平成25年7月11日判決言渡同日原本受領裁判所書記官平成25年(ネ)第10014号特許権侵害差止等請求控訴事件原審・東京地方裁判所平成23年(ワ)第32488号,同年(ワ)第32489号口頭弁論終結日平成25年6月6日判決控訴人日亜化学工業株式会社同訴訟代理人弁護士古城春実同宮原正志同牧野知彦同加治梓子同高橋 綾同訴訟代理人弁理士鮫島 睦同山尾憲人同田村 啓同玄 番 佐奈恵被控訴人株式会社立花エレテック同訴訟代理人弁護士井上裕史同田上洋平同佐合俊彦 主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人は,原判決別紙物件目録1及び2記載の各製品を譲渡し,輸出若しくは輸入し,又は譲渡の申出をしてはならない。 3 被控訴人は,その占有に係る前項記載の各製品を廃棄せよ。 4 被控訴人は,控訴人に対し,100万円及びこれに対する平成23年10月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 訴訟費用は,第1,2審とも,被控訴人の負担とする。 6 仮執行宣言第2 事案の概要本判決の略称は,断りのない限り,原判決に従う。 1 本件は,「発光ダイオード」とい 金員を支払え。 5 訴訟費用は,第1,2審とも,被控訴人の負担とする。 6 仮執行宣言第2 事案の概要本判決の略称は,断りのない限り,原判決に従う。 1 本件は,「発光ダイオード」という名称の発明について本件特許権(特許第4530094号)を有する控訴人が,被控訴人は,台湾の企業であるエバーライト社が製造する原判決別紙物件目録1及び2記載の各製品(本件各製品)を輸入,譲渡又は譲渡の申出を行っており,被控訴人による当該輸入,譲渡又は譲渡の申出が本件特許権を侵害するものであると主張して,被控訴人に対し,本件各製品の輸入,譲渡又は譲渡の申出等の差止め及び廃棄並びに損害賠償として100万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成23年10月14日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 原判決は,被控訴人が本件各製品を輸入,譲渡又は譲渡の申出をしたことも,そのおそれがあることも認めることはできないとして,控訴人の請求をいずれも棄却したため,控訴人は,これを不服として控訴し,控訴の趣旨記載の判決を求めた。 2 前提となる事実次のとおり付加,訂正するほか,原判決の「事実及び理由」の第2の1記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決2頁20行目及び同23行目の各「本件発明」をいずれも「本件訂正前発明」と改める。 (2) 原判決2頁23行目の後に,行を改めて,次のとおり挿入する。 「(3) 本件発明控訴人は,平成24年12月17日,特許庁に対し,平成23年法律第63号による改正前の特許法126条2項に従い,本件特許権について,特許請求の範囲及び明細書の記載の訂正審判請求を行い(訂正2012-390168号),特許庁は,原判決言渡し後である平成25年2月28日,訂正 る改正前の特許法126条2項に従い,本件特許権について,特許請求の範囲及び明細書の記載の訂正審判請求を行い(訂正2012-390168号),特許庁は,原判決言渡し後である平成25年2月28日,訂正を認める旨の審決をし,同審決は,同年3月11日,確定した。訂正審決確定後の特許請求の範囲の請求項1 の記載は以下のとおりである(以下,同請求項1に係る発明を「本件発明」という。)。 【請求項1】窒化ガリウム系化合物半導体を有するLEDチップと,該LEDチップを直接覆うコーティング樹脂であって,該LEDチップからの第1の光の少なくとも一部を吸収し波長変換して前記第1の光とは波長の異なる第2の光を発光するフォトルミネセンス蛍光体が含有されたコーティング樹脂を有し,前記フォトルミネセンス蛍光体に吸収されずに通過した前記第1の光の発光スペクトルと前記第2の光の発光スペクトルとが重なり合って白色系の光を発光する発光ダイオードであって,前記コーティング樹脂中のフォトルミネセンス蛍光体の濃度が,前記コーティング樹脂の表面側から前記LEDチップに向かって高くなっており,かつ,前記フォトルミネセンス蛍光体は互いに組成の異なる2種以上であることを特徴とする発光ダイオード。(判決注:下線部が本件訂正前発明から訂正された部分である。)」(3) 原判決2頁24行目の「(3)」を「(4)」と改める。 (4) 原判決3頁9行目から12行目までを次のとおり改める。 「D 前記コーティング樹脂中のフォトルミネセンス蛍光体の濃度が,前記コーティング樹脂の表面側から前記LEDチップに向かって高くなっており,E かつ,前記フォトルミネセンス蛍光体は互いに組成の異なる2種以上であることF を特徴とする発光ダイオード。」(5) 原判決3頁13行目の「(4)」を「 チップに向かって高くなっており,E かつ,前記フォトルミネセンス蛍光体は互いに組成の異なる2種以上であることF を特徴とする発光ダイオード。」(5) 原判決3頁13行目の「(4)」を「(5)」と改める。 3 争点原判決の「事実及び理由」の第2の2記載のとおりであるから,これを引用する。 第3 争点についての当事者の主張後記1のとおり原判決を訂正し,争点1(被控訴人が本件各製品の輸入,譲渡又は譲渡の申出をしているか否か)について後記2のとおり付加するほか,原判決の「事実及び理由」の第2の3記載のとおりであるから,これを引用する。 1 原判決の訂正(1) 原判決5頁21行目の「a1ないしe1」を「a1ないしf1」と改める。 (2) 原判決6頁8行目から13行目までを次のとおり改める。 「d1 前記コーティング樹脂には,蛍光体が存在しており,その濃度がコーティング樹脂の表面側からLEDチップに向かって高くなっており,e1 かつ,前記フォトルミネセンス蛍光体は,黄色に発光する,OとAlとGaとYを含むYAG系蛍光体と,赤色に発光する,NとOとAlとSiとCaとSrを含む蛍光体という,互いに組成の異なる2種であることf1 を特徴とする発光ダイオード。 (イ) 本件製品1の構成a1,b1,c1,d1,e1及びf1は,それぞれ本件発明の構成要件A,B,C,D,E及びFをそれぞれ充足する。」(3) 原判決6頁17行目の「a2ないしe2」を「a2ないしf2」と改める。 (4) 原判決7頁4行目から9行目までを次のとおり改める。 「d2 前記コーティング樹脂には,蛍光体が存在しており,その濃度がコーティング樹脂の表面側からLEDチップに向かって高くなっており,e2 かつ,前記フォトルミネセンス蛍光体は のとおり改める。 「d2 前記コーティング樹脂には,蛍光体が存在しており,その濃度がコーティング樹脂の表面側からLEDチップに向かって高くなっており,e2 かつ,前記フォトルミネセンス蛍光体は,黄色に発光する,OとAlとYを含むYAG系蛍光体と,赤色に発光する,NとOとAlとSiとCaを含む蛍光体という,互いに組成の異なる2種であることf2 を特徴とする発光ダイオード。 (イ) 本件製品2の構成a2,b2,c2,d2,e2及びf2は,それぞれ本件発明の構成要件A,B,C,D,E及びFをそれぞれ充足する。」 2 当審における当事者の主張〔控訴人〕(1) 譲渡の事実について原判決は,本件全証拠によっても,譲渡の事実は認められないと判示した。 しかしながら,被控訴人は,技術商社として遅くとも2004年(平成16年)から継続して,そのウェブサイトに,エバーライト社について「照明・車載,LEDバックライト,…省エネ・ECOに貢献して今後も伸び続けるLED市場」などと明らかに白色LEDを意味する照明ないしバックライト用LEDの紹介文を記載し,殊に平成19年ころのウェブサイトには,被控訴人がエバーライト社の「携帯端末バックライト」,「砲弾型LED全般」及び「面実装タイプLED全般」を取り扱っている旨明記され(携帯端末バックライトに使用されるLEDは「蛍光体+青色LED」の構成による白色LED以外あり得ない。また,エバーライト社のLED製品の販売数量及び金額の90%以上は白色LEDが占めており,「砲弾型LED全般」及び「面実装タイプLED全般」には白色LEDが当然に含まれる。),顧客がエバーライト社の製品情報を掲載したページに容易にアクセスできるようにリンクを貼り,顧客のために問合せページも用意している。かかるウェブ 装タイプLED全般」には白色LEDが当然に含まれる。),顧客がエバーライト社の製品情報を掲載したページに容易にアクセスできるようにリンクを貼り,顧客のために問合せページも用意している。かかるウェブサイトを見た顧客が,被控訴人に照明ないしバックライト用LEDを注文することは当然予想され,商社である被控訴人が同注文を断ることはあり得ない。そして,被控訴人ウェブサイトの「半導体製品」のカテゴリーにある15社のうち,LED関連の製品を挙げるのは,エバーライト社及び株式会社光波のみであり,被控訴人の顧客がLEDを購入しようとすれば,エバーライト社か他の1社しか選択肢はない。 以上によれば,被控訴人が過去において本件各製品を含むエバーライト社製白色LEDを実際に譲渡したことは十分合理的に推認できるのであって,原判決の認定は誤りである。 (2) 譲渡の申出について原判決は,被控訴人ウェブサイトには,半導体デバイスのページに10社を超える半導体製品の取扱メーカーの一つとしてエバーライト社が記載され,同社のウェブサイトのトップページへのリンクや同社がLED製品を取り扱っている旨の記載があるが,具体的なLED製品の記載はなく,同社のウェブサイトのトップページへのリンクから同社のトップページに移動しても,トップページには具体的なLED製品の記載はなく,トップページからさらに具体的な製品が掲載されたページにたどり着くためには,複数回リンクをたどる必要があることなどの事情に鑑みると,被控訴人ウェブサイトの記載をもって,被控訴人が本件各製品について譲渡の申出をしていると認めることはできないと判示した。 しかしながら,顧客は,必ず,購入したい特定の製品を念頭において,被控訴人ウェブサイトにアクセスし,目的とする品目の製品情報にたどり着くまでリンクを をしていると認めることはできないと判示した。 しかしながら,顧客は,必ず,購入したい特定の製品を念頭において,被控訴人ウェブサイトにアクセスし,目的とする品目の製品情報にたどり着くまでリンクをたどるのであるから,被控訴人ウェブサイトに具体的製品の記載がないことや,個別のLED製品の型番や製品情報に行き着くために複数回のクリックを要するかダイレクトに行き着くかは,「譲渡の申出」性を否定する理由にはならない。殊に被控訴人ウェブサイトの「半導体製品」のカテゴリーにある15社のうち,LED関連の製品を挙げるのは,エバーライト社及び株式会社光波のみであり,被控訴人の顧客がLEDを購入しようとすれば,実際上,エバーライト社か他の1社しか選択肢はない。 以上によれば,被控訴人ウェブサイトの記載から,本件各製品について譲渡の申出の事実を否定した原判決の事実認定は誤りであり,前記(1)の事実を踏まえれば,本件各製品について譲渡の申出が認められることは明らかである。 (3) 譲渡のおそれ及び譲渡の申出のおそれについて被控訴人は,そのウェブサイトで,LED製品(とりわけ主力商品である白色LED)を掲載するエバーライト社のウェブページへと顧客を誘導し,かつ,同ウェブページに掲載された製品を特定のものに限定することなく,自らの「取扱製品」としているのであるから,被控訴人ウェブサイトからエバーライト社のウェブページへのリンクをたどって白色LEDにたどり着いた顧客に対し,エバーライト社の製品を扱う代理店として,本件各製品又はこれを含む「白色LED製品」の販売を行う蓋然性は客観的に高い。 したがって,譲渡のおそれも譲渡の申出のおそれも十分に認められる。 (4) 原判決の手続違背ないし審理不尽の違法について原審は,控訴人が,本件訴訟において差止め及 を行う蓋然性は客観的に高い。 したがって,譲渡のおそれも譲渡の申出のおそれも十分に認められる。 (4) 原判決の手続違背ないし審理不尽の違法について原審は,控訴人が,本件訴訟において差止め及び損害賠償を求める本件各製品を,「訴外EverlightElectronics. CO.,LTD が製造する,青色LEDと蛍光体とを組み合わせた白色LED。」と変更する旨の平成24年8月6日付け訴え変更の申立てを却下した。原判決には,民事訴訟法143条1項の解釈適用を誤り,被控訴人が譲渡ないし譲渡の申出をしていることが明らかな白色LED全般についての審理を怠った違法がある。 また,本件は,被控訴人が,そのウェブサイトにおいて,「携帯端末バックライト」すなわち白色LED全般について,明確な譲渡の申出を広範な範囲でしていることから,本件各製品を含む白色LEDの譲渡の蓋然性が極めて高い状況にあった。 そのため,控訴人は,譲渡及び譲渡の申出の事実を立証すべく,特許法105条1項に基づき,被控訴人のエバーライト社製LED製品の仕入れに関する取引記録の提出を求める文書提出命令の申立てを行うとともに,被控訴人の取引担当者の証人尋問を申請した。しかるに,原判決が,上記各申立てをいずれも却下した上で,「本件全証拠によっても譲渡の事実を認めるに足りない」と判断したことには,審理不尽の違法がある。 〔被控訴人〕(1) 譲渡及び譲渡の申出並びに譲渡のおそれ及び譲渡の申出のおそれについてア被控訴人は,過去に本件各製品を含むエバーライト社製の白色LEDを販売した事実はなく,今後も販売の意思はない。 控訴人は,被控訴人ウェブサイトのエバーライト社の紹介文中にある携帯端末バックライトは白色LED以外あり得ないと主張するが,携帯端末バックライトのう ち,LC なく,今後も販売の意思はない。 控訴人は,被控訴人ウェブサイトのエバーライト社の紹介文中にある携帯端末バックライトは白色LED以外あり得ないと主張するが,携帯端末バックライトのう ち,LCD(液晶ディスプレイ)用BL光源としては白色LEDが多く採用されているとしても,着信ランプやテンキー用等の用途には有色LEDが用いられており,上記ウェブサイトの紹介文中にも,「携帯端末バックライト」との記載はあるが,「携帯端末LCD用バックライト」との記載はない。 さらに,上記「白色LED」が,「3色LED」,「RGB蛍光体+近紫外LED」又は「蛍光体+青色LED」の3方式のうち,本件で対象となる「蛍光体+青色LED」の方式に限定すると認められる記載も存在しないから,「携帯端末バックライト」=「白色LED(蛍光体+青色LED方式)」とする控訴人の主張は誤りである。 また,控訴人は,エバーライト社の販売に係るLED製品の販売数量及び金額の90%以上を白色LEDが占めると主張するが,エバーライト社の白色LEDには,「蛍光体+青色LED」のほか「3色LED」方式のものも多く用いられている。 イ被控訴人ウェブサイトには,半導体デバイスの「取り扱いメーカー」として10社を超えるメーカーが記載され,エバーライト社はその1 社として記載されているにすぎず,単に被控訴人がエバーライト社の製品を取り扱っていることの一般的抽象的な記載にすぎない。また,被控訴人ウェブサイトには,エバーライト社のウェブサイトのトップページへのリンクやエバーライト社がLED製品を取り扱っている旨の記載があるが,具体的にどのLED製品を取り扱っているかについては記載がなく,被控訴人ウェブサイトに設けられたエバーライト社のウェブページへのリンクは,単に同社のトップページに移動する っている旨の記載があるが,具体的にどのLED製品を取り扱っているかについては記載がなく,被控訴人ウェブサイトに設けられたエバーライト社のウェブページへのリンクは,単に同社のトップページに移動するものにすぎず,白色LEDはおろか,同社の販売する特定の商品の記載もなく,このページからさらに具体的な製品が掲載されたページにたどり着くためには,複数回リンクをたどる必要がある。このような抽象的な記載やリンクにより,譲渡の申出と評価することは,およそ被疑侵害品を有する企業と取引をする者が差止訴訟に巻き込まれる事態を引き起こすものであり許されない。そして,被控訴人は,エバーライト社の製品の取扱代理店ではなく,同社の製品を取り扱う商社にすぎず,同社との間に直接の取引関係もない。 控訴人は,被控訴人が,そのウェブサイトで,LED製品(とりわけその主力商品である白色LED)を掲載するエバーライト社のウェブページへと顧客を誘導し,かつ,同ウェブページに掲載された製品を特定のものに限定することなく,自らの「取扱製品」としている旨主張するが,エバーライト社のトップページ以降は被控訴人の管理の及ばない第三者(エバーライト社)の管理するウェブページであり,エバーライト社のページの記載を被控訴人の管理するページであると評価することはできない。 ウ以上のとおりであって,被控訴人には,本件各製品を譲渡した事実も,譲渡の申出をした事実も,そのおそれもないから,原判決の認定に誤りはない。 (2) 原判決の手続違背について本件訂正前発明は,「青色LEDと蛍光体とを組み合わせた白色LED」の全てを技術的範囲とするものではなく,蛍光体の濃度について特定の構成を採用したものにすぎない。控訴人の訴えの変更は,侵害行為を組成した物が特定されておらず,変更した対象物件につ わせた白色LED」の全てを技術的範囲とするものではなく,蛍光体の濃度について特定の構成を採用したものにすぎない。控訴人の訴えの変更は,侵害行為を組成した物が特定されておらず,変更した対象物件についての構成要件充足性の主張もされておらず,主張自体失当である上,仮に訴えの変更を許した場合,被控訴人は,自ら製造していない白色LED(蛍光体+青色LED方式)について,エバーライト社が製造するすべての製品について構成の調査をする負担を強いられるところ,かかる状況は当事者の衡平を失するばかりか,訴訟手続の著しい遅滞を招くものであるから,これを却下した原判決の判断に誤りはない。 第4 当裁判所の判断当裁判所も,被控訴人は本件各製品の輸入,譲渡又は譲渡の申出をしておらず,そのおそれもないことから,控訴人の本訴請求は,いずれも理由がなく,これを棄却すべきものであると判断する。その理由は,次のとおりである。 1 争点1(被控訴人が本件各製品の輸入,譲渡又は譲渡の申出をしているか否か)について(1) 認定事実証拠(甲3の1ないし3,甲6の1ないし3,甲7ないし10,11の1ないし7,甲13,18,25,26,乙1ないし5,7,12,17)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア被控訴人の事業内容被控訴人は,FAシステム事業,半導体デバイス事業,情報通信事業,施設事業,ソリューション事業及び海外事業の六つの事業を展開する技術商社であり,半導体製品については,複数の仕入先メーカーからこれを仕入れて顧客に販売するとともに,独自の製品開発も行っている。 エバーライト社は被控訴人の取り扱う半導体製品のメーカーの一つであるが,被控訴人は,エバーライト社の取扱代理店ではなく,同社の製品を,専ら,同社から出資を受けて設立 ,独自の製品開発も行っている。 エバーライト社は被控訴人の取り扱う半導体製品のメーカーの一つであるが,被控訴人は,エバーライト社の取扱代理店ではなく,同社の製品を,専ら,同社から出資を受けて設立された同社製品の日系メーカー向け窓口である「E&EJAPAN 株式会社」(以下「E&E社」という。)から仕入れて顧客に販売しており,エバーライト社との間に直接の取引関係はない。 イウェブサイトにおける記載(ア) 被控訴人ウェブサイトのトップページ(http://www.tachibana.co.jp)にある,「製品情報」のボタンをクリックすると,製品情報のページ(http://www.tachibana.co.jp/products)に移動し,このページには,「技術商社ならではの,豊富で最適なProduct」との見出しとともに,「豊富な情報と知識,さらにメーカーとのネットワークを活かし,付加価値の高い製品とシステムの提供,またユーザーオリエンテッドのサポート体制を整えており,オリジナル製品の開発も行っています。」との記載があり,さらに「取り扱い製品」として,「FA(FactoryAutomation)」,「情報通信」,「施設」,「海外」との項目とともに「半導体デバイス」の項目があり,その項目の下には「取り扱いメーカー」との記載がある。 この「半導体デバイス」の部分をクリックすると,半導体デバイスのページ(http://www.tachibana.co.jp/products/devices)に移動し,このページには,「規格品からユーザー仕様まで,ニーズに合わせた半導体やデバイス製品を豊富な製品ラインアップから提供いたします。またASIC開発などで培った技術力で,オリジナルICなどの半導体製品を開発しています。」との記載が ーザー仕様まで,ニーズに合わせた半導体やデバイス製品を豊富な製品ラインアップから提供いたします。またASIC開発などで培った技術力で,オリジナルICなどの半導体製品を開発しています。」との記載があり,「取り扱いメーカー」として「半導体」にはエバーライト社を含む15社の社名が記載され,「デバイス」には14社の社名が記載されている。 そして,上記「半導体」に記載された15社の社名のうち「エバーライト・エレクトロニクス社」の部分をクリックすると,「半導体製品一覧」との表題のあるページ(http://www.tachibana.co.jp/products/devices/makers/index.html#everlight)に移動し,このページには,上記15社のロゴ,社名,ウェブサイトへのリンク及び紹介文が掲載され,このうちエバーライト社については,同社のウェブサイトのトップページ(http://www.everlight.com/)へのリンクとともに紹介文として,「照明・車載,LEDバックライト,電飾看板等,省エネ・ECOに貢献して今後も伸び続けるLED市場。エバーライト・エレクトロニクスは,世界でもトップクラスの生産能力と豊富なLED製品群で,発展する市場の様々なニーズにお応えします。」と記載されている。 また,被控訴人ウェブサイトのトップページ(http://www.tachibana.co.jp)にある,「お問い合わせ」のボタンをクリックすると,お問い合わせのページ(http://www.tachibana.co.jp/contact)に移動し,このページには,被控訴人が展開する前記アの六つの事業ごとに電話,ファックス及び電子メールによる問合せ先が記載され,同ページ内の「メールでのお問い合わせ」の部分をクリックすると,「法人の )に移動し,このページには,被控訴人が展開する前記アの六つの事業ごとに電話,ファックス及び電子メールによる問合せ先が記載され,同ページ内の「メールでのお問い合わせ」の部分をクリックすると,「法人のお客様メールでのお問い合わせ」の電子メールフォームのページ(http://www.tachibana.co.jp/contact/mail/corp.php?contact_kind=6)に移動し,顧客は,この電子メールフォームに,氏名,返信先メールアドレス,電話番号,ファックス番号,会社名等を入力した上で,「お問い合わせ内容」欄に問合せ内容を記入することができるようになっている。 (イ) 過去には,被控訴人ウェブサイト内に,上記各ページとほぼ同じ内容のページのほか,エバーライト社についてのページ(http://www.tachibana.co.jp/products/devices/everlight/。なお,平成19年7月の時点においては,URLが異なっていた。)が存在し,このページには,同社のロゴ,社名及びウェブサイトのトップページ(http://www.everlight.com/)へのリンクとともに,「台湾ナンバーワンのLEDパッケージメーカ」と記載され,これに続き,製品案内として,「アプリケーション」に「屋内外サインボード」,「各種信号灯」,「車載関連(インテリア・エクステリア)」,「携帯端末バックライト」,「DVD/STB/TV」との記載,「製品」に「砲弾型LED全般」,「面実装タイプ LED全般」,「IrDA」,「フォトカプラ」,「フォトリンク」との記載があり,さらに,「お問い合わせ」として「このメーカーに関するお問い合わせはこちらより承っております。」との記載があった(なお,平成19年7月及び平成20年2月の時点 プラ」,「フォトリンク」との記載があり,さらに,「お問い合わせ」として「このメーカーに関するお問い合わせはこちらより承っております。」との記載があった(なお,平成19年7月及び平成20年2月の時点においても,具体的な記載は異なるものの,同趣旨の記載があった。)。 (ウ) エバーライト社のウェブサイトのトップページ(http://www. everlight.com/)には,「Products」とのボタンがあり,これをクリックすると「Products」のページに移動し,ここには,「VisibleLEDComponents」,「LightingSolutions」,「InfraredLED,Sensors,Couplers」,「LEDDigitalDisplays」との項目がある。 この中の「VisibleLEDComponents」をクリックすると,「VisibleLEDComponents」のページに移動し,ここには,「Low-MidPowerLED」,「HighPowerLED」,「LEDLamps」,「SuperFluxLEDs」,「SMDLEDs」,「FlashLEDs」との項目がある。 次に,この中の「Low-MidPowerLED」をクリックすると「Low-MidPowerLED」のページに移動し,ここには,「5050(0. 2w)」のほか,4種類のパッケージについての項目がある。 さらに,この中の「5050(0.2w)」をクリックすると,「5050(0. 2w)」のページに移動し,ここには,「Product」として,本件製品1に該当する製品番号を含む九つの製品が記載され,「Datasheet」の欄の下にあるPDFファイルのアイコンをクリックすると,その製品に対応す に移動し,ここには,「Product」として,本件製品1に該当する製品番号を含む九つの製品が記載され,「Datasheet」の欄の下にあるPDFファイルのアイコンをクリックすると,その製品に対応するデータシートがPDF形式で表示される。 ウ乙1,2及び12の陳述内容E&E社の代表取締役は,その報告書(乙1)において,被控訴人が販売するエバーライト社の製品は,すべてE&E社がエバーライト社から輸入し,被控訴人に販売したものであって,被控訴人とエバーライト社との間に直接の取引関係はないこと,本件各製品については被控訴人に対して販売,サンプルの提供及び商談を行った事実はない旨述べている。 エバーライト社のアジア事業処処長は,その陳述書(乙12)において,同社は,本件各製品について,E&E社及び被控訴人のいずれに対しても,販売又はサンプルの提供をしたことがない旨述べている。 さらに,被控訴人半導体デバイス第一本部本部長は,その陳述書(乙2)において,被控訴人は,エバーライト社の製品をE&E社から仕入れて顧客に販売しており,エバーライト社との間に直接の取引関係はないこと,本件各製品については,いずれも取扱いがなく,過去に販売した実績もなく,E&E社との間で商談を行ったこともサンプルの提供を受けたことも,その予定もない旨述べている。 エバックライト及び照明用LED等バックライト用LEDには,一般に,本件発明の採用する「蛍光体+青色LED」方式だけでなく,「3色LED」方式も利用されている。 また,照明用LEDは白色LEDが多くを占めるとしても,一般に,照明用の白色LEDには,本件発明の採用する「蛍光体+青色LED」方式だけでなく,「RGB蛍光体+近紫外LED」方式も存在する。 (2) なお,本件全証拠に LEDが多くを占めるとしても,一般に,照明用の白色LEDには,本件発明の採用する「蛍光体+青色LED」方式だけでなく,「RGB蛍光体+近紫外LED」方式も存在する。 (2) なお,本件全証拠によっても,本件各製品が我が国において一般市場に流通しているか否かは不明である。控訴人は,本件各製品を,被控訴人からではないが,実際に日本の市場から入手した旨主張するけれども,具体的な入手経路等を何ら明らかにしておらず,本件各製品が我が国で一般市場に流通していることを裏付けるものとはいえない。 (3) 以上の認定事実に基づいて,以下,判断する。 ア譲渡の事実について控訴人は,被控訴人が,技術商社として遅くとも2004年(平成16年)から継続して,そのウェブサイトに,エバーライト社について「照明・車載,LEDバックライト,…省エネ・ECOに貢献して今後も伸び続けるLED市場」などと明らかに白色LEDを意味する照明ないしバックライト用LEDの紹介文を記載し,殊に平成19年ころのウェブサイトには,被控訴人がエバーライト社の「携帯端末バックライト」,「砲弾型LED全般」及び「面実装タイプLED全般」を取り扱っている旨明記し,顧客がエバーライト社の製品情報を掲載したページに容易にアクセスできるようにリンクを貼り,顧客のために問合せページも用意しているから,かかるウェブサイトを見た顧客が,被控訴人に照明ないしバックライト用LEDを注文することは当然予想され,商社である被控訴人が同注文を断ることはあり得ないこと,被控訴人ウェブサイトの「半導体製品」のカテゴリーにある15社のうち,LED関連の製品を挙げるのは,エバーライト社及び株式会社光波のみであり,顧客がLEDを購入しようとすれば,エバーライト社か他の1社しか選択肢がないことからすれば,被控訴人が ーにある15社のうち,LED関連の製品を挙げるのは,エバーライト社及び株式会社光波のみであり,顧客がLEDを購入しようとすれば,エバーライト社か他の1社しか選択肢がないことからすれば,被控訴人が過去において本件各製品を含むエバーライト社製白色LEDを実際に譲渡したことは十分合理的に推認できる旨主張する。 確かに,被控訴人ウェブサイトには,半導体デバイスのページに半導体の取扱メーカーの一つとしてエバーライト社が記載され,エバーライト社のウェブサイトのトップページへのリンクや,具体的な取扱製品についての記載はないもののエバーライト社がLED製品を取り扱っている旨記載され,被控訴人に対する問合せページが用意されている。そのため,顧客は,エバーライト社のLED製品を検索するには,被控訴人に問い合わせるか,自ら被控訴人ウェブサイトに貼られたエバーライト社のウェブサイトのトップページへのリンクをクリックした上で,エバーライト社のトップページに移動し,その後,複数回リンクをたどることによって具体的な製品に到達することになり,このようにして知り得たLED製品について,被控訴人に対し問合せや注文をすることも予想されることであって,その中に本件各製品があった可能性は否定できない。 しかしながら,被控訴人は,エバーライト社の製品の取扱代理店ではなく,商社として15社を数える半導体製品の仕入先メーカーの一つとしてエバーライト社を紹介しているものにすぎず,被控訴人ウェブサイトではエバーライト社の特定の製品を具体的に記載しておらず,本件各製品の記載もないこと,照明用LED及びバックライト用LEDとしては白色LEDが多くを占めるとしても,この白色LEDには,一般的に,本件発明の採用する「蛍光体+青色LED」方式だけでなく,「3色LED」方式や「RGB ,照明用LED及びバックライト用LEDとしては白色LEDが多くを占めるとしても,この白色LEDには,一般的に,本件発明の採用する「蛍光体+青色LED」方式だけでなく,「3色LED」方式や「RGB蛍光体+近紫外LED」方式も利用されており,また,仮に控訴人主張のように一般的に携帯端末バックライト用LEDについては「蛍光体+青色LED」という構成の白色LEDがほとんどを占めるものであるとしても,それが全て本件発明の構成を採用するものであるとまで認めるに足りる証拠もないのであるから,被控訴人ウェブサイトを閲覧して照明用LED又はバックライト用LEDを注文しようとする顧客が,本件各製品の問合せや注文をするとは限らないこと,本件全証拠によっても,本件各製品が我が国において一般市場に流通しているか否かは不明であることを考慮すれば,顧客が本件各製品について被控訴人に問合せや注文をする可能性が否定できないとしてもその程度が高いとまでは必ずしもいえないのであって,かかる可能性の存在だけでは,被控訴人が本件各製品を譲渡した事実を認定することはできず,他に譲渡の事実があったことを認めるに足りる証拠はない。かえって,前掲乙1,2及び12の各陳述内容によれば,被控訴人による譲渡の事実が存在しないことがうかがわれるところである。そして,被控訴人ウェブサイトの「半導体製品」のカテゴリーにある15社のうち,LED関連の製品を挙げているのが,エバーライト社及び株式会社光波の2社のみであるからといって,上記認定が左右されるものではない。 したがって,控訴人の上記主張は採用することができない。 イ譲渡の申出について(ア) 被控訴人は,技術商社であって,仕入先メーカーから仕入れた各種半導体製品を顧客に販売しているところ,被控訴人の半導体製品の仕入先メーカー は採用することができない。 イ譲渡の申出について(ア) 被控訴人は,技術商社であって,仕入先メーカーから仕入れた各種半導体製品を顧客に販売しているところ,被控訴人の半導体製品の仕入先メーカーの一つにエバーライト社があるが,被控訴人はエバーライト社の取扱代理店ではないこと,被控訴人ウェブサイトには,半導体デバイスのページに15社を数える半導体の取扱メーカーの一つとしてエバーライト社についての記載があり,エバーライト社のウェブサイトのトップページへのリンクやエバーライト社がLED製品を取り扱っている旨の記載があるが,具体的にどのLED製品を取り扱っているかについては記載がないこと,エバーライト社のウェブサイトのトップページへのリンクをクリックすると,同社のトップページに移動するが,このページには具体的なLED製品の記載はないこと,このページからさらに具体的な製品が掲載されたページにたどり着くためには,複数回リンクをたどる必要があり,例えば,本件製品1に関する情報が掲載されたページにたどり着くためには,トップページの「Products」のボタン,「VisibleLEDComponents」の項目,「Low-MidPowerLED」の項目,「5050(0.2w)」の項目,「Datasheet」の欄の下にあるPDFファイルのアイコンを順次たどる必要があることが認められ,これらの事情に鑑みると,被控訴人ウェブサイトの記載をもって,被控訴人が本件各製品について譲渡の申出をしていると認めることはできない。 なお,過去には,被控訴人ウェブサイト内にエバーライト社についてのページが存在し,このページにおいて,製品案内として,「アプリケーション」に「屋内外サインボード」,「各種信号灯」,「車載関連(インテリア・エクステリア)」, ウェブサイト内にエバーライト社についてのページが存在し,このページにおいて,製品案内として,「アプリケーション」に「屋内外サインボード」,「各種信号灯」,「車載関連(インテリア・エクステリア)」,「携帯端末バックライト」,「DVD/STB/TV」との記載,「製品」に「砲弾型LED全般」,「面実装タイプ LED全般」,「IrDA」,「フォトカプラ」,「フォトリンク」との記載があったが,さらに具体的にどのLED製品を取り扱っているかについては記載がなく,結局,具体的な個別のLED製品を知るには,エバーライト社のウェブサイトによらなければならなかったのであって,過去の被控訴人ウェブサイト内に,現在のページとほぼ同じ内容のページのほか,上記のエバーライト社についてのページが存在していたとしても,これをもって,被控訴人が本件各製品について譲渡の申出をしていたと認めることはできない。 (イ) この点,控訴人は,顧客は,必ず,購入したい特定の製品を念頭において,被控訴人ウェブサイトにアクセスし,目的とする品目の製品情報にたどり着くまでリンクをたどるのであるから,被控訴人ウェブサイトに具体的製品の記載がないことや,個別のLED製品の型番や製品情報に行き着くために複数回のクリックを要するかダイレクトに行き着くかは,「譲渡の申出」性を否定する理由にはならず,殊に被控訴人ウェブサイトの「半導体製品」のカテゴリーにある15社のうち,LED関連の製品を挙げるのは,エバーライト社及び株式会社光波のみであり,被控訴人の顧客がLEDを購入しようとすれば,実際上,エバーライト社か他の1社しか選択肢はないのであって,被控訴人ウェブサイトの記載からは,本件各製品について譲渡の申出が認められる旨主張する。 しかしながら,顧客が,必ず,購入したい特定の製品を念頭において イト社か他の1社しか選択肢はないのであって,被控訴人ウェブサイトの記載からは,本件各製品について譲渡の申出が認められる旨主張する。 しかしながら,顧客が,必ず,購入したい特定の製品を念頭において被控訴人ウェブサイトにアクセスするものとは断定できない上に,被控訴人はエバーライト社の取扱代理店ではなく,被控訴人ウェブサイトにおいても,半導体デバイスの仕入先メーカーの一つとしてエバーライト社を紹介し,具体的製品を何ら特定することなく同社製品を一般的に取り扱っている旨を記載しているにすぎず,被控訴人ウェブサイトに貼られたエバーライト社のウェブサイトへのリンクも,単に同社のトップページに移動するもので,同社製品に直接リンクするものではない。そして,顧客が被控訴人ウェブサイトに貼られたエバーライト社のウェブサイトへのリンクから,同社ウェブサイトのトップページに移動した後,具体的な製品が記載されたページにたどり着くためには,同社のウェブサイトにおいて複数回リンクをたどる必要があるところ,かかるエバーライト社のウェブサイトにおけるリンクの方式や具体的な取扱製品の記載が同社による同社製品の譲渡の申出に当たるか否かは格別,エバーライト社が管理する上記ウェブサイトの記載をもって,被控訴人による譲渡の申出と認めることはできない。そして,前記(ア)で認定した事実に加え,前掲乙1,2及び12において,被控訴人が,本件各製品については,いずれもE&E社との間で商談を行ったこともサンプルの提供を受けたこともなく,その予定もない旨陳述していることや,被控訴人において今後も本件各製品を販売する意思のない旨を表明していることをも併せ考慮すれば,被控訴人ウェブサイトの記載やエバーライト社のウェブサイトのトップページへのリンクの貼り付けをもって,譲渡の申出の事実 て今後も本件各製品を販売する意思のない旨を表明していることをも併せ考慮すれば,被控訴人ウェブサイトの記載やエバーライト社のウェブサイトのトップページへのリンクの貼り付けをもって,譲渡の申出の事実があるものと認めることはできない。 したがって,控訴人の上記主張は採用することができない。 ウ譲渡のおそれ及び譲渡の申出のおそれ等について以上判示したところによれば,被控訴人が過去に本件各製品の輸入,譲渡又は譲渡の申出をしたり,現在これらの行為をしているとは認められないし,被控訴人が本件各製品の輸入,譲渡又は譲渡の申出をする蓋然性があると認められる具体的な事実が存在することをうかがわせるような証拠もないから,被控訴人が本件各製品の輸入,譲渡又は譲渡の申出をするおそれがあることも認められない。 エ原判決の手続違背ないし審理不尽の違法について(ア) 控訴人は,本件訴訟において差止め及び損害賠償を求める本件各製品を,「訴外EverlightElectronics. CO.,LTD が製造する,青色LEDと蛍光体とを組み合わせた白色LED。」と変更する旨の控訴人の平成24年8月6日付け訴え変更の申立てを原審が却下したことは,民事訴訟法143条1項の解釈適用を誤り,被控訴人が譲渡ないし譲渡の申出をしていることが明らかな白色LED全般についての審理を怠った違法がある旨主張する。 しかしながら,上記変更により特定される対象製品の表示では,控訴人の本件訂正前発明の構成要件を充足しない物件をも包含し得るものであって,差止めの対象となる対象製品の特定方法としては広範にすぎ,同変更を許せば,変更後の対象製品すべてについて本件訂正前発明の技術的範囲に属するか否かを新たに審理しなければならず,著しく訴訟手続を遅滞させることとなるから,当該請求の変更 方法としては広範にすぎ,同変更を許せば,変更後の対象製品すべてについて本件訂正前発明の技術的範囲に属するか否かを新たに審理しなければならず,著しく訴訟手続を遅滞させることとなるから,当該請求の変更は不当であると認められる。したがって,原審が変更を許さない旨の決定をしたことについて,民訴法143条1項及び4項の解釈適用を誤った違法があるということも,審理を怠った違法があるということもできない。 (イ) また,控訴人は,被控訴人が,そのウェブサイト上において,「携帯端末バックライト」すなわち白色LED全般について,明確な譲渡の申出を広範な範囲でしていることから,本件各製品を含む白色LEDの譲渡の蓋然性が極めて高い状況にあったため,譲渡及び譲渡の申出の事実を立証すべく,特許法105条1項に基づき,被控訴人のエバーライト社製LED製品の仕入れに関する取引記録の提出を求める文書提出命令の申立てを行うとともに,被控訴人の取引担当者の証人尋問を申請したにもかかわらず,原判決が,これらの申立てをいずれも却下した上で,「本件全証拠によっても譲渡の事実を認めるに足りない」と判断したことには,審理不尽の違法がある旨主張する。 しかしながら,前記(ア)のとおり,控訴人の請求の変更は不当であって許されないものである以上,エバーライト社製のLED製品全般ないし白色LED製品の譲渡及び譲渡の申出の事実を立証趣旨とする文書提出命令の申立て及び人証の申請には,証拠調べの必要性がないというべきであるから,原審が上記申立てをいずれも却下した上で上記判断をしたことについて審理不尽の違法はない。 2 結論よって,その余の点について判断するまでもなく,控訴人の本訴請求はいずれも理由がなく,原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却することと の違法はない。 2 結論 よって,その余の点について判断するまでもなく,控訴人の本訴請求はいずれも理由がなく,原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第4部 裁判長裁判官土肥章大 裁判官田中芳樹 裁判官荒井章光
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