昭和47(う)17 傷害、業務上過失傷害、道路交通法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和47年9月20日 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      被告人を懲役一年に処する。      この裁判が確定した日から三年間右の刑の執行を猶予する。      原審における訴訟費用は全部被告人の負担とす

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判決文本文1,819 文字)

主文 原判決を破棄する。 被告人を懲役一年に処する。 この裁判が確定した日から三年間右の刑の執行を猶予する。 原審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。 理由 本件控訴の趣意は、検察官が提出した控訴趣意書に記載されたとおりであり、これに対する答弁は弁護人熊谷悟郎、同川村武郎が連名で提出した答弁書に記載されたとおりであるから、いずれもこれを引用する。 論旨は、刑の執行を猶予した原判決の量刑は軽きに過ぎて不当である、というのである。 <要旨>そこで、一件記録を検討し、当審における事実取調の結果を参酌して諸般の情状を考えてみるのに、原判示</要旨>第一の傷害は、被告人が原判示のように友人のけんかにまきこまれ、相手側のA(当時二四年)の頭部をいきなりその場にあつた溝蓋板をもつて一回殴打し、同人に加療約二五日間を要する頭部外傷Ⅱ型頭蓋骨折の傷害を負わせたものであつて、犯行の態様ははなはだ粗暴であるうえ、被害も軽傷とはいえず、また、原判示第二ないし第四の各所為については、被告人は無免許で、しかも呼気一リツトルにつき〇・五ミリグラム以上のアルコールを身体に保有しながらまことに危険な普通貨物自動車の酒酔い運転をし、原判示の過失により自車を道路中央をこえて右側に進行させ、折から対面進行してきた全く落度のないB運転の普通貨物自動車に衝突させて、同人に全治まで一〇日間を要する頭部外傷Ⅰの傷害を負わせたものであつて、以上の犯行の態様のほか、原判決の時点では被告人と被害者Bとの間に車の損害、医療費につき示談が成立していたのみで、他の被害者との間では示談も成立せず、被害感情も宥和していなかつたことなどにかんがみれば、被告人に前科がないこと、被告人が当時二〇年の若年であつたこと、被告人の 療費につき示談が成立していたのみで、他の被害者との間では示談も成立せず、被害感情も宥和していなかつたことなどにかんがみれば、被告人に前科がないこと、被告人が当時二〇年の若年であつたこと、被告人の家庭の事情、被害者Bの傷害が比較的軽かつたことなど酌量すべき諸事情を十分に考慮しても、被告人に対して刑の執行を猶予した原判決の量刑はその当時としては軽きに失したものといわざるをえない。それゆえ、論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。 以上の次第で、刑訴法三九七条一項、三八一条により原判決を破棄し、同法四〇〇条但書を適用して、さらに当裁判所において、次のとおり判決をする。 原判決が確定した事実に法令を適用すると、被告人の原判示第一の所為は刑法二〇四条、改正前の罰金等臨時措置法三条一項一号(刑法六条、一〇条)に、原判示第二の所為は刑法二一一条前段、改正前の罰金等臨時措置法三条一項一号(刑法六条、一〇条)に、原判示第三の所為は道路交通法六四条、一一八条一項に、原判示第四の所為は昭和四五年法律八六号附則六項により同法による改正前の道路交通法六五条、一一七条の二の一号にそれぞれあたるが、原判示第二、第三、第四の各罪は一個の行為で三個の罪名にふれる場合であるから、以上を一罪として最も重い原判示第二の罪の刑によつて処断すべく、原判示第一の罪および右の一罪についてはそれぞれ所定刑中懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪なので、同法第四七条本文、一〇条により重い原判示第一の罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内で処断すべきところ、被告人は原判決後被害者らに陳謝誠意を示して示談の成立に努力し、幸いに前記B以外の被害者との間に示談が成立するに至り、今日においては被害者らはいずれも被告人を宥恕していること、被告人は現在溶接工としてまじめに働いており、再犯なき 意を示して示談の成立に努力し、幸いに前記B以外の被害者との間に示談が成立するに至り、今日においては被害者らはいずれも被告人を宥恕していること、被告人は現在溶接工としてまじめに働いており、再犯なきを期していることなど原判決後の事情をも酌量すべき前記諸事情に加えて考量したうえ、被告人を懲役一年に処し、今回は被告人に対して実刑を科することを見合わせ、同法二五条一項を適用してこの裁判が確定した日から三年間右の刑の執行を改めて猶予することとし、原審における訴訟費用の負担につき刑訴法一八一条一項本文を適用して、主文のように判決をする。 (裁判長裁判官中野次雄裁判官寺尾正二裁判官粕谷俊冶)

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