【DRY-RUN】主 文 原判決中Aに対する部分を破毀する。 本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理 由 Aの弁護人畑中誠三上告趣意一は「前審判決理由第二判示ニ於テ原審
主文 原判決中Aに対する部分を破毀する。 本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理由 Aの弁護人畑中誠三上告趣意一は「前審判決理由第二判示ニ於テ原審相被告人Bニ対スル第二回予審訊問調書中同人ノ供述ヲ証拠ニ採用シタルガ被告人ガ前審ニ於テ右同人ヲ証人ニ申請シタルニ拘ラズ昭和二十二年九月十九日第三回公判ニ於テ却下セラレタルハ明カニ刑事訴訟法応急措置ニ関スル法律第十二条ニ違反スル」というのである。 思うに、日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の応急的措置に関する法律第十二条には「証人その他の者(被告人を除く。)の供述を録取した書類又はこれに代わるべき書類は、被告人の請求があるときはその供述者又は作成者を公判期日にいおて訊問する機会を被告人に与えなければ、これを証拠とすることができない。」云々と規定してゐる。この規定の「被告人を除く。」とある被告人とは供述者又は作成者たる当該被告人及び同一審級の同一公判廷における共同被告人を指称するものと解するのが相当である。その理由は、被告人は公判期日においては自己の供述を録取した書類又はこれに代わるべき書類に対し、自ら、自由に、弁解し得るものであり、また、同一審級の同一公判廷における共同被告人の書類については、右法律第十一条第二項の規定により、その共同被告人を何時でも訊問することを得るものであるから、特に、供述者又は作成者を訊問する機会を被告人に与える前記のような規定を設ける必要がないからである。然るに、共同被告人でも、公判廷を別にし又は審級を異にするときは、右のような訊問の機会を与えなければ被告人の権利を保護することができなくなるから、このような共同被告人は前記被告人中に包含されないものと解さなければならぬ。それ故斯ような共同被告人を訊問する機会を被告- 訊問の機会を与えなければ被告人の権利を保護することができなくなるから、このような共同被告人は前記被告人中に包含されないものと解さなければならぬ。それ故斯ような共同被告人を訊問する機会を被告- 1 -人に与えないでその共同被告人の供述を録取した書類を証拠としたときは前記規定に違反したものといわねばならぬ。今本件について記録を詳細に調査すると、原判決は、判示第二の事実として、原審相被告人C、第一審の共同被告人B、同D及同E事Fの四名が共謀の上原判示第一の(一)乃至(三)の各犯行を為すに当り被告人Aはその情を知悉しながらその都度屋外に於て見張りをして右四名の各犯行を容易ならしめてその幇助をした旨の認定をし、その認定をするに当り、その第二事実と原判示第一事実とを一括しその全事実に対する証拠として、右Cの原審公判廷における供述、被害者の強盗難届、医師の診断書、押収の日本刀、指揮刀、被告人の原審及予審における供述等の外所論の第一審共同被告人Bに対する第二回予審訊問調書中の供述記載の一部を羅列して掲げ、これらの証拠を不可分的に綜合して、その全事実を認定したものである。然るに、原審公判調書によれば、原審において被告人の弁護人は、被告人の明示した意思に基ずき、供述者たる右Bを証人として申請したに拘らず、原審裁判所は不必要として却下し同人を訓問しなかつたことが明白である。従つて、原判決は審級を異にした第一審の共同被告人の供述を録取した書類を被告人の請求があり、且つ他に法令の除外理由も認められないに拘らず、その供述者を公判期日において訊問する機会を被告人に与えないでこれを証拠としたもので、まさに、前記法律第十二条第一項に違反したものといわなければならぬ。 しかも、前に述べたように、その違法な証拠を他の証拠と不可分的に綜合して認定の用に供したものであるから いでこれを証拠としたもので、まさに、前記法律第十二条第一項に違反したものといわなければならぬ。 しかも、前に述べたように、その違法な証拠を他の証拠と不可分的に綜合して認定の用に供したものであるから、その違法は判決に影響を及ぼきないとはいい得ないから原判決は既に此の点で全部破毀を免れない。仍て同弁護人の他の論旨及同被告人の弁護人豊原清作の上告趣旨に対する判断を省略し尚お右の違法は事実の確定に影響を及ぼすものと認めるから刑事訴訟法第四百四十八条の二に則り主文のとおり判決する。 以上は裁判官全員の一致した意見である。 - 2 -検察官橋本乾三関与昭和二十三年二月九日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官斎藤悠輔裁判官沢田竹治郎裁判官岩松三郎- 3 -
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