○ 主文原告の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。○ 事実第一当事者の求める裁判一請求の趣旨 1 被告が原告に対し昭和四七年一〇月一三日付で原告の昭和四二年分所得税についてなした再更正処分並びに重加算税及び過過少申告加算税の賦課決定処分を取り消す。2 訴訟費用は被告の負担とする。との判決。二請求の趣旨に対する答弁主文同旨の判決。第二当事者の主張一請求原因 1 原告は、被告に対し、昭和四二年分所得税について別表(一)イ欄記載のとおり総所得金額を二二四万九、二二一円(内訳営業所得の金額一九万〇、九九三円、給与所得の金額一六七万円、課税譲渡所得の金額三八万八、二二八円)、納付すべき税額を二一万八、〇〇〇円とする確定申告をしたところ、被告は、昭和四六年三月三日付で同表ロ欄記載のとおり総所得金額を一九六万三、九五三円(内訳営業所得及び給与所得の金額は前同額、雑所得の金額一〇万二、九六〇円)、納付すべき税額を一三万二、二〇〇円とする更正処分をなし、さらに昭和四七年一〇月一三日付で、同表ハ欄記載のとおり総所得金額を三、〇四〇万八、二六二円(内訳営業所得及び給与所得の金額は前同額、雑所得の金額一〇万二、九六〇円、課税譲渡所得の金額二、八四四万四、三〇九円)、納付すべき税額を一、五四三万五、一〇〇円とする再更正処分並びに重加算税の額を四三三万三、八〇〇円及び過少申告加算税の額を四万二、八〇〇円とする賦課決定処分をなした。2 原告は、右再正処分及び賦課決定処分につき同年一二月一一日被告に対し異議申立をしたが、被告は昭和四八年一月一二日付でこれを棄却する旨の決定をしたので、原告は国税不服審判所長に対し審査請求をしたが、同所長は、昭和五〇年一〇月一六日別表(一)ニ欄記載のとおり総所得金額を二、六〇九万六、二三八円(内 八年一月一二日付でこれを棄却する旨の決定をしたので、原告は国税不服審判所長に対し審査請求をしたが、同所長は、昭和五〇年一〇月一六日別表(一)ニ欄記載のとおり総所得金額を二、六〇九万六、二三八円(内訳営業所得、給与所得、雑所得の金額は再更正処分と同額課税譲渡所得の金額二、四一三万二、二八五円)、納付すべき税額を一、二八四万三、七〇〇円、重加算税の額を三四九万〇、五〇〇円、過少申告加算税の額を四万九、五〇〇円とする裁決をなした。 する旨の決定をしたので、原告は国税不服審判所長に対し審査請求をしたが、同所長は、昭和五〇年一〇月一六日別表(一)ニ欄記載のとおり総所得金額を二、六〇九万六、二三八円(内訳営業所得、給与所得、雑所得の金額は再更正処分と同額課税譲渡所得の金額二、四一三万二、二八五円)、納付すべき税額を一、二八四万三、七〇〇円、重加算税の額を三四九万〇、五〇〇円、過少申告加算税の額を四万九、五〇〇円とする裁決をなした。3 しかしながら、被告が昭和四七年一〇月一三日付でなした本件再更正処分及び賦課決定処分は、昭和四二年分所得税の法定申告期限である昭和四三年三月一五日から三年を経過したのちになされたという点に違法があるばかりか、譲渡所得金額を認定するための基礎となつた不動産譲渡による総収入金額を誤つて多額に認定し、当該不動産の取得原価を少額に認定し、さらには当該不動産の取得に要した支払利息及び管理費を右総収入金額から控除しなかつたという違法がある。よつて原告は、被告に対し、本件再更正処分及び賦課決定処分の取消を求める。二請求原因に対する認否請求原因1、2の各事実は認める。同3の事実中、本件再更正処分及び賦課決定処分が昭和四二年分所得税の法定申告期限である昭和四三年三月一五日から三年経過したのちであることは認めるが、その余は争う。三被告の主張 1 本件再更正処分及び賦課決定処分は、昭和四二年分所得税の法定申告期限である昭和四三年三月一五日から三年を経過したのちである昭和四七年一〇月一三日付でなされたものであるが、原告は、本件係争年分の所得税について、所得の一部を架空名義の別口預金にするなど不正の行為により所得の一部を隠ぺいして虚偽の確定申告書を提出し、また被告の職員の調査における質問検査に際し、虚偽の陳述及び虚偽の事実の呈示 所得税について、所得の一部を架空名義の別口預金にするなど不正の行為により所得の一部を隠ぺいして虚偽の確定申告書を提出し、また被告の職員の調査における質問検査に際し、虚偽の陳述及び虚偽の事実の呈示をなして、所得税の一部を免れたものであるから、本件再更処分及び賦課決定処分は、国税通則法七〇条二項四号が定める「偽りその他不正の行為によりその一部の税額を免れた国税についての更正又は賦課決定」にあたり、前記法定申告期限から五年を経過する日まですることができるもので、本件再更処分及び賦課決定処分は五年を経過する以前になされているから、何ら違法ではない。 る質問検査に際し、虚偽の陳述及び虚偽の事実の呈示をなして、所得税の一部を免れたものであるから、本件再更処分及び賦課決定処分は、国税通則法七〇条二項四号が定める「偽りその他不正の行為によりその一部の税額を免れた国税についての更正又は賦課決定」にあたり、前記法定申告期限から五年を経過する日まですることができるもので、本件再更処分及び賦課決定処分は五年を経過する以前になされているから、何ら違法ではない。2 国税不服審判所長がなした裁決は、原告の課税譲渡所得を二、四一三万二、二八五円とし、その内訳につき別表(二)イ欄記載のとおり認定したものであるが、以下に詳述するとおり、これを正しく認定すると同表ロ欄記載のとおり原告の課税譲渡所得は二、九八一万八、五七三円となり、これより少ない前記金額をもつて課税譲渡所得として、納付すべき税額を定めた本件再更正処分(裁決により取り消されたのちのもの)は何ら違法ではない。(一) 同表の記載の収入金額一億〇、一五〇万円は、原告が公有水面埋立権に基づき埋立てた長崎市<地名略>外八万七、六一八平方メートルの土地(以下「本件第一物件」という。)及び公売手続により取得した同市<地名略>外一四筆、合計一万二、四二九平方メートルの土地(以下「本件第二物件」という。)を別表(三)記載のとおり芙蓉興発株式会社及びAに売却した譲渡代金である。ところで、原告は、右各土地を総額六、九五〇万円で売却したとして同表(1)記載の二〇〇万円、(2)記載の五〇〇万円、(4)記載の二、五〇〇万円、合計三、二〇〇万円を右各土地の売買代金の一部として受領したものであることを否認する。しかしながら、原 却したとして同表(1)記載の二〇〇万円、(2)記載の五〇〇万円、(4)記載の二、五〇〇万円、合計三、二〇〇万円を右各土地の売買代金の一部として受領したものであることを否認する。しかしながら、原告が右金員を売買代金の一部として受領したことは次の事実からして明からである。(1) 原告と芙蓉興発との売買契約書の売買代金額は四、七〇〇万円であるが、原告は、同金員を受領した以外に別表(四)記載のとおり原告の架空名義預金に芙蓉興発から入金したと認められる合計五、〇〇〇万円の預金を有している。同表(3)ないし(6)記載の合計一、八〇〇万円については、原告は異議申立時において売買代金の一部であることは認めており、これは別表(三)(3)記載の売買代金に該当する。 て明からである。(1) 原告と芙蓉興発との売買契約書の売買代金額は四、七〇〇万円であるが、原告は、同金員を受領した以外に別表(四)記載のとおり原告の架空名義預金に芙蓉興発から入金したと認められる合計五、〇〇〇万円の預金を有している。同表(3)ないし(6)記載の合計一、八〇〇万円については、原告は異議申立時において売買代金の一部であることは認めており、これは別表(三)(3)記載の売買代金に該当する。(2) 別表(四)(1)、(2)記載の金員は、芙蓉興発の代表取締役Bが、監査役をしていた有限会社高山金属が、昭和四一年三月一三日に振出した額面二〇〇万円の小切手及び同月二九日に振出した額面五〇〇万円小切手で、山口銀行長崎支店の原告の妻C名義の当座預金へそれぞれ入金されたものであるが、右二〇〇万円は同年三月一五日現金で引き出され、また、右五〇〇万円のうち三〇〇万円は同年四月一日小切手で引き出され西日本相互銀行大波止支店の、その余の二〇〇万円も右同日小切手で引き出され肥後銀行長崎支店の各原告名義の通知預金に預け入れられている。そして、有限会社高山金属は、昭和四一年三月二九日に、小切手の振出しにあてるための五〇〇万円を、芙蓉興発の関係会社である国倉産業株式会社から送金を受けているのである。(3) 同表(7)、(8)記載の金員は、同表記載のとおり現金で昭和四一年七月七日に入金されているが、同日に芙蓉興発は親和銀行住吉支店の自己名義の当座預金から額面二、五〇〇万円の小切手を振出し、同日芙蓉興発の代 (7)、(8)記載の金員は、同表記載のとおり現金で昭和四一年七月七日に入金されているが、同日に芙蓉興発は親和銀行住吉支店の自己名義の当座預金から額面二、五〇〇万円の小切手を振出し、同日芙蓉興発の代表取締役であるBが右金額を受領している。(4) Bは、昭和四一年四月九日に原告も土地売買代金の一部として認めている別表(三)(3)記載の一、八〇〇万円の支払いもなしており、また、同人は、別表(三)(1)、(2)、(4)記載の金員を土地売買代金の一部として原告に対し支払つたことを認めている。(5) 原告は、別表(四)(1)ないし(3)記載の金員については、芙蓉興発が長崎市内に事務所を有していなかつたためにC名義の当座預金口座の利用を許していたことから、芙蓉興発が資金送金のために振り込みをしたものであり、同表(7)、(8)記載の金員については、原告が芙蓉興発に貸し渡した一、八〇〇万円に対する元利金の弁済として受領したものであると主張するが、芙蓉興発は当時前記有限会社高山金属の本店を長崎市における事務所として利用しており、しかも高山金属の取引銀行における当座預金口座を送受金のための預金口座として利用していた。 当座預金口座の利用を許していたことから、芙蓉興発が資金送金のために振り込みをしたものであり、同表(7)、(8)記載の金員については、原告が芙蓉興発に貸し渡した一、八〇〇万円に対する元利金の弁済として受領したものであると主張するが、芙蓉興発は当時前記有限会社高山金属の本店を長崎市における事務所として利用しており、しかも高山金属の取引銀行における当座預金口座を送受金のための預金口座として利用していた。一方C名義の預金口座には、別表(四)(1)ないし(3)記載の金員以外に芙蓉興発からの入金はなく、右口座を送金のために利用していた事実はない。そもそも送金のための普通預金口座の開設は極めて簡単な手続きでできるものでうあり、また、芙蓉興発の代表取締役であるBが長崎市に居住していたのであるから、他人の口座を借りる必要もなかつたのである。また、同表(4)記載の金員についても、Bは、右金員の借り入れを否定しているし、三か月間で一、八〇〇万円の元本に七〇〇万円の利息を支払うことになる原告の主張は、到底採用できるものではない。以上のことから、別表(四) 載の金員についても、Bは、右金員の借り入れを否定しているし、三か月間で一、八〇〇万円の元本に七〇〇万円の利息を支払うことになる原告の主張は、到底採用できるものではない。以上のことから、別表(四)(1)、(2)、(7)、(8)記載の金員の合計三、二〇〇万円を売買代金の一部として原告が受け取つたことは明らかであり、原告の収入金額は一億〇、一五〇万円となる。(二) 別表(二)の記載の収入金額から控除されるべき同表(3)記載の本件第一物件の造成費は三、六三五万円である。裁決は、原告が右土地の造成費として出捐した金額を四、四三五万円と認定したが、原告が右土地の埋立権を取得した時点では、ほとんど埋立が完成しており、原告が昭和三〇年三月長崎県知事に提出した公有水面埋立権譲渡願では、竣工部分一万八、〇〇八坪、未竣工部分三四七坪としており、竣工割合は九八・一パーセントの状態にあつた。その後原告は、右土地を放置していたため、その三分の一から半分程度が波に洗われ、損壊流失したので復旧工事を行つており、原告が、昭和三八年六月一〇日付で長崎県知事に提出した公有水面埋立工事竣工期間伸長許可申請書においても、竣工部分一万八、一三二坪、未竣工部分二二四坪で、竣工部分は昭和三〇年三月から一二四坪増加したにすぎない。 坪、未竣工部分三四七坪としており、竣工割合は九八・一パーセントの状態にあつた。その後原告は、右土地を放置していたため、その三分の一から半分程度が波に洗われ、損壊流失したので復旧工事を行つており、原告が、昭和三八年六月一〇日付で長崎県知事に提出した公有水面埋立工事竣工期間伸長許可申請書においても、竣工部分一万八、一三二坪、未竣工部分二二四坪で、竣工部分は昭和三〇年三月から一二四坪増加したにすぎない。そうすると、原告が、昭和三六年四月から六月にかけて有限会社西海土建に支払つた請負工事代金八〇〇万円は、右土地の埋立に要した費用ではなく、取得時の原状に回復するために出捐した復旧費であると認められる。ところで所得税法三八条一項に定める改良費とは、当該資産の使用可能期間を延長させ、あるいは資産の客観的価値を増加させることとなる支出をいうと解すべきであり、右の八〇〇万円は同条にいう改良費にはあたらず、これを控除すると正当な造成費(改良費)は三、六三五万円となる 期間を延長させ、あるいは資産の客観的価値を増加させることとなる支出をいうと解すべきであり、右の八〇〇万円は同条にいう改良費にはあたらず、これを控除すると正当な造成費(改良費)は三、六三五万円となる。(三) 別表(二)(1)記載の収入金額から控除されるべき同表(2)記載の土地等取得価額は、五二一万二、八五三円で、その内訳は本件第一物件についての公有水面埋立権の取得価額が四二二万六、三五三円、本件第二物件の土地の取得価額が九八万六、五〇〇円である。右公有水面埋立権の取得価額は、原告が長崎県知事から同権利の譲受の許可を受けた昭和三〇年四月現在の時価相当額として別表(五)記載の計算方法により算出したものである。右計算方法は、不動産鑑定評価基準(昭和四四年九月二九日付建設省住宅地審発第一五号)に規定する不動産の鑑定評価の方式である原価方式、比較方式、時点修正及び土地価格推移指数表の活用等の鑑定評価手法を適切に駆使した合理的なものであるばかりでなく、価格算定の取得時を原告が実際に取得した時点よりのちの長崎県知事の譲受の許可があつた昭和三〇年四月としていることは、原告に有利な計算方法を取つたものである。原告は、昭和二五年ころ丸善石油株式会社から、右公有水面埋立権を一、八〇〇万円で買い受け、昭和三〇年ころ右代金の支払いを完了した旨主張するが、当時の国民所得水準、物価、土地価格の推移等の社会経済事情からして、右金額は到底措信できるものではなく、原告の右主張を裏付ける売買契約書等の資料も何ら存在しない。 崎県知事の譲受の許可があつた昭和三〇年四月としていることは、原告に有利な計算方法を取つたものである。原告は、昭和二五年ころ丸善石油株式会社から、右公有水面埋立権を一、八〇〇万円で買い受け、昭和三〇年ころ右代金の支払いを完了した旨主張するが、当時の国民所得水準、物価、土地価格の推移等の社会経済事情からして、右金額は到底措信できるものではなく、原告の右主張を裏付ける売買契約書等の資料も何ら存在しない。ちなみに、原告が右公有水面埋立権の対象地に隣接する本件第二物件を昭和三五年一〇月ころ長崎税務署及び長崎市役所から坪当たり二六二円で取得しており、また右対象地の北側に隣接する土地を対象地とする公有水面埋立権及び長崎市<地名略>の山林が昭和四〇年八月四日坪 物件を昭和三五年一〇月ころ長崎税務署及び長崎市役所から坪当たり二六二円で取得しており、また右対象地の北側に隣接する土地を対象地とする公有水面埋立権及び長崎市<地名略>の山林が昭和四〇年八月四日坪当り一一三円で旭興業株式会社から芙蓉興発に売り渡されている取引事例などからしても、坪当り一、〇〇〇円もの価格になる前記一、八〇〇万円という金額は到底信用できるものではない。(四) 原告は、別表(二)(1)記載の収入金額から控除されるべきものとして、なお、支払利息四三七万九、四〇〇円及び管理費二七万九、〇〇〇円をあげるが、右支払利息は、原告が昭和三〇年四月ころ取得しその後前記(二)記載のとおり波に洗われて損壊流失した公有水面埋立権の対象地を、取得時の原状に回復するための復旧費として、昭和三六年四月六日五〇〇万円を、同年六月一二日三〇〇万円をそれぞれ長崎相互銀行本店から借り受けた借入金に対する同年四月から昭和四一年九月までの利息であり、また右の管理費は、昭和二六年四月から昭和三八年一二月までの間の埋立権の対象地の管理責任者であつたDに報酬として支払われたもので、いずれも、所得税法三八条一項に定めるその資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費にあたらず、右金額を収入金額から控除すべきものではない。仮に支払利息が右のいずれかにあたるとしても原告が支払つた利息は三九五万四、八四二円である。3 原告は、その所有地を芙蓉興発に売却した際、前記のとおり売買契約書の売買代金額を仮装し、五、〇〇〇万円の譲渡収入金を隠ぺいして正しく申告しなかつたものであるから、別表(二)ロ欄記載のとおり正しく認定した原告の譲渡所得五、九六三万七、一四七円より少ない四、八二六万四、五七一円を譲渡取得額として、これと申告額七七万六、四五七円との差引増差所得額四、七四八万八、一一 利息は三九五万四、八四二円である。3 原告は、その所有地を芙蓉興発に売却した際、前記のとおり売買契約書の売買代金額を仮装し、五、〇〇〇万円の譲渡収入金を隠ぺいして正しく申告しなかつたものであるから、別表(二)ロ欄記載のとおり正しく認定した原告の譲渡所得五、九六三万七、一四七円より少ない四、八二六万四、五七一円を譲渡取得額として、これと申告額七七万六、四五七円との差引増差所得額四、七四八万八、一一 (二)ロ欄記載のとおり正しく認定した原告の譲渡所得五、九六三万七、一四七円より少ない四、八二六万四、五七一円を譲渡取得額として、これと申告額七七万六、四五七円との差引増差所得額四、七四八万八、一一四円に対して国税通則法六八条一項に基づき計算した金額三七六万〇、五〇〇円より少ない三四九万〇、五〇〇円を重加算税とし、さらに同法六五条一項により四万九、五〇〇円の過少申告加算税を賦課決定した処分(裁決で取り消されたのちのもの)には違法がない。四被告の主張に対する認否及び反論 1 被告の主張1、2本文、3は争う。2 同2(一)のうち、原告が公有水面埋立権に基づき埋立てた本件第一物件及び公売により取得した本件第二物件を芙蓉興発及びEに売却したこと、別表(三)(3)、(5)ないし(9)記載の合計六、九五〇万円を同表記載の日時に右売買代金として受領したことは認め、同表(1)、(2)、(4)記載の合計三、二〇〇万円を売買代金として受領したことは否認し、その余の主張は争う。別表(四)(1)、(2)記載の金員は、当時芙蓉興発が長崎市内に事務所を持たなかつたために、送金の便宜上原告が同社に対し山口銀行長崎支店におけるC名義の当座預金口座の利用を許していたので、同社が自己資金の送金のために振り込んだものであつて、売買代金の一部ではない。このことは右の七〇〇万円につき昭和四一年四月一三日C振出しの小切手で芙蓉興発へ払戻している事実からしても明らかである。同表(7)、(8)記載の金員は、原告が芙蓉興発から売買代金の裏金として受領した一、八〇〇万円を同社に融資してほしいとの申し込みを受け、これを融資していたところ、右元金と利息の弁済として受領したもので、同様に売買代金の一部ではない。3 同2(二)の主張は争う。収入金額から控除されるべき造成費は裁決のとおり いとの申し込みを受け、これを融資していたところ、右元金と利息の弁済として受領したもので、同様に売買代金の一部ではない。 金員は、原告が芙蓉興発から売買代金の裏金として受領した一、八〇〇万円を同社に融資してほしいとの申し込みを受け、これを融資していたところ、右元金と利息の弁済として受領したもので、同様に売買代金の一部ではない。3 同2(二)の主張は争う。収入金額から控除されるべき造成費は裁決のとおり いとの申し込みを受け、これを融資していたところ、右元金と利息の弁済として受領したもので、同様に売買代金の一部ではない。3 同2(二)の主張は争う。収入金額から控除されるべき造成費は裁決のとおり四、四三五万円である。被告の主張する八〇〇万円は改良費として収入金額から控除すべきである。4 同2(三)のうち、本件第二物件の取得価額が九八万六、五〇〇円であることは認めるが、公有水面埋立権の取得価額が四二二万六、三五三円であることは否認する。原告は、昭和二五年ころ右公有水面埋立権を一、八〇〇万円で取得したものである。被告の右金額の計算方法は不動産鑑定士等の評価の仕方と対照して余りにもずさんで、到底信用に値するものでない。5 同2(四)のうち、支払利息四三七万九、四〇〇円は原告が公有水面埋立権取得後の昭和三六年四月六日に五〇〇万円、同年六月一二日に三〇〇万円を長崎相互銀行本店から借り受けた金員に対する利息であること、管理費二七万九、〇〇〇円は、昭和二六年以降右埋立工事の管理責任者Dに報酬として支払つたものであることは認めるが、その余の主張は争う。右のように、土地取得のための直接の費用とはいえなくても、土地取得にかかわり支払われた費用は、所得税法三八条一項の取得費、設備費及び改良費の中に含ましめるべきである。第三証拠(省略)○ 理由一請求原因1、2記載の各事実は、当事者間に争いがない。二本件再更正処分及び賦課決定処分が、昭和四二年分所得税の法定申告期限である昭和四三年三月一五日から三年を経過したのちである昭和四七年一〇月一三日付でなされたことは当事者間に争いがなく、成立に争いのない甲第三、四号証の各一、第八号証の二、乙第七、八号証、第三三号証の二、三、原本の存在及び成立に争いのない甲第三、四号証の各二、乙第三四号証、証人Fの証言によ とは当事者間に争いがなく、成立に争いのない甲第三、四号証の各一、第八号証の二、乙第七、八号証、第三三号証の二、三、原本の存在及び成立に争いのない甲第三、四号証の各二、乙第三四号証、証人Fの証言により真正に成立したと認め得る同第一八号証並びに同証人、証人G(第一、二回)の各証言及び原告本人尋問の結果によると、当初被告は、本件第一、第二物件を芙蓉興発及びAに売り渡したのは、原告が代表取締役をしていた株式会社丸善商会であるとして、同社に対し右譲渡所得を認定して、昭和四一年四月一日から昭和四二年三月三一日までの事業年度分法人税青色申告の承認取消処分がなされていたが、同社からの審査請求の結果、国税不服審判所長は昭和四五年一〇月五日本件第一、第二物件の譲渡は原告が個人で行つたものと認定して右処分を取り消したこと、そこで昭和四七年一〇月一三日付で原告に対し本件第一、第二物件の売買による譲渡所得を認定して本件再更正処分及び賦課決定処分がなされたこと、右のとおり当初丸善商会が売り渡したものと認定したのは、同社の取締役会の右各土地を売却する旨の決議に基づき、同社名義で売買契約書が作成されており、また本件第一物件についての公有水面埋立権を丸善石油株式会社から譲り受けたのは丸善商会であるとして長崎県知事の許可を受け、その後の設計変更、埋立工事竣工期間の伸長の許可などすべて丸善商会が受けていた事情からであること、被告が丸善商会に対し前記処分を行う際、原告に対し右売買契約、売買代金受領に関する書類の提出及び受領代金の使途についての説明を求めたが原告はこれを拒否したこと、以上の事実が認められ、さらに原告は昭和四二年分所得税について別表(一)イ欄記載のとおり確定申告をしている(この事実は当事者間に争いがない。 を受け、その後の設計変更、埋立工事竣工期間の伸長の許可などすべて丸善商会が受けていた事情からであること、被告が丸善商会に対し前記処分を行う際、原告に対し右売買契約、売買代金受領に関する書類の提出及び受領代金の使途についての説明を求めたが原告はこれを拒否したこと、以上の事実が認められ、さらに原告は昭和四二年分所得税について別表(一)イ欄記載のとおり確定申告をしている(この事実は当事者間に争いがない。)が、これによれば課税譲渡所得の中に本件各土地の売買によ 以上の事実が認められ、さらに原告は昭和四二年分所得税について別表(一)イ欄記載のとおり確定申告をしている(この事実は当事者間に争いがない。)が、これによれば課税譲渡所得の中に本件各土地の売買による収入を計上せずに過少申告をなしていることは明らかであり、後記三に認定するところによれば、原告は芙蓉興発との本件第一、第二物件の売買につき、代金四、七〇〇万円の契約書を作成し、その余の代金五、〇〇〇万円を裏金として受領し、これを架空人名義の預金口座に預け入れ、被告の原告に対する調査の過程において、代金五、〇〇〇万円の受領につき虚偽の陳述をなしていたことが認められる。以上の事実によれば、原告は、昭和四二年分所得税につき偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れたものであり、右所得税の更正処分及び賦課決定処分は、国税通則法七〇条二項により法定申告期限の日から五年を経過する日まですることができる。そうすると、本件再更正処分及び賦課決定処分は、昭和四二年分所得税の法定申告期限である昭和四三年三月一五日から五年を経過する以前である昭和四七年一〇月一三日付でなされたものであるから、この点について違法はない。三原告が芙蓉興発及びAに対し、本件第一、第二物件を売却し、別表(二)(3)、(5)ないし(9)記載の合計六、九五〇万円を同表記載の各日時に右売買代金として受領したことは当事者間に争いがない。そこで同表(1)、(2)、(4)記載の合計三、二〇〇万円をも原告が芙蓉興発から売買代金の一部として受領したものか否かを検討するに、次のような事実が認められる。1 前顕乙第七号証、成立に争いのない乙第三二号証の一、証人Gの証言(第一回)により真正に成立したと認め得る同第一三号証及び同証人の証言(第一回)並びに原告本人尋問の結果(後記措信し得ない部 右売買代金として受領したことは当事者間に争いがない。そこで同表(1)、(2)、(4)記載の合計三、二〇〇万円をも原告が芙蓉興発から売買代金の一部として受領したものか否かを検討するに、次のような事実が認められる。1 前顕乙第七号証、成立に争いのない乙第三二号証の一、証人Gの証言(第一回)により真正に成立したと認め得る同第一三号証及び同証人の証言(第一回)並びに原告本人尋問の結果(後記措信し得ない部 れる。1 前顕乙第七号証、成立に争いのない乙第三二号証の一、証人Gの証言(第一回)により真正に成立したと認め得る同第一三号証及び同証人の証言(第一回)並びに原告本人尋問の結果(後記措信し得ない部分を除く。)によれば、芙蓉興発が原告から右各土地を買い受ける交渉は、主に同社の代表取締役であつたBが担当し、売買代金の支払いも同人が行つていたところ、原告と芙蓉興発との間で取り交した昭和四一年三月二九日付売買契約書の売買代金額は四、七〇〇万円で、これは別表(三)(5)、(6)、(7)、(8)記載の金額の合計額にあたり、この受取りにあたつては領収証を発行したが、その余の金員については売買契約書に記載しない裏金として取り扱い、前記のとおり売買代金の一部であることにつき当事者間に争いがない同表(3)記載の一、八〇〇万円については領収証など発行されていないことが認められ、これに反する原告本人の供述部分は措信し得ない。2 ところで、成立に争いのない乙第一号証の一、第三号証、第四号証の一、第五号証、第六号証の一及び証人G(第一回)、同Hの各証言並びに原告本人尋問の結果によると、別表(四)記載の各銀行の預金者名義の口座に同表記載の金額合計五、〇〇〇万円が同表記載の預入年月日の日時にそれぞれ入金されている(但し、同表(5)、(6)記載の各金額は預け入れられたのは昭和四一年四月九日締め切り後のことであり、口座への記帳は同月一一日になされている。)こと、右のうちC名義の口座は原告の妻Hの口座であり、その余は原告の架空人名義の口座であることが認められる。3 (一)前顕乙第一号証の一、成立に争いのない同第三六号証、証人Gの証言(第二回)により真正に成立したと認め得る同第一二号証、同証人の証言(第一回)により真正に成立したと認め得る同第二四ないし第二九号証及び同証人 第一号証の一、成立に争いのない同第三六号証、証人Gの証言(第二回)により真正に成立したと認め得る同第一二号証、同証人の証言(第一回)により真正に成立したと認め得る同第二四ないし第二九号証及び同証人の証言(第一回)並びに弁論の全趣旨によれば、別表(四)(1)記載の金員は、前記Bが当時監査役をしており、昭和四三年二月一日に代表取締役に就任した有限会社高山金属が昭和四一年三月一三日支払人を十八銀行住吉支店として振出した金額二〇〇万円の小切手で、同表(2)記載の金員は同様に有限会社高山金属が同月二九日支払人を親和銀行住吉支店として振出した金額五〇〇万円の小切手でそれぞれ入金されたものであること、右の五〇〇万円については同日芙蓉興発の関連会社である国倉産業株式会社から高山金属の親和銀行住吉支店の当座預金口座へ入金されていること、C名義の当座預金口座に入金された二〇〇万円は、同月一五日C振出、金額二〇〇万円の小切手で引き出され、五〇〇万円については、同年四月一日同人振出しの金額三〇〇万円及び同二〇〇万円の小切手で引き出され、右三〇〇万円は同年三月三一日西日本相互銀行大波止支店の原告名義の普通預金口座へ、右二〇〇万円は同日肥後銀行長崎支店の原告名義の通知預金口座へ入金されたことが認められる。 当座預金口座へ入金されていること、C名義の当座預金口座に入金された二〇〇万円は、同月一五日C振出、金額二〇〇万円の小切手で引き出され、五〇〇万円については、同年四月一日同人振出しの金額三〇〇万円及び同二〇〇万円の小切手で引き出され、右三〇〇万円は同年三月三一日西日本相互銀行大波止支店の原告名義の普通預金口座へ、右二〇〇万円は同日肥後銀行長崎支店の原告名義の通知預金口座へ入金されたことが認められる。(二) 前顕乙第二四号証、成立に争いのない同第一七号証の二、証人Gの証言(第一回)により真正に成立したと認め得る同第一四号証の二及び同証人の証言(第一回)並びに原告本人尋問の結果によれば、昭和四一年四月九日芙蓉興発は原告に対し、満期同年七月七日、金額二、五〇〇万円の約束手形一通を振出して交付したこと、同日、右手形と引き替えに芙蓉興発から原告に対し二、五〇〇万円の現金が支払われ、別表(四)(7)、(8)記載の口座に入金したこと、右二、五〇〇万円については、同日 束手形一通を振出して交付したこと、同日、右手形と引き替えに芙蓉興発から原告に対し二、五〇〇万円の現金が支払われ、別表(四)(7)、(8)記載の口座に入金したこと、右二、五〇〇万円については、同日、前記国倉産業から高山金属の親和銀行住吉支店の当座預金口座へ二、〇〇〇万円、芙蓉興発の同銀行同支店の当座預金口座へ五〇〇万円がそれぞれ振り込まれ、ついで右二、〇〇〇万円が高山金属の口座から芙蓉興発の口座へ振り込まれ、同口座から同日B裏書の小切手により二、五〇〇万円が引き出されたことが認められる。4 前顕乙第一三号証、第一四号証の二、第三二号証の一、証人Gの証言(第一回)により真正に成立したと認め得る同第一一号証、第一四号証の一、第一六号証、同証人の証言(第二回)により真正に成立したと認め得る同第一五号証及び同証人の証言(第一回)によれば、(一) Bは、昭和四三年五月三〇日福岡国税局長に対し、本件第一、第二物件の売買代金として、原告が代表取締役をしていた丸善商会に昭和四一年三月一四目支払人十八銀行住吉支店、金額二〇〇万円の小切手で、同月二九日支払人親和銀行住吉支店、金額五〇〇万円の小切手でそれぞれ支払いをなしたことを申し立てており、またBが右各土地を買い受けた際、出金状況を書き留めた「小瀬戸土地関係」メモには、同月一三日ラツキーから二〇〇万円を借り受け、芙蓉興発の取締役をしていたIに手付金として持たせ、同月二九日には国倉産業から送金を受けた五〇〇万円を芙蓉興発の代表取締役をしていたJに土地代として持たせた旨の記載があること、一方Bは丸善商会の法人税に対する審査請求に際し、芙蓉興発はC名義の口座を借りたことはないと陳述していたこと、(二) Bは、昭和四三年四月二四日及び同年五月三〇日福岡国税局長に対し、本件第一、第二物件の売買代金として丸善商 け、芙蓉興発の取締役をしていたIに手付金として持たせ、同月二九日には国倉産業から送金を受けた五〇〇万円を芙蓉興発の代表取締役をしていたJに土地代として持たせた旨の記載があること、一方Bは丸善商会の法人税に対する審査請求に際し、芙蓉興発はC名義の口座を借りたことはないと陳述していたこと、(二) Bは、昭和四三年四月二四日及び同年五月三〇日福岡国税局長に対し、本件第一、第二物件の売買代金として丸善商 対する審査請求に際し、芙蓉興発はC名義の口座を借りたことはないと陳述していたこと、(二) Bは、昭和四三年四月二四日及び同年五月三〇日福岡国税局長に対し、本件第一、第二物件の売買代金として丸善商会に昭和四一年四月九日、満期を同年七月七日、金額を二、五〇〇万円として芙蓉興発が振出した約束手形で支払い、また、親和銀行住吉支店に開設していた芙蓉興発の当座預金口座から丸善商会に右同日二、五〇〇万円が支払われていると申し立てていたこと、一方、Bは丸善商会の法人税に対する異議申立に際し、原告に差し入れた後記認定の借用証書(甲第五号証)については、本件第一物件の埋立が完了するまでは、埋立未了分の土地に関する売買代金を支払うことはできないので、その点のやりくりとして借用証書を差し入れたものと思う。三か月間で一、八〇〇万円の元本に七〇〇万円の利息を払うことは常識では考えられず、芙蓉興発が金員を借り入れる必要もなかつた旨陳述していたこと、が認められる。5 前顕乙第一五、一六号証、第一七号証の二、第二四号証、成立に争いのない同第一七号証の一、三、四及び証人Gの証言(第一回)によれば、芙蓉興発が親和銀行住吉支店に当座預金口座を開設したのは、前記4(一)記載のC名義の当座預金口座に高山金属振出しの小切手が入金されたのちである昭和四一年四月六日であり、Bが福岡国税局長べ本件第一、第二物件の売買代金として支払つた旨申し立てている金員のうち、右同日以降の九、〇〇〇万円については、いずれも前記芙蓉興発の親和銀行住吉支店の当座預金口座から丸善商会に対し支払われていること、右金員が支払われる同日または前日にこれとは又見合つた金額が国倉産業から直接あるいは高山金属を通して右口座に入金されていることが認められる。6 しかし、以上の認定に抵触し原告の主張にそう証拠としては 金員が支払われる同日または前日にこれとは又見合つた金額が国倉産業から直接あるいは高山金属を通して右口座に入金されていることが認められる。 和銀行住吉支店の当座預金口座から丸善商会に対し支払われていること、右金員が支払われる同日または前日にこれとは又見合つた金額が国倉産業から直接あるいは高山金属を通して右口座に入金されていることが認められる。6 しかし、以上の認定に抵触し原告の主張にそう証拠としては 金員が支払われる同日または前日にこれとは又見合つた金額が国倉産業から直接あるいは高山金属を通して右口座に入金されていることが認められる。6 しかし、以上の認定に抵触し原告の主張にそう証拠としては、証人Hは別表(四)(1)ないし(3)記載の金員につき芙蓉興発がC名義の当座預金口座を利用して資金を送金したものである旨証言をしているし、原告本人も、(一) 右口座への入金につき、芙蓉興発の取締役をしていたIから送金のための預金口座を貸してほしいとの依頼を受け、山口銀行長崎支店のC名義の当座預金口座を貸したもので、同表(1)ないし(3)記載の金員はいずれも芙蓉興発が送金のため入金した金員で売買代金の一部ではない、右金員はBの芙蓉興発に対する出資金ではないかと思う、同表(2)記載の五〇〇万円についてはIから緊急に金がいるから小切手を書いてくれと頼まれ、C名義で三〇〇万円と二〇〇万円の小切手二通を振出し、西日本相互銀行大波止支店及び肥後銀行長崎支店の原告名義の口座で換金してやつた、右小切手をC名義の口座があつた山口銀行長崎支店で現金化しないで、原告の口座に入れて換金したのは、原告が長崎県港湾課に本件第一物件の埋立工事資金としての見せ金を示す必要があつたためである、同表(3)記載の七〇〇万円については、昭和四一年四月一三日C名義で金額七〇〇万円については、小切手を振出し、芙蓉興発へ返還した旨、(二) 同表(7)、(8)記載の金員については、昭和四一年四月九日芙蓉興発から売買代金の一部として一、八〇〇万円を受け取つたが、その場で芙蓉興発から右金員を銀行への見せ金として融資を得たいので貸してほしいとの依頼を受け、これを承諾して即日貸し渡し、芙蓉興発から右元金と利息七〇〇万円の支払いとして満期同年七月七日、金額二、五〇〇万円の約束手形の振出し交付を受け 見せ金として融資を得たいので貸してほしいとの依頼を受け、これを承諾して即日貸し渡し、芙蓉興発から右元金と利息七〇〇万円の支払いとして満期同年七月七日、金額二、五〇〇万円の約束手形の振出し交付を受け、同月六日右手形と引き換えに芙蓉興発から現金で二、五〇〇万円の返済を受け、これをK及びL名義の口座に入金したものであるから、売買代金とは関係のないものである、右金銭の貸借については借用証及び公正証書もあり、利息七〇〇万円は原告の雑所得として申告している。 受け、これを承諾して即日貸し渡し、芙蓉興発から右元金と利息七〇〇万円の支払いとして満期同年七月七日、金額二、五〇〇万円の約束手形の振出し交付を受け、同月六日右手形と引き換えに芙蓉興発から現金で二、五〇〇万円の返済を受け、これをK及びL名義の口座に入金したものであるから、売買代金とは関係のないものである、右金銭の貸借については借用証及び公正証書もあり、利息七〇〇万円は原告の雑所得として申告している。ところで、同表(4)ないし(6)記載の金員及び山口銀行長崎支店のK名義の普通預金口座に同年四月一五日入金されている六〇〇万円はいずれも前記のとおり長崎県港湾課に見せ金として示すために原告の友人であるMから同月八日ころ一、一〇〇万円、同月一二、三日ころ六〇〇万円を借り受けて預け入れたもので、同月九日芙蓉興発から売買代金として受け取つた一、八〇〇万円を預け入れたものではない、Mとの貸借には利息の定めはなかつたが、借用証は入れている旨、供述し、成立に争いのない甲第六号証、第七号証の一、二、原告本人尋問の結果により真正に成立したと認め得る同第五号証によれば、昭和四一年四月九日付で借主をB、金額二、五〇〇万円の借用証書(甲第五号証)が原告に差し入れられ、同月一五日には原告とBとの間で右債務の支払いにつき公正証書(甲第六号証)が作成されていること、また同月一三日C名義で振出した金額七〇〇万円の小切手(甲第七号証の一、二)には芙蓉興発が裏書していることが認められ、前記各供述にそう証拠がないではない。7 そこで、原告本人の前記供述を検討する。(一) 原告が、芙蓉興発が送金のために入金した金員であると供述しているのはわずか三度にすぎず、しかもそれはすべて被告が売買代金の入金であると主張している金員である。原告本人の前記供述を検討する。(一) 原告が、芙蓉興発が送金のために入金した金員であると供述しているのはわずか三度にすぎず、しかもそれはすべて被告が売買代金の入金であると主張している金員である。別表(四)(1)、(2)記載の金員については前記3(一)記載のとおり高山金属振出しの小切手で入金されたものであるが、同社は芙蓉興発の代表取締役であつたBが監査役をしていた会社であり、親和銀行住吉支店に当座預金口座を有しており、のちに国倉産業から芙蓉興発へ送金するに際し、右口座を経由して送金を行つたこともあるから、芙蓉興発が高山金属の口座でなくしてC名義の口座を送金のために利用する必要性は認められない。 (四)(1)、(2)記載の金員については前記3(一)記載のとおり高山金属振出しの小切手で入金されたものであるが、同社は芙蓉興発の代表取締役であつたBが監査役をしていた会社であり、親和銀行住吉支店に当座預金口座を有しており、のちに国倉産業から芙蓉興発へ送金するに際し、右口座を経由して送金を行つたこともあるから、芙蓉興発が高山金属の口座でなくしてC名義の口座を送金のために利用する必要性は認められない。同表(3)記載の金員は昭和四一年四月九日に入金されたものであるが、前記5記載のとおり芙蓉興発は同月六日に親和銀行住吉支店に当座預金口座を開設しており、同様にC名義の口座を利用する必要性はない。原告は同表(1)ないし(3)記載の金員はBの芙蓉興発への出資金ではないかと供述しているが、前顕乙第三二号証の一によれば、芙蓉興発は昭和三九年六月一五日に設立されたことが認められ、出資金であるとは考えられない。原告は、同表(2)記載の金員につきIから緊急に金が入るとの申し込みを受けたと供述しているのに、C名義で小切手を振出し、これを原告名義の口座に入れて交換に回わすという極めて迂遠な方法を取つており、また前顕乙第二五、二六号証によれば、右金員のうち昭和四一年三月三一日西日本相互銀行大波止支店の原告名義の口座に入金された三〇〇万円が引き出されたのは同年四月二二日であり、肥後銀行長崎支店の原告名義の口座に入金された二〇〇万円が引き出されたのは同年五月二日であることが認められる。さらに前顕乙第三三号証の二、三、証人Gの証言(第一回)によつて真正に成立したと認め得る同 肥後銀行長崎支店の原告名義の口座に入金された二〇〇万円が引き出されたのは同年五月二日であることが認められる。さらに前顕乙第三三号証の二、三、証人Gの証言(第一回)によつて真正に成立したと認め得る同号証の一によれば、丸善商会が長崎県知事に対し提出した公有水面埋立設計変更願には、昭和四一年五月二〇日付で十八銀行が丸善商会に対し埋立工事費用として三、〇〇〇万円融資を行うことを証明する文書が添付されているだけで、前記原告名義の口座の残高証明書等は何ら添付されていないことが認められ、原告が長崎県港湾課に対するみせ金にするため原告の口座に入金したとの供述も信用できない。同様(3)記載の金員は、昭和四一年四月一三日C名義で金額七〇〇万円の小切手を振出し、右小切手には芙蓉興発が裏書しているのは前記のとおりであるが、前顕乙第一号証の一、第二四号証、成立に争いのない同第一号証の二、第二号証及び証人G(第一回)の証言によれば、右金員は芙蓉興発に入金されたのではなくして、同月一五日、山口銀行長崎支店の原告の架空人名義の口座であるKの普通預金口座へ六〇〇万円及び出口銀行長崎支店のNの普通預金口座へ一〇〇万円が入金されていることか認められる。 の小切手を振出し、右小切手には芙蓉興発が裏書しているのは前記のとおりであるが、前顕乙第一号証の一、第二四号証、成立に争いのない同第一号証の二、第二号証及び証人G(第一回)の証言によれば、右金員は芙蓉興発に入金されたのではなくして、同月一五日、山口銀行長崎支店の原告の架空人名義の口座であるKの普通預金口座へ六〇〇万円及び出口銀行長崎支店のNの普通預金口座へ一〇〇万円が入金されていることか認められる。(二) 前顕乙第一七号証の一によれば、芙蓉興発の取引銀行である親和銀行住吉支店の当座預金口座には、原告が金員を貸し渡した日である昭和四一年四月九日に一、八〇〇万円の入金はなく、成立に争いのない乙第三五号証によれば、原告は昭和四一年分所得税の確定申告書において利息七〇〇万円の収入を雑所得として計上していないことが、それぞれ認められる。さらに前記(一)記載のとおり山口銀行長崎支店のKの普通預金口座へ同月一五日入金された六〇〇万円は、C名義で振出した小切手によつて入金されたものであるから、原告がMからの借入金を入金したものではな さらに前記(一)記載のとおり山口銀行長崎支店のKの普通預金口座へ同月一五日入金された六〇〇万円は、C名義で振出した小切手によつて入金されたものであるから、原告がMからの借入金を入金したものではない。原告は長崎県港湾課に見せ金を示すためにMから無利息で一、七〇〇万円を借り受けた旨供述するが、昭和四一年四月九日には売買代金の一、八〇〇万円が入金するのであるからその前日である同月八日ころに一、一〇〇万円を借り受ける必要性は全くなかつたばかりか、本件第一物件についての公有水面埋立権の名義上の権利者は丸善商会であり、仮に、長崎県港湾課に見せ金を示すために借り受けるのであれば、丸善商会の口座に預け入れるべきもので、ことさら原告の架空人名義の口座に預け入れるものでないし、事実前記(一)記載のとおり丸善商会が長崎県知事に対し提出した公有水面埋立設計変更願には別表(四)(4)ないし(6)記載の預金口座及び山口銀行長崎支店のK名義の預金口座の各残高証明書を添付してはいない。原告はMからの借り入れに際しては借用証を差し入れたと供述しているのに、原告はこれを証拠として提出しないし、前顕乙第三号証、第四号証の一、第五号証によれば、別表(四)(4)記載の五〇〇万円は昭和四一年四月九日に入金されてから一か月以上経過した同年五月一二日に二〇〇万円引き出されたほかは、その後同年九月一六日まで引き出されていないこと、同表(5)記載の金員は同年四月一一日入金されてから一か月半以上経過した同年五月三一日に二〇〇万円、同年六月一七日に一〇〇万円が引き出されていること、同表(5)記載の金員は同年四月一一日入金されてから同年六月一五日及び同月三〇日に各四〇万円ずつ引き出されただけで、その後同年一二月三〇日に至つて一〇〇万円が引き出されているにすぎないことが認められ、右事実から 同年九月一六日まで引き出されていないこと、同表(5)記載の金員は同年四月一一日入金されてから一か月半以上経過した同年五月三一日に二〇〇万円、同年六月一七日に一〇〇万円が引き出されていること、同表(5)記載の金員は同年四月一一日入金されてから同年六月一五日及び同月三〇日に各四〇万円ずつ引き出されただけで、その後同年一二月三〇日に至つて一〇〇万円が引き出されているにすぎないことが認められ、右事実から の金員は同年四月一一日入金されてから同年六月一五日及び同月三〇日に各四〇万円ずつ引き出されただけで、その後同年一二月三〇日に至つて一〇〇万円が引き出されているにすぎないことが認められ、右事実からすれば、右金員をみせ金として無利息で借り受けた本のとは到底考えられないのである。そこで同表(4)ないし(6)記載の金員は、原告がMから借り受けた金員を預け入れたものとすることはできず、同表(3)ないし(6)記載の金員は原告が昭和四一年四月九日に売買代金として受け取つた一、八〇〇万円を預け入れた金員と認めるのが相当であり、そうすると原告が右金員を直ちに芙蓉興発へ貸し渡したとの事実も認めることはできない。右(一)、(二)で検討した諸事情及び前記4記載のBの陳述に照らすとき、前挙示にかゝる原告本人の供述及び証人Hの証言は到底信用に値するものではない。更に、前掲甲第五、六号証について考えるに、前記のとおり、Bは昭和四一年四月九日付で原告に対し二、五〇〇万円の借用証書(甲第五号証)を差し入れ、同月一五日には原告とBとの間に右借入金の返済に関し公正証書(甲第六号証)が作成されているが、前記認定の事実及び三か月間で一、八〇〇万円の元本を借り入れて七〇〇万円の利息を支払うことになる貸借は経済的常識を超えたもので到底右のような消費貸借契約が締結されたとは考えられないこと、右甲第五、六号証によれば、借用証書、公正証書とも利息の定めはなく、遅延損害金については借用証書が日歩一〇銭、公正証書が年三割という七〇〇万円の利息と比べると極めて低率で定められていることが認められること並びに前記1記載のとおり原告と芙蓉興発との売買契約書は昭和四一年三月二九日付で作成されたが、売買代金の支払いは、その後の分割払いであり一前記4記載のBの福岡国税局長への申し立てによると、昭和四一 と並びに前記1記載のとおり原告と芙蓉興発との売買契約書は昭和四一年三月二九日付で作成されたが、売買代金の支払いは、その後の分割払いであり一前記4記載のBの福岡国税局長への申し立てによると、昭和四一年四月九日に満期を同年七月七日、金額二、五〇〇万円とする約束手形を芙蓉興発が振出し、これを持つて代金の支払いにあてたことが認められるのであり、そうすると、前記甲第五号証(借用証書)及び甲第六号証(公正証書)は、原告の芙蓉興発への貸付金のために作成されたのではなく、右売買代金の支払いを確保するために作成されたものと考えるのが相当であり、これらをもつて前記3ないし5及び7記載の認定をくつがえすことはできない。 日に満期を同年七月七日、金額二、五〇〇万円とする約束手形を芙蓉興発が振出し、これを持つて代金の支払いにあてたことが認められるのであり、そうすると、前記甲第五号証(借用証書)及び甲第六号証(公正証書)は、原告の芙蓉興発への貸付金のために作成されたのではなく、右売買代金の支払いを確保するために作成されたものと考えるのが相当であり、これらをもつて前記3ないし5及び7記載の認定をくつがえすことはできない。他に、前記1ないし5記載の認定を動かすに足る証拠はない。右認定事実を総合すると、原告は別表(四)(1)、(2)、(7)、(8)記載の金員合計三、二〇〇万円も売買代金の一部として受け取つていたと認められ、そうすると、当事者間に争いがない六、九五〇万円を加え、本件第一、第二物件の売買代金は一億〇、一五〇万円であると認められる。四次に右に認定した本件第一、第二物件を売却した収入金額一億〇、一五〇万円から控除されるべき金額につき検討を加えるが、まず本件第一物件の造成費につき検討する。裁決が右造成費を四、四三五万円と認定したことは当事者間に争いがなく、成立に争いのない甲第二号証の二及び証人Oの証言によると、裁決では原告が有限会社西海土建へ支払つた八〇〇万円をも、本件第一物件の埋立造成にあてられた費用と認定したことが認められる。被告は右八〇〇万円は右土地の埋立に要した費用ではなく、同土地が波に洗われ損壊流失したのを復旧するために要した費用にすぎず、収入金額から控除すべき造成費にはあたらないと主張する。前顕甲第二号証の二、第三、四号証の各一、乙第七 埋立に要した費用ではなく、同土地が波に洗われ損壊流失したのを復旧するために要した費用にすぎず、収入金額から控除すべき造成費にはあたらないと主張する。前顕甲第二号証の二、第三、四号証の各一、乙第七号証、第三四号証、成立に争いのない乙第二〇号証の一、二、第三〇号証、並びに証人Oの証言及び原告本人尋問の結果によれば、本件第一物件についての公有水面埋立工事の出来高は昭和三〇年三月当時で竣工部分五万九、五三二・五二平方メートル(一万八、〇〇八坪五合八勺)、未竣工部分一、一四九・九八平方メートル(三四七坪八合七勺)であり、昭和三八年六月当時では竣工部分五万九、九四〇・七五平方メートル (一万八、一三二坪七勺)、未竣工部分七四一・七五平方メートル(二二四坪三合八勺)で、竣工部分は四〇八・二三平方メートル(一二三坪四合九勺)増加したにすぎないこと、有限会社西海土建の工事は昭和三五、六年から一年程かけて行われ、原告は西海土建に対し埋立費として前記八〇〇万円を昭和三六年四月から六月ころにかけて支払つていること、原告が昭和二五年ころ本件第一物件の公有水面埋立権を取得してから一〇数年放置していたため右土地に埋立てた土砂が三分の一から二分の一にかけて波に洗われ損壊流失したことが認ぬられる。 ・二三平方メートル(一二三坪四合九勺)増加したにすぎないこと、有限会社西海土建の工事は昭和三五、六年から一年程かけて行われ、原告は西海土建に対し埋立費として前記八〇〇万円を昭和三六年四月から六月ころにかけて支払つていること、原告が昭和二五年ころ本件第一物件の公有水面埋立権を取得してから一〇数年放置していたため右土地に埋立てた土砂が三分の一から二分の一にかけて波に洗われ損壊流失したことが認ぬられる。しかしながら右損壊流失の明確な時期については本件全証拠によるも明らかではなく、また前掲各証拠によれば原告が公有水面埋立権取得後、有限会社西海土建のほかにもD(支払金額一〇〇万円)、有限会社西野建設(同一、一一五万円)、株式会社長崎西海建設(同二、二〇〇万円)、辻村組(同二〇万円)、丸善産業開発株式会社(同二〇〇万円)なども本件第「物件につき工事を行わせ、埋立、造成費として右各支払金額を支払つていることが認められるが、各社が右工事を行つた時期、工事内容については必ずしも明らか 丸善産業開発株式会社(同二〇〇万円)なども本件第「物件につき工事を行わせ、埋立、造成費として右各支払金額を支払つていることが認められるが、各社が右工事を行つた時期、工事内容については必ずしも明らかではなく、前記のとおり有限会社西海土建が工事を行つたのちの昭和三八年六月には竣工部分が四〇八・二三平方メートル増加している事情などを鑑みると、同社へ支払つた八〇〇万円をも造成費にあたると認定した裁決を覆し、これを造成費にあたらないと認定するには証拠が十分でないといわなければならない。そうすると、造成費については、右八〇〇万円もこれに含まれるものとし四、四三五万円と認定するのが相当である。五次に、収入金額から控除されるべき別表二(2)記載の土地等取得価額につき検討する。本件第二物件の取得価額が九八万六、五〇〇円であることは当事者間に争いがなく、本件第一物件についての公有水面埋立権の取得価額につき、原告は昭和二五年ころ右権利を一、八〇〇万円で取得したと主張している。原告本人は、昭和二五年ころ、丸善石油株式会社の常務であつたPから右権利を一、八〇〇万円で買い受け、一、五〇〇万円は石油の闇取引をして儲けた金員から昭和二五年中に支払い、三〇〇万円については昭和三〇年までに支払つた旨原告主張に添う供述をしている。しかしながら、証人Q及び原告本人尋問の結果によると、Pは右権利を売掛代金の代物弁済として受け取つていたため、原告に対し割安にしかも石油の販売権を付加して右権利を売り渡したこと、右売買代金額を裏打け得る売買契約書、領収証等の閏係書類は原告側にも丸善石油側にも存在していないことが認められ、さらに前記三で認定した事実、前記当事者間に争いがない事実及び成立に争いのない乙第一九号証、原本の存在及び成立に争いのない同第三一号証の一、二及び証人Fの証言 よると、Pは右権利を売掛代金の代物弁済として受け取つていたため、原告に対し割安にしかも石油の販売権を付加して右権利を売り渡したこと、右売買代金額を裏打け得る売買契約書、領収証等の閏係書類は原告側にも丸善石油側にも存在していないことが認められ、さらに前記三で認定した事実、前記当事者間に争いがない事実及び成立に争いのない乙第一九号証、原本の存在及び成立に争いのない同第三一号証の一、二及び証人Fの証言 油側にも存在していないことが認められ、さらに前記三で認定した事実、前記当事者間に争いがない事実及び成立に争いのない乙第一九号証、原本の存在及び成立に争いのない同第三一号証の一、二及び証人Fの証言によると、原告が昭和三五年一〇月ころ本件第一物件に隣接する本件第二物件を公売により取得したのは三・三平方メートル当たり約二六二円の価額であつたこと、旭興業株式会社は芙蓉興売に対し昭和四〇年八月四日本件第一物件に北接する二万五、二三五・二平方メートルの土地を対象地とする公有水面埋立権(但し、竣工部分五、八八六平方メートル、未竣工部分一万九、三四九・二平方メートル)及び山林四、〇〇三・三〇平方メートル(一二二坪)を一〇〇万円で売り渡したが、これを三・三平方メートル当たりの価額に換算してみると約一一三円となること、原告が昭和四二年二月(但し、代金完済時)A及び芙蓉興発へ本件第一、第二物件を売り渡したのは、三・三平方メートル当たり約三、三四八円であること、大都市を除く地域別市街地価格推移指数表によれば、上場地につき昭和三〇年三月を一〇〇とすれば、昭和三五年九月には三四四、昭和四〇年九月には八九五、昭和四二年三月には九四九と上昇していることが認められる。前顕甲第四号証の一によれば、原告が譲渡を受けた当時の公有水面埋立権の対象地は六万〇、六八二・五〇平方メートル(一万八、三五六坪四合六勺)であるから、代金額が一、八〇〇万円だとすると、原告は昭和二五年にすでに三・三平方メートル当たり約九八〇円で取得したことになるところ、前記に認定した事情及び他の取引事例を鑑みると、原告が本件第二物件を公売によつて取得したこと、旭興業が芙蓉興発へ売り渡した公有水面埋立権の竣工部分は五、八八六平方メートルであり、原告本人が供述するように右権利の対象地の境界につき争いがあつたと 原告が本件第二物件を公売によつて取得したこと、旭興業が芙蓉興発へ売り渡した公有水面埋立権の竣工部分は五、八八六平方メートルであり、原告本人が供述するように右権利の対象地の境界につき争いがあつたという事情をなお考慮に入れても、原告、か昭和二五年に一、八〇〇万円で買い受けたという金額は、相当高額で不合理なものであり、原告本人の供述しかない本件においては、本件第一物件を対象地とする公有水面埋立権の取得価額を右金額と認定することはできない。 したこと、旭興業が芙蓉興発へ売り渡した公有水面埋立権の竣工部分は五、八八六平方メートルであり、原告本人が供述するように右権利の対象地の境界につき争いがあつたという事情をなお考慮に入れても、原告、か昭和二五年に一、八〇〇万円で買い受けたという金額は、相当高額で不合理なものであり、原告本人の供述しかない本件においては、本件第一物件を対象地とする公有水面埋立権の取得価額を右金額と認定することはできない。そこで、右権利の取得価額が不明であるとして、別表(五)記載のとおり、原告が昭和四二年二月にA及び芙蓉興発へ本件第一、第二物件を売り渡した価額一億〇、一五〇万円を基準にして、これに地価の上昇率により修正を施し、原告が長崎県知事から公有水面埋立権の譲受を受けた昭和三〇年四月当時の価額を算出した計算方法は、前顕乙第一九号証及び証人Fの証言に照らし妥当なものであり、取得時の時点を長崎県知事の許可を受けた昭和三〇年四月に置いたことは、原告に有利な計算方法である。但し、同表4記載の埋立地の譲渡収入金一億〇、一五〇万円から控除すべき埋立造成費用は前記四で認定したとおり四、四三五万円であるから、同表4記載の計算を正しく行うと次のとおりとなる。(101、500、000-44、350、000)×60、683/100、047=34、664、042(譲渡収入金-埋立造成費用)×取得時の対象地/譲渡時の対象地これを推移指数(上昇率)九・三五で還元して取得価額を算定すると34、664、042÷9.35=3、707、384となる。よつて、原告の本件第一物件についての公有水面埋立権の取得価額は三七〇万七、三八四円で、これに当事者間に争いがない本件第二物件の取得価額九八万六、五〇〇円を加えて、収入金額から控除すべき取得価額は四六九万三 原告の本件第一物件についての公有水面埋立権の取得価額は三七〇万七、三八四円で、これに当事者間に争いがない本件第二物件の取得価額九八万六、五〇〇円を加えて、収入金額から控除すべき取得価額は四六九万三、八八四円となる。六最後に支払利息及び管理費につき検討する。原告が収入金額より控除すべきものとしてあげている支払利息は長崎相互銀行本店から昭和三六年四月六日に五〇〇万円、同年六月一二日に三〇〇万円を借り受けた金員に対する利息であることは当事者間に争いがなく、成立に争いのない乙第二〇号証の一、二及び証人Oの証言によると、原告は、右借入金八〇〇万円を有限会社西海土建に対する請負代金の支払いにあてたこと、右借入金の利息として長崎相互銀行本店に対し三九四万七、八四七円を支払つたことが認められる。 としてあげている支払利息は長崎相互銀行本店から昭和三六年四月六日に五〇〇万円、同年六月一二日に三〇〇万円を借り受けた金員に対する利息であることは当事者間に争いがなく、成立に争いのない乙第二〇号証の一、二及び証人Oの証言によると、原告は、右借入金八〇〇万円を有限会社西海土建に対する請負代金の支払いにあてたこと、右借入金の利息として長崎相互銀行本店に対し三九四万七、八四七円を支払つたことが認められる。原告が西海土建に対し支払つた右八〇〇万円については所得税法三八条一項に定める改良費と認めるべきであることは前記四で認定したとおりであるが、右改良費を借入金でまかないこれに対し支払つた利息は、同条に定める資産の取得に要した金額及び設備費にあたらないことはいうまでもなく、また譲渡所得に対する課税は、資産の値上りによりその資産の所得者に帰属する増加益を所得として、その資産が他に譲渡されて所有者の支配を離れるのを機会に、右増加益の所得を清算して課税する趣旨のものであることを鑑みると、右借入金に対する支払利息は、改良費の支出に伴い通常支出されるという性質のものではなく、また同条に定める改良費という文理上からしてもこれを改良費に含ましめて解釈すべきものではなく、控除すべき金額にはあたらないというべきである。また、原告が昭和二六年以降本件第一物件の埋立工事の管理責任者をしていたDに対し、報酬として二七万九、〇〇〇円支払つたことは当事者間に争いがないが、右のような報酬 額にはあたらないというべきである。また、原告が昭和二六年以降本件第一物件の埋立工事の管理責任者をしていたDに対し、報酬として二七万九、〇〇〇円支払つたことは当事者間に争いがないが、右のような報酬は、前記譲渡所得に対する課税の趣旨からしても、同条が定めるいずれにも該当しないというべきである。そうすると、原告が主張する支払利息及び管理費はいずれも収入金額から控除すべき金額とはならない。七前記三ないし六で認定したところに従い、収入金額一億〇、一五〇万円から造成費四、四三五万円、土地等取得価額四六九万三、八八〇円を控除し、さらに特別控除額三〇万円を差し引くと、原告の譲渡取得は五、二一五万六、一一六円、課税譲渡所得は二、六〇七万八、〇五八円となり、これより低額の二、四一三万二、二八五円を原告の昭和四二年分の課税譲渡所得と認定し、納付すべき税額を一、二八四万三、七〇〇円と定めた本件再更正処分及び原告が売買契約の売買代金額を仮装し、五、〇〇〇万円の譲渡収入金を隠ぺいして申告しなかつたとして、重加算税を三四九万〇、五〇〇円、過少申告加算税を四万九、五〇〇円とした本件賦課決定処分(いずれも裁決によつて取り消されたのちのもの)は、何ら違法がない。 り、これより低額の二、四一三万二、二八五円を原告の昭和四二年分の課税譲渡所得と認定し、納付すべき税額を一、二八四万三、七〇〇円と定めた本件再更正処分及び原告が売買契約の売買代金額を仮装し、五、〇〇〇万円の譲渡収入金を隠ぺいして申告しなかつたとして、重加算税を三四九万〇、五〇〇円、過少申告加算税を四万九、五〇〇円とした本件賦課決定処分(いずれも裁決によつて取り消されたのちのもの)は、何ら違法がない。八以上の事実によれば、原告の本訴請求は理由がないから、いずれも棄却することとし、訴訟費用の負担につき、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。(裁判官鐘尾彰文前田順司吉田京子)別表(五)埋立権取得価額の計算 1 取得の時期昭和三〇年四月 2 譲渡の時期昭和四二年二月 3 評価方法(1) 譲渡価額を財団法人日本不動産研究所発表の六大都市を除く地域別市街地価格推移指数表の工業地欄の推移指数(上昇率)で還元して取得価額を計算した。(2) 指数表の修正取得及び譲渡の月の指数が指数表にな 譲渡価額を財団法人日本不動産研究所発表の六大都市を除く地域別市街地価格推移指数表の工業地欄の推移指数(上昇率)で還元して取得価額を計算した。(2) 指数表の修正取得及び譲渡の月の指数が指数表にないため修正すると、イ三〇年四月(取得月)の指数の計算三〇・三の指数一〇〇三〇・九の指数一〇五105-100/6+100=100.8ロ四二年二月(譲渡月)の指数の計算四二・三の指数九四九四一・九の指数九一五949-(949-915/6)=943.33(3) 昭和三〇年四月から昭和四二年二月までの倍率943.33/100.8=9.35 4 埋立地の譲渡価額の算定埋立地の譲渡収入金一億〇、一五〇万円から埋立、造成費用相当額三、六三五万円を差し引いた六、五一五万円を面積比で按分して埋立権の譲渡価額を算定すると、五、〇〇五万〇、一六三円となる。57、150、000×60、683/100、047=39、516、401これを推移指数(上昇率)九・三五で還元して取得価額を算定すると四二二万六、三五三円となる。39、516、401÷9.35=4、226、353
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