昭和53(オ)907 遺言無効確認

裁判年月日・裁判所
昭和54年7月10日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 昭和51(ネ)1853
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人江谷英男、同藤村睦美の上告理由第一点について  本件建物が無価値のも

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判決文本文1,528 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人江谷英男、同藤村睦美の上告理由第一点について  本件建物が無価値のものでなく、まだかなりの価値を有するものであるとする原 判決の認定判断は、その挙示する証拠関係に照らし、正当として是認することがで き、原判決に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の 取捨判断、事実の認定を非難するか、又は判決の結論に影響のない点をとらえて原 判決を論難するものにすぎず、採用することができない。  同第二点について  遺留分権利者が民法一〇三一条の規定に基づき遺贈の減殺を請求した場合におい て、受遺者が減殺を受けるべき限度において遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁 償して返還の義務を免れうることは、同法一〇四一条により明らかであるところ、本 件のように特定物の遺贈につき履行がされた場合において右規定により受遺者が返 還の義務を免れる効果を生ずるためには、受遺者において遺留分権利者に対し価額 の弁償を現実に履行し又は価額の弁償のための弁済の提供をしなければならず、単 に価額の弁償をすべき旨の意思表示をしただけでは足りないもの、と解するのが相 当である。けだし、右のような場合に単に弁償の意思表示をしたのみで受遺者をし て返還の義務を免れさせるものとすることは、同条一項の規定の体裁に必ずしも合 うものではないばかりでなく、遺留分権利者に対し右価額を確実に手中に収める道 を保障しないまま減殺の請求の対象とされた目的の受遺者への帰属の効果を確定す る結果となり、遺留分権利者と受遺者との間の権利の調整上公平を失し、ひいては 遺留分の制度を設けた法意にそわないこととなるものというべきであるからである。 - 1 -  これを本件についてみるのに、原審の確定 となり、遺留分権利者と受遺者との間の権利の調整上公平を失し、ひいては 遺留分の制度を設けた法意にそわないこととなるものというべきであるからである。 - 1 -  これを本件についてみるのに、原審の確定したところによれば、被上告人は、遺 贈者亡Dの長女で唯一の相続人であり、遺留分権利者として右Dがその所有の財産 である本件建物を目的としてした遺贈につき減殺の請求をしたところ、本件建物の 受遺者としてこれにつき所有権移転登記を経由している上告人は、本件建物につい ての価額を弁償する旨の意思表示をしただけであり、右価額の弁償を現実に履行し 又は価額弁償のため弁済の提供をしたことについては主張立証をしていない、とい うのであるから、被上告人は本件建物につき二分の一の持分権を有しているもので あり、上告人は遺留分減殺により被上告人に対し本件建物につき二分の一の持分権 移転登記手続をすべき義務を免れることができないといわなければならない。  したがつて、これと同趣旨の原審の判断は正当であつて、原判決に所論の違法は ない。論旨は採用することができない。  よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主 文のとおり判決する。      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    服   部   高   顯             裁判官    江 里 口   清   雄             裁判官    高   辻   正   己             裁判官    環       昌   一             裁判官    横   井   大   三 - 2 -  大   三 - 2 -

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