主文 1 原判決を次のとおり変更する。 2 控訴人は,茨木市に対し,金7万7700円並びに内金3万0800円に対する平成13年3月24日から支払済みまで年5分の割合による金員,内金2万5500円に対する平成13年7月14日から支払済みまで年5分の割合による金員及び内金2万1400円に対する平成13年7月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被控訴人のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用中,控訴人と被控訴人との間に生じた費用は,第1,2審を通じてこれを10分し,その1を控訴人の負担とし,その余を被控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴の趣旨(1) 原判決中,控訴人敗訴部分を取り消す。 (2) 被控訴人の請求を棄却する。 (3) 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 2 被控訴人(1) 本件控訴を棄却する。 (2) 控訴費用は,控訴人の負担とする。 第2 事案の概要等 1 事案の概要本件は,大阪府茨木市の住民である被控訴人が,同市長が必要性がないにもかかわらず同市職員らを茨木市国際親善都市協会(以下「協会」という。)が主催する各外国旅行に随行させた上,同市職員らの旅費を公金から支出したことにより同市が損害を被ったとして,支出負担行為をした同市長に対し,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前の地方自治法。以下「法」という。)242条の2第1項4号前段の規定に基づき,同市に代位して,不法行為に基づく損害賠償を請求したところ,原審においてこれが一部認容されたため,当時同市長であった控訴人がその敗訴部分の取消しを求めて控訴した事案である。 なお,被控訴人は,各外国旅行の旅費に係る公金支出命令を専決した同市主務課長に対しても,同号前段の規定に基づき,同 ため,当時同市長であった控訴人がその敗訴部分の取消しを求めて控訴した事案である。 なお,被控訴人は,各外国旅行の旅費に係る公金支出命令を専決した同市主務課長に対しても,同号前段の規定に基づき,同市に代位して不法行為に基づく損害賠償を請求し,併せて,各外国旅行に随行した同市職員らに対しても,同号後段の規定に基づき,同市に代位して不当利得の返還を請求していたが,原審は,これらの請求については全部棄却する旨の判決をし,この部分については被控訴人からの控訴がなかったため,確定した。 2 前提となる事実(証拠等を掲記した事実を除き,争いがない。)(1) 当事者ア被控訴人は,茨木市の住民である。 イ控訴人は,各外国旅行の旅費の支出負担行為が決裁された平成13年3月ないし同年10月当時,茨木市の市長であった者である。 (2) 茨木市の国際交流施策ア姉妹・友好都市提携茨木市は,昭和55年10月22日,アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリス市(以下「ミネアポリス市」という。)と姉妹都市として提携することを盟約した。 その盟約宣言書には,「両市間における市民文化の交流を深め,両市民の理解と連帯を密にし,相互の友好親善と市民外交が促進され,両市市勢の進展と市民福祉の向上に寄与することを念願するとともに,日米両国ひいては,世界の平和と人類の福祉に貢献する」旨の記載がされている(丙第16号証,第27号証の1)。 また,茨木市は,昭和60年10月5日,中華人民共和国安徽省安慶市(以下「安慶市」という。)と友好都市関係を締結した。その友好都市締結議定書には,「日中両国政府の共同声明及び日中平和友好条約の精神に則り,日中両国国民の伝統的な友情を深め,両市間の平和的,友好的な協力関係を発展させるために,(中略)友好都市関係を締結」し,その「新たな出発点として『 両国政府の共同声明及び日中平和友好条約の精神に則り,日中両国国民の伝統的な友情を深め,両市間の平和的,友好的な協力関係を発展させるために,(中略)友好都市関係を締結」し,その「新たな出発点として『平和友好,平等互恵,相互信頼,長期安定』の原則に基づき,工業,農業,貿易,科学技術,文化,教育,医学,体育,観光,都市建設等各分野での広範な交流・協力を努めて推進し,子子孫孫にわたる日中の友好と平和,両市の経済的繁栄と市民の幸福のために積極的な貢献をなす」旨の記載がされている(丙第17号証,第27号証の2)。 イ協会の設立茨木市は,昭和53年に市制30周年を迎えるのを記念して,海外姉妹都市提携事業を企画し,その意見交換の場として,同年5月24日,各階層(団体,機関)から構成される「海外姉妹都市提携事業に関する懇談会」を設置したが(丙第19号証),上記のとおり,ミネアポリス市と姉妹都市提携をすることになったことから,昭和55年10月2日,同懇談会を発展的に解消し,姉妹都市提携活動を市民各層の参加と協力の下に積極的に推進していく母体として,各種団体と共に「茨木市姉妹都市提携協会」を設立し,当時の茨木市長がその会長に就任した(丙第20号証,第26号証の1)。 同協会は,昭和56年に国際親善都市連盟に加盟し(丙第26号証の2),昭和57年ころ,「茨木市姉妹都市協会」に名称を改めた(丙第26号証の3)後,昭和61年に現在の名称である茨木市国際親善都市協会(協会)に変更した(丙第26号証の7)。 協会は,茨木市と姉妹及び友好都市並びにその他の都市との交流を通じて,都市相互間における市民文化の向上に努め,市民相互の理解と連帯を密にし,友好・親善の促進を図り,市民福祉の向上と世界平和に寄与することを目的とし,都市相互間の経済,文化,教育,福祉,スポー 通じて,都市相互間における市民文化の向上に努め,市民相互の理解と連帯を密にし,友好・親善の促進を図り,市民福祉の向上と世界平和に寄与することを目的とし,都市相互間の経済,文化,教育,福祉,スポーツ,観光,都市建設等の交流事業並びに都市相互間の青少年及び市民団体等の人的交流事業を行うものとされている。また,協会の事務所は茨木市役所内に置かれ,その運営に必要な経費は,会員から徴収した会費のほか,茨木市の補助金等によって賄われている(丙第4号証)。 ウ茨木市総合計画(第3次)茨木市は,平成7年に茨木市総合計画(第3次)を策定し,同計画の中で,国際交流や国際協調の波を受けて,国レベルの交流に加えて自治体間の交流や地域レベル,市民レベルの生活に密着した交流を進め,相互理解を深めるとともに,国際的感覚を養うために,交流活動の推進のみならず,交流活動の体制づくり,交流活動拠点の形成などの施策を充実していくことを宣言した(丙第1号証)。 エ茨木市平成12年度施政方針等茨木市は,平成12年度施政方針の中で,ミネアポリス市と提携20周年,安慶市とは提携15周年を迎えたことから,協会との連携を図りながら記念事業等を実施し,両市との友好親善を更に深めていくことを宣言した(丙第2号証)。 また,控訴人参加人(茨木市長)は,平成12年(2000年)11月25日,安慶市友好代表団が茨木市を訪問した際,同代表団の団長であった安慶市人民政府副市長との間で,安慶市が茨木市民親善訪中団(人員は20人,時期は10月,期間は7日間。以下「親善訪中団」という。)を受け入れることや,親善訪中団滞在中,安慶市ができるだけ便宜を図ること等を内容とする議定書を作成した(丙第14号証)。 オ茨木市平成13年度施政方針茨木市は,平成13年度施政方針の中で,姉妹・友好都市との友 や,親善訪中団滞在中,安慶市ができるだけ便宜を図ること等を内容とする議定書を作成した(丙第14号証)。 オ茨木市平成13年度施政方針茨木市は,平成13年度施政方針の中で,姉妹・友好都市との友好親善を深めていくこと及び協会との連携を深めて諸事業を開催することを宣言した(丙第3号証)。 (3) 各外国旅行の予定等についてア各外国旅行の主催者次の各外国旅行を主催したのは茨木市ではなく,いずれも協会である。 イ各外国旅行の予定日程及び参加予定者等(ア) 茨木市スポーツ親善訪中団(以下「スポーツ訪中団」という。)原判決別紙「茨木市スポーツ親善訪中団日程」及び「茨木市スポーツ親善訪中団名簿」のとおりである。 (イ) 茨木市少年サッカーチーム(以下「少年サッカーチーム」という。)原判決別紙「茨木市少年サッカーチーム日程」及び「茨木市少年サッカーチーム名簿」のとおりである。 (ウ) 茨木市キャンプ交流訪問団(以下「キャンプ訪問団」という。)原判決別紙「茨木市キャンプ交流訪問団日程」及び「茨木市キャンプ交流訪問団名簿」のとおりである。 (エ) 親善訪中団原判決別紙「茨木市民親善訪中団日程」及び「茨木市民親善訪中団名簿1」のとおりである。 (以下,上記(ア)ないし(エ)の各外国旅行を「本件各旅行」という。)ウ本件各旅行の目的(ア) スポーツ訪中団スポーツ訪中団は,「中国の国技である卓球と活躍著しい水泳のスポーツ交流によって,安慶市の中学生と親善試合を行うとともに,今日の中国を実地に見聞して,日中の友好を深めること」を目的とする(甲第1号証)。 (イ) 少年サッカーチーム少年サッカーチームは,「ミネアポリス市で行われる国際青少年サッカー大会『2001年USA杯』に参加し,世界の仲間との交流を深め」,「全員がホームステイを経 1号証)。 (イ) 少年サッカーチーム少年サッカーチームは,「ミネアポリス市で行われる国際青少年サッカー大会『2001年USA杯』に参加し,世界の仲間との交流を深め」,「全員がホームステイを経験し,両市(ミネアポリス市及び茨木市)市民の交流をより深めること」を目的とする(甲第1号証)。 なお,「USA杯」(国際青少年サッカー大会)とは,USA杯事務局(本部はミネソタ州ブレイン市)が運営し,世界各国(約30か国)から約800チームが参加するサッカー大会である(弁論の全趣旨)。 (ウ) キャンプ訪問団キャンプ訪問団は,「姉妹都市・ミネアポリス市でサマーキャンプに参加し,アメリカの青少年と交流を深め,両市(ミネアポリス市及び茨木市)市民の交流をより深めること」を目的とする(甲第1号証)。 (エ) 親善訪中団親善訪中団は,「友好都市・安慶市及び中国の諸都市を訪問し,表敬訪問や市内施設の見学等を通じて,両市(安慶市及び茨木市)の交流を深めること」を目的とする(甲第1号証)。 (4) 本件各旅行の旅費(以下「本件各旅費」という。)の支出茨木市は,協会からの依頼を受け,本件各旅行に同市職員各1名を随行させることを決定し,その随行旅費として,次のとおりの支出をした。 アスポーツ訪中団派遣随行旅費スポーツ訪中団派遣随行旅費25万5215円について,控訴人は,平成13年3月9日,茨木市長として,これに係る支出負担行為をし,市長公室自治振興課長(当時)であるP1(一審被告。)は,同月19日までに,主務課長として,これに係る支出命令を専決するとともに,同日ころ,スポーツ訪中団に随行する茨木市職員P2(一審被告。)に対し,同旅費を支給した(甲第1号証)。 なお,P2は,当時,茨木市教育委員会社会教育部社会体育課指導主事兼茨木市立市民プール兼務, 同日ころ,スポーツ訪中団に随行する茨木市職員P2(一審被告。)に対し,同旅費を支給した(甲第1号証)。 なお,P2は,当時,茨木市教育委員会社会教育部社会体育課指導主事兼茨木市立市民プール兼務,茨木市立市民体育館長兼茨木市立α市民プール場長(在任期間は平成11年4月1日から平成13年3月31日まで)であった(丙第11号証)。 イ少年サッカーチーム派遣随行旅費少年サッカーチーム派遣随行旅費41万4000円について,控訴人は,平成13年6月22日,茨木市長として,これに係る支出負担行為をし,市民生活部市民活動推進課(市長公室が廃止されて新たに発足した部署)の長であるP1は,同年7月6日までに,主務課長として,これに係る支出命令を専決するとともに,同日ころ,少年サッカーチームに随行する茨木市職員P3(一審被告。)に対し,同旅費を支給した(甲第1号証)。 なお,P3は,当時,茨木市教育委員会生涯学習部スポーツ振興課主事(在任期間は平成13年4月1日から平成14年3月31日まで)であった(丙第12号証)。 ウキャンプ訪問団随行旅費キャンプ訪問団随行旅費37万3000円について,控訴人は,平成13年7月5日,茨木市長として,これに係る支出負担行為をし,P1は,同月12日までに,主務課長(市民活動推進課長)として,これに係る支出命令を専決するとともに,同日ころ,キャンプ訪問団に随行する茨木市職員P4(一審被告。)に対し,同旅費を支給した(甲第1号証)。 なお,P4は,当時,市民生活部市民活動推進課主事(在任期間は平成13年4月1日から現在まで)であった(丙第13号証)。 エ親善訪中団派遣随行旅費親善訪中団派遣随行旅費28万3045円について,控訴人は,平成13年10月2日,茨木市長として,これに係る支出負担行為をし,P1は,同月9 )であった(丙第13号証)。 エ親善訪中団派遣随行旅費親善訪中団派遣随行旅費28万3045円について,控訴人は,平成13年10月2日,茨木市長として,これに係る支出負担行為をし,P1は,同月9日までに,主務課長(市民活動推進課長)として,これに係る支出命令を専決するとともに,同日ころ,親善訪中団に随行する茨木市職員P5(一審被告。)に対し,同旅費を支給した(甲第1号証)。 なお,P5は,当時,市民生活部市民活動推進課主査(在任期間は平成13年4月1日から現在まで)の地位にあった(丙第10号証)。 (以下,上記アないしエの各支出負担行為を「本件各支出負担行為」という。)(5) 監査請求被控訴人ほか2名の請求人は,平成13年12月25日,茨木市監査委員に対し,上記各随行職員らに本件各旅費を支給したことは違法であるから,控訴人及び関係職員には損害賠償をさせ,同随行職員らには受け取った旅費の返還をさせるなど,茨木市の被った損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを求める監査請求をしたところ(甲第1号証),同委員は,平成14年2月12日,同請求には理由がないものと認め,そのころ,被控訴人ら請求人に対し,その旨の通知をした(甲第3号証)。 3 争点(1) 茨木市職員による随行の必要性及び公務性(2) 本件各旅費の額の適正 4 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)(茨木市職員による随行の必要性及び公務性)についてア被控訴人の主張(ア) 随行の必要性について本件各旅行には旅行会社の添乗員等が随行するところ,これらの者がいれば旅行は円滑に進むのであるから,あえて茨木市職員らが参加者に随行し,案内する必要性はない。 また,本件各旅行の見学先の大半は,公共施設ではなく,観光地が中心であるところ,茨木市職員らがこれらの観光地にま 円滑に進むのであるから,あえて茨木市職員らが参加者に随行し,案内する必要性はない。 また,本件各旅行の見学先の大半は,公共施設ではなく,観光地が中心であるところ,茨木市職員らがこれらの観光地にまで随行する必要性はない。 (イ) 随行の公務性について本件各旅行は,いずれも茨木市ではなく,任意団体である協会が,民間交流,スポーツ交流を名目として主催したものであり,協会が自らの目的意思に従い,その日程を任意に設定したものである。したがって,本件各旅行は,協会の責任で実施されるべきものであり,これに同市職員らが随行することは公務ではない。 また,そもそも国際交流は地方自治上必要な事務ではない上,本件各旅行の実態も,民間団体である協会の私的目的のためになされる外国旅行,スポーツ試合観光が中心であって,これに随行することが公務とはいえない。 さらに,茨木市の現今の財政危機を考えると,本件各旅行への随行については,同市の公務としての不可欠性が必要であると考えられるところ,本件各旅行は協会が主催した茨木市民の任意の旅行にすぎないことからすれば,そのような不可欠性は認められない。 (ウ) 結論よって,本件各支出負担行為は違法であり,控訴人は,茨木市に対し,本件各旅費に相当する損害を賠償する責任がある。 イ控訴人及び控訴人参加人の主張(ア) 随行の必要性について本件各旅行の訪問先において,茨木市職員らが先方の担当者と活動内容の調整等を行う必要があることはもとより,姉妹都市,友好都市提携を前提とするものであるから,派遣先で様々な便宜の提供を受けたり,また,行政関係者との交流も予定されるのが通常であるところ,儀礼上の配慮その他の理由により,旅行会社の添乗員等がこれに対応することは困難又は不相当であるから,それらに対応するために同市職員を随行させ た,行政関係者との交流も予定されるのが通常であるところ,儀礼上の配慮その他の理由により,旅行会社の添乗員等がこれに対応することは困難又は不相当であるから,それらに対応するために同市職員を随行させる必要がある。 また,本件各旅行のうち,参加者が未成年や高齢者である場合には,参加者の安全に特に配慮する必要があり,その対応を円滑かつ十全に行うためには,茨木市職員が随行する必要がある。 (イ) 随行の公務性について協会は,茨木市や各種団体が中心となって設立されたもので,実質は茨木市と一心同体であり,本件各旅行の目的も,単なる私的旅行ではなく,他の都市との交流等にあるのであって,茨木市が主催した企画と同視することができるものである。 そして,社会全般にわたって国際化が進展する現状にかんがみれば,市民が外国諸都市を訪問する機会を市が与えることは,市の施策として何ら不合理なものではない。すなわち,本件各旅行への随行は,茨木市の施策である国際交流推進の一環としてなされたもので,公務であり,実際に,随行した同市職員らは,派遣・訪問先の都市関係者との打合せや,訪問団全員の安全管理,公共施設の視察等の公務を遂行している。 また,本件各旅行に随行することによって,職員の国際理解や見聞を広めるとともに,国際感覚を身につけるなど,その資質の向上や養成を図ることができる上,公共施設や都市景観などを視察することにより,今後の事務,市行政に生かすことができ,ひいては茨木市民の福祉向上につながる効果もある。かかる市職員の研鑽,研修は,地方公共団体が当然行うべき事項であるから,同市職員らが本件各旅行に随行することも,研鑽,研修という公務の一環である。 さらに,茨木市職員が本件各旅行に随行することにより,市民がより積極的に姉妹都市等への派遣事業の募集に応募するようにな ,同市職員らが本件各旅行に随行することも,研鑽,研修という公務の一環である。 さらに,茨木市職員が本件各旅行に随行することにより,市民がより積極的に姉妹都市等への派遣事業の募集に応募するようになるという効果もあり,これによって地域の国際化を促進できるものであるから,この面からも,同職員の随行は,国際交流促進事務としての公務である。 (ウ) 結論よって,本件各支出負担行為は適法であり,控訴人は,茨木市に対し,本件各旅費に相当する損害を賠償する責任を負わない。 (2) 争点(2)(本件各旅費の額の適正)についてア被控訴人の主張本件各旅行は,いずれも旅行会社が関与して旅費等を設定しているところ,茨木市が同市職員に対して支給した本件各旅費は,不必要な支度料が計上されているなど,その旅行内容に照らしてみれば過大であって,支出の適正を欠いている。 イ控訴人及び控訴人参加人の主張本件各旅費は,いずれも茨木市職員旅費条例18条の規定に基づき,国家公務員等の旅費に関する法律に準じて計算され,交付されたものであり,何ら違法,不当な点はない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(茨木市職員による随行の必要性及び公務性)について(1) 地域における国際交流と地方公共団体の役割ア現代においては,交通,通信手段の急速な発達により,人,物及び情報の流れは地球的規模で行われるようになり,国家間の相互依存が深まる中で,国際社会における我が国の役割も増大してきている。国家としての存立にかかわる外交事務は,国の専権であって,地方自治体がこれを行う権限を有しないことはいうまでもないが,上記のような状況下において,かつて国家レベルの問題であった国際交流も,全国の地方公共団体,民間団体,さらには住民一人一人のものとして,地域レベルでも取り組むべき課題になってき はいうまでもないが,上記のような状況下において,かつて国家レベルの問題であった国際交流も,全国の地方公共団体,民間団体,さらには住民一人一人のものとして,地域レベルでも取り組むべき課題になってきており,このような地域レベルの国際交流の拡大によって,①地域アイデンティティの確立,②地域の活性化,③地域住民の意識改革,④相互理解の深化等を図ることが期待されているところである。 この地域レベルの国際交流は,本来,地域住民,民間団体,学術研究機関,企業等の民間部門がその担い手として期待されており,その活発な展開が求められるところであるが,国際交流が人的,物的,経済的条件の整備を要するものである以上,民間主体の国際交流が直ちに実現するものではなく,上記諸条件が整備され,民間主導型の国際交流が実現するまでの過渡的な段階において,地方公共団体が民間部門に対し情報,組織,人材,資金等の面で協力し,これを支援,育成していくことが求められている。そして,上記のような地域レベルにおける国際交流の意義を踏まえると,かかる地方公共団体の事務は,住民の福祉を増進する住民に身近な事務ということができるから(法1条の2参照),「自治事務」(法2条8項)として,地方公共団体が行うべき事務に該当するというべきである。 イ(ア) 自治省(当時)は,通達により,次のような見解を示している。 a 「地方公共団体における国際交流の在り方に関する指針」(昭和62年3月通達。丙第9号証)は,「当面地方公共団体による国際交流施策を策定し,展開することに資するため」に提示する指針であるとし,「地域レベルの国際交流の本来望まれる担い手は,民間部門である。しかし,この地域レベルの国際交流が急務とされ,その活発な展開が求められている現在,地域における総合経営主体である地方公共団体が当面先導的 域レベルの国際交流の本来望まれる担い手は,民間部門である。しかし,この地域レベルの国際交流が急務とされ,その活発な展開が求められている現在,地域における総合経営主体である地方公共団体が当面先導的役割を果たしていく必要がある。」旨の現状認識を示した上,①地方公共団体における推進体制の整備,②人材の育成確保,③国際交流のための施設基盤づくり,④民間の推進体制の整備が図られるべきであることなどを説いている。 b 「地域国際交流推進大綱の策定に関する指針について」(平成元年2月14日通達。丙第21号証)は,自治大臣官房企画室長が各都道府県,指定都市の国際交流担当部局長にあてて発したものであり,茨木市に直接関係するものではないが,地方公共団体における国際交流施策について,「まだ模索の段階のものも少なくないと考えられ,今後地域レベルでの国際交流を一層推進していくためには,地域における国際交流を推進するための大綱を策定し,総合的かつ計画的に地域の国際交流施策を推進していく必要がある。」とした上,地方公共団体の取り組むべき課題の一つとして,民間国際交流組織の育成,支援を掲げている。 c 「地域国際交流推進大綱及び自治体国際協力推進大綱における民間団体の位置づけについて」(平成12年4月24日通達。丙第25号証)も,自治大臣官房企画室長が各都道府県及び各指定都市の国際交流主管部長にあてて発したものであり,茨木市に直接関係するものではないが,国際交流や国際協力における地方公共団体と民間団体との関係のあり方について,次のとおり述べている。 ① 住民主体の国際交流へ真の意味で地域が国際化するためには,地域の国際交流の本来の担い手である民間団体や住民が国際交流に積極的に関与することが必要である。 今後,民間部門主導型の国際交流を推進していく上で,国際交流事業 真の意味で地域が国際化するためには,地域の国際交流の本来の担い手である民間団体や住民が国際交流に積極的に関与することが必要である。 今後,民間部門主導型の国際交流を推進していく上で,国際交流事業への住民の参加,関与を積極的に展開するとともに,民間団体や住民こそが国際交流の主体となっていくべきとの考えの下に,行政がそのための環境整備等の支援を行っていく必要がある。 ② 民間団体の活動に対する支援の必要性民間団体の活動が活発になってきたとはいうものの,人材面や財源面での態勢は必ずしも十分とはいえないのが現状である。このため,民間団体に対しては,市民が民間団体の国際交流活動に参加しやすい環境を整備することを通じて民間団体の活動を促進することや民間団体の自立性を損なわない形での財政支援,更には,民間団体の活動と行政の活動の連携などに取り組んでいく必要がある。 ③ パートナーシップ交流の推進姉妹提携の形式による交流を大幅に拡大していくことは難しい状況にあり,今後は,民間団体の友好提携等を行政が側面から支援する交流形態(パートナーシップ交流)を推進していく。 ④ 地方公共団体と民間団体との連携より効果的な国際交流を推進するため,地方公共団体は民間団体と情報交換し,相互理解を促進し,役割分担を認識し合って,必要に応じて相互に補完し合い,連携・協力し合って国際交流を推進していく必要がある。このことにより,国際交流が住民主体のすそ野の広い交流として相互理解がより進むとともに,より具体的な交流へと深化していくことが期待される。 (イ) 上記各通達は,国際交流における地方公共団体と民間団体との関係のあり方について,当面の方向性を示しているものということができ,当裁判所の上記アの考え方と同じ趣旨のものと解される。 ウこのように,民間部門の行うべき国 交流における地方公共団体と民間団体との関係のあり方について,当面の方向性を示しているものということができ,当裁判所の上記アの考え方と同じ趣旨のものと解される。 ウこのように,民間部門の行うべき国際交流を援助することも地方公共団体の行うべき事務に該当するが,他面において,それが財政出動を伴うものである以上,かかる援助が無条件かつ無制限に許容されるわけではない。すなわち,地域における国際交流が有する上記のような意義,目的を有効かつ適切に達成,実現するための上記援助については,政治,経済,社会等の諸事情や国際情勢等諸般の事情を斟酌し,その時宜に応じた的確な判断に基づいて行う必要があるから,これを実施する地方公共団体には,その必要性の有無等の判断について裁量が認められるというべきであるが,当該援助の趣旨,目的,動機やその態様等に照らして,それが社会通念上相当性を欠くと認められる場合には,公務性を欠くものとして,違法なものとなると解するのが相当である。 そして,本件のように地方公共団体が他の団体が主催する住民参加の旅行に職員を派遣,随行させる場合に,それが公務に該当するかどうかは,当該地方公共団体の施策方針,旅行の主催者の性質のほか,実際の旅行内容や,随行した職員が具体的に果たした役割等を踏まえて判断する必要があるというべきである。そこで,これらの点について,以下検討する。 (2) 茨木市の施策方針,旅行の主催者の性質等の検討ア茨木市の施策方針前記第2,2,(2)のとおり,茨木市は,本件各旅行の派遣先であるミネアポリス市と姉妹都市提携を,安慶市と友好都市提携をそれぞれ行い,両市等の国外諸都市と自治体レベル,市民レベルでの国際交流を深めていくことをその施策方針としている。 イ旅行の主催者の性質前記第2,2,(3),アのとおり,本件各 と友好都市提携をそれぞれ行い,両市等の国外諸都市と自治体レベル,市民レベルでの国際交流を深めていくことをその施策方針としている。 イ旅行の主催者の性質前記第2,2,(3),アのとおり,本件各旅行を主催したのは,協会である。 協会は,茨木市とは別個の任意団体ではあるが,茨木市とその姉妹・友好都市との交流事業を行うこと等を目的として,茨木市が中心になって設立されたものであり,その事務所は同市役所内に置かれ,その経費の約50パーセントが同市からの補助金で賄われている上,人材面においても,茨木市長がその会長に就任しているほか,市職員17名(現在は14名)が協会職員を兼任しているなど(なお,協会採用の職員は存在しない。),同市とは極めて緊密な関係にある(丙第4号証,弁論の全趣旨)。 (3) 本件各旅行の具体的内容等について後掲各証拠によれば,本件各旅行の内容は,おおむね次のとおりであったことが認められる。 アスポーツ訪中団(丙第5,第11号証,第24号証の1,2)(ア) 参加者スポーツ訪中団として訪中した構成員は,P2を含め,原判決別紙「茨木市スポーツ親善訪中団名簿」のとおりである。 (イ) 訪問内容a 平成13年3月24日スポーツ訪中団は,茨木市役所に集合した後,関西国際空港に移動して,同空港を出発し,上海国際空港に到着した。同空港では,安慶市対外友好合作服務中心主任等の出迎えを受けた。その後,一行は,上海テレビ塔等上海市内を見学し,夕食を済ませた後,上海駅を寝台列車で出発し,安慶市に向かった。 b 同月25日スポーツ訪中団は,安慶迎賓館で昼食を取った後,迎江寺を見学し,安慶市体育館等において下見及び練習を行った。その後,一行は,安慶市長を表敬訪問し,安慶市迎賓館において,安慶市長,副市長等の臨席のもと,安慶市政府の歓迎宴 慶迎賓館で昼食を取った後,迎江寺を見学し,安慶市体育館等において下見及び練習を行った。その後,一行は,安慶市長を表敬訪問し,安慶市迎賓館において,安慶市長,副市長等の臨席のもと,安慶市政府の歓迎宴会を受けた。歓迎会の後,就寝時間が過ぎても廊下で騒いだり等する生徒がいたため,P6スポーツ訪中団団長が注意した。 c 同月26日スポーツ訪中団は,午前から夕刻に至るまで,安慶市体育館等において,卓球及び水泳の親善試合を行った。その後,一行は,安慶・茨木友好交流センターを見学した。 d 同月27日スポーツ訪中団は,午前中,安慶市体育館等において卓球及び水泳の親善試合を行った後,安慶市内において見学,買い物を行い,午後には,安慶市第一中学校との交流,閉幕式を行った。また,夜には,安慶市人大常委会主任等の臨席のもと,歓送会に参加した。 e 同月28日スポーツ訪中団は,バスで南京に移動し,南京大虐殺記念館,中山陵,明孝陵を見学した。なお,南京での行程にも,安慶市外事弁公室の職員が随行した。 f 同月29日スポーツ訪中団は,蘇州に移動し,虎丘,寒山寺,シルク研究所,拙政園を見学し,続いて上海市内に移動して,土産物等を購入した。なお,蘇州での行程にも,安慶市外事弁公室の職員が随行した。 g 同月30日スポーツ訪中団は,上海国際空港を出発し,関西国際空港に到着後,茨木市役所来庁者駐車場にて解散した。同市役所では,教育長等の出迎えを受けた。 (ウ) P2の行った事務スポーツ訪中団に随行している間にP2が随行職員として行った事務は,おおむね以下のとおりである。 a 安慶市外事弁公室P7副主任,外事弁公室P8主任,P9副主任らと日程等についての打合せをした。 b 安慶・茨木友好交流センター見学の際には,人民対外友好協会P10副会長と交流のあり方等 である。 a 安慶市外事弁公室P7副主任,外事弁公室P8主任,P9副主任らと日程等についての打合せをした。 b 安慶・茨木友好交流センター見学の際には,人民対外友好協会P10副会長と交流のあり方等について,安慶市体育館見学の際には,同体育館長らと体育館のあり方や選手の育成方法等について,それぞれ意見交換をした。 c 安慶市長表敬訪問及び安慶市第一中学校訪問の際,茨木市側の司会進行を務めた。 d 夜間に選手が騒いだ件につき,安慶市政府関係者等に茨木市としてお詫びをした。 e 選手らが練習,試合を行っている間に,安慶市体育館,安慶市遊泳学校のプールを見学した。 f 選手らに対し,列車乗車時に注意事項を説明し,夜間に騒いだ選手らに対しては,厳しく注意をした。また,南京大虐殺について選手らに指導を行った。 g 団員の健康状態等を茨木市に随時報告した。 h 交流の様子や各公共施設等につき写真撮影を行った。 (エ) 応接者スポーツ訪中団の中国側の主催者は,安慶市体育運動委員会,安慶市人民政府外事弁公室であり,「秩序冊」,「成績冊」と題する書面には「中国安慶市日本茨木市青少年体育友好比賽」との記載がある。 なお,安慶市外事弁公室は,安慶市における国際関係事務を取り扱う部署であり,安慶市の一機関である(P5本人)。 イ少年サッカーチーム(丙第6,第12号証)(ア) 参加者少年サッカーチームとして訪米した構成員は,P3を含め,原判決別紙「茨木市少年サッカーチーム名簿」のとおりである。 (イ) 訪問内容a 平成13年7月14日少年サッカーチームは,午後0時45分,茨木市役所に集合した後,関西国際空港に移動し,同空港から出国した。一行は,シアトル空港を経由して,同日午後5時30分(現地時間。以下同じ。),ミネアポリス空港に到着し,ミネアポリス市姉妹 45分,茨木市役所に集合した後,関西国際空港に移動し,同空港から出国した。一行は,シアトル空港を経由して,同日午後5時30分(現地時間。以下同じ。),ミネアポリス空港に到着し,ミネアポリス市姉妹都市協会副会長やホストファミリーらの出迎えを受けた。参加生徒は,自己紹介をし,手荷物を受け取った後,各ホームステイ先に向かった。 b 同月15日少年サッカーチームは,ホームステイ先で自由時間を過ごした後,午後4時にメインスタジアムに集合し,午後5時30分から「USA杯」の開会式に臨んだ。開会式終了後,参加生徒は,各ホームステイ先に戻った。 c 同月16日から同月18日少年サッカーチームは,大会予選リーグ(3日間)に参加し,3勝0敗の成績で予選リーグを1位で通過し,プレーオフに進出することが決まった。各試合後,参加生徒は,各ホームステイ先に戻った。 d 同月19日少年サッカーチームは,プレーオフ戦(1日目)に参加したが,0対1で敗退した。 少年サッカーチームは,午後,ミネアポリス市長を表敬訪問し,その後,各ホームステイ先に戻った。 e 同月20日少年サッカーチームは,午前中,交流試合を2試合行った後,各ホームステイ先に戻った。 f 同月21日少年サッカーチームは,ホストファミリーと自由行動をした後,午後4時にホテルに集合し,ホストファミリーとは別れて,この日はホテルに宿泊した。 g 同月22日少年サッカーチームは,飛行機でロサンゼルスに移動し,午後からディズニーランド観光をした後,ホテルに宿泊した。 h 同月23日少年サッカーチームは,午前中にロサンゼルス空港を出発し,帰国の途についた。 i 同月24日少年サッカーチームは,午後3時30分(日本時間)に関西国際空港に到着し,その後,茨木市役所で解散した。 (ウ) P3の行っ ,午前中にロサンゼルス空港を出発し,帰国の途についた。 i 同月24日少年サッカーチームは,午後3時30分(日本時間)に関西国際空港に到着し,その後,茨木市役所で解散した。 (ウ) P3の行った事務少年サッカーチームに随行している間にP3が随行職員として行った事務は,おおむね以下のとおりである。 a ミネアポリス姉妹都市協会第一副会長P11,USA杯事務局ホームステイコーディネーターのP12,USA杯大会事務局P13,少年サッカーチーム監督,コーチらと,USA杯の進行等について打合せを行った。 bP11副会長,以前コーチをしていたP14及びP15と交流のあり方等について意見交換をした。 c 体調が悪いという選手のホームステイ先を添乗員と共に訪問し,様子をうかがった。 d 選手らの健康状態や安全に配慮し,茨木市に随時連絡を取った。 e 交流の様子や各公共施設等につき写真撮影を行った。 (エ) 応接者少年サッカーチームに応接したのは,主として,ミネアポリス市姉妹都市協会(MISCA)という民間団体である。なお,同協会は,ミネアポリス市と茨木市の姉妹都市提携をきっかけに,両市間の交流活動を推進するために設立された民間の団体であり,ミネアポリス市側では,同団体が,両市の交流事業を一手に取り仕切っている。 ウキャンプ訪問団(丙第7,第13号証)(ア) 参加者キャンプ訪問団として訪米した構成員は,P4を含め,原判決別紙「茨木市キャンプ交流訪問団名簿」のとおりである。 (イ) 訪問内容a 平成13年7月20日キャンプ訪問団は,午後1時に茨木市民会館前に集合し,関西国際空港からシアトルを経由して,午後5時30分(現地時間)にミネアポリス国際空港に到着した。一行は,リンデイルピースガーデンにおいて,ホストファミリーと対面し,ホストファ 市民会館前に集合し,関西国際空港からシアトルを経由して,午後5時30分(現地時間)にミネアポリス国際空港に到着した。一行は,リンデイルピースガーデンにおいて,ホストファミリーと対面し,ホストファミリーらと共に,メトロドームへメジャーリーグ観戦に出かけた。 一行は,ミネアポリス国際空港では,ミネアポリス姉妹都市協会の関係者であるP16,リンデイルピースガーデンでは,同協会会長のP17の出迎えを受けた。 一行のうち,参加生徒をメトロドームへ引率したのは,P16,P17及びホストファミリーであり,P4及び添乗員のP18は,ミネアポリス市内のマーケットホテルに宿泊した。また,参加生徒は,各ホストファミリー宅にホームステイした。 なお,同日,ミネアポリス市長の表敬訪問が予定されていたが,同市長の用務のため,急きょ中止となった。 b 同月21日キャンプ訪問団の子供たちは,終日ホストファミリーと交流していた。 c 同月22日キャンプ訪問団は,午前中にリンデイルピースガーデンに集合し,午後,キャンプ場であるロングレイク自然保護センターに到着し,その後,アメリカの子供らと共にキャンプ活動を行った。 d 同月23日から同月26日キャンプ訪問団は,アメリカの子供らと共に終日キャンプ活動を行った。 e 同月27日キャンプ訪問団は,午前中にキャンプ終了式を行って,ロングレイク自然保護センターを出発し,夕刻,マーケットホテルにおいて,フェアウエルパーティーを行った。同パーティーには,ホストファミリー及びP17のほか,ミネアポリス姉妹都市協会第一副会長P11及び同協会理事のP19が同席した。 キャンプ訪問団は,同日,同ホテルに宿泊した。 f 同月28日キャンプ訪問団は,午前中に飛行機でロサンゼルスに移動し,午後からディズニーランド観光を行った。また,同 協会理事のP19が同席した。 キャンプ訪問団は,同日,同ホテルに宿泊した。 f 同月28日キャンプ訪問団は,午前中に飛行機でロサンゼルスに移動し,午後からディズニーランド観光を行った。また,同訪問団は,同日,ロサンゼルスのホテルに宿泊した。 g 同月29日キャンプ訪問団は,午前中にロサンゼルス国際空港を出発し,関西国際空港へ向かった。 h 同月30日キャンプ訪問団は,午後3時15分(日本時間),関西国際空港に到着し,茨木市役所まで移動して,解散した。 (ウ) P4の行った事務キャンプ訪問団に随行している間にP4が随行職員として行った事務は,おおむね以下のとおりである。 a 日程進行等につき,P16,P19,P17,及びキャンプ場責任者であるP20らと随時打合せをした。 b ミネアポリス姉妹都市協会副会長であるP21と,平成15年に実施予定のテニス交流訪問団派遣等について,意見交換を行った。 c アメリカ人の子供からの連絡で,キャンプ訪問団の生徒が泣いているのを発見し,同人を自己の部屋に泊めることとしたり,体調が悪い生徒を,リバーウッド・ヘルスケアセンターという24時間体制の病院に連れて行くなど,随時,キャンプ訪問団の安全に配慮し,また生徒らの健康状態を市に報告した。 d キャンプ訪問団がディズニーランド観光をした際,6名の生徒が集合時刻に遅刻したため,既に集合している生徒らを添乗員のP18に任せ,自らは,遅刻した生徒らに注意を与えた上で,宿泊先のホテルまで同行した。 e キャンプ訪問団がロサンゼルス国際空港から飛行機に搭乗した後,騒いでる生徒らに対し,他の客の迷惑にならないように注意をしたほか,随時,生徒らに注意事項を告げていた。 f 交流の様子や,公共施設等の写真撮影を随時行った。 (エ) 応接者キャンプ訪問団を受け入れた る生徒らに対し,他の客の迷惑にならないように注意をしたほか,随時,生徒らに注意事項を告げていた。 f 交流の様子や,公共施設等の写真撮影を随時行った。 (エ) 応接者キャンプ訪問団を受け入れたのは,ミネアポリス市姉妹都市協会(MISCA)である。なお,キャンプ活動の企画自体は,ロングレイク自然保護センターの主催するコンサーベーションリーダーシップスクールのうち,ジュニアナチュラリストセッションのセッション2に参加したものである(甲第1号証)。 エ親善訪中団(丙第8,第10号証,P5本人)(ア) 参加者親善訪中団として訪中した構成員は,P5を含め,原判決別紙「茨木市民親善訪中団名簿2」のとおりであり,当初の予定人員より2名減少した。 (イ) 訪問内容a 平成13年10月17日親善訪中団は,午前中に茨木市役所に集合し,バスで関西国際空港に移動した後,同空港を出発して,正午ころ,上海浦東国際空港に到着した。同空港では,安慶市外事弁公室のP7副主任による出迎えを受けた。 一行は,上海市内を見学した後,夕刻には上海虹橋空港に移動し,同空港から空路安慶市入りした。宿泊先の安慶迎賓館では,安慶市外事弁公室のP22副主任及びP23副主任による出迎えを受けた。 b 同月18日親善訪中団は,午前中,市立安慶茨木友好天象館(天文台),安慶市体育館,友好交流センターなどを視察した。なお,この視察には,安慶市外事弁公室のP22副主任及びP23副主任らが同行したほか,各視察先では,安慶市側の担当職員が案内を行った。 また,親善訪中団は,夕刻,安慶市政府への表敬訪問を実施し,安慶市副市長,副秘書長らと会見した後,引き続き,安慶市人民政府主催の歓迎会に参加した。なお,同歓迎会には,安慶市副市長,副秘書長,文化局副局長,財政局科長らが参列した。 c の表敬訪問を実施し,安慶市副市長,副秘書長らと会見した後,引き続き,安慶市人民政府主催の歓迎会に参加した。なお,同歓迎会には,安慶市副市長,副秘書長,文化局副局長,財政局科長らが参列した。 c 同月19日親善訪中団は,午前中,安慶市外事弁公室のP22副主任及びP23副主任らが同行の上,安慶市内の小学校や迎江寺の見学を行ったほか,午後には,黄梅劇学校(地方劇である「黄梅劇」の省立俳優養成学校)の視察及び観劇を行った。 また,親善訪中団は,夕方には安慶市人民政府主催の歓送会に出席した。なお,同歓送会には,安慶市側からは副秘書長,体育委員会副主任らが参列した。 d 同月20日親善訪中団は,安慶市を出発し,同市郊外にある潜山県(同市の管轄県)に向かい,同地方の観光地を視察したほか,茨木市で1年間農業研修を行った同地方在住の農業指導者との懇談も実施した。なお,この日も,安慶市外事弁公室の職員が親善訪中団に同行しており,夜にはその慰労会が開かれた。 e 同月21日親善訪中団は,潜山県を出発し,南京市に移動して,南京博物館,明孝陵,中山陵の見学や買い物を行った。なお,南京市内でも,安慶市外事弁公室の職員が親善訪中団に同行した。 f 同月22日親善訪中団は,南京市を出発して,蘇州に到着し,蘇州市内の虎丘斜塔や寒山寺,シルク博物館,拙政園の見学を済ませた後,夕刻に上海入りし,上海市内のホテルに宿泊した。 g 同月23日親善訪中団は,上海浦東国際空港を出発して,関西国際空港に到着し,茨木市役所で解散した。 (ウ) P5の行った事務親善訪中団に随行している間にP5が随行職員として行った事務は,おおむね以下のとおりである。 a 中国語会話能力を生かし,親善訪中団の参加者が減ったことを安慶市側に詫びるなど,日程及びその変更並びに次回以降の訪問 行している間にP5が随行職員として行った事務は,おおむね以下のとおりである。 a 中国語会話能力を生かし,親善訪中団の参加者が減ったことを安慶市側に詫びるなど,日程及びその変更並びに次回以降の訪問等について,安慶市外事弁公室のP22副主任,P23副主任らと打合せをした。 b 安慶市副市長,黄梅劇学校長,副秘書長,体育委員会副主任,教育委員会主任らと,教育制度や学校経営,外国資本の誘致等について意見を交換した。 c 安慶市政府への表敬訪問の際,訪問団員の紹介,茨木市からの贈り物等をした。 d 安慶市立安慶茨木友好天象館,安慶市体育館,安慶迎賓館,友好交流センター,歩行街(安慶市内の繁華街)等を視察した。 e 中山陵において,階段を上りきれなかったP24及びP25の2名を安全な場所に引率し,一緒に待機するなど,構成員の健康や安全管理に配慮し,また,構成員の健康状態等を市役所に報告した。 f 交流の様子や各公共施設等につき写真撮影を行った。 g 帰国後,親善訪中団に随行した経験を生かして,茨木市作成の安慶市パンフレット(丙第15号証)を改訂した。 (エ) 応接者親善訪中団の応接は,安慶市外事弁公室が主として行った。同訪中団の中国国内における旅行の手配は,安慶市外事弁公室管轄下の安慶市中国旅行社が,安慶市政府の一機関として行い,同訪中団の中国国内旅行には,その全行程にわたって,安慶市外事弁公室職員が随行した。 (4) 当てはめアスポーツ訪中団について(ア) 上記認定のとおり,スポーツ訪中団は,安慶市において,安慶市政府機関主催のスポーツ交流として親善試合を行うほか,安慶市政府への表敬訪問や,安慶市と茨木市の友好親善の証しとして安慶茨木友好交流センターの訪問を行っているが,これは茨木市と安慶市との友好都市提携を前提とし,両市間の友好関係を深め 試合を行うほか,安慶市政府への表敬訪問や,安慶市と茨木市の友好親善の証しとして安慶茨木友好交流センターの訪問を行っているが,これは茨木市と安慶市との友好都市提携を前提とし,両市間の友好関係を深める趣旨,目的の下に行われたものであり,これに茨木市の職員であるP2が随行した上,安慶市外事弁公室職員その他の同市政府関係者と日程等について打合せをしたり,同市長を表敬訪問する際,茨木市を代表して応接することは,その必要性がないとはいえず,協会の実施する国際交流事業を援助するものとして社会通念上相当な範囲内にあるというべきであるから,公務性を有しているものと認めるのが相当である。 (イ) しかし,スポーツ訪中団の行程のうち,南京市内を見学した平成13年3月28日と蘇州市内を見学した同月29日の両日の大部分については,その訪問先が中山陵,虎丘等の観光地であり,安慶市とは直接の関連性を有していないものであるから,同市との友好親善の促進を図るという協会の事業目的とは一応無関係なものであり,むしろ観光ないしレジャーとしての性質が濃厚なものというべきである。したがって,南京市及び蘇州市における行程にP2が随行したことについては,これを市職員の公務として正当化することはできない。 この点,控訴人及び控訴人参加人は,安慶市外事弁公室の職員が随行していることから,儀礼上P2も随行する必要があったとか,広く海外を視察することは職員の資質向上にも寄与することであるなどと主張するが,上記のとおり,安慶市との友好都市提携関係を前提としない観光としての旅行部分についてまで,茨木市の職員が対応しなけらばならない儀礼上の必要性は認められないし,これらの観光によって職員の見聞が広まるなどの効用が認められるとしても,そのことによって,南京市及び蘇州市への旅行が観光を主としたもの の職員が対応しなけらばならない儀礼上の必要性は認められないし,これらの観光によって職員の見聞が広まるなどの効用が認められるとしても,そのことによって,南京市及び蘇州市への旅行が観光を主としたものであるとの側面を払拭することにはならないから,上記主張には理由がない。また,控訴人及び控訴人参加人は,参加生徒の安全管理の面からも,市の職員が随行する必要がある旨の主張をするが,原判決別紙「茨木市スポーツ親善訪中団名簿」のとおり,スポーツ訪中団には,旅行会社の添乗員のほか,茨木市体育協会副会長,茨木市水泳連盟理事も随行していたのであって,P2が随行しなかったからといって直ちに参加生徒の安全が確保できなくなるものではないから,上記主張も採用することができない。 (ウ) なお,スポーツ訪中団は,本邦出国日及び帰国日に上海市内を見学しているが,これらについては,中国への入国後あるいは中国からの出国前の航空機ないし列車の乗り継ぎの時間を利用してされたものとみることもできるから,これにP2が随行したからといって,その公務性を一概に否定することはできないというべきである。 イ少年サッカーチーム(ア) 上記認定のとおり,少年サッカーチームはUSA杯に参加するためにミネアポリス市を訪問しているが,その訪問の主たる目的は,USA杯に参加することそれ自体にあるのではなく,USA杯を通じてミネアポリス市民との交流を深めることにあり(甲第1号証),かかる意味において,少年サッカーチームの訪米は,茨木市とミネアポリス市との姉妹都市提携関係を前提とするものである。したがって,このような趣旨,目的の下に行われる旅行に茨木市の職員であるP3が随行した上,USA杯の進行等について必要な手配や打合せを実施したり,今後の両市民の交流のあり方について協議をすることは,その必要性を このような趣旨,目的の下に行われる旅行に茨木市の職員であるP3が随行した上,USA杯の進行等について必要な手配や打合せを実施したり,今後の両市民の交流のあり方について協議をすることは,その必要性を欠くものとはいえず,協会の実施する国際交流事業を援助するものとして社会通念上相当な範囲内にあり,公務に該当するものと認めるのが相当である。 なお,前記のとおり,ミネアポリス市側において,少年サッカーチームの応接をしたのは,主としてミネアポリス市姉妹都市協会という民間団体であるが,同協会は,両市間の交流活動を推進する目的で設立された団体であって,ミネアポリス市から,両市の交流事業の一切を任されて,これを遂行しているものであり,少年サッカーチームが両市の交流を目的として実施されたものであることは,前記認定の事実関係からこれを認めることができる。 (イ) しかし,少年サッカーチームの行程のうち,ディズニーランドを訪問した平成13年7月22日の午後から同日の宿泊及び翌23日の朝については,ミネアポリス市との関係は一切なく,また,その訪問先に照らすと,その目的は,専らあるいは主として観光ないしレジャーにあったものと認めざるを得ない。したがって,これにP3が随行したことについては,茨木市職員の公務として正当化することができない。 この点,控訴人及び控訴人参加人は,P3が随行することにより,その資質の向上にも寄与するとか,市職員が随行することで参加者の安全が確保され,姉妹都市等への派遣事業に多数の市民が参加しやすい環境が整えられる旨の主張をする。しかしながら,仮にそのような効用が認められるとしても,ディズニーランドへの訪問が主として観光ないしレジャーとしての性質を有するものであることに変わりはなく,また,原判決別紙「茨木市少年サッカーチーム名簿」のとおり にそのような効用が認められるとしても,ディズニーランドへの訪問が主として観光ないしレジャーとしての性質を有するものであることに変わりはなく,また,原判決別紙「茨木市少年サッカーチーム名簿」のとおり,少年サッカーチームには,旅行会社の添乗員のほか,リーダーとして茨木市立小学校の教諭が,コーチとして茨木市収納課の職員がそれぞれ同行していたのであるから,P3が随行しなかったとしても直ちに参加生徒の安全が確保できなくなるというものではない。 ウキャンプ訪問団(ア) 上記認定のとおり,キャンプ訪問団は,ロングレイク自然保護センターの企画したサマーキャンプに参加するために訪米しているが,その訪問の主たる目的は,サマーキャンプに参加することそれ自体にあるものではなく,ミネアポリス市の子供たちと共同でキャンプ生活をすることを通して,同市民との交流をより深めることにあり(甲第1号証),かかる意味において,キャンプ訪問団の訪米は,茨木市とミネアポリス市との姉妹都市提携関係を前提とし,その一環として実施されたものである。したがって,このような趣旨,目的の下に行われる旅行に茨木市の職員であるP4が随行した上,日程進行等について打合せを実施したり,今後の両市の交流のあり方等について意見交換することは,その必要性を否定することができず,協会の実施する国際交流事業を援助するものとして,社会通念上相当な範囲内にあるというべきであるから,公務性を有するものと認めるのが相当である。 なお,ミネアポリス市側において,キャンプ訪問団の応接をしたのは,少年サッカーチームの場合と同様,主としてミネアポリス市姉妹都市協会という民間団体であるが,同団体の性質は前記認定のとおりであり,キャンプ訪問が両市の交流を目的として実施されたものであることは,前記認定の事実関係からこれを認め 様,主としてミネアポリス市姉妹都市協会という民間団体であるが,同団体の性質は前記認定のとおりであり,キャンプ訪問が両市の交流を目的として実施されたものであることは,前記認定の事実関係からこれを認めることができる。 (イ) しかし,キャンプ訪問団の行程のうち,ディズニーランドを訪問した平成13年7月28日の午後から同日の宿泊及び翌29日の朝については,ミネアポリス市との関係は一切なく,また,その訪問先に照らすと,その目的は,専らあるいは主として観光ないしレジャーにあったものと認めざるを得ないから,これにP4が随行したことについて,茨木市職員の公務として正当化することができないことは,上記P3について説示したとおりである。 エ親善訪中団(ア) 上記認定のとおり,親善訪中団は,安慶市と茨木市の議定書に基づいて派遣されたもので,市立安慶茨木友好天象館(天文台)や安慶市体育館,友好交流センター,潜山県等を視察したほか,安慶市政府の表敬訪問も行っているが,これは茨木市と安慶市との友好都市提携を前提とし,両市間の友好関係を深める趣旨,目的の下に行われたものであり,これに茨木市の職員であるP5が随行した上,安慶市外事弁公室職員その他の同市政府関係者と日程等について打合せをしたり,同市政府を表敬訪問する際,茨木市を代表して応接することは,その必要性がないとはいえず,協会の実施する国際交流事業を援助するものとして社会通念上相当な範囲内にあり,公務に該当するものと認めるのが相当である。 (イ) しかし,親善訪中団の行程のうち,南京市内を見学した平成13年10月21日と蘇州市内を見学した同月22日の両日の大部分については,その訪問先が中山陵,寒山寺,拙政園等の観光地であり,安慶市とは直接の関連性を有していないものであるから,同市との友好親善の促進を図るとい 1日と蘇州市内を見学した同月22日の両日の大部分については,その訪問先が中山陵,寒山寺,拙政園等の観光地であり,安慶市とは直接の関連性を有していないものであるから,同市との友好親善の促進を図るという協会の事業目的とは一応無関係なものであり,むしろ主に観光ないしレジャーとしての性質を有するものというべきである。したがって,南京市及び蘇州市における行程にP5が随行したことについては,これを市職員の公務として正当化することはできない。 この点,控訴人及び控訴人参加人は,安慶市外事弁公室の職員が随行していることから,儀礼上P5も随行する必要があったとか,広く海外を視察することは職員の資質向上にも寄与することであるなどと主張するが,スポーツ訪中団について説示したとおり,安慶市との友好都市提携関係を前提としない観光としての旅行部分についてまで,茨木市の職員が対応しなければならない儀礼上の必要性は認められないし,これらの観光によって職員の見聞が広まるなどの効用が認められるとしても,そのことによって,南京市及び蘇州市への旅行が有する観光としての側面を払拭することにはならないから,上記主張には理由がない。また,控訴人及び控訴人参加人は,参加者の安全管理の面からも,市の職員が随行する必要がある旨の主張をするが,これについても,原判決別紙「茨木市民親善訪中団名簿2」のとおり,親善訪中団には,団長として,協会の会員(団体会員)であるP26も随行していたのであるから,P5が南京市及び蘇州市に随行しなかったからといって,直ちに参加者の安全が確保できなくなるものではないから,理由がないというべきである。 (ウ) なお,親善訪中団は,本邦出国日及び帰国日に上海市内を見学しているが,これらに随行することについて,その公務性を一概に否定することができないことは,スポー ら,理由がないというべきである。 (ウ) なお,親善訪中団は,本邦出国日及び帰国日に上海市内を見学しているが,これらに随行することについて,その公務性を一概に否定することができないことは,スポーツ訪中団について説示したところと同様である。 2 争点(2)(本件各旅費の額の適正)について被控訴人は,本件各旅行の旅費は,いずれも旅行会社が関与して設定したものであり,不必要な支度料が計上されているなど,その旅行内容に照らしてみれば過大である旨の主張をする。 しかしながら,証拠(甲第1号証)と弁論の全趣旨によれば,本件各旅費は,いずれも茨木市職員旅費条例18条の規定に基づき,国家公務員等の旅費に関する法律に準じて計算され,交付されたものと認められ,これを覆すに足りる証拠はないから,被控訴人の上記主張には理由がないというべきである。 3 総括(1) 以上判示したところによれば,①P2のスポーツ訪中団への随行のうち,南京市及び蘇州市の各見学に当てられた部分,②P3の少年サッカーチームへの随行のうち,ディズニーランド観光に当てられた部分,③P4のキャンプ訪問団への随行のうち,ディズニーランド観光に当てられた部分,④P5の親善訪中団への随行のうち,南京市及び蘇州市の各見学に当てられた部分は,いずれも公務に該当するとはいえない。したがって,これらに係る各公金の支出負担行為は違法であり,控訴人には,かかる違法な支出負担行為をしたことについて,少なくとも過失があったものと認められる。 そして,甲第1号証によれば,上記違法な公金の支出額は,①に係る部分が,宿泊料2泊分(1泊1万1600円)及び日当2日分(1日3800円)の合計額に相当する3万0800円を下回らない額であり,これは,④に係る部分についても同様であると認められる。また,②に係る部分は,ロサ 料2泊分(1泊1万1600円)及び日当2日分(1日3800円)の合計額に相当する3万0800円を下回らない額であり,これは,④に係る部分についても同様であると認められる。また,②に係る部分は,ロサンゼルスでの宿泊料1泊分(1泊1万9300円)及び日当1日分(1日6200円)の合計額に相当する2万5500円を下回らない額であり,③に係る部分は,ロサンゼルスでの宿泊料1泊分(1泊1万6100円)及び日当1日分(1日5300円)の合計額に相当する2万1400円を下回らない額であると認められる。なお,上記公務性の認められない各旅行に係る支出額のうち,交通費その他については,公務性のある交通費と区分して,これを的確に算定することが困難である。 以上の数額を合計すると,10万8500円となる。 (2) そうすると,被控訴人の請求は,控訴人に対し,茨木市に10万8500円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があり,原判決は変更を免れないが,上記④に係る部分については,原判決が被控訴人の請求を全部棄却しているところ,被控訴人は,これに対する控訴をしていないから,この部分を当審で認容することは,民事訴訟法304条の規定により許されないことになる。 よって,上記④に係る部分を控除した限度,すなわち,控訴人に対し,茨木市に7万7700円並びに内金3万0800円に対する平成13年3月24日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金,内金2万5500円に対する平成13年7月14日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金及び内金2万1400円に対する平成13年7月20日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の各支払を求める限度で被控訴人の請求を認容することとし,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第11民事部裁判長裁判官市川頼明 平成13年7月20日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の各支払を求める限度で被控訴人の請求を認容することとし,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第11民事部裁判長裁判官市川頼明裁判官藤本久俊裁判官鈴木和典
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