憲法13条の保障する憲法上の権利であることを要するというべきである。 25しかし、最高裁昭和40年(オ)第1425号同45年9月16日大6 法廷判決・民集24巻10号1410頁(以下「昭和45年判決」という。)は、喫煙の自由が、憲法13条の保障する憲法上の権利であると判断をすることについて慎重な態度を示しているところ、昭和45年判決が指摘するとおり、たばこは生活必需品ではなくある程度普及品の高い嗜好品にすぎないこと、喫煙の禁止は人体に直接障害を与えるもので5はないこと、さらに、昭和45年判決以降に、科学的知見の集積・評価などにより、受動喫煙によって重大な健康影響が生じ得ることがより明確になったことからすれば、喫煙の自由が憲法13条の保障する憲法上の権利であるとは認め難いというべきである。 そうしてみると、「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」が憲法1310条によって保障されるとはいえないから、「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」の制限を理由に本件規定が憲法13条に違反する旨をいう原告の主張は、その前提を欠き失当である。 仮に、「喫煙を楽しみながら飲 よって保障されるとはいえないから、「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」の制限を理由に本件規定が憲法13条に違反する旨をいう原告の主張は、その前提を欠き失当である。 仮に、「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」が憲法13条の保障する憲法上の権利に含まれるとしても、多数の者が利用する施設における15喫煙に関して、受動喫煙防止の観点からいかなる規制をするかは、受動喫煙による健康影響及び受動喫煙を防止する方法等に関する科学的・専門的知見のほか、諸外国における状況やこれに対する我が国の利害関係等を踏まえた立法府の政策的判断に委ねるのが相当であるから、上記自由に対する制限は、それが必要かつ合理的なものであると認められる場20合には、憲法13条に違反しないというべきである。 受動喫煙によって、がん及び循環器疾患等の生命に関わる重大な健康影響があることについては、現在の科学的知見において明らかであるから、望まない受動喫煙の防止を図るという本件規定の目的は、生命身体の安全という重大な権利を保護するために必要なものということができ25る。そして、本件規定は、飲食店を含む第二種施設の屋内について原則7 として喫煙を禁止するものであるところ、科学的知見によれば、屋内を全面禁煙とすることによって受動喫煙による健康影響が減少すると認められ、諸外国においても同様の法規制が採用されていることからすれば、本件規制は、受動喫煙を防止する上で有効かつ適切な手段ということができる。以上によれば、本件規定は必要かつ合理的なものであると認め5られるから、憲法13条に違反しない。 イ 本件規定の憲法14条1項適合性原告は、本件規定について、非喫煙者に対しては、「受動喫煙を回避しながら飲食を楽しむ自由」を認める一方、喫煙者に対しては、「喫煙を楽し 13条に違反しない。 イ 本件規定の憲法14条1項適合性原告は、本件規定について、非喫煙者に対しては、「受動喫煙を回避しながら飲食を楽しむ自由」を認める一方、喫煙者に対しては、「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」を制約するものであって、非喫煙者と10喫煙者とを法的に差別して取り扱っているから、憲法14条1項に違反すると主張する。 憲法14条1項は、法の下の平等を定めており、事柄の性質に応じた合理的な根拠に基づくものでない限り、法的な差別的取扱いを禁止しているものと解されるが、本件規定は、第二種施設の屋内の場所について15原則として喫煙を禁止する趣旨のものであって、喫煙者であること自体を理由に第二種施設の利用を禁ずるものではない。そうすると、本件規定は、喫煙者に対して法的な差別的取扱いをするものではないから、憲法14条1項には違反しない。 仮に、本件規定が喫煙者に対して法的な差別的取扱いをするもので20あるとしても、それは、事柄の性質に応じた合理的な根拠に基づくものである。 すなわち、原告が主張する「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」は、あらゆる時、場所において保障されなければならない性質のものということはできず、他方で、多数の者が利用する施設における喫煙に関して、25受動喫煙防止の観点からいかなる規制をするかは、立法府の広範な政策8 的判断に委ねるべきものである。こうした点に鑑みれば、本件規定は、その目的が正当であり、かつ、本件規定による区別の態様が目的との関係で著しく不合理であることが明らかでない限り、合理的な根拠があるものと解するのが相当である。 上記アで述べたとおり、望まない受動喫煙の防止を図るという本件5規定の目的は、生命身体の安全という重大な権利を保護するために必要なものであり 合理的な根拠があるものと解するのが相当である。 上記アで述べたとおり、望まない受動喫煙の防止を図るという本件5規定の目的は、生命身体の安全という重大な権利を保護するために必要なものであり、また、本件規定は、受動喫煙を防止する上で有効かつ適切な手段ということができる。そうすると、本件規定は、その目的が正当であり、かつ、本件規定による区別の態様が目的との関係で著しく不合理であることが明らかでないということができるから、本件規定は、10合理的な根拠に基づくものであって、憲法14条には違反しない。 ⑵ 本件立法行為の国家賠償法上の違法性(争点2)(原告の主張)国会は、後に平成30年法律第78号となる法律案の審議において、飲食店を喫煙専門店舗とそうでない店舗を分けるといった、より制限的でない他15に選び得る手段について何らの考慮もせず、また、喫煙者の立場に立つ参考人の意見も聞くことなく、憲法13条、憲法14条1項に違反する本件規定を立法した。 このような本件立法行為は、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるというべきである。 20(被告の主張)前記⑴(被告の主張)のとおり、本件規定は憲法13条及び14条1項に違反するものではないから、本件立法行為が国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受ける旨の原告の主張は、その前提を欠き失当である。 ⑶ 損害の有無及び額(争点3)25(原告の主張)9 原告は、本件立法行為によって重大な精神的苦痛を受けており、その損害額は200万円を下らない。 (被告の主張)原告の主張は争う。 第3 当裁判所の判断51 認定事実後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 ⑴ 我が国における喫煙率及び受動喫煙率我が国における平成30年 原告の主張は争う。 第3 当裁判所の判断51 認定事実後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 ⑴ 我が国における喫煙率及び受動喫煙率我が国における平成30年当時(本件立法行為当時)の喫煙率(毎日吸っている、又は時々吸う日があると回答した割合。以下同じ。)は、男性29. 100パーセント、女性8.2パーセントである。なお、喫煙者の男性のうち77.0パーセント、喫煙者の女性のうち84.9%が紙巻きたばこを喫煙している。(甲6)他方、平成25年当時、非喫煙者のうち月に1回程度以上受動喫煙があったと回答した者の割合は、職場については33.1パーセント、飲食店につ15いては46.8パーセント、行政機関については9.7パーセント、医療機関については6.5パーセント、学校については28.2パーセントであった(乙7)。 ⑵ 受動喫煙の健康影響に関する科学的知見(乙7)厚生労働省が実施する検討会である「喫煙の健康影響に関する検討会」は、20平成28年8月、「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」と題する報告書を取りまとめた。上記報告書では、受動喫煙がもたらす健康影響に関し、以下の科学的知見が示されている。 ア 我が国のたばこ販売量に占める製品のほとんどは、紙巻きたばこであり、紙巻きたばこの喫煙によって発生する化学物質のうち、発がん性があると25報告されている物質は約70種類に及ぶ。また、たばこ煙に暴露すること10 により、動脈硬化や血栓形成傾向の促進等を通じて、虚血性心疾患や脳卒中などの循環器疾患につながるほか、たばこ煙に含まれる化学物質は、肺の組織に炎症等を引き起こし、永続的な呼吸機能の低下の原因となる。 我が国における受動喫煙に起因する年間死亡数は、約1万5000人( などの循環器疾患につながるほか、たばこ煙に含まれる化学物質は、肺の組織に炎症等を引き起こし、永続的な呼吸機能の低下の原因となる。 我が国における受動喫煙に起因する年間死亡数は、約1万5000人(肺がん、虚血性心疾患及び脳卒中による死亡)と推計されている。 5イ 次に掲げる疾患については、受動喫煙との因果関係を推定するのに十分な科学的根拠がある。 ① 成人の慢性疾患肺がん、虚血性心疾患及び脳卒中。 ② 呼吸器への急性影響10臭気・不快感及び鼻の刺激感。 ③ 小児への影響喘息の既往及び乳幼児突然死症候群(SIDS)。 ⑶ 受動喫煙の防止をめぐる国内外の状況ア 平成17年、喫煙が健康・社会・環境及び経済に及ぼす悪影響から現在15及び将来の世代を守ることを目的とした、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」(以下「FCTC」という。)が発効し、締約国である我が国についてもその効力が発生した。FCTC8条は、締約国に対し、職場や公共の場所などの屋内空間において、たばこの煙にさらされることからの保護を定める効果的な立法上の措置を求めており、FCTC実施のため20のガイドラインは、上記保護のための具体的な措置として、特定の空間又は環境から喫煙とたばこ煙を完全に排除することを求めている。FCTC締約国では、レストランや居酒屋を含む8種の施設について、施設内を全面禁煙とする法律が施行されているか否かがモニタリングされており、平成26年12月現在、49の国において、上記8種の施設全てについて施25設内を全面禁煙とする法律が施行されている。(乙4、7、10)11 イ 世界保健機関は、平成22年、FCTCの内容を踏まえ、多数の人々が参加し、多くの人々に影響をもたらすスポーツや文化などの「メガ・イベント」に関 が施行されている。(乙4、7、10)11 イ 世界保健機関は、平成22年、FCTCの内容を踏まえ、多数の人々が参加し、多くの人々に影響をもたらすスポーツや文化などの「メガ・イベント」に関し、「たばこのないメガ・イベントのためのガイド」を策定した。上記ガイドには、イベントの開催都市を選択するための最重要基準として、「100%スモークフリー環境」(たばこ煙のない環境)の方針を徹5底すべき旨や、同方針を法律で定めることが望ましい旨が記載されている(乙5)。 世界保健機構の事務局長であったAは、平成29年3月、我が国の厚生労働大臣に対して書簡を発し、FCTC及び上記ガイドの存在に触れた上で、令和2年に実施予定であった東京オリンピック・パラリンピック10競技大会において「100%スモークフリー環境」が実現すること、さらに、公衆の集まる屋内空間での全面禁煙を全国レベルで実施することを要請した。(乙7)平成30年法律第78号は、以上のような国内外の情勢を契機として、第196回通常国会において内閣提出法案が審議され、平成30年7月1518日、可決、成立することとなった(乙12~19)。 2 争点1(本件規定の憲法適合性)について⑴ 本件規定の憲法13条適合性についてア 原告は、本件規定について、喫煙者の「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」を一律に制限する点で、憲法13条に違反すると主張する。 20そこで検討するに、健康増進法は、国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることをその目的とするものであるところ(1条)、平成30年法律第78号は、受動喫煙が他人に与える健康影響が大きいことに鑑み、健康増進法 の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることをその目的とするものであるところ(1条)、平成30年法律第78号は、受動喫煙が他人に与える健康影響が大きいことに鑑み、健康増進法の改25正を通じ、望まない受動喫煙の防止を図ることによって(健康増進法の12 定め⑵ア)、同法の目的である国民の健康の増進と国民保険の向上を図ることをその趣旨とするものと解される。 平成30年法律第78号による改正によって追加された本件規定は、多数の者が利用する特定施設を第一種施設、第二種施設及び喫煙目的施設の3種に区分した上で、飲食店が含まれることになる第二種施設につい5て、喫煙専用室及び喫煙関連研究場所を除いて喫煙を禁ずるものであり(健康増進法の定め⑵イ)、喫煙に対して一定の場所的制限を課している。 もっとも、受動喫煙が他人に大きな健康影響を与え得ることが科学的知見として明確となっていることからすれば(認定事実⑵)、望まない受動喫煙の防止という目的に必要とされる限度において、喫煙に対して合理10的制限を加えることもやむを得ないというべきである。 そして、上記制限が必要かつ合理的なものであるかどうかは、制限の必要性の程度と制限される行為の内容、これに加えられる具体的な制限の態様との較量の上で決するのが相当である。 イ 本件立法行為当時、喫煙に用いられていたのは専ら紙巻きたばこである15ところ、紙巻きたばこの喫煙によって生ずるたばこ煙への暴露は、種々の健康影響をもたらすものであり、能動喫煙はもちろんのこと、受動喫煙についても、肺がんや脳卒中といった重篤な疾患との因果関係を推定するのに十分な科学的根拠があるとされている(認定事実⑴、⑵)。さらに、受動喫煙があったと回答する非喫煙者の割合が相応に高いこと(認定事実⑴)2 、肺がんや脳卒中といった重篤な疾患との因果関係を推定するのに十分な科学的根拠があるとされている(認定事実⑴、⑵)。さらに、受動喫煙があったと回答する非喫煙者の割合が相応に高いこと(認定事実⑴)20をも併せ考えれば、望まない受動喫煙を防止するために喫煙に対して一定の場所的制限を課す必要性は高いというべきであって、FCTC及びそのガイドラインが、職場や公共の場所などの屋内空間(飲食店も含まれることになる。)から喫煙とたばこ煙を完全に排除することを求めていることや、既に多くの国において各種施設の全面禁煙が法定されていること(前25記認定事実⑶ア)も、これを裏付けるものということができる。 13 他方で、たばこは、生活必需品とまではいい難く、ある程度普及率の高い嗜好品にすぎないものである。喫煙行為の制限が喫煙者に一定の精神的苦痛を与えることはあり得るとしても、人体に直接障害を与えるものではないのであるから、喫煙の自由ないし原告の主張する「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」は、憲法13条による保障の対象となるとし5ても、あらゆる場所において保障されなければならないものではないというべきである(昭和45年判決参照)。 ウ そこで、本件規定において制限される行為、具体的な制限の態様をみると、平成30年法律第78号は、受動喫煙の防止を目的として、多数の者が利用する施設(特定施設)のみを対象に喫煙に対して場所的制限を10加えたものであり、自宅や旅館、ホテルの客室等、個人の私的な空間は規制の対象から除外し(40条)、また、第二種施設については、受動喫煙の被害が小さいことが想定される屋外空間についても規制の対象外としている。このように、本件規定は、受動喫煙防止の目的を達成するために必要かつ合理的な範囲に対象を限定した上で規 設については、受動喫煙の被害が小さいことが想定される屋外空間についても規制の対象外としている。このように、本件規定は、受動喫煙防止の目的を達成するために必要かつ合理的な範囲に対象を限定した上で規制が行われているも15のであり、喫煙あるいは喫煙と飲食を同時に行うこと自体を広範に制限する規定ではない。また、第二種施設においては、加熱式たばこについては指定たばこ専用喫煙室において、紙巻きたばこについても所定の要件を満たす既存の飲食店等において、本件規定施行以前と同様の態様で喫煙と飲食を行うことが可能となるよう立法措置が講じられるなど(健20康増進法の定め⑵イ)、一定の配慮もされている。 以上のような、制限の必要性の程度と制限される行為の内容、これに加えられる具体的な制限の態様を総合考慮すれば、本件規定による喫煙の場所的制限は、必要かつ合理的なものであると解するのが相当である。 したがって、本件規定は、憲法13条に違反するものではない。 25エ 原告は、喫煙専用店舗を設置し、経営者に店舗形態を自由に選択させる14 という手段を選べば、受動喫煙防止という立法目的を達成しつつ、「喫煙を楽しみながら飲食を行う自由」に対する一律の制限も避けることができると主張する。 しかしながら、上記説示のとおり、本件規定は、喫煙を楽しみながら飲食を行う自由を一律に制限する内容ではない。そして、受動喫煙の防止5という立法目的を達成するために、いかなる施設を対象にいかなる規制をするかは、受動喫煙による健康影響及び受動喫煙を防止する方法等に関する科学的・専門的知見のほか、諸外国の状況や国内の施設の具体的利用状況、関係者の利害状況等を踏まえて検討されるべきところ、原告の主張する規制手法により、受動喫煙の防止という目的が達成され得る10か否 的・専門的知見のほか、諸外国の状況や国内の施設の具体的利用状況、関係者の利害状況等を踏まえて検討されるべきところ、原告の主張する規制手法により、受動喫煙の防止という目的が達成され得る10か否かは、本件全証拠によってもなお判然としない。少なくとも、原告の主張する喫煙専用店舗という発想は、多数の者の利用が想定される第二種施設において、喫煙可能な空間とそれ以外の空間を分けることなく、その全体を喫煙可能とする施設の設置を求めるものであり、当該施設において受動喫煙が生じることは避けがたいのであるから、受動喫煙の防15止を図るという平成30年法律第78号の目的に沿った規制内容とはおよそ認め難い。なお、そもそも、本件規定は、多数の者の利用する第二種施設における喫煙を禁止することを立法趣旨とするものであって、店舗内における喫煙専門室等の設置は、我が国における喫煙率が低いとはいえないことや(認定事実⑴)、喫煙者が従前第二種施設において自由に20喫煙ができていたこと等の事情に鑑み、これを例外的に許容した規定と位置づけられるものである。 また、原告は、平成30年法律第78号の規制内容と比較してより制限的でない他に選びうる手段が存在するとし、この点において本件規定が憲法13条に違反する旨も主張する。本件規定の憲法適合性については、25制限の必要性の程度と制限される行為の内容、これに加えられる具体的15 な制限の態様等との較量の上で判断されるべきことは上記⑴アで説示したとおりである。仮に、本件においていわゆるLRAの基準を考慮する余地があるとしても、規制内容の比較は、原告のような喫煙者の立場のみならず、非喫煙者、飲食店経営者を含む第二種施設の管理者、第二種施設において就労する者など、立場を異にする関係者全体の利益状況を5念頭に としても、規制内容の比較は、原告のような喫煙者の立場のみならず、非喫煙者、飲食店経営者を含む第二種施設の管理者、第二種施設において就労する者など、立場を異にする関係者全体の利益状況を5念頭に置いて判断されるべきものであるところ、原告の主張する規制手法が本件規定と比較してより制限的でない他に選びうる手段になり得るものかについては、本件全証拠によってもなお判然としない。そして、原告の主張する規制手法が平成30年法律第78号の目的である受動喫煙の防止を達成し得るか否かも判然としないことは上記説示のとおりで10あるから、いずれにしても、本件規定が憲法13条に違反するとの原告の主張はその前提を欠くものといわざるを得ない。したがって、原告の主張を踏まえても、本件規定が憲法13条に違反しないとの判断は、何ら左右されるものではない。 ⑵ 本件規定の憲法14条1項適合性について15原告は、本件規定について、非喫煙者に対しては、「飲食店において受動喫煙を回避しながら飲食を楽しむこと」を可能とする一方、喫煙者に対しては、「飲食店において喫煙を楽しみながら飲食を行うこと」を制限するものであって、非喫煙者と喫煙者とを法的に差別して取り扱うものであるから、憲法14条1項に違反すると主張する。 20しかしながら、本件規定は、喫煙者と非喫煙者の別なく、第二種施設における喫煙を一定の場所を除いて禁止するものであって、適用の面においても内容の面においても、喫煙者と非喫煙者とを均等に取り扱っており、両者を何ら法的に差別していない。原告の上記主張は、結局、喫煙を制限する本件規定の内容の不当性をいう趣旨にすぎないのであって、喫煙者と非喫煙者と25の差別的取扱いを摘示するものではないというべきである。 16 なお、仮に、原告主張の点が差別的取 煙を制限する本件規定の内容の不当性をいう趣旨にすぎないのであって、喫煙者と非喫煙者と25の差別的取扱いを摘示するものではないというべきである。 16 なお、仮に、原告主張の点が差別的取扱いに当たると解する余地があるとしても、「喫煙を楽しみながら飲食を行うこと」に対する制約が、事柄の性質に応じた合理的な根拠に基づくものであることは、上記⑴ウで説示したとおりである。 したがって、原告の上記主張は、法的な差別的取扱いを摘示するものでは5なく、仮に摘示するものだとしても、そうした取扱いには事柄の性質に応じた合理的な根拠があるといえるから、本件規定は、憲法14条1項に違反するものではない。 第4 結論以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求は理由10がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第7部 裁判長裁判官 新 谷 祐 子15 裁判官 松 原 平 学 20 裁判官 志 村 敬 一17 別紙1は記載省略 (別紙2)18 〇 健康増進法(平成三十年法律第七八号による改正前のもの) (目的) 第一条 この法律は、我が国における急速な高齢化の進展及び疾病構造の変化に伴い、国民の健康の増進の重要性が著しく増大していることにかんがみ、国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国 んがみ、国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることを目的とする。 (国民の責務) 第二条 国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。 (基本方針) 第七条 厚生労働大臣は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(以下「基本方針」という。 )を定めるものとする。 2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。 一~五(略) 六 食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康の保持その他の生活習慣に関する正しい知識の普及に関する事項 七 (略) 3~4(略) 第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その 第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。 )を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。 (別紙3)19 〇 健康増進法(平成三十年法律第七八号による改正後のもの) (目的) 第一条(改正前に同じ) (国民の責務) 第二条(改正前に同じ) (基本方針) 第七条(改正前に同じ) (喫煙をする際の配慮義務等) 第二十七条 何人も、特定施設及び旅客運送事業自動車等(以下この章において「特定施設等」という。 )の第二十九条第一項に規定する喫煙禁止場所以外の場所において喫煙をする際、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない。 2(略 喫煙をする際、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない。 2(略) (定義) 第二十八条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 たばこ たばこ事業法(昭和五十九年法律第六十八号)第二条第三号に掲げる製造たばこであって、同号に規定する喫煙用に供されるもの及び同法第三十八条第二項に規定する製造たばこ代用品をいう。 二 喫煙 人が吸入するため、たばこを燃焼させ、又は加熱することにより煙(蒸気を含む。 次号及び次節において同じ。 )を発生させることをいう。 三 受動喫煙 人が他人の喫煙によりたばこから発生した煙にさらされることをいう。 四 特定施設 第一種施設、第二種施設及び喫煙目的施設をいう。 五 第一種施設 多数の者が利用する施設のうち、次に掲げるものをいう。 イ 学校、病院、児童福祉施設その他の受動喫煙により健康を 利用する施設のうち、次に掲げるものをいう。 イ 学校、病院、児童福祉施設その他の受動喫煙により健康を損なうおそれが高い者が主として利用する施設として政令で定めるもの ロ 国及び地方公共団体の行政機関の庁舎(行政機関がその事務を処理するために使用する施設に限る。 ) 六 第二種施設 多数の者が利用する施設のうち、第一種施設及び喫煙目的施設以外の施設をいう。 七 喫煙目的施設 多数の者が利用する施設のうち、その施設を利用する者に対して、喫煙をする場所を提供することを主たる目的とする施設として政令で定める要件を満たすものをいう。 八~十三(略) 十四 喫煙関連研究場所 たばこに関する研究開発(喫煙を伴うものに限る。 )の用に供する場所をいう。 (特定施設等における喫煙の禁止等) 第二十九条 何人も、正当な理由がなくて、特定施設等においては、次の各号に掲げる特定施設等の区分に応じ、当該特定施設等の当 正当な理由がなくて、特定施設等においては、次の各号に掲げる特定施設等の区分に応じ、当該特定施設等の当該各号に定める場所(以下この節において「喫煙禁止場 20 所」という。 )で喫煙をしてはならない。 一 第一種施設 次に掲げる場所以外の場所 イ 特定屋外喫煙場所 ロ 喫煙関連研究場所 二 第二種施設 次に掲げる場所以外の屋内の場所 イ 第三十三条第三項第一号に規定する喫煙専用室の場所 ロ 喫煙関連研究場所 三 喫煙目的施設 第三十五条第三項第一号に規定する喫煙目的室以外の屋内の場所 四~五(略) 2 都道府県知事は、前項の規定に違反して喫煙をしている者に対し、喫煙の中止又は同項第一号から第三号までに掲げる特定施設の喫煙禁止場所からの退出を命ずることができる。 (特定施設等の管理権原者等の責務) 第三十条 特定施設等の管理権原者等(管理権原者及び施設又は旅客運送事業自動車等の管理者をいう。 以 ) 第三十条 特定施設等の管理権原者等(管理権原者及び施設又は旅客運送事業自動車等の管理者をいう。 以下この節において同じ。 )は、当該特定施設等の喫煙禁止場所に専ら喫煙の用に供させるための器具及び設備を喫煙の用に供することができる状態で設置してはならない。 2 特定施設の管理権原者等は、当該特定施設の喫煙禁止場所において、喫煙をし、又は喫煙をしようとする者に対し、喫煙の中止又は当該喫煙禁止場所からの退出を求めるよう努めなければならない。 3~4(略) (喫煙専用室) 第三十三条 第二種施設等(第二種施設並びに旅客運送事業鉄道等車両及び旅客運送事業船舶をいう。 以下この条及び第三十七条第一項第一号において同じ。 )の管理権原者は、当該第二種施設等の屋内又は内部の場所の一部の場所であって、構造及び設備がその室外の場所(特定施設等の屋内又は内部の場所に限る。 )へのたばこの煙の流出を防止するための基準 備がその室外の場所(特定施設等の屋内又は内部の場所に限る。 )へのたばこの煙の流出を防止するための基準として厚生労働省令で定める技術的基準に適合した室(次項及び第三項第一号において「基準適合室」という。 )の場所を専ら喫煙をすることができる場所として定めることができる。 2~4(略) 5 喫煙専用室設置施設等の管理権原者等は、二十歳未満の者を当該喫煙専用室設置施設等の喫煙専用室に立ち入らせてはならない。 6~7(略) 附 則〔平成三〇年七月二五日法律第七八号〕 (既存特定飲食提供施設に関する特例) 第二条 既存特定飲食提供施設についてのこの法律の施行の日から受動喫煙(第三条の規定による改正後の健康増進法(以下「新法」という。 )第二十八条第三号に規定する受動喫煙をいう。 附則第五条第一項を除き、以下同じ。 )の防止に関する国民の意識及び既存特定飲食提供施設における受動喫煙を防止するための取組 き、以下同じ。 )の防止に関する国民の意識及び既存特定飲食提供施設における受動喫煙を防止するための取組の状況を勘案し別に法律で定める日までの間における新法第二十九条第一項第二号、第三十三条及び第三十四条 21 の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる新法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 2 前項の「既存特定飲食提供施設」とは、この法律の施行の際現に存する第二種施設(新法第二十八条第六号に規定する第二種施設をいう。 )のうち、飲食店、喫茶店その他設備を設けて客に飲食をさせる営業が行われる施設(次の各号に掲げるいずれかの会社により営まれるもの又は当該施設の客席の部分の床面積が百平方メートルを超えるものを除く。 )をいう。 一 大規模会社(資本金の額又は出資の総額が五千万円を超える会社をいう。 次号において同じ。 ) 二 資本金の額又は出 社(資本金の額又は出資の総額が五千万円を超える会社をいう。 次号において同じ。 ) 二 資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の会社のうち、次に掲げるもの イ 一の大規模会社が発行済株式又は出資の総数又は総額の二分の一以上を有する会社 ロ 大規模会社が発行済株式又は出資の総数又は総額の三分の二以上を有する会社(イに掲げるものを除く。 ) (指定たばこ専用喫煙室に関する経過措置) 第三条 新法第三十三条第一項に規定する第二種施設等(以下この項並びに次条第一項第一号及び第四号において「第二種施設等」という。 )の管理権原者が当該第二種施設等の屋内又は内部の場所の一部の場所を指定たばこ(新法第二十八条第一号に規定するたばこ(以下この項において「たばこ」という。 )のうち、当該たばこから発生した煙(蒸気を含む。 )が他人の健康を損なうおそれがあることが明らかでないたばことして厚生労働大臣が指定するものをいう む。 )が他人の健康を損なうおそれがあることが明らかでないたばことして厚生労働大臣が指定するものをいう。 以下この項において同じ。 )のみの喫煙(新法第二十八条第二号に規定する喫煙をいう。 )をすることができる場所として定めようとする場合における当該第二種施設等についての新法第二十九条第一項、第三十三条及び第三十四条の規定の適用については、この法律の公布の際における指定たばこによる受動喫煙が人の健康に及ぼす影響に関する科学的知見に鑑み、当分の間、次の表の上欄に掲げる新法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 第二十九条第一項第二号イ及び第五号並びに第三十三条の見出し 喫煙専用室 指定たばこ専用喫煙室 第二十九条第一項第二号イ及び第五号並びに第三十三条の見出し 喫煙専用室 第三十三条第一項 一部 専ら喫煙 喫煙可能室 全部又は一部 喫煙 (後略) 22 見出し 喫煙専用室 第三十三条第一項 一部 専ら喫煙 喫煙可能室 全部又は一部 喫煙 (後略) 22 2~6(略) 第三十三条第一項 たばこ 専ら喫煙 指定たばこ(たばこのうち、当該たばこから発生した煙が他人の健康を損なうおそれがあることが明らかでないたばことして厚生労働大臣が指定するものをいう。 以下この項において同じ。 ) 喫煙(指定たばこのみの喫煙をいう。 以下この条において同じ。 ) (後略)
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