- 1 -主文 被告は,原告に対し,金482万9781円及びこれに対する内金である別紙遅延損害金一覧表中の金額欄の各金額に対する起算日欄の各日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 被告は,原告に対し,平成17年11月以降本判決確定の日まで毎月25日限り,各金13万7172円を支払え。 被告は,原告に対し,金150万円及びこれに対する平成16年6月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告の訴えのうち,下記の第1,請求2にかかる本判決確定後の賃金の支払を求める部分を却下する。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用はこれを5分し,その4を被告の負担とし,その余は原告の負担とする。 この判決は,第1ないし第3項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1請求 主文第1項と同旨 被告は,原告に対し,平成17年11月以降毎月25日限り,各金13万7172円を支払え。 被告は,原告に対し,300万円及びこれに対する平成16年6月4日(訴状送達日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,被告に勤務している原告が,長年の勤務経過から右目の視力に異常を来し,,たために担当業務に支障が生じたことに端を発して被告から不当に業務換えを受けそれに伴い不当な賃金減額を一方的に受けたとして,不法行為による賃下げ無効を理由とする賃下げ前の受け取り賃金額との差額の支払及び今後の賃下げ前の賃金額の支払並びにそのような不当な取り扱いを受けたことによる慰謝料の支払(差額と慰謝料については遅延損害金を含む)をそれぞれ請求した事案である。 。 被告は,上記原告の各請求及び主張に対して,業務替えと賃金減額は原告との合意のもとになされたものであり,何ら不法行為を構 (差額と慰謝料については遅延損害金を含む)をそれぞれ請求した事案である。 。 被告は,上記原告の各請求及び主張に対して,業務替えと賃金減額は原告との合意のもとになされたものであり,何ら不法行為を構成するものではないとしていずれも支払義務を争っている。 前提事実(当事者間に争いがないか証拠等により容易に認定できる事実)(1)原告は,昭和○年○月○日に生まれ,昭和45年3月に茨城県立の工業高校電気科を卒業して被告に新卒で入社した。 原告は,被告に入社以来,昭和49年6月まではα事業所において,同月以降からはβ事業所において,精密小型モーターの部品の加工,洗浄,塗装等の業務に従事してきた。 (2)被告は,昭和25年に設立された,精密小型モーターの製造・販売を目的とする株式会社である。被告は,東京都内に本社及び事実上の本社機能を,土浦市,柏市,高松市及び鶴岡市に事業所等を,全国各地に営業所を有し,従業員約2000名を擁している。 - 2 -(3)原告は,被告の従業員らにより組織されている全日本金属情報機器労働組合千葉地方本部オリエンタルモーター支部(以下「支部」もしくは「JMIU支部」という)の組合員である。 。 支部の結成は,昭和49年12月22日になされた。支部は,結成当初,総評全国金属労働組合に加盟していたが,その後,平成元年2月の全日本金属情報機器労働組合(以下「JMIU」という)の結成と同時に同組合に加盟した。JMIU。 支部は,JMIUへの加盟当初は同東京地方本部に所属し,その後,平成11年7月の同千葉地方本部結成と同時に千葉地方本部に所属を変えている。 (4)原告を含む被告の従業員の賃金は,基本給と諸手当によって構成されており,基本給は,さらに本人給と職能給に分けられており,諸手当には,住宅手当,家族手当がある。 , 本部に所属を変えている。 (4)原告を含む被告の従業員の賃金は,基本給と諸手当によって構成されており,基本給は,さらに本人給と職能給に分けられており,諸手当には,住宅手当,家族手当がある。 ,,。 原告を含む従業員の賃金支払いは毎月月末締めで当月の25日支払いである被告は,原告が所属する労働組合との妥結によって賞与を支給している。 (5)被告における昭和56年当時の賃金制度においては,等級を仕事の質によって1等級から6等級まで分けること,各人に対する5段階の成績評価等によって昇給号数が決定されること等が定められていた。 被告は,平成11年3月23日付の「新人事制度について(お知らせ」と題す)る書面(甲20)を従業員らに配布し,新しい賃金制度を導入した。これにより原告が平成14年4月から平成15年3月までに被告から支給を受けた賃金(通勤手当等下記以外の支給項目を除くの額及びその内訳は基本給29万6450円内),(,),,本人給18万9268円内職能給10万7182円住宅手当1万6000円家族手当5000円の月額合計31万7450円であった。 (6)被告とJMIU支部との間には,平成15年4月28日付協定書があり,同年度の昇給について,1)従業員一人当たり基準内賃金の平均0.34パーセントとすること,2)昇給は妥結月より実施するものとすることが取り決められている。 (甲2)被告は,原告に対して,平成15年4月分の給与明細書を交付した。これによる原告の平成15年4月の給与は,基本給29万7484円(内本人給18万9268円,内職能給10万8216円,住宅手当1万6000円,家族手当5000)円の合計31万8484円であった(甲1の1)。 被告とJMIU支部との間には,平成15年度下期賞与等について取り決めた同年12 職能給10万8216円,住宅手当1万6000円,家族手当5000)円の合計31万8484円であった(甲1の1)。 被告とJMIU支部との間には,平成15年度下期賞与等について取り決めた同年12月5日付の協定書が存在する。同協定書は,平成15年度下期の賞与について「社員1人当たり基準内賃金の平均1.42か月,支給日は12月12日」,」と定めている(甲4)。 上記のようにして,仮に平成15年5月以降の被告による賃金減額がなかった場合に原告が被告から支給を受けることのできた賃金と現実に受給した賃金との差額をスト欠勤のあった場合は当該欠勤を反映した上で計算すると,平成15年5月から平成16年3月までは,別表・賃金差額一覧表の差額(請求金額)欄記載のとおりとなる(甲1の2ないし14ー当月の実支給額欄,B被告が支給している基準。 内賃金(スト欠勤の無い場合)欄,給与・賞与の対象期間のスト欠勤日数欄,給与- 3 -・賞与の対象期間の稼働日欄,含む家族手当欄,協定内容欄については当事者間に争いがない)。 (7)同様に,被告とJMIU支部との間の平成16年度及び平成17年度の昇給及び各年度の賞与について,協定書(甲21,26,54ないし56)に基づく各月の原告に関する賃金差額を仮に計算すると,平成16年4月から平成17年10月までは,別表・賃金差額一覧表の差額(請求金額)欄記載のとおりとなる(甲1。 の15,16,25の1ないし4,41ないし53,61ないし64一当月の実支給額欄,B被告が支給している基準内賃金(スト欠勤の無い場合)欄,給与・賞与,,,の対象期間のスト欠勤日数欄給与・賞与の対象期間の稼働日欄含む家族手当欄協定内容欄については当事者間に争いがない)。 争点及びこれに対する当事者の主張(1)被告による賃金減額の有 ,,,の対象期間のスト欠勤日数欄給与・賞与の対象期間の稼働日欄含む家族手当欄協定内容欄については当事者間に争いがない)。 争点及びこれに対する当事者の主張(1)被告による賃金減額の有効性【原告の主張】原告は,平成13年7月以来,β事業所精密ギア製造部の業務に従事していた。 原告の従事していた業務は,歯車切削加工機械(NC自動ホブ盤)に歯車の材料を取り付けて加工完了部品を取り外す作業(着脱作業,加工した歯車の表面のバ「」)リ取り作業スケール取り作業棒状のギヤ部品ギヤシャフトと平歯車ス(「」),()(パーギヤ)とをプレス機械で一つの部品にする作業(プレス圧入作業,平歯車「」)の歯先の間隔をマイクロメーターで測定する作業(マタギ歯厚測定作業)等の「」工程を,複数の機械を操作して1人で行うものである。 原告は,平成10年12月の医師の診断で,網膜の中心部の黄班に異常が生じて物がゆがんで見えるなどの症状が現れる病気である黄班変性症と診断された。 原告は,平成14年12月6日午前9時半頃,マタギ歯厚測定で測定違いの不良品を出したので,同日午前10時頃,上司の訴外a精密ギヤ製造部次長(以下「訴」。)(「」。)外aという及びb精密ギア製造部グループリーダー以下訴外bというに対し,自分の右目は網膜の黄班変性で,物がゆがんで見えてマタギ歯厚の測定の時に正確に計れないので,仕事を換えて欲しい旨を申し入れた。 ,,原告は平成15年2月27日まで従来の業務に従事していたところ同日の夕方原告は訴外aと同bから,呼び出され「検討したが,替える仕事がないので,今,後のことは自分で考えるように。明日からそこのベンチに座っているように」と告げられ,仕事を取りあげられた。 その後も被告は原告に仕事を与 同bから,呼び出され「検討したが,替える仕事がないので,今,後のことは自分で考えるように。明日からそこのベンチに座っているように」と告げられ,仕事を取りあげられた。 その後も被告は原告に仕事を与えず同年3月11日訴外aが原告に対し梱,,,「包と発送なんだけど,請負に19万円の給与で仕事をして貰っているから,やるのなら給与は19万円になるけどどうする」と告げた。 。 原告は「仕事はやりますが,今の賃金を下げることはできないから,賃金が下,がるというのであれば断ります」と答えた。 。 その後も被告は原告に仕事をさせなかった上,同月27日,訴外aと同bは,原告に対し「総務で月18万円で下請に出している社内清掃の仕事がある。身分は,社員のまま」と提案してきた。 同年4月9日,訴外aと同bが,原告に「通知(甲5,乙1)と題する書面を」- 4 -提示した。そこには「話し合いにより,貴殿の給与は5月度より,196,090円となります」と記載されており,その内訳が記載されていた。訴外aは,原告に対して「通知」にサインするよう要求した。原告は,この通知の提示を受けたという趣旨で,通知に署名した。しかし,原告は,賃金減額を認める趣旨で署名したものではない。 同年5月2日,訴外aは原告を呼び,4月30日に決まった5月の組織変更と人。 ,,事異動で原告がβ事業所の施設保全室の所属になったと告げた同時に訴外aは原告に「仕事は,工場内のゴミの回収と男子トイレ掃除,洗面所と鏡の掃除,作,業手袋の洗濯と乾燥,コンプレッサー室内の床掃除,浸炭棟の裏側の草取り,廃棄物置き場の床掃除,工場内の通路の床掃除,窓掃除などである」と告げた(以下。 「本件業務換え」という。 。)同年5月23日,被告は同年4月9日付「通知」に記載された賃金額を原告に対し 取り,廃棄物置き場の床掃除,工場内の通路の床掃除,窓掃除などである」と告げた(以下。 「本件業務換え」という。 。)同年5月23日,被告は同年4月9日付「通知」に記載された賃金額を原告に対して支給した(以下「本件賃金減額」という。原告の基準内賃金総額(職能給,。)本人給,家族手当,住宅手当の総額)は,平成15年4月分は31万8484円であったが,同年5月分の基準内賃金総額は18万1680円であり,内訳は,職能給1万8775円,本人給14万1905円,家族手当5000円,住宅手当1万6000円であった。 原告は上記前後に組合を通じて,長期間仕事を与えなかったこと及び賃金減額を認めていないことを被告に抗議し,JMIU支部は団交を繰り返し申し入れたが,被告は一貫して団交を拒否した。 原告は,やむを得ず,異議を述べつつ本件業務換えに応じているが,本件業務換えは,被告において昭和45年以来工作機械の操作等に従事した豊富な経歴を有する原告に対して,その経験を完全に無視して清掃業務への従事を命じたもので,業務上の必要性・合理性も全く認められず,違法・無効なものである。 原告は,本件業務換えによる賃金減額に同意した覚えはなく,本件賃金減額は被告の一方的なものであるから,無効である。 被告は,JMIU支部を嫌悪し,原告に対して本件業務換えと本件賃金減額を強行したものであり,不当労働行為に該当し,民法90条で定める公序に違反する行為として無効である。 【被告の主張】原告は,平成14年12月5日,原告が担当している歯切りラインにおけるワークの脱着作業で部品不良を複数発生させた。その際の原因調査のミーティングのときに,初めて原告から「実は3年前から目が悪くなり,通院しているが直る見込みがない」との話があった。翌6日午前10時頃に原告から訴外bに対し職場 良を複数発生させた。その際の原因調査のミーティングのときに,初めて原告から「実は3年前から目が悪くなり,通院しているが直る見込みがない」との話があった。翌6日午前10時頃に原告から訴外bに対し職場を変えて欲しい旨の申し出がなされた。 訴外b及び同aは,当面の暫定処置として「原告の担当業務のうち,加工機へ,,,,の設定補正作業を自分でやらず補正が必要と思ったときは他の社員に申告して補正するかどうかの判断及び補整作業をしてもらうことを指示するとともに医」,「師の診断書を提出するよう」指示した。同年12月10日に原告から診断書が提出された。そこで,会社はβ事業所の産業医から専門医である眼科医cの紹介を受け- 5 -た上で,原告に対し同医師の診察を受けるよう指示し,平成15年1月19日,原告から同医師の診断書の提出を受けて,同月24日,同医師に原告の病状を確認したところ,現行の業務継続は無理だとのことだった。 被告は,突然の原告からの申し出に対し,まずは病状確認のため医師の診断書の提出を求め,会社の産業医の意見を踏まえ専門医の見解を聞きながら,安全面,職場の業務量と必要人員,人員配置等を考慮し暫定処置の対応をするほかはなく,適切な措置をとったものである。 上記のような状況では,訴外a及び同bは,原告に従来の担当業務をそのまま継続させる事はできないと判断せざるを得ず,原告の技能および眼の負担等を考慮した新たな担当業務を検討することとした。しかしながら,その当時(平成14年12月から平成15年2月まで)β事業所では新たに人員を必要とする業務計画もなく,また仮に上記のような診断結果が出ている原告ができる仕事があっても,既にその仕事を担当している社員がいるからその者を配置換えしてまで原告を担当させるということは採り得なかった。また,既 計画もなく,また仮に上記のような診断結果が出ている原告ができる仕事があっても,既にその仕事を担当している社員がいるからその者を配置換えしてまで原告を担当させるということは採り得なかった。また,既存従業員が1人で何ら問題なくこなしている仕事を,原告を加えて2人で担当させることや,必要のない仕事をあえて原告に担当させることは,生産性や効率を低下させることになり,企業が受け入れられないことはやむを得ないことである。 平成15年2月27日午後5時過ぎから訴外a,同bは原告と話し合い,当面待機ということにしておいてくださいと伝えた。 訴外aと同bは,原告のために新たに人員が必要でかつ原告ができる仕事を,自部門内だけでなくβ事業所全体の中で探しており,その間原告からの問い合わせに,。 。 対してその都度状況を説明していた被告の対応は組合問題とは何の関係もない同年3月27日,午後5時頃「構内清掃者の増員情報がある。社外の清掃業者,に委託する前であればと考え原告に話を持ってきた。ただ,この仕事は業者に委託すると月額18万円と聞いているので,原告がこの金額でよければ話を進めるがどうする,やるというのであれば総務に相談してみる」旨話した。同年4月1日午後零時40分頃,訴外aが原告に対して「先に話した構内清掃業務担当の件だが,進めていけそうだ。あとから話が違うということになると困るので再度確認をしておきたい。新しい仕事は構内清掃業務で給料は業者に委託する金額と同額の月額約18万円が基本となるが,これで進めてもらってよいか」と再度念を押し確認を求めた。これに対し,原告は「それでいいです(仕事は)いつからですか」との回答,であった。そこで訴外aは「もう少しだけ今のまま待ってくれ」と返答をした。こ,,のように訴外aは原告からの申し出を受けて何とか原告に ,原告は「それでいいです(仕事は)いつからですか」との回答,であった。そこで訴外aは「もう少しだけ今のまま待ってくれ」と返答をした。こ,,のように訴外aは原告からの申し出を受けて何とか原告に仕事を与えようと考え3月27日に清掃業務の打診をしたが,原告が月額18万円の賃金で了承し,その業務をやる気があれば総務に相談するという提案をしたのであって,原告の同意が前提となっている。そして,一晩原告が検討した結果,翌日の28日に原告自身が自分の意思で「受けさせていただきます」と同意了承する旨の回答があったもの,である。また,3月31日には原告から訴外aに積極的に「先日の件はどうなったか,今日はどうしますか」と問い合わせていることからも,原告自身が業務内容と。 ,,賃金額について前記提案を同意了承していたことは明白であるさらに4月1日- 6 -aが原告に対し,賃金額と業務内容について,お互いに意思の一致を再確認しており,それに対しても,原告は「それでいいです。いつからですか」と回答しているほどである。 上記経緯により,平成15年4月9日,訴外a及び同bが原告に対し「会社の了解が取れた。給料はこうなるので,これでよければ『通知』にサインをしてください」と話をした。 当事者間の合意があれば,賃金の減額による変更も可能である。被告は新業務と新賃金を不可分一体のものとして原告との合意に基づいて変更したものである。 本件は,当事者間で新業務(本件業務換え)及び新賃金(本件賃金減額)について平成15年4月9日に乙第1号証のとおり合意が成立したものであるが,それ以前の同年3月27日からの一連のやり取りにおいて原告との間で口頭で了解したものを書面化したもので,被告が一方的な業務命令や一方的な賃金減額処分を行ったものではない。 原告は,同年3月11日に それ以前の同年3月27日からの一連のやり取りにおいて原告との間で口頭で了解したものを書面化したもので,被告が一方的な業務命令や一方的な賃金減額処分を行ったものではない。 原告は,同年3月11日における被告からの提案(物流と出荷前梱包業務)の時は「給料が今より下がるのであれば,お断りします」と断ったが,今般の清掃業務の打診については,了解した旨の意思表示をなした。 組合からの被告に対する本件に関する申し入れは,平成15年4月10日以降のことである。それまでは原告本人が「個人的な話で組合とは関係ない」として了解してきたものである。 (2)差額損害等【原告の主張】被告の新人事制度の具体的な内容(職能等級の内容や本人給,職能給の算出方法など)については明らかにされず,甲第28号証の回答書のほかに発表の予定はないというものであり,団体交渉も一切行われていない。 被告は,給与規定や賃金規定の閲覧は認めるがコピーを許さず,本人給や職能給に関する別表を開示しない。 ,。 原告が本来支給されるべき賃金額は別表・賃金差額一覧表A欄のとおりである欠勤分(ストライキを含む無給の欠勤)は,出勤すべき日数に対する欠勤日数の割合で控除される。 平成15年度下期賞与の差額は,同年12月5日付協定書に基づき,本来支給されるべき基準内賃金31万8484円×(出勤日数121日÷出勤すべき日数123日)×1.42となるのに対し,現実に支給されたのは28万5500円であるから15万9393円となる。 平成16年度上期賞与の差額は,同年6月11日付の協定書に基づき,本来支給されるべき基準内賃金31万9662円×(出勤日数119日÷出勤すべき日数121日)×1.50となるのに対し,現実に支給されたのは26万9500円であるから20万2067円となる。 平成16年度下期賞与の差 き基準内賃金31万9662円×(出勤日数119日÷出勤すべき日数121日)×1.50となるのに対し,現実に支給されたのは26万9500円であるから20万2067円となる。 平成16年度下期賞与の差額は,甲第54号証の協定書に基づき,本来支給されるべき基準内賃金31万9662円×1.50となるのに対し,現実に支給されたのは27万4100円であるから20万5393円となる。 - 7 -平成17年度上期賞与の差額は,甲第56号証の協定書に基づき,本来支給されるべき基準内賃金31万5920円×(出勤日数117日÷出勤すべき日数119日)×1.50となるのに対し,現実に支給されたのは26万8200円であるから19万7715円となる。 上記の計算に際して1円未満の端数は全て切り捨てた。 これにより,平成17年11月以降の賃金差額は,本来支給されるべき基準内賃金31万5920円から今後も被告から支給が予想される17万8748円を控除した差額13万7132円となる。 【被告の主張】支給されるべき賃金・賞与は,被告の上記主張に照らして失当であり,差額は存在しない。 原告主張の別表・賃金差額一覧表のうち当月の支給されるべき金額欄差額請,,(求金額)欄,A基準内賃金(スト欠勤の無い場合)欄については争い,当月の実支給欄,B被告が支給している基準内賃金(ストの無い場合)欄,給与・賞与の退職期間のスト欠勤日数欄,給与・賞与の対象期間の稼働日欄,含む家族手当欄,協定内容緒欄については認める。 計算式欄,Aの計算式欄については,いずれも上記Aが基準となるため争う(算出方法それ自体は特に争うものではない。 )(3)原告の被告に対する慰謝料請求の可否及び慰謝料額【原告の主張】被告は,原告に対し,長期間にわたって仕事をさせず「給料泥棒」などと罵声,をあびせ, 方法それ自体は特に争うものではない。 )(3)原告の被告に対する慰謝料請求の可否及び慰謝料額【原告の主張】被告は,原告に対し,長期間にわたって仕事をさせず「給料泥棒」などと罵声,をあびせ,原告の長年の経験を無視して清掃業務への従事を命じ,原告に重大な精神的苦痛を与えている。 被告は,何らの理由なく原告の賃金を一方的に減額し,原告の生活に重大な困難をもたらしている。 被告は,関係組合との団体交渉を拒否することによって原告の団結権も侵害している。 以上の被告の不法行為について,少なくとも300万円の慰謝料請求権を原告は被告に対して有する。 【被告の主張】本件では新業務および新賃金額は原告被告間の合意によるものであり,会社の一方的な業務換え,賃金減額であるとの主張は該当しない。同様に被告の組合(JMIU支部)に対する不当労働行為の主張も該当しない。 第3当裁判所の判断 証拠等によって認定できる事実証拠(甲24,37,38,40,乙7,8,証人d,同e,同f,同a,原告本人の各尋問結果,その他書証等は各認定事実の末尾に掲記した)及び弁論の全趣旨。 を総合すると以下の事実を認定することができる。 (1)原告は昭和45年に被告に入社し,製造部の色々な工程を経験してきた。 原告は,労働組合が結成され公然化した昭和50年5月から組合(土浦分会)の- 8 -職場委員となり,同年9月から同分会の書記長や支部組合の執行委員を兼務して活動してきている。 被告とJMIU支部(当時は東京地方本部オリエンタルモーター支部)間には不(),,当労働行為に関する裁判が係属し現在上告審に係属中第1審及び控訴審では被告による同支部組合員に対する仕事上の差別に関する不当労働行為が認定されている(甲18,19)。 原告は,当該不当労働行為を受けた同支部組 る裁判が係属し現在上告審に係属中第1審及び控訴審では被告による同支部組合員に対する仕事上の差別に関する不当労働行為が認定されている(甲18,19)。 原告は,当該不当労働行為を受けた同支部組合員たる労働者の1人であり,上記訴訟の当事者の1人である(甲16ないし19)。 (2)被告と組合(JMIU支部)は,これまでに長い期間をかけて対立を続けてきており,会社の当該労務政策には変化が見られず,組合も会社に対して抜きがたい猜疑心を抱いている(甲15,乙2ないし4(ー各枝番号を含む,証人d【1。 。)4ないし22頁)】訴外aは,平成13年8月から被告のβ事業所精密ギヤ製造部次長に就任し,平成15年5月からは同事業所施設保全室長を兼任している。同部は部長職が空席のためaが責任者の立場にある。 (3)原告は,平成14年12月当時,歯切りラインでのワーク(歯車)の(i)着脱作業(①加工機(歯車を加工する機械)から加工済みのワークを取る②取ったワークの歯厚をマイクロメーターで測定する(マタギ歯厚測定)③指定の寸法公差内に加工されているか否かの良否を判断するー不良,または不良に近づいている場合は測定結果を基に指定の寸法公差内に入るように加工機にデータの入力を行う補,(正値入力)④次のワークを加工機に取り付ける⑤起動ボタンを押すー内歯車の場合はブラシがけ機でバリ取りをする)と(ⅱ)歯切りラインでの生産準備業務(不定期(①ワークを入れるトレイとバケットをラインに持ってくる②すすぎ用灯油を)バケットに入れラインに持ってくる)を担当していた。 原告は,平成14年12月の初旬(5日か6日ころ)に自分の担当工程で不良品を出し,以前から患っていた視力障害である黄班変性症が進行して現在の担当作業に耐えないことを自覚し,作業変更を上司である訴外b( 告は,平成14年12月の初旬(5日か6日ころ)に自分の担当工程で不良品を出し,以前から患っていた視力障害である黄班変性症が進行して現在の担当作業に耐えないことを自覚し,作業変更を上司である訴外b(グループリーダー)に申し出た。 被告は原告に診断書の提出を要求し,同月10日に診断書を提出し,さらに被告からの指示でc眼科を受診し,平成15年1月20日ころに診断書を提出し,同月24には訴外aとβ事業所総務部主任が同眼科医に直接会って確かめるなどしている(甲22,23,乙7【4,5頁)。 】訴外aは,同月6日の午前中に同bから原告の申告を聞き,同日午前中にβ事業所総務部次長のgに報告している。 この間,原告は職場上司の指示により,正確な視力を要する加工機への設定値補正作業を除いたこれまでの作業の続行を担当していた。原告は,視力障害を申告して以降平成15年2月27日までの間,頻繁に上司の訴外bあるいは同aに対して仕事の変更依頼についてその後どうなっているかを口頭で問い合わせている(甲。 37【7,8頁,原告本人【6,7頁)この間,被告からは原告に対し,今】】。 (【】)後の業務について希望を聞くとか意見聴取することはなかった原告本人7頁- 9 -(4)訴外aと同bは,平成15年2月27日,原告を三次元測定室に呼び出し,そこで,原告をそれまでの作業から外し別の者が担当すること,原告には当面与える仕事がないことを伝えた。その際の会話として,原告が「やめろっていうことですか」との問いに対して,aは「それは,自分で考えてもらうしかない」と答えている(乙7【6,7頁)。 】その上で訴外aは,原告に対し,三次元測定室入り口前の休憩用ベンチ(打ち合)。(【】,わせコーナーの椅子に座っているよう指示するに留まっている甲379頁 ている(乙7【6,7頁)。 】その上で訴外aは,原告に対し,三次元測定室入り口前の休憩用ベンチ(打ち合)。(【】,わせコーナーの椅子に座っているよう指示するに留まっている甲379頁乙7【6頁,証人a【8,38頁,原告本人【8頁)】】】(5)原告は,その後訴外bないし同aに対して,自分の担当すべき仕事は未だ決まらないのかと再三再四問い合わせて督促するも,被告は,同年3月11日と同月27日に後記(6)のような代わりの仕事の提示をするほかは,被告から原告に今後の業務について希望を聞くとか意見聴取をすることはなく,原告に具体的な業務の指示を与えなかった(甲37【10ないし24頁,証人a【10,16頁,原。 】】告本人【46,47頁)】その間,原告が,仕事を与えられなかったことから自ら進んで作業場で清掃をしようとしたところ,訴外bからそれは他の者の仕事だからやらないようにと指示され,止められた(原告本人【17,18頁)。 】また,原告は,同年3月4日,訴外bを通じて被告に対し,自らが同じ組合員で以前に一緒に仕事をしたこともある訴外eが担当している作業との交換・交替を申し入れた。訴外bは,原告の申し出を訴外aに伝えたところ,同月6日,訴外a,同bほかの職制の人間ら(主任クラスのh,i,j)と原告,eとの間で話し合いがあり,訴外aからはeには原告のしていた歯切り加工のNC盤の操作はできない旨の判断を示して,eは以前にハマイ(機会のメーカーの名前)の歯切り加工をやっていたこと,勉強の機会を会社が与えないからできないだけであること,組合員を差別していることを指摘し,言い合いとなり平行線に終わり,結局,原告とeの作業の交替は被告から拒否された(甲37【12ないし14頁,40【2,3。 】頁,証人e【5頁,a【11,14 と,組合員を差別していることを指摘し,言い合いとなり平行線に終わり,結局,原告とeの作業の交替は被告から拒否された(甲37【12ないし14頁,40【2,3。 】頁,証人e【5頁,a【11,14,44,45頁,原告本人【11頁)】】】】(6)上記の被告から原告にまず最初に提案があったのは,同月11日のことで,β事業所のユニット製造部で外注(請負)に出そうとしている梱包と発送の業務であり,条件は外注に出そうとしている月19万円の給与で原告が当該仕事に就くかどうかという話しであった。 原告は,上記提案に対して,給与が大幅に減額されることに納得ができず拒否した。 その後に被告から原告に提案があったのは,同月27日のことであり,総務部の仕事でβ事業所の構内の清掃を月18万円で請負に出しているが,この仕事を身分は被告の従業員のままで原告が月18万円の給与でやらないかと訴外a及び同bから話しをしている。 (7)原告は,前回の提案は端的に給与が19万円に下がることから拒否したが,それまでに約1か月も仕事のないまま勤務していることの辛さと今回は従前の原告の賃金との差額についてaが総務と交渉してくれるものと認識して,原告は,翌日で- 10 -ある3月28日に訴外aに対して,清掃の仕事をやらせてもらう旨の返事をした。 (原告本人【14,17,19頁)】その後,その話しは被告のβ事業所総務部のg次長を経由して本部総務部長のf,,「」に伝達され平成15年4月9日f総務部長が被告常務取締役が署名した通知と題する2枚の書面をβ事業所へ持参して,訴外aと同bが原告に示して当該書面への署名を原告に求め,原告は乙第1号証(以下「本件書面」という)と甲第5。 号証の両書面に署名した。この「通知」と題する書面には,被告の提案にかかる清掃の仕事を原告 aと同bが原告に示して当該書面への署名を原告に求め,原告は乙第1号証(以下「本件書面」という)と甲第5。 号証の両書面に署名した。この「通知」と題する書面には,被告の提案にかかる清掃の仕事を原告が担当した場合を前提に平成15年5月以降の給与金額の明細が19万6090円(内訳は,本人給14万1905円,職能給1万8775円,規定による家族手当5000円,住宅手当1万6000円,共済会補助550円,通勤手当1万3860円)となる内容であることが書かれていた(甲5,乙1)。 原告は,前記のように仕事を担当できない辛さと仕事自体は早く担当したいという気持ちから,仕事はやる旨,ただし,給与が従前の金額から減額されることに対しては不満を留保しつつも,署名した。その際に原告は,本件書面に「上記金額について了承いたしました」という文言があることは自覚していなかった可能性はある(原告本人【23ないし25,49,55,56頁)。 】(8)原告は,被告から清掃の仕事の提案があったことから,支部に会社との折衝状況を逐次報告していたが,4月9日に本件書面に署名した後にも支部にこのことを報告したところ,組合としてはこのままでは原告の賃金が大幅に減額されることを懸念して,会社に対して抗議を申し入れ,その後何度もこの件に関する団交の申し入れをしているが,被告は一切応じていない(甲6ないし14,乙5)。 (9)同年5月1日付で被告の組織変更と人事異動が発表され,原告はβ事業所に新設された施設保全室の所属となり,5月2日以降勤務することになった。 (10)原告は被告から平成15年5月以降乙第1号証の本件書面の内容に沿った給与ないし賞与の支給を受けている(甲1の2ないし16,25の1ないし4,4。 1ないし53,61ないし64) 争点(1(賃金減額の有効性)に 平成15年5月以降乙第1号証の本件書面の内容に沿った給与ないし賞与の支給を受けている(甲1の2ないし16,25の1ないし4,4。 1ないし53,61ないし64) 争点(1(賃金減額の有効性)について)被告は,平成15年3月27日に提案した清掃業務について原告が月当たり約18万円の給与で担当することを同月28日に口頭で了承し,その後同年4月9日に本件書面で被告と正式に合意していることをもって有効に労働条件が変更された旨主張している。 この点は,被告と支部ないしその組合員との間の従前の対立関係から窺われる被告の労務政策,原告が担当業務の変更を申し出て以降の被告の対応,被告の原告に対する配置転換の申し出に至る経緯及び本件書面に原告が署名して以降の原告ないし支部への対応状況からすると,被告の原告に対する不当労働行為を認定することができること,原告の早く仕事に就きたいが一心での心理状況・場面を利用した公序良俗に反する合意経緯及び合意内容であることから,原告と被告との間では本件書面による平成15年5月以降の賃金内容での労働条件の変更は有効にはなされていないものと考えられる。以下,その理由について詳述する。 まず,被告においてこれまでに支部ないしその組合員に対する不当労働行為があっ- 11 -た旨の認定が別件判決あるいはその前段階における労働委員会で認定されていること,原告に対しても当該事件のなかで被告が仕事の差別をしていることは前記認定事実(1)及び証拠(甲16ないし19)のとおりである。 次に,原告が目の異常から担当業務の変更を申し出た平成14年12月以降の被告の対応について見るに,申し出があって医師の診断書の提出を求め,被告が指示した医師の診断を受けるよう要請したこと,暫定的なものとして原告の作業のうち加工機への設定値補正作業を除いたこ 2月以降の被告の対応について見るに,申し出があって医師の診断書の提出を求め,被告が指示した医師の診断を受けるよう要請したこと,暫定的なものとして原告の作業のうち加工機への設定値補正作業を除いたこれまでの作業の続行を指示したことには一定の合理性が認められるものの,原告からは頻繁に上司の訴外bあるいは同aに対して仕事の変更依頼についてその後どうなっているかを口頭で問い合わせているのに,被告からは原告に配置の希望や原告のこれまでの経験に照らした事情聴取が一切なされていないこと(前記認定事実(3(5,2月27日に原告をそれまでのラインの作業か),))ら外したときの被告の対応並びにその後1か月にわたり被告は具体的な作業を原告に与えることをせず,原告が何か仕事を見つけて行おうとしても逆にそれを止めに入っており,また,原告と訴外eからの建設的な仕事の交替についての希望・提案についても被告はさしたる検討あるいは対案を提示することなく拒否していること(前記認定事実(4(5,証人e【6頁,同a【44,45頁,被告から提示した2),)】】)回にわたる代替作業の労働条件が従前の原告の賃金を大幅に下げるものであり,しかも外注に請負で出した場合の金額をそのまま原告の労働条件としてしていること(前記認定事実(6)からすると,被告の原告に対する悪意を容易に看て取ることがで)きる。そのような対応を被告が原告に対して取る理由は,前記のように被告が支部及びその組合員に対してこれまで取ってきている労務政策及び原告に対して被告がこれまでに行った仕事の差別といった事情からすると,原告が支部の組合員であることを理由とする仕事上の差別の延長及び賃金面での不利益取扱いであることが推認できる。そして,原告が平成15年4月9日に本件書面に署名して以降,支部及び原告が 事情からすると,原告が支部の組合員であることを理由とする仕事上の差別の延長及び賃金面での不利益取扱いであることが推認できる。そして,原告が平成15年4月9日に本件書面に署名して以降,支部及び原告が被告の原告に対する対応について抗議して,団体交渉を申し入れているにもかかわらず一切応じようとしない被告の姿勢(前記認定事実(8,証人f【11,19,2)0頁)は被告の不当労働行為についての対応の裏付けとも受け取れる。 】被告は,原告の技能及び眼の負担等を考慮した新たな担当業務を検討することとしたというが,これに沿った原告の技能,経歴及び被告に雇用されて積み上げてきた会社への貢献実績に見合う被告からの提案なり対応が証拠上認められない。また,被告のβ事業所では新たに人員を必要とする業務計画もなく,仮に原告が担当できる仕事があっても配置換えをしてまではできない,とか,既存従業員が1人でこなしている仕事を原告と2人で担当させたり,必要のない仕事を原告に担当させることは企業としてできない,と被告は主張するが,被告事業所の経営事情が良くないとしても,ワークシェアリングという形で工夫した雇用の確保や維持が社会的に要請されていたり,あるいは従業員規模に応じた身体障害者の一定割合の雇用が法によって要請されている今日の社会情勢,さらには一般に企業の職場における製造ラインの人員配置の仕方において,一人でも休んだり急遽欠けたりしたら当該ラインが動かなくなるような人員配置なり作業分担をしているものとは思われず(証人a【43頁】によれば,現に平成15年2月27日以降,原告の作業をそのラインの人員に原告以外増減なく- 12 -グループの中で対応したと供述している,証拠(乙7,8,証人f,同aの各供。)述)及び弁論の全趣旨からすると,β事業所内でも原告の従事していた 業をそのラインの人員に原告以外増減なく- 12 -グループの中で対応したと供述している,証拠(乙7,8,証人f,同aの各供。)述)及び弁論の全趣旨からすると,β事業所内でも原告の従事していた部署(精密ギア製造部)のほかにもユニット製造部が存在していて範囲を広げて原告の担当作業を検討する余地があるところを,本社総務部のfはβ事業所の総務部次長のgとも話はしているものの,原告の取り扱いについては専ら精密ギア製造部の責任者である訴外aと打ち合わせるだけで,被告が真摯に原告の代替業務の検討をしているようには窺われず(証人f【26頁,β事業所の職制・規模やその後に同事業所が人材を募】)集している状況(甲33)に照らすと,仕事が作業場で見つからないという被告の対応はいかにも不自然である。しかも,能力給制度を被告が採っている会社であるとしても,被告は,前記認定事実(6)のように被告が原告に2回にわたり提示した新たな業務(1回目は梱包・発送業務,2回目は社内清掃業務)の条件を外注に請負で出したら支払うべき月19万円あるいは月18万円としている。これは原告の現状給与が,被告の基幹従業員としてこれまで長年にわたって貢献・従事してきた結果,継続勤務度合いに応じて上昇してきたところを一切無視するものである。それゆえ,上記のような被告の言い分は,経験則に反する形式的な対応・見解というしかない。 上記認定及び判断に反する証人a,同fの各供述部分ないし同人らの陳述書の各供述部分は,会社の意を受けた原告の身上・勤務歴や心情に配慮しない欺瞞に満ちた対応・供述といわざるを得ず信用性に欠け,かつ,経験則に反するものとして採用できない。その他被告提出の各証拠をはじめとする本件証拠によっても上記認定判断を覆すに足りるものは見当たらない。 したがって,被告が主張するとこ を得ず信用性に欠け,かつ,経験則に反するものとして採用できない。その他被告提出の各証拠をはじめとする本件証拠によっても上記認定判断を覆すに足りるものは見当たらない。 したがって,被告が主張するところの被告からの2回目の提案である清掃の仕事及びそれと一体化をなすとする大幅な減額になる賃金条件に原告が口頭で同意し,後日本件書面に原告が署名したことをもって有効に労働条件が原被告間で変更されたとする当該合意について,本件書面への原告による署名の経緯,意思表示の有効性について検討判断するまでもなく,被告による平成15年5月1日以降の労働条件の変更は違法・無効である。 争点(2(差額損害等)について)前提事実によれば,被告の原告に対する平成15年5月以降の労働条件変更前の賃金は,基本給29万6450円,住宅手当と家族手当を併せて月額合計31万7450円であったところ(前提事実(5,被告により実際に支給された同月以降の賃))金(月額給与と半期ごとの賞与ー平成15年5月から平成17年10月まで)は証拠(甲1の1ないし16,25の1ないし4,41ないし53,61ないし64)のと,(,,おりであり仮に原告の賃金減額がなかったとした場合の証拠甲2ないし42126,27,54ないし56)による原告が本来うべかりし賃金との差額は別表・賃金差額一覧表の差額(請求金額)欄のとおりとなる。そして,被告の給与支給日は前提事実(4)のとおり当月25日であるから,これら差額賃金の遅延損害金の被告による支払義務が別紙の遅延損害金一覧表における起算日欄記載の日から生じている。 また,平成17年11月以降も原告が被告から受け取りまたは受け取るであろう賃金についても,同様に差額が生じることになるところ,予想される当該差額賃金13万7172円を被告は本判決確定の日ま ている。 また,平成17年11月以降も原告が被告から受け取りまたは受け取るであろう賃金についても,同様に差額が生じることになるところ,予想される当該差額賃金13万7172円を被告は本判決確定の日まで原告に支払うものとするのが相当であり,- 13 -請求の趣旨(第1の請求2)における将来請求のうち,判決確定後の賃金差額については,被告が本判決確定後もなお当該差額賃金を支払わないと認めるに足りる事情があることは証拠上必ずしも認められないので,予め請求をする必要がある場合に該当しないものとして訴えを却下するのが相当である。 争点(3(慰謝料)について)前記認定事実及び上記2に認定判断したとおり,原告が平成14年12月に担当作業の変更を申し出て以降,原告は被告から平成15年2月27日に突然に担当から外された上で,被告は支部の組合員である原告に具体的な業務指示を与えずに1か月間にわたり不当に仕事をさせなかった経緯があり,その間,原告は被告からそれまでの会社への功労に報いられない業務内容及び給与支給額の提示を受け,原告がこれを断ると被告は再び業務指示を与えず,心理的に原告を追い込んで悪条件による処遇を受けざるを得ない状況に陥らせた。その結果,前記認定事実及び証拠(甲24,37,原告本人)によれば,被告は組合員である原告に1か月間具体的業務指示もなく職場で待機させられるという心理的苦痛と不安を与え,その後同年5月以降は,従来の被告における勤労者としての知識,経験及び技量を十分には生かすことのできない構内の清掃業務に就かざるを得なくされた上に,生活の糧である賃金を不当に減らされて経済的に困窮した原告に,家族である娘の学費も捻出できず留学を途中であきらめさせざるを得なくなるなどの不都合を生じさせているものである。このような被告の対応は,原告に対 である賃金を不当に減らされて経済的に困窮した原告に,家族である娘の学費も捻出できず留学を途中であきらめさせざるを得なくなるなどの不都合を生じさせているものである。このような被告の対応は,原告に対する関係で,使用者による組合員に対する差別待遇としての不当労働行為並びに原告の人格権及び財産的利益の侵害による不法行為を構成する。これにより被った原告の精神的損害を慰謝するには諸般の事情を総合考慮して150万円の支払いを被告が負担するのが相当と思料する。 以上によれば,上記に認定判断した限度で原告の請求には理由があり,その余は理由がないので棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第36部裁判官福島政幸- 14 -
▼ クリックして全文を表示