平成3(行ウ)5 不作為の違法確認請求事件

裁判年月日・裁判所
平成4年7月28日 青森地方裁判所 公物・公企業など
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【DRY-RUN】○ 主文 本件訴えをいずれも却下する。 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実及び理由 第一 請求 一 被告が原告に対して平成三年八月二七日付けでしたりんご石碑の建立寄付の申 請を拒否する処分を取り消

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判決文本文4,169 文字)

○ 主文 本件訴えをいずれも却下する。 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実及び理由 第一 請求 一 被告が原告に対して平成三年八月二七日付けでしたりんご石碑の建立寄付の申 請を拒否する処分を取り消す。 二 被告は、原告に対し、別紙図面イ、ロ、ハ、ニ、イの各点を順次直線で結んだ 範囲内の土地(半坪ないし一坪位)をりんご石碑建立の設置場所として許可する。 第二 事案の概要 一 争いのない事実 原告は、青森県において初めてりんごが植栽された地とされる弘前大学医学部正門 近くにこれを記念する石碑を建立して寄付しようと考え、被告に対し、平成三年七 月一五日付けでりんご石碑建立の設置場所についての回答申請(以下「本件申請」 という。)をしたところ、被告は、原告に対して平成三年八月二七日付けで弘前大 学の整備計画上支障となるので同意できない旨の回答(以下「本件回答」とい う。)をした。 二 本件の争点 1 本件訴えは適法か否か。 (一) 本件回答は取消訴訟の対象となる行政処分か否か。 (二) 請求二の許可を求める訴えは適法か否か。 2 本件回答が行政処分であるとした場合、処分は適法か否か。 三 争点についての当事者の主張 1 争点1(本件訴えが適法か否か)についての被告の主張 (一) 本件回答の処分性について 行政事件訴訟法三条二項に定める「処分の取消しの訴え」の「処分」とは、行政庁 の処分その他公権力の行使に当たる行為で、同条三項に定める裁決、決定その他の 行為を除くものとされているところ、原告は、本件申請は、りんご石碑設置のため の土地の使用許可を求めるものであると主張し、これは国有財産の目的外使用の許 可を求めるものと解されるが、この許可については使用希望者に法令上申請権が認 められていないから、被告においてこれに対し回答する義務を負うものではない。 したがって、被告においてこ 財産の目的外使用の許 可を求めるものと解されるが、この許可については使用希望者に法令上申請権が認 められていないから、被告においてこれに対し回答する義務を負うものではない。 したがって、被告においてこれを拒否する旨の回答をしてもなんら原告の権利を侵 害するものではないから、本件回答は、行政事件訴訟法三条二項に定める取消訴訟 の対象となる処分に該当しないことは明らかである。 また、原告は、本件申請は、併せてりんご石碑の寄付の申出をしたものであると主 張する。しかし、寄付の申出は贈与の申込みたる意思表示であり、これに対する被 告の本件回答も贈与の申込みに対する拒否の意思表示にすぎないものであるから、 契約自由の原則が適用される対等当事者間の私法上の問題であって、何ら行政庁の 公権力の行使に関する事項に当たるものではなく、取消訴訟の対象となる行政処分 には当たらない。 したがって、本件回答が行政処分であるとして、その取消しを求める請求一の訴え は不適法である。 (二) 義務づけ訴訟について 請求二の訴えは、裁判所に対し、行政機関たる被告にりんご石碑建立の設置場所と して国有財産の目的外使用を許可するという行政行為を求める趣旨であると解され るが、このような義務づけ訴訟が認められる法律上の根拠は存在しないし、かかる 請求は三権分立の制度の趣旨に反し許されないものであるから、原告の右訴えは不 適法である。 2 争点2(本件回答が行政処分であるとした場合、処分が適法か否か)について の原告の主張 弘前大学は、教育基本法の精神に則り、広く知識を授け、深く専門の学芸を教授、 研究し、知的、道徳的、応用能力を展開させ、人類文化に貢献し得る教養識見を備 えた人格者の育成を大学の目的としている。そして、地方大学は、オーソドックス な学問研究の府であると同時に地域社会の産業文化の開発進展を助けると 的、応用能力を展開させ、人類文化に貢献し得る教養識見を備 えた人格者の育成を大学の目的としている。そして、地方大学は、オーソドックス な学問研究の府であると同時に地域社会の産業文化の開発進展を助けるという使命 を持っている。したがって、青森県が全国有数のりんごの産地であるという地域的 特徴からしても、また、弘前大学が設置の当初より青森県の主産業であるりんご栽 培の研究を主とした農学部を設置した経緯からしても、原告においてりんご石碑を 建立することは、地方大学の目的である地域社会の産業文化の開発進展を助けると いう使命と合致するものである。 そして、原告が設置しようとしているりんご石碑は、弘前大学構内に既に設置され ている石碑と比べても、石碑設置に必要な面積は少なく、また設置場所も道路端で あって、被告の整備計画になんら支障を来すものではない。 したがって、りんご石碑は、大学の目的などあらゆる面において他の石碑より優 れ、また、石碑設置が被告の整備計画になんら支障を来すものではないにもかかわ らず、被告において原告の本件申請を拒否した本件回答は、憲法の公平の原則に違 反し、また教育基本法にも違反する違法なものであるとともに裁量権の濫用であ る。 第三 争点に対する判断 一 争点1(本件訴えが適法か否か)について 1 (一)本件訴えのうち、まず、請求一の本件回答が行政処分であるとして、そ の取消しを求める訴えの適法性について判断するに、行政事件訴訟法三条二項の処 分の取消しの訴えの対象となる「処分」とは、公権力の主体たる国または公共団体 が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し、またはその 範囲を確定することが法律上認められているものをいうと解される。 そして、一般に、申請に対する行政庁の拒否行為は、申請人が申請権を有している 場合には、手続的な権利を侵害 の権利義務を形成し、またはその 範囲を確定することが法律上認められているものをいうと解される。 そして、一般に、申請に対する行政庁の拒否行為は、申請人が申請権を有している 場合には、手続的な権利を侵害し、又は申請にかかる処分を得る可能性を奪うこと において申請人の法律上の利益に影響を及ぼすものとして処分に当たるが、申請人 が法令による申請権を有しない場合には、申請人の法律上の利益になんら影響を与 えるものではないから、処分には当たらず、取消訴訟の対象とはならないと解する のが相当である。 そこで、本件回答の処分性について検討するに、原告は、本件申請はりんご石碑建 立のための土地の使用許可を求めるものであると主張し、これは、大学教育及び学 術研究の場である国立弘前大学の敷地を弘前大学設置目的以外に使用することにつ いての許可を求めるものと解されるところ、この点について国有財産法一八条三項 は、「行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度において、その使用又は収益 を許可することができる。」と定めているが、同規定は、行政財産の本来の用途又 は目的が阻害されることのないようにするために同条一項で私権の設定による使用 収益を禁止した上で、あくまでも当該施設の管理者が目的外使用の必要性を認めた 場合のために例外的に置かれた規定であると解するのが相当であり、使用希望者に 対し当該行政財産を使用することができる実体法上の権利ないし法的利益を賦与す るものでなく、また、国有財産法その他の法令上使用希望者に対し手続上の権利と して申請権がある旨を定めた明文の規定やそれを前提とした手続的な規定はない。 なお、文部省所管国有財産取扱規程(文部省訓令)及び弘前大学国有財産取扱規則 は、行政庁の組織内部における規律(内規)にとどまり、法令として国民に申請権 を賦与する効力を有するものではない。したが い。 なお、文部省所管国有財産取扱規程(文部省訓令)及び弘前大学国有財産取扱規則 は、行政庁の組織内部における規律(内規)にとどまり、法令として国民に申請権 を賦与する効力を有するものではない。したがって、国有財産の目的外使用の許可 申請については、申請人に法令上の申請権が認められていないから、目的外使用の 許可申請に対する拒否行為は申請人の法律上の利益になんら影響を与えるものでは なく、取消訴訟の対象となる処分には当たらない。 そうすると、本件回答が土地の使用許可申請を拒否した処分であるとして、その取 消しを求める訴えは不適法であるといわなければならない。 (二) また、原告は、本件申請は、併せてりんご石碑の寄付の申出をしたもので あると主張するが、そうであるとすれば、それは単に私法上の贈与の申し込みに対 する承諾を求めるものであって、これに対する被告の本件回答も贈与の申し込みの 拒否にすぎず、公権力の行使に関するものではないから、これを行政処分とみるこ とはできない。 したがって、りんご石碑の寄付の申出の拒否が処分であるとして、その取消しを求 める訴えも不適法である。 (三) 以上のとおりであるから、請求一の訴えは不適法であって却下を免れな い。 2 次に、本件訴えのうち請求二の土地の使用許可を求める訴えの適法性について 判断するに、これは、被告に許可処分を命じることを求めるいわゆる義務づけ訴訟 に当たるところ、仮にこのような訴えが許容される場合があるとしても、そもそも 原告に右の許可処分につき法令上の申請権が存在することが当然の前提となるとこ ろ、前記認定のとおり、原告には弘前大学の敷地の使用許可を求める法令上の申請 権はないから、右の訴えは不適法であって、却下を免れないというべきである。 二 結論 以上の次第であり、原告の本件訴えは、その余の点(争点2)について判断 は弘前大学の敷地の使用許可を求める法令上の申請 権はないから、右の訴えは不適法であって、却下を免れないというべきである。 二 結論 以上の次第であり、原告の本件訴えは、その余の点(争点2)について判断するま でもなく、いずれも不適法であって、却下を免れない。 (裁判官 小野 剛 佐藤道明 田邊浩典) 別紙図面(省略)

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