平成25(行ウ)162 損害賠償等請求事件(住民訴訟)

裁判年月日・裁判所
平成29年5月19日 大阪地方裁判所
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判決文本文51,832 文字)

主文 1 本件訴えのうち,A,B,C,D,E及びFに対して損害賠償請求又は賠償命令をすることを求める部分並びにG及びHに対して損害賠償請求をすることを求める部分をいずれも却下する。 2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 主位的請求(1) 被告は,A市長,B副市長,C総務部長,D環境部長,E参事,F主幹,G会計管理者及びH会計室室長(上記8名のうち,A市長及びB副市長を除く者を「本件担当職員ら」という。)並びに被告補助参加人(以下「補助参加人」という。)に対し,連帯して,2251万2000円及びこれに対する平成24年5月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を吹田市に支払うよう請求せよ。 (2) 被告は,A市長,B副市長及び本件担当職員らに対し,連帯して,368万9777円及びこれに対する平成25年3月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を吹田市に支払うよう請求せよ。 2 予備的請求(上記1の主位的請求のうちB副市長及び本件担当職員らに対して金員を吹田市に支払うよう請求する部分に係るもの)被告は,B副市長及び本件担当職員らに対し,連帯して,2620万1777円の賠償命令をせよ。 第2 事案の概要 1 要旨吹田市は,平成24年3月5日,補助参加人との間で随意契約の方法により吹田市役所本庁舎(以下「本庁舎」という。)の低層棟屋上に太陽光発電設備 を設置する工事(以下「本件工事」という。)を施工する旨の請負契約(以下「本件請負契約」という。)を締結し,同年5月11日,本件請負契約の代金2251万2000円について支出命令(以下「本件支出命令」という。)がされ,同月18日,上記同額の支出(以下「本件支出」とい 「本件請負契約」という。)を締結し,同年5月11日,本件請負契約の代金2251万2000円について支出命令(以下「本件支出命令」という。)がされ,同月18日,上記同額の支出(以下「本件支出」といい,本件請負契約の締結及び本件支出命令と併せて「本件各財務会計行為」ということがある。)がされた。そして,吹田市は,平成25年3月28日,吹田市のガバナンス推進委員会(以下「ガバナンス委員会」という。)が本件請負契約の内容等を調査するに当たりアドバイザーとして選任した弁護士に対する報酬合計320万7750円を支払うとともに,ガバナンス委員会が本件工事の価格の妥当性調査を依頼した株式会社Iに対する調査委託費48万2027円を支出した。 本件は,吹田市の住民である原告らが,吹田市の市長であったA市長及び副市長であったB副市長並びに本件担当職員らは,A市長の後援会の副会長が代表者を務める補助参加人と共同して,補助参加人に不当な利益を与える目的で,地方自治法施行令(以下「施行令」という。)167条の2第1項5号(「緊急の必要により競争入札に付することができないとき」)に該当せず,補助参加人を契約の相手方とする合理的理由がないにもかかわらず,不当に高額の代金で随意契約の方法により本件請負契約を締結し請負代金を支出したなどと主張して,本件各財務会計行為はいずれも違法無効であり吹田市に対する共同不法行為を構成するから吹田市はA市長,B副市長及び本件担当職員ら並びに補助参加人に対して共同不法行為に基づく損害賠償請求権を有しているにもかかわらず吹田市の執行機関である被告はその行使を違法に怠っているとして,地方自治法(以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づき,吹田市の執行機関である被告に対し,主位的に①怠る事実の相手方であるA市長,B副市長及び吹田 被告はその行使を違法に怠っているとして,地方自治法(以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づき,吹田市の執行機関である被告に対し,主位的に①怠る事実の相手方であるA市長,B副市長及び吹田市の担当職員並びに補助参加人に対して請負代金相当額である2251万2000円及び平成24年5月18日(本件支出がされた日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払をすること及 び②怠る事実の相手方であるA市長,B副市長及び担当職員に対して上記の弁護士に対する報酬及び調査委託費の合計368万9777円並びにこれに対する平成25年3月28日(上記の報酬及び調査委託費が支出された日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払をすることを求め,予備的にB副市長及び担当職員に対して本件請負契約の代金相当額並びに上記の報酬及び調査委託費の合計2620万1777円の賠償命令をするよう求める事案である。 2 前提となる事実以下の事実は,当事者間に争いがないか,後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認めることができる。 (1) 当事者等ア原告らは,いずれも吹田市の住民である。 イ被告は,吹田市の執行機関たる市長である。 ウ A市長は,本件請負契約当時,吹田市長であった者であり,B副市長は,本件請負契約当時,吹田市の副市長であった者である。また,C総務部長は,本件請負契約当時,吹田市の総務部長であった者であり,D環境部長は,本件請負契約当時,吹田市の環境部長であった者である(以下,上記4名を併せて「本件契約締結職員」という。)。 エ E参事は,本件支出命令当時,吹田市の総務部総務室参事であった者であり,支出負担行為の決定に基づく支出命令の専決権限を有していた(吹田市事務処理規程18条1項,別 件契約締結職員」という。)。 エ E参事は,本件支出命令当時,吹田市の総務部総務室参事であった者であり,支出負担行為の決定に基づく支出命令の専決権限を有していた(吹田市事務処理規程18条1項,別表第1第3項の表25号〔乙10,31〕,「理事等の担任事務及び決裁権限」と題する書面〔乙11〕)。また,F主幹は,本件支出命令当時,吹田市の総務部総務室主幹であった者である(以下,上記両名を併せて「本件支出命令職員」という。)。 オ G会計管理者は,本件支出当時,吹田市の会計管理者であった者であり,H会計室室長は,本件支出当時,吹田市の会計室室長であった者である(以 下,上記両名を併せて「本件支出職員」といい,本件契約締結職員,本件支出命令職員及び本件支出職員を併せて「本件各財務会計職員」という。)。 カ補助参加人は,吹田市を本店所在地とし,電気工事の設計,施工,監督等を目的とする株式会社であり,補助参加人の代表者はA市長の後援会の副会長であった。(乙35の1)(2) 本件請負契約に至る経緯(甲21,23,丙4)ア国は,平成21年,地球温暖化対策の推進を目的として,一定規模以上の自治体に補助金を交付することにより当該自治体において基金を造成し,この基金を活用して当該自治体が自ら又は民間事業者等への補助により省エネ施設の整備事業等(以下「GND基金事業」という。)を実施することとした。 イ吹田市は,平成22年3月,環境省から上記の補助金として5854万円の交付を受け,吹田市グリーンニューディール基金(以下「本件基金」という。)を創設したものの,平成23年7月時点で本件基金に3000万円を超える残金が生じた。そこで,吹田市は,この残金を利用して本庁舎の照明設備改修(LED化)事業等の3事業(以下「本件3事業」という。) を創設したものの,平成23年7月時点で本件基金に3000万円を超える残金が生じた。そこで,吹田市は,この残金を利用して本庁舎の照明設備改修(LED化)事業等の3事業(以下「本件3事業」という。)を実施することとし,平成24年2月8日,本件3事業について指名競争入札を行ったが,執行入札差金が発生したこと等により本件基金にはなお合計2497万9000円の残金が残った。(甲13)ウ吹田市において上記の残金の利用についての協議検討が行われ,上記の残金を利用して本庁舎に太陽光発電設備を設置する工事(本件工事)を実施することとなった。もっとも,本件基金を利用した事業の実施期限が同年3月末とされておりそれまでに本件工事を完了する必要があったことから,吹田市は,平成24年3月5日,本件工事が施行令167条の2第1項5号の規定する「緊急の必要により競争入札に付することができないとき」に該当するとした上,補助参加人が本庁舎の各種電気工事等に実績が あり庁舎内の電気系統に精通しているとして,補助参加人との間で随意契約の方法により請負代金額を2251万2000円とする本件工事の請負契約(本件請負契約)を締結した。 エ本件工事の実施及び補助参加人との契約締結交渉並びに本件請負契約の締結はいずれもA市長の決裁により行われたが,その決裁書には,D環境部長が環境部地球環境室地球環境課との合議欄に押印し,B副市長及びC総務部長が決裁欄に押印している。(甲5,6)オ本件工事は同年3月30日に完成し,本件請負契約の請負代金2251万2000円につき,同年5月11日,E参事の専決により支出命令(本件支出命令)がされ,同月18日,G会計管理者により上記同額が支出された(本件支出)。本件支出命令の支出命令書には,E参事及びF主幹が主管欄に押印し,G会 5月11日,E参事の専決により支出命令(本件支出命令)がされ,同月18日,G会計管理者により上記同額が支出された(本件支出)。本件支出命令の支出命令書には,E参事及びF主幹が主管欄に押印し,G会計管理者及びH会計室室長が会計室欄に押印している。(乙7)(3) 本件請負契約に関する新聞報道同年10月31日,吹田市が単独随意契約の方法によりA市長の支援者が社長を務める電気工事会社に本件工事を発注したことを問題視する旨の新聞報道がされた。(乙4の1・2)(4) ガバナンス委員会による調査等上記(3)の新聞報道を受け,A市長は,法199条6項に基づき,同年11月6日付けで,吹田市監査委員に対し,本件請負契約等の契約事務手続の適否に関する監査を要求した。また,ガバナンス委員会は,同月8日,本件請負契約の締結手続や代金額の適否等について調査を開始し,吹田市議会も,同月26日,本件請負契約における不適正な手続の有無等を調査するため,法100条による調査権を付与した「グリーンニューディール基金に係る随意契約及び関連業務等に関する調査特別委員会」(以下「100条委員会」という。)を設置した。(甲10,21,23,丙4) (5) ガバナンス委員会の調査結果等アガバナンス委員会は,平成25年1月17日,本件請負契約の締結手続や代金額に違法,不当な点は認められないなどとするとする調査報告書を取りまとめた。そして,吹田市は,同年3月28日,ガバナンス委員会がアドバイザーとして選任した弁護士4名に対する報酬合計320万7750円及びガバナンス委員会が本件請負契約の代金額の妥当性調査を依頼した株式会社Iに対する調査委託費48万2027円を支払った。(甲7,10,丙4)イ吹田市監査委員は,A市長からの監 0万7750円及びガバナンス委員会が本件請負契約の代金額の妥当性調査を依頼した株式会社Iに対する調査委託費48万2027円を支払った。(甲7,10,丙4)イ吹田市監査委員は,A市長からの監査の要求に対し,法199条9項に基づき,同年1月30日付けで,本件請負契約の事務手続に明らかに違法性が認められるものはなかったなどとする監査結果をA市長に報告した。 (甲21)(6) 原告らの住民監査請求に至る経緯(甲10,27)ア原告らは,平成25年5月15日,吹田市監査委員に対し,本件請負契約が違法不当で無効なものであるなどとしてA市長らに本件請負契約代金相当額等の損害賠償請求をするよう勧告することを求める旨の住民監査請求(以下「本件監査請求」といい,その監査請求書を「本件監査請求書」という。)をした。 イ吹田市監査委員は,同年7月10日,本件請負契約の締結の違法又は不当を理由とする請求については法242条2項の規定する監査請求期間を徒過しており不適法であるから却下するなどと判断し,同日頃,その旨を原告らに通知した。 (7) 本件訴訟の提起原告らは,同年8月8日,本件訴訟を提起した。(当裁判所に顕著な事実)(8) 100条委員会による調査結果(甲23)100条委員会は,平成26年3月付けで,本件請負契約の適否等につき, ①施行令167条の2第1項5号により本件請負契約を随意契約の方法で締結することは許されない,②本件請負契約の契約代金は極めて高額であるなどとする調査報告書を取りまとめた。 3 争点及び当事者の主張本件の主たる争点は,①本件監査請求の対象と本件訴えの対象との同一性(争点1),②本件監査請求が監査請求期間を徒過したものか(争点2),③監査請求期間徒過についての正当な理由の有無( 当事者の主張本件の主たる争点は,①本件監査請求の対象と本件訴えの対象との同一性(争点1),②本件監査請求が監査請求期間を徒過したものか(争点2),③監査請求期間徒過についての正当な理由の有無(争点3),④本件請負契約の締結,本件支出命令及び本件支出について本件各財務会計職員及び補助参加人の共同不法行為が成立するか(争点4),⑤吹田市に生じた損害の有無及びその額(争点5)であり,これらの点に対する当事者及び補助参加人の主張は,以下のとおりである。 (1) 争点1(本件監査請求の対象と本件訴えの対象の同一性)(原告らの主張)原告らは,本件監査請求において,A市長,B副市長及びC総務部長,D環境部長等の関係職員並びに補助参加人が本件請負契約を締結して補助参加人に金員を支出させた一連の行為を共同不法行為に当たるとして損害賠償請求又は賠償命令をすることを求めている。そうすると,本件監査請求は,本件請負契約の締結のみならず,本件支出命令及び本件支出を含めた行為が共同不法行為に当たることを理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象に含むものというべきである。 (被告の主張)本件監査請求は本件請負契約の締結行為を対象とするものであり,このことは,①本件監査請求書(甲27)において,原告らが金員返還請求の相手方として本件請負契約の締結行為に携わった者を挙げながら,本件請負契約に基づく支出行為に携わった者を挙げていないこと,②監査請求の理由において本件請負契約に基づく支出行為(本件支出命令及び本件支出)に何ら言 及していないことなどからも明らかである。また,財務会計上の行為が違法不当であるとして監査請求を行うことと当該違法不当な財務会計上の行為に基づいて発生する請求権の行使を怠っていることが違法不当であるとして監査請求 などからも明らかである。また,財務会計上の行為が違法不当であるとして監査請求を行うことと当該違法不当な財務会計上の行為に基づいて発生する請求権の行使を怠っていることが違法不当であるとして監査請求を行うこととは全く別個のものであるところ,本件監査請求書では,本件請負契約の締結行為の違法は主張されているものの,その違法を理由とする損害賠償請求権の行使を怠っていること自体が違法である旨の主張は一切されていない。したがって,本件監査請求においては,上記の損害賠償請求権の行使を怠る事実は対象とされていないというべきである。仮に,上記の損害賠償請求権の行使を怠る事実が監査請求の対象となっているとしても,上記の損害賠償請求権は本件請負契約の締結行為の違法を理由とするもののみであり,本件請負契約に基づく支出行為の違法を理由とする損害賠償請求権はその対象となっていない。 (2) 争点2(監査請求期間徒過の有無)(原告らの主張)ア法242条2項本文の規定する監査請求期間の制限の有無について怠る事実を対象としてされた監査請求については,監査委員が当該怠る事実の監査を遂げるために特定の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断をしなければならない関係にない場合には,法242条2項本文が定める監査請求期間の制限は受けないというべきである。これを本件監査請求についてみると,原告らは,本件監査請求において,A市長,B副市長及び関係職員並びに補助参加人が補助参加人に便宜を図る目的で必ずしも平成23年度末までに行わなければならないわけではない本件工事をあえて補助参加人に請け負わせ,補助参加人に本件請負契約の代金相当額を支出することにより吹田市に損害を与えた行為を問題とし,これらのA市長,B副市長及び関係職員並びに補助参加人 けではない本件工事をあえて補助参加人に請け負わせ,補助参加人に本件請負契約の代金相当額を支出することにより吹田市に損害を与えた行為を問題とし,これらのA市長,B副市長及び関係職員並びに補助参加人の行為が,財務会計法規に違反するかどうかはともかく,民法上の共同不法行為 に該当するとして,A市長ら及び補助参加人に対する共同不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実を監査請求の対象としている。このような怠る事実の監査を遂げるためには,上記のA市長らの一連の行為が不法行為法上違法か否かを判断すれば足り,本件各財務会計行為が財務会計法規に違反して違法無効であるかを判断しなければならないわけではない。 したがって,上記の怠る事実には法242条2項の定める監査請求期間の制限はないというべきである。 仮に,上記の怠る事実に同項の定める監査請求期間の制限があるとしても,少なくとも財務会計上の行為を行う権限を有する財務会計職員でない者及び補助参加人に対する損害賠償請求権は,本件各財務会計行為が違法無効であるからこそ発生するものではないから,その損害賠償請求権の行使を怠る事実については同項の定める監査請求期間の制限が及ばないというべきである。 イ法242条2項本文の定める監査請求期間の遵守について本件各財務会計行為が共同不法行為に当たることを理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実の監査を遂げるために本件各財務会計行為が財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断をしなければならない関係にある場合には,当該行為のあった日又は終わった日を基準として法242条2項本文を適用することとなる。そうであるところ,上記の損害賠償請求権が発生するのは現実に補助参加人に金員が支払われたときであるから,上記の怠る事実の監査請求期間の起算日は現実の支出 して法242条2項本文を適用することとなる。そうであるところ,上記の損害賠償請求権が発生するのは現実に補助参加人に金員が支払われたときであるから,上記の怠る事実の監査請求期間の起算日は現実の支出がされた平成24年5月18日である。したがって,平成25年5月15日にされた本件監査請求は監査請求期間を徒過していないというべきである。 (被告の主張)本件監査請求が,本件請負契約の締結行為のみならず,その違法を理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象に含むものであるとしても, 原告らが本件監査請求において本件請負契約の締結行為の財務会計法規違反を問題としていることは本件監査請求書の記載から明らかであって,その監査を遂げるためには本件請負契約の締結行為が財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断をしなければならない関係にある。したがって,本件監査請求には法242条2項の定める監査請求期間の制限があるというべきであり,この場合の監査請求期間は,違法の理由となっている本件請負契約の締結行為の日である平成24年3月5日を基準とすべきである。 したがって,平成25年5月15日にされた本件監査請求は,監査請求期間を徒過してされたものというべきである。 (3) 争点3(監査請求期間徒過の正当な理由の有無)(原告らの主張)ア仮に,法242条2項本文の定める監査請求期間の起算日を本件請負契約の締結,本件支出命令及び本件支出がそれぞれ行われた日とした場合には,本件監査請求のうち,本件請負契約の締結及び本件支出命令が共同不法行為に当たることを理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分は法242条2項本文の定める監査請求期間を徒過したことになる。しかし,以下のとおり,原告らには監査請求期間を徒過したことに 為に当たることを理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分は法242条2項本文の定める監査請求期間を徒過したことになる。しかし,以下のとおり,原告らには監査請求期間を徒過したことにつき正当な理由があるというべきである。 イすなわち,ガバナンス委員会は平成24年10月31日に本件請負契約の調査を行うことを決定し,これに続けて,吹田市長は同年11月6日に吹田市監査委員に対して監査を要求し,さらに,吹田市議会は,同月26日,本件請負契約に関する問題を調査するため100条委員会を設置したのであるから,原告らとしては,上記の監査ないし調査によって真相が究明されるのであれば住民監査請求をするまでもないと考えて事態の推移を見守ることとしたのである。ところが,平成25年1月17日のガバナンス委員会の調査報告は本件請負契約に違法はないなどと するものであり,同月30日に示された吹田市監査委員の監査結果も本件請負契約の契約事務手続に違法性が認められないなどとするものであった。原告らは,上記の監査結果により住民監査請求をする動機を有するに至ったのであり,住民監査請求をするためには上記の調査結果や監査結果を検討する必要があることを考慮すると,同日から約3か月後にされた本件監査請求のうち,本件請負契約の締結及び本件支出命令が共同不法行為に当たることを理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分には法242条2項ただし書の正当な理由が認められるというべきである。 ウまた,本件請負契約について住民監査請求をするためには,本件工事の適正額を調査し吹田市の損害額を確定する必要があるところ,本件請負契約の代金額が妥当である旨の株式会社Iの報告書が公表されたのは平成25年3月5日であり,原告らはこれに対応する形で専門業者に依 事の適正額を調査し吹田市の損害額を確定する必要があるところ,本件請負契約の代金額が妥当である旨の株式会社Iの報告書が公表されたのは平成25年3月5日であり,原告らはこれに対応する形で専門業者に依頼するなどして本件工事の適正額を調査し,本件請負契約の代金額が適正額を大幅に上回る金額であったことが確認できたのである。そうすると,同日から約2か月後にされた本件監査請求のうち,本件請負契約の締結及び本件支出命令が共同不法行為に当たることを理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分には法242条2項ただし書の正当な理由が認められるというべきである。 エ以上のとおり,本件監査請求のうち,本件請負契約の締結及び本件支出命令が共同不法行為に当たることを理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分が監査請求期間を徒過しているとしても,原告らには法242条2項の正当な理由があるというべきである。 (被告の主張)本件請負契約の締結行為を問題視する新聞報道がされたのは平成24年10月31日のことであり,当該記事には本件請負契約の請負代金が約2 250万円である旨も記載されていたことなどからすると,原告らは,遅くとも同日には客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたということができる。そうすると,本件監査請求のうち,本件請負契約の締結及び本件支出命令が共同不法行為に当たることを理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分には,監査請求期間を徒過したことについて法242条2項ただし書の正当な理由が認められないというべきである。 (4) 争点4(本件各財務会計職員及び補助参加人の共同不法行為の成否)(原告らの主張)ア随意契約の要件欠如の違法 いて法242条2項ただし書の正当な理由が認められないというべきである。 (4) 争点4(本件各財務会計職員及び補助参加人の共同不法行為の成否)(原告らの主張)ア随意契約の要件欠如の違法(ア) 吹田市は,本件基金による事業の実施期限が平成24年3月末であるとして施行令167条の2第1項5号の「緊急の必要により競争入札に付することができないとき」に当たることを理由に本件請負契約を締結している。しかし,本件工事について競争入札を実施しても同日までに本件工事を完了させることは可能であったから本件工事が同号に該当するということはできない。 (イ) 仮に,本件工事について競争入札を実施した場合には同日までに本件工事を完了することができなかったとしても,平成23年9月5日のGND基金事業の実施要領の一部改正(甲1)により吹田市は環境省に対し延長報告書を提出して本件基金による事業の実施期限を平成25年3月末まで延長することができることとなったから,本件工事を実施する緊急の必要はなく,本件請負契約は同号に該当するということはできない。 (ウ) また,仮に,本件基金による事業の実施期限を延長することができず,平成24年3月末には本件基金の残金を国に返還しなければならないとしても,そのことをもって本件請負契約が同号に該当するとはいえ ない。すなわち,法が一般競争入札を原則として定め,随意契約の方法によることを例外的なものとした趣旨に照らせば,同号の「緊急の必要により競争入札に付することができないとき」は,厳格に解さなければならず,①工事の客観的性質から緊急性が要求される場合,②災害などのために直ちに工事をしないと市民の生命,身体の安全及び財産に重大な被害を与える場合,③工事内容そのものが緊急性を必要とする場合に限定されなけ 工事の客観的性質から緊急性が要求される場合,②災害などのために直ちに工事をしないと市民の生命,身体の安全及び財産に重大な被害を与える場合,③工事内容そのものが緊急性を必要とする場合に限定されなければならない。したがって,国に本件基金の残額を返還しなければならないため本件基金による事業の実施期限内に補助金を使い切る必要があるというような場合は同号には該当しないというべきである。 (エ) 以上のとおり,本件請負契約は同号に該当しない違法な契約であり,本件各財務会計職員は,補助参加人の代表者がA市長の後援会の副会長であることから補助参加人に不当な利益を得させる目的で,又は重大な過失により,上記の違法な本件請負契約を締結したというべきである。 イ契約の相手方選定の違法本件工事は主に太陽光発電設備を設置することを内容とする高度の専門性が要求される工事であるところ,補助参加人は太陽光発電設備設置工事の専門業者ではないし,同工事の施工実績もほとんどない。他方,電気工事の分野で補助参加人と同等以上のランクの業者は28社あり,そのうち吹田市の公共施設に太陽光発電設備設置工事の実績がある業者は6社存在する。この点,被告は,補助参加人が本庁舎内の電気工事の営繕工事を行っているためその電気系統に精通していると主張するが,補助参加人と同様に本庁舎内の営繕を行いその電気系統に精通していると考えられる業者は他にも存在しており,本庁舎の電気系統は一般的なものであって,本庁舎の電気配線図面等が示されるとともに配線配管経路の説明を受ければ他の業者においても短期かつ効率的に本庁舎の配線配管工事を行うことは容 易であった。そうすると,本件請負契約の相手方を補助参加人とする合理的理由はなく,本件各財務会計職員は,補助参加人の代表者がA市長の後援会 かつ効率的に本庁舎の配線配管工事を行うことは容 易であった。そうすると,本件請負契約の相手方を補助参加人とする合理的理由はなく,本件各財務会計職員は,補助参加人の代表者がA市長の後援会の副会長であることから補助参加人に不当な利益を得させる目的で,又は重大な過失により,補助参加人を本件請負契約の相手方にしたというべきである。 ウ契約の代金額の違法(ア) 原告らが本件工事の工事代金の積算を依頼した業者によれば,本件工事の適正な代金額は1091万1075円であるとされており,100条委員会から本件工事の積算の依頼を受けた建築士の調査報告書(甲29。以下「本件調査報告書」という。)では,本件工事の市場価格の工事費は約1400万円程度であるなどとされている。また,補助参加人の本件工事に関する工事計画書(丙1。以下「本件工事計画書」という。)では実行予算額が1337万円とされており,電気設備工事積算実務マニュアル(丙3)によると一般管理費等率は10.78であるから本件工事の工事価格(消費税及び地方消費税込み)は1555万1850円となる。さらに,補助参加人が実際に施工した部分の工事費用(1337万円から本件工事計画書中の「A材一式(太陽光発電を含む。)963万円」を控除した金額)は374万円であり,上記マニュアルによると一般管理費等率は11.65であるから,本件工事の工事費は1449万5995円となる。 以上のことからすると,本件請負契約の代金額は不当に高額であり,適正な代金額は約1449万円から1555万円程度というべきである。 (イ) 吹田市の担当職員は,本件請負契約の締結に当たり,極めて簡易な仕様書を作成するのみで設計図を作成せず,設計図に基づく積算も行わないで,本件3事業の執行入札差金等により生じた本件基金の残金を (イ) 吹田市の担当職員は,本件請負契約の締結に当たり,極めて簡易な仕様書を作成するのみで設計図を作成せず,設計図に基づく積算も行わないで,本件3事業の執行入札差金等により生じた本件基金の残金をそのまま随意契約の予定価格とした上,吹田市財務規則109条に規定さ れた見積合せも実施していない。そして,吹田市の担当職員は,上記残金に見合う額を見積金額とする見積書(甲2)で内訳書の添付がないものを補助参加人に提出させて上記のような不当に高額な代金額で本件請負契約を締結したのである。このような本件請負契約の代金額決定の経緯に照らせば,本件各財務会計職員は,補助参加人の代表者がAの後援会の副会長であることから補助参加人に不当な利益を得させる目的で,又は重大な過失により,不当に高額な代金額で本件請負契約を締結しその代金を補助参加人に支出したものと認められる。 エ本件各財務会計職員と補助参加人の共同不法行為責任以上のとおり,本件各財務会計職員は,A市長の後援会の副会長が代表者であった補助参加人に不当な利益を得させることを目的として,又は重大な過失により,施行令167条の2第1項5号に違反し,補助参加人を契約の相手方とする合理的理由がないにもかかわらず,不当に高額な代金で本件請負契約を締結し,本件支出命令及び本件支出を行った。他方,補助参加人は,不当な利益を得る目的で,又は重大な過失により,補助参加人が契約の相手方となる合理的理由がないにもかかわらず,不当に高額な代金で本件請負契約を締結し,その代金の支払を受けたのである。したがって,本件各財務会計職員及び補助参加人は,故意又は重大な過失による共同不法行為に基づき吹田市に対する損害賠償責任を負うというべきである。 (被告の主張)ア随意契約の要件欠如の違法 したがって,本件各財務会計職員及び補助参加人は,故意又は重大な過失による共同不法行為に基づき吹田市に対する損害賠償責任を負うというべきである。 (被告の主張)ア随意契約の要件欠如の違法(ア) 本件工事について競争入札を実施した場合には平成24年3月末までに本件工事を完了することはできなかったし,GND基金事業の実施期限の延長は,あくまでも東日本大震災に伴うやむを得ない事由を対象としており,単に基金に余剰が発生していることはGND基金事業の実 施期限が延長される事由に該当しない。したがって,吹田市が本件基金の実施期限を平成25年3月末まで延長することはできなかった。 (イ) 施行令167条の2第1項5号の「緊急の必要により競争入札に付することができないとき」とは,例えば,災害時において一般競争入札又は指名競争入札の方法による手続をとるときは,その時期を失し,又は全く契約の目的を達することができなくなり,行政上も経済上も甚だしく不利益を被るに至るような場合を広く指すものである。そして,同号に該当するか否かは,地方公共団体の長が客観的な事実に基づいて個々具体的に認定するものであり,地方公共団体の長の合理的な裁量に委ねられている。 本件請負契約当時,本件基金による事業の実施期限が平成24年3月末と目前に迫っており,同日までに本件基金を使い切らなければ残金を国に返還しなければならなくなるという状況にあったところ,本件工事は,太陽光発電設備の設置工事に伴って本庁舎内にケーブルを張り巡らせる配線配管工事を含むものであったため本庁舎内の電気系統に精通しない電気工事業者に依頼した場合にはその実施に相当な時間を要するものであった。そこで,吹田市は,本件工事が本庁舎内の配線配管工事の比重が高いものであったことなどから たため本庁舎内の電気系統に精通しない電気工事業者に依頼した場合にはその実施に相当な時間を要するものであった。そこで,吹田市は,本件工事が本庁舎内の配線配管工事の比重が高いものであったことなどから,20年以上にわたって本庁舎の電気配線改修工事等の多数の工事実績があり本庁舎内の電気系統に最もよく精通している補助参加人との間で随意契約の方法により本件請負契約を締結したものである。 以上のことからすれば,本件請負契約の締結が同号に該当するとしたA市長の判断に不合理はなく,本件請負契約の締結が同号に該当しないということはできない。 イ契約の相手方選定の違法本件工事は太陽光パネルの設置工事及び本庁舎の配線配管工事であると ころ,太陽光パネルの設置工事は主としてパネルを取り付けるだけの工事であり,本件工事は本庁舎内の配線配管工事の比重が高いものであった。 そして,本庁舎の配線配管工事については補助参加人が長年にわたり特に数多く経験しており,補助参加人が最も本庁舎の電気系統に精通していた。 そこで,吹田市は,本件基金による事業の実施期限が迫っており工期が非常に短かったことから,本庁舎の電気系統に精通している補助参加人と本件請負契約を締結したのであり,吹田市が本件請負契約の相手方として補助参加人を選定したことには合理的理由があるというべきである。 なお,補助参加人は,太陽光発電設備の設置工事案件の入札参加資格を有しており,実際にも,平成22年8月24日に執行された吹田市の太陽光発電設備設置工事の入札にも参加しているのであるから,補助参加人が太陽光発電設備設置工事の専門性を有していないということはできない。 ウ契約の代金額の違法(ア) ガバナンス委員会が本件工事の工事代金の積算を依頼した株式会社Iによる積算金額(消費 人が太陽光発電設備設置工事の専門性を有していないということはできない。 ウ契約の代金額の違法(ア) ガバナンス委員会が本件工事の工事代金の積算を依頼した株式会社Iによる積算金額(消費税及び地方消費税込み)は2103万8012円であり,本件請負契約の代金額2251万2000円と近似した金額である。また,本件工事の工事代金額は1kw当たり約143万円(2144万円÷15kw)であり,吹田市における太陽光発電設備設置工事の概算見積単価は1kw当たり130万円であるところ,吹田市では,太陽光発電設備設置工事の概算金額を算出するに当たり国土交通省監修の「新営予算単価」を参考としており,その平成21年度版から平成24年度版における単価は10kwで1式当たり1672万円から1718万円の範囲内で推移していることからすると,上記の概算見積単価1kw当たり130万円は妥当なものであった。 以上の事実に照らすと,本件請負契約の請負代金額は相当なものというべきである。 (イ) 確かに,補助参加人から提出された見積書には内訳書は添付されていなかった。しかし,吹田市は,①補助参加人の意見を聴きながら本件工事の仕様書(乙23。以下「本件仕様書」という。)を作成しこれを補助参加人に提示して内容を確認したこと,②本件基金による事業の実施期限が目前に迫っており,改めて見積書の提出を求める時間的余裕がなかったことから,補助参加人から内訳書を徴取しなかったにすぎない。 そして,本件仕様書には,施工及び機器仕様に関する図面も参考資料として添付されており,本件工事の内容が十分に確認できるものであったから,これに基づいて積算された見積書の見積金額は杜撰なものではない。 (ウ) また,確かに,吹田市では,本件請負契約締結に当たり,設計金額の積算を ,本件工事の内容が十分に確認できるものであったから,これに基づいて積算された見積書の見積金額は杜撰なものではない。 (ウ) また,確かに,吹田市では,本件請負契約締結に当たり,設計金額の積算をしないまま本件基金の残額とほぼ同額の金額を予定価格としている。しかし,吹田市財務規則には,随意契約の締結に当たり設計金額の積算をしなければならない旨の規定はなく,本件請負契約の締結に当たり積算見積りをしなかったことが不当とはいえない。むしろ,本件工事は,本件基金の残額を有効に活用するために実施したものであり,本件基金の残額とほぼ同額を本件工事の予定価格としたことは上記の目的に沿うものといえる。 (エ) さらに,吹田市財務規則109条に随意契約を締結する場合には「なるべく2人以上の者を選んでそれらの者から見積書を徴しなければならない。」と規定されているにもかかわらず,吹田市は,本件請負契約の締結に当たり補助参加人以外の者から見積書を徴取していない。しかし,同条は「なるべく」と規定しており,随意契約の締結に当たり見積合せを実施しない場合を許容する趣旨であることは明らかである。また,本件工事は本件基金による事業の実施期限が迫っているという時間的制約の下で実施される必要のあるものであったところ,本庁舎の電気配線図 面は存在しておらず,補助参加人以外の電気業者は本庁舎内の電気系統に精通していなかったから,補助参加人以外の業者から本件工事の見積りを徴取することになると,本庁舎の電気配線図面を作成し,これらの業者に本庁舎内の電気系統を説明し現場確認等を行わなければならなかったのである。このような事情の下では吹田市が本件請負契約を締結するに当たり見積合せを行わなかったことが不当であるとはいえない。 (補助参加人の主張)ア本件請負契約 を行わなければならなかったのである。このような事情の下では吹田市が本件請負契約を締結するに当たり見積合せを行わなかったことが不当であるとはいえない。 (補助参加人の主張)ア本件請負契約の代金額の決定過程補助参加人の担当者であるJは,平成24年2月下旬頃,吹田市の担当者であるKから本件工事を随意契約で行うことになったので見積書を提出してほしいとの依頼を受けた。その後,補助参加人が見積書を提出できないでいると,Kから「2144万円でお願いは可能ですか。」と工事金額を提示され,同金額での見積書を提出するよう要求された。Jは,直ちに見積書を提出せず,いったん持ち帰り,Kから示された工事金額を検討した上,同金額で利益を見込むことは可能であるとの結論に達した。そこで,補助参加人は,2144万円の金額を記入した見積書をKに提出し,同年3月5日,本件請負契約を締結するに至ったのである。以上のように,本件請負契約の契約代金は吹田市側からの提示により決定されたものであり,本件請負契約の代金額に違法があるとしてもこの点について補助参加人が責任を負うものではない。 イ本件請負契約の代金額の相当性(ア) ①株式会社Iはガバナンス委員会から依頼を受けて本件請負契約の契約代金の妥当性調査を行い,本件請負契約の代金額は妥当な範囲である旨の調査結果を報告していること,②ガバナンス委員会の検証結果報告書(丙5)でも本件請負契約の請負代金額が不当な金額とはいえないとされていることからすると,本件請負契約の代金額は不当に高額なもの であるということはできない。 (イ) 原告らは,本件調査報告書に基づいて本件請負契約の代金額が不当に高額であると主張する。しかし,本件調査報告書では3社による本件工事の見積額を比較検討してそのうちの1社の見積額 はできない。 (イ) 原告らは,本件調査報告書に基づいて本件請負契約の代金額が不当に高額であると主張する。しかし,本件調査報告書では3社による本件工事の見積額を比較検討してそのうちの1社の見積額を選定して積算根拠としているところ,3社のうち1社の見積額は2310万円であり本件工事の工事代金額を上回るものである。また,本件調査報告書が選定した見積額は,太陽電池モジュールの価格算定など算定過程に疑義があるものであるし,本件調査報告書が前提としている共通仮設費率及び現場管理費率は本件調査報告書が引用する資料と齟齬するものである。これらのことからすると,本件調査報告書をもって本件請負契約の代金額が不当に高額であるということはできない。 (ウ) 原告は,補助参加人が作成した本件工事計画書の金額を電気設備工事積算実務マニュアル(丙3)に当てはめた金額と本件請負契約の代金額を比較して本件請負契約の代金額が不当に高額であると主張する。しかし,本件工事計画書は,本件工事の見積金額を示すものではなく,補助参加人が会社内部の決裁用資料として実際に要した工事費用の内訳そのものを記載したものである。そうすると,入札金額を決定するための積算基準である電気設備工事積算実務マニュアルに本件工事計画書の金額を当てはめることは誤りであるというべきである。 (5) 争点5(吹田市に生じた損害の有無及びその額)(原告らの主張)ア随意契約の制限に関する法令に違反して締結された契約は,施行令167条の2第1項に掲げられる事由のいずれにも当たらないことが何人の目にも明らかである場合や,契約の相手方において随意契約の方法によることが許されないことを知り又は知り得べき場合など,当該契約を無効としなければ随意契約の締結に制限を加える法令の趣旨を没却する結果とな にも明らかである場合や,契約の相手方において随意契約の方法によることが許されないことを知り又は知り得べき場合など,当該契約を無効としなければ随意契約の締結に制限を加える法令の趣旨を没却する結果となる 特段の事情が認められる場合には私法上無効となると解されている。そして,本件請負契約が施行令167条の2第1項の規定する随意契約が許される場合のいずれにも当たらないことは誰の目にも明らかであるし,本件請負契約の締結に当たり見積合せが行われず補助参加人からも内訳を記載した見積書が提出されていないこと及び本件請負契約の代金額が不当に高額であることからすれば補助参加人は本件請負契約が随意契約によることが許されないことを知り又は知り得べきであったといえる。そうすると,本件請負契約は私法上無効であり,本件請負契約に基づいて支払われた代金額2251万2000円の全額が本件各財務会計職員及び補助参加人の共同不法行為による吹田市の損害というべきである。 仮に本件請負契約が無効であるとまではいえないとしても,本件工事の適正代金額は1091万1075円であり,その差額である1160万0925円が本件各財務会計職員及び補助参加人の共同不法行為による吹田市の損害というべきである。 イまた,本件各財務会計職員及び補助参加人が違法無効な本件請負契約を締結しなければ,本件請負契約の内容や本件工事の価格の妥当性を調査する必要はなく,ガバナンス委員会がアドバイザーとして選任した弁護士に対する報酬及び株式会社Iに対する委託調査費の合計368万9777円の支払を要しなかった。したがって,上記368万9777円も本件各財務会計職員及び補助参加人の共同不法行為による吹田市の損害というべきである。 (被告の主張)上記(原告らの主張)は争う。 第3 当 を要しなかった。したがって,上記368万9777円も本件各財務会計職員及び補助参加人の共同不法行為による吹田市の損害というべきである。 (被告の主張)上記(原告らの主張)は争う。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(本件監査請求の対象と本件訴えの対象の同一性)について(1) 法242条の2第1項は,住民訴訟につき,監査請求前置主義を定めて おり,監査請求を経ない住民訴訟は不適法である。本件訴えは,本件各財務会計職員が補助参加人と意を通じ補助参加人に不当な利益を与える目的で違法に本件請負契約を締結し,本件支出命令及び本件支出を行い,又はこれらに関与したと主張し,共同不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実が財産の管理を怠る事実に当たるとして本件各財務会計職員及び補助参加人に対し損害賠償請求又は賠償命令をするよう求めるものであるところ,被告は,本件監査請求は,本件請負契約の締結のみを監査請求の対象とするものであるから,本件支出命令及び本件支出を監査請求の対象とするものではなく,損害賠償請求権の行使を怠る事実も監査請求の対象とされていないとして,本件訴えは,本件監査請求との対象の同一性を欠き不適法である旨主張する。 (2) 監査請求の対象は,当該監査請求において監査請求人が何を対象として取り上げたのかを,請求書の記載内容等に照らして客観的,実質的に判断すべきであるところ(最高裁平成14年7月2日第三小法廷判決・民集56巻6号1049頁参照),本件監査請求書(甲27)には,①本件請負契約は,施行令167条の2第1項5号の規定する随意契約の要件を欠き,補助参加人が本件工事を受注する合理的理由がないにもかかわらず補助参加人との間で不当に高額な代金額で締結された違法無効な契約である,②A市長,B副市長,C総務部長,D環 定する随意契約の要件を欠き,補助参加人が本件工事を受注する合理的理由がないにもかかわらず補助参加人との間で不当に高額な代金額で締結された違法無効な契約である,②A市長,B副市長,C総務部長,D環境部長等の関係職員が補助参加人と意を通じて補助参加人に不当な利益を与えるため違法に本件請負契約を締結した,③上記のA市長らの行為は吹田市に対する共同不法行為に当たるから上記のA市長らに請負代金等の返還を請求するよう勧告することを求める旨が記載されている。 上記の本件監査請求書の記載内容からすると,本件監査請求は,本件請負契約の締結及びこれに関与する行為を対象としていると認められる。また,本件監査請求書には本件支出命令及び本件支出は明示されていないものの, 本件請負契約の締結と本件支出命令及び本件支出は公金の支出を構成する一連の行為であって,いずれの違法も本件請負契約に基づいて支払われた請負代金の返還を請求する根拠となり得るものであり,支出負担行為の是正又はこれによる損害の填補は,同時に支出負担行為を前提とする支出命令及び支出の是正又はこれによる損害の填補と重なることなどを考慮すると,本件監査請求は,本件請負契約の締結及びこれに関与する行為のみならず,本件支出命令,本件支出及びこれらに関与する行為をも対象に含むものと解するのが相当である。 (3) 上記のことからすると,本件監査請求は,本件各財務会計行為及びこれに関与する行為が違法であるとして損害賠償請求をするよう求める趣旨と解されるところ,法242条の2第1項4号に基づく訴訟は,地方公共団体が損害賠償請求権又は不当利得返還請求権を有するにもかかわらず,これを行使しない場合にその行使を求めるものであり,本件監査請求は同号に基づく訴訟を予定して行われたものであることからすれば, 公共団体が損害賠償請求権又は不当利得返還請求権を有するにもかかわらず,これを行使しない場合にその行使を求めるものであり,本件監査請求は同号に基づく訴訟を予定して行われたものであることからすれば,本件監査請求は,吹田市が本件各財務会計行為及びこれに関与した行為が違法であることを理由とする損害賠償請求権を有するにもかかわらずこれを行使しないことについても監査を求める趣旨を含むものと解するのが相当である。したがって,本件監査請求は,本件各財務会計行為及びこれらに関与する行為が違法であることに基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実をその対象に含むものであるというべきである。 (4) 以上によれば,本件監査請求及び本件訴えは,いずれも本件各財務会計行為及びこれらに関与する行為が違法であることを理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とするものであるということができ,本件監査請求の対象と本件訴えの対象は同一性を有するということができる。被告の上記主張は採用することができない。 2 争点2(監査請求期間徒過の有無)について (1) 法242条2項本文の監査請求期間制限の適用関係法242条2項本文は,同条1項に規定された監査請求の対象事項のうち財務会計上の行為については,当該行為があった日又は終わった日から1年を経過したときは監査請求をすることができないものと規定しているが,監査請求の対象事項のうち怠る事実については,このような期間制限は規定されておらず,怠る事実が存在する限りは期間制限なく監査請求をすることができるものと解される。 しかしながら,怠る事実を対象としてされた監査請求が実質的には財務会計上の行為を違法,不当と主張してその是正等を求める趣旨のものにほからならないと解される場合にまで上記の原則を貫くことは,監 しかしながら,怠る事実を対象としてされた監査請求が実質的には財務会計上の行為を違法,不当と主張してその是正等を求める趣旨のものにほからならないと解される場合にまで上記の原則を貫くことは,監査請求期間に制限を設けた法242条2項本文の規定の趣旨を没却することとなる。そして,前記のとおり,監査請求の対象は,当該監査請求において監査請求人が何を取り上げたのかを,監査請求書の記載内容等に照らして客観的,実質的に判断すべきものである。このような観点からすると,特定の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか又はこれが違法であって無効であるからこそ発生する実体法上の請求権の行使を怠る事実を対象として監査請求がされた場合には,監査委員は当該行為が違法であるか否かを判断しなければ監査を遂げることができないという関係にあり,上記監査請求は当該行為を対象とする監査を求める趣旨を含むものとみざるを得ないから,これについて上記の期間制限が及ばないとすれば,同条2項が期間制限を設けた趣旨を没却することとなる。したがって,このような場合には,当該行為のあった日又は終わった日を基準として同項の規定を適用すべきものである(最高裁昭和62年2月20日第二小法廷判決・民集41巻1号122頁参照)。 しかしながら,怠る事実については期間制限がないのが原則であることに鑑みれば,監査委員が怠る事実の監査をするに当たり,当該行為が財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断をしなければならない関係にない場合 には,これをしなければならない場合と異なり,当該怠る事実を対象としてされた監査請求は,当該行為を対象とする監査を求める趣旨を含むものとみざるを得ないものではないから,同条2項が期間制限を設けた趣旨を没却するものとはいえず,これに同項の規定を適用 る事実を対象としてされた監査請求は,当該行為を対象とする監査を求める趣旨を含むものとみざるを得ないものではないから,同条2項が期間制限を設けた趣旨を没却するものとはいえず,これに同項の規定を適用すべきものではない(最高裁平成14年7月2日第三小法廷判決・民集56巻6号1049頁参照)。ただし,特定の財務会計行為が行われた場合において,これにつき権限を有する職員の補助職員が行った補助行為は,財務会計上の行為と一体としてとらえられるべきものであり,補助行為の違法が財務会計上の行為の違法を構成する関係にあるときは,補助行為が違法であるとし,これに基づいて発生する損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象としてされた監査請求は,実質的には財務会計上の行為を違法と主張してその是正を求める趣旨のものにほかならないと解されるから,当該財務会計上の行為のあった日又は終わった日を基準として同項の規定を適用すべきである(最高裁平成14年10月3日第一小法廷判決・民集56巻8号1611頁参照)。 (2) 補助参加人を相手方とする請求について前記1のとおり,本件監査請求は,本件各財務会計職員及び補助参加人に対する共同不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象に含んでいると認められるところ,本件監査請求書の記載内容(前記1(2))等に照らせば,原告が主張するところの被告が補助参加人に対して有する損害賠償請求権は,補助参加人が本件工事を受注する合理的な理由もないのに不当に高額で本件工事の請負契約を締結して吹田市から請負代金の支払を受けて吹田市に損害を被らせたことにより発生したものであると認められる。そうすると,上記の損害賠償請求権の行使を怠る事実について監査を遂げるためには,監査委員は,補助参加人について上記行為が認められ,それが不法行為法上違 せたことにより発生したものであると認められる。そうすると,上記の損害賠償請求権の行使を怠る事実について監査を遂げるためには,監査委員は,補助参加人について上記行為が認められ,それが不法行為法上違法の評価を受けるものであるかどうか,これにより吹田市に損害が発生したといえるかどうかなどを確定しさえすれば足りるのであって,本件 請負契約の締結やこれに基づく代金の支払が財務会計法規に違反する違法なものであったとされて初めて吹田市の補助参加人に対する損害賠償請求権が発生するものではない。したがって,上記怠る事実を対象としてされた本件監査請求は,本件各財務会計行為を対象とする監査を求める趣旨を含むものとみざるを得ないものではない。そうすると,上記監査請求について法242条2項の規定の適用がないものと認めても,同項が期間制限を設けた趣旨が没却されるものではないから,上記監査請求に同項の規定は適用されないものと解するのが相当である。 (3) 本件各財務会計職員を相手方とする請求について前記1のとおり,本件監査請求は,本件各財務会計職員及び補助参加人に対する共同不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象に含むものと認められるところ,本件監査請求書の記載内容(前記1(2))等に照らせば,原告が主張するところの被告が本件各財務会計職員に対して有する共同不法行為に基づく損害賠償請求権は,本件各財務会計職員が本件各財務会計行為又はこれらに関与する行為が違法であることにより発生するものであると認められる。もっとも,本件監査請求書(甲27)の内容等に照らせば,原告らは,本件各財務会計職員の共同不法行為を基礎づける違法として本件各財務会計行為が財務会計法規に違反して違法である旨を主張し,財務会計法規違反とは別の違法事由を主張しておらず,本 等に照らせば,原告らは,本件各財務会計職員の共同不法行為を基礎づける違法として本件各財務会計行為が財務会計法規に違反して違法である旨を主張し,財務会計法規違反とは別の違法事由を主張しておらず,本件各財務会計行為に関与した行為に本件各財務会計行為の違法と別個独立の違法事由がある旨の主張もしていないと認められる(本件監査請求書には,本件各財務会計職員が補助参加人と明示的又は黙示的に意を通じて本件請負契約を締結した旨の記載があるが,そのような記載をもって,本件各財務会計職員が本件各財務会計行為とは別の不法行為をした旨を主張しているとは認められない。)。また,本件各財務会計職員のうち,A市長は本件請負契約の締結権限を有する者であり,B副市長,C総務部長及びD環境部長は職制上A市長を補助する職員 であること(地方自治法158条1項,161条1項,167条1項,172条1項,吹田市事務処理規程4条及び5条,甲6),E参事は支出命令の専決権限を有する者であり(前記前提となる事実(1)エ),F主幹は職制上E参事を補助する職員であること(乙31),G会計管理者は支出の権限を有する者であり(法168条1項,170条1項及び2項),H会計室室長は職制上会計管理者を補助する職員であること(法171条5項,乙32)が認められる。以上の事情を総合すると,上記の本件各財務会計職員に対する損害賠償請求権は,本件各財務会計行為の権限を有する者による財務会計上の行為及びこれを補助する職員による補助行為が財務会計法規に違反して違法であることを理由とするものであって,上記の補助行為の違法は財務会計上の行為の違法を構成する関係にあるというべきである。そうすると,本件監査請求のうち,上記の本件各財務会計職員に対する損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分に 上記の補助行為の違法は財務会計上の行為の違法を構成する関係にあるというべきである。そうすると,本件監査請求のうち,上記の本件各財務会計職員に対する損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分については,本件請負契約の締結,本件支出命令及び本件支出のあった日を基準として法242条2項本文を適用すべきである。そして,本件各財務会計行為は,公金の支出を構成する一連の行為ではあるものの,互いに独立した財務会計上の行為というべきものであり, 法242条2項本文所定の監査請求期間は,それぞれの行為のあった日から各別に計算すべきものである(最高裁平成14年7月16日第三小法廷判決・民集56巻6号1339頁)。そうすると,本件請負契約が締結されたのは平成24年3月5日,本件支出命令は同年5月11日,本件支出は同月18日であり(前記前提となる事実(2)ウ及びオ),本件監査請求がされたのは平成25年5月15日であるから,本件監査請求のうち,本件支出及びその補助行為の違法を理由とする本件支出職員に対する損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分は監査請求期間を徒過したものとはいえないが,本件請負契約の締結及びその補助行為の違法を理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分並びに本件支出命令及びその補助行為の違法 を理由とする損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分は,いずれも監査請求期間を徒過したものというべきである。 この点,原告らは,本件各財務会計職員に対する損害賠償請求権が発生するのは現実に補助参加人に金員が支払われたときであるから,上記損害賠償請求権の行使を怠る事実の監査請求期間の起算日は現実の支出がされた平成24年5月18日であるとして,平成25年5月15日にされた本件監査請求は監査請求期間を徒過していない きであるから,上記損害賠償請求権の行使を怠る事実の監査請求期間の起算日は現実の支出がされた平成24年5月18日であるとして,平成25年5月15日にされた本件監査請求は監査請求期間を徒過していないと主張する。 しかし,吹田市は,本件請負契約の締結により請負代金相当額の支払義務を負担し,本件支出命令に基づく本件支出により上記の支払義務が現実に履行されたのであり,上記各財務会計上の行為の違法は,吹田市に請負代金相当額の支払義務の負担又は履行を防止しなかった点にあると解される。そうすると,上記各財務会計上の行為の違法はそれぞれが吹田市の請負代金相当額の損害と相当因果関係を有するということができるから,本件請負契約の締結が違法であることによる損害賠償請求権及び本件支出命令が違法であることによる損害賠償請求権は上記各行為日において発生したといえる。したがって,本件各財務会計職員に対する損害賠償請求権が本件支出の時に発生するとする原告らの主張は採用することができない。 3 争点3(監査請求期間徒過の正当な理由の有無)について(1) 上記2で検討したところによれば,本件監査請求のうち,本件請負契約の締結及びその補助行為の違法を理由とする本件契約締結職員に対する損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分並びに本件支出命令及びその補助行為の違法を理由とする本件支出命令職員に対する損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分は,いずれも監査請求期間を徒過しているから,法242条2項ただし書の正当な理由が認められない限り,不適法なものとなる。そこで,これらの部分につき監査請求期間を徒過して監査請求がされたことに同項ただし書にいう正当な理由があるかについて検討する。 (2) 前記前提となる事実に証拠(甲10,21,乙4の1・2, で,これらの部分につき監査請求期間を徒過して監査請求がされたことに同項ただし書にいう正当な理由があるかについて検討する。 (2) 前記前提となる事実に証拠(甲10,21,乙4の1・2,丙4,5)及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。 ア L新聞は,平成24年10月31日,吹田市の実施した太陽光パネル設置工事をめぐり,A市長と関係の深い電気工事会社との不透明な随意契約が発覚したとし,①吹田市が,同年3月5日,本庁舎に太陽光パネルを設置する工事を電気工事会社に約2250万円で発注したこと,②上記電気工事会社の社長は,A市長の後援会の副会長であること,③本件工事の発注は単独随意契約の方法で行われ,吹田市は契約の3週間前から同社役員と密かに協議を繰り返していたこと,④上記工事の発注に当たっては見積合せも行われていなかったこと,⑤上記の工事については複数の業者から不信の声が上がっており,ある業者は入札する時間はあったはずである旨を指摘していることなどを報道した。また,同年10月31日のM新聞及びN新聞も,吹田市が本庁舎の太陽光パネル設置工事をA市長の後援会の副会長が社長を務める電気工事会社に単独随意契約の方式により約2250万円で発注したことなどを報道した。 イ上記アの新聞報道を受け,A市長は,法199条6項に基づき,同年11月6日付けで,吹田市監査委員に対し,本件請負契約等の契約事務手続の適否に関する監査を要求した。また,ガバナンス委員会は,同月8日から,本件請負契約の締結手続や代金額の適否等について調査を開始し,吹田市議会も,同月26日,本件請負契約における不適正な手続の有無,A市長の責任の有無等を調査するため,100条委員会を設置した。 ウガバナンス委員会は,平成25年1月17日,上記イの調 ,吹田市議会も,同月26日,本件請負契約における不適正な手続の有無,A市長の責任の有無等を調査するため,100条委員会を設置した。 ウガバナンス委員会は,平成25年1月17日,上記イの調査結果を調査報告書に取りまとめた。同報告書では,①施行令167条の2第1項5号により随意契約の方法で本件請負契約を締結したことは違法であるとはいえない,②本件請負契約の代金額は不当な額であるとはいえないなどとされた。原告らは,同月18日,上記の調査の結果を知った。 エ吹田市監査委員は,法199条9項に基づき,同月30日付けで,本件請負契約の事務手続に明らかに違法性が認められるものはなかったなどとする監査結果をA市長に報告した。原告らは,同日,上記の監査結果を知った。 オガバナンス委員会は,上記ウの調査結果において,引き続き,本件請負契約の代金額が適正か否かについて調査する意向を示していた。そして,ガバナンス委員会は,同年1月28日,株式会社Iに対して本件工事の価格の妥当性調査を依頼し,同年3月5日,本件請負契約の代金額は妥当である旨の調査報告が同委員会に報告されるとともに,吹田市のホームページに掲載された。 カ原告らは,同年5月15日,吹田市監査委員に対し,本件監査請求をした。 (3)ア法242条2項本文は,普通地方公共団体の執行機関,職員の財務会計上の行為は,たとえそれが違法,不当なものであったとしても,いつまでも監査請求ないし住民訴訟の対象となり得るものとしておくことが法的安定性を損ない好ましくないとして,監査請求の期間を定めている。しかし,普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができなかった場合等 して,監査請求の期間を定めている。しかし,普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができなかった場合等にもその趣旨を貫くのが相当でないことから,同項ただし書は,「正当な理由」があるときは,例外として,当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過した後であっても,普通地方公共団体の住民が監査請求をすることができるようにしているのである。したがって,当該普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができなかった場合には,法242条2項ただし書にいう正当な理由の有無は,特段の事情のない限り,当該普通地方公共団体の住民 が相当の注意力をもって調査をすれば客観的にみて上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきである(最高裁平成14年9月12日第一小法廷判決・民集56巻7号1481頁参照)。 イこれを本件についてみると,前記認定事実アによれば,平成24年10月31日,①吹田市が同年3月5日に約2250万円で本件工事を電気工事会社に発注したこと,②本件工事の受注先の電気工事会社はA市長の後援会の副会長が代表者を務める会社であり,本件工事の発注は単独随意契約の方式で行われ,見積合せも実施されていないことなどが新聞報道されたことが認められる。そうすると,上記の新聞報道がされた同年10月31日には,吹田市の一般住民において相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件請負契約の締結及びその代金支払のために行われた本件支出命令並びにこれらの補助行為 0月31日には,吹田市の一般住民において相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件請負契約の締結及びその代金支払のために行われた本件支出命令並びにこれらの補助行為の存在及び内容を知ることができたというべきである。そうすると,そのころから約6か月が経過した平成25年5月15日にされた本件監査請求が前記の相当な期間内にされたものということはできない。したがって,本件監査請求のうち本件請負契約の締結及びその補助行為の違法を理由とする本件契約締結職員に対する損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分並びに本件支出命令及びその補助行為の違法を理由とする本件支出命令職員に対する損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象とする部分に法242条2項ただし書にいう正当な理由があるということはできない。 (4) これに対し,原告らは,ガバナンス委員会の調査,吹田市長の要求による監査及び100条委員会の調査が実施されていたという状況の下では住民監査請求を行う動機を持ち得ないのであり,原告らは,平成25年1月30日に吹田市監査委員による監査結果が示されてはじめて住民監査請求をする動機を有するに至ったというべきであるから,同日から約3か月後にされた 本件住民監査請求には法242条2項ただし書の正当な理由がある旨主張する。 しかし,ガバナンス委員会による調査,吹田市長の要求に基づく吹田市監査委員による監査及び100条委員会による調査は,住民監査請求とは制度の趣旨を異にする別個のものであって,上記の調査又は監査が実施されていることにより住民監査請求をすることが妨げられるものではない。また,原告らの主張によると,地方公共団体の内部機関による調査等が実施されている場合には監査請求期間の経過後にされた住民監査請求であっても ることにより住民監査請求をすることが妨げられるものではない。また,原告らの主張によると,地方公共団体の内部機関による調査等が実施されている場合には監査請求期間の経過後にされた住民監査請求であっても上記の調査等の結果が示された日から相当な期間内にされたものであれば法242条2項ただし書の正当な理由が認められることとなり,財務会計上の行為の法的安定性の確保の観点から監査請求期間を定めた同条2項本文の趣旨が没却されるおそれがある。 以上のことからすれば,法242条2項ただし書の正当な理由の有無を判断するに当たり上記の調査又は監査が実施されていることを考慮すべきではなく,原告らの上記主張は採用することができない。 (5) また,原告らは,本件請負契約について住民監査請求をするためには,本件工事の適正額を調査し吹田市の損害額を確定する必要があるとして,本件請負契約の代金額が妥当である旨の株式会社Iの報告書が公表された平成25年3月5日から約2か月後にされた本件監査請求には法242条2項ただし書の正当な理由が認められると主張する。 しかし,法242条1項は,怠る事実についての住民監査請求につき,「怠る事実を改め,…怠る事実によって当該普通地方公共団体の被った損害を補填するために必要な措置を講ずべきこと」を請求することができると規定しており,同項の規定上,怠る事実について監査請求をするために当該怠る事実による損害額の確定が必要であるとは解されない。また,法242条1項が住民監査請求に違法,不当な財務会計上の行為を「証する書面」を添える ことを求める趣旨は,事実に基づかない単なる憶測や主観だけで監査を請求することの弊害を防止するなどの点にあり,このような同項の趣旨に鑑みれば,上記の書面は,当該財務会計上の行為の違法性を証明するに足りる を求める趣旨は,事実に基づかない単なる憶測や主観だけで監査を請求することの弊害を防止するなどの点にあり,このような同項の趣旨に鑑みれば,上記の書面は,当該財務会計上の行為の違法性を証明するに足りるものであることを要せず,監査を求めている根拠として一定の事実があることを示す書面であれば足りると解される。それにもかかわらず,怠る事実についての住民監査請求において当該怠る事実による損害額の確定が必要であるとした場合には,その住民監査請求に上記の損害額を証明するに足りる書面の添付を要することとなり,上記の趣旨を超えて監査請求を行う上で加重な負担を負わせることにもなりかねない。 以上のことからすれば,本件監査請求をするに当たり吹田市の損害額を確定する必要があるということはできない。原告らの上記主張は採用することができない。 (6) 以上によれば,本件訴え中,本件請負契約の締結及びその補助行為の違法を理由とする本件契約締結職員に対する損害賠償又は賠償命令をすることを求める部分並びに本件支出命令及びその補助行為の違法を理由とする本件支出命令職員に対する損害賠償又は賠償命令をすることを求める部分は,いずれも適法な監査請求を経ていないから不適法であり,却下を免れない。 4 争点4(本件各財務会計職員及び補助参加人の共同不法行為責任の成否)について(1) 本件支出職員に対する損害賠償請求に係る請求の適法性G会計管理者は,本件支出をする権限を有する者であり(法170条2項),本件支出を行った者である(前記前提となる事実(2)オ)。また,H会計室室長は,本件支出を代決する権限を有する者であるから(乙12)G会計管理者の権限に属する事務を直接補助する職員で普通地方公共団体の規則で指定したもの(法243条の2第1項3号)に当たり,本件支出命令の 長は,本件支出を代決する権限を有する者であるから(乙12)G会計管理者の権限に属する事務を直接補助する職員で普通地方公共団体の規則で指定したもの(法243条の2第1項3号)に当たり,本件支出命令の支出命令書の会計室欄にG会計管理者と共に押印していること(前記前提となる事実 (2)オ)からすると本件支出の補助行為を行ったものと推認することができる。 そうすると,原告らは,法242条の2第1項4号ただし書により,被告に対し,本件支出職員に賠償命令をすることを求める請求をしなければならないというべきである。そして,同号が,当該職員又は当該行為若しくは怠る事実の相手方が法243条の2第3項の規定による賠償命令の対象となる者である場合とそうでない場合を区別し,前者の場合には賠償命令をすることを求める請求をすることを特に定めていることからすれば,賠償命令の対象となる者について損害賠償請求をすることを求める訴えは,法の予定しない不適法な訴えというべきである。したがって,本件訴えのうち本件支出職員に対して損害賠償の請求をすることを求める部分は,不適法であるといわざるを得ない。 (2) 認定事実前記前提となる事実に証拠(後掲の各証拠のほか,甲2,3,17,21,23,45~47〔後記認定に反する部分を除く。〕,乙1の1,30,36,39〔後記認定に反する部分を除く。〕,丙4,証人K〔後記認定に反する部分を除く。〕,証人J)及び弁論の全趣旨によれば,本件請負契約の締結に至る経緯等に関し,次の事実が認められる。 ア国は,平成21年,地球温暖化対策の推進を目的として,一定規模以上の自治体に補助金を交付して当該自治体において基金を造成し,この基金を活用して当該自治体が自ら又は民間事業者等への補助により省エネ施設等の整備事業等(GND基 化対策の推進を目的として,一定規模以上の自治体に補助金を交付して当該自治体において基金を造成し,この基金を活用して当該自治体が自ら又は民間事業者等への補助により省エネ施設等の整備事業等(GND基金事業)を実施することとした。GND基金事業の実施要綱では,GND基金事業の実施期限は平成23年度末とされ,計画された事業が終了したときに基金に残額がある場合は国費相当額を国庫に返還しなければならないものとされていた。(甲20)イ吹田市は,平成22年3月,環境省から上記アの補助金として5854万円の交付を受けて吹田市グリーンニューディール基金(本件基金)を創 設した。吹田市は,本件基金を活用して民間事業者等が省エネルギー改修を行う場合にその一部を助成する事業を実施したものの,同事業への申請件数が少なく,平成23年7月時点で本件基金には3000万円を超える残金が発生した。 ウ吹田市において本件基金による事業を所管していた環境部は,本件基金を有効活用するため,本件基金を利用して公共施設の省エネルギー改修事業を実施することとし,省エネルギー効果や吹田市民への啓発効果等を考慮して,本庁舎の維持管理を所管する総務部と協議の上,本庁舎において照明設備改修(LED化)事業等の3事業(本件3事業)を実施することとした。(甲15)なお,同年9月5日付けでGND基金事業の実施要領が改正され,やむを得ない事情により平成23年度末までにGND基金事業が終了しないと見込まれる場合には自治体が総合環境政策局長に所定の報告書を提出することにより平成24年度末までGND基金事業の実施期限を延長することが可能となった。しかし,上記の実施期限の延長は,東日本大震災に伴うものであり,単に基金に残余が発生していることをもって延長すること ことにより平成24年度末までGND基金事業の実施期限を延長することが可能となった。しかし,上記の実施期限の延長は,東日本大震災に伴うものであり,単に基金に残余が発生していることをもって延長することはできないとされ,吹田市も上記の報告書を提出しなかったため,本件基金による事業の実施期限は平成23年度末のままであった。(甲1,乙2)エ吹田市は,平成24年2月8日,本件3事業につき指名競争入札を実施したが,予定価格を大幅に下回る金額で落札されたことなどから,本件基金にはなお2497万9000円が残った。そこで,環境部は,本件基金の有効活用という観点から太陽光発電設備の設置を検討し,公共施設の工事等に関する設計・積算を担当する建築課にも意見を聴いた上,同月10日頃,総務部に対し,上記の残金を利用して本庁舎の低層棟屋上に発電容量15kwの太陽光発電設備を設置する工事(本件工事)を提案した。これに対し,総務部は,Kが事務処理を補助することを条件に環境部の上記 提案を了承した。 オ建築課のO主査は,本件基金を利用した事業の実施期限(平成24年3月末)まで時間がなかったことから本庁舎の電気系統に関する工事の実績がある補助参加人の工事部部長のJに本件工事への協力を要請し,O主査,J,K等は,同月13日から同月15日まで吹田市役所において本件工事に関する協議を行った。 同月13日の協議において,Jは,本件工事の工事自体は可能であるが太陽光パネルの納品が問題であり工期的にはかなり厳しい旨を述べ,吹田市職員は,Jに対し,本件工事は入札で実施することになるとした上で,工事の見積作業や仕様書作成に協力することを依頼した。同日の協議において太陽光パネルの納品の可否が指摘されたことから,翌14日の協議では,太陽光パネルの代理店であ 札で実施することになるとした上で,工事の見積作業や仕様書作成に協力することを依頼した。同日の協議において太陽光パネルの納品の可否が指摘されたことから,翌14日の協議では,太陽光パネルの代理店であり吹田市から工事を受注したことのあるP株式会社の担当者も参加することとなり,吹田市側は,P株式会社の担当者に対して15kwの防眩タイプの太陽光パネルの在庫確認を依頼した。 そして,同月15日の協議において,P株式会社の担当者は,防眩タイプの太陽光パネルを納品することは可能でありQに15kwの太陽光パネルの在庫が存在することを確認した旨を述べた。(甲48,52,乙6の1~3,丙8)カ O主査は,上記オの協議の結果を踏まえ,同月17日,本件工事の仕様書を完成し,この仕様書は,Kによる追記を経て,同日,総務部に交付された(乙19。本件仕様書)。 本件工事の内容は,概要,①太陽光発電設備設置工事(本庁舎低層棟屋上に80台の太陽電池モジュール等を,3階控室にデータ収集装置等を,1階ロビーに表示装置をそれぞれ設置する工事),②既設受変電設備の改造工事,③上記①及び②の工事に伴う配線配管工事,④警報出力のための中央監視室への警報盤設置工事,⑤上記④の工事に伴う配線配管工事,⑥ 接地工事(上記①で設置された機器と本庁舎中層棟地階電気室にある既設置端子盤を接地用ケーブルで接続するアース工事)等であった。このうち,上記③,⑤及び⑥の工事は,本庁舎内にケーブルを張り巡らせる配線配管工事であり,この工事が本件工事の相当な割合を占めていたが,本件仕様書作成当時,吹田市には本庁舎の電気配線関係の現況図面が存在しなかったため,本件仕様書には,20年以上前に行われた低層棟の電気設備工事の完成後に作成された電気配線図面(乙26)が添付された(原 仕様書作成当時,吹田市には本庁舎の電気配線関係の現況図面が存在しなかったため,本件仕様書には,20年以上前に行われた低層棟の電気設備工事の完成後に作成された電気配線図面(乙26)が添付された(原告らは,本件仕様書作成当時,電気配線関係の現況図面として甲第36の3の図面が存在したと主張するが,上記図面の工事名に「吹田市本庁舎低層棟屋上一部改修(太陽光発電設備設置)」と記載されていることなどに照らすと,上記図面は本件工事完成後に作成されたものと認められるから,原告らの上記主張は採用することができない。)。 キ総務部は,同月20日,予算額を本件基金の残額と同額の2497万9000円,工事内容を本件仕様書のとおりなどとして,本件工事について補助参加人と請負契約の締結交渉を行う旨の決裁書を作成し,同月24日,A市長の決裁を受けた(甲5)。上記決裁書には,本件工事の実施理由として,本件基金の残金約2500万円を有効活用するために実施するものである旨が記載され,本件工事を補助参加人との単独随意契約の方法により実施する理由として,本件工事は,平成23年度内に完了しなければならないため,施行令167条の2第1項5号に基づき,本庁舎の各種電気工事等に実績があり本庁舎内の電気系統に精通している補助参加人と請負契約の締結交渉を行う旨が記載されていた。 なお,吹田市財務規則109条では,施行令167条の2の規定により随意契約を行おうとするときは,なるべく2人以上の者を選んでそれらの者から見積書を徴しなければならないとされているが,本件工事については,補助参加人と本件工事の請負契約の締結交渉をするに当たり,他の電 気工事業者からの見積書の徴取は行われていない。また,同規則109条の2では,随意契約の方法により契約を締結しようとするときは 助参加人と本件工事の請負契約の締結交渉をするに当たり,他の電 気工事業者からの見積書の徴取は行われていない。また,同規則109条の2では,随意契約の方法により契約を締結しようとするときは,取引の実例価格,需給の状況,履行の難易,数量の多少,履行期間の長短等を考慮して,契約を締結することができる金額の限度額を定めなければならない旨が規定されているが,本件工事については,本件仕様書は作成されたものの,設計図書の作成及び設計図書に基づく設計金額の積算は行われず,C総務部長は,本件基金の残金2497万9000円を基にこれとほぼ同額の2496万9400円を本件工事の予定価格とした。 ク Kは,同日頃,Jに対し,随意契約の方法で本件工事を補助参加人に発注することになった旨を連絡し,本件仕様書をJに交付するとともに早急に見積りを出すよう求めた。そして,Kは,その数日後にもJに対し本件工事の見積りが完成したかを問い合わせた。しかし,Jは,太陽光パネルの見積りを太陽光パネルの代理店であるP株式会社に確認する必要があった上,防水架台の見積りを依頼した業者からも回答がなく本件工事の見積りを出すことができない状態にあったことから,その旨をKに説明した。 ケ上記の説明を受けたKは,同月27日頃,Jに対し,吹田市役所に来庁するよう要請し,来庁したJに対し,2144万円で本件工事を依頼することは可能かを尋ね,可能であれば早急に見積書を提出するよう求めた。 そこで,Jは,上記同額で本件工事を受注することができるかを検討し,その日の夕方にP株式会社から提出された太陽光パネルの見積りを踏まえて本件工事の工事金額を積算したところ2200万円程度となり2144万円で受注することは可能であると思われたことなどから,本件工事を2144万円で受注するこ ら提出された太陽光パネルの見積りを踏まえて本件工事の工事金額を積算したところ2200万円程度となり2144万円で受注することは可能であると思われたことなどから,本件工事を2144万円で受注することが可能であると判断した。 コ Jは,同月29日頃,見積金額を2144万円とする吹田市長宛ての見積書(甲2)をKに提出した。この見積書には,通常見積書に添付されている見積金額の内訳を記載した書面は添付されていなかったが,Kは,上 記の点を問題視することなく,見積書を受け取った。 サ総務部は,同日,本件工事につき,①契約金額を2144万円に消費税及び地方消費税を加算した2251万2000円,②工事期間を平成24年3月5日から同月31日,③工事内容を本件仕様書のとおりなどとする請負契約を締結する旨の決裁書(甲6)を起案し,同月5日,A市長の決裁を得た。そして,吹田市は,同日,補助参加人との間で本件請負契約を締結した。(丙6の1)シ本件工事は同月30日に完成したが,その後,総務部は,吹田市議会の全員協議会等での指摘を踏まえ,同年11月19日付けで,Jに対して本件工事の内訳書を提出するよう求めた。その際,Jは,総務部から,本件請負契約時に作成した概算による内訳書ではなく,最終的な図面に沿った内容のものを提出するよう求められたため,総務部の要望に応じた内訳書を作成し,同月27日,これを提出した。(甲3,48,49)ス吹田市は,平成24年2月時点の本件基金の残金2497万9000円を利用して,本件工事のほか,ペアガラス導入工事(暖房効率を上げるために議会棟の窓ガラスを二重構造のガラスに替える工事)及び本庁舎照明設備改修(LED化)の追加工事を実施したところ,ペアガラス導入工事の工事代金は111万7200円 ラス導入工事(暖房効率を上げるために議会棟の窓ガラスを二重構造のガラスに替える工事)及び本庁舎照明設備改修(LED化)の追加工事を実施したところ,ペアガラス導入工事の工事代金は111万7200円,本庁舎照明設備改修(LED化)の追加工事の工事代金は133万0560円であり,最終的な本件基金の残金は3万8595円(本件基金の当初額の0.066%)となった。(甲17,乙1の1,36)(3) 前記認定事実の補足説明(本件請負契約の代金額決定過程に関する被告の主張について)ア前記(2)ク及びケのとおり,Kは,平成24年2月20日頃,Jに対して本件工事の見積書を提出するよう求め,同月27日頃には,Jに対して2144万円で本件工事を依頼することは可能であるかを尋ねた上,同額で 本件工事を受注することが可能であれば早急に見積書を提出するよう求めたことが認められる。 これに対し,被告は,KがJに見積金額を2144万円とする本件工事の見積書の提出を依頼したことはなく,Jが,Kからの本件工事の見積依頼に応じて,見積金額を2144万円とする見積書を提出したと主張し,証拠(甲45~47,乙39,証人K)にはこれに沿う部分がある。 イしかし,地方公共団体が工事請負契約を締結する場合には適正な代金額で契約を締結する必要があり,とりわけ,本件工事のように,設計図書に基づく工事代金の積算が行われず,見積合せが実施されないまま補助参加人との単独随意契約の方法で請負契約を締結しようとする場合にはその代金額の適正さを慎重に検討する必要があるのであって,被告の主張するように,KがJに本件工事の見積りを依頼したのであれば,その目的は上記の観点から補助参加人による見積金額が適正なものか否かを確認することにあったと解される。そうであるところ であって,被告の主張するように,KがJに本件工事の見積りを依頼したのであれば,その目的は上記の観点から補助参加人による見積金額が適正なものか否かを確認することにあったと解される。そうであるところ,Jは,Kに対し,見積金額の内訳を記載した書面の添付のない見積書1枚のみを提出したのであるから(前記認定事実コ),Kとしては,当該見積書の見積金額の内訳を記載した書面の提出を求めるなど見積金額の根拠を説明するよう求めるはずである。 ところが,Kは,Jに対して見積書に見積金額の内訳を記載した書面が添付されていないことを特に問題とすることなく,見積書を受領しており(前記認定事実コ),このようなKの行動は不自然,不合理というほかない。 また,補助参加人が見積書を提出する場合には見積金額の内訳を記載した書面を添付するのが通常であり(証人J),実際,補助参加人は本件3事業のうちの照明設備改修(LED化)事業の競争入札に入札する際には内訳書を添付した見積書を吹田市長に提出しているのであって(甲14),補助参加人が本件工事につき見積金額の内訳を記載した書面を添付しないで見積書を提出しなければならない事情は見当たらない。そうすると,補 助参加人が自らの判断で見積金額の内訳を記載した書面を添付せずに本件工事の見積書を提出したとは考え難い。 さらに,①平成24年2月時点における本件基金の残額は2497万9000円であったところ,同月20日時点では本件工事の予算額は上記同額とされていたこと(前記認定事実キ),②その後,吹田市が本件工事及びペアガラス導入工事の実施に伴って平成24年2月23日に環境省に提出した「中核市・特例市グリーンニューディール基金事業計画変更書」(同月21日作成)では,本件工事の事業費は2386万1000円とされたが,この 入工事の実施に伴って平成24年2月23日に環境省に提出した「中核市・特例市グリーンニューディール基金事業計画変更書」(同月21日作成)では,本件工事の事業費は2386万1000円とされたが,この金額は,本件基金の残額からペアガラス導入工事の事業費111万8000円を差し引いた額であること(甲18),③最終的な本件工事の工事金額は2251万2000円となったが,この金額は,本件基金の残額からペアガラス導入工事及びLED追加工事の工事金額との合計額を差し引いた額にほぼ等しいこと(前記認定事実ス)などからすれば, 本件請負契約の代金額は,本件基金の残額を利用して実施する他の工事(ペアガラス導入工事及びLED追加工事)との調整の上で決定されたものと推認するのが相当である。このような契約代金の決定は補助参加人において行うことは不可能であり,吹田市側からの提示金額を補助参加人において了承したと考えるのが合理的である。 ウ以上のことからすれば,上記各証拠中,被告の上記主張に沿う部分はいずれも採用することができず,他に被告の上記主張を認めるに足りる証拠はない。他方,前記(2)ク及びケに認定したJがKに本件工事の見積書を提出するに至る経緯に関する事実に沿う証拠(甲49,丙8,証人J)は,Kとのやりとりなどの点において具体性を有するものである上,上記イの諸事情にも整合するものであって信用することができるというべきである。 (4) 本件支出職員を相手方とする請求についてア本件支出及びその補助行為が違法となる場合 前記2,3及び4(1)に説示したところによれば,本件各財務会計職員を相手方とする請求のうち,本件において実体的判断の対象となるのは本件支出職員に賠償命令をすることを求める部分のみとなる。同部分は,本件支出の違法無 1)に説示したところによれば,本件各財務会計職員を相手方とする請求のうち,本件において実体的判断の対象となるのは本件支出職員に賠償命令をすることを求める部分のみとなる。同部分は,本件支出の違法無効を理由とするものであるところ,本件支出に固有の違法があることの主張立証はないから,原告らの主張は,本件請負契約が違法無効であることを理由とするものであると解される。 ところで,法242条の2第1項4号に定める普通地方公共団体の職員に対する損害賠償の請求又は同法243条の2第3項に定める普通地方公共団体の職員に対する賠償命令をすることができるのは,これに先行する原因行為に違法事由が存する場合であってもその原因行為を前提としてされた当該職員の行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに限られる。 この点,会計管理者は,支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと等を確認した上でなければ支出することができないとされているものの(法232条の4第2項),普通地方公共団体が締結した債務を負担する契約が違法に締結されたものであるとしても,それが私法上無効ではない場合には,当該普通地方公共団体はその相手方に対しそれに基づく債務を履行すべき義務を負うのであるから,当該契約に基づく債務の履行として支出を行う権限を有する職員は,当該普通地方公共団体において当該相手方に対する当該債務を解消することができるときでなければ,当該行為を行ってはならないという財務会計法規上の義務を負うものではないと解される。そうすると,普通地方公共団体が締結した債務を負担する契約が違法に締結されたものであるとしても,それが私法上無効でない場合には,普通地方公共団体が当該契約の取消権又は解除権を有しているときや,当該契約が著しく合理性を欠きそのためその締結に予算 担する契約が違法に締結されたものであるとしても,それが私法上無効でない場合には,普通地方公共団体が当該契約の取消権又は解除権を有しているときや,当該契約が著しく合理性を欠きそのためその締結に予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存し,かつ,当該普通地方公共団体が当該契約 の相手方に事実上の働きかけを真しに行えば相手方において当該契約の解消に応ずる蓋然性が大きかったというような,客観的にみて当該普通地方公共団体が当該契約を解消することができる特殊な事情があるときでない限り,当該契約に基づく債務の履行として支出を行う権限を有する職員は,当該契約の適法性を審査する権限を有していても,違法な契約に基づく支出命令により支出を行ってはならないという財務会計法規上の義務を負うものとはいえず,当該職員が上記債務の履行として行う支出がこのような財務会計法規上の義務に違反する違法なものとなることはないと解するのが相当である(最高裁平成25年3月21日第一小法廷判決・民集67巻3号375頁参照)。 本件支出は,本件請負契約の債務の履行としてされたものであるところ,吹田市が本件請負契約の取消権又は解除権を有していること,又は当該契約が著しく合理性を欠きそのためその締結に予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存し,かつ,当該普通地方公共団体が当該契約の相手方に事実上の働きかけを真しに行えば相手方において当該契約の解消に応ずる蓋然性が大きかったというような,客観的にみて当該普通地方公共団体が当該契約を解消することができる特殊な事情があることの主張立証はない。したがって,本件支出がG会計管理者の財務会計上の義務に反する違法なものであるといえるかは,本件請負契約が私法上無効である場合に限られ,前記のとおり,H会計室室長の補助行為の違 との主張立証はない。したがって,本件支出がG会計管理者の財務会計上の義務に反する違法なものであるといえるかは,本件請負契約が私法上無効である場合に限られ,前記のとおり,H会計室室長の補助行為の違法はG会計管理者の財務会計上の行為の違法を構成する関係にあるから,H会計室室長の補助行為が違法なものとなる場合も上記の場合に限られる。そこで,まず,本件請負契約の私法上の効力について判断する前提として本件請負契約が違法であるか否かについて検討する。 イ随意契約の要件欠如の違法について(ア) 法234条1項は,「売買,賃借,請負その他の契約は,一般競争入 札,指名競争入札,随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする」とし,同条2項は,「前項の指名競争入札,随意契約又はせり売りは,政令で定める場合に該当するときに限り,これによることができる。」としているが,これは,普通地方公共団体の締結する契約については,機会均等の理念に最も適合して公正であり,かつ,価格の有利性を確保し得るという観点から,一般競争入札の方法によるべきことを原則とし,それ以外の方法を例外的なものと位置付けているものと解することができる。そして,そのような例外的な方法の一つである随意契約によるときは,手続が簡略で経費の負担も少なく,相応の資力,信用,技術,経験を有する相手方を選定することができる反面,契約の相手方が固定化し,契約の締結が情実に左右されるなど公正を妨げる事態が生ずるおそれのあることから,施行令167条の2第1項は前記の法の趣旨を受けて同項に掲げる一定の場合に限定して随意契約の方法による契約の締結を許容することとしたものと解することができる。このような法令の趣旨に鑑みると,同項5号の規定する「緊急の必要により競争入札に付することができないと 定の場合に限定して随意契約の方法による契約の締結を許容することとしたものと解することができる。このような法令の趣旨に鑑みると,同項5号の規定する「緊急の必要により競争入札に付することができないとき」とは,天災地変等の予見不可能な非常緊急の事態が発生したことにより競争入札に付するいとまがない場合であって,競争入札に付するときは契約の目的を達成することができないときをいうものと解すべきであり,これに該当するか否かは,普通地方公共団体の契約担当者が,契約の公正及び価格の有利性を図ることを目的として普通地方公共団体の契約締結の方法に制限を加えている法令の趣旨を勘案し,個々の具体的な契約ごとに,当該契約の種類,内容,性質,目的等諸般の事情を考慮して,その合理的な裁量に基づいて判断すべきものである(最高裁昭和62年3月20日第二小法廷判決・民集41巻2号189頁参照)。平成25年3月に定められた吹田市随意契約ガイドラインが「緊急の必要により競争入札に付することができないと き」とは,災害その他の予見不可能な非常の事態が発生し,かつ,競争入札によると時機を失し,契約の目的を達成することができなくなるときと定め(甲9),大阪府随意契約ガイドラインも,「緊急の必要により競争入札に付することができないとき」に該当する場合は,天災地変その他の客観的理由の急迫を要する場合であって公告の期間等を短縮してもなお競争入札に付するいとまがないようなときであり,競争入札に付していては契約の目的を達成できない場合である旨を定めている(甲24)のも上記と同様の理解に立つものであると解される。 (イ) これを本件についてみると,前記認定事実ア,キ及びサによれば,A市長は,本件基金を利用した事業の実施期限が平成24年3月末であり競争入札により本件工 に立つものであると解される。 (イ) これを本件についてみると,前記認定事実ア,キ及びサによれば,A市長は,本件基金を利用した事業の実施期限が平成24年3月末であり競争入札により本件工事を実施すると上記の実施期限内に本件工事を完了することができず本件基金に生じていた残金を国庫に返還しなければならなくなるとの理由から施行令167条の2第1項5号の「緊急の必要のため競争入札によることができないとき」に該当するとして随意契約の方法により本件請負契約を締結したことが認められる。上記のような理由が,天災地変等の予見不可能な非常緊急の事態が発生したことにより競争入札に付するいとまがない場合に当たらないことは明らかである。そうすると,A市長が上記の理由から随意契約の方法により本件請負契約を締結したことは,その裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したものというべきであり,本件請負契約の締結につき随意契約の方法を選択したことは違法であるというほかない。 ウ本件請負契約の相手方の適否について原告らは,A市長は,本件請負契約の相手方を補助参加人とする合理的理由はないにもかかわらず,補助参加人に不当な利益を得させる目的で補助参加人と本件請負契約を締結したと主張する。 確かに,証拠(甲23)によれば,吹田市業者登録名簿において,吹田 市の電気工事の分野で補助参加人と同等以上のランクである業者は28社あり,そのうち同市の公共施設に太陽光発電設備設置工事の実績のある業者は6社あること,他方で,補助参加人は本件工事まで同市の公共施設での太陽光発電設備工事を行ったことはなかったことが認められる。 しかし,地方公共団体が随意契約の方法により契約を締結する場合において契約の相手方の選定は契約担当者の合理的裁量に委ねられていると解され 太陽光発電設備工事を行ったことはなかったことが認められる。 しかし,地方公共団体が随意契約の方法により契約を締結する場合において契約の相手方の選定は契約担当者の合理的裁量に委ねられていると解されるところ,前記認定事実カ,キ及び証拠(甲22の2,丙4)並びに弁論の全趣旨によれば,①本件基金による事業の実施期限が平成24年3月末であったため本件工事も同日までに施工を完了しなければならず,本件工事の内容に比して工期が極めて短期間であったこと(なお,前記認定事実ウのとおり,平成23年9月にGND基金事業の実施要綱が改正され,やむを得ない事情により平成23年度末までにGND基金事業が終了しないと見込まれる場合には自治体は所定の報告書を提出することによりGND基金事業の実施期限を延長することが可能となったが,吹田市は上記の報告書を提出していない。しかし,前記認定事実ウのとおり,上記の実施期限の延長は東日本大震災に伴うものであり,単に基金に残余が発生していることをもって延長することはできないとされていたのであるから,本件基金に生じた残額を利用するために実施することとなった本件工事を理由に本件基金の実施期限を延長することはできなかったというべきである。),②本件工事には,太陽光発電設備以外の電気設備の設置工事や本庁舎全体にケーブルを張り巡らせる配線配管工事が含まれており,これらの工事が相当な割合を占めていること,③本件請負契約締結当時,本庁舎の電気配線関係の現況図面が存在しなかったことが認められる。以上のような本件工事の内容及び施工条件に照らせば,本件工事の施工業者としては,本庁舎の電気設備や配線配管関係を十分に把握し本件工事を迅速かつ円滑に施工することができる者であることが望ましいということができる。 そして,補助参加人は,長年に 事の施工業者としては,本庁舎の電気設備や配線配管関係を十分に把握し本件工事を迅速かつ円滑に施工することができる者であることが望ましいということができる。 そして,補助参加人は,長年にわたり本庁舎のコンセント回路の増設や照明回路の改修等の配線配管工事を相当数施工している上(乙5の1~15。甲12によれば,本庁舎の電気配線等の修繕工事のうち補助参加人が施工したのは平成21年度では4件中3件,平成22年度では2件中2件,平成23年度では2件中2件である。),これまでも吹田市から電気設備の工事に関して技術的な意見を求められることがあり(甲48),本件工事の実施を検討するに当たっても建築課から協力を要請されていること(前記認定事実オ),補助参加人は本件工事までの間に1件ではあるものの太陽光発電設備設置工事の施工実績を有すること(甲48,証人J)に照らすと,補助参加人は本庁舎の電気設備や配線配管関係を十分に把握し本件工事を迅速かつ円滑に施工することができ,本件工事の施工業者として高い適格性が認められるというべきである。そうすると,本件工事について補助参加人との間で随意契約の方法により請負契約を締結することは,契約の相手方の選定という点において不合理はないというべきである。そして,A市長が補助参加人に不当な利益を得させる目的で補助参加人と本件請負契約を締結したことを認めるに足りる証拠はない。 この点につき,原告らは,本件請負契約の締結前に行われた本件工事に関する協議に補助参加人が参加しており,その協議記録に「現在,Q製を仮押さえしている。」と記載されていることからすれば本件請負契約締結前に太陽光パネルの在庫を仮押えしたことが認められ,このように,吹田市では,当初から補助参加人に発注することを前提に本件工事に関する協議を進めており 」と記載されていることからすれば本件請負契約締結前に太陽光パネルの在庫を仮押えしたことが認められ,このように,吹田市では,当初から補助参加人に発注することを前提に本件工事に関する協議を進めており,このことは本件請負契約が補助参加人に不当な利益を得させる目的であることを裏付けるものである旨主張する。 しかし,平成24年2月13日に行われた本件工事に関する協議の協議記録(乙6の1)には本件工事が入札を予定している旨が記載されているのであり,同日時点においては吹田市は競争入札を実施する意向であった と推認される。また,上記のとおり,補助参加人は,長年にわたり本庁舎のコンセント回路の増設や照明回路の改修等の配線配管工事を相当数施工しており,これまでも吹田市から電気設備の工事に関して技術的な意見を求められることがあったのであるから,その当否はともかく,吹田市が本件工事を競争入札で実施することを前提としつつ補助参加人にその見積り等に協力することを依頼することも不自然とはいえない。さらに,同年2月15日の協議記録に「現在,Q製を仮押さえしている。」と記載されていることについては,正式な発注前にQの太陽光パネルの在庫を暫定的に押さえておくことができないこと(甲52),上記の協議記録はKの個人的なメモにすぎず(丙4,証人K),Kは100条委員会の調査において,P株式会社が在庫品を押さえている旨の印象を受けたので上記の記載になったのではないかと述べていること(甲45)などに照らすと,上記の協議記録の記載をもって補助参加人がQの太陽光パネルの在庫を仮押えしていたとは認められない。 以上の諸点に照らすと,吹田市において当初から補助参加人に発注することを前提に本件工事に関する協議を進めていたと推認することはできず,原告らの上記主張は採用するこ 押えしていたとは認められない。 以上の諸点に照らすと,吹田市において当初から補助参加人に発注することを前提に本件工事に関する協議を進めていたと推認することはできず,原告らの上記主張は採用することができない。 エ本件請負契約の代金額の適否について(ア) 原告らは,A市長が,補助参加人に不当な利益を得させる目的で,不当に高額な代金額で補助参加人と本件請負契約を締結したから本件請負契約が違法である旨主張する。 しかし,地方公共団体が随意契約の方法により工事請負契約を締結する場合には,地方公共団体は適正な価格によって契約を締結すべき義務を負うが,契約担当者は,上記の限度において合理的な裁量を有するというべきである。そして,まず,ガバナンス委員会の依頼を受けて本件工事の価格の妥当性調査等を行った株式会社Iは,同社の積算による本 件工事の代金額は2103万8012円とした上,この金額は,本件請負契約の代金額より約150万円低いものの,本件工事が既設の建物に太陽光パネルを設置する工事であること,工期が短期間であったこと,在庫品のあるメーカーが選定されたことを考慮すると,上記の金額差は妥当なものである旨を報告しており(甲22の1・2),この調査結果が不合理なものであることをうかがわせる事情は見当たらない。 また,吹田市では,平成18年頃,メーカー数社から見積書を徴取し,太陽光発電設備設置工事の概算金額を附帯工事を含まない額で1kw当たり130万円と決定し,その後も,国が庁舎などを建設する際の工事費積算に採用する国土交通省監修の「新営予算単価」において新築で附帯工事を除く単価が10kw当たり1672万円から1718万円の範囲内で推移していたことなどから,本件工事の実施時点においても太陽光発電設備設置工事の概算金額を附帯 「新営予算単価」において新築で附帯工事を除く単価が10kw当たり1672万円から1718万円の範囲内で推移していたことなどから,本件工事の実施時点においても太陽光発電設備設置工事の概算金額を附帯工事を含まない額で1kw当たり130万円としていたのであり(乙24の1~4,丙5),このような吹田市の取扱いには一定の合理性があると認められる。そうであるところ,本件請負契約は,15kwの太陽光発電設備設置工事の代金額を2140万円(税抜)とするものであり(1kw当たり約143万円),上記金額が附帯工事を含むものであることを考慮すると,上記の金額差が不合理なものとはいえない。 さらに,吹田市の行政経営部資産経営室が平成24年12月に本件工事と同じ15kwの太陽光発電設備を本庁舎低層棟屋上に設置するための実施設計及び積算をしたところ,通常の工期(約5~6か月)を前提とした工事金額は,本件請負契約の代金額と近似する2129万円(税抜)となった(丙5)。 以上の諸点に照らせば,本件請負契約の代金額が不当に高額であるということはできないというべきである。 (イ) 原告らは,吹田市が過去に行った太陽光発電設備設置工事(Rの改修工事に伴う太陽光発電設備設置工事及び青少年拠点施設の建設に伴う太陽光発電設備設置工事)における工事金額は1kw当たり130万円よりも低額であって,吹田市における太陽光発電設備設置工事の概算金額1kw当たり130万円は不当に高額であると主張する。 しかし,原告らの指摘する工事はいずれも太陽光発電設備設置工事が建物の建築工事と一体的に行われたものであるのに対し,本件工事は既設の建物に太陽光発電設備を取り付けるものであり(弁論の全趣旨),前者の場合には,太陽光発電設備設置工事の一部が建物の建築工事 工事が建物の建築工事と一体的に行われたものであるのに対し,本件工事は既設の建物に太陽光発電設備を取り付けるものであり(弁論の全趣旨),前者の場合には,太陽光発電設備設置工事の一部が建物の建築工事と共通するために太陽光発電設備設置工事を単体で行う場合に比べて工事費が低額となる場合もあると考えられる。そうすると,原告らの指摘する太陽光発電設備工事の代金額が1kw当たり130万円よりも低額であることから,吹田市における太陽光発電設備設置工事の概算金額1kw当たり130万円は不当に高額であるということはできない。 (ウ) 原告らは,①エネルギー・環境会議コスト等検証委員会が平成23年12月19日に報告した「コスト等検証委員会報告書」(甲25)では,2010年モデルの太陽光発電設備建設費は,住宅用4kwで1kw当たり48万円~55万円,メガソーラー1200kwで1kw当たり35万円~55万円とされていること,②経済産業省資源エネルギー庁の調達価格等作成委員会で配布された「平成25年度調達価格検討用基礎資料」(甲26)及び環境省の平成25年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討報告書の資料(甲35)では,平成24年度太陽光発電設備設置のシステム価格は,住宅用(10kw未満)で1kw当たり46.6万円,非住宅用(2MW)で1kw当たり32.5万円とされていることから,1kw当たりの概算工事費を130万円とすることは不当に高額であると主張する。 しかし,原告らの指摘する上記価格は,いずれも対象とする太陽光発電設備の出力規模が本件工事で設置された太陽光発電設備と異なる上,上記価格に含まれる太陽光発電設備の設置工事の内容が明らかでなく,上記の報告書の記載から直ちに1kw当たりの概算工事額を130万円 発電設備の出力規模が本件工事で設置された太陽光発電設備と異なる上,上記価格に含まれる太陽光発電設備の設置工事の内容が明らかでなく,上記の報告書の記載から直ちに1kw当たりの概算工事額を130万円とすることが不当であるとはいえない。 (エ) 原告らは,甲4号証の「内訳書」と題する書面を根拠として,本件工事の適正な工事代金額は1091万1075円であり,本件請負契約の代金額である2251万2000円は不当に高額なものというべきであると主張するが,上記書面の作成者は不明であり,その信用性は低いものといわざるをえず,上記書面を根拠に本件工事の代金額が不当に高額であるということはできない。 (オ) 原告らは,100条委員会から本件請負契約の請負代金の積算の依頼を受けた建築士が,同委員会に提出した調査報告書(本件調査報告書)において複合単価(労務・材料価格等により積算された単価)で算出した本件工事の適正代金額は1962万7500円であるとした上,同委員会に対して市場単価は複合単価の70%から75%であると説明していることから,本件工事の市場価格の工事費は1373万9250円又は1472万0625円であるとして,本件請負契約の請負代金額は不当に高額であると主張する。 しかし,本件調査報告書では,太陽光発電設備業者3社に本件工事の見積りを依頼したところ,それぞれの見積額はX社が2310万円,Y社が1984万5000円,Z社が1869万円であったとした上,これらの見積額を比較検討してY社の見積額を積算根拠としているところ,本件調査報告書では,Z社の見積りについては配線配管工事の見積落ちがあることなどを理由に採用しないとしているものの,本件請負契約の代金額よりも高額であるX社の見積額を選定しない理由を明らかにして おらず は,Z社の見積りについては配線配管工事の見積落ちがあることなどを理由に採用しないとしているものの,本件請負契約の代金額よりも高額であるX社の見積額を選定しない理由を明らかにして おらず,Y社の見積額を選定した理由は不明というほかない。そうすると,本件調査報告書をもって本件請負契約の請負代金額が不当に高額であるということはできない。 (カ) さらに,原告らは,補助参加人の本件工事に関する工事計画書(本件工事計画書)では実行予算額が1337万円とされているから,これに一般管理費等を加算した約1449万円から1555万円が本件工事の適正代金額であるとして,本件請負契約の代金額は不当に高額であると主張する。 しかし,証拠(証人J)及び弁論の全趣旨によれば,本件工事計画書は,本件工事の完了後に作成されたものであり,本件工事に実際に要した費用の内訳を記載したものであって,本件工事計画書の実行予算額も補助参加人が本件工事において現実に要した費用の額であると認められる。そうであるところ,地方公共団体から工事を受注する工事業者は,予定価格を下回る金額で工事請負契約を締結した上,企業努力により経費を節減するなどして利益を得るのが通常であり,このような利益の取得は正当な企業活動によるものというべきである。そうすると,実際の工事費用が契約代金額よりも低額になったことから直ちに契約代金額が不当に高額であるということはできない。 もっとも,本件工事計画書の実行予算額によると本件工事の粗利率は37.6%となり,①吹田市が過去に行った太陽光発電設備設置工事では一般管理費を含む共通費の割合が約22%であること(甲38の1・2,39),②P株式会社の担当者が100条委員会において太陽光発電設備設置工事の利益率が一般に10%あるかないかかもしれない 工事では一般管理費を含む共通費の割合が約22%であること(甲38の1・2,39),②P株式会社の担当者が100条委員会において太陽光発電設備設置工事の利益率が一般に10%あるかないかかもしれない旨を述べていること(甲52)からすれば,上記の粗利率が一般的な太陽光発電設備設置工事における利益率よりも高率であることがうかがわれないではない。しかし,上記のとおり,地方公共団体から工事を受注する 工事業者は企業努力により経費を節減するなどして利益を得るのが通常であり,工事業者の利益率は受注した工事の内容や工事業者の交渉能力等によって異なり得るのであるから,本件工事の粗利率が37.6%であることをもって本件請負契約の代金額が不当に高額であったと推認することはできない。 (キ) 原告らは,本件請負契約の締結に当たり見積合せを行っていないから本件請負契約の代金額は不当に高額であると主張する。 しかし,原告らの上記主張は,見積合せが行われれば補助参加人以外の業者との間で本件請負契約の代金額よりも低額で本件工事の請負契約を締結することができたことを前提とするものと解されるところ,前記ウのとおり,補助参加人は本庁舎の電気設備や配線配管関係を十分に把握し本件工事を施工する高い適格性を有しているのであり,補助参加人以上に本件工事を施工する適格性を有する電気工事業者が存在することを認めるに足りる証拠はない(前記のとおり,吹田市業者登録名簿において電気工事の分野で補助参加人と同等以上のランクである業者が存在することは認められるものの,上記の業者が本庁舎の電気設備や配線配管関係を補助参加人以上に把握していることを認めるに足りる証拠はない。)。そうすると,本件工事について見積合せを行えば補助参加人以外の業者と本件工事の請負契約を締結していたものと の電気設備や配線配管関係を補助参加人以上に把握していることを認めるに足りる証拠はない。)。そうすると,本件工事について見積合せを行えば補助参加人以外の業者と本件工事の請負契約を締結していたものとは認められず,原告らの上記主張は前提を欠き,採用することができない(なお,吹田市財務規則109条は,随意契約をする場合には「なるべく2人以上の者を選んでそれらの者から見積書を徴しなければならない」と規定しているのに対し,本件工事については見積合せが行われていないが,上記に説示したところに加え,本件請負契約の代金額が不当に高額とは認められないことに照らせば,本件工事について見積合せを行わなかったことが違法であるということはできない。)。 (ク) 以上のとおり,本件工事について補助参加人との間で随意契約の方法により請負契約を締結することは,契約代金額の点において不合理はないというべきである。そして,A市長が補助参加人に不当な利益を得させる目的で本件請負契約を締結したと認めるに足りる証拠がないことは前記のとおりである。したがって,本件工事について補助参加人との間で随意契約の方法により請負契約を締結することは,契約代金額においてA市長がその裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したとは認められないというべきである。したがって,契約代金額の点で本件請負契約の締結に違法があるということはできない。 なお,前記認定事実キ及びク並びに前記(3)のとおり,総務部は,本件工事の設計図書の作成及び設計図書に基づく工事代金の積算を行わず,電気工事業者からの見積りも徴取しないまま,本件基金の残額とほぼ同額を予定価格とした上,他の工事の代金額等を考慮して本件請負契約の代金額を決定していることが認められるのであり,このような代金額の決定過程が予算執行の適 積りも徴取しないまま,本件基金の残額とほぼ同額を予定価格とした上,他の工事の代金額等を考慮して本件請負契約の代金額を決定していることが認められるのであり,このような代金額の決定過程が予算執行の適正の観点から著しく不適切であることはいうまでもないが,本件請負契約の代金額が相当と認められる範囲内の額にある以上,契約代金額の点で本件請負契約の締結に違法があるということはできないというほかない。 オ本件請負契約の私法上の効力について(ア) 前記(4)イのとおり,本件請負契約は施行令167条の2第1項5号に反するものであり,同号は,随意契約による方法を制限することで,普通地方公共団体の締結する契約の適正を図ろうとするものではあるが,契約の相手方において,当該契約が同項のいずれの事由に該当するとして締結されるのかを把握することはもとより困難であるし,同項が規定する事由も必ずしも一義的に規定されているわけではないのであって,当該契約が違法とされた場合,その私法上の効力も当然に無効とすると, 契約の相手方において不測の損害を被ることになる。このことからすると,同項に反して契約が締結された場合に直ちにその契約の効力も全面的に否定されるとまで解することはできず,私法上も無効となるのは,当該契約が同項に掲げる事由のいずれにも当たらないことが何人の目にも明らかである場合や契約の相手方において随意契約の方法によることが許されないことを知り又は知り得べかりし場合など,当該契約を無効としなければ随意契約の締結を制限する法令の趣旨を没却する結果となる特段の事情が認められる場合に限られるというべきである(最高裁昭和62年5月19日第三小法廷判決・民集41巻4号687頁)。 (イ) これを本件についてみると,前記イのとおり,A市長は,競争入 なる特段の事情が認められる場合に限られるというべきである(最高裁昭和62年5月19日第三小法廷判決・民集41巻4号687頁)。 (イ) これを本件についてみると,前記イのとおり,A市長は,競争入札により本件工事を実施すると本件基金を利用した事業の実施期限内に本件工事を完了することができず本件基金の残金を国庫に返還しなければならなくなるとの理由から随意契約の方法により本件請負契約を締結したものであり,そのような場合は施行令167条の2第1項5号に該当しない。しかしながら,ガバナンス委員会は,法律の専門家である弁護士をアドバイザーに加えて本件請負契約の適否を検討した上,平成25年1月17日に作成された調査報告書において,同号に基づいて随意契約として締結するか否かは市長の裁量による専決事項であるから本件請負契約を随意契約の方法により締結することが同号に反するということはできないなどとし(丙4),その後,100条委員会の調査報告書(本件調査報告書)において同号に基づいて本件請負契約を随意契約の方法により締結することは許されないなどとされたことから,再度,本件請負契約を随意契約の方法により締結することが同号に反するかについて検討したものの,当初の見解を変更するに至らなかった(丙5)ものである。以上の事実に照らすと,本件請負契約を随意契約の方法により締結することが同号に反するか否かは,法的評価にわたる見解の分かれ得 る事項であるということができ,そのことが何人の目にも明らかであるということはできない。また,Jは本件請負契約の締結に当たり吹田市の職員から本件工事を平成24年3月末までに完成させる必要がある旨の説明を受けていたものの(証人J),補助参加人が,本件基金の残金の返還期限との関係で同月末までに本件工事を完成させなければなら 田市の職員から本件工事を平成24年3月末までに完成させる必要がある旨の説明を受けていたものの(証人J),補助参加人が,本件基金の残金の返還期限との関係で同月末までに本件工事を完成させなければならないことを知り又は知り得べきであったことを認めるに足りる証拠はない。 仮に,補助参加人が上記の事情を知り又は知り得べきであったとしても,そのことが同号に反するものであるか否かは法的評価にわたる見解の分かれ得る事項である以上,法律の専門家ではない補助参加人において本件請負契約を随意契約の方法で締結することが同号に反するものであることを知り又は知り得べきであったということもできない。そして,他に本件請負契約を無効としなければ随意契約の締結を制限する法令の趣旨を没却する結果となる特段の事情が存在することを認めるに足りる証拠はない。 (ウ) 以上によれば,本件請負契約を随意契約の方法により締結することが施行令167条の2第1項5号に反するというべきであるものの,本件請負契約が私法上無効であるということはできない。そうすると,本件支出がG会計管理者の財務会計法規上の義務に反する違法なものであるということはできず,したがって,本件支出職員が本件支出について損害賠償責任を負うということはできない。 (5) 補助参加人を相手方とする請求について原告らは,補助参加人は,不当な利益を得る目的で,又は重大な過失により,補助参加人が本件請負契約の相手方となる合理的理由がないにもかかわらず,不当に高額な代金で本件請負契約を締結したことが共同不法行為を構成すると主張する。しかし,前記4(4)ウ及びエにおいて説示したとおり,本件請負契約が相手方の選択及び代金額の決定の点において違法であるという ことはできないから補助参加人が本件請負契約を締結した 主張する。しかし,前記4(4)ウ及びエにおいて説示したとおり,本件請負契約が相手方の選択及び代金額の決定の点において違法であるという ことはできないから補助参加人が本件請負契約を締結したことが吹田市に対する不法行為を構成するということはできず,補助参加人を相手方とする原告らの請求は理由がない。 5 結論以上のとおり,本件訴えのうち,本件契約締結職員及び本件支出命令職員に関する部分並びに本件支出職員に対して損害賠償請求をすることを求める部分は不適法であるからこれらをいずれも却下し,原告らのその余の請求は理由がないからこれらをいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第2民事部 裁判官角谷昌毅 裁判長裁判官西田隆裕は転官につき,裁判官松原平学は転補につき,署名押印することができない。 裁判官角谷昌毅

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