昭和45(あ)1768 業務上過失致死

裁判年月日・裁判所
昭和46年11月9日 最高裁判所第三小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人後藤昌次郎、同萩原健二連名の上告趣意は、憲法三一条違反をいうが、そ の実質は、原審のした破棄自判の措置が刑訴法四〇

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判決文本文1,204 文字)

主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人後藤昌次郎、同萩原健二連名の上告趣意は、憲法三一条違反をいうが、そ の実質は、原審のした破棄自判の措置が刑訴法四〇〇条但書に違反するというもの であつて、単なる法令違反の主張に帰し、適法な上告理由にあたらない(なお、控 訴審がなんら事実の取調をしないで第一審判決より重い刑を科しても刑訴法四〇〇 条但書に違反しないことは、所論の引用する当裁判所大法廷判決の判示するとおり である。)。弁護人萩原健二単独名義の上告趣意は、事実誤認の主張であつて、適 法な上告理由にあたらない。  また、記録を検討しても、本件につき刑訴法四一一条を適用すべきものとは認め られない。  よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官松本正雄の反対意見が あるほか、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。  裁判官松本正雄の反対意見は、次のとおりである。  原判決は、第一審が被告人に言い渡した禁錮一年但し四年間刑の執行猶予という 判決を破棄自判し、禁錮六月の実刑を言い渡したのであるが、記録によれば、その 手続は書面上の調査のみによつたものであり、事実の取調を行なつた形跡はなんら 認められない。このように第一審の執行猶予を付した判決を控訴審が破棄し自判に よつて実刑に改めるには、控訴審みずから事実の取調を行なうことを要し、そうで なければ第一審に事件を差し戻すべきものである。このことは、現行刑事訴訟にお ける直接審理主義、口頭弁論主義の要請から当然に帰結されるところであつて、単 に書面上の審理をしたのみで、被告人の意見、弁解すらも直接聴いていないところ の控訴審がみずから直ちに執行猶予を実刑に変える判決をするということは、人権 - 1 - の保護に欠けるおそれもあり、甚だ不当といわなければならない。この点にお の意見、弁解すらも直接聴いていないところ の控訴審がみずから直ちに執行猶予を実刑に変える判決をするということは、人権 - 1 - の保護に欠けるおそれもあり、甚だ不当といわなければならない。この点において、 原判決には刑訴法四〇〇条但書の解釈、適用を誤つた違法があり、その違法は判決 に影響を及ぼすことが明らかであつて、原判決を破棄しなければ著しく正義に反す る。よつて、わたくしは、刑訴法四一一条一号により原判決を破棄し、本件を原審 に差し戻すのが相当であると考える。   昭和四六年一一月九日      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    田   中   二   郎             裁判官    下   村   三   郎             裁判官    松   本   正   雄             裁判官    関   根   小   郷 - 2 -

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