主文 1 被告が,原告に対し,平成15年4月28日付けでした行政文書一部不開示決定(ただし,平成16年2月24日付け裁決によって変更された後のもの。)のうち,別紙2不開示情報目録2(3)記載の部分を開示しないとした部分を取り消す。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,これを5分し,その2を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求被告が,原告に対し,平成15年4月28日付けでした行政文書一部不開示決定(ただし,平成16年2月24日付け裁決によって変更された後のもの。)のうち不開示とした部分を取り消す。 第2 事案の概要 1 本件は,原告が被告に対し,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成15年法律第61号による改正前のもの。以下「情報公開法」という。)に基づき,平成14年4月1日から同月4日までの間に大阪労働基準監督署長に対して届出がされた,労働基準法(以下「労基法」という。)36条1項に基づく届出(同項所定の時間外及び休日の労働についての使用者と労働者の代表者との協定書写し等の添付書類を含む。)の開示を請求したところ,被告が,別紙2不開示情報目録記載の各情報(以下「本件不開示情報」という。)は,いずれも情報公開法5条所定の不開示情報に該当するとして,これらの情報に係る記載を除いた部分についてのみ開示する旨の決定をしたため,原告が,上記一部不開示決定(ただし,3(3)アの裁決により別紙3記載の部分を開示する旨の変更がされた後のもの。)は違法であるとして,その取消しを求めている抗告訴訟である。 2 法令の定め(1) 情報公開法情報公開法は,何人も,同法の定めるところにより,行政機関の長に対し,当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができるものと定め(3条),開示請求をするには,行 の定め(1) 情報公開法情報公開法は,何人も,同法の定めるところにより,行政機関の長に対し,当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができるものと定め(3条),開示請求をするには,行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項(以下「文書名」という。)を記載した書面を行政機関の長に提出するものとしている(4条)。 行政機関の長は,上記の開示請求があったときは,開示請求に係る行政文書に5条各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き,開示請求者に対し,当該行政文書を開示しなければならないものとされている(5条柱書)。 同条が定める不開示情報で,本件に関するものは,以下のとおりである。 ① 1号個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし,次に掲げる情報を除く。 イ法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報ロ人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報② 2号法人その他の団体(国,独立行政法人等,地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,次に掲げるもの。ただし,人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報を除く。 イ公にすることにより,当該法人等又は当該個人 人の当該事業に関する情報であって,次に掲げるもの。ただし,人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報を除く。 イ公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの③ 4号公にすることにより,犯罪の予防,鎮圧又は捜査,公訴の維持,刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報④ 6号国の機関,独立行政法人等,地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものイ監査,検査,取締り又は試験に係る事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれロ契約,交渉又は争訟に係る事務に関し,国,独立行政法人等,地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれハ調査研究に係る事務に関し,その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれニ人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれホ国若しくは地方公共団体が経営する企業,独立行政法人等又は地方独立行政法人に係る事業に関し,その企業経営上の正当な利益を害するおそれなお,行政機関の長は,開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において,不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは,開示請求者に対し,当該部分を除いた部分につき開示しなければならないが(6条1項本文),当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されてい 情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは,開示請求者に対し,当該部分を除いた部分につき開示しなければならないが(6条1項本文),当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは,この限りではないとされている(同項ただし書)。 さらに,行政機関の長は,開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されている場合であっても,公益上特に必要があると認めるときは,開示請求者に対し,当該行政文書を開示することができるものとされている(7条。なお,以下では,情報公開法5条1号本文前段に当たる情報を「個人識別情報」と,同号ただし書イに当たる情報を「公領域情報」と,同号ただし書ロ又は同条2号ただし書に当たる情報を「生命等保護情報」と,同号本文に規定する法人等と事業を営む個人とを合わせて「事業者」と,法人等に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報を「事業者情報」と,同号イに当たる情報を「利益侵害情報」と,それぞれ呼称することがある。)。 (2) 労基法等ア労基法32条は,使用者は1週間について40時間を超え又は1日について8時間を超えて労働者を労働させてはならない旨定めており,同法35条は,使用者は労働者に対し毎週少なくとも1回の休日又は4週間を通じ4日以上の休日を与えなければならない旨定めている。 イ同法36条1項は,使用者が,当該事業場に,労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合,そのような労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者(以下,これらを合わせて「過半数代表者」という。)と書面による協定(以下「36協定」という。)をし,これを行政官庁に届け出た場合においては,その協定で定めるところによって,労働時間を延長し,又は休日に労働させることができると定めている。 ウ 。)と書面による協定(以下「36協定」という。)をし,これを行政官庁に届け出た場合においては,その協定で定めるところによって,労働時間を延長し,又は休日に労働させることができると定めている。 ウ労働基準法施行規則(以下「労基法規則」という。)16条1項は,36協定を締結する場合には,時間外又は休日の労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者の数並びに1日及び1日を超える一定の期間についての延長することができる時間(以下「延長時間」という。)又は労働させることができる休日について,協定しなければならないと定めている。 また,同規則6条の2第1項は,過半数代表者は,労基法41条2号に規定する監督又は管理の地位にある者でなく,36協定をする者を選出することを明らかにして実施される投票,挙手等の方法による手続により選出された者でなければならない旨定めている。 エ労基法36条2項は,厚生労働大臣が36協定で定める労働時間の延長の限度等について基準を定めることができることを定め,これ基づいて,「労働基準法第36条第2項の規定に基づき労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準を定める告示」(平成10年12月28日労働省告示第154号。以下「限度基準告示」という。)が定められている(乙2)。 そして,同条3項は,36協定の締結当事者は当該協定の内容が限度基準告示に適合したものとなるようにしなければならないことを定めており,同条4項は,行政官庁は必要な助言及び指導を行うことができると定めている。 限度基準告示は,36協定について,要旨次のとおり定めている。 (ア) 労働時間延長を必要とする業務の種類について定めるに当たり,業務の区分を細分化することにより,当該必要のある業務の範囲を明確にすること(1条)。 (イ) 延 ついて,要旨次のとおり定めている。 (ア) 労働時間延長を必要とする業務の種類について定めるに当たり,業務の区分を細分化することにより,当該必要のある業務の範囲を明確にすること(1条)。 (イ) 延長時間を定める一定期間は,1日を超え3か月以内の期間及び1年間とすること(2条)。 (ウ) 延長時間は,同告示別表第1,第2に期間別に定められた一定の限度時間以内とすること(3条,4条)。 なお,例えば,別表第1においては,1年間の限度時間は360時間と定められている。 (エ) 特別の定めをする場合は,(ウ)の各規定を適用しないこと(3条ただし書,4条2項)。 上記特別の定めは,あらかじめ,一定期間についての(ウ)の限度時間以内の延長時間を定め,かつ,限度時間を超えて延長しなければならない特別の事情が生じたときに限り,一定期間ごとに,労使当事者間において定める手続を経て,限度時間を超える一定の時間まで延長することができる旨を定めるものとされている。 (オ) 一部の事業又は業務に係る36協定については,(ウ)の一部又は全部を適用しないこと(5条)。具体的には,「工作物の建設等の事業」,「自動車の運転の業務」,「新技術,新商品等の研究開発の業務」について,同告示3条及び4条を適用しないこと,また,「季節的要因等により事業活動若しくは業務量の変動が著しい事業若しくは業務又は公益上の必要により集中的な作業が必要とされる業務として厚生労働省労働基準局長が指定するもの」について,同告示3条及び4条のうち同局長が指定する範囲に限り適用しないこと。 そして,上記適用除外業務のうち,自動車の運転の業務については,厚生労働大臣告示として,「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(乙3。以下「改善基準」という。)が定められている。 オ労基法106条1項は,使用者が36協 ち,自動車の運転の業務については,厚生労働大臣告示として,「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(乙3。以下「改善基準」という。)が定められている。 オ労基法106条1項は,使用者が36協定を常時各作業場の見やすい場所へ掲示する等の法定の方法により労働者に周知させなければならないとしている。 3 前提事実(争いがない事実及び証拠〔書証番号は特記なき限り枝番を含む。以下同じ。〕により容易に認定できる事実)(1) 被告被告は,国家行政組織法9条,厚生労働省設置法17条,厚生労働省組織令156条により設置された厚生労働省の地方支分部局であり,労働契約,賃金の支払,最低賃金,労働時間,休息,災害補償その他の労働条件に関すること(厚生労働省設置法4条1項41号)を含む厚生労働省の所掌事務を分掌する(同法21条1項)都道府県労働局のうち,厚生労働省組織令別表によって大阪府を管轄するものとして設置されている大阪労働局の長である。 (2) 開示請求及び一部不開示決定ア原告は,平成15年2月25日,被告(なお,都道府県労働局長は,情報公開法2条1項3号により同法における「行政機関」とされる厚生労働省の長である厚生労働大臣から,同法17条,行政機関の保有する情報の公開に関する法律施行令15条,平成13年厚生労働省告示第87号に基づいて,厚生労働省の保有する行政文書の開示に係る権限又は事務のうち都道府県労働局の所掌に係るものについての委任を受けている。)に対し,情報公開法4条1項に基づき,文書名を「大阪中央労働基準監督署長に対し,事業主より労働基準法36条に基づき届け出がなされた協定書の全て(特別条項分も含む。労使協定書でなされているときは添付された協定書も含む。)」とする行政文書開示請求をし,同年3月4日,同開示請求について,文書名を「大阪中央労 に基づき届け出がなされた協定書の全て(特別条項分も含む。労使協定書でなされているときは添付された協定書も含む。)」とする行政文書開示請求をし,同年3月4日,同開示請求について,文書名を「大阪中央労働基準監督署長に対し,平成14年度に届け出られた労働基準法第36条第1項に基づく届出(ただし平成14年末までに届出があったもの。協定書写し等の添付書類を含む。)」と補正し,同月25日,文書名を「大阪中央労働基準監督署長に対し,平成14年4月1日から同年4月4日までに届け出られた労働基準法第36条第1項に基づく届出(協定書写し等の添付書類を含む)。」と変更する旨の行政文書開示請求変更申立書を提出した(以下「本件開示請求」という。乙1の1ないし1の3)。 イ被告は,本件開示請求に係る行政文書(以下「本件文書」という。)として,平成14年4月1日から同月4日までに大阪中央労働基準監督署が収受した36協定についての協定届(以下「協定届」という。)又は更新届(合計609件)及びこれらに添付された協定書(以下「協定書」という。)の写しその他の文書を保有していた。 本件文書には,民間企業のほか,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律2条に規定する独立行政法人等に含まれる特殊法人が営む事業場についてのものが1法人,2事業場分含まれていた(甲12,乙11,13)。 このうち協定届は,厚生労働省が定める様式(労基法規則様式第9号。同規則17条1項。以下「本件様式」という。)を用いて作成されるが,一部は協定書の写し自体を別紙として添付し,これを引用したものもある。本件様式を用いた協定届には,事業の種類,事業の名称,事業の所在地,電話番号,時間外労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数,所定労働時間,延長することができる時間,期間,休日労働をさせる必要 を用いた協定届には,事業の種類,事業の名称,事業の所在地,電話番号,時間外労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数,所定労働時間,延長することができる時間,期間,休日労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数,所定休日,労働させることができる休日並びに始業及び終業の時刻,期間,過半数代表者及び同代理人の氏名・職名及び当該氏名及び職名の印影,使用者氏名・職名及び当該氏名又は職名の印影,法人及び労働組合の印影,協定届を受理した労働基準監督署の名称及び受付印,協定届を作成した社会保険労務士の氏名及び同人の印影,協定届の表題及び様式等の情報が記載されている(甲1,12,乙11,13)。 また,更新届には,任意の様式で,上記の各情報のうち,事業の種類,事業の名称,事業の所在地,過半数代表者の氏名・職名及び当該氏名又は職名の印影,使用者氏名・職名及び当該氏名又は職名の印影,法人及び労働組合の印影,協定届を受理した労働基準監督署の名称及び受付印等の情報が記載されている(乙11,13)。 ウ被告は,本件開示請求について,① 別紙2不開示情報目録1記載の各情報(以下「本件不開示情報1」という。)は,個人識別情報であって情報公開法5条1号に該当すること,② 同目録2記載の各情報(以下「本件不開示情報2」という。)は,公にすることにより当該行政文書がいずれの事業者の事業についてのものであるかが特定できる情報であり,当該事業において法定労働時間を超えて実施する業務や人員等に関する情報が公となることから利益侵害情報に当たり,同条2号イに該当し,③ そのため,これらの情報を含めて本件文書を公にする場合,労基法36条による協定を行政庁に届け出る制度そのものの信頼を損ない,国の行う事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあって,情報公開法5条6号に そのため,これらの情報を含めて本件文書を公にする場合,労基法36条による協定を行政庁に届け出る制度そのものの信頼を損ない,国の行う事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあって,情報公開法5条6号に該当すること,④ 印影は,公にすることにより,偽造され,犯罪の予防に支障を及ぼすおそれがあり同条4号に該当することを理由として,これらの情報を除いた部分を開示する旨の決定(以下「本件一部不開示決定」という。)をし,原告に対し,平成15年4月28日付け行政文書開示決定通知書(大開第14-29号)により,その旨通知した(甲4)。 (3) 審査請求及び本訴の提起ア原告は,平成15年6月10日,本件一部不開示決定につき不服があるとして不開示部分の取消しを求め,厚生労働大臣に対して審査請求(以下「本件審査請求」という。)をし,同月11日に受理された。 厚生労働大臣は,同年9月4日,情報公開法18条1項に基づき,本件審査請求を情報公開審査会に諮問した。情報公開審査会は,同年12月3日,同法27条1項に基づき,本件文書の見分を行うとともに,審議を行い,平成16年1月21日にも審議を行った結果,同月23日,厚生労働大臣に対して一部変更の答申をした(乙11)。厚生労働大臣は,平成16年2月24日付け厚生労働省発基第0224001号裁決書により本件一部不開示決定を変更する旨の裁決(以下「本件裁決」という。)をし,別紙3記載の部分を開示すべきものとしたため(乙13),被告は,平成16年3月9日付け行政文書開示決定変更通知書(大開第14-29号)によって,同部分を開示した(乙14)。 イ原告は,本件裁決に先立つ平成15年7月24日,本件一部不開示決定の不開示部分の取消しを求めて,本訴を提起したが,本件裁決及び上記開示を受けて,別紙3記載の部分に対応する請求に係る訴えを取り )。 イ原告は,本件裁決に先立つ平成15年7月24日,本件一部不開示決定の不開示部分の取消しを求めて,本訴を提起したが,本件裁決及び上記開示を受けて,別紙3記載の部分に対応する請求に係る訴えを取り下げた。 (4) 本件文書の内容本件文書に含まれる36協定の届出には,延長時間として年間1000時間を超える時間を記載したものが存在する。 (5) 疾患の業務起因性に関する認定基準厚生労働省は,平成13年12月12日,「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」(以下「認定基準」という。)を改正し,長時間の過重業務が脳血管疾患及び虚血性心疾患と関連性があることを新たに認め,これらの疾病が発症する前に長期間にわたって著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労した場合には,業務による明らかな過重負担を受けたことにより発症したものとして,業務上の疾病として取り扱われ,労働者災害補償の対象となるものとしている。そして,同基準は,長期間の過重業務の認定に関しては,発症前おおむね6か月間を評価期間とし,著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したと認められるか否かは,業務量,業務内容,作業環境等具体的な付加要因を考慮し,同僚等にとっても,特に過重な身体的,精神的負荷と認められるか否かという観点から,客観的かつ総合的に判断するものとし,業務の過重性の具体的な評価に当たっては,疲労の蓄積の観点から,労働時間のほか,①不規則な勤務,② 拘束時間の長い勤務,③ 出張の多い勤務,④ 交替制勤務・深夜勤務,⑤ 作業環境,⑥ 精神的緊張を伴う業務の付加要因について十分検討するものとしている。また,厚生労働省は,労働時間が長いほど業務の過重性が増すとして,発症前1か月間におおむね100時間,又は発症前2ないし6か月間にわたって1か を伴う業務の付加要因について十分検討するものとしている。また,厚生労働省は,労働時間が長いほど業務の過重性が増すとして,発症前1か月間におおむね100時間,又は発症前2ないし6か月間にわたって1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は,業務と発症の関連性が強いと評価できることを目安として,業務の過重性を判断するものとしている(乙4)。 厚生労働省は,上記改正の内容をリーフレットにして頒布し,周知を図っている(甲2)。 4 争点及び当事者の主張本件の争点は,本件不開示情報が情報公開法5条1号,2号,4号又は6号の不開示情報に該当するか否か,及び,同法7条により同情報を裁量的に開示しないことが被告の裁量権の逸脱又は濫用に当たるか否かである。 (1) 過半数代表者の氏名が情報公開法5条1号ただし書に該当するか〔争点1〕本件不開示情報1が情報公開法5条1号本文の個人識別情報に当たることについては当事者間に争いがなく,争点は,本件不開示情報1のうち過半数代表者の氏名が同号ただし書イ及びロの定める各不開示情報の除外事由に該当するか否かに存する。 [原告の主張]ア情報公開法5条1号ただし書イ該当性本件不開示情報1のうち,使用者との間で36協定を締結した過半数代表者は,当該事業場の労働者の代表者であるから,当該事業場のすべての労働者は,その氏名を知っているはずであり,また,36協定は労働者に周知しなければならないから,全労働者は自分たちの代表として当該36協定を締結した者が誰であるのかをいつでも知り得る状態にある(労基法106条)。そして,当該事業場の労働者は,締結者の氏名を含む36協定の全内容について守秘義務を負っているものではないから,締結者の氏名は,公にすることが予定されている情報に当たるというべきである。 さらに,過 して,当該事業場の労働者は,締結者の氏名を含む36協定の全内容について守秘義務を負っているものではないから,締結者の氏名は,公にすることが予定されている情報に当たるというべきである。 さらに,過半数代表者のうち,少なくとも労働組合(法人登記されていないもの。以下同じ。法人登記されている労働組合の代表者の氏名が公領域情報に当たることには争いがない。)の代表者の氏名は,労働組合が,労働者の地位や労働条件の向上のために様々な運動・活動を行う存在であり,広く広報活動を行う存在であることから「公にされ,又は公にされることが予定されている情報」に当たるというべきである。 イ情報公開法5条1号ただし書ロ該当性36協定は,時間外労働や休日出勤について過半数代表者と使用者との間で締結する協定であり,1日8時間・1週間40時間労働の原則の例外を厳格な要件の下で認めるものであって,その趣旨は,過度な長時間労働を抑制することにある。しかし,現実には,年間1000時間を超える超過勤務を認める36協定が存在するなど,反対に,長時間労働を許容し可能にするものと化している。この点,厚生労働省は,前記3(5)記載のとおり,月100時間を超える時間外・休日労働又は発症前2ないし6か月間に1か月当たり80時間を超える時間外・休日労働がされたときは業務と過労死発症との関連性が強いとしているのであり,年間1000時間を超えるような36協定によって,多くの労働者がその意思に反して長時間労働,休日出勤を強いられている結果,心身の健康を害する事態が発生している疑いが強いのであるから,36協定の締結行為は,全労働者の生命の安全,健康に関わる重要な事柄であるというべきである。 かかる多数の労働者の生命,生活にかかわる重要な約束事である36協定を使用者との間で締結した者は,全労働者の生命, 締結行為は,全労働者の生命の安全,健康に関わる重要な事柄であるというべきである。 かかる多数の労働者の生命,生活にかかわる重要な約束事である36協定を使用者との間で締結した者は,全労働者の生命,健康等の安全に関して,36協定の内容につき責任を負っている。このような重大な責任を負っている過半数代表者の判断が安易にされているようなことがあれば,それを市民の目によって適切に批判していく必要がある。過半数代表者は,自己の氏名と協定の内容が明らかになれば,これまでよりも慎重な判断をすることが期待できる。その結果,不要・不当な36協定が次第に排斥されていくと考えられ,それがもたらしていた過当な長時間労働が減少し,労働者の生命・健康の保護につながる。 よって,36協定締結者である過半数代表者の氏名は,「人の生命,健康,生活又は財産を保護するため公にすることが必要であると認められる情報」に当たるといえるから,公開されるべきである。 [被告の主張]ア情報公開法5条1号ただし書イ非該当性情報公開法5条1号ただし書イにいう「法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」とは,現在,何人も知り得る状態に置かれていること,又は,将来,何人も知り得る状態に置くことが予定されている情報のことを意味する。 しかるに,原告は,過半数代表者の氏名,中でも労働組合の代表者の氏名が同号ただし書イに当たるから開示されるべきものと主張しており,その根拠として,労働組合は様々な活動をし得る団体として存在するのであり,その代表者の氏名は,他の労働組合や関連団体に知られるのは当然として,必然的に多くの人に知られることが予定されていると主張する。しかし,原告のいう「多くの人」の内容自体全く明らかでない上,単に「多くの人」に知られることが予定されているだけ 体に知られるのは当然として,必然的に多くの人に知られることが予定されていると主張する。しかし,原告のいう「多くの人」の内容自体全く明らかでない上,単に「多くの人」に知られることが予定されているだけでは,何人も知り得る状態に置くことが予定されているとはいえない。また,すべての労働組合がその代表者を広く公開して広報活動を行っているとは限らないし,そのような慣行も存在しない。さらに,その余の過半数代表者についても,その氏名が公開されているとはいえないから,結局,過半数代表者の氏名が同号ただし書イに該当するとはいえない。 イ情報公開法5条1号ただし書ロ非該当性原告は,長時間の時間外・休日労働を定めた36協定の存在が過労死・過労自殺を生み出しており,このような協定届を公開すれば過労死・過労自殺が減少する旨主張し,本件不開示情報1を含む本件文書が,「人の生命,健康,生活又は財産を保護するため公にすることが必要であると認められる情報」に当たると主張する。しかし,このような主張は実証的根拠を欠く全くの観念論というほかない。 また,その点をおくとしても,使用者は,労働契約の締結に際し,労働者に対して「労働時間その他の労働条件」を示さなければならないから,労働者は,当該事業場における時間外・休日労働の内容について知ることができるのであり(労基法15条1項,労基法規則5条2項・1項2号,3項),さらに,労基法106条1項は,使用者が36協定を常時各作業場の見やすい場所へ掲示する等の法定の方法により労働者に周知させなければならないことを定めているのであるから,労働者の生命等の保護のために協定届を一般的に公開しなければならないとすることにはならない。 (2) 本件不開示情報2が情報公開法5条2号の不開示情報に該当するか〔争点2〕本件不開示情報2が情報公開法5条2 命等の保護のために協定届を一般的に公開しなければならないとすることにはならない。 (2) 本件不開示情報2が情報公開法5条2号の不開示情報に該当するか〔争点2〕本件不開示情報2が情報公開法5条2号本文にいう事業者情報に該当することは当事者間に争いがなく,争点は,① 利益侵害情報(同号イ)に当たるか否か,及び,② 生命等保護情報(同号ただし書)に当たるか否か,の2点である。 [被告の主張]ア情報公開法5条2号イ該当性(ア) 本件不開示情報2のうち,時間外労働又は休日労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数の各情報は,事業者の事業展開や人事配置・管理を示すものであり,具体的には,① 当該事業者の社員構成,人事コース,具体的な人事配置,個々の社員の業務分担等,当該事業者の人事配置・管理が明らかになる情報,② 社員食堂運営事業者の営業先,労働者派遣事業者の派遣先,ビル管理事業者の管理先等,当該事業者の事業展開が明らかになる情報,③ 当該事業者の企業統合・分割等に関する戦略が明らかになる情報,④ 当該事業者の研究内容が明らかになる情報等,多岐にわたる情報が記載されている。 したがって,上記各情報が事業場を特定し得る情報と共に公にされた場合には,一般的に,当該事業者の経営方針,経営技術に関する情報の収集が容易となり,当該事業者と競争する他の事業者にとって有利に働き,当該事業者の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれが認められることは明らかである。 (イ) 本件不開示情報2のうち前記(ア)に挙げた以外の情報も,利益侵害情報に当たるというべきである。本件不開示情報2は,いずれも当該事業場を特定するに足る情報ということができるところ,被告は既に本件一部不開示決定において「所定労働時間」,「延長することができる時間」,「期間」,「所定休日」 ある。本件不開示情報2は,いずれも当該事業場を特定するに足る情報ということができるところ,被告は既に本件一部不開示決定において「所定労働時間」,「延長することができる時間」,「期間」,「所定休日」,「労働させることができる休日並びに始業及び終業の時刻」及び「期間」(以下,合わせて「延長可能時間等」という。)を開示しているのであって,これらの事項は,当該事業者における労働条件の内容を示すとともに,当該事業者が,どのような人事戦略を持ち,どのような経営管理を行うかという,専ら当該事業者独自の戦略ないし経営のノウハウにかかわるものということができるから,これら延長可能時間等の情報が,当該事業場を特定し得る情報と共に開示されることとなれば,当該事業者と競争上の地位にある他の事業者(以下「競合事業者」という。)にとって,当該事業者の人事管理や経営管理に関する情報の収集が容易となり,今後の人材獲得等の人事戦略や経営戦略の展開に不当に有利に働き,当該事業者が不利益を受けることがあると考えられる。 (ウ) 本件不開示情報2を開示した場合,以下のような誤解を生じさせるおそれがあるから,利益侵害情報に当たるというべきである。 a 協定届に記載された内容が当該事業場における労働条件の常態ではないにもかかわらず,そうであるとの誤解を生じさせるおそれb 協定届が本件様式に従い必要な事項を記載すれば足りるものであることに起因する,36協定の内容についての誤解を生じさせるおそれc 36協定が事業場ごとに届け出られることに起因する,ある事業者の特定の事業場における労働条件が当該事業者全体の労働条件であるとの誤解を生じさせるおそれd 事業の種類や業務の種類等の相違を無視して,協定届の記載のみを比較され,当該事業者に対する誤ったイメージが流布されるおそれ(エ) したがって, 業者全体の労働条件であるとの誤解を生じさせるおそれd 事業の種類や業務の種類等の相違を無視して,協定届の記載のみを比較され,当該事業者に対する誤ったイメージが流布されるおそれ(エ) したがって,本件不開示情報2は,情報公開法5条2号イに該当する。 (オ) なお,原告は,36協定が当該事業場の労働者に周知されなければならないことを根拠に,36協定が公開を前提としていると主張するが,労基法106条1項の規定は36協定を公にすべきことを定めたものではないし,事業者がその労働者には周知しながら,事業者外には公開していない情報が多く存することは明らかであるから,36協定が当該事業者の労働者に周知されるからといって,協定届について,その内容が公にされ第三者に知られることを前提としているということはできない。 イ情報公開法5条2号ただし書非該当性前記(1)[被告の主張]イと同じである。 [原告の主張]ア情報公開法5条2号イ非該当性情報公開法5条2号イにいう「正当な利益」の判断に際しては,当該事業者等の競争上の地位を考慮し,企業秘密,ノウハウに当たるといえるか等が判断され,また,正当な利益を害する「おそれ」については,具体的かつ現実的であるか否かにつき検討されなければならない。 そもそも,36協定は,1日8時間,週40時間という法定労働時間に対する例外を認めるものであり,その内容は,当該事業者等へ就職を希望する者に対して告知されることが予定されているから,当該事業者内部だけでなく,外部の労働者すべてと関係を有するものであって,かかる労働条件に関する基本的取決めが,経営方針,経営技術と密接にかかわるとは考えられない。 また,36協定は,常時,各作業場の見やすい場所へ掲示する等の方法により労働者に周知させなければならないとされ(労基法106条1項), 決めが,経営方針,経営技術と密接にかかわるとは考えられない。 また,36協定は,常時,各作業場の見やすい場所へ掲示する等の方法により労働者に周知させなければならないとされ(労基法106条1項),少なくとも,労働者に対しては公開されることが予定されていることは明らかであるし,労働者がその内容につき就業先に対して守秘義務を負う関係にあるものでもないから,労働者を通じて第三者にその内容が公開されることも十分考えられるものであって,秘密にされることが予定されているものでもない。 このように,36協定は,第三者に知れることを想定して作成されるものであるから,これが公にされたところで,当該事業者の企業秘密やノウハウが外部に漏れ,それによって当該事業者の競争上の地位が害されるとは,到底考えられない。 よって,本件不開示情報2は,公にすることにより,当該事業者等の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの(情報公開法5条2号イ)には当たらない。 なお,被告は,当該事業者の人事配置・管理,企業統合・分割等に関する戦略,研究内容,事業展開等が明らかになる情報が,事業の名称等,事業場を特定し得る情報と共に開示された場合には,当該事業者の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある旨主張するが,それならば,事業の名称等,それ自体が公開されただけでは,当該事業者の競争上の地位その他正当な利益を害するとは到底思えない情報は開示することができるはずであり,原告は,最低限,この部分の開示を請求する。 イ情報公開法5条2号ただし書該当性厚生労働省は,月100時間を超える時間外・休日労働,又は発症前2ないし6か月間に1か月当たり80時間を超える時間外・休日労働がなされたときは業務と過労死発症との関連性が強いとしている一方で,36協定により初めて許容 00時間を超える時間外・休日労働,又は発症前2ないし6か月間に1か月当たり80時間を超える時間外・休日労働がなされたときは業務と過労死発症との関連性が強いとしている一方で,36協定により初めて許容される時間外労働についても,限度基準告示により限度を定めている。 しかし,上記告示が適用されない業種があることなどで,厚生労働省が設定する上記のラインを超える36協定が多く存在しているのが現況である。かかる状況において,労働者の心身の健康を損ね,個人の尊厳をないがしろにするような36協定を締結している事業者に対し,市民の監視の目を加えることで,労働者の心身の健康を確保する必要がある。 したがって,本件不開示情報2は,「人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報」(情報公開法5条2号ただし書)であるといえる。 (3) 本件不開示情報が情報公開法5条6号に該当するか〔争点3〕本件文書に記録されている情報が,いずれも,「国の機関…が行う事務又は事業に関する情報」(情報公開法5条6号前段)に該当することについては当事者間に争いがなく,争点は,本件不開示情報が「公にすることにより,…当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」(同号後段)に該当するか否かにある。 [被告の主張]労基法が36協定を行政官庁に届け出させることとしているのは,行政官庁が協定内容の適法性を審査し必要な指導等を行うことによって,労基法による労働時間規制の実効性を担保するためである。 仮に,本件不開示情報を公にした場合,36協定届出制度そのものの信頼を損なうおそれがあり,36協定の内容にも影響を及ぼし,その結果,行政官庁が協定内容の適法性を審査し,必要な指導等を行うのに支障を及ぼすおそれも存する。 にした場合,36協定届出制度そのものの信頼を損なうおそれがあり,36協定の内容にも影響を及ぼし,その結果,行政官庁が協定内容の適法性を審査し,必要な指導等を行うのに支障を及ぼすおそれも存する。 例えば,協定届には事業に関連する各種の情報が記載されているから,事業者によっては,それらの情報が公にされることを望まないことが十分に予想されるのであり,仮にそれらが公にされるならば,外部の者には容易に業務内容が推知されないような独自の名称を定めるなどして,それに基づいた36協定の届出を行うことが考えられる。 この点につき,原告は,そのような場合には,法律の趣旨に従った記載をするように行政として指導すべきであり,指導に応じない場合には受理しなければよいと主張する。 しかしながら,上記のように,例えば外部の者には容易に推知されないような独自の名称を企業内で使用すること自体は,法律的な制限がないから,そのことを理由に36協定の届出を拒否することはできない。そして,限度基準告示に関する審査・指導のため当該業務を詳細に知る必要があれば,監督機関は使用者への尋問,事業場への立入り調査などの監督権限を行使することになるが,この場合,事業者の名称や事業の内容等が公にされないことを前提にした届出がされる場合に比して,多大な業務量を当該審査に費やさざるを得ないという支障が生ずる。 したがって,本件一部不開示決定で不開示とされた情報は,いずれも公にすることにより,国の機関が行う事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれが認められるのであり,情報公開法5条6号の不開示情報に該当することは明らかである。 [原告の主張]情報公開法5条6号にいう「当該事務又は事業の適正な遂行」とは,開示がもたらす支障のみならず,当該事務又は事業がその根拠とする規定の趣旨に照らし,公益的な開示の ことは明らかである。 [原告の主張]情報公開法5条6号にいう「当該事務又は事業の適正な遂行」とは,開示がもたらす支障のみならず,当該事務又は事業がその根拠とする規定の趣旨に照らし,公益的な開示の必要性等種々の要素を個別具体的に利益衡量した上で慎重に判断されるべきものであり,また,同号の「支障」の程度についても,名目的なものでは足りず,実質的なものであることが必要とされる。さらに,同号の「おそれ」の程度も,単なる一般的・抽象的な可能性では足りず,法的保護に値する程度の蓋然性が必要である。 この点,被告は,業務内容が開示されるのを嫌った事業者が,当該業務の種類につき外部の者には容易に業務が推知されないような独自の名称を定めてこれを協定届に記載することにより,被告がする労働条件についての監督の事務事業が妨げられると主張する。しかし,36協定の届出は,そもそも労基法により義務づけられているのであり,当然,法律の規定に従った内容のものを届け出なければならないのであるから,公開されるからといって,当該業務の種類につき外部の者には容易に業務が推知されないような表記をする場合には,法律の趣旨に従った記載をするよう,行政として指導をすべきである。その指導に応じない場合には,受理すべきでないのであって,そのようなことが懸念されることを公開しないことの根拠とするのは,労働基準監督署が果たすべき労働者保護の役割を放棄するものであり,本末転倒である。 (4) 本件不開示情報のうち各印影が情報公開法5条4号に該当するか〔争点4〕[原告の主張]情報公開法5条4号は,あえて「相当の理由がある場合」と規定していることから,公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす「おそれ」の有無については,一般的・抽象的なものでは足りず,厳格な判断を要する。 被告は,過半数代表者その他の者の 相当の理由がある場合」と規定していることから,公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす「おそれ」の有無については,一般的・抽象的なものでは足りず,厳格な判断を要する。 被告は,過半数代表者その他の者の印影が公にすることにより犯罪に悪用されるというが,これは単なる可能性を述べるにすぎず,公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由があるとは到底認められない。 [被告の主張]過半数代表者,過半数代表者以外の労働者,使用者その他の者の印影は,公にすることにより有印私文書偽造などの犯罪に悪用され,犯罪の予防に支障を及ぼすおそれがある。 したがって,これらの情報は,情報公開法5条4号の不開示事由に該当する。 (5) 被告が情報公開法7条に基づく裁量的開示をしないことが裁量権の逸脱又は濫用となるか〔争点5〕[原告の主張]情報公開法7条は,同法5条各号において,当該規定により保護する利益と当該情報を公にすることの公益上の必要性との比較衡量が行われた場合であっても,なお公にすることに公益上の必要性があると認められる場合には,開示することができるものとする。そして,仮に同条各号のいずれかを根拠に事業の名称を含めて不開示とされた場合であっても,同法7条に基づき,限度基準告示を形式的に逸脱する36協定に限っては,事業の名称が公表されるべきである。 この点,行政庁の判断に裁量が働くこと自体は,原告自身認めるところである。ただ,36協定の限度制限については,公表等の制度基盤もない上,刑事罰を潜脱する手段にもなりかねない現状にある。そして,限度基準告示の定める時間を超えるような長時間労働が健康障害の要因であることは明らかであることからすれば,それを規制することは,国民の生命・健康の維持に直結する問題であるといえる。 とす 。そして,限度基準告示の定める時間を超えるような長時間労働が健康障害の要因であることは明らかであることからすれば,それを規制することは,国民の生命・健康の維持に直結する問題であるといえる。 とすれば,限度基準告示を形式的に逸脱する36協定について,少なくとも「事業の名称」を公開する措置を採らなかった本件被告の判断は,その裁量権に濫用逸脱があったというべきである。 [被告の主張]情報公開法7条に基づく公益上の理由による裁量的開示をするか否かの判断が違法となるのは,その判断に裁量権の濫用逸脱があった場合に限られる(行政事件訴訟法30条)。 原告の主張は,要するに,限度基準告示に違反する36協定によって労働者の健康障害が生ずるとの主張を前提とするものであるが,その点について,原告は一般的な観念論を述べる以外には何ら具体的な立証をしていないのであって,裁量権の逸脱・濫用を基礎づける事実は到底認められない。 また,限度基準告示についても,36協定の存在が過労死・過労自殺の直接の原因となることを示したものではないのであるから,限度基準告示を逸脱する事業者について事業の名称を明らかにすることが,労働者の健康保護につながるものとはおよそ認められない。 そして,上記(2)[被告の主張]アで述べたとおり,被告が本件一部不開示決定において開示した各事項のほか,「事業の名称」を開示するならば,事業者の正当な利益を害するおそれがある(情報公開法5条2号イ該当)とともに,労基法36条に規定する行政官庁が行う事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある(情報公開法5条6号該当)のであるから,開示しないことによる利益は大きい。 以上により,本件においては,被告が同法7条の公益上の理由による裁量的開示をしなかったことが裁量権の濫用逸脱に当たるとは到底認められない。 第3 )のであるから,開示しないことによる利益は大きい。 以上により,本件においては,被告が同法7条の公益上の理由による裁量的開示をしなかったことが裁量権の濫用逸脱に当たるとは到底認められない。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(過半数代表者の氏名の情報公開法5条1号ただし書該当性)について(1) 情報公開法5条1号は,個人識別情報につき原則不開示と定めているところ,本件不開示情報1の内容は,過半数代表者,過半数代表者以外の労働者及び一部の使用者の氏名及び同人らの印影であり,これらの情報が個人識別情報に当たることは明らかであって,また,当事者も争うところではない。 そこで,以下では,本件不開示情報1のうち,原告が特に同号ただし書該当性を主張している過半数代表者の氏名について,同号ただし書イ又はロの不開示情報除外事由に当たるか否かを検討する。 (2) 情報公開法5条1号ただし書イ(公領域情報)について情報公開法5条1号ただし書イは,「法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」を不開示情報除外事由として定めているところ,これは,個人識別情報であっても,一般に公にされている情報については,これを開示したところで個人のプライバシー等の利益が侵害されるおそれがないから,あえて不開示情報として保護する必要がないという趣旨のものと解される。そして,情報公開法が,何人に対しても行政文書の開示請求権を認めていること(同法3条),及び,同法が不開示情報を定めるに当たって開示請求者の属人的な性質に着目していないことに照らせば,個人識別情報が公領域情報に当たるといえるためには,何人に対しても当該情報を等しく公開するような法令の規定又は事実上の慣習が存在する場合,又は,同種の情報についてかかる法令の規定若しくは事実上の慣習が存在し,当該情 領域情報に当たるといえるためには,何人に対しても当該情報を等しく公開するような法令の規定又は事実上の慣習が存在する場合,又は,同種の情報についてかかる法令の規定若しくは事実上の慣習が存在し,当該情報についてこれと異なる取扱いをすることに合理性がない場合に該当することが必要であると解するのが相当である。 これを本件についてみると,過半数代表者の氏名については,当該事業場においてはおよそすべての労働者が知り得る状態に置かれることが法律上予定されている(労基法106条)ということができるとしても,これが,何らかの法令又は慣習によって,当該事業場外の何人においても知り得る状態に置かれているとはいえない。また,何らかの同種情報について公開することとしている法令の定めや慣習があるとの証拠はない。したがって,過半数代表者の氏名が公領域情報に当たるということはできない。 この点,原告は,過半数代表者の氏名は,同人が当該事業場の労働者の代表者であり,当該事業場のすべての労働者は同人の氏名を知っているか,いつでも知り得る状態にあるから,過半数代表者の氏名は公領域情報に当たるというべきであると主張するが,情報公開法5条1号ただし書イは,上記のような範囲での公開をもって公領域情報とするものではないから,原告の主張は失当である。 また,原告は,過半数代表者のうち少なくとも労働組合の代表者の氏名は公領域情報に当たると主張するけれども,労働組合の代表者の地位を占める者についても,当該労働組合が法人として登記されていない限り,これを何人にも知り得る状態に置くべきとする法令の定めはないし,労働組合が労働者の地位向上等のために活動する団体であり,代表者の氏名を秘匿することが通常ないからといって,すべての労働組合が原告主張のごとく代表者の氏名を何人にも知ることができる状態に置い ないし,労働組合が労働者の地位向上等のために活動する団体であり,代表者の氏名を秘匿することが通常ないからといって,すべての労働組合が原告主張のごとく代表者の氏名を何人にも知ることができる状態に置いて広報活動を行う慣習が存在するとは認められないから,労働組合の代表者の氏名についても,これが公領域情報に当たるということはできない。 よって,本件不開示情報1のうち過半数代表者の氏名が同法5条1号ただし書イに定める公領域情報に当たるとは認められない。 (3) 情報公開法5条1号ただし書ロ(生命等保護情報)について情報公開法5条1号本文は,個人のプライバシー等の権利利益を保護するため個人識別情報を原則として不開示情報としつつも,人の生命,健康,生活又は財産の保護という行政機関の基本的な責務との調整を図るため,同号ただし書ロにおいて,生命等保護情報を不開示情報から除外しているものと解される。そうすると,個人識別情報が生命等保護情報として「公にすることが必要であると認められる」というためには,当該情報が不開示とされることによって現実に人の生命等に侵害が発生しているか,将来これらが侵害される蓋然性が高く,当該情報を開示することによってこれらの侵害が除去される蓋然性がある場合であって,当該情報を不開示とすることにより害されるおそれのある人の生命,健康,生活又は財産の保護の必要性と,これを公開することにより害されるおそれのあるプライバシー等の個人の利益の保護の必要性とを比較衡量して,前者が後者に優越することが必要であると解するのが相当である。 これを本件についてみると,過半数代表者の氏名を開示しないことによって現実に人の生命等に侵害が発生しているか,将来これが侵害される蓋然性が高いと認めることはできないといわざるを得ない。 確かに,厚生労働省の定めた認定基準 と,過半数代表者の氏名を開示しないことによって現実に人の生命等に侵害が発生しているか,将来これが侵害される蓋然性が高いと認めることはできないといわざるを得ない。 確かに,厚生労働省の定めた認定基準では,労働時間が長いほど業務の過重性が増すとして,1か月間におおむね100時間又は発症前2ないし6か月間にわたって1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は,脳血管疾患及び虚血性心疾患のリスクが高まるとされ(甲2,乙4),また,協定届の中には,延長することができる労働時間として,年間1000時間を超える時間を記載しているものが存在することが認められるけれども(争いがない。),36協定は,これによって民事法上の労働債務を発生させるものではなく,労基法32条及び35条によって定められている労働時間及び法定休日の規制を解除し,使用者に対して免罰的効果を与えるものにすぎないから,協定届に記載されている時間が,当該事業場における労働時間そのものを表すものではない。また,労働者は,36協定の内容を知り得るのであり(労基法15条1項,106条1項),過半数代表者の氏名を開示しないことによって当該事業場の労働者が長時間の勤務を強いられ,生命等に侵害が及ぶ蓋然性があるということはできず,同氏名を開示することにより,これらの侵害が除去されるということはできない。 また,原告は,多数の労働者の生命,生活に関わる重要な約束事である36協定を使用者との間で締結した者は,全労働者の生命,健康等の安全に関して,36協定の内容につき責任を負っており,市民の目によって適切に批判していくことによって,不当な36協定が排斥されていくと考えられ,それがもたらしていた過当な長時間労働が減少し,労働者の生命・健康の保護につながるから,36協定締結者としての氏名は,生命等保 適切に批判していくことによって,不当な36協定が排斥されていくと考えられ,それがもたらしていた過当な長時間労働が減少し,労働者の生命・健康の保護につながるから,36協定締結者としての氏名は,生命等保護情報に該当すると主張するけれども,過半数代表者の氏名が不開示とされているからといって,人の生命,健康,生活又は財産が害されるおそれがあるとか,逆にこれらを開示することによってそれらの侵害のおそれがなくなり,これらの利益が保護されることになるなどとは認め難い。 したがって,過半数代表者の氏名を公開することにより人の生命,健康,生活又は財産を保護する必要性は認められないから,これを開示することにより害されるおそれのある個人の利益保護の必要性との比較検討をするまでもなく,過半数代表者の氏名が,情報公開法5条1号ただし書ロの生命等保護情報に当たるということはできない。 (4) したがって,本件不開示情報1は,いずれも個人識別情報として情報公開法5条1号の不開示情報に該当するといえる。 2 争点2(本件不開示情報2の情報公開法5条2号の不開示情報該当性)について(1) 情報公開法5条2号本文は,事業者情報であって,公にすることにより当該事業者の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの等を不開示情報としているところ,本件不開示情報2が同号柱書の事業者情報に当たることは当事者間に争いがない。 (2) 利益侵害情報(情報公開法5条2号イ)該当性についてア情報公開法5条2号イは,事業者情報のうち,公にすることにより,当該事業者の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものを不開示情報と定めているが,その一方で,情報公開法は,行政文書を原則として開示しなければならないと定めていること(5条)に照らすと,利益侵害情報として不開示情報に 正当な利益を害するおそれがあるものを不開示情報と定めているが,その一方で,情報公開法は,行政文書を原則として開示しなければならないと定めていること(5条)に照らすと,利益侵害情報として不開示情報に当たるといえるためには,主観的に他人に知られたくない情報であるというだけでは足りず,当該情報を開示することにより,当該事業者の権利や,公正な競争関係における地位,ノウハウ,信用等の利益を害するおそれが客観的に認められることが必要であると解するのが相当であり,上記のおそれが存在するか否かの判断に当たっては,単なる抽象的,確率的な可能性では足りず,法的保護に値する蓋然性が必要であると解するのが相当である。 そこで,以上のような理解に立って,本件不開示情報2について上記のようなおそれが存在するか否かを判断する。 イ(ア) 被告は,本件不開示情報2のうち,時間外労働又は休日労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数の各情報は,事業者の事業展開や人事配置・管理に関する情報が多岐にわたって記載されているし,これらの情報だけでも当該事業場を特定することができるから,これらの情報が公開されれば,当該事業者の経営方針,経営技術に関する情報の収集が容易となり,当該事業者と競争する他の事業者にとって有利に働き,当該事業者の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれが認められると主張する。 (イ) そこで検討するに,証拠(甲1,12,乙6ないし8,10)及び弁論の全趣旨によれば,① 本件不開示情報2のうち,「時間外労働をさせる必要のある具体的事由」又は「休日労働をさせる必要のある具体的事由」の欄には,「臨時の受注,納期変更」,「月末の決算等」,「一時的な道路事情の変化等によって到着時刻に遅延が生ずるため」,「当面の人員不足に対処するため」などの情報が,「業務の種類 要のある具体的事由」の欄には,「臨時の受注,納期変更」,「月末の決算等」,「一時的な道路事情の変化等によって到着時刻に遅延が生ずるため」,「当面の人員不足に対処するため」などの情報が,「業務の種類」の欄には「検査」,「経理」,「機械組立」,「自動車運転士」,「経理事務員」などの情報が記載されることが予定されていること,②現実には「時間外労働をさせる必要のある具体的事由」又は「休日労働をさせる必要のある具体的事由」の欄には,「臨時的,緊急的業務」,「予算,決算業務」などの情報が,「業務の種類」の欄には「事務職員」,「カウンセラー職員」などの情報が記載されていること,③ 36協定の中には,「業務の種類」を細分化し,10種類以上に分けて記載しているものが存在すること,④ 別紙として協定書を添付し,協定書には5項目にわたって時間外勤務をさせることができる具体的事由が記載されているものが存在すること,⑤ 研究職員である旨及びその研究対象である商品名が特定される記載や,企業統合・分割の担当職員である旨の記載がされている36協定届が存在することが認められる。 以上の事実を前提とすると,36協定の中には,「業務の種類」を10種類以上に細分化しているものがあり,このような協定書の記載は,「労働者数」の記載と合わさって,当該事業場における具体的業務とそれらに関する人員配置を示すものであって,当該事業者のノウハウに係る部分である可能性が高く,これを公開すれば,競合事業者にその人員配置等を模倣され,競争上の地位を不当に害される蓋然性があると認められる。 また,例えば具体的な商品名の記載がされている協定届が開示されれば,当該事業場が特定される上,当該商品開発に関わる人員の数や時間外・休日勤務の時間が明らかとなって,当該商品開発において先行している企業の研究開発に関す な商品名の記載がされている協定届が開示されれば,当該事業場が特定される上,当該商品開発に関わる人員の数や時間外・休日勤務の時間が明らかとなって,当該商品開発において先行している企業の研究開発に関する情報の一部を後発企業が労せずして入手することが可能となり,その結果,先行企業の競争上の地位が不当に害される蓋然性があると認められる。さらに,企業統合や企業分割は,通常,内密に準備が進められるものであって,このような部署が存在すること自体が秘密である場合もあるから,かかる記載がされた協定届が開示され,その記載から当該事業場が特定されるとすれば,当該事業者の公正な競争関係における地位や信用等の利益を害されるおそれがあると認められる。そして,情報公開に関する訴訟手続において,いわゆるインカメラ手続(民事訴訟法223条6項)が採用されておらず,裁判所が具体的な文書の内容を知ることができない以上,一般的に上記のようなおそれが認定できれば,対象となっている本件文書全体の当該記載のある部分について,情報公開法5条2号イの「おそれ」があるものと認定せざるを得ない。 (ウ) そうすると,本件不開示情報2のうち,時間外労働又は休日労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数の各情報は,これらの情報だけで当該事業場を特定することができ,かつ,これを開示することによって当該事業者の競争上重要な情報が公になり,その結果,当該事業者の正当な利益が害されるおそれがあると認められるから,同号イに該当するといえる。 ウ(ア) 被告は,本件不開示情報2は,いずれも当該事業場を特定し得る情報であるところ,被告が既に本件一部不開示決定において延長可能時間等の情報を開示しており,これらの情報は,当該事業者における労働条件の内容を示すとともに,使用者が事業を遂行するための人事戦略や経 る情報であるところ,被告が既に本件一部不開示決定において延長可能時間等の情報を開示しており,これらの情報は,当該事業者における労働条件の内容を示すとともに,使用者が事業を遂行するための人事戦略や経営管理の在り方という専ら当該企業独自の企業戦略ないし企業ノウハウに関わるものであるから,当該事業場を特定し得る本件不開示情報2が開示されれば,競合事業者にとって情報収集が容易になり,競合事業者に不当に有利に働くと考えられるとして,同情報が利益侵害情報に当たる旨主張する。 (イ) 一般的に,事業の種類(「改善基準」等の事業の種類を推認し得る記載を含む。)は,必ずしも当該事業場を特定し得るとまでは言い難いが,本件のように,開示請求に係る場所的範囲が限定される場合には,当該事業場が特定される場合も想定できる。また,事業の名称,事業の所在地,郵便番号,電話番号及び法人印の印影の各情報は,それ自体によって当該事業場を特定し得るものであり,労働組合の名称,印影及び所在地は,労働組合名が事業者名を冠する場合が多く,その事務所が当該事業者の内部若しくは隣地に設けられる場合が多いことからすれば,当該事業場を特定し得る情報であるといえ,労働者の職名,労働者の労働組合における役職名,並びに使用者の氏名,印影及び職名については,他の資料と照合することによって当該事業場を推知することができる情報ということができる。さらに,時間外労働又は休日労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数の各情報についても,前記イのとおり,いずれも当該事業場を識別し得る情報ということができる。 (ウ)a しかし,今日,事業者が労働者に時間外労働・休日労働を命じることが少なくないのは公知の事実であって,36協定を締結していることが公にされても,当該事業者に格別不利益を与えるものではない。また (ウ)a しかし,今日,事業者が労働者に時間外労働・休日労働を命じることが少なくないのは公知の事実であって,36協定を締結していることが公にされても,当該事業者に格別不利益を与えるものではない。また,本件一部不開示決定において既に開示されている延長可能時間等の情報は,いわば労働条件の基礎ともいうべき資料であって,通常,求人広告や公共職業安定所において求職する者に提供されることが多い情報と認められる。一般に求人をしない部署については勤務時間が公開されることがない場合もあり得るが,そのような場合であっても,一般的には,勤務時間はその性質上殊更に秘匿すべきものとは考えにくいし,事業者がその労働者に勤務時間を社外秘とすべきことを命ずることも,通常は想定しにくいことである。もっとも,個々の事業者が就業時間等を公にしたくないということはあり得るが,情報公開法5条2号イの利益侵害情報に当たるといえるためには,主観的に他人に知られたくない情報であるというだけでは足りず,当該情報を開示することにより,当該事業者の公正な競争関係における地位等の利益を害するおそれが客観的に認められることが必要であるところ,本件においては,かかるおそれが存在すると認めるに足りる証拠はない。したがって,延長可能時間等の情報が当該事業場を特定し得る状態で開示されることが事業者の正当な利益を害するということはできず,当該特定に足りる情報が同号イの不開示情報に該当するとは認められない。 b この点,被告は,延長可能時間等に関する情報は,使用者が事業を遂行するための人事戦略や経営管理の在り方という専ら当該企業独自の企業戦略ないし企業ノウハウに関わるものであると主張するが,一般に,労働時間の構成は,給与体系とは異なり,その性質上さほど複雑なものではなく,内容をある程度予想できるものと考えるのが自 当該企業独自の企業戦略ないし企業ノウハウに関わるものであると主張するが,一般に,労働時間の構成は,給与体系とは異なり,その性質上さほど複雑なものではなく,内容をある程度予想できるものと考えるのが自然である。また,給与体系等を含めた人事制度全体が人事戦略として企業ノウハウにかかわるものである可能性はあるにしても,労働時間のみをとり上げて,これが独創性の必要な当該企業独自の企業戦略やノウハウにわたるものであるとは一般的には考え難い。労働時間を社外秘とする例が多いなどという証明もなく,労働時間の設定の仕方によって生産性にどのような影響が出るかなどといった具体的な事実も,当裁判所において証明はおろか主張すらされていない。したがって,延長可能時間等に加えて事業者を特定できる情報を開示することによって当該事業者の競争上の地位が害される蓋然性は,これを肯定することができないといわざるを得ない。 c また,被告は,本件不開示情報2が開示されれば,競合事業者にとって人事情報の収集が容易になり,いわゆる引き抜きなど人材獲得に不当に有利に働くと主張する。しかしながら,前述のとおり,36協定は,これを締結した範囲内で当該事業者に労基法32条及び35条の規制を解除し,当該事業者に免罰的効果を与えるにすぎず,実際の労働条件がこれによって定まるという性格のものではない。それゆえ,36協定の内容を知ったとしても,免罰の範囲が分かるにすぎず,現実の労働時間等が直ちに分かるものではない。また,給与等を離れて労働時間のみが判明したからといって,人材獲得上格別有利になるとも考えにくいし,人材獲得をしようとする競合事業者であれば,他の方法により労働時間その他の労働条件の調査をしているものと考えられるから,本件不開示情報2が公になったからといって,競合事業者にとって人事情報の収集が殊更容 獲得をしようとする競合事業者であれば,他の方法により労働時間その他の労働条件の調査をしているものと考えられるから,本件不開示情報2が公になったからといって,競合事業者にとって人事情報の収集が殊更容易になり,いわゆる引き抜きなど人材獲得に不当に有利に働くということはできず,当該事業者の競争上の地位が害されるという蓋然性を肯定することはできない。 d また,被告は,例えば複数の事業場を持つ事業者の延長可能時間等の経年変化を追跡調査すれば,当該事業者の事業展開が推測可能となるという。しかし,36協定は使用者と労働者との合意によって締結されるものであり,必ずしも使用者の必要性のみに応じて締結されるものではなく,その内容は,労働者の意向や労使関係,あるいは当該事業場に勤務する者の環境等といった多面的な要素によって影響を受けて形成されるものであるから,当該事業者の事業展開を直截に反映するものとは直ちには言い難い。仮に,延長可能時間等の情報が,時間外・休日勤務をすべき必要性の具体的事由や業務の種類及びその人数と共に公開されれば,当該事業者の経営戦略が克明にうかがえるという場合もあり得ようが,これらの情報は前記イによって不開示情報に該当すると判断しているのであって,かかる場合には当たらない。 e さらに,被告は,当該事業場がフレックスタイム制を導入している場合,この情報は労務管理の根幹をなすものとなると主張するが,今日においてフレックスタイム制を導入している事業者はさほど珍しいわけではないし,フレックスタイム制を敷いていることを社外に殊更秘匿することは,むしろ例外的な場合といえ,これによって当該事業者の競争上の地位が害される蓋然性は認められないから,この点の主張も当たらない。 (エ) よって,本件不開示情報2は,延長可能時間等の情報に加え当該事業場が特定されるこ 場合といえ,これによって当該事業者の競争上の地位が害される蓋然性は認められないから,この点の主張も当たらない。 (エ) よって,本件不開示情報2は,延長可能時間等の情報に加え当該事業場が特定されることを理由に,情報公開法5条2号イの利益侵害情報に当たるということはできない。 エ(ア) さらに,被告は,本件不開示情報2を開示した場合,以下のような誤解を生じさせるおそれがあるから,利益侵害情報に当たるというべきであると主張する。 a 協定届に記載された内容が当該事業場における労働条件の常態ではないにもかかわらず,そうであるとの誤解を生じさせるおそれb 協定届が一定の様式に従い必要な事項を記載すれば足りるものであることに起因する,36協定の内容についての誤解を生じさせるおそれc 36協定が事業場ごとに届け出られることに起因する,ある事業者の特定の事業場における労働条件が当該事業者全体の労働条件であるとの誤解を生じさせるおそれd 事業の種類や業務の種類等の相違を無視して,協定届の記載のみを比較され,当該事業者に対する誤ったイメージが流布されるおそれ(イ) 確かに,本件不開示情報2を開示することにより,前記(ア)aないしdの各誤解を生ずるおそれが全くないと言い切ることはできない。しかし,以下に述べるとおり,いずれも当該情報を開示することにより,当該事業者の正当な利益が侵害されるという法的保護に値する蓋然性は認められず,前記(ア)aないしdの各誤解を生じさせるおそれが存在することをもって,本件不開示情報2が利益侵害情報に当たるということはできない。 a 前記1(3)において判示したとおり,36協定は,これによって民事法上の労働債務を発生させるものではなく,労基法32条によって定められている労働時間の制限を解除し,使用者に対して免罰的効果を与えるものにすぎ 3)において判示したとおり,36協定は,これによって民事法上の労働債務を発生させるものではなく,労基法32条によって定められている労働時間の制限を解除し,使用者に対して免罰的効果を与えるものにすぎず,これに記載されている時間が,当該事業場における現実の労働時間そのものを表したものではないことは法律上明らかであって,前記(ア)aのおそれが法的保護に値する蓋然性をもって惹起されるとは認められない。 b 36協定は,労働基準監督署に届け出られることによってこそ効力を生ずるのであり(労基法36条1項),協定届にはその必要的記載事項が記入されるようになっているのであるから,仮に,36協定自体に協定届以外のことが記載してあり,36協定の内容についての前記(ア)bのような誤解を受けたとしても,それは,同協定の根幹部分にわたるものとは認められず,通常,当該事業者にとって特段の不利益があるとは認められない。 c 労基法36条1項は,明文で「当該事業場」と規定しており,36協定が事業場ごとに作成されることは明らかであって,前記(ア)cのような誤解を受けることが通常であるとは到底考えられず,そのようなことが起きる確率的な可能性があるにすぎないから,このことをもって当該事業者の正当な利益を害するおそれがあるとはいえない。 d 当該事業者の名称が明らかとなれば,当該事業者の種類やその業務内容はおおよそ推測がつくのであって,その中で延長可能時間等が開示される限り,事業の種類や業務の種類等の相違を無視して,協定届の記載のみを比較され,当該事業者に対する誤ったイメージが流布されるおそれは,可能性としてはあるにしても,法的保護に値する蓋然性があるとまでは認められない。 オしたがって,本件不開示情報2のうち,時間外労働又は休日労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数 は,可能性としてはあるにしても,法的保護に値する蓋然性があるとまでは認められない。 オしたがって,本件不開示情報2のうち,時間外労働又は休日労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数の各情報は情報公開法5条2号イの利益侵害情報に当たると認められるが,その余の部分は同号イの利益侵害情報に当たるとは認められない。 (3) 生命等保護情報(情報公開法5条2号ただし書)該当性について情報公開法5条2号ただし書は,事業者情報が利益侵害情報に当たる場合でも,当該情報が生命等保護情報に当たる場合には,これを不開示情報から除外している。ところで,前記1(3)のとおり,ある情報が生命等保護情報として「公にすることが必要であると認められる」というためには,当該情報が不開示とされることによって現実に人の生命等に侵害が発生しているか,将来これらが侵害される蓋然性が高く,当該情報を開示することによってこれらの侵害が除去される蓋然性がある場合であって,当該情報を不開示とすることにより害されるおそれのある人の生命,健康,生活又は財産の保護の必要性と,これを公開することにより害されるおそれのある事業者の正当な利益保護の必要性とを比較衡量して,前者が後者に優越することが必要であるところ,事業の名称等をその内容とする本件不開示情報2を開示しないことによって現実に人の生命等に侵害が発生しているか,将来これが侵害される蓋然性が高いと認めることはできないといわざるを得ず,その理由は,前記1(3)において判示したとおりである。 したがって,本件不開示情報2を公開することにより人の生命,健康,生活又は財産を保護する必要性は認められないから,これを開示することにより害されるおそれのある事業者の正当な利益保護の必要性との比較検討をするまでもなく,本件不開示情報2が,同号ただし の生命,健康,生活又は財産を保護する必要性は認められないから,これを開示することにより害されるおそれのある事業者の正当な利益保護の必要性との比較検討をするまでもなく,本件不開示情報2が,同号ただし書の生命等保護情報に当たるということはできない。 3 争点3(本件不開示情報の情報公開法5条6号該当性)について(1) 情報公開法5条6号は,国の機関等が行う事務事業に関する情報であって,公にすることにより,当該事務事業の性質上,当該事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものを不開示情報と定め,その例として,同号イないしホの5項目のおそれを列挙している。 ところで,労基法36条1項が,36協定を行政官庁に届け出させることとしているのは,行政官庁が,36協定の内容の適法性を審査し,使用者及び過半数代表者に対して必要な助言や指導を行うことによって,労基法による労働時間規制の実効性を担保するためと解されるから,協定届の内容を構成する情報は,労働基準監督署が行う労働時間等の労働条件の監督事務に関するものである。したがって,この情報が情報公開法5条6号にいう国の機関等が行う事務に関する情報に当たり,その情報が同号イの「監査,検査,取締り又は試験に係る事務」に該当することは明らかである。そして,この事務について「支障を及ぼすおそれ」があるというためには,同号が事項的基準と定性的基準とを組み合わせて不開示情報の範囲を規定している趣旨に照らして,「正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれ」その他,これに類するような,実質的支障が生ずるおそれが必要であり,この「おそれ」も,抽象的な可能性では足りず,法的保護に値する程度の蓋然性が必要であって,その判断に広範な裁量権を与える趣旨ではないものと解する に類するような,実質的支障が生ずるおそれが必要であり,この「おそれ」も,抽象的な可能性では足りず,法的保護に値する程度の蓋然性が必要であって,その判断に広範な裁量権を与える趣旨ではないものと解するのが相当である。 (2) 被告は,本件不開示情報を公にした場合,36協定届出制度そのものの信頼を損なうおそれがあり,36協定の内容にも影響を及ぼし,その結果,行政官庁が協定内容の適法性を審査し,必要な指導等を行うのに支障を及ぼすおそれが存する旨主張する。そして,その具体例として,事業者が,協定届に記載される事業に関連した各種の情報を公にされることを嫌い,例えば「業務の種類」について,外部の者には容易に業務内容が推知されないような独自の名称を定めるなどして,それに基づいた36協定の届出を行うことが考えられるとする。 しかし,時間外労働又は休日労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類及び労働者数については,前記2(2)イのとおり同条2号の不開示情報に当たり,本件不開示情報1についても前記1のとおり同条1号の不開示情報に当たると認められるところであり,当裁判所はそのように判断しているのであるから,これらが開示されることを前提として当該事業者の作為的な記載が誘発されるという主張を重ねて検討する必要はない。 (3) そこで,前記1及び2において不開示情報に当たると判断した部分を除いた本件不開示情報を開示することによって,上記のようなおそれがあるか否かについて検討する。 事業者は,使用する労働者に法定労働時間を超えて勤務させ,又は法定休日に勤務させようとするときは,36協定を行政官庁に届け出なければならないのであり(労基法36条1項),協定届には本件様式に準じ必要的記載事項を記載しなければ,行政官庁はこれを受理しないのであって,この点につき事業者に選択の余地 36協定を行政官庁に届け出なければならないのであり(労基法36条1項),協定届には本件様式に準じ必要的記載事項を記載しなければ,行政官庁はこれを受理しないのであって,この点につき事業者に選択の余地はない。そして,前記1及び2において不開示情報に当たると判断した部分以外の部分について,当該事業者が作為的記載をし,これによって被告の監督事務が妨げられるおそれがあると認めるに足りる証拠はない。 そうすると,前記1及び2において不開示情報に当たると判断した部分を除いた本件不開示情報を開示したところで,行政官庁にとって正確な事実の把握が困難となり,又はこれに類するような実質的支障が招来されるおそれがあると認めることはできない。 以上によれば,前記1及び2において不開示情報に当たると判断した部分以外の本件不開示情報を公にすることにより,当該事務事業の性質上,当該事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれが存在するとは認め難いというほかない。 4 争点4(各印影の情報公開法5条4号該当性)について(1) 情報公開法5条4号は,公にすることにより犯罪の予防等の活動に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報を不開示情報としている。 そして,被告は,本件不開示情報のうち各印影(すなわち,本件不開示情報1の各印影及び別紙2不開示情報目録2(2)記載の各印影。以下,合わせて「本件印影」という。)は,公にすることにより有印私文書偽造などの犯罪に悪用され,犯罪の予防に支障を及ぼすおそれがあるから本号に該当すると判断して不開示としたのであり,その判断に裁量権の濫用逸脱はないと主張するのに対し,原告は,これら印影が公にされることにより犯罪に悪用されるというのは単なる可能性があるにすぎず,この程度では公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれ 判断に裁量権の濫用逸脱はないと主張するのに対し,原告は,これら印影が公にされることにより犯罪に悪用されるというのは単なる可能性があるにすぎず,この程度では公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由があるとは到底認められないと主張する。 (2) ところで,同号は,先に検討した同条1,2及び6号と異なり,単に「おそれがあるもの」とはせず,「おそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」と規定していることから,これは,実施機関たる行政機関の長の第一次的裁量権を尊重する趣旨のものと解される。そうすると,同条4号に基づく情報の不開示決定が違法となるのは,当該行政機関の判断に裁量権の濫用逸脱があった場合に限られると解するのが相当である。 (3) 本件印影は,過半数代表者,過半数代表者以外の労働者,使用者,事業者,労働組合の各印影であるところ,これらの者はいずれも私的経済活動の主体であり,その印影は,その印章の所有者の私的経済活動に関連して作成される契約書や各種証明書類等に使用されるものである可能性が高く,本件印影についても同様である。そして,印影は,通常,取引関係者等の一部の限られた者のみが必要に応じて確認することが予定されているのであり,これが広く一般に公にされることは予定されていないと解すべきである。 そして,スキャナー等による複製の技術が進歩した今日にあっては,本件印影を公開すれば,これら印影が容易かつ精巧に複製されるおそれが存することが明らかであるから,これら印影が有印私文書偽造などの犯罪に悪用され,犯罪の予防に支障を及ぼすおそれがあるので本号に該当するとした被告の判断には相当の理由があるというべきであって,この点に裁量権の濫用逸脱があるとまでは認められない。 (4) よって,本件 罪に悪用され,犯罪の予防に支障を及ぼすおそれがあるので本号に該当するとした被告の判断には相当の理由があるというべきであって,この点に裁量権の濫用逸脱があるとまでは認められない。 (4) よって,本件印影は同条4号の不開示情報に当たると認めるのが相当である。 5 結論以上のとおりであって,本件不開示情報1は情報公開法5条1号の個人識別情報として,本件不開示情報2のうち時間外労働又は休日労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数の各情報は同条2号イの利益侵害情報として,本件印影はいずれも同条4号に該当する情報として,それぞれ不開示情報に該当するが,その余の情報は不開示情報に該当しない。 なお,上記のとおり,本件不開示情報のうち「事業の名称」が不開示情報に該当するとは認められないから,これが不開示情報に当たっても裁量開示すべきであるという原告の主張(争点5)については判断を要しない。 よって,原告の請求は別紙2不開示情報目録2(3)記載の部分を不開示とした部分を取り消す限度で理由があるからこれを認容することとし,その余の請求は理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,64条本文を適用して,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部裁判長裁判官川神裕裁判官山田明裁判官伊藤隆裕(別紙1代理人目録-省略)(別紙2)不開示情報目録 1 過半数代表者の氏名及び同人の印影,過半数代表者以外の労働者の氏名及び同人の印影並びに一部の使用者(対象文書に係る事業を営む個人及び法人登記簿に記載された法人役員以外の使用者)の氏名及び同人の印影。 2(1) 時間外労働又は休日労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数。 (2) 使用者(上記1記載の 個人及び法人登記簿に記載された法人役員以外の使用者)の氏名及び同人の印影。 2(1) 時間外労働又は休日労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数。 (2) 使用者(上記1記載の者を除く。)の印影,法人印,労働組合印等の印影。 (3) 事業の種類,「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」,「改善基準」といった事業の種類を推認し得る記載,事業の名称,事業の所在地,郵便番号,電話番号,労働組合の名称,労働組合の所在地,過半数代表者及びこれ以外の労働者の職名,過半数代表者及びこれ以外の労働者の労働組合における役職名並びに使用者(上記1記載の者を除く。)の氏名及び職名。 (別紙3)(1) 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律2条に規定する独立行政法人等に含まれる特殊法人の協定届,協定書,その他の文書に記載されている,事業の種類,事業の名称,事業の所在地,時間外労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数,休日労働をさせる必要のある具体的事由,業務の種類,労働者数,使用者の氏名・職名及び当該職名の印影(2) 株式会社等の商法上の会社及び財団法人等の民間法人についての更新届に記載されている,事業の種類,事業の名称,事業の所在地,使用者側の表示中に記載された取締役(代表取締役を含む。以下同じ。)である旨の表示及び当該取締役の氏名,並びに,協定届に記載されている,作成事務代行を行った社会保険労務士の印影。
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