平成25(行ウ)66 作業中止命令処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成27年3月12日 名古屋地方裁判所 その他
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判決文本文42,642 文字)

平成27年3月12日判決言渡平成25年(行ウ)第66号作業中止命令処分取消等請求事件 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 別紙「物件目録1」記載の各土地に係る堀削につき,α町長が平成24年11月12日付けで原告に対してした作業中止命令処分を取り消す。 2 被告は,原告に対し,532万4815円及びこれに対する平成24年11月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 本件は,砂利採取業等を営む株式会社である原告が,別紙「物件目録1」記載の各土地を掘削して砂利を採取しようとしたところ,α町地下水の水質保全に関する条例(平成12年α町条例第47号。以下「本件条例」という。)10条の2が定める禁止作業に当たることを理由として,α町長から,本件条例11条5項に基づき,平成24年11月12日付けで上記掘削作業の中止命令(以下「本件処分」という。)を受けたため,本件処分の取消しを求めるとともに,違法な本件処分により損害を被ったとして,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償として,532万4815円及びこれに対する平成24年11月12日(本件処分の日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 2 関係法令等の定め(1) 関係法令等の詳細別紙「関係法令等の定め」に記載したとおりである。 (2) 本件条例の定めの概要 ア本件条例の目的本件条例は,掘削跡の埋め戻しに使う土砂による地下水の汚染を防止し,地下水の水質保全を図ることにより良質な水道水を確保し,もって住民の健康を保持することを目的とする(1条)。 ア本件条例の目的本件条例は,掘削跡の埋め戻しに使う土砂による地下水の汚染を防止し,地下水の水質保全を図ることにより良質な水道水を確保し,もって住民の健康を保持することを目的とする(1条)。 イ本件条例の規制内容(ア) 本件条例は,地盤面から3mを超える掘削跡を在来の土砂以外の土砂で埋め戻す作業を「特定作業」として規制の対象とし(2条),特定作業を行う者は,あらかじめ作業の内容等について,埋め戻し用土砂の土壌検査結果と併せてα町長に届け出るものとした上で(4条,5条),土壌検査の規制基準に適合しない土砂を使う特定作業や,4条所定の届出をしないでする特定作業を禁止している(10条)。なお,本件条例において,「在来の土砂以外の土砂」とは,特定作業を行う土地で採取された土砂以外の土砂をいい,特定作業が,一団の土地にわたって行われる場合は,当該一団の土地以外において採取された土砂をいうとされている(2条2項)。 (イ) 本件条例10条の2は,掘削を行う前の地盤面から垂直距離で6mを超える掘削を行う場合には,その掘削跡全部につき,掘削を行う前の地盤面まで在来の土砂で埋め戻すことを要するとし,在来の土砂以外の土砂を使って,掘削跡の全部又は一部を埋め戻す作業を伴う掘削を行うことを禁止している(同条が定める掘削作業の禁止につき,以下「本件掘削規制」という。)。 ウ本件掘削規制に違反した者に対する措置の内容α町長は,本件掘削規制に違反する作業を行っている者に対し,当該作業の中止を命ずることができ(本件条例11条5項),また,同作業を行った者に対して埋め戻し及びその埋め戻しに使う土砂による地下水の汚染を防止するために必要な措置を執るべきことを命ずることができる(同 条6項)。 3 前提事実(掲記の証拠及び弁論の全趣旨に 行った者に対して埋め戻し及びその埋め戻しに使う土砂による地下水の汚染を防止するために必要な措置を執るべきことを命ずることができる(同 条6項)。 3 前提事実(掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実。以下,書証番号は,特記しない限り枝番を含む。)(1) 当事者原告は,砂利・砂・山砂利・土石類の採集及び販売等を目的とする株式会社である。(甲58,乙3,弁論の全趣旨)(2) 原告に対する砂利採取計画の認可等ア原告は,平成23年11月8日付けで,愛知県知事に対し,別紙「物件目録1」記載の各土地(以下「本件各土地」という。)及び道路を挟んで本件各土地の北側に位置する別紙「物件目録2」記載の各土地(以下「本件各隣接地」といい,本件各土地と併せて,以下「本件計画地」という。)を砂利採取場とする砂利採取計画(以下「本件砂利採取計画」という。)の認可の申請(以下「本件申請」という。)をした。(甲1,58,乙2,10,弁論の全趣旨)イ愛知県知事は,平成24年1月19日付けで,砂利採取法16条に基づき,砂利の採取期間を平成24年1月19日から平成25年1月18日までと定めて,本件砂利採取計画を認可(以下「本件認可」という。)した。 (甲1,乙2)(3) 原告による本件各土地の掘削の状況等ア原告は,本件認可を受けた平成24年1月19日以降,本件計画地のうち本件各土地を掘削して砂利の採取・販売を行ったが,遅くとも同年3月31日までには,掘削を行う前の地盤面から垂直距離で6mを超えて本件各土地を掘削したことにより本件掘削規制に違反した(この原告の行為につき,以下「本件掘削」という。)。なお,原告が本件掘削規制に違反する掘削を行ったことは,当事者間に争いがない。(甲1,7,46,乙2,4,5,弁論の全趣旨) 件掘削規制に違反した(この原告の行為につき,以下「本件掘削」という。)。なお,原告が本件掘削規制に違反する掘削を行ったことは,当事者間に争いがない。(甲1,7,46,乙2,4,5,弁論の全趣旨) イ被告の職員は,平成24年4月2日,原告代表者立会いの下,本件各土地の立入検査(以下「本件立入検査」という。)を実施した。本件立入検査では,本件各土地内の14の地点において原告がした掘削の深さ(以下「掘削深」という。)が機械により測定された。測定の結果,いずれの測定地点においても掘削深は9.07mから10.57m以上と計測され,本件掘削規制が定める6mの掘削深を超えていることが明らかになった(本件掘削によって掘削された部分のうち,本件掘削規制が定める掘削深6mを超えて掘削された部分につき,以下「本件過剰掘削部分」という。)。 (乙5,弁論の全趣旨)(4) 原告による本件各土地の埋め戻しの経緯等ア被告の職員は,本件立入検査終了後,原告代表者に対し,本件掘削は本件条例10条の2に違反するものであるから,直ちに中止して掘削を行う前の地盤面まで在来の土砂で本件各土地を埋め戻すように口頭で指導した。(乙5,弁論の全趣旨)イ原告,被告及び本件計画地の各所有者は,平成24年6月26日付けで,「本件各土地の埋め戻しに関する覚書」(甲3。以下「本件覚書」という。)を取り交わした。本件覚書では,原告が本件各隣接地を掘削して採取した土砂を搬入して本件各土地を埋め戻すことなどが合意された。(甲3,7,46,弁論の全趣旨)ウ原告は,平成24年6月,本件覚書の定めに基づき,本件各土地の掘削部分の埋め戻し作業(以下「本件埋め戻し作業」という。)に着手し,本件埋め戻し作業は,同年10月12日に完了した。その後,原告は,同月15日,α町長に対し ,本件覚書の定めに基づき,本件各土地の掘削部分の埋め戻し作業(以下「本件埋め戻し作業」という。)に着手し,本件埋め戻し作業は,同年10月12日に完了した。その後,原告は,同月15日,α町長に対して本件埋め戻し作業が完了した旨を報告し,同月24日,被告の職員による作業の完了確認(以下「本件完了確認」という。)を受けた。(甲4,7,46)(5) 本件処分の経緯等 ア原告は,平成24年11月8日から同月12日にかけて,本件埋め戻し作業により埋め戻した本件各土地を再び掘削(以下「本件再掘削」という。)し,掘削した土砂から砂利を採取しようとした。(乙14,弁論の全趣旨)イこれを受けて,α町長は,平成24年11月12日付けで,原告に対し,本件再掘削は本件条例10条の2が禁止する作業に当たることを理由として,同条が禁止する作業の中止を命じることができる旨を定める本件条例11条5項に基づき,本件再掘削の中止を命ずる本件処分をした。(甲5,弁論の全趣旨)(6) 本件訴えの提起等ア原告は,平成24年12月17日付けで,α町長に対し,本件処分に対する異議申立てをした。(甲6)イ α町長は,平成25年3月12日付けで,原告に対し,前記アの異議申立てを棄却する旨の決定をした。(甲7)ウ原告は,平成25年7月1日,名古屋地方裁判所一宮支部に本件訴えを提起した(同庁平成25年(ワ)第348号事件)。その後,本件訴えは,同月11日,当庁に回付された。(顕著な事実)エ原告は,平成26年6月17日付けで,愛知県知事に対し,本件砂利採取計画の変更の認可の申請をした。これを受けて,愛知県知事は,同年7月18日付けで本件砂利採取計画の変更を認可(以下「本件変更認可」という。)し,本件変更認可の結果,本件計画地を砂利採取場とする砂利の 画の変更の認可の申請をした。これを受けて,愛知県知事は,同年7月18日付けで本件砂利採取計画の変更を認可(以下「本件変更認可」という。)し,本件変更認可の結果,本件計画地を砂利採取場とする砂利の採取の期間は,同月19日から平成27年7月18日までに変更された。 また,原告は,平成26年7月4日付けで,愛知県知事から,農地法5条に基づく転用許可に係る事業計画を変更(許可期限の変更)することの承認を受けた。(甲53,54,弁論の全趣旨) 4 争点(1) 本件処分の違法性の有無 ア本件掘削規制は国民の営業の自由を保障する憲法22条1項に違反するか否か(争点1)。 イ本件掘削規制は砂利採取法に違反するか否か(争点2)。 ウ本件掘削規制は水質汚濁防止法に違反するか否か(争点3)。 エ本件掘削規制は環境基本法及び同法に基づく環境基準に違反するか否か(争点4)。 オ本件処分は本件条例の定める要件不充足のため違法であるか否か(争点5)。 (2) 本件処分の国家賠償法上の違法の有無及び原告の損害額(争点6) 5 争点に関する当事者の主張(1) 争点1(本件掘削規制は国民の営業の自由を保障する憲法22条1項に違反するか否か。)(原告の主張の要旨)ア後記イないしエによれば,本件条例10条の2が定める本件掘削規制は,憲法22条1項が国民に保障する営業の自由の侵害に当たる。したがって,本件掘削規制は違憲であるから,本件再掘削が本件掘削規制に違反するものであることを理由としてされた本件処分は違法である。 イ本件掘削規制は,掘削跡の全部を在来の土砂で埋め戻す場合を除き,掘削を行う前の地盤面から垂直距離で6mを超える掘削を禁止するものであるところ,これは,採取した砂利を販売するために在来の土砂で埋め戻しを行うことが ,掘削跡の全部を在来の土砂で埋め戻す場合を除き,掘削を行う前の地盤面から垂直距離で6mを超える掘削を禁止するものであるところ,これは,採取した砂利を販売するために在来の土砂で埋め戻しを行うことができない砂利採取業者に対して事実上6mを超える掘削深の掘削を禁止するものであるから,憲法22条1項が国民に保障する営業の自由の著しい侵害に当たる。 ウ本件条例の目的は,地下水の水質の保全を図ることにより良質な飲料水を確保することにあるものと解されるところ,原告が知る限り,掘削深6mを超えて掘削が行われたことによって地下水の水質が汚染されたこと はない。したがって,掘削深6mを超える掘削を一律に制限するという本件掘削規制が採用した手段と,本件条例の目的との間に合理的な関連性があるということはできないから,本件掘削規制は,憲法22条1項が保障する営業の自由の侵害に当たる。 エ東日本大震災の発生以来,公共工事に欠かせない生コンクリートが不足する状態が長く続いており,生コンクリートの材料となる砂利の採取を行う砂利採取事業の意義は極めて大きい。それにもかかわらず,本件掘削規制はいたずらに砂利採取事業を制約するものであり,前記イ及びウで主張したとおり営業の自由の侵害であるばかりか,公共工事等の発展をも阻害するものであることを考慮すべきである。 (被告の主張の要旨)ア後記イ及びウによれば,本件掘削規制は,憲法22条1項が国民に保障する営業の自由の侵害には当たらない。 イ本件掘削規制は,掘削深6mを超える掘削を一律に禁止するものではなく,掘削後に,掘削を行う前の地盤面まで在来の土砂を使って掘削跡を全て埋め戻すのであれば掘削深6mを超えて掘削を行うことを許容している。したがって,本件掘削規制により掘削深6mを超える掘削が一律禁止されるこ に,掘削を行う前の地盤面まで在来の土砂を使って掘削跡を全て埋め戻すのであれば掘削深6mを超えて掘削を行うことを許容している。したがって,本件掘削規制により掘削深6mを超える掘削が一律禁止されることを前提とする原告の主張は失当である。 ウ被告の町域では広範囲にわたり,地表面から垂直方向にして深さ約7mより深い部分に流れの速い地下水の帯流層(以下「主要帯流層」という。)がある。そのため,地表面から深度7mを超える縦穴が掘削されると,浅い層にある地下水が主要帯流層に吸い込まれ,その後,速い速度で下流に伝播・拡散する。 このような被告の町域に見られる地下水の特性によれば,仮に掘削深6mを超えて掘削された部分が汚染された土によって埋め戻されると,埋め戻しに用いられた土の中にある汚染物質が地下水の主要帯流層を通じて 下流に伝播・拡散する危険性が極めて高い。 また,掘削深6mを超えて掘削された部分を在来の土砂以外の土で埋め戻した場合,地層の土砂の間隙率が変化し,その結果,これまで地下水の流れていた経路が変化して地下の水源が枯渇する箇所が出るなどの影響が生じる可能性もある。 したがって,本件掘削規制により,掘削深6mを超える掘削を原則として禁止することは,地下水の主要帯流層の破壊及び汚染を防ぎ,地下水の水質や水量の保全を図り良質な飲料水を確保するという本件条例の目的を達成するために必要かつやむを得ないものであるから,本件条例の目的と本件掘削規制が採用した手段との間には合理的な関連性がある。 (2) 争点2(本件掘削規制は砂利採取法に違反するか否か。)について(原告の主張の要旨)ア後記イ及びウによれば,本件掘削規制は砂利採取法に違反するものであるから,条例としての効力を有しない。したがって,本件再掘削が本件掘削規制に違反すること か。)について(原告の主張の要旨)ア後記イ及びウによれば,本件掘削規制は砂利採取法に違反するものであるから,条例としての効力を有しない。したがって,本件再掘削が本件掘削規制に違反することを理由としてされた本件処分は違法である。 イ砂利採取法19条の認可の運用基準を定めた砂利採取計画認可準則(昭和43年河政発第99号・通産省化局第491号。以下「本件認可準則」という。)によれば,農地を掘削地とする掘削深は原則10m以内とされ,ボーリング調査等により砂利層が10m以上存在することが確認された場合には最大15m程度とするものとされている。本件認可準則の定めによれば,本件掘削規制が掘削深を6mまでに制限していることには合理的な根拠はなく,本件掘削規制を定めた本件条例10条の2は法律(砂利採取法)に違反する。 ウ原告は,本件処分当時,愛知県知事から,砂利採取法に基づく砂利採取計画の認可(本件認可)を受けていたところ,本件処分は,本件認可に基づいて行われる本件再掘削をいたずらに停止するものであるから同法に 違反する。 (被告の主張の要旨)ア後記イ及びウによれば,本件掘削規制は,砂利採取法に違反するものではない。 イ条例の定めが国の法令に違反するものであるか否かについては,両者の対象事項と規定文言とを対比するだけではなく,それぞれの趣旨,目的,内容,効果を比較し,両者の間に矛盾抵触があるかどうかによってこれを決すべきである。 砂利採取法は,16条において,砂利採取業者が砂利の採取を行おうとするときは,当該採取に係る砂利採取場ごとに採取計画を定め,当該砂利採取場の所在地を管轄する都道府県知事の認可を受けなければならないものとし,19条において,採取計画に基づいて行う砂利の採取が他人に危害を及ぼし,公共の用に供する施 場ごとに採取計画を定め,当該砂利採取場の所在地を管轄する都道府県知事の認可を受けなければならないものとし,19条において,採取計画に基づいて行う砂利の採取が他人に危害を及ぼし,公共の用に供する施設を損傷し,又は他の産業の利益を損じ,公共の福祉に反すると認めるときは認可をしてはならないとしており,具体的な認可の基準については,都道府県知事等の合理的な裁量に委ねられている。 原告が指摘する本件認可準則は,認可基準の一応の目安ないし参考として発出された通達であり,それ自体に法的な拘束力はない。また,本件認可準則に依拠することにしたとしても,本件認可準則は,砂利採取業者に対して掘削深10mまでの砂利採取行為を一般的に保障したものではなく,地域の個別の事情により10mより少ない掘削深としないと他人に危害を及ぼすなど,公共の福祉に反すると認めるときは,10mを超えない掘削深でなければ認可しないという運用も当然に許容するものである。 このように,砂利採取法は,砂利採取行為について全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく,それぞれの普通公共団体において,その地方の実情に応じて,別段の規制を施すことを容認する趣旨で制定された ものであることは明らかであるから,本件条例10条の2は砂利採取法16条の規定との間で矛盾抵触するものではない。 ウ原告が指摘する本件認可準則は,前記(1)(被告の主張の要旨)ウで主張した被告の固有の事情を反映したものではない上,地下水の保全とは異なる目的に基づいて設定されたものであるから,本件掘削規制と異なる定めが本件認可準則に置かれていることを理由として,本件掘削規制が砂利採取法に違反するとはいえない。 (3) 争点3(本件掘削規制は水質汚濁防止法に違反するか否か。)(原告の主張の要旨)ア後記 件認可準則に置かれていることを理由として,本件掘削規制が砂利採取法に違反するとはいえない。 (3) 争点3(本件掘削規制は水質汚濁防止法に違反するか否か。)(原告の主張の要旨)ア後記イ及びウによれば,本件掘削規制は水質汚濁防止法に違反するから,条例としての効力を有しない。したがって,本件再掘削が本件掘削規制に違反することを理由としてされた本件処分は違法である。 イ水質汚濁防止法が,地方公共団体においてその地方の実情と必要に応じてその条例で特別の規制を加えることを禁止するものではないことは,被告の指摘するとおりである。 しかしながら,水質汚濁の防止に関して法律で定めた基準を超える基準(以下「上乗せ基準」という。)を条例で定める権限は,大気汚染の防止の場合と同じく,法律の定めに基づいて都道府県に委任されているから,市町村がその制定する条例で上乗せ基準を定めることはできない。したがって,町である被告が制定した条例に基づく本件規制は,水質汚濁防止法が予定していない上乗せ条例を定めるものであって違法である。 ウ前記(1)(原告の主張の要旨)ウで主張したとおり,掘削深6mを超えて掘削することによって地下水の水質が汚染されたことはない。 上乗せ基準を条例で設定する場合には,環境行政の目標である環境基準を達成するために必要かつ十分な程度のものでなければならないところ,本件掘削規制は不当な負担を課す過度の規制であるから,水質汚濁防止法 に違反する。 (被告の主張の要旨)ア後記イ及びウによれば,本件掘削規制は,水質汚濁防止法に違反するものではない。 イ前記(2)(被告の主張の要旨)イで主張したとおり,本件条例の定める本件掘削規制が水質汚濁防止法に違反するか否かについては,両者の対象事項と規定文言とを対比するだけでは 反するものではない。 イ前記(2)(被告の主張の要旨)イで主張したとおり,本件条例の定める本件掘削規制が水質汚濁防止法に違反するか否かについては,両者の対象事項と規定文言とを対比するだけではなく,それぞれの趣旨,目的,内容,効果を比較し,両者の間に矛盾抵触があるかどうかによってこれを決すべきであるところ,水質汚濁防止法に基づく規制と本件掘削規制は規制の目的及び対象を異にするものであるから,本件掘削規制は水質汚濁防止法に違反しない。 ウ水質の汚濁の防止を図り,国民の健康を保護することを目的とする水質汚濁防止法の趣旨に照らすと,同法が,掘削行為など水の排出や水の浸透以外の行為による地下水の水質の汚濁について,いかなる規制も施すことなく放置すべきであるとしているとは考え難い。 (4) 争点4(本件掘削規制は環境基本法及び同法に基づく環境基準に違反するか否か。)(原告の主張の要旨)本件条例は,環境基本法とそれに基づく環境基準の法規の下にある。 地下水の汚染の原因は土壌中の有害物質であるところ,土地の掘削によっては,水質の保全に何ら影響がない。仮に,土地の掘削によって地下水の経路が破壊される可能性があるとしても,そのことから直ちに地下水の汚染にはつながらない。 このように,土壌汚染を生じる余地がないにもかかわらず,掘削深6mを超える掘削を一律に禁止する本件掘削規制は,環境基本法及びそれに基づく環境基準の内容を大幅に上乗せする不合理な規制であるから同法に違反す るものであり,条例としての効力を有しない。したがって,本件再掘削が本件掘削規制に違反することを理由としてされた本件処分は違法である。 (被告の主張の要旨)環境基本法は,国が行う環境政策の新たな枠組みを示す基本的な法律であり,環境基本法に基づく水質汚濁に係る環 件掘削規制に違反することを理由としてされた本件処分は違法である。 (被告の主張の要旨)環境基本法は,国が行う環境政策の新たな枠組みを示す基本的な法律であり,環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準は水質保全行政の目標として公共用水域の水質等について達成し,維持することが望ましい基準を定めたものである。 環境基本法は,地方公共団体が定める条例において,同法に基づく基準より緩やかな規制あるいは厳しい規制を行うことを禁止するものではないから,本件掘削規制は環境基本法に違反するものではない。 (5) 争点5(本件処分は本件条例の定める要件不充足のため違法であるか否か。)(原告の主張の要旨)ア後記イないしカによれば,本件処分は,本件条例10条の2及び本件条例11条5項所定の要件を充足していないから違法である。 イ本件条例10条の2は,掘削を行う前の地盤面から垂直距離で6mを超える掘削を禁止するものであるところ,原告は,本件再掘削の掘削深につき最大6mを厳守することを前提に作業しているから,同条に違反したということはできない。本件条例11条第5項は,本件条例10条の2により禁止される作業を行った者に対して必要な措置を命ずる規定であるから,原告が本件条例10条の2に違反したということができない以上,本件条例11条5項を根拠として本件再掘削の中止を命令することは許されない。 ウ本件条例11条5項に基づく作業禁止命令の対象となるのは,本件条例10条の2により禁止される作業を行った者であるところ,原告は,本件掘削によって生じた掘削跡について本件埋め戻し作業を完了し,平成24 年10月24日付けで,被告から,本件完了確認も受けている。したがって,本件掘削と本件再掘削とを一体のものとみて,同項が定める本件掘削規制に違反したと いて本件埋め戻し作業を完了し,平成24 年10月24日付けで,被告から,本件完了確認も受けている。したがって,本件掘削と本件再掘削とを一体のものとみて,同項が定める本件掘削規制に違反したということはできない。 エ本件掘削により地下水の経路が破壊されたことを示す明確な証拠はなく,本件各土地の地下に地下水の経路である帯水層が存在している証拠もない。この点に関して,被告は,本件各土地に大量の地下水が溜まっている状態を指摘して,本件掘削によって地下水の経路が破壊された根拠としている。 確かに,本件立入検査の時点で,本件各土地に溜まっていた水の中には,本件掘削により湧き出した地下水もあるが,本件各土地の掘削を始めてから本件立入検査までに3か月間が経過していたため,その間に降った雨水が溜まっていたことも考慮されるべきである。したがって,本件各土地に大量の水が溜まっていたことをもって,本件各土地の地下にある地下水の経路が破壊されたことを示すものということはできないし,仮に,地下水の経路が破壊されていたとしても,そのことから直ちに地下水の汚染のおそれがあるということもできない。 オ原告は,愛知県一宮建設事務所維持管理課及び尾張農林水産事務所農政課から,砂利採取法に基づく認可ないし農地法に基づく転用許可で認められた期間内であれば,本件計画地から砂利を採取することは問題がない旨の回答を得ている。本件処分は,砂利採取法に基づく本件認可や農地法に基づく転用許可によって認められている砂利の採取を許さないものであるから違法である。 カ本件処分は,被告の町内において原告が砂利採取事業に参入すること自体を排除するために意図的にされたものであり,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものであるから違法である。 (被告の主張の要旨) ア 告の町内において原告が砂利採取事業に参入すること自体を排除するために意図的にされたものであり,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものであるから違法である。 (被告の主張の要旨) ア後記イないしオによれば,本件再掘削は,本件条例10条の2が定める本件掘削規制に違反するものであるから,同条に違反することを理由に本件条例11条5項に基づいてされた本件処分は処分要件を充足するものであって適法である。 イ本件埋め戻し作業は,本件各土地の在来の土砂自体でされた埋め戻しではなく,緊急のために被告が在来の土砂と認めた土砂によって実施された応急措置にすぎない。 したがって,このような応急措置が終了し,被告の完了確認を受けたからといって,真に原状回復が完了したということはできない。それにもかかわらず,原告は,本件埋め戻し作業が終了してから僅か1か月後に本件再掘削を行い,本件各土地に埋め戻した土砂を除去しようとしたものであるから,本件再掘削が本件掘削規制に違反するものであることは明らかである。 ウ本件掘削により地下水の主要帯流層が存在する深さ7mを大幅に超える9.07mから10.57m以上の深さで本件各土地が掘削された結果,本件立入検査の時点で本件各土地には地下から湧き出した大量の地下水が溜まっている状況であったから,本件過剰掘削部分に存在した地下水の経路は大きく破壊されたものと考えられる。したがって,これまで掘削されていない土地を新たに掘削する場合と本件とでは,想定される場面が大きく異なるから,原告が指摘するような事情をもって,本件処分が本件条例10条の2の処分要件を充足していないということはできない。 エ前記(1)(被告の主張の要旨)ウで主張したとおり,本件掘削規制を定める本件条例は,地下水の水質の保全のみならず,水量の 分が本件条例10条の2の処分要件を充足していないということはできない。 エ前記(1)(被告の主張の要旨)ウで主張したとおり,本件掘削規制を定める本件条例は,地下水の水質の保全のみならず,水量の保全も目的とするものである。したがって,本件掘削により地下水が汚染された事実はないことのみを指摘する原告の主張は失当である。 オ原告は,本件各土地を約10m前後の深さまで掘削して地下水の流路を 破壊した上,本件掘削により生じた砂利を採取して在来の土砂による埋め戻しを不可能とし,本件条例10条の2に違反する状態を作出したものである。 本件処分は,原告が本件掘削規制に違反した状態を本件再掘削により維持しようとしたことに対してされたものであるから,裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用した違法な処分であるということはできない。 (6) 争点6(本件処分の国家賠償法上の違法の有無及び原告の損害額)(原告の主張の要旨)ア前記(1)ないし(5)の(原告の主張の要旨)で主張したとおり,本件処分は違法であり,本件処分をしたα町長には,職務上の法的義務違反が存する。 イ原告は,本件処分がされなければ,本件再掘削により採取した砂利を販売することにより2121万5250円の売上げを得られた。他方,原告が上記の売上げを得るために要する経費は1589万0435円であるから,原告は,違法な本件処分がされたことによって532万4815円の損害を被った。 ウしたがって,被告は,国家賠償法1条1項に基づき,原告に対し,上記損害(逸失利益)532万4815円及びこれに対する本件処分の日(平成24年11月12日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の賠償義務を負う。 (被告の主張の要旨)ア前記(1)ないし(5)の(被告の主張の要 びこれに対する本件処分の日(平成24年11月12日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の賠償義務を負う。 (被告の主張の要旨)ア前記(1)ないし(5)の(被告の主張の要旨)で主張したとおり,本件処分は適法であるから,被告は,原告に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償義務を負うものではない。 イ損害額に関する原告の主張については争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実に,掲記の証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。 (1) 本件条例10条の2の規定の制定経緯等ア α町における地下水の取水状況等(ア) α町は,木曽川扇状地(犬山扇状地)に位置し,その表層には,細・中粒砂層が1.5mから2m以上の厚さで堆積し,その下に主として2cmから5cm大の円礫を含んだ沖積層基底礫層が存在している。(乙16の1,乙17)(イ) α町全域を含む濃尾平野では,鮮新世(約500万年前から約258万年前までの期間)以降の地層はすべて被圧帯水層(不透過性の地質に挟まれている帯水層をいい,不圧帯水層と比較して水の出入りが少なく,水圧が高くなるという特性を持つもの)である。この中でも,第一,第二,第三層の各礫層の地下水産出能力が際立っている。(乙17,弁論の全趣旨)(ウ) 被告及び隣接するβ町を給水区域として設立された丹羽広域事務組合は,自己水源16か所からの取水と県営水道からの受水によって給配水を行う上水道事業を行っている。これら16か所の水源においては,地下水が取水井から汲み上げられ,被告及びβ町の住民に飲料水として供給されている。このうち合計5か所(①γ第1水源,②γ第2水源,③α北部水源,④α中部水源及び⑤α南部水源)の水源は,被告の町内にある。(甲37 から汲み上げられ,被告及びβ町の住民に飲料水として供給されている。このうち合計5か所(①γ第1水源,②γ第2水源,③α北部水源,④α中部水源及び⑤α南部水源)の水源は,被告の町内にある。(甲37,38,42,乙15,20,23,弁論の全趣旨)(エ) 丹羽広域事務組合の上水道事業においては,平成20年度から平成24年度までの間,年間総配水量が678万3963㎥から692万5120㎥までで推移してきた。このうち,地下水を供給源とする配水量は,265万5693㎥から275万7423㎥までで推移しており,全体 の配水量の39.1%から39.8%を占めてきた。(甲37,乙15,20,弁論の全趣旨)イ本件条例10条の2の制定経緯(ア) 本件条例には,当初,本件掘削規制を定めた10条の2の規定は存在しなかったが,被告は,本件条例の制定後,町内の地下水の水質及び水量の保全を図るという観点から,土砂の掘削及び埋め戻しが地下水に与える影響等を調査した上で掘削深度の上限等に関する規制を行う必要性等について検討することにし,平成14年頃,株式会社A(以下「A」という。)に対し,α町における地質及び地下水の水質,流動方向,流速等に関する調査と土砂の掘削及び埋め戻しに関する規制案の考察及び提言を内容とする業務を委託した。これを受けて,Aでは,平成14年度から2年間にわたり,α町内の複数の箇所で地質調査や地下水位・水質モニタリング,流向・流速観測試験等の各種調査(以下「A調査」という。)を実施した上,その結果を踏まえて,平成16年3月31日頃,被告に対してα町地下水調査業務委託(平成15年度)報告書(以下「本件業務委託報告書」という。)を提出した。(乙18,弁論の全趣旨)(イ) 本件業務委託報告書には,概要,次のような内容が記載されていた 対してα町地下水調査業務委託(平成15年度)報告書(以下「本件業務委託報告書」という。)を提出した。(乙18,弁論の全趣旨)(イ) 本件業務委託報告書には,概要,次のような内容が記載されていた。 (乙18の1)a 地質調査の結果(地質の概要)α町は,町全体が比較的一様な地質(犬山・小牧扇状地礫層)から成っている。扇状地を構成している主たる岩相は玉砂利で,直径の比較的大きな礫が多数を占めている。この中・巨礫層は,間隙率(隙間)が大きく,主要な地下水帯水層を形成している。 b 流向・流速観測試験の結果(地下水の実際の流れ)(a) α町の地下を流れる地下水の主方向は,地下の地形・地質から推 定して,ほぼ南方向であると考えられるが,町全体の代表的なモデル地点として調査箇所に選定したBにおける観測調査の結果から,①地下水の流動方向(実測値)は当初の予想よりやや東寄りであることと,②地表面から比較的浅い位置(地表面から約7.5m以深)に流速が著しく速い,層流が観測されることが判明した。 (b) 地下水の流れの状況は,大きく分けて2つの層に区分され,地表面から7m以浅では,上層の地下水が孔内に非常に速い勢いで定常的に吸い込まれている。このため,この深度の領域では,水平方向の流れを観測することはできない。地表面から7.5m以深では,これより上層の地下水を巻き込み,著しい速度で水平方向に流れている。 c 掘削の深度に関する提言砂利採取等により地表面から深度7mを超えるトレンチ(溝)が掘削された場合,浅層域にある地下水がより深い主要帯流層へと吸い込まれ,その後,極めて速い速度で下流域に伝播・拡散することになる。 このため,トレンチ(溝)の埋め戻し土に環境を汚染する物質が混入した場合には,町の主要帯水層へ汚染物質が供給され,地下 流層へと吸い込まれ,その後,極めて速い速度で下流域に伝播・拡散することになる。 このため,トレンチ(溝)の埋め戻し土に環境を汚染する物質が混入した場合には,町の主要帯水層へ汚染物質が供給され,地下水の汚染が町全域に拡散することが懸念される。町広域の地形を考慮すると,安全な鉛直方向の掘削深度は地表面から6m程度と判断される。なお,この深度は局所的な地形の状況によっては更に浅くなる可能性もある。 d 規制の範囲に関する提言α町の地下水には,高速な地下水流層の存在,また,地下水のくみ上げによる逆流現象,更に季節的な地下水位の変動など,地下水の流動に影響を与える様々な要因が複合して作用しているものと考えられる。このため,砂利採取,埋め戻し区域を単に町水源の下流域に制 限することだけでは,地下水質の保全を達成できない可能性がある。 水源の下流,近傍を問わず,α町全域を規制区域に設定するのが,町の地下水質を保全する目的上,最も理にかなったやり方である。 e 町内全域における砂利採取行為禁止の提言(a) 地下水の保全を目的に町内全域における砂利採取事業等を原則として禁止する指導要綱を作成する。 (b) 条例で町内全域において深度6mを超える砂利採取事業等を禁止する。また,埋め戻しについては,使用する土砂の汚染度を含めて条例に従うことが必要である。 (ウ) α町議会は,平成16年3月24日,議員全員協議会(以下「本件議員協議会」という。)を開催し,A調査に主任技師として関与したCD大学名誉教授(以下「C教授」という。)から,調査結果の報告を受けた。本件議員協議会開催時には,前記(イ)の本件業務委託報告書がほぼ完成しており,C教授は,本件業務委託報告書の抜粋をまとめた中間報告書に基づきその概要を説明した上,議員からの質疑に応えた。そ 受けた。本件議員協議会開催時には,前記(イ)の本件業務委託報告書がほぼ完成しており,C教授は,本件業務委託報告書の抜粋をまとめた中間報告書に基づきその概要を説明した上,議員からの質疑に応えた。その中で,C教授は,地下水が豊富であるといっても埋め戻しに使う土砂に有害物質が含まれていれば地下水も汚染されることになるため,本件条例を遵守するよう指示することが必要であるなどの意見を述べた。(乙25,26)(エ) α町議会は,平成16年12月,本件業務委託報告書の内容も踏まえ,被告の町内全域において掘削深7mを超えて掘削が行われた場合には,浅層域にある地下水がより深い帯水層へと吸い込まれ,その後非常に速い速度で下流域に拡散することになるため,埋め戻しに用いられる土砂に環境汚染物質が混入したときは,町域の主要帯水層に汚染物質が供給され,その後広域に拡散することが懸念されるとして,平成16年α町条例第21号(平成17年6月27日施行)により本件条例を改正 し,本件掘削規制について定めた本件条例10条の2の規定を本件条例の中に追加した。(乙18,27,弁論の全趣旨)(2) 本件処分に至る経緯等ア本件掘削に至るまでの経緯等(ア) 原告は,平成23年11月8日付けで,愛知県知事に対し,砂利採取法16条に基づく砂利採取計画の認可を求める本件申請をした。本件申請の際に,原告が愛知県知事に提出した申請書(甲58。以下「本件申請書」という。)には,本件計画地から採取する砂利(砂・砂利・玉石・土その他)の数量は合計2万8989㎥であり,掘削深は最大で6mとすることや,掘削部分の埋め戻し後,約3か月にわたって埋め戻した場所を養生することなどが記載されていた。また,本件申請書には,原告が,愛知県知事及びα町長に対し,保安距離の確保,最大掘削 大で6mとすることや,掘削部分の埋め戻し後,約3か月にわたって埋め戻した場所を養生することなどが記載されていた。また,本件申請書には,原告が,愛知県知事及びα町長に対し,保安距離の確保,最大掘削深の厳守等の採取計画を遵守して採取することを誓約することや,砂利採取に伴う掘削跡地の埋め戻しに当たっては,地下水の汚染を防止し,本件条例を遵守することを誓約することなどが記載された誓約書が複数添付されていた。(甲1,46,58,乙2,弁論の全趣旨)(イ) 愛知県知事は,平成24年1月19日付けで,原告に対し,採取期間を同日から平成25年1月18日までの1年間とする本件認可をした。 本件認可の際,愛知県知事は,①原告の本件計画地での砂利の採取行為等について,他の法令による規制がある場合にはその許認可等を取得すること,②掘削深は最大で6mを厳守すること,③本件計画地の掘削に当たっては,地下水の影響に十分配慮しながら作業を行い,万一,水道水源等に影響が認められた場合は,採取計画にある最大掘削深に満たない場合であっても直ちに作業を中止すること,④掘削跡の埋め戻しに当たっては,本件条例の規定を遵守すること,⑤α町長の意見書(平成24年1月19日付け大建第152号)の内容を遵守することなどの条件 を付した。(甲1,46,58,乙2,34,弁論の全趣旨)(ウ) 原告,被告及び本件計画地の所有者は,平成24年2月2日付けで,本件砂利採取計画において砂利採取場とされた本件計画地において,原告が砂利の採取を行うことに関する協定(以下「本件協定」という。)を締結した。本件協定の際に契約当事者間で取り交わされた協定書(甲57・乙35)には,①原告は,砂利採取法,本件条例,α町砂利採取行為に関する指導要綱(以下「本件指導要綱」という。)及び農地法等の関 締結した。本件協定の際に契約当事者間で取り交わされた協定書(甲57・乙35)には,①原告は,砂利採取法,本件条例,α町砂利採取行為に関する指導要綱(以下「本件指導要綱」という。)及び農地法等の関係法令の規定を遵守すること(4条),②原告は,砂利採取について必要最小限の方法で実施するとともに,自然環境の保全に対して最大の努力をし,砂利採取行為が完了したときは,速やかに原形の復旧(農地)をすること(5条),③原告は,砂利採取作業の開始前後において,被告,愛知県及び地元役員と作業現場において立会いの上,作業の進め方及び作業終了後の公共用施設等の原形の復旧等につき,被告及び愛知県の指示に基づいて実施すること(7条1項),④本件計画地の掘削深は最大6mを遵守し,その埋め戻しに当たっては,山土及び良質な土砂を使用すること(10条),⑤原告が本件協定に違反して掘削していることが明らかになった場合には,被告は,原告から事情を聴取し,その程度に応じて改善措置を指示し,又は砂利採取行為の一時中止を指示することができ,原告は,この指示に従うこと(11条)などが定められていた。(甲57,乙35)イ本件各土地の埋め戻しの経緯等(ア) 原告は,本件認可を受けた平成24年1月19日以降,本件計画地のうち先に本件各土地を掘削して砂利の採取を進め,採取した砂利を第三者に順次販売していたが,遅くとも同年3月31日までには,掘削深6mを超えて本件各土地を掘削した。原告が本件掘削によって本件各土地から採取した土砂の量は,合計で2万0477㎥であり,本件申請書に 記載されていた土砂の予定採取量(2万8989㎥)の約70%に達していた。その後,同年4月2日に原告代表者の立会いの下,被告の職員による本件立入検査が実施され,その結果,本件各土地の大部分において 記載されていた土砂の予定採取量(2万8989㎥)の約70%に達していた。その後,同年4月2日に原告代表者の立会いの下,被告の職員による本件立入検査が実施され,その結果,本件各土地の大部分において掘削深が6mを超えており,被告の職員が機械を用いて掘削深を測定した14の地点では,いずれも掘削深が9.07mから10.57m以上に達していることが判明した。また,本件立入検査が実施された当時,本件各土地からは地下水が湧き出して溜まっており,その水深は3.5mから5m以上にも及んでいた。被告の職員は,本件立入検査終了後,原告代表者に対し,本件掘削は本件掘削規制に違反するとして,直ちに中止して在来の土砂で掘削を行う前の地盤まで戻すように口頭で指導した。(甲1,7,46,乙2,4,5,10)(イ) 原告は,平成24年4月4日付けで,α町長に対し,「砂利採取場(南側)原状回復の施工案について」と題する文書(乙6)を提出した。その中で,原告は,本件各土地の過剰掘削は,自らが負担する債務の弁済のためにやむを得ず行ったものであるなどと弁解した上で,本件各土地のうち,①掘削深6mを超える部分を土壌検査済みの土砂で埋め戻し,②掘削深6m以内の掘削部分については「在来土」で埋め戻すことを提案した。なお,同文書の中で,原告は,「在来土」の文言を「本件各土地にあった土」を指すものとして用いていた。(甲7,乙6)(ウ) これに対し,α町長は,平成24年4月10日付けで,原告に対して「α町δ地内における砂利採取行為の埋め戻しについて」と題する文書(甲2)を送付し,本件各土地の掘削跡については,掘削を行う前の地盤面まで在来の土砂で埋め戻す必要があり,在来の土砂を用いて埋め戻しを行うことを前提とした計画書を同月16日までに提出するように指導した。(甲2,7,弁論の 土地の掘削跡については,掘削を行う前の地盤面まで在来の土砂で埋め戻す必要があり,在来の土砂を用いて埋め戻しを行うことを前提とした計画書を同月16日までに提出するように指導した。(甲2,7,弁論の全趣旨)(エ) 原告は,平成24年4月16日付けで,α町長に対して本件各土地の 埋め戻しに関する計画書(乙7)を提出し,本件各土地の在来の土砂に当たる粘土及びα町ε・ζ地内の土砂置場に置かれている土壌検査済みの土砂を併せて使用した上,従前の粘土天端まで埋め戻しを行い,一定期間養生した後,在来の耕作土で整地仕上げを行うことを内容とする本件各土地の埋め戻し案を提示した。これに対して,α町長は,同月25日付けで,原告に対して「平成24年4月16日付け埋め戻し計画書について」と題する文書(甲25)を交付し,上記計画書(乙7)に記載された原告の埋め戻し案は,掘削を行う前の地盤面まで在来の土砂によって埋め戻さなければならないとする本件条例の趣旨及び規定に違反すると指摘し,同年5月15日までに再検討の上,埋め戻し案を提出するように指示した。(甲7,25,乙7,8)(オ) 原告は,平成24年5月2日付けで,α町長に対して「埋め戻し計画書」と題する文書(乙9)を提出し,本件各土地の在来の土砂(本件各隣接地の上に堆積してある本件各土地に元からあった粘土)と本件各隣接地の粘土・砂利を併せて使用することで本件各土地を埋め戻す案を提示した。次いで,原告は,同月7日付けで,α町長に対し,(ⅰ)本件掘削につき深く反省し,今後は十分注意して施工すること,(ⅱ)同月2日付けの埋め戻し計画書の履行に当たっては,①計画書どおりに施工するほか,関係法令や本件条例を順守すること,②今般の施工方法は,あくまでも今回限りの方法であることを約束することなどを誓約する旨の誓 付けの埋め戻し計画書の履行に当たっては,①計画書どおりに施工するほか,関係法令や本件条例を順守すること,②今般の施工方法は,あくまでも今回限りの方法であることを約束することなどを誓約する旨の誓約書を提出した。(乙9,10,弁論の全趣旨)(カ) 原告は,本件各土地の埋め戻しの方法につき被告と協議を重ねていた最中である平成24年5月11日,本件条例に基づく特定作業に当たる埋め戻し作業を進めていたα町ηの砂利採取場(以下「別件砂利採取場」という。)に,ダンプカー約60台分の土壌検査未了の土(以下「無検査土」という。)を搬入した。これを受けて,α町長が,原告に対して 搬入の中止を指導したところ,原告は,別件砂利採取場に無検査土を搬入する作業を中止したが,その翌日である同月12日には,被告の了解を受けることなく,本件各土地に無検査土を搬入した。(乙10,12)(キ) 原告の度重なる本件条例違反行為を受けて,平成24年5月14日,α町砂利採取行為審査会(以下「本件審査会」という。)が開催された。 原告は,その席上,同月17日までに埋め戻し工法を記載した本件各土地の埋め戻し計画書を提出する旨表明した。(甲7,乙10)(ク) 原告は,平成24年5月17日付けで,α町長に対し,「埋め戻し工事計画書」と題する文書(乙11)を提出し,被告から要請された埋め戻しの工法(①本件各隣接地から採取した土砂,②本件隣接地から採取した粘土,③本件各土地の在来の粘土,④本件各土地の在来の耕作土の層に分けて下から埋め戻しを行うもの)は,地盤沈下が起こる可能性等があるために施工が困難である旨伝え,(ⅰ)土壌検査済みの土砂並びに本件各土地の在来の粘土及び耕作土により埋め戻す方法と,(ⅱ)本件各隣接地から採取した粘土及び砂利と土壌検査済みの土とを混ぜた土砂と あるために施工が困難である旨伝え,(ⅰ)土壌検査済みの土砂並びに本件各土地の在来の粘土及び耕作土により埋め戻す方法と,(ⅱ)本件各隣接地から採取した粘土及び砂利と土壌検査済みの土とを混ぜた土砂と本件各土地の粘土・耕作土により埋め戻す方法のいずれかの方法で埋め戻しを行うこととし,上記(ⅱ)の施工案が採用される場合には,埋め戻し工事にかかる費用を捻出するため,本件各隣接地から採取される砂利の30%程度(約5000㎥)の販売を認めてほしい旨を求めた。これを受けて,α町長は,被告の提案した2つの施工案はいずれも採用できないとした上で,埋め戻しに用いる土について再検討の上,埋め戻し計画書を再度提出するように指示した。(甲7,乙11,12,弁論の全趣旨)(ケ) 原告は,本件各土地を掘削して採取した砂利を既に売却していたため,在来の土砂のみで掘削跡を埋め戻すのは困難であり,また,本件各土地に元からあった粘土を本件各隣接地に堆積するなどしたため,土砂 の混交が生じていたことに加え,元々の地層どおりに埋め戻す作業を行うのではコストもかさむことから,本件各土地の土砂と本件各隣接地の土砂との混合土砂を使用して埋め戻しを行うことを前提として,平成24年6月20日付けで,α町長に対し,「埋め戻し工事計画書」と題する文書(甲28・乙13。以下「平成24年6月20日付け計画書」という。)を提出した。同計画書では,「埋め戻し土の搬出地」は本件各隣接地とされており,計画書に添付された「埋め戻し工事工程概要」には,耕作土及び粘土の堆積場所ごとに本件各隣接地を5つの区域に分けて作業を進めることが記載されていたほか,同計画書添付の復元案には,本件各隣接地から採取した砂利及び粘土並びに本件各土地の在来の粘土から成る混合土砂で先に埋め戻しを行い,その上に,本件各 区域に分けて作業を進めることが記載されていたほか,同計画書添付の復元案には,本件各隣接地から採取した砂利及び粘土並びに本件各土地の在来の粘土から成る混合土砂で先に埋め戻しを行い,その上に,本件各隣接地から採取した粘土を敷き詰め,その後,本件各土地の在来の耕作土で整地仕上げする予定である旨が記載されていた。(甲28,乙13,弁論の全趣旨)(コ) 次いで,原告は,平成24年6月21日付けで,α町長に対し,①本件各土地の過剰掘削については深く反省し,今後,このようなことがないよう関係法令や本件条例を順守すること,②特に掘削深については6mを厳守し,十分留意して施工すること,③本件協定に違反した場合には,今後,α町内では砂利の採取をしないことを誓約することなどを記載した誓約書(乙36)を提出した。(乙36)(サ) 被告は,平成24年6月20日付け計画書や同計画書に添付された資料に記載された内容に従って原告が本件各土地を埋め戻すことを前提に,平成24年6月26日付けで,被告及び本件計画地の各所有者との間で本件覚書(甲3)を取り交わし,①本件各隣接地(面積4286㎡)から採取した土砂を搬入して本件各土地(面積3421㎡)を埋め戻すこと(1条),②埋め戻しの工期は,本件覚書の締結日から同年10月 31日までとすること(2条),③原告は,本件各土地の埋め戻しに当たって,砂利採取法,本件条例,本件指導要綱及び農地法等関係法令の規定を遵守し(5条1項),実際の埋め戻し作業に際しては,本件砂利採取計画及び埋め戻し工事計画書どおりに行うこと(同条3項),④埋め戻し作業が完了した場合には,原告は,速やかに,被告に対して是正完了報告書を提出し,被告の完了検査を受けること(同条4項),⑤原告は,埋め戻し行為が完了し,被告の完了検査を受けるまでは 項),④埋め戻し作業が完了した場合には,原告は,速やかに,被告に対して是正完了報告書を提出し,被告の完了検査を受けること(同条4項),⑤原告は,埋め戻し行為が完了し,被告の完了検査を受けるまでは,被告等との協議によって許可された場合を除き,本件計画地の在来の土砂を当該土地以外の場所に搬出することはできないこと(同条5項),⑥原告が本件覚書の記載内容に違反した場合には,被告は,原告から事情を聴取し,その程度に応じて改善措置を指示し,又は作業の一時中止を指示することができ,原告は,その指示に従うこと(9条)などを合意した。 なお,本件覚書で合意された本件各土地の埋め戻しの施工方法は,掘削前の本件各土地の地層(耕作土層,粘土層,砂利層)に対応した形での埋め戻しではなく,粘土と砂利から成る混合土砂で埋め戻すというものであった。(甲3,7,46,弁論の全趣旨)(シ) 原告は,平成24年6月中には本件埋め戻し作業に着手し,同年10月12日に作業を完了した。その後,原告は,同月15日,α町長に対して本件埋め戻し作業が完了した旨報告し,同月24日,被告の職員から,本件完了確認を受けた。(甲4,7,46)ウ本件処分の内容等(ア) 原告は,本件埋め戻し作業の終了日(平成24年10月12日)から1か月が経たない同年11月8日から同月12日にかけて,本件埋め戻し作業により埋め戻した本件各土地を再び掘削(本件再掘削)し,販売目的で砂利を採取しようとした。(甲5,7,乙14,弁論の全趣旨)(イ) 原告が本件再掘削を行っていることを知ったα町長は,平成24年1 1月12日付けで,原告に対し,本件条例11条5項の規定に基づき,本件再掘削を直ちに中止するよう命じる旨の本件処分をした。本件処分の際に原告に交付された命令書(甲5)には,①在来の土砂 年1 1月12日付けで,原告に対し,本件条例11条5項の規定に基づき,本件再掘削を直ちに中止するよう命じる旨の本件処分をした。本件処分の際に原告に交付された命令書(甲5)には,①在来の土砂と認めた土砂で掘削跡の埋戻是正措置を講じたにもかかわらず,埋め戻しに用いた土砂を再度掘削・搬出したのでは,在来の土砂による埋め戻しをしたことにならない,②埋め戻しを行った本件各土地を再度掘削した場合,在来の土砂による埋め戻しが事実上不可能となり,このことは,地下水の保全のために,掘削を行う前の土壌環境を復元するという本件条例の目的に反するなどと記載されていた。(甲5,弁論の全趣旨)(ウ) 原告は,平成26年6月17日付けで,愛知県知事に対し,砂利採取計画の変更の認可申請をした。これを受けて,愛知県知事は,同年7月18日付けで,砂利採取法16条の規定に基づく本件変更認可をし,同認可の結果,本件各土地に対する砂利の採取期間は,平成26年7月19日から平成27年7月18日までに延長された。なお,本件変更認可では,本件認可の際と同様,①採取行為等について,他の法令による規制がある場合にはその許認可等を取得すること,②掘削深については最大6mを厳守すること,③掘削に当たっては,地下水の影響に十分配慮しながら作業を行い,万一,水道水源等に影響が認められた場合は,採取計画の最大掘削深に満たない場合であっても直ちに作業を中止すること,④掘削跡の埋め戻しに当たっては,本件条例の規定を遵守することなどの条件が付されていた。(甲1,53,乙2,弁論の全趣旨)(エ) 原告は,平成26年7月4日付けで,愛知県知事から,農地法5条に基づいて許可された事業計画の変更(許可期限の延長)の承認を受けた。 (甲54) 2 争点1(本件掘削規制は国民の営業の自由を保障す ) 原告は,平成26年7月4日付けで,愛知県知事から,農地法5条に基づいて許可された事業計画の変更(許可期限の延長)の承認を受けた。 (甲54) 2 争点1(本件掘削規制は国民の営業の自由を保障する憲法22条1項に違反するか否か。)について (1) 職業活動としての営業は,本質的に社会的かつ経済的な活動であって,その性質上,社会的相互関連性が大きいものであるから,憲法22条1項において保障される職業活動としての営業の自由は,それ以外の憲法の保障する自由,殊にいわゆる精神的自由に比較して,公権力による規制の要請が強く,同項が「公共の福祉に反しない限り」という留保の下に職業選択の自由を認めたのも,特にこの点を強調する趣旨に出たものと解される。このように,職業活動としての営業は,それ自身のうちに何らかの制約の必要性が内在する社会的かつ経済的な活動であるところ,その種類,性質,内容,社会的意義や影響が極めて多種多様であるため,その規制を要求する社会的理由ないし目的も千差万別で,その重要性も区々にわたり,これに対応して,現実に営業の自由に加えられる制限としての規制措置も,それぞれの事情に応じて各種各様の形をとることとなる。このため,当該規制措置が憲法22条1項にいう公共の福祉のために要求されるものとして是認されるかどうかは,これを一律に論ずることができず,具体的な規制措置について,規制の目的,必要性,内容,これによって制限される営業の自由の性質,内容及び制限の程度を検討し,これらを比較考量した上で慎重に決定されなければならない。そして,このような検討と考量をするのは,第一義的には立法機関の権限と責務であり,その憲法適合性の司法審査に当たっては,規制の目的が公共の福祉に合致するものと認められる以上,そのための規制措置の具体的内容及び ような検討と考量をするのは,第一義的には立法機関の権限と責務であり,その憲法適合性の司法審査に当たっては,規制の目的が公共の福祉に合致するものと認められる以上,そのための規制措置の具体的内容及び必要性と合理性については,立法府の判断がその合理的裁量の範囲にとどまる限り,立法政策上の問題としてこれを尊重すべきであるが,その合理的裁量の範囲については,事の性質上自ずから広狭があり得るのであって,裁判所は,具体的な規制の目的,対象,方法等の性質と内容に照らして,これを決すべきものといわなければならない(最高裁昭和43年(行ツ)第120号同50年4月30日大法廷判決・民集29巻4号572頁,最高裁昭和63年(行ツ)第56号平成4年12月15日第三小法廷判決・民集4 6巻9号2829頁参照)。 (2) そこで,まず最初に,本件掘削規制の規制目的について検討するに,前記1(1)で認定した事実によると,①被告は,本件条例の制定後,町内の地下水の水質及び水量の保全を図るという観点から,土砂の掘削及び埋め戻しが地下水に与える影響等を調査した上で掘削深度の上限等に関する規制を行う必要性等について検討することにし,平成14年度から2年間にわたり,Aに対し,α町における地質及び地下水の水質,流動方向,流速等に関する調査と土砂の掘削及び埋め戻しに関する規制案の提言等を内容とする業務を委託したこと,②A調査の結果,α町では広範囲にわたって地表面から7. 5m以深の箇所に流速が速く水平に流れる地下水の層流(主要帯流層)が存在することが明らかになったこと,③Aが被告に提出した本件業務委託報告書では,安全な鉛直方向の掘削深は地表面から6m程度であり,それ以上の深さの掘削が行われた場合において,埋め戻し用の土砂に汚染があったときは,主要帯流層を介して広い範囲で に提出した本件業務委託報告書では,安全な鉛直方向の掘削深は地表面から6m程度であり,それ以上の深さの掘削が行われた場合において,埋め戻し用の土砂に汚染があったときは,主要帯流層を介して広い範囲で町内の地下水が汚染されるおそれがあることが報告され,町内全域において掘削深6mを超える砂利採取事業等を条例によって禁止することが望ましい旨の提言がされたこと,④本件業務委託報告書の提言内容を踏まえ,被告は,掘削深6mを超えて掘削された掘削跡の埋め戻しに環境汚染物質が混入した土砂が使用されたときは,町域の主要帯水層へ汚染物質が供給され,その後広域に拡散するおそれがあることが明らかになったとして,本件条例を改正して本件掘削規制に係る10条の2を追加し,改正された本件条例は,平成17年6月27日に施行されたことを指摘することができる。 このような本件条例10条の2の規定が制定された経緯に照らすと,本件掘削規制の目的は,α町内で行われる土砂の掘削及び埋め戻しに関して合理的な規制を設けることにより,土砂の掘削跡の埋め戻しに使用される土砂を介して地下水の水質が汚染されることを防止し,もって住民の健康を保持す ることにあるということができるから,本件掘削規制は,国民の生命・身体等に係る重要な利益を保護するものであり,憲法22条1項にいう「公共の福祉」に合致するものというべきである。 以上のとおり,本件条例10条の2所定の本件掘削規制は,その規制の目的が公共の福祉に合致するものであるから,その規制の具体的内容及び必要性と合理性については,立法府の判断がその合理的な裁量の範囲にとどまる限りにおいて,立法政策上の問題としてこれを尊重すべきことになる。 (3) そこで,進んで,本件掘削規制の具体的内容及びその必要性と合理性について検討する。 前記1( 合理的な裁量の範囲にとどまる限りにおいて,立法政策上の問題としてこれを尊重すべきことになる。 (3) そこで,進んで,本件掘削規制の具体的内容及びその必要性と合理性について検討する。 前記1(1)で認定した事実によると,①被告及び隣接するβ町を給水区域として設立された丹羽広域事務組合は,被告の町内にある5か所の水源を含む合計16か所の水源から地下水を汲み上げ,被告及びβ町の住民に飲料水を供給しており,②丹羽広域事務組合の上水道事業においては,これら地下水を供給源とする配水量が総配水量の約40%を占めているところ,③Aが実施した調査の結果,α町には,間隙率(隙間)の大きい中・巨礫層が広がっており,これが地下水帯水層の形成に大きく寄与していることや,広範囲にわたって地表面から7.5m以深の箇所に流速が速く水平に流れる地下水の層流(主要帯流層)が存在していること等が判明し,同研究所から,安全な鉛直方向の掘削深は地表面から6m程度であり,それ以上の深さの掘削が行われた場合において,埋め戻し用の土砂に汚染があったときは,主要帯流層を介して広い範囲で町内の地下水が汚染されるおそれがあること等が報告されたというのである。そうすると,飲料水として用いられている地下水の水質が汚染されることを防止し,もって住民の健康を保持するという前示の立法目的を達成するためには,本件掘削規制を行う必要があるとした被告の判断には,合理性があるというべきである。 そして,これら諸点に加え,①本件条例10条の2が定める本件掘削規制 の内容は,在来の土砂以外の土砂で埋め戻しを行う場合には掘削深6mを超える掘削をしてはならないというものであり,これにより,原告のような砂利採取業者は,被告の町内全域において掘削深6mを超える掘削を行って砂利を採取することが事実上制限 しを行う場合には掘削深6mを超える掘削をしてはならないというものであり,これにより,原告のような砂利採取業者は,被告の町内全域において掘削深6mを超える掘削を行って砂利を採取することが事実上制限されることになるものの,これは,職業選択の自由そのものに対して制約を課すものではなく,職業活動としての営業の内容やその態様に対する制約にとどまるものであること,②本件掘削規制は,砂利の採取自体を全て禁止するというものではなく,掘削深6mを超える掘削をして砂利を採取することを禁止するものにすぎないこと等をも併せ考慮すると,本件条例10条の2が定める本件掘削規制は,営業の自由に対する過度の規制となるものではなく,飲料水として用いられている地下水の水質が汚染されることを防止し,もって住民の健康を保持するという前示の立法目的を実現するための規制手段として,合理性を有するものであるというべきである。 以上のとおり,被告町内に供給される上水道全体の約4割を担う地下水の汚染のおそれを事前に防止するため,在来の土砂以外の土砂で埋め戻しを行う場合には掘削深6mを超える掘削をすることはできない旨の本件掘削規制を設けたことは,その目的を達成するために必要かつ合理的な内容にとどまるものであって,憲法94条に基づく条例の制定権限を有する地方公共団体(議会)としての合理的な裁量の範囲の範囲内にあるというべきである。 したがって,本件掘削規制が憲法22条1項の保障する営業の自由を侵害するものであるということはできない。 (4) これに対し,原告は,①本件掘削規制は,砂利採取業者に対し,掘削深6mを超える掘削を事実上禁止するものであること,②原告が知る限り,現実にこれまで掘削深が6mを超えて掘削された場合において地下水の水質が汚染されたことはないこと,③原告が行ってい 者に対し,掘削深6mを超える掘削を事実上禁止するものであること,②原告が知る限り,現実にこれまで掘削深が6mを超えて掘削された場合において地下水の水質が汚染されたことはないこと,③原告が行っている砂利採取事業は,公共工事等に欠くことのできないものであるところ,本件掘削規制は公共工事等の発 展をいたずらに阻害するものであることを挙げて,本件掘削規制は憲法22条1項が保障する営業の自由の侵害に当たる旨主張する。 しかしながら,上記①の点については,憲法が保障する人権は絶対無制限のものではなく,公共の福祉の観点から一定の制約を受けるものであるところ,本件掘削規制は,被告町内の全域にわたって深さ7.5m以深に広く存在する地下水の主要帯流層の破壊及び汚染を防ぎ,地下水の水質の保全を図ることで良質な飲料水を確保するという正当な目的に基づく公共の利益のための必要かつ合理的な規制であるということができることは前記(2)で既に説示したとおりである。したがって,本件掘削規制により砂利採取業者の営業の内容やその態様が一部制限されることがあるとしても,そのことをもって本件掘削規制が憲法22条1項に違反するものであるということはできない。 上記②の点については,掘削深6mを超えて掘削された場合,埋め戻し用の土砂が汚染されていたときには,地下水の層流(主要滞流層)の分布状況や地下水の流速等から,被告町内の広範囲にわたって地下水の汚染が広がるおそれがあることは前記(2)で認定・説示したとおりである。したがって,仮に,原告が主張するように,掘削深が6mを超えて掘削された場合において地下水の水質が汚染された具体例が現時点では報告されていなかったとしても,そのことをもって,本件掘削規制の必要性や合理性を否定する事情であるということはできない。 上記③の点 削された場合において地下水の水質が汚染された具体例が現時点では報告されていなかったとしても,そのことをもって,本件掘削規制の必要性や合理性を否定する事情であるということはできない。 上記③の点については,本件掘削規制を前提としても,掘削深6mを超えない掘削をして砂利を採取することは禁止されていないのであるから,本件掘削規制が公共工事の推進に対する著しい侵害に当たるということはできない。 したがって,原告の上記各主張は,いずれも採用することができない。 3 争点2(本件掘削規制は砂利採取法に違反するか否か。)について (1) 普通地方公共団体の制定する条例が国の法令に違反する場合には効力を有しないものと解されるところ(地方自治法14条1項),地方公共団体の定める条例が,国の法令よりも厳しい規制を行う上乗せ基準を定める上乗せ条例であったり,その規制対象以外の事項について規制を行う横出し条例であることが許されるかについては,両者の対象事項と規定文言を対比するだけでなく,それぞれの趣旨,目的,内容及び効果を比較し,両者の間に矛盾抵触があるかどうかによって判断されるべきものであって,特定の事項についてこれを規律する国の法令と条例とが併存する場合でも,①後者が前者とは別の目的に基づく規律を意図するものであり,その適用によって前者の規定の意図する目的と効果を何ら阻害することがないときや,②両者が同一の目的に出たものであっても,国の法令が必ずしもその規定によって全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく,それぞれの普通地方公共団体において,その地方の実情に応じて,別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは,国の法令と条例との間には何ら矛盾抵触はなく,条例が国の法令に違反するという問題は生じないものと解される(最高裁 て,その地方の実情に応じて,別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは,国の法令と条例との間には何ら矛盾抵触はなく,条例が国の法令に違反するという問題は生じないものと解される(最高裁昭和48年(あ)第910号同50年9月10日大法廷判決・刑集29巻8号489頁参照)。 (2) 砂利採取法は,砂利採取に伴う災害を防止し,併せて砂利採取業の健全な発達に資することを目的とし(1条),砂利採取の認可の申請があった場合,当該申請に係る採取計画に基づいて行う砂利の採取が他人に危害を及ぼし,公共の用に供する施設を損傷し,又は他の産業の利益を損じ,公共の福祉に反すると認めるときは認可をしてはならないとしているところ(19条),このような砂利採取法の目的は,被告の町内で行われる土砂の掘削及び埋め戻しに関して合理的な規制を設けることにより,土砂の掘削跡の埋め戻しに使用される土砂を介して地下水の水質が汚染されることを防止し,もって住民の健康を保持することを目的とする本件掘削規制とその規制目的を一部 共通するものであるということができる。 もっとも,砂利採取法に基づく砂利採取計画の認可・不認可の判断は,採取計画と砂利採取場の位置,付近の環境,自然の状況等を踏まえて行う必要があり,そのため,個別具体的な認可の基準については,砂利採取場のある地域の実情を踏まえて定めざるを得ないものであるところ,同法19条が定める認可の基準が,上述のように抽象的な内容にとどまっているのは,全国一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく,それぞれの普通地方公共団体において,その地方の実情に応じて,別段の規制を施すことを容認するものであることを前提としていることによるものと解される。 そして,本件条例10条の2が定める本件掘削規制が,被告の町内全域にわたって7 いて,その地方の実情に応じて,別段の規制を施すことを容認するものであることを前提としていることによるものと解される。 そして,本件条例10条の2が定める本件掘削規制が,被告の町内全域にわたって7m以深に存在する地下水の主要帯流層の破壊及び汚染を防ぎ,地下水の水質の保全を図ることによって良質な飲料水を確保するという正当な目的に基づく公共の福祉のための必要かつ合理的な規制であることは前記2(2)で説示したとおりであるから,本件条例10条の2が,砂利採取法と矛盾抵触し,同法に違反するものであるということはできない。 (3) これに対し,原告は,①砂利採取法19条所定の認可の運用基準を定めた本件認可準則においては,農地を掘削地とする場合の掘削深は原則として10m以内とされており,本件掘削規制は同法が予定する規制を超えている,②原告は,愛知県知事から,砂利採取法に基づく本件砂利採取計画の認可(本件認可)を受けているところ,本件処分は本件認可に基づく掘削をいたずらに阻害するものであるなどとして,本件条例10条の2が定める本件掘削規制は,砂利採取法に違反する旨主張する。 しかしながら,上記①の点については,砂利採取法19条の規定や本件認可準則の「原則として10m以内」という文言からも明らかであるように,同法は,地方公共団体が掘削地の存するそれぞれの地域の実情に即した運用基準を定めることを禁止するものではないと解されるから,本件認可準則中 の上記文言を根拠として,本件掘削規制が砂利採取法の予定する規制を超えるものであるする原告の主張は,その前提を欠くものというほかはない。 上記②の点については,前記1(2)で認定したとおり,そもそも本件認可には,掘削深最大6mを遵守することや本件条例の規定を遵守することといった条件が付されていたのであるか くものというほかはない。 上記②の点については,前記1(2)で認定したとおり,そもそも本件認可には,掘削深最大6mを遵守することや本件条例の規定を遵守することといった条件が付されていたのであるから,本件条例違反を理由にされた本件処分が本件認可に基づく掘削を阻害するものであるということはできない。 したがって,原告の上記各主張は,いずれも採用することができない。 4 争点3(本件掘削規制は水質汚濁防止法に違反するか否か。)及び同4(本件掘削規制は環境基本法及び同法に基づく環境基準に違反するか否か。)について(1) 水質汚濁防止法は,工場及び事業場から公共用水域(河川,湖沼,港湾,沿岸海域その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝渠,かんがい用水路その他公共の用に供される水路のこと)に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに,生活排水対策の実施を推進すること等によって,公共用水域及び地下水の水質の汚濁の防止を図ることを目的として制定された法律である(1条)ところ,同法第2章の排出水の排出の規制等に関する規定の適用を受けるのは,特定施設(2条2項)及び指定地域特定施設(同条3項)を設置する又は設置しようとする工場若しくは事業場(特定事業場)に限られるから,同法は,特定事業場に該当しない砂利採取場において行われる土壌の掘削行為を規制の対象とするものではない。したがって,砂利採取のための掘削跡を埋め戻す際に地下水が汚染されるおそれがあることを防止するという観点から,その地域の実情に応じた規制を条例で定めることは,水質汚濁防止法の趣旨に反するものではない。 以上によれば,本件掘削規制が水質汚濁防止法に違反するものであるということはできない。 (2) これに対し,原告は,①条例によって水質汚濁に関する上乗 ,水質汚濁防止法の趣旨に反するものではない。 以上によれば,本件掘削規制が水質汚濁防止法に違反するものであるということはできない。 (2) これに対し,原告は,①条例によって水質汚濁に関する上乗せ基準を定め る権限は,法律上,都道府県にのみに付与されているから,町である被告の条例で本件掘削規制を設けることは許されない,②仮に,被告が条例で規制を行うことが許容されるとしても,本件掘削規制は必要性・合理性を欠く内容のものであるから水質汚濁防止法が予定していない規制を行うものであるなどとし,本件掘削規制は水質汚濁防止法に違反する旨主張する。 しかしながら,上記①の点については,確かに,水質汚濁防止法3条3項は,国が定めた排出基準で定める許容限度より厳しい排出基準を条例で定める権限は都道府県にある旨を定めているけれども,同項の適用を受けるのは,特定施設(2条2項)及び指定地域特定施設(同条3項)を設置する又は設置しようとする工場若しくは事業場(特定事業場)に限られ,砂利採取場は同項所定の規制の対象に含まれないことは前記(1)で説示したとおりであるし,同法その他関係法令を精査してみても,市町村には,地下水の水質を保全するための規制について定める条例を制定する権限がないと解すべき根拠は見当たらない。 上記②の点については,本件掘削規制が正当な目的に基づく公共の福祉のための必要かつ合理的な規制であることは既に説示したとおりである。 したがって,原告の上記各主張は,いずれも採用することができない。 (3) さらに,原告は,本件掘削規制が環境基本法や同法に基づく環境基準に違反する旨の主張もする。 しかしながら,環境基本法は,環境の保全についての基本理念を定め,国,地方公共団体,事業者及び国民の責務を明らかにするとともに,環境の保全に関す や同法に基づく環境基準に違反する旨の主張もする。 しかしながら,環境基本法は,環境の保全についての基本理念を定め,国,地方公共団体,事業者及び国民の責務を明らかにするとともに,環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより,環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とするものであり(1条),地方公共団体は,同法が定める基本理念にのっとり,環境の保全に関し,国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の 区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し,及び実施する責務を有する(7条)としているのであるから,被告のような地方公共団体がその事情に応じて,環境の保全に資する内容の規制を行うことができるのは明らかであるところ,本件条例10条の2が定める本件掘削規制が,正当な目的に基づく公共の福祉のための必要かつ合理的な規制であることは既に説示したとおりであるから,本件掘削規制が,環境基本法及び同法に基づく水質汚濁に係る環境基準に違反するものであるということはできない。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 5 争点5(本件処分は本件条例の定める要件不充足のため違法であるか否か。)について(1) 本件条例によると,掘削を行う前の地盤面から垂直距離で6mを超える掘削を行う場合において,その掘削跡を,在来の土砂以外の土砂を使って,その全部又は一部を埋め戻す作業を伴う掘削をしてはならず(10条の2),町長は,上記規定に違反した作業(以下「禁止作業」という。)を行っている者に対し,当該作業の中止を命ずることができるとされているところ(11条5項),α町長は,本件条例11条5項に基づき,本件再掘削の中止を命 規定に違反した作業(以下「禁止作業」という。)を行っている者に対し,当該作業の中止を命ずることができるとされているところ(11条5項),α町長は,本件条例11条5項に基づき,本件再掘削の中止を命じる本件処分をしたものである。 そこで,本件再掘削が本件条例11条5項所定の禁止作業に当たるかどうかについて検討するに,前記1で認定した事実によると,①原告は,遅くとも平成24年3月31日までには,本件各土地(地積合計3421㎡)の大部分について,本件条例10条の2が定める掘削深の上限である6mを超える掘削深(9.07mから10.57m以上)まで掘削を進め,このため,地下水が大量に湧出する事態となったこと,②同年4月2日,本件立入検査が実施され,上記事実が確認されたことから,原告に対し,掘削を中止して在来の土砂で掘削を行う前の地盤まで戻すよう口頭の指導が行われたこと,③原告は,被告から,本件条例の規定どおり,掘削跡を全て在来の土砂で埋 め戻すよう指導されたものの,既に本件各土地の砂利を売却し,土砂の混交も生じさせていた上,元々の地層どおりに埋め戻す作業を行うのではコストもかさむことから,本件各土地の土砂と本件各隣接地の土砂との混合土砂を使用して埋め戻しを行うことを前提として,平成24年6月20日付け計画書を提出し,翌21日付けで本件条例を順守する旨の誓約書を提出したこと,④そこで,被告は,上記計画書の方法による埋め戻しを受け入れ,原告との間で,同月26日付けで本件覚書を取り交わしたこと,⑤ところが,原告は,本件埋め戻し作業の終了から1か月も経たない同年11月8日には,埋め戻した本件各土地を再び掘削し,販売目的で土砂を採取しようとしたこと,⑥本件埋め戻し作業は,本件各土地に従前から存在した粘土に加えて,本件各隣接地から採取した砂利及び たない同年11月8日には,埋め戻した本件各土地を再び掘削し,販売目的で土砂を採取しようとしたこと,⑥本件埋め戻し作業は,本件各土地に従前から存在した粘土に加えて,本件各隣接地から採取した砂利及び粘土から成る混合土砂によって行われ,本件過剰掘削部分についても掘削前の地層の状態と完全に同じ状態に戻すものではないなど,本件条例10条の2において掘削地の原状回復の方法として予定されている埋め戻し作業とは異なるものであったこと,⑦原告は,本件各土地の原状回復の施工方法に関する協議を重ねる過程で,被告に対し,本件各隣接地の土砂を使って本件各土地を埋め戻すのは,あくまでも今回限りの例外的な措置とすることを約する旨の誓約書を提出したこと等を指摘することができる。 これら諸点に照らすと,原告は,本件各土地から採取した砂利の売却によって,在来土砂での埋め戻しが不可能となることを知りながら,本件条例10条の2が定める掘削深の上限である6mを超える掘削を行い,いったんは,今回限りの例外的な措置として,同条の予定していない方法によって掘削跡を埋め戻したものの,作業終了から1か月も経たずに再び本件各土地を掘削し,販売目的で土砂を採取しようとしたというのであるから,これら本件再掘削を含む原告の一連の行為は,本件条例10条の2所定の禁止作業に該当するものというべきである。 (2) これに対し,原告は,①本件再掘削における掘削深につき最大6mを厳守することを前提として作業しているから,本件再掘削は掘削深6mを超える掘削を禁止する本件条例10条の2に違反しない,②平成24年10月24日付けで,本件埋め戻し作業が完了したことの確認(本件完了確認)を受けたから,本件掘削と本件再掘削を一連のものとみることはできない,③本件掘削により地下水の経路が破壊されたこと 平成24年10月24日付けで,本件埋め戻し作業が完了したことの確認(本件完了確認)を受けたから,本件掘削と本件再掘削を一連のものとみることはできない,③本件掘削により地下水の経路が破壊されたことを示す明確な証拠や,本件各土地の地下に地下水の経路である帯水層が存在しているという証拠はないし,仮に,本件掘削により地下水の経路が破壊されたとしても,そのことから直ちに地下水が汚染されるおそれがあるということはできない,④本件処分は,愛知県知事がした本件認可や農地法に基づく転用許可により許容された砂利の採取を禁止するものであるから違法である,⑤本件処分は,被告の町内において原告が砂利採取業を行うこと自体を排除するために意図的にされたものであるから裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たるなどと主張する。 しかしながら,上記①及び②の点については,前記(1)で指摘した諸点,殊に,本件埋め戻し作業は,そもそも本件条例10条の2において予定されている在来土砂を使用した本来の埋め戻し方法ではなく,原告が本件各土地から採取した砂利を既に売却していたため,今回限りの例外的な是正措置としてやむなく採用された方法にすぎないことや,原告が本件埋め戻し作業の終了直後に,被告がやむなく受け入れた埋め戻し土砂さえ,これを採取・販売する目的で本件再掘削に及んだこと等に照らすと,本件掘削及びその埋め戻しと本件再掘削とは一連のものであるとしてα町長が本件処分をしたことに何ら違法の廉はないというべきである。そして,このことは,被告による本件埋め戻し作業の完了確認を受けたことにより左右されるものではない。 上記③の点については,本件掘削により本件各土地の地下にある地下水の 経路が破壊されたことは,前記1で認定したとおり,本件掘削部分に湧き出した地下水の水深が3.5m 右されるものではない。 上記③の点については,本件掘削により本件各土地の地下にある地下水の 経路が破壊されたことは,前記1で認定したとおり,本件掘削部分に湧き出した地下水の水深が3.5mから5mにも及んでいたことから明らかであるし,そもそも本件条例は,地下水の汚染を防止する目的で,本件掘削規制を定めているものの,現に地下水が汚染されたことを処分要件としているわけではないから,原告が主張するように,本件掘削及びその後の埋め戻しによって地下水が汚染された事実がなかったとしても,そのことをもって,本件処分が違法であるということはできない。 上記④の点については,本件条例に基づく本件処分と,砂利採取法に基づく本件認可や農地法に基づく転用許可とは,法律上の根拠を異にする別個独立の処分であるから,愛知県知事が本件認可や転用許可をしたからといって,本件処分が違法となるものではない。 上記⑤の点については,前記1で認定したとおり,原告は,本件掘削規制が掘削深の上限とする6mを厳守することを条件として砂利採取法16条に基づく本件認可を受け,本件認可を受けた後は,被告との間で,最大6mの掘削深を遵守し,その埋め戻しに当たっては,山土及び良質な土砂を使用することなどを内容とする本件協定を締結していたばかりか,本件掘削規制に違反する本件掘削が明らかになった後は,債務の弁済のため過剰掘削をしたことを反省し,今後は同様の行為をしないなどの誓約書を提出するなどしたにもかかわらず,本件埋め戻し作業の完了から僅か1か月も経たないうちに本件再掘削に及んだというのであるから,これら原告の一連の行動は,およそ砂利採取業者としての誠実な対応からかけ離れたものであり,このような事情を踏まえて,α町長が本件処分をしたことに裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるという あるから,これら原告の一連の行動は,およそ砂利採取業者としての誠実な対応からかけ離れたものであり,このような事情を踏まえて,α町長が本件処分をしたことに裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるということはできない。 したがって,原告の上記各主張は,いずれも採用することができない。 6 小括前記2ないし5で説示したところによれば,本件処分は適法である。 7 争点6(本件処分の国家賠償法上の違法の有無及び原告の損害額)について前記6で説示したとおり,本件処分は適法であるから,本件処分に係る被告の職員の行為に国家賠償法上の違法があるということはできない。 したがって,原告の国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求は,その余の点について判断するまでもなく理由がない。 第4 結論以上の次第で,原告の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部 裁判長裁判官福井章代 裁判官富澤賢一郎 裁判官西脇真由子 (別紙)関係法令等の定め 1 砂利採取法(1) 1条この法律は,砂利採取業について,その事業を行う者の登録,砂利の採取計画の認可その他の規制を行うこと等により,砂利の採取に伴う災害を防止し,あわせて砂利採取業の健全な発達に資することを目的とする。 (2) 16条砂利採取業者は,砂利の採取を行おうとするときは,当該採取に係る砂利採取場ごとに採取計画を定め,当該砂利採取場の所在地を管轄する都道府県知事(中略)の認可を受けなければならない。 (3) 17条前条の採取計画には,次の事項を定 とするときは,当該採取に係る砂利採取場ごとに採取計画を定め,当該砂利採取場の所在地を管轄する都道府県知事(中略)の認可を受けなければならない。 (3) 17条前条の採取計画には,次の事項を定めなければならない。 1号砂利採取場の区域2号採取をする砂利の種類及び数量並びにその採取の期間3号砂利の採取の方法及び砂利の採取のための設備その他の施設に関する事項4号砂利の採取に伴う災害の防止のための方法及び施設に関する事項5号前各号に掲げるもののほか,経済産業省令,国土交通省令で定める事項(4) 18条1項第16条の認可を受けようとする砂利採取業者は,次の事項を記載した申請書を都道府県知事又は河川管理者に提出しなければならない。 1号氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては,その代表者の氏名2号登録の年月日及び登録番号 3号採取計画2項前項の申請書には,砂利採取場及びその周辺の状況を示す図面その他の経済産業省令,国土交通省令で定める書類を添附しなければならない。 (5) 19条都道府県知事又は河川管理者は,第16条の認可の申請があった場合において,当該申請に係る採取計画に基づいて行う砂利の採取が他人に危害を及ぼし,公共の用に供する施設を損傷し,又は他の産業の利益を損じ,公共の福祉に反すると認めるときは,同条の認可をしてはならない。 (6) 20条1項第16条の認可を受けた砂利採取業者は,当該認可に係る採取計画を変更しようとするときは,その認可をした都道府県知事又は河川管理者の認可を受けなければならない。ただし,経済産業省令,国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは,この限りでない。 2項・3項 (略) するときは,その認可をした都道府県知事又は河川管理者の認可を受けなければならない。ただし,経済産業省令,国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは,この限りでない。 2項・3項 (略)4項前条の規定は,第1項の規定による変更の認可に準用する。 (7) 21条第16条の認可を受けた砂利採取業者は,当該認可に係る採取計画(前条第1項又は第2項の規定による変更の認可又は届出があったときは,その変更後のもの。以下「認可採取計画」という。)に従って砂利の採取を行わなければならない。 2 水質汚濁防止法(1) 1条この法律は,工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに,生活排水対策の実施を推進する こと等によって,公共用水域及び地下水の水質の汚濁(水質以外の水の状態が悪化することを含む。以下同じ。)の防止を図り,もって国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し,並びに工場及び事業場から排出される汚水及び廃液に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより,被害者の保護を図ることを目的とする。 (2) 2条1項この法律において「公共用水域」とは,河川,湖沼,港湾,沿岸海域その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝渠,かんがい用水路その他公共の用に供される水路(中略)をいう。 2項この法律において「特定施設」とは,次の各号のいずれかの要件を備える汚水又は廃液を排出する施設で政令で定めるものをいう。 1号カドミウムその他の人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質として政令で定める物質(以下「有害物質」という。)を含むこと。 2号化学的酸素要求量その他の水の汚染状態(熱によるも 1号カドミウムその他の人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質として政令で定める物質(以下「有害物質」という。)を含むこと。 2号化学的酸素要求量その他の水の汚染状態(熱によるものを含み,前号に規定する物質によるものを除く。)を示す項目として政令で定める項目に関し,生活環境に係る被害を生ずるおそれがある程度のものであること。 3項この法律において「指定地域特定施設」とは,第4条の2第1項に規定する指定水域の水質にとって前項第2号に規定する程度の汚水又は廃液を排出する施設として政令で定める施設で同条第1項に規定する指定地域に設置されるものをいう。 4項・5項 (略)6項この法律において「排出水」とは,特定施設(指定地域特定施設を含む。以下同じ。)を設置する工場又は事業場(以下「特定事業場」という。)から公共用水域に排出される水をいう。 7項~9項 (略)(3) 3条1項排水基準は,排出水の汚染状態(熱によるものを含む。以下同じ。)について,環境省令で定める。 2項 (略)3項都道府県は,当該都道府県の区域に属する公共用水域のうちに,その自然的,社会的条件から判断して,第1項の排水基準によっては人の健康を保護し,又は生活環境を保全することが十分でないと認められる区域があるときは,その区域に排出される排出水の汚染状態について,政令で定める基準に従い,条例で,同項の排水基準にかえて適用すべき同項の排水基準で定める許容限度よりきびしい許容限度を定める排水基準を定めることができる。 4項・5項 (略)(4) 12条1項排出水を排出する者は,その汚染状態が当該特定事業場の排水口において排水基準に適合しない排出水を排出してはならない。 2項前項の規定は,一の施設が特定施設(指定地域 略)(4) 12条1項排出水を排出する者は,その汚染状態が当該特定事業場の排水口において排水基準に適合しない排出水を排出してはならない。 2項前項の規定は,一の施設が特定施設(指定地域特定施設を除く。以下この項において同じ。)となった際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)の当該施設を設置している工場又は事業場から排出される水については,当該施設が特定施設となった日から6月間(当該施設が政令で定める施設である場合にあっては,1年間)は,適用しない。ただし,当該施設が特定施設となった際既に当該工場又は事業場が特定事業場であるとき,及びその者に適用されている地方公共団体の条例の規定で前項の規定に相当するものがあるとき(当該規定の違反行為に対する処罰規定がないときを除く。)は,この限りでない。 3項第1項の規定は,一の施設が指定地域特定施設となった際現に指定地域においてその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。以下この項において同じ。)又は一の地域が指定地域となった際現にその地域において指定地域特定施設を設置している者の当該施設を設置している工場又は事業場から排出される水については,当該施設が指定地域特定施設となった日又は当該地域が指定地域となった日から1年間(当該施設が政令で定める施設である場合にあっては,3年間)は,適用しない。ただし,当該施設が指定地域特定施設となった際既に当該工場又は事業場が特定事業場であるとき,及びその者に適用されている地方公共団体の条例の規定で第1項の規定に相当するものがあるとき(当該規定の違反行為に対する処罰規定がないときを除く。)は,この限りでない。 (5) 12条の2指定地域内事業場の設置者は,当該指定地域内事業場に係る総量規制基準を に相当するものがあるとき(当該規定の違反行為に対する処罰規定がないときを除く。)は,この限りでない。 (5) 12条の2指定地域内事業場の設置者は,当該指定地域内事業場に係る総量規制基準を遵守しなければならない。 (6) 12条の3有害物質使用特定事業場から水を排出する者(特定地下浸透水を浸透させる者を含む。)は,第8条の環境省令で定める要件に該当する特定地下浸透水を浸透させてはならない。 (7) 12条の4有害物質使用特定施設を設置している者(当該有害物質使用特定施設に係る特定事業場から特定地下浸透水を浸透させる者を除く。第13条の3及び第14条第5項において同じ。)又は有害物質貯蔵指定施設を設置している者は,当該有害物質使用特定施設又は有害物質貯蔵指定施設について,有害物質を含む水の地下への浸透の防止のための構造,設備及び使用の方法に関する基準として環境省令で定める基準を遵守しなければならない。 (8) 29条この法律の規定は,地方公共団体が,次に掲げる事項に関し条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。 1号排出水について,第2条第2項第2号に規定する項目によって示される水の汚染状態以外の水の汚染状態(有害物質によるものを除く。)に関する事項2号特定地下浸透水について,有害物質による汚染状態以外の水の汚染状態に関する事項3号特定事業場以外の工場又は事業場から公共用水域に排出される水について,有害物質及び第2条第2項第2号に規定する項目によって示される水の汚染状態に関する事項4号特定事業場以外の工場又は事業場から地下に浸透する水について,有害物質による水の汚染状態に関する事項 3 環境基本法(1) 1条この法律は,環境の保全について,基本理念を 定事業場以外の工場又は事業場から地下に浸透する水について,有害物質による水の汚染状態に関する事項 3 環境基本法(1) 1条この法律は,環境の保全について,基本理念を定め,並びに国,地方公共団体,事業者及び国民の責務を明らかにするとともに,環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより,環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。 (2) 7条地方公共団体は,基本理念にのっとり,環境の保全に関し,国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し,及び実施する責務を有する。 (3) 16条1項 政府は,大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について,それぞれ,人の健康を保護し,及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。 4 地方自治法14条1項普通地方公共団体は,法令に違反しない限りにおいて第2条第2項の事務に関し,条例を制定することができる。 2項・3項 (略) 5 α町地下水の水質保全に関する条例(平成12年α町条例第47号。乙1)(1) 1条この条例は,掘削跡の埋め戻しに使う土砂による地下水の汚染を防止し,地下水の水質保全を図ることにより良質な飲料水を確保し,もって住民の健康を保持することを目的とする。 (2) 2条1項この条例において,「特定作業」とは,掘削を行う前の地盤面から垂直距離で3mを超える掘削を行う場合において,その掘削跡を,掘削を行う前の地盤面まで,在来の土砂以外の土砂を使って,その全部又は一部を埋め戻す作業(単に埋め 定作業」とは,掘削を行う前の地盤面から垂直距離で3mを超える掘削を行う場合において,その掘削跡を,掘削を行う前の地盤面まで,在来の土砂以外の土砂を使って,その全部又は一部を埋め戻す作業(単に埋め戻しに使用する土砂を運搬するのみの作業を除く,)のうち,次(略)に掲げる作業以外の作業(第10条の2の規定に違反した作業を除く。)をいう。 2項前項の「在来の土砂以外の土砂」とは,特定作業を行う土地で採取された土砂以外の土砂をいう。ただし,特定作業が,一団の土地にわたって行われる場合は,当該一団の土地以外において採取された土砂をいう。 (3) 4条1項特定作業者は,特定作業を行う現場ごとに,特定作業に着手する日の20日前までに,次に掲げる事項を,あらかじめ町長に届け出なければならない。 1号特定作業者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては,その代表者の氏名及び所在地2号特定作業を行う土地の所在地番3号特定作業により埋め戻す掘削跡の深さ及び面積,特定作業に着手する日並びに特定作業を行う期間4項特定作業に使う埋め戻し用の土砂(以下「埋め戻し用土砂」という。)を採取する土地の所在地番並びに採取する土砂の予定量及び種類5号次条第1項の規定による埋め戻し用土砂の有害物質に関する検査を同条第4項の規定に基づき行った計量法(平成4年法律第51号)第107条の規定により登録された計量証明事業を行う者のうち濃度に係るもの(以下「計量証明事業者」という。)の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては,その代表者の氏名及び所在地2項前項の規定による届出には,規則に定める書類及び図面を添付しなければならない。 3項第1項の規定による届出を行った者は,当該届出の内容に変更があるときは,その変更に関する事項について 地2項前項の規定による届出には,規則に定める書類及び図面を添付しなければならない。 3項第1項の規定による届出を行った者は,当該届出の内容に変更があるときは,その変更に関する事項について,変更をしようとする日の10日前までに町長に届け出なければならない。 4項第1項の規定による届出を行った者は,当該届出に係る特定作業を廃止したときは,遅滞なくその旨を町長に届け出なければならない。 5項特定作業が完了したときは,遅滞なく町長にその旨を届け出なければならない。 (4) 5条 1項前条第1項及び第3項の規定による届出を行おうとする者は,当該届出に係る埋め戻し用土砂を採取する場所のうち,埋め戻し用土砂を現に採取する区域(以下「土砂採取地域」という。)ごとに,埋め戻し用土砂の有害物質に関する検査(以下「土壌検査」という。)を行わなければならない。 2項~5項 (略)(5) 10条の2何人も,第2条第1項各号に掲げる作業に伴う掘削を除き,掘削を行う前の地盤面から垂直距離で6mを超える掘削を行う場合において,その掘削跡を,掘削を行う前の地盤面まで,在来の土砂以外の土砂を使って,その全部又は一部を埋め戻す作業を伴う掘削をしてはならない。 (6) 11条1項ないし4項 (略)5項町長は,前条の規定に違反した作業(以下「禁止作業」という。)を行っている者に対し,当該作業の中止を命ずることができる。 6項町長は,禁止作業を行った者に対し,埋め戻し及びその埋め戻しに使う土砂による地下水の水質の汚染を防止するために必要な措置を執るべきことを命ずることができる。 (7) 附則(平成24年α町条例第19号)2条この条例の施行の際現にα町地下水の水質保全に関する条例第4条第1項の規定によ 汚染を防止するために必要な措置を執るべきことを命ずることができる。 (7) 附則(平成24年α町条例第19号)2条この条例の施行の際現にα町地下水の水質保全に関する条例第4条第1項の規定による届出が提出されている特定作業については,改正後のα町地下水の水質保全に関する条例第5条第5項及び第10条第2項の規定は適用しない。 6 砂利採取計画認可準則(昭和43年河政発第99号・通産省化局第491号。 甲11) (1) Ⅰ 総則 1 目的この準則は,砂利採取法第19条の規定(認可の基準)の一般的な運用基準を定め,もって,砂利の採取に伴う災害の防止を図ることを目的とする。 2 (略) 3 認可の条件採取計画の認可に当たっては,この準則に規定した認可の条件のほか,個々の事例ごとに必要な事項を認可の条件として附することができる。 4 (略)(2) Ⅱ 陸砂利の採取1・2 (略) 3 災害防止の方法等(1) 略(2) 掘さく等① (略)② 掘さく深掘さく深は,次の各号の一に適合するものでなければならない。 イ農地における掘さく深は,原則として10m以内とし,ボーリング調査等により砂利層が10m以上確認されている場合には,最大15m程度とする。 ロ農地以外の地域における掘さく深は特に限定しないが,災害防止の見地から適当なものであること。 以上

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