昭和30(ツ)12 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和30年12月26日 大阪高等裁判所 破棄差戻
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破毀する。      本件を京都地方裁判所に差し戻す。          理    由  論旨は末尾添付の上告理由書の通りである。  按ずるに、原審は上告人主張の損害賠

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判決文本文1,405 文字)

主    文      原判決を破毀する。      本件を京都地方裁判所に差し戻す。          理    由  論旨は末尾添付の上告理由書の通りである。  按ずるに、原審は上告人主張の損害賠償債権の発生原因はともあれ、上告人主張 に係る右債権の譲渡について、原債権者たる亡Aから、債務者たる被上告人に対す る債権譲渡の通知が、上告の主張自体からして、なかつたものと認むるの外なく、 また、被上告人において、右譲渡を承認した事実も、原審口頭弁論の全趣旨からし て、なかつたものと認定すべきであるとし、従つて右債権譲渡が仮りにあつたとし ても、上告人は被上告人に対抗し得べきでないと、断定したものであることは、原 判文上明かである。  <要旨>思うに、債権の譲渡人は譲受人に対し、債務者に対する譲渡通知を為すべ き義務あるものであつて、譲渡人</要旨>について相続の開始があつた場合相続人 が、其の義務を承継負担すべきは言を俟たない、従つて、本件のような場合に、原 債権者たる亡Aに、相続人があつたとすれば、相続人は前示譲渡通知の義務を承継 したる筈であり、従つて相続人は、其の義務を履行すべく、被上告人に対し債権譲 渡の事実を通知し居るやも計られない、又、その通知か本件提起後に為されたから と云つて、其の効力に消長あるべき筈のものでもない、従つて原審認定のように亡 Aより譲渡通知がなかつたという一事だけでは直ちに上告人主張の債権譲渡が被上 告人に対抗出来ないものとは到底速断し得ない所である、原審としては、須く思を その点に運らして、亡Aに相続人がなかつたか否か、又その相続人が被上告人に対 し債権譲渡の通知をしていなかつたか、どうかという点にまで、釈明権を行使して 上告人の陳述を聴くべきではなかつたかと考える、況して一件記録を査閲するに上 告人原審提出の書証よりして、亡Aには相続人の 対 し債権譲渡の通知をしていなかつたか、どうかという点にまで、釈明権を行使して 上告人の陳述を聴くべきではなかつたかと考える、況して一件記録を査閲するに上 告人原審提出の書証よりして、亡Aには相続人のあつたことを認め得られないわけ では、ないにおいておやである、のみならず、右書証によれば、その相続人と認定 し得らるる如き人物と、上告人との間に本件損害賠償債権について、譲渡契約を締 結した形跡が認められないでもない、もし然りとすれば、上告人主張の債権はその 主張のような推移によらないで亡Aより相続人たる人物に移転し更に上告人に移転 し而もその相続人たる人物は上告人の為め債権譲渡通知の手続を完了し居るやも計 られない、従つて原判示のように債権譲渡の対抗要件の有無に判断の重点をおいた 原審としては、須くその点にも思を致して釈明権を行使すべきではなかつたかと考 えるのである、これを要するに原審は上告人が亡Aから、被上告人に対する債権譲 渡の通知がなかつたという上告人の陳述にのみ拘泥して当然尽すべき釈明権の行使 を怠り審理不尽に陥つた憾あるを免れない、本件上告理由は、結局理由あるに帰 す、よつて当審は原審をして更に叙上の点について審理を尽さすべく原判決は之を 取消すを相当と認め民事訴訟法第四百七条により主文のとおり判決する。  (裁判長裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 藤田彌太郎 裁判官 小野田常太郎)

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