平成19(行ウ)11 仮換地指定処分義務付等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成21年1月29日 名古屋地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-37433.txt

判決文本文40,443 文字)

平成19年(行ウ)第11号仮換地指定処分義務付等請求事件判決主文 本件仮換地指定の変更の義務付けの各訴え及び本件区画道路の位置の定めの違法確認の各訴えをいずれも却下する。 原告Aが別紙土地目録記載(1),(2)の土地に係る仮換地指定処分について平成17年9月29日付けでした審査請求及び同目録記載(4)の土地に係る仮換地指定処分について同月15日付けでした審査請求に対し,裁決行政庁が裁決をしないことが違法であることを確認する。 原告Bが別紙土地目録記載(3)の土地に係る仮換地指定処分について平成17年8月23日付けでした審査請求に対し,裁決行政庁が裁決をしないことが違法であることを確認する。 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,原告らと被告愛知県との間においては,同被告の負担とし,原告らと被告C組合との間においては,原告らの負担とする。 事実 及び理由第1請求 被告C組合に対する請求(1) 被告C組合が原告Aに対し平成17年6月30日付けでした別紙土地目録記載(1)の土地に係る仮換地指定処分を取り消す。 (2) 被告C組合は,上記(1)の仮換地指定につき,仮換地を■■街区●画地から■■街区▲画地へ変更せよ。 (3) 被告C組合が原告Bに対し平成17年6月30日付けでした別紙土地目録記載(3)の土地に係る仮換地指定処分を取り消す。 (4) 被告C組合は,上記(3)の仮換地指定につき,仮換地を●●●街区■画地から▲▲▲街区●●画地へ変更せよ。 (5) 被告C組合の事業計画に係るD土地区画整理事業・設計図において,別紙区画道路目録記載(1)~(3)の各区画道路が,区画道路▽▽-●号の南端を始点として南方向に直進・延長させた位置に定められていないことが違法であることを確認する。 (6) 業・設計図において,別紙区画道路目録記載(1)~(3)の各区画道路が,区画道路▽▽-●号の南端を始点として南方向に直進・延長させた位置に定められていないことが違法であることを確認する。 (6) 被告C組合の事業計画に係るD土地区画整理事業・設計図における別紙区画道路目録記載(4)の区画道路の位置の定めが違法であることを確認する。 被告愛知県(以下「被告県」という。)に対する請求主文第2,3項と同旨第2事案の概要本件は,①原告Aが,被告C組合に対し,被告C組合がした別紙土地目録記載(1)の土地に係る仮換地指定処分の取消しとその仮換地を■■街区●画地から■■街区▲画地へ変更することの義務付け,②原告Bが,被告C組合に対し,被告C組合がした同目録記載(3)の土地に係る仮換地指定処分の取消しとその仮換地を●●●街区■画地から▲▲▲街区●●画地へ変更することの義務付け,③原告らが,被告C組合に対し,被告C組合の事業計画に係るD土地区画整理事業・設計図における別紙区画道路目録記載(1)~(4)の各区画道路の位置の定めが違法であることの確認,④原告らが,被告県に対し,別紙土地目録記載(1)~(4)の各土地に係る仮換地指定処分についてした審査請求に対して愛知県知事(裁決行政庁)が裁決をしないことが違法であることの確認をそれぞれ求める事案である。 前提事実(当事者間に争いがないか,証拠上明らかである。)(1) 被告C組合は,施行地区を愛知県尾張旭市<地名略>とし,事業施行期間を平成12年9月12日~平成24年3月31日とするD土地区画整理事業(以下「本件事業」という。)の施行者として,平成12年9月12日に愛知県知事から土地区画整理法14条1項に基づく設立認可を受けた土地区画整理組合である。 (2) 原告らが所有する従前地及びこれに対する仮換 「本件事業」という。)の施行者として,平成12年9月12日に愛知県知事から土地区画整理法14条1項に基づく設立認可を受けた土地区画整理組合である。 (2) 原告らが所有する従前地及びこれに対する仮換地指定ア原告Aは,別紙土地目録記載(1),(2),(4)の各土地(以下,順に「本件従前地(1)」,「本件従前地(2)」,「本件従前地(4)」という。)及び<地名略>の各土地を所有している。 原告Bは,原告Aの妻であり,別紙土地目録記載(3)の土地(以下「本件従前地(3)」という。)を所有している。なお,本件従前地(3)は,原告Aが昭和45年に相続により取得したものを平成11年9月に原告Bに贈与したものであり,平成8年に原告Aを債務者とする抵当権が設定されている。 原告Aは,昭和60年3月25日,本件従前地(3)上に軽量鉄骨造スレート葺2階建て居宅を建築してこれを所有し,同建物に原告Bと共に居住している。 原告Aは,平成11年6月17日,本件従前地(4)の上に鉄骨造スレート葺2階建て共同住宅(アパートE)を建築し,また,平成12年4月19日,<地名略>の土地上に鉄骨造スレート葺2階建て共同住宅(アパートF)を建築し,これらを賃貸して賃料収入を得ている。 イ被告C組合は,平成17年6月30日付けで,原告らに対し,効力発生の日を同年7月11日として,次のとおり仮換地指定をした(以下,本件従前地(1)~(4)に係る仮換地指定を順に「本件仮換地指定(1)」~「本件仮換地指定(4)」といい,これらを併せて「本件各仮換地指定」ともいう。)。本件従前地(1)~(3)及び<地名略>所在の各土地並びにその各仮換地の位置関係は別紙図面1,別紙「修正仮換地案■■街区」,別紙「修正仮換地案●●●街区」のとおりであり,本件従前地(4)及び<地名略>の各土地に係る各仮換地 び<地名略>所在の各土地並びにその各仮換地の位置関係は別紙図面1,別紙「修正仮換地案■■街区」,別紙「修正仮換地案●●●街区」のとおりであり,本件従前地(4)及び<地名略>の各土地に係る各仮換地の位置関係は別紙図面2のとおりである。 (3) G及びHの所有地に対する仮換地指定についてGは,被告C組合の理事Iの妹であり,<地名略>の各土地を所有するものであるが,これらの土地につき■■街区▲画地(273㎡)に仮換地指定を受けた。この仮換地の位置関係は,別紙「修正仮換地案■■街区」のとおりである。 Hは,本件事業におけるJ町Kの町内会を代表する総代の地位にあり,<地名略>の各土地を所有するものであるが(登記名義はL外4名),これらの土地につき▲▲▲街区●●画地(120㎡)に仮換地指定を受けた。この仮換地の位置関係は,別紙「修正仮換地案▲▲▲街区」のとおりである。 (4) 本件各仮換地指定に至る経緯ア被告C組合は,Mほか8名が定款及び事業計画を定めた上で,平成12年9月12日,愛知県知事から土地区画整理法14条1項に基づく設立認可を受けた土地区画整理組合である。その事業計画(以下「本件事業計画」という。)における設計図は,別紙「設計図面①」のとおりである。 被告C組合は,その後,設立準備委員会当時の同意書等において出された地元の意向・要望,組合員個人に対する換地設計に関するアンケートにより得られた意見を検討し,それらを地元の多数意見か否かを確認した上で,組合員に対する費用負担が増加しないよう考慮して,道路計画及び資金計画を変更した第1回事業計画変更案(設計図は別紙「設計図面②」のとおり)を策定し,平成15年7月20日の総代会における議決を経て,公衆の縦覧に供した上,平成16年4月23日,愛知県知事から認可を受けた。 被告C組合は,その後,保 案(設計図は別紙「設計図面②」のとおり)を策定し,平成15年7月20日の総代会における議決を経て,公衆の縦覧に供した上,平成16年4月23日,愛知県知事から認可を受けた。 被告C組合は,その後,保留地処分金の単価の下方修正,早期に保留地を処分して収入金を確保するための商業施設用地の確保,事業費削減をするために,第2回事業計画変更(設計図は別紙「設計図面③」のとおり)を策定し,平成16年6月20日の総代会における議決を経て,公衆の縦覧に供した上,同年9月21日,愛知県知事から認可を受けた。 なお,第1回事業計画変更及び第2回事業計画変更において,別紙区画道路目録記載(1)~(4)の各区画道路(以下,順に「本件道路(1)」~「本件道路(4)」という。)の位置は変更されていない。 イ被告C組合は,平成16年3月21日に開催された総代会の議決を経て制定された換地規程(甲6。以下「本件規程」という。),土地評価基準(甲7。以下「本件基準」という。)に基づいて,同年10月ころまでに仮換地指定案(別紙「仮換地の割り込み原案」参照)を作成し,同年10月4日~同年11月12日の40日間,仮換地図(従前の宅地及び仮換地等の土地の位置及び形状,仮地番等を記入したもの。地権者名の記載はない。甲27)を公衆の縦覧に供し,仮換地の位置・地積・減歩率等を中心に個別説明会を実施した。その後,上記縦覧に出席しなかった者に対して,平成17年1月ころ,「仮換地の案の概要について(通知)」と題する書面を送付し,同月中旬ころ,再縦覧を実施した。 ウ地権者らのうち上記縦覧・個別説明に対して意見・要望がある者は,それを書面にして被告C組合に提出し,被告C組合は,理事会において,その内容を審査し,その意見・要望を踏まえて仮換地指定案に必要な修正を加えて,修正仮換地指定案を作成し, して意見・要望がある者は,それを書面にして被告C組合に提出し,被告C組合は,理事会において,その内容を審査し,その意見・要望を踏まえて仮換地指定案に必要な修正を加えて,修正仮換地指定案を作成し,これに合わせて修正仮換地図(別紙「修正仮換地案」参照)を作成した。 エ被告C組合は,修正仮換地指定案に基づいて仮換地指定することにつき,平成17年6月19日に開催された総代会の同意を得て,同月30日,原告らを含む組合員(地権者)らに対し,仮換地指定をし,これを通知した。 オなお,上記仮換地指定は,土地区画整理法98条1項前段の前半「土地の区画形質の変更……に係る工事のため必要がある」ことを理由として行われたものであるが,将来これに従った換地処分がされることを予定したもの(換地予定地的仮換地指定処分)である。 (5) 審査請求,本件訴えの提起等ア原告Bは,愛知県知事に対し,平成17年8月23日付けで,本件仮換地指定(3)につき,処分があったことを知った日を同月7日として審査請求をした。 原告Aは,愛知県知事に対し,同年9月15日付けで,本件仮換地指定(4)につき,同月29日付けで,本件仮換地指定(1),(2)及び<地名略>の土地に係る仮換地指定につき,それぞれ,処分があったことを知った日を同年8月7日として審査請求をした。 イ愛知県知事は,現在まで上記各審査請求(以下,併せて「本件各審査請求」という。)に対する裁決をしていない。 ウ原告らは,平成19年3月1日,前記第1の1(1)~(4)及び同2の各請求に係る訴えを提起し,同年5月29日,前記第1の1(5),(6)の各請求に係る訴えを追加した。 争点 (1) 本案前の争点ア本件仮換地指定(1),(3)に係る変更の義務付けの訴えの訴訟要件(行政事件訴訟法37条の2第1項)イ本件事業 1(5),(6)の各請求に係る訴えを追加した。 争点 (1) 本案前の争点ア本件仮換地指定(1),(3)に係る変更の義務付けの訴えの訴訟要件(行政事件訴訟法37条の2第1項)イ本件事業計画における本件道路(1)~(4)の位置の定めの違法確認の訴えにおける確認の利益(2) 本件仮換地指定(1)の適法性(3) 本件仮換地指定(3)の適法性(4) 本件仮換地指定(1),(3)に係る変更の義務付け請求の本案要件(行政事件訴訟法37条の2第5項)(5) 本件事業計画における本件道路(1)~(4)の位置の定めの適法性(6) 本件各審査請求に対し裁決をしない不作為の違法性 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)について(原告らの主張)ア仮換地指定の変更の義務付けの訴えについて(ア) 行政事件訴訟法37条の2は,裁判所が,同条の要件を満たす場合に当該行政庁に一定の処分をすべき旨を命ずる判決をすること,すなわち,義務付けの訴えを規定する。 本件事業で,被告C組合が原告A所有の本件従前地(1)の仮換地を■■街区▲画地に,原告B所有の本件従前地(3)の仮換地を▲▲▲街区●●画地にそれぞれ指定しないことは,以下のとおり,同条の訴訟要件を満たすことが明らかである。 (イ) 重大な損害が生じるおそれがあること(同条1項)本件従前地(1)と■■街区●画地とでは,土地環境が大きく異なり,本件従前地(1)から■■街区●画地への仮換地指定が是正されない限り,原告Aに重大な財産的な損害が生ずることは明らかである。また,本件従前地(3)から●●●街区■画地への仮換地指定についても,間口が狭い,角地ではないなどの土地条件の悪化によって,原告Bに重大な財産的な損害が生ずるおそれがある。 (ウ) 他に適当な方法がないこと(同項)上記損害を避けるためには 地への仮換地指定についても,間口が狭い,角地ではないなどの土地条件の悪化によって,原告Bに重大な財産的な損害が生ずるおそれがある。 (ウ) 他に適当な方法がないこと(同項)上記損害を避けるためには,本件仮換地指定(1),(3)についての審査請求や取消訴訟が考えられるが,本件各審査請求は,3年以上も裁決がされず,事実上機能していない。取消訴訟については,仮に本件仮換地指定(1),(3)が取り消されたとしても,被告C組合は新たに仮換地指定をすることまで要求されないので,本件各仮換地指定において裁量権を濫用し,原告らに差別的取扱いをした被告C組合が新たに不当・違法な仮換地指定処分をする可能性も十分にあり,実効的な救済が図られない可能性が高い。 そうすると,被告C組合に新たな仮換地指定を義務付ける以外,上記損害を避ける方法は存しない。 イ本件事業計画における区画道路の位置の定めの違法確認の訴えについて原告らは,行政事件訴訟法4条の「公法上の法律関係に関する確認の訴え」として,被告C組合に対し,本件事業計画における区画道路の位置の定めが違法であることの確認を求めるものである。 ところで,土地区画整理事業において,換地計画における街区・画地の規模・形状は,施行地区における区画道路の配置と表裏の関係にあるから,事業計画における仮換地設計の際の区画道路の配置によって,事実上,区画道路の位置・形状は確定する。その後,区画道路は,道路管理者の行う「道路の区域の決定」(道路法18条)という行政処分によって道路として確定することになる。 仮に,本件事業計画について被告C組合の設立認可に対する取消訴訟で争うことができ,現時点では既に出訴期間を徒過しているため同取消訴訟を提起することができないとしても,取消訴訟における出訴期間の制限は,行政上の法律関係の早期安定 C組合の設立認可に対する取消訴訟で争うことができ,現時点では既に出訴期間を徒過しているため同取消訴訟を提起することができないとしても,取消訴訟における出訴期間の制限は,行政上の法律関係の早期安定を図る趣旨であり,同出訴期間が経過したことによって違法な行政行為を治癒させるものではない。また,行政事件訴訟法4条は,取消訴訟の対象となる処分以外の行為形式についての実質的紛争解決実現や私人の救済範囲拡大の趣旨から,「公法上の法律関係に関する確認の訴え」を明文化している。 したがって,仮に,本件事業計画について被告C組合の設立認可に対する取消訴訟で争うことができるとしても,別途,同取消訴訟の出訴期間経過後,本件事業計画についての違法確認の訴えが提起できるものと解すべきであり,仮換地指定の段階で本件事業計画における区画道路の配置が違法である旨の確認を求めることによって,実効的な権利救済が図られるべきであるから,かかる訴えには確認の利益があるというべきである。 (被告C組合の主張)ア仮換地指定の変更の義務付けの訴えについて仮換地指定という行政処分の要件がa(例えば,照応原則の充足)とb(例えば,総代会の議決)とがある場合に,取消訴訟であるならば,a,bのいずれかが違法であれば,裁判所は仮換地指定を取り消すことができる。 しかし,義務付け訴訟にあっては,a,bのいずれの要件をも充足しなければならない。裁判所が総代会の議決をすることはできない。 したがって,仮換地指定の変更の義務付けの訴えは,行政事件訴訟法37条の2第1項の要件を満たしていない。 イ本件事業計画における区画道路の位置の定めの違法確認の訴えについて(ア) 土地区画整理事業は,①施行地区内に存する土地を,計算上一つの区画整理総用地に統合する,②区画整理総用地から,まず道路用地及び公園用地 計画における区画道路の位置の定めの違法確認の訴えについて(ア) 土地区画整理事業は,①施行地区内に存する土地を,計算上一つの区画整理総用地に統合する,②区画整理総用地から,まず道路用地及び公園用地を定め,これを記載した設計図を作成する,③定款と事業計画を定めた上,県知事から土地区画整理法14条1項に基づく土地区画整理組合の設立の認可を受ける(これにより,前記②の道路用地及び公園用地が決定される。),④その後,道路(都市計画道路,区画道路)によって区分された街区内で換地設計,仮換地指定などに進むという手順で行われるところ,本件では④の段階に至っている。 (イ) 前記(ア)③の組合の設立認可は,地区内の土地所有者らの利害関係者に対し重要な影響を及ぼすので,認可申請があった場合には,県知事は事業計画の縦覧及び意見書の処理をしなければならない(土地区画整理法20条)。そして,組合の設立認可は,単に設立認可申請に係る組合の事業計画を確定させる(同法20条,21条3項)だけのものではなく,その組合の事業施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者をすべて強制的にその組合員とする公法上の法人たる土地区画整理組合を成立せしめ(同法21条5項,22条,25条1項),これに土地区画整理事業を施行する権限を付与する効力を有するものである(同法3条2項,14条4項)から,抗告訴訟の対象となる行政処分であると解するのが相当である(最高裁昭和57年(行ツ)第128号同60年12月17日第三小法廷判決・民集39巻8号1821頁参照)。 原告らは,平成12年9月12日の愛知県知事の被告C組合の設立認可に対して抗告訴訟(取消訴訟)を提起すべきであったにもかかわらず,これをしなかった。 したがって,本件事業計画における区画道路の位置の定めに係る違法確認の訴えを提起す 愛知県知事の被告C組合の設立認可に対して抗告訴訟(取消訴訟)を提起すべきであったにもかかわらず,これをしなかった。 したがって,本件事業計画における区画道路の位置の定めに係る違法確認の訴えを提起することは許されない。 (2) 争点(2)について(被告C組合の主張)ア照応原則(位置・環境)について(ア) 本件従前地(1)は,別紙図面3の黄色の場所にあり,北側で幅員約1mの道路(現況は無し)に間口約12m面し,平均奥行約34mの長方形地である。 (イ) これに対し,■■街区●画地は,本件従前地(1)の真中付近に幅員6mの区画道路が計画されたことから,その原位置から約30m北方向へ移動した場所で,東側で幅員6mの区画道路に間口約10.5m,北側で幅員6mの歩行者専用道路に間口約15.5m面する角地である。 (ウ) ■■街区●画地は,本件従前地(1)に比較して,道路との関係が良好となっている。 また,排水施設が整備され,付近には公園(▲号公園)も新設され,地域一帯において適正な幅員の区画道路が新設され,街区が整然と区画されることなど,■■街区●画地付近の都市環境は,交通,防災,衛生の各点で良好となり,■■街区●画地の利用価値は本件従前地(1)のそれと比較して十分に向上しており,法の要求する照応原則を十分満たしているものである。 イ原告Aの主張に対し,次のとおり反論する。 (ア) 名古屋鉄道(以下「名鉄」という。)瀬戸線との関係について原告Aは,■■街区●画地の北側で幅員6mの歩行者専用道路を挟んでではあるが,名鉄瀬戸線が存在することを非難する。 しかし,幅員6mの歩行者専用道路を挟んでいるので,使用収益に支障はない上,評価においては,本件基準17条2項(14)により,鉄道沿線修正係数0.95を乗じている。 (イ) Gとの不公平についてN外1 し,幅員6mの歩行者専用道路を挟んでいるので,使用収益に支障はない上,評価においては,本件基準17条2項(14)により,鉄道沿線修正係数0.95を乗じている。 (イ) Gとの不公平についてN外1名所有の<地名略>(現況駐車場836㎡。別紙図面3の黄緑色部分)の仮換地である■■街区○画地(617㎡)が同図面緑色枠で囲われた部分にあり,■■街区●画地が空いたので,その場所に最も近い原告Aの本件従前地(1)の仮換地を■■街区●画地に指定せざるを得なかったのである。 当初の仮換地指定案では,①O単独所有の<地名略>,O外3名所有の<地名略>(別紙図面3の茶色の土地)の各土地の仮換地を,現在の■■街区△~▲画地の位置に,②G所有の<地名略>の各土地の仮換地を,●●●街区●画地の北側部分に指定した。 平成16年10月の仮換地指定案の縦覧及びその後において,■■街区▲画地と●●●街区●画地の北側とを入れ替えて欲しいとの申出が,OとGからあった。 被告C組合理事会では,第三者に影響を及ぼさない私人間の位置変更希望であるので,それを認めることとした。 その結果,Gの上記各土地の仮換地が■■街区▲画地に指定されたのであり,Gの上記各土地の仮換地が■■街区▲画地に指定されたから,本件従前地(1)の仮換地が■■街区●画地に指定されたわけではない。 (原告らの主張)ア土地区画整理法98条1項に基づいて仮換地を指定する場合においても,同法89条1項所定の基準を考慮してしなければならない(同法98条2項)。換地計画において換地を定める場合においては,換地及び従前の宅地の位置,地積,土質,水利,利用状況,環境等が照応するように定めなければならない(同法89条1項)。この照応原則には,従前地と換地との対物的な照応をいう「縦の照応」と,権利者間における対人的な照応をいう ,地積,土質,水利,利用状況,環境等が照応するように定めなければならない(同法89条1項)。この照応原則には,従前地と換地との対物的な照応をいう「縦の照応」と,権利者間における対人的な照応をいう「横の照応」がある。 イ環境の不照応(縦の照応原則違反)について同法89条1項が例示することからも明らかなとおり,仮換地と従前地の土地の環境が照応していることは,照応原則の重要な要素である。ところが,本件従前地(1)と■■街区●画地は,以下のとおり,土地環境が著しく異なり,全く照応していない。 (ア) ■■街区●画地について本件事業の施行地区のうち,■■街区及び●●●街区は名鉄瀬戸線の南側に位置するところ,当該鉄道の軌道は両街区を通過する地点で弧を描くように大きく湾曲しており,両街区の鉄道沿線の土地は,その軌道カーブの外周に位置するため,列車が速度調節のためにブレーキをかける際に発生する騒音・振動や,その軌道カーブを走行中の列車とレールの金属摩擦により発生する鉄粉塵による被害が著しく,劣悪な土地環境となっている。■■街区●画地は,正に軌道カーブの外周に位置する。 名鉄瀬戸線の運行回数は,平日で238回,始発電車の当地通過は午前5時53分ころ,最終電車は午前0時4分ころである。その騒音・振動は,建物の基礎工事の振動防止対策としての長寸のパイルの打ち込み工事をしても避けられず,玄関や窓の設置は防音の二重構造が必要なほどである。その鉄粉塵は,建物,屋根,壁,洗濯物,自動車等に付着し,3年も経ずに赤茶色に変色する。 (イ) 本件従前地(1)についてこれに対し,本件従前地(1)は,名鉄瀬戸線から約50m隔てた場所に位置し,鉄道に接面しておらず,鉄道軌道とは垂直方向に長細い土地である。本件従前地(1)については,鉄道による騒音・振動,また,鉄粉塵による し,本件従前地(1)は,名鉄瀬戸線から約50m隔てた場所に位置し,鉄道に接面しておらず,鉄道軌道とは垂直方向に長細い土地である。本件従前地(1)については,鉄道による騒音・振動,また,鉄粉塵による被害もほとんどなく,非常に良好な住環境であった。 (ウ) 以上のとおり,本件従前地(1)はとても良好な住環境であったのに対し,■■街区●画地は非常に劣悪な土地環境であり,およそ住宅地としては利用できない土地であることからすれば,その土地環境の格差は明白であり,著しく環境の照応を欠くものである。 ウ位置の不照応(縦の照応原則違反)仮換地は,従前地の原位置又は原位置にできるだけ近い位置に定めなければならず,特別な事情があるとき(例えば,従前地が道路や公園等の公共用施設に当たる場合等)は飛仮換地も許される。この原則は土地区画整理法89条1項及び諸判例により確立されたものである。 本件従前地(1)の原位置は,■■街区▲画地であることから,原位置換地の原則からすれば,本件従前地(1)の仮換地は同画地に指定されるべきである。そして,同画地はGの土地の仮換地に指定されていることから上記特別の事情は存在しない。 したがって,本件仮換地指定(1)は,明らかに原位置換地の原則に反し,位置の照応を欠くものである。 エGとの不公平(横の照応原則違反)横の照応原則は,仮換地指定が権利者間において公平なものであることを要求している。 Gの従前地に対する仮換地指定と本件仮換地指定(1)は,以下のとおり,著しく公平性を欠き,横の照応原則に反する。 Gの従前地は,●●●街区の名鉄瀬戸線に接面する位置にあり,前述の■■街区●画地以上に劣悪な土地環境であったが,■■街区▲画地という鉄道とも接面しない角地で良好な土地環境の土地に仮換地指定がされた。本来,環境の照応や原位置換地の原 線に接面する位置にあり,前述の■■街区●画地以上に劣悪な土地環境であったが,■■街区▲画地という鉄道とも接面しない角地で良好な土地環境の土地に仮換地指定がされた。本来,環境の照応や原位置換地の原則からすれば,■■街区▲画地への仮換地指定はあり得ず,■■街区●画地等の名鉄瀬戸線沿線の土地に仮換地指定されるべきである。すなわち,Gは,劣悪な土地環境の従前地から良好な土地環境の■■街区▲画地へと,原告Aの犠牲の下に,極端に優遇された仮換地指定を受けたといえる。 このことは,原告Aとの関係で著しく公平を欠くことは明らかである。 したがって,本件仮換地指定(1)は,Gとの関係で横の照応原則に反する。 オ裁量権の濫用・公序良俗違反上記イ~エのとおり縦・横の照応原則違反が競合する不公平な仮換地指定がされたのは,Gと被告C組合理事のIが実の兄妹という関係にあることが原因であると考えざるを得ない。 このような縁故関係によって,特定住民(原告A)の犠牲の下に,特定住民(G)を不当に優遇することは,被告C組合の裁量権の濫用及び公序良俗に反することは明らかである。 カ 結論 以上のとおり,本件仮換地指定(1)は,照応原則に反し,また,裁量権の濫用として違法である。 (3) 争点(3)について(被告C組合の主張)ア照応原則(位置・環境)について(ア) 本件従前地(3)は,別紙図面4の赤色の場所にあり,東側で平均幅員約3. 6mの道路に間口約15m面し,平均奥行約13.8mの宅地である。 そして,本件従前地(3)は,原告A所有の<地名略>の土地(登記簿上の地積429.75㎡),<地名略>の土地(同125.61㎡)と一部共同利用されている。 (イ) これに対し,●●●街区■画地は,本件従前地(3)の西側部分が幅員6mの区画道路の底地として計画されたことから,本件従 5㎡),<地名略>の土地(同125.61㎡)と一部共同利用されている。 (イ) これに対し,●●●街区■画地は,本件従前地(3)の西側部分が幅員6mの区画道路の底地として計画されたことから,本件従前地(3)の原位置から西方向に約30m離れた場所において,南側で幅員6mの区画道路に間口約8m面し,奥行約18mの宅地である。 また,それは本件従前地(3)と同じように原告Aの●●●街区▲画地(404㎡)と一体利用できるように隣接仮換地としている。 (ウ) 本件従前地(3)の付近一帯の道路は概して屈曲しており,その他公共施設も未整備な状況であるのに対し,●●●街区■画地は,本件従前地(3)の原位置から西方向に約30m離れているものの,付近地への換地といえる。また,系統性を有する幅員6mの区画道路に面した宅地としての仮換地であり,宅地利用の増進が認められる。 ●●●街区■画地付近は,本件事業により適正な幅員の区画道路のほか公園(▲号公園)が整備され,各街区も整然と区画されるなど,交通,防災,衛生の各点で十分良好となると思われる。 本件従前地(3)は,隣接する原告A所有の宅地と一部共同利用されているため,●●●街区■画地も原告Aの仮換地と共同利用が可能となるよう隣接換地をすることで,有効的な土地利用が可能となるような仮換地として定めている。 イ原告BのHとの不公平(横の照応原則違反)の主張に対し,次のとおり反論する。 (ア) 平成16年10月4日~同年11月12日に実施した仮換地の案の縦覧時の仮換地は,Hの<地名略>の各土地の南東側が一部重なるほぼ原位置に近い■■■街区■画地(122㎡)を提示した。 (イ) その縦覧時点においては,現在の▲▲▲街区●●,▲▲画地の位置には保留地が設定されていた。 (ウ) Hは,縦覧に係る仮換地の案に対し,従前地は南側 い■■■街区■画地(122㎡)を提示した。 (イ) その縦覧時点においては,現在の▲▲▲街区●●,▲▲画地の位置には保留地が設定されていた。 (ウ) Hは,縦覧に係る仮換地の案に対し,従前地は南側に接道する宅地であるため仮換地も南向き宅地を希望し,隣接した保留地の買増しを併せて希望した。 (エ) さらに,Hは,原案では現状の生活,業務が著しく悪化するため,他の場所への提示と,保留地の買増しを希望する旨記載した意見書を被告C組合に提出した。 (オ) Hを含め,被告C組合へ提出された意見書・要望書の中で,保留地の買増しを希望した権利者が,全体の約4割と相当数を占めたため,被告C組合理事会で要望の取扱いを検討した結果,でき得る限り買増し要望をかなえる方向で,仮換地案の再検討をすることに決定した。 (カ) 上記理事会決定を受け,Hの仮換地原案を再検討した結果,名鉄瀬戸線を飛び越えた仮換地を指定することは,変更の理由付けが困難となるため,できる限り従前地の街区付近地に仮換地を指定することが妥当であると判断した。 (キ) このため,従前地が置かれた場所や道路との位置関係その他権利者の仮換地の配置状況を考慮した結果,付近地での設計変更の可能性は,▲▲▲街区の南西角地となったことにより,▲▲▲街区●●画地(120㎡)の仮換地の再提示と,懸案要望であった買増し保留地も隣接する▲▲▲街区▲▲画地に設定することとしたものである。 (原告らの主張)ア位置の不照応(縦の照応原則違反)原位置換地の原則からすれば,本件従前地(3)の仮換地は,▲▲▲街区●●画地に指定されるべきであるところ,本件仮換地指定(3)によれば●●●街区■画地に指定されている。 ▲▲▲街区●●画地は,H所有の従前地の仮換地として指定されているから,原位置換地することができない特別の事情は存在 べきであるところ,本件仮換地指定(3)によれば●●●街区■画地に指定されている。 ▲▲▲街区●●画地は,H所有の従前地の仮換地として指定されているから,原位置換地することができない特別の事情は存在しない。 そうすると,かかる仮換地指定は,原位置換地の原則に反し,位置の照応を欠くものである。 イ土地条件の照応(縦の照応原則違反)本件従前地(3)は角地であったのに対して,●●●街区■画地は間口が狭く,1路線に接面するだけの中間画地であり,土地条件において照応していない。 ウHとの不公平(横の照応原則違反)Hの従前地に対する仮換地指定と本件仮換地指定(3)は,以下のとおり,著しく公平性を欠き,横の照応原則に反する。 Hの従前地は,▲▲▲街区●●画地とは遠く離れており,原位置換地の原則からして,不合理な仮換地である。また,同従前地は,旧瀬戸街道の1路線に接面するだけの土地であったことからすると,角地の▲▲▲街区●●画地に仮換地指定されるのは不当に優遇された仮換地指定というべきである。このことは,原告Bとの関係で著しく公平を欠くことは明らかである。 したがって,本件仮換地指定(3)は,Hとの関係で横の照応原則に反する。 エ裁量権の濫用・公序良俗違反上記ア~ウのとおり,縦・横の照応原則違反が競合する不公平な仮換地指定がされたのは,Hが本件事業におけるJ町Kの町内会を代表する総代の地位にあり,総代会を通じて理事らと結託し,理事らの裁量権限を濫用し得る立場にあることが原因であると考えざるを得ない。 このように,理事らに近い一部の権利者(H)を特定住民(原告B)の犠牲の下に不当に優遇することは,被告C組合の裁量権の濫用及び公序良俗に反することは明らかである。 オ 結論 以上のとおり,本件仮換地指定(3)は,照応原則に反し,また,裁量権の濫用として違法 )の犠牲の下に不当に優遇することは,被告C組合の裁量権の濫用及び公序良俗に反することは明らかである。 オ 結論 以上のとおり,本件仮換地指定(3)は,照応原則に反し,また,裁量権の濫用として違法である。 (4) 争点(4)について(原告らの主張)行政庁に対して一定の処分を義務付けるためには,「その処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められる」ことが必要である(行政事件訴訟法37条の2第5項)。 本件事業においては,以下のとおり,本件従前地(1)の仮換地を■■街区▲画地に,本件従前地(3)の仮換地を▲▲▲街区●●画地に指定すべきことは,法令の規定から明らかであると認められる。 ア本件従前地(1)について本件従前地(1)は,公共用地に利用される事情等も存しないので,原位置換地の原則からすれば,■■街区▲画地に仮換地が指定されるべきである。また,本件従前地(1)は,名鉄瀬戸線に接面せず,騒音・振動・粉塵等による被害を受けない住宅地であることからすれば,同様の土地環境の土地に仮換地が指定されるべきである(環境の照応)。■■街区▲画地は,正に同様の土地環境で原位置に当たるから,同画地に仮換地が指定されるべきである。 さらに,横の照応を考慮する上でも,本件従前地(1)の仮換地を■■街区▲画地に指定するのが妥当である。なぜなら,特別な事情もないのにGの従前地を■■街区▲画地に飛換地させるならば,原告Aの犠牲の下にGを極端に優遇することになるため,公平を欠き,横の照応原則に著しく反するからである。 以上のとおり,原位置換地の原則等照応原則(土地区画整理法98条2項,89条1項)からすれば,本件従前地(1)の仮換地は,■■街区 ことになるため,公平を欠き,横の照応原則に著しく反するからである。 以上のとおり,原位置換地の原則等照応原則(土地区画整理法98条2項,89条1項)からすれば,本件従前地(1)の仮換地は,■■街区▲画地に指定されるべきであり,この原則に基づく運用を修正すべき理由が全く認められない本件事実関係の下では,「義務付けの訴えに係る処分につき,行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ」るので,行政事件訴訟法37条の2第5項の要件を満たす。 イ本件従前地(3)について本件従前地(3)は,公共用地に利用される事情等も存しないので,原位置換地の原則からすれば,▲▲▲街区●●画地に仮換地が指定されるべきである。そして,角地や間口の広さといった土地条件の照応からも原位置換地が妥当である。 また,横の照応を満たす上でも同画地に仮換地が指定されるべきである。 以上のとおり,原位置換地の原則等照応原則(土地区画整理法98条2項,89条1項)からすれば,本件従前地(3)の仮換地は,▲▲▲街区●●画地に指定されるべきであり,この原則に基づく運用を修正すべき理由が全く認められない本件事実関係の下では,「義務付けの訴えに係る処分につき,行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ」るので,行政事件訴訟法37条の2第5項の要件を満たす。 (被告C組合の主張)行政庁に対して一定の処分を義務付けるためには,「その処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められる」ことが必要であって(行政事件訴訟法37条の2第5項),当該請求が認められるためには行政庁のすべき められ又は行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められる」ことが必要であって(行政事件訴訟法37条の2第5項),当該請求が認められるためには行政庁のすべきことが一義的に確定する場合でなければならない。 しかるに,土地区画整理事業は,施行者が一定の限られた施行地区内の宅地につき,多数の権利者の利益状況を勘案しつつそれぞれの土地を配置していくものであり,また,仮換地の方法は多数あり得るから,具体的な仮換地指定処分を行うに当たっては,土地区画整理法89条1項所定の基準の枠内において,施行者の合目的的な見地からする裁量的判断にゆだねざるを得ない面があることは否定し難いところである。そして,仮換地指定処分は,指定された仮換地が,土地区画整理事業開始時における従前の宅地の状況と比較して,同項所定の照応の各要素を総合的に考慮してもなお,社会通念上不照応であるといわざるを得ない場合に右裁量的判断を誤った違法のものと判断すべきである。 そうすると,仮換地指定の変更の義務付けに係る請求は,行政庁のすべきことが一義的に確定するものとは認められないから,行政事件訴訟法37条の2第5項の要件を満たさないことが明らかである。 (5) 争点(5)について(原告らの主張)ア本件道路(1)~(3)について本件事業の施行地区を南北方向に走行する予定の幹線道路である区画道路▽▽-●号は,その南端で本件道路(1)~(3)に接続する地点からやや南東方向に不自然に屈曲している。このような本件道路(1)~(3)の屈曲は,「整理後の画地の側界線は,街区境界線に直角になるように定めるものとする。」と定めた本件規程11条に反する。 被告C組合が事業計画においてこのような屈曲した本件道路(1)~(3)を配置したのは,原告らの自宅敷地部分を一刀両 街区境界線に直角になるように定めるものとする。」と定めた本件規程11条に反する。 被告C組合が事業計画においてこのような屈曲した本件道路(1)~(3)を配置したのは,原告らの自宅敷地部分を一刀両断するとともに,Pが<地名略>に所有する自宅建物を温存し,同人がその敷地部分につき,そのまま現地換地できるように配慮したためである。 このような本件道路(1)~(3)の配置は,本件規程11条に反し,かつ,不合理な差別を行うものであるから,被告C組合の裁量権の濫用であるといわざるを得ない。 イ本件道路(4)について本件道路(4)は,□街区と▽街区を南北に区画する道路として敷設予定の道路である。土地区画整理法の目的である「健全な市街地の造成」(同法1条)の見地,あるいは「宅地の利用の増進を図る」(同法2条1項,定款4条)という土地区画整理事業の本質からすれば,当該道路については□街区及び▽街区の南北方向の利便性が重視されるべきである。そして,当該街区の南北方向からの交通の利便性を考慮すれば,本件道路(4)を区画道路■-○○号に直線的に接続させるべきであることは明らかである。具体的には,かかる区画道路の配置であれば,都市計画道路3・4・3瀬戸新居線に出ようとして,区画道路■-□□号,同■-△△号,同■-○○号を北進してきた自動車をそのまま直進させることができ,□街区●●画地の地点で迂回させる必要もなくなるのである。 また,本件道路(4)を区画道路■-○○号に直線的に接続すれば,□街区と▽街区の形状や面積が均等化し,「健全な市街地の造成」に資する。 したがって,本件道路(4)は区画道路■-○○号に直線的に接続させるべきであって,本件道路(4)の配置は著しく不合理であり,専ら原告Aの経営するアパートEの住民の駐車場用地を喪失させるという不法な目的の下に配 ,本件道路(4)は区画道路■-○○号に直線的に接続させるべきであって,本件道路(4)の配置は著しく不合理であり,専ら原告Aの経営するアパートEの住民の駐車場用地を喪失させるという不法な目的の下に配置したことが強く疑われるのであるから,被告C組合の裁量権の濫用であるといわざるを得ない。 ウ以上のとおり,被告C組合が本件事業計画において定めた本件道路(1)~(4)の位置は,裁量権の濫用として違法である。 (被告C組合の主張)ア本件道路(1)~(3)について現況を尊重することにより,原位置換地を図り,資金計画を圧迫する建築物等の移転費を抑制することができるため,本件道路(1)は,現況に近い位置に定められた。 一方,現況を尊重することにより,不整形な道路形態になり非効率的,非機能的となるときは,現況を尊重しない方が合理的であるため,本件道路(2),(3)は,現況とはずれた位置に定められた。 したがって,被告C組合が本件事業計画において定めた本件道路(1)~(3)の位置は適法である。 イ本件道路(4)について施行地区内の道路をそのまま地区周辺の主要道路に連ねると主要道路の交通を混乱させ,健全な市街地を阻害する。そこで,本件事業においてもその施行地区の北側の都市計画道路3・4・3(瀬戸新居線,幅員20m),南側の都市計画道路3・4・4(名古屋瀬戸線,幅員16m)に出る道路は制限されており,そうした配慮から本件道路(4)の位置が定められたものである。 原告らは,原告Aの経営するアパートEの住民の駐車場用地を喪失させるという不法な目的の下に配置したことが強く疑われる旨主張するが,同アパートの敷地(本件従前地(4))の仮換地は□街区▼画地に指定され,同画地はアパートの南に拡がっており,その部分を駐車場とすることが可能である。 したがって,被告C組合 強く疑われる旨主張するが,同アパートの敷地(本件従前地(4))の仮換地は□街区▼画地に指定され,同画地はアパートの南に拡がっており,その部分を駐車場とすることが可能である。 したがって,被告C組合が本件事業計画において定めた本件道路(4)の位置は適法である。 (6) 争点(6)について(原告らの主張)ア行政不服審査法の立法趣旨は,「行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し,国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによって,簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに,行政の適正な運営を確保すること」(行政不服審査法1条1項)にある。そうであれば,審査請求を受けた行政庁は可及的速やかに事案を検討し,同審査請求に係る処分の適法性,妥当性を検討し,裁決をする義務を負っていると解すべきである。 イ被告県は仮換地指定案件については,第三者である審査庁が裁決によってその適法性,妥当性を判断するより,土地区画整理事業の施行者と権利者の話合いによる解決が望ましいことから,話合いによって不服解消が期待できる場合には裁決を留保することがあり,本件もそれに該当すると主張する。たしかに,真実話合いによる解決が期待できる事案であれば,そのような処理にも合理性があるといえる。 しかしながら,話合いによる解決が望めるかどうかは,個別具体的に検討しなければ判断できないことは明らかであり,これを同一の土地区画整理事業であることをもって一律の判断を行うことは著しく不合理である。 本件の場合,原告らと被告C組合とは,計画段階から先鋭に対立してきており,特に,原告Aにおいては,機関誌を定期的に発行するなど本件事業に対する反対運動の陣頭指揮を行っていた中心的人物であることから,「話合いによる不服解消」が合理的に期待できる状況 鋭に対立してきており,特に,原告Aにおいては,機関誌を定期的に発行するなど本件事業に対する反対運動の陣頭指揮を行っていた中心的人物であることから,「話合いによる不服解消」が合理的に期待できる状況にないことは明白であった。実際,被告県は,「権利者との話合いを継続している旨の報告」を受けていた旨を主張する一方で,原告らと被告C組合との間の話合いの方向性や話合いの状況については,被告C組合から何らの報告も受けず,何らの調査もしていないのである。そして,現に「話合いによる不服解消も期待できない案件」が発生していることは被告県も自認するとおりである。 したがって,「話合いによる不服解消の重要性」に関する一般論を本件訴訟において強調することは相当でない。 ウ被告県は,平成20年7月3日,審査庁にて原告らの口頭意見陳述を実施している旨主張する。 しかしながら,例えば,原告Aの平成17年9月29日付け審査請求についていえば,被告県も認めるとおり,被告C組合から同年10月24日付け弁明書が提出されたのを承けて,原告らから同年12月30日付け反論書及び平成18年1月31日付け再反論書が提出されて以降,本訴提起(平成19年3月1日)に至るまでの約1年2か月の間,合理的根拠もなく,不服審理が中断されていたのである。したがって,本訴終結間際の平成20年7月3日になって(再反論書の提出日から約2年半も経過した後に),突如,原告らに対して,審査庁にて口頭意見陳述の機会を与えたからといって,単に本件訴訟対策の都合から審理の外観を作出したにすぎないことが強く疑われるのであって,何ら不作為の違法状態を解消させるに足りるものではない。 エ被告県は,愛知県における土地区画整理事業関係の不服審査の実情として,平成14~18年度に処理した案件の平均で,1件当たり1741日( て,何ら不作為の違法状態を解消させるに足りるものではない。 エ被告県は,愛知県における土地区画整理事業関係の不服審査の実情として,平成14~18年度に処理した案件の平均で,1件当たり1741日(約4年10か月)を要しており,その中で本件各審査請求と同じ仮換地指定処分に関するものについては,1件当たり1969日(約5年5か月)を要しているのが現状である旨主張するが,そのような「約5年5か月」の審理期間自体が異常に長く違法であり,平均審理が違法に長引けば,長引くほど「現状」又は実情としてしんしゃくされるべきだという論調自体不合理であって,不服審査に通常要する,合理的な審理期間は,あくまで規範的に評価されるべきである。 オしたがって,愛知県知事が本件各審査請求を受理してから3年間も裁決しない不作為は,原告らの簡易迅速な手続による権利利益の救済を受けるという権利を侵害し,また,裁決をする義務を著しく怠ったものというべきであり,愛知県知事の同不作為が違法であることは明らかである。 (被告県の主張)ア愛知県知事に対する審査請求は,その大部分が仮換地指定に関する案件であり(平成19年5月末日現在係属中の愛知県知事に対する審査請求は120件で,そのうち72%の86件が仮換地指定案件),施行者(処分庁)と権利者との話合いにより,互いの理解の深化あるいは施行者(処分庁)の職権による仮換地指定の変更などが実現して権利者の不服が解消されれば,第三者である審査庁が裁決により裁断するより,土地区画整理事業が円滑に進み,ひいては権利者全体の利益に資すると判断されるため,話合いによる不服解消が期待できる場合には審査を留保することがある。 イ被告C組合の仮換地指定処分に関する審査請求(平成17年7~9月に60件あり,うち1件は請求期間徒過により却下裁決がされた め,話合いによる不服解消が期待できる場合には審査を留保することがある。 イ被告C組合の仮換地指定処分に関する審査請求(平成17年7~9月に60件あり,うち1件は請求期間徒過により却下裁決がされた。)については処分,庁である被告C組合から,諸々の不服に関して話合いによる解消を目指し,審査請求をしていない権利者も含め,権利者との話合いを継続している旨の報告を受けており,こうした話合いの成果として,現に,平成18年6月に1件,平成19年4月に1件,同年9月に1件,平成20年7月に2件の審査請求が取り下げられており,こうした事実から判断して,今後も,本件事業に関連して現在継続している54件の審査請求案件のうち,案件によっては,話合いによる不服解消が期待できる状況である。 ウ本件事業に関する審査請求54件は,互いに関連のある案件も多く総合的な判断を要することから,個々の審査請求を別々に審理することは適当でなく,54件の裁決をすべて同時期とはいわないまでも,関連する複数の案件ごとに裁決をすることが望ましいものである。そして,具体的にどのような考え方でどの案件から審理を進めるかについては,土地区画整理事業の進捗状況(工事がどの地帯から進められるか等)や各権利者との話合いの状況を踏まえて判断すべきである。 本件事業について,事業の進捗状況を見ると,平成17年6月30日付けにて施行地区全域で一斉に仮換地指定が行われたものの,工事に支障がない従前地については慣例上そのまま使用収益することが許されており,平成20年度末時点では,本件事業に関連する約2800筆のうち,使用収益できない従前地は約268筆となる予定であり,本件従前地(1)~(4)を含むほとんどの従前地は従来どおり使用収益が可能である(なお,本件仮換地指定(4)は,本件従前地(4)に<地名略 のうち,使用収益できない従前地は約268筆となる予定であり,本件従前地(1)~(4)を含むほとんどの従前地は従来どおり使用収益が可能である(なお,本件仮換地指定(4)は,本件従前地(4)に<地名略>の各土地を含めた3筆の仮換地を□街区▼番に指定するものであるところ,これらの従前地のうち<地名略>は使用収益できない。)。 現実に使用収益ができなくなる従前地約268筆に係る審査請求15件(うち1件は本件仮換地指定(4)に係る審査請求である。)は,早期に裁決をすべき必要性が高いところ,現在被告C組合が審査請求人との話合いを継続している6件を除いた9件を,本件事業の仮換地指定に関する審査請求のうち早期に裁決をすべき案件と判断し,現在,一括して審理を進めているところである。なお,これら9件については,すべて被告C組合から審査庁に対し弁明書の提出がされ,それに対する審査請求人からの反論書も審査庁に提出されている。また,これら9件は,すべて口頭意見陳述の手続を必要としているところ,本件仮換地指定(4)に係る審査請求については,既に平成20年7月3日に口頭意見陳述を実施し,残りの8件についても今後順次実施していくという状況である。 一方,現実に使用収益ができなくなる従前地以外に係る審査請求39件についても順次審理を進めており,39件すべてについて被告C組合から審査庁に対し弁明書の提出がされ,それに対する審査請求人からの反論書も審査庁に提出されているところであるが,これらの中には前述したとおり互いに関連のある案件も多く,それらについては総合的な判断を要することから,概ね一括して審理を進めているところである。しかしながら,39件の中には,わずかながらも審査請求人の従前の土地と指定された仮換地がほぼ同じ位置で,他の権利者との関係や影響を考慮する必要性の少な ら,概ね一括して審理を進めているところである。しかしながら,39件の中には,わずかながらも審査請求人の従前の土地と指定された仮換地がほぼ同じ位置で,他の権利者との関係や影響を考慮する必要性の少ない案件(飛換地でないものを含む。)も存在し,その中から今後の話合いによる不服解消も期待できない案件が発生したことから,当該案件については平成20年11月20日に裁決している。 エ原告らの審査請求についての審理の状況について(ア) 原告Aが平成17年9月29日付けでした本件仮換地指定(1),(2)及び<地名略>の土地に係る仮換地指定処分についての審査請求については,同年10月11日付けで審査庁から被告C組合に審査請求書(副本)を送付し,弁明書の提出を求めた。その後,被告C組合から審査庁に同月24日付けで弁明書が提出され,審査庁は原告Aに対し,同年11月9日付けで弁明書(副本)を送付し,反論があれば書面で提出するよう求めた。その後,原告Aから同年12月30日付けで反論書の提出,原告ら連名で平成18年1月31日付けで再度反論書の提出がされた。 その後,平成20年7月3日に審査庁において原告Aの口頭意見陳述を実施した。 (イ) 原告Aが平成17年9月15日付けでした本件仮換地指定(4)についての審査請求については,同月27日付けで審査庁から被告C組合に審査請求書(副本)を送付し,弁明書の提出を求めた。その後,被告C組合から審査庁に同年10月24日付けで弁明書が提出され,審査庁は原告Aに対し,同年11月9日付けで弁明書(副本)を送付し,反論があれば書面で提出するよう求めた。その後,原告Aから同年12月30日付けで反論書の提出,原告ら連名で平成18年1月31日付けで再度反論書の提出がされた。その後,平成20年7月3日に審査庁において原告Aの口頭意見陳述を実 う求めた。その後,原告Aから同年12月30日付けで反論書の提出,原告ら連名で平成18年1月31日付けで再度反論書の提出がされた。その後,平成20年7月3日に審査庁において原告Aの口頭意見陳述を実施した。 (ウ) 原告Bが平成17年8月23日付けでした本件仮換地指定(3)についての審査請求については,同年9月8日付けで審査庁から被告C組合に審査請求書(副本)を送付し,弁明書の提出を求めた。その後,被告C組合から審査庁に同年11月30日付けで弁明書が提出され,審査庁は原告Bに対し,同年12月8日付けで弁明書(副本)を送付し,反論があれば書面で提出するよう求めた。その後,原告ら連名で平成18年1月31日付けで反論書の提出がされた。その後,平成20年7月3日に審査庁において口頭意見陳述を実施した。なお,この原告Bからされた審査請求に係る口頭意見陳述については,原告Bから原告Aを代理人とする委任状が提出され,原告Aが陳述した。 (エ) 本件各審査請求に関しては,上記のような審理状況であり,本件訴訟に関係する3件と訴訟に関係しない1件を含め計4件について,現在なお審理中である。 オ裁決をしないことが違法でないことについて以上のとおり,愛知県知事は本件事業に係る審査請求を漫然と放置して審理していないのではなく,限られた人員と時間の中で,必要性の高い順に審理を進めているところである。そして,基本的には請求が提起された日の順に審理を行っているところ,本件事業に係る54件の審査請求以外にも別の事業に係る45件の審査請求が,なお審理中となっており(平成20年10月末日現在),それらについての審理も同時に並行して進めている状況である。 ちなみに土地区画整理事業関係の愛知県知事に対する審査請求に関する処理(裁決及び取下げをいう。)には,平成14~18年度に処理 末日現在),それらについての審理も同時に並行して進めている状況である。 ちなみに土地区画整理事業関係の愛知県知事に対する審査請求に関する処理(裁決及び取下げをいう。)には,平成14~18年度に処理した案件の平均で,1件当たり1741日(約4年10か月)を要しており,その中で本件各審査請求と同じ仮換地指定処分に関するものについては,1件当たり1969日(約5年5か月)を要しているのが現状である。 本件各審査請求については,受理から約3年が経過しているが,本件各審査請求は,原告ら以外の他の権利者からの審査請求にも関連しており,裁決に当たっては総合的な判断を要することや,前述したとおり本件各審査請求については口頭意見陳述の手続まで実施済みであることを考慮すれば,不当に審理が遅延している状況にはないのである。 したがって,愛知県知事が現時点において本件各審査請求について裁決をしていないことが違法であるとはいえない。 第3当裁判所の判断 争点(1)について(1) 仮換地指定の変更の義務付けの訴えについて原告Aは本件仮換地指定(1)につき本件従前地(1)の仮換地を■■街区●画地から■■街区▲画地へ変更すべき旨を,原告Bは本件仮換地指定(3)につき本件従前地(3)の仮換地を●●●街区■画地から▲▲▲街区●●画地へ変更すべき旨を,それぞれ被告C組合に命ずることを行政事件訴訟法3条6項1号の非申請型の義務付けの訴えにより求めている。 ところで,非申請型の義務付けの訴えは,「行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされない」場合において,「一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり,かつ,その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り,提起することができる」ものであるところ(同法37条の2第1項),原告らは,被告C組 分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり,かつ,その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り,提起することができる」ものであるところ(同法37条の2第1項),原告らは,被告C組合が本件仮換地指定(1),(3)を上記のとおり変更しなければ重大な財産的な損害が生ずる旨主張した上,本件各審査請求に対する裁決が3年以上もされていないし,本件仮換地指定(1),(3)の取消請求が認容されたとしても,被告C組合が新たに不当・違法な仮換地指定処分をする可能性があるから,上記損害を避けるためには,義務付けの訴えのほかに適当な方法がない旨主張する。 しかしながら,原告らが,本件仮換地指定(1),(3)の取消訴訟において,照応原則に反する違法があると判断されてこれに勝訴すれば,被告C組合は,行政事件訴訟法33条1項により,判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断にわたって取消判決に拘束されることになり(最高裁昭和63年(行ツ)第10号平成4年4月28日第三小法廷判決・民集46巻4号245頁参照),その勝訴判決の後に改めてされる被告C組合の仮換地指定によって,原告らの実効的な救済が図られるものというべきであるから,「その損害を避けるため他に適当な方法がないとき」との要件を満たしているものとは認められない。 したがって,本件仮換地指定の変更の義務付けの各訴えは,行政事件訴訟法37条の2第1項の要件を欠く不適法なものといわざるを得ない。 (2) 区画道路の位置の定めの違法確認の訴えについてア土地区画整理組合により土地区画整理事業を施行する場合は,あらかじめ定款及び事業計画を定めた上で,その組合の設立について都道府県知事の認可を受けなければならないところ(土地区画整理法14条1項),その事業計画においては,施行地区(施行地区を工区に分 は,あらかじめ定款及び事業計画を定めた上で,その組合の設立について都道府県知事の認可を受けなければならないところ(土地区画整理法14条1項),その事業計画においては,施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては,施行地区及び工区),設計の概要,事業施行期間及び資金計画を定め(同法16条1項,6条1項),かつ,環境の整備改善を図り,交通の安全を確保し,災害の発生を防止し,その他健全な市街地を造成するために必要な公共施設及び宅地に関する計画が適正に定められていなければならない(同法16条1項,6条8項)。ここにいう公共施設とは,道路,公園,広場,河川等であるから(同法2条5項),道路の位置は事業計画において定められることとなる。そして,土地区画整理組合が事業計画を変更しようとする場合においては,その変更について都道府県知事の認可を受けなければならない(同法39条1項)。 したがって,土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業において,道路の位置等を定める事業計画は,都道府県知事による同組合の設立又はその後にされる事業計画の変更についての認可によって確定するものであるから,同事業計画が違法であるとしてこれを争う者は,当該都道府県知事の属する行政主体を被告として当該認可について取消訴訟等で争うべきである。 イ前記前提事実記載のとおり,被告C組合は,平成12年9月12日,本件事業計画を定めた上で,愛知県知事から土地区画整理法14条1項に基づく設立認可を受けたものであり,その後,第1回事業計画変更及び第2回事業計画変更について愛知県知事の認可がされたが,これらの変更によって本件道路(1)~(4)の位置は変更されていない。したがって,本件事業計画における本件道路(1)~(4)の位置は,愛知県知事が平成12年9月12日にした被告C組合の設立認可に が,これらの変更によって本件道路(1)~(4)の位置は変更されていない。したがって,本件事業計画における本件道路(1)~(4)の位置は,愛知県知事が平成12年9月12日にした被告C組合の設立認可によって確定したものであり,本件事業計画における本件道路(1)~(4)の位置の定めを争う者は,愛知県を被告として被告C組合の設立認可を争うべきであるところ,原告らは,同認可について取消訴訟を提起しておらず,現時点において既に出訴期間を徒過している。 ウ原告らは,被告C組合に対し,行政事件訴訟法4条の「公法上の法律関係に関する確認の訴え」として,本件事業計画における本件道路(1)~(4)の位置の定めが違法であることの確認を請求しているところ,「仮に,本件事業計画について被告C組合の設立認可に対する取消訴訟で争うことができるとしても,別途,同取消訴訟の出訴期間経過後,本件事業計画についての違法確認の訴えが提起できるものと解すべきであり,仮換地指定の段階で本件事業計画における区画道路の配置が違法である旨の確認を求めることによって,実効的な権利救済が図られるべきであるから,かかる訴えには確認の利益がある」と主張する。 しかしながら,上記のとおり,本件事業計画における本件道路(1)~(4)の位置の定めを争うには愛知県を被告として愛知県知事のした被告C組合の設立認可を争うべきであり,これによらなければ本件事業計画の公定力を排除することはできず,公法上の当事者訴訟によってその違法性を確認することは許されないものというべきである。なお,本件区画道路の位置の定めの違法確認の訴えを,原告らが本件事業計画の当然無効(上記愛知県知事の認可に重大かつ明白な瑕疵があれば取消訴訟によらなくても当然無効である。)を主張し,被告C組合との間で本件事業計画における本件道路(1) 認の訴えを,原告らが本件事業計画の当然無効(上記愛知県知事の認可に重大かつ明白な瑕疵があれば取消訴訟によらなくても当然無効である。)を主張し,被告C組合との間で本件事業計画における本件道路(1)~(4)の位置の定めが無効であることの確認を求めるものと解したとしても(もっとも,原告らは,本件事業計画における本件道路(1)~(4)の位置の定めについて重大かつ明白な瑕疵があると主張するものではない。),この確認判決に愛知県知事は拘束されないから(実質的当事者訴訟について,処分行政庁等に出訴の通知がされないことなどにもかんがみると,被告C組合との当事者訴訟における判決の効力の及ぶ関係行政庁《行政事件訴訟法41条1項,33条1項》には愛知県知事は含まれないものと解される。),被告C組合が本件事業計画と異なる仮換地指定をすることができるものではなく(愛知県知事は,本件事業について,被告C組合が本件事業計画に違反していると認めるときは,被告C組合に対し,被告C組合のした処分の取消し,変更等を命ずることができ,被告C組合がこの命令に従わない場合には,被告C組合の設立の認可を取り消すことができる。土地区画整理法125条3項,4項),原告らと被告C組合との間の法律上の紛争を抜本的に解決するものではないから,当該訴えは確認の利益がない不適法なものといわざるを得ない。 争点(2)について(1)ア土地区画整理法98条2項,89条1項は,仮換地指定をする場合においては,仮換地及び従前の宅地の位置,地積,土質,水利,利用状況,環境等が照応するように定めなければならない旨定めている。 もとより,各従前地と対応する各仮換地について,これらの各要素が個別的に照応していることが望ましいことはいうまでもないが,施行地区内のすべての宅地について上記の各要素が個別的に照 ない旨定めている。 もとより,各従前地と対応する各仮換地について,これらの各要素が個別的に照応していることが望ましいことはいうまでもないが,施行地区内のすべての宅地について上記の各要素が個別的に照応するように仮換地を指定することは技術的に不可能というべきであるから,仮換地指定処分は,指定された仮換地が従前地と比較して照応の各要素を総合的に考慮してもなお,社会通念上不照応であるといわざるを得ない場合に限り,これを違法と判断すべきである。したがって,各要素の照応の程度を総合的に検討した上で,従前地と著しく条件が異なっていると評価すべき場合とか,合理的な理由なく近隣の者に比べて著しく不利益な処分をしたような事情が認められる場合には,照応原則に反する違法な仮換地指定処分と判断すべきであるが,各要素について従前地との照応にある程度の相違があっても,それによって直ちに当該仮換地指定処分が違法になると解すべきものではない。 イまた,本件事業において換地設計の基準を定めた本件規程は,仮換地の指定についても準用されるものであるところ(2条),換地設計の方法について,「換地設計は,比例評価式換地計算方法によるものとする。ただし,これによりがたいものについては,この限りでない。」(6条1項),「前項において用いる画地の評価は,別に定める土地評価基準によるものとする。」(同条2項)と定め,換地の位置について,「整理後の画地の位置は,原位置付近において整理前の画地の位置に照応する位置に定める。ただし,この事業の施行により新たに造成される公共施設の影響その他特別の事情のある場合で原位置付近に定めることが困難であるものについては,整理前の画地の位置に照応する他の位置に定めることができるものとする。」(7条1項),「整理後の画地の位置は,道路に面する位置に定める。 ある場合で原位置付近に定めることが困難であるものについては,整理前の画地の位置に照応する他の位置に定めることができるものとする。」(7条1項),「整理後の画地の位置は,道路に面する位置に定める。ただし,特別の事情のある場合で,使用収益権者を同じくする画地と隣接する位置に定めるものについては,この限りではない。」(同条2項)と定めている。 ウ以下,上記アの観点及び上記イの本件規程の定めに照らし,本件仮換地指定(1)が照応原則に反するか否かを検討する。 (2) 縦の照応原則違反についてア本件従前地(1)と■■街区●画地の位置・環境について,証拠(丙3~5,7,11)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア) 本件従前地(1)は,別紙図面3の黄色の場所にあり,奥行34m,間口11mで,幅員約1mの道路(路線価659個/㎡)に面する土地である。その全体形状は,同道路に面する三角形の部分(分割地積28.00㎡)とほぼ長方形の部分(分割地積314.67㎡)とを併せた形状であり,名鉄瀬戸線の沿線領域に含まれる上記三角形の部分(分割地積28㎡)及びほぼ長方形の部分の北側部分(分割地積199.67㎡)と,同沿線領域外のほぼ長方形の部分の南側部分(分割地積115.00㎡)とから成る。 (イ) ■■街区●画地は,その原位置から約30m北方向へ移動した場所で(本件従前地(1)の中央付近に幅員6mの区画道路が計画されたため,原位置換地はできない。),奥行15m,間口10.5m,側方間口15.6mで,正面(東面)は幅員6mの道路(路線価1113個/㎡)に面し,側方(北面)は幅員6mの歩行者専用道路(路線価1086個/㎡)に面する角地である。なお,北面の幅員6mの歩行者専用道路の北側は名鉄瀬戸線の軌道敷地に接している。 ■■街区●画地の全体形状は,側 し,側方(北面)は幅員6mの歩行者専用道路(路線価1086個/㎡)に面する角地である。なお,北面の幅員6mの歩行者専用道路の北側は名鉄瀬戸線の軌道敷地に接している。 ■■街区●画地の全体形状は,側方路線に面する三角形の部分(分割地積26. 00㎡)と正面路線に面する長方形の部分(分割地積160.03㎡)を併せた台形であり,全部分が名鉄瀬戸線の沿線領域に含まれる。 ■■街区●画地の環境について見ると,排水施設が整備され,付近には公園(▲号公園)も新設され,地域一帯において適正な幅員の区画道路が新設され,街区が整然と区画されることとなる。 イ証拠(丙3~5,7,9)及び弁論の全趣旨によれば,本件仮換地指定(1)における■■街区●画地の地積が次のとおり算出されていることが認められる。 (ア) 本件従前地(1)の㎡当たり指数の算出aほぼ長方形の部分のうち,名鉄瀬戸線の沿線領域外の部分(分割地積115.00㎡)について路線価659個/㎡に奥行34mの奥行逓減割合(修正奥行百分率)0.916(本件基準17条1項,別表第4),奥行長大修正係数0.990(本件基準17条2項(2),別表第6)を乗じて得た修正路線価598個/㎡(小数点以下四捨五入)に,分割地積115.00㎡を乗じて,計算指数6万8770個を算出する。 b路線番号○○○の道路に面する三角形の部分(分割地積28.00㎡)について路線価659個/㎡に奥行34mの奥行逓減割合(修正奥行百分率)0.916,奥行長大修正係数0.990,三角部分修正係数0.950(本件基準17条2項(4)),鉄道沿線修正係数0.950(本件基準17条2項(14))を乗じて得た修正路線価539個/㎡(小数点以下四捨五入)に,分割地積28.00㎡を乗じて,計算指数1万5092個を算出する。 cほぼ長方形の部分のうち 係数0.950(本件基準17条2項(14))を乗じて得た修正路線価539個/㎡(小数点以下四捨五入)に,分割地積28.00㎡を乗じて,計算指数1万5092個を算出する。 cほぼ長方形の部分のうち,名鉄瀬戸線の沿線領域に含まれる部分(分割地積199.67㎡)について路線価659個/㎡に奥行34mの奥行逓減割合(修正奥行百分率)0.916,奥行長大修正係数0.990,鉄道沿線修正係数0.950を乗じて得た修正路線価568個/㎡(小数点以下四捨五入)を,分割地積199.67㎡に乗じて,計算指数11万3413個(小数点以下四捨五入)を算出する。 da~cで求めたそれぞれの計算指数の合計19万7275個を,基準地積342.67㎡(上記a~cの分割地積の合計)で除した576個/㎡(小数点以下四捨五入)が,本件従前地(1)の㎡当たり指数となる。 (イ) ■■街区●画地の㎡当たり指数の算出a三角形の部分(分割地積26.00㎡)について整理後の正面路線価1113個/㎡に,三角部分修正係数0.950,東向きの画地方向修正係数0.980(本件基準17条2項(11),別表第10),鉄道沿線修正係数0.950を乗じて得た㎡当たり正面評価984個/㎡(小数点以下四捨五入)に,分割地積26.00㎡を乗じて,評価指数2万5584個を算出する。 b長方形の部分(分割地積160.03㎡)について整理後の正面路線価1113個/㎡に,東向きの画地方向修正係数0.980,鉄道沿線修正係数0.950を乗じて得た㎡当たり正面評価1036個/㎡(小数点以下四捨五入)に,分割地積160.03㎡を乗じて,正面路線を基に計算した指数16万5791個(小数点以下四捨五入)を算出する。 側方路線価1086個/㎡に側方間口15.6m及び側方加算率0.350(正面路線間口が15m未満である .03㎡を乗じて,正面路線を基に計算した指数16万5791個(小数点以下四捨五入)を算出する。 側方路線価1086個/㎡に側方間口15.6m及び側方加算率0.350(正面路線間口が15m未満であることから,側方加算率0.500に1/15及び正面路線間口10.5mを乗じた値0.350《小数点以下第四位を四捨五入》。本件基準13条2項)を乗じて,側方加算指数5930個(小数点以下四捨五入)を算出する。 正面路線を基に計算した指数16万5791個に側方加算指数5930個を加えて,評価指数17万1721個を算出する。 c上記a及びbの各評価指数の合計は19万7305個となり,これを分割地積の合計地積186.03㎡で除した1061個/㎡(小数点以下四捨五入)が仮換地の㎡当たり指数となる。 (ウ) ■■街区●画地の地積の算出区画整理後の画地の地積は,Ai(整理前の画地の地積)×ai(整理前の画地の㎡当たり指数)×(1-d《一般宅地の平均減歩率》)×y(一般宅地の宅地利用増進率)÷ei(整理後の画地の㎡当たり指数)で算出されるところ(本件規程8条1項),本件各仮換地処分では,(1-d《一般宅地の平均減歩率》)×y(一般宅地の宅地利用増進率)の値が1.0003となるが,当該値は,仮換地指定後に発生する指定変更等や図面上で求積した仮換地地積と確定測量による地積の精度が上がることによって変動するため,小数点以下4桁目以降は切り捨てた値を採用し(丙9,弁論の全趣旨),186.03㎡(342.67㎡×576個/㎡×1÷1061個/㎡)と算出された。 ウ以上によれば,■■街区●画地は,本件従前地(1)の原位置から約30m北方向へ移動しているが,その主な原因は本件従前地(1)の中央付近に幅員6mの区画道路が横断したことにあり,原位置換地がされなかったことについ ,■■街区●画地は,本件従前地(1)の原位置から約30m北方向へ移動しているが,その主な原因は本件従前地(1)の中央付近に幅員6mの区画道路が横断したことにあり,原位置換地がされなかったことについて合理的な理由がある。また,区画整理によって,■■街区●画地付近の都市環境は,排水施設の整備,区画道路及び▲号公園の新設,整然とした街区の設定により,交通,防災,衛生の各点で良好となるものと認められる。 なお,本件従前地(1)は名鉄瀬戸線から約30m離れていたのに,■■街区●画地は名鉄瀬戸線に近接しているが,同画地と名鉄瀬戸線との間には幅員6mの歩行者専用道路が存在し,直接隣接するものではないし,仮換地の評価において,鉄道沿線修正係数(0.95)を乗じて,名鉄瀬戸線の沿線であることに伴う一定の不利益をしんしゃくしている。原告らは,名鉄瀬戸線の軌道カーブの外周に位置する土地は,走行中の列車とレールの金属摩擦により発生する鉄粉塵による被害が著しく,騒音・振動の被害も避けられない旨主張するが,原告Aは,被告C組合が設立される直前の平成12年4月19日,名鉄瀬戸線に直接隣接する<地名略>の土地上にアパートFを建築し,これを賃貸して賃料収入を得ており,こうした事実に照らせば,名鉄瀬戸線の沿線であることが直ちに居住環境を著しく悪化させるものとは認められないし,■■街区●画地は,名鉄瀬戸線と幅員6mの歩行者用道路を挟んで位置しているから,アパートFの名鉄瀬戸線による被害(鉄粉塵,騒音,振動等)よりも相当程度軽減されるものと考えられる。 したがって,本件従前地(1)の仮換地を■■街区●画地に指定したことが縦の照応原則に反するものと直ちに認めることはできない。 (3) 横の照応原則違反についてア証拠(甲29の1~3,30の1~3,丙11,証人Q,原告A本人)及 仮換地を■■街区●画地に指定したことが縦の照応原則に反するものと直ちに認めることはできない。 (3) 横の照応原則違反についてア証拠(甲29の1~3,30の1~3,丙11,証人Q,原告A本人)及び弁論の全趣旨によれば,本件従前地(1)が■■街区●画地に仮換地指定されるに至る経緯は,次のとおりであることが認められる。 (ア) 被告C組合は,平成16年10月ころまでに仮換地指定案を作成したが,この仮換地指定案では,本件従前地(1)は別紙「仮換地の割り込み原案■■街区」記載の■■街区△画地(地積184.98㎡)に指定され(以下,仮換地の割り込み原案における街区番号については,その冒頭に「原案」と付記する。),原案■■街区の北西角はN外1名に対する仮換地とされていた。 また,①O単独所有の<地名略>,O外3名所有の<地名略>(別紙図面3の茶色の土地)を,原案■■街区□~■画地に,②G所有の<地名略>を,原案●●●街区●画地に指定した。 本件従前地(1)を原案■■街区△画地に指定したのは,N外1名所有の<地名略>の土地が,西側で市道▼▼号線に直接面していたため,■■街区の北西角に仮換地するのが適当と考えられ,■■街区の東隣の●●●街区はその西側部分に▲号公園が位置しており,その付近に仮換地指定をすることができなかったため,本件仮換地指定(1)は,原位置より北側に移動した原案■■街区△画地に決定されたことによる。 (イ) OとGは,平成16年10月の仮換地の案の縦覧をした上,被告C組合に対し,原案■■街区5,■画地と原案●●●街区●画地とを入れ替えて欲しい旨の申出をし,被告C組合は,理事会等により検討した結果,第三者に影響を及ぼさない私人間の変更希望であるので,それを認めることとし,Oに対し●●●街区●画地を,Gに対し■■街区▲画地をそれぞれ仮換 旨の申出をし,被告C組合は,理事会等により検討した結果,第三者に影響を及ぼさない私人間の変更希望であるので,それを認めることとし,Oに対し●●●街区●画地を,Gに対し■■街区▲画地をそれぞれ仮換地指定することとした。 イ原告らは,Gの従前地に対する仮換地指定と原告Aの本件従前地(1)に対する仮換地指定は著しく公平性を欠き,横の照応原則に反する旨主張するところ,上記事実関係に照らせば,本件従前地(1)につき■■街区●画地に仮換地指定されたことは,N外1名の所有する<地名略>の土地等の従前地の位置関係,区画道路や▲号公園等の公共施設の位置関係等に照らして合理的な理由があり,一方,G所有の従前地が■■街区▲画地に仮換地指定されたのは,同従前地は原案●●●街区●画地に仮換地指定されていたものが,G及びOから仮換地を入れ替えてほしいという要望があり,これに従ったものであるから,これらの事実関係に照らせば,本件仮換地指定(1)が,Gの従前地に対する仮換地指定との比較において著しく公平性を欠き,横の照応原則に反するものということはできない。 (4) そのほか,本件各証拠に照らしても,本件仮換地指定(1)について,被告C組合の裁量権の濫用があるとか,公序良俗に反するものとは認められないから,本件仮換地指定(1)は適法であると認められる。 争点(3)について(1) 上記2(1)アの観点及び同イの本件規程の定めに照らし,本件仮換地指定(3)が照応原則に反するか否かを検討する。 (2) 縦の照応原則違反についてア本件従前地(3)と●●●街区■画地の位置・環境について,証拠(丙3,4,6,8,11)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア) 本件従前地(3)は,別紙図面4の赤色の場所にあり,原告A所有の<地名略>の各土地と共に3筆で一体と について,証拠(丙3,4,6,8,11)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア) 本件従前地(3)は,別紙図面4の赤色の場所にあり,原告A所有の<地名略>の各土地と共に3筆で一体として使用されており,これら3筆の土地を併せると,奥行27m,間口26.4mで,平均幅員約3.6mの道路(路線価745個/㎡)に面する。その全体形状は,ほぼ四角形であり,名鉄瀬戸線の沿線領域に含まれる本件従前地(3)の全部,<地名略>の土地及び<地名略>の土地の一部(分割地積595.00㎡)と,それ以外の部分(分割地積184㎡)とから成る。 (イ) ●●●街区■画地は,本件従前地(3)の西側の一部が幅員6mの区画道路の敷地として計画されたことから,その原位置から約30m西方向に移動した場所に位置し,奥行18m,間口約8mで,南面が幅員6mの道路(路線価1105個/㎡)に面する長方形の土地であり,全部分が名鉄瀬戸線の沿線領域に含まれる。 また,本件従前地(3)と同じように,原告Aの所有地と一体として利用できるように,●●●街区△~▲画地を隣接して仮換地指定しており,さらに,保留地(●●●街区▽画地)も隣接している。 ●●●街区■画地付近には,適正な幅員の区画道路のほか公園(▲号公園)が整備され,各街区も整然と区画されることとなり,また,隣接する原告Aに対する仮換地である●●●街区△~▲画地及び保留地(●●●街区▽画地)との共同利用が可能となっており,これらの各土地を共同利用に供した場合には,北面,東面,南面がいずれも幅員6mの区画道路に面することとなる。 イ証拠(丙3,4,6,8,9)及び弁論の全趣旨によれば,本件仮換地指定(3)における●●●街区■画地の地積が次のとおり算出されていることが認められる。 (ア) 本件従前地(3)の㎡当たり指数の算出 証拠(丙3,4,6,8,9)及び弁論の全趣旨によれば,本件仮換地指定(3)における●●●街区■画地の地積が次のとおり算出されていることが認められる。 (ア) 本件従前地(3)の㎡当たり指数の算出a名鉄瀬戸線の沿線領域外の部分路線価745個/㎡に奥行27mの奥行逓減割合(修正奥行百分率)0.950(本件基準17条1項,別表第4),建付地の宅地利用修正係数(300㎡超)1. 100(本件基準17条2項(12),別表第11)を乗じて得た修正路線価779個/㎡(小数点以下四捨五入)に,分割地積184.00㎡を乗じて,計算指数14万3336個を算出する。 b名鉄瀬戸線の沿線領域に含まれる部分路線価745個/㎡に奥行27mの奥行逓減割合(修正奥行百分率)0.950,建付地の宅地利用修正係数1.100,鉄道沿線修正係数0.950(本件基準17条2項(14))を乗じて得た修正路線価740個/㎡(小数点以下四捨五入)に,分割地積595.00㎡に乗じて,計算指数44万0300個を算出する。 ca,bで求めたそれぞれの計算指数の合計583,636個を,基準地積779.00㎡で除した749個/㎡(小数点以下四捨五入)が,本件従前地(3)の㎡当たり指数となる。 (イ) ●●●街区■画地の㎡当たり指数の算出整理後の正面路線価1105個/㎡に,鉄道沿線修正係数0.950を乗じて得た1050個/㎡(小数点以下四捨五入)が仮換地の㎡当たり指数となる。 (ウ) 整理後の画地の地積は,Ai(整理前の画地の地積)×ai(整理前の画地の㎡当たり指数)×(1-d《一般宅地の平均減歩率》)×y(一般宅地の宅地利用増進率)÷ei(整理後の画地の㎡当たり指数)で算出されるところ(本件規程8条1項),(1-d《一般宅地の平均減歩率》)×y(一般宅地の宅地利用増進率)の値は前記のとお 》)×y(一般宅地の宅地利用増進率)÷ei(整理後の画地の㎡当たり指数)で算出されるところ(本件規程8条1項),(1-d《一般宅地の平均減歩率》)×y(一般宅地の宅地利用増進率)の値は前記のとおり1として,148.02㎡(207.51㎡×749個/㎡×1÷1050個/㎡)と算出された(なお,本件従前地(3)の面積は,<地名略>の各土地を併せた実測面積が779㎡であることに照らし,207.51㎡であると見るのが相当である。)。 ウ以上によれば,●●●街区■画地は,本件従前地(3)の原位置から約30m西方向へ移動しているが,その主な原因は本件従前地(3)の西側の一部が幅員6mの区画道路の敷地として計画されたことにあり,原位置換地がされなかったことについて合理的な理由がある。また,区画整理によって,●●●街区■画地付近の都市環境は,区画道路及び▲号公園の新設,整然とした街区の設定により,交通,防災の各点で良好となるものと認められる上,隣接する原告Aに対する仮換地である●●●街区△~▲画地及び保留地(●●●街区▽画地)との共同利用が可能となっている。 また,●●●街区■画地も名鉄瀬戸線の沿線領域に含まれているが,本件従前地(3)も同沿線領域に含まれている上,仮換地の評価において,鉄道沿線修正係数(0.95)を乗じて,名鉄瀬戸線の沿線であることに伴う一定の不利益をしんしゃくしている。 したがって,本件従前地(3)について●●●街区■画地に仮換地指定したことが縦の照応原則に反するものと直ちに認めることはできない。 (3) 横の照応原則違反についてア証拠(甲27,29の1~3,30の1~3,31,33,34,丙11~14,証人Q,原告A本人)及び弁論の全趣旨によれば,本件従前地(3)が●●●街区■画地に仮換地指定されるに至る経緯は,次のとおりで 拠(甲27,29の1~3,30の1~3,31,33,34,丙11~14,証人Q,原告A本人)及び弁論の全趣旨によれば,本件従前地(3)が●●●街区■画地に仮換地指定されるに至る経緯は,次のとおりであることが認められる。 (ア) 被告C組合は,平成16年10月ころまでに仮換地指定案を作成したが,この仮換地指定案では,本件従前地(3)は別紙「仮換地の割り込み原案●●●街区」記載の原案●●●街区▲画地(地積147.04㎡)に指定され,本件従前地(3)及び原告A所有の<地名略>の土地の原位置に当たる▲▲▲街区の南西角(原案▲▲▲街区▼画地)は保留地とされていた。 Hの従前地の仮換地は,原案■■■街区■画地に指定されていた。 (イ) 被告C組合は,同年10月4日~同年11月12日の40日間,地権者名の記載はない仮換地図を縦覧に供し,仮換地の位置・地積・減歩率等を中心に個別説明会を実施したが,原告Bは上記縦覧に出席しなかったため,原告Bに対し平成17年1月7日付けで「仮換地の案の概要について(通知)」と題する書面を送付し,本件従前地(3)の仮換地の案を示すとともに,再縦覧の案内を通知した。 (ウ) 原告Bは,被告C組合に対し,同年2月4日付けの「仮換地先の変更是正および減歩に伴う付け保留地の請求について」と題する書面により,①原告Aはアパート経営のため約1億円の借金をしており,将来原告Aの債権者による差押え,競売申立て等がされる可能性があることや,原告Aとの夫婦関係がいつ破綻するか分からないことを考えると,原告Aに対する仮換地と離れた場所に仮換地指定してほしいこと,②▲▲▲街区の本件従前地(3)の原位置に相当する場所に仮換地指定してほしいこと,③仮換地指定に当たっては,原告Bの土地のみで家を建てることができるように,保留地と併せて本件従前地(3)の地 いこと,②▲▲▲街区の本件従前地(3)の原位置に相当する場所に仮換地指定してほしいこと,③仮換地指定に当たっては,原告Bの土地のみで家を建てることができるように,保留地と併せて本件従前地(3)の地積以上の敷地を確保したいことなどの希望を伝えた。 (エ) Hは,被告C組合に対し,平成16年11月5日受付の「意見書」により,■■■街区■画地では,現状の生活,業務が著しく悪化するため,他の地を指定してほしいこと,10坪前後の保留地を買い取りたいことなどの希望を伝えた。そのほかに複数の者が地積を増やすために保留地の買取りを希望したが,具体的な理由を示して▲▲▲街区の南西角を希望した者はいなかった。 (オ) 被告C組合は,理事会等により検討した上,原告Bの本件従前地(3)を●●●街区■画地(地積148.02㎡)に仮換地指定し,●●●街区▽画地の保留地(地積53.63㎡)と併せて,本件従前地(3)の登記簿地積(201.65㎡)を確保できるようにした。 また,被告C組合は,理事会等により検討した上,Hの従前地は,同人の生活,業務上の支障が生ずることに配慮して,▲▲▲街区●●画地(▲▲▲街区の南西角)に仮換地指定し,その北側の▲▲▲街区▲▲画地は保留地とされた。 (カ) Rが所有する<地名略>の土地(南西角地)は,■■■街区□画地に,Sが所有する<地名略>の土地(R所有の従前地の東隣)は,■■■街区▲画地に仮換地指定された。 イ原告らは,Hの従前地に対する仮換地指定と本件仮換地指定(3)は著しく公平性を欠き,横の照応原則に反する旨主張するところ,上記事実関係に照らせば,本件従前地(3)につき●●●街区■画地に仮換地指定されたことは,区画道路の位置関係や,原告A所有の従前地の位置関係やその利用状況(本件従前地(3)上には原告A所有の居宅があり,これに原告 らせば,本件従前地(3)につき●●●街区■画地に仮換地指定されたことは,区画道路の位置関係や,原告A所有の従前地の位置関係やその利用状況(本件従前地(3)上には原告A所有の居宅があり,これに原告らが共に居住し,原告A所有の<地名略>の各土地と共に3筆で一体として使用されていたこと)等に照らして合理的な理由がある。 一方,H所有の従前地が▲▲▲街区●●画地に仮換地指定されたのは,同人の生活,業務上の支障が生ずることに配慮したことによるものと認められ,加えて,原告Bのほかに具体的な理由を示して▲▲▲街区の南西角を希望した者がいなかったこと,本件従前地(3)について▲▲▲街区●●画地に仮換地指定することは原告A所有の従前地に対する仮換地と一体利用ができなくなることなどの事情に照らせば,本件仮換地指定(3)が,Hの従前地に対する仮換地指定との比較において著しく公平性を欠き,横の照応原則に反するものとは認められない。 なお,Rが所有する<地名略>の土地(南西角地),その東隣のSが所有する<地名略>の土地,更にその東隣のHの従前地が,順に■■■街区□画地,同▲画地,▲▲▲街区●●画地に仮換地指定されたことからすると,RやSが受けた仮換地指定との比較においてHの仮換地指定がやや優遇されている感は否定できないところであるが,そのことが,本件仮換地指定(3)の横の照応原則違反に直ちに結びつくものとはいえない。 (4) そのほか,本件各証拠に照らしても,本件仮換地指定(3)について,被告C組合の裁量権の濫用があるとか,公序良俗に反するものとは認められないから,本件仮換地指定(3)は適法であると認められる。 争点(6)について(1) 行政不服審査法の趣旨,目的が,「行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し,国民に対して広く行政庁に 件仮換地指定(3)は適法であると認められる。 争点(6)について(1) 行政不服審査法の趣旨,目的が,「行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し,国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによって,簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに,行政の適正な運営を確保すること」にあること(同法1条1項)からすれば,審査請求を受けた行政庁は,同審査請求に係る処分の適法性,妥当性を速やかに検討し,合理的な期間内に裁決をすべき義務を負っているものと解すべきである。そして,この合理的な期間は,その処分をするために通常必要とする期間を基準として判断し,通常の所要期間を経過した場合には,同期間を経過したことを正当とするような特段の事情がある場合を除き,原則として裁決行政庁の不作為は違法となるものと解すべきである。 (2) 本件において,原告Bは平成17年8月23日付けで,原告Aは同年9月15日付け及び同月29日付けで,愛知県知事に対し本件各仮換地指定につき本件各審査請求をしたにもかかわらず,愛知県知事は,3年以上が経過した現時点においても本件各審査請求に対し裁決をしていないというのであるから,少なくとも現時点においては,裁決をするために通常必要とする期間を経過しているものというべきである。 ところで,被告県は,①本件事業の仮換地指定処分に係る審査請求は現在54件係属しており,互いに関連のある案件も多く総合的な判断を要するため,関連する複数の案件ごとに裁決することが望ましく,工事の進捗状況や各権利者との話合いの状況を踏まえて,どの案件から審理を進めるかを判断すべきであること,②本件事業に係る審査請求のうち,工事の施行地域に含まれて従前地を使用収益できない15件のうち,話合いを継続している6件を除いた9 の状況を踏まえて,どの案件から審理を進めるかを判断すべきであること,②本件事業に係る審査請求のうち,工事の施行地域に含まれて従前地を使用収益できない15件のうち,話合いを継続している6件を除いた9件を早期に裁決すべき案件と判断して,現在,一括して審理を進めていること(本件仮換地指定(4)に係る審査請求についても,平成20年7月3日に口頭意見陳述を実施している。),③上記②の案件を除いた39件について,おおむね一括して審理を進めており,そのうち,他の権利者との関係や影響を考慮する必要性の少ない案件で,今後の話合いによる不服解消も期待できないものについて,平成20年11月20日に裁決したこと,④土地区画整理事業関係の愛知県知事に対する審査請求に関する処理(裁決及び取下げをいう。)には,平成14~18年度に処理した案件の平均で,1件当たり1741日(約4年10か月)を要し,このうち仮換地指定処分に関するものについては1件当たり1969日(約5年5か月)を要していることなどを主張する。 しかしながら,原告らと被告C組合の間の紛争の経過等に照らすと,本件仮換地指定(1)~(4)に係る紛争については話合いによる解決が容易に見込まれる状況にはなかったものと考えられるから,被告県の主張する①本件事業の仮換地指定処分について多数の審査請求が係属していること,②関連する複数の案件ごとに裁決すべきであること,③従前地を使用収益できない案件を優先させることが望ましいことなどの事情を考慮しても,これらの事情が審査請求の受理から3年以上も裁決しないことが許されるとする特段の事情に当たるものとは認め難い。また,被告県の主張する愛知県における同種事案の平均審理期間(土地区画整理事業関係全体で約4年10か月,仮換地指定処分について約5年5か月)は,簡易迅速な手続による国 の事情に当たるものとは認め難い。また,被告県の主張する愛知県における同種事案の平均審理期間(土地区画整理事業関係全体で約4年10か月,仮換地指定処分について約5年5か月)は,簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに行政の適正な運営を確保するという行政不服審査法の趣旨,目的に照らして,審理期間として合理的なものとは到底いうことができない。 なお,被告県が主張する本件各審査請求についての審理の状況を見ても,原告ら連名で平成18年1月31日付けの再度反論書の提出がされてから,平成20年7月3日に原告らに対する口頭意見陳述を実施するまで,具体的な審理が何らされていないというのであって,この点について,合理的な理由も見当たらない。 したがって,愛知県知事が本件各審査請求に対する裁決をしない不作為は違法といわざるを得ない。 第4 結論 以上によれば,その余の争点について判断するまでもなく,本件仮換地指定の変更の義務付けの各訴え及び本件区画道路の位置の定めの違法確認の各訴えは,いずれも不適法であるからこれらを却下し,愛知県知事が本件各審査請求に対して裁決をしない不作為についての違法確認の請求は,いずれも理由があるからこれらを認容し,原告らのその余の請求は,いずれも理由がないからこれらを棄却することとして,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部松並重雄裁判長裁判官前田郁勝裁判官達人裁判官廣瀨〔別紙・別表の添付省略〕

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る