令和6(わ)2938 関税法違反、外国為替及び外国貿易法違反

裁判年月日・裁判所
令和6年10月31日 大阪地方裁判所
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判決文本文1,425 文字)

主文 被告人A株式会社を罰金500万円に、被告人Bを懲役3年に処する。 被告人Bに対し、未決勾留日数中40日をその刑に算入する。 被告人Bに対し、この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人A株式会社(以下「被告会社」という。)は、大阪市(住所省略)に本店を置き、自動車、自転車、バイク、建設機械等の輸出入業等を営むもの、被告人Bは、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人Bは、ロシアを仕向地としてバイク等を不正に輸出しようと考え、被告会社の業務に関し、第1 令和5年1月19日、電子情報処理組織により、バイク18台等27点の貨物(輸出申告価格合計4278万8818円)の輸出申告を行うに際し、通関業者である神戸市(住所省略)所在の株式会社Cにおいて、情を知らない同社従業員に、大阪市(住所省略)大阪税関D出張所長に対し、電子情報処理組織の電子計算機に備えられたファイルに、前記貨物の最終仕向地がロシアであったにもかかわらず、前記貨物の最終仕向地が大韓民国の釜山である旨の虚偽の事実を入力させるなどして申告した上、同月20日、大阪市(住所省略)大阪港E岸壁において、情を知らない荷役作業員に、前記貨物を貨物船「F」号に船積みさせて、ロシアを最終仕向地として釜山に向けて輸出し、もって偽った申告をして貨物を輸出し、第2 経済産業大臣の承認を受けないで、前記第1記載のとおり、バイク18台等27点の貨物をロシアを仕向地として輸出し、もって同大臣の承認を受けないで貨物を輸出した。 (証拠の標目)(省略)(法令の適用)(省略)(量刑の理由)本件は、バイク等の貨物を、最終仕向地がロシアであるのに大韓民国の釜山である旨虚 いで貨物を輸出した。 (証拠の標目)(省略)(法令の適用)(省略)(量刑の理由)本件は、バイク等の貨物を、最終仕向地がロシアであるのに大韓民国の釜山である旨虚偽の申告をし、経済産業大臣の承認を受けずに輸出したという事案である。 本件輸出に係る貨物は合計27点と少なくなく、輸出申告額も約4200万円と多額にのぼるなど、その規模は大きく、本件各犯行は、ロシアとウクライナの紛争により実施されたロシア向け輸出規制という日本の施策を軽視し、貨物の輸出入に対する税関手続の適正をも大きく損なった悪質な犯行であるといえる。 被告人Bは、被告会社の利益を上げて従業員を守るためや、取引先に迷惑をかけないために本件各犯行に及んだというが、輸出規制により被告会社の経営に影響があったことなどを踏まえても、被告会社の事情を優先したこれらの動機は本件各犯行に及ぶことを正当化するものとはいえず、酌むべき点は乏しいというべきである。 以上のことからすれば、被告会社や被告人Bの刑事責任を軽視することはできない。 そこで、被告会社と被告人Bに前科がないこと、被告人Bが事実を認めて反省の態度を示していること、被告人Bの妻が今後の監督を誓約していることなどの酌むべき事情も考慮して、被告人Bについては、罰金刑でなく懲役刑を選択して主文の刑に処した上、その刑の執行を猶予し、被告会社については、主文の罰金刑に処することとした。 (求刑被告会社につき罰金500万円、被告人Bにつき懲役3年6月)令和6年10月31日大阪地方裁判所第12刑事部 裁判官中井太朗 裁判官中井太朗

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