令和2(ワ)3297 特許権侵害行為差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和4年4月22日 大阪地方裁判所
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判決文本文51,720 文字)

令和4年4月22日判決言渡同日原本受領裁判所書記官 令和2年(ワ)第3297号特許権侵害行為差止等請求事件 口頭弁論終結日令和4年2月14日判決 原告 泉株式会社 同代表者代表取締役 同訴訟代理人弁護士 髙山和也 同訴訟復代理人弁護士 清水正憲 同訴訟代理人弁理士 江間晴彦 同髙岡健 同訴訟復代理人弁理士 田村啓 被告 株式会社近畿エデュケーションセンター 同代表者代表取締役 同訴訟代理人弁護士 飯島歩 同藤田知美 同三品明生 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求 1 被告は、別紙「被告製品目録」記載の製品(以下「被告製品」という。)を製造し、譲渡し、輸入し、貸し渡し又は譲渡若しくは貸渡しの申出をしてはならない。 2 被告は、その占有に係る被告製品を廃棄せよ。 3 被告は、原告に対し、7963万4080円及びこれに対する令和2年4月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 本件は、発明の名称を「マグネットスクリーン装置」とする各特許(以下「本件各特許」という。)に係る特許権(以下「本件各特許権」という。)を有する原告が、被告が本件各特許の各特許請求の範囲請求項1 本件は、発明の名称を「マグネットスクリーン装置」とする各特許(以下「本件各特許」という。)に係る特許権(以下「本件各特許権」という。)を有する原告が、被告が本件各特許の各特許請求の範囲請求項1記載の各発明(後記本件訂正後のものを含む)の技術的範囲に属する被告製品を製造し、譲渡等することは本件各特許権の侵害に当たると主張して、被告に対し、特許法100条1項及 び2項に基づき、被告製品の製造、譲渡等の差止め及び廃棄を求めるとともに、不法行為(民法709条)に基づく損害賠償7963万4080円及びこれに対する不法行為の日の後(本訴状送達の日の翌日)である令和2年4月18日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実(証拠等を掲げていない事実は、争いのない事実又は弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者原告は、産業資材、医療器具等の商品の開発、製造を目的とする株式会社である。 被告は、スクリーン及び視聴覚教育資材の製造、販売等を目的とする株式会社である。 (2) 本件各特許権ア原告は、次の本件各特許(以下、順に「本件特許1」などという。)に係る本件各特許権(以下、順に「本件特許権1」などという。)を有している。 本件特許権1 a 登録番号第6422800号b 出願日平成27年3月10日c 公開日平成28年9月15日d 登録日平成30年10月26日e 発明の名称マグネットスクリーン装置 本件特許権2a 登録番号第6423131号b 出願日平成29年2月27日c 公開日平成30年3月15日d e 発明の名称マグネットスクリーン装置 本件特許権2a 登録番号第6423131号b 出願日平成29年2月27日c 公開日平成30年3月15日d 登録日平成30年10月26日 e 発明の名称マグネットスクリーン装置イ原告は、令和3年3月29日付けの審判請求書(甲19の1)により、本件特許1の特許請求の範囲請求項1その他の請求項の記載につき訂正審判の請求を行い(訂正2021‐390052 事件)、同手続の中で、一部の訂正事項を削除した(甲26の1・2)。特許庁は、同年9月30日、原告の訂正審判の請求を認め る旨の審決(甲27)をし、同審決は確定した(以下「本件訂正」という。)(弁論の全趣旨)。 なお、本件訂正前の本件特許1の特許請求の範囲、明細書及び図面(以下、明細書及び図面を「本件明細書1」という。)の記載、本件特許2の特許請求の範囲、明細書及び図面(以下、明細書及び図面を「本件明細書2」という。)の記 載は、それぞれ添付の各特許公報のとおりである(甲3、4)。 (3) 構成要件本件訂正後の本件特許1の特許請求の範囲請求項1に係る発明(以下「本件訂正後発明1」という。)及び本件特許2の特許請求の範囲請求項1に係る発明(以下「本件発明2」という。)の構成要件は、次のとおり分説される(下線部が本 件訂正部分)。 ア本件訂正後発明11A 可搬式のマグネットスクリーン装置であって、1B-1 投影面と該投影面に対向するマグネット面とを備えたスクリーンシート、および1B-2 スクリーンシートを巻き取るためのロール部材を有して成り、 1C 非使用時ではマグネット面が投影面に対して相対的に内側となるようにスクリーンシ を備えたスクリーンシート、および1B-2 スクリーンシートを巻き取るためのロール部材を有して成り、 1C 非使用時ではマグネット面が投影面に対して相対的に内側となるようにスクリーンシートがロール部材に巻き取られており、1D-1 巻き出される又は巻き取られるスクリーンシートと接するように設けられた長尺部材、並びに、スクリーンシート、ロール部材および長尺部材を収納するケーシングを更に有して成り、非使用時並びに巻き出し時および巻き取り時 において、前記ロール部材および前記長尺部材が前記ケーシングに収納されており、1D-2 スクリーンシートの巻き出し時又は巻き取り時において長尺部材が投影面と直接的に接し、1D-3 ケーシングはスクリーンシートの巻き出しおよび巻き取りのための開 口部を有し、および1D-4 長尺部材が、該開口部に位置付けられており、かつ、マグネットスクリーン装置が設けられる設置面に対して相対的に近い側に位置付けられるロール部材の下側ロール胴部分に隣接して設けられていることを特徴とする、1E マグネットスクリーン装置。 イ本件発明22A マグネットスクリーン装置であって、2B 開口部を有するケーシングと、該ケーシング内に回転自在に設けられたロールと、収納時に前記ロールに巻き取られ、使用時に前記ケーシングの前記開口部から巻き出されて設置面に貼り付けされるマグネットスクリーンとを備え、 2C 前記開口部の形成領域に設けられた棒部材を更に有して成り、 2D 前記ケーシングは該ケーシングの表面に磁石を備えており、前記棒部材が断面視にて該磁石と同一平面上に位置付けられており、および2E 前記棒部材は、前記開口部の前記形成領域に位置する前記マグネットスクリ ケーシングは該ケーシングの表面に磁石を備えており、前記棒部材が断面視にて該磁石と同一平面上に位置付けられており、および2E 前記棒部材は、前記開口部の前記形成領域に位置する前記マグネットスクリーンと接触し、それによって、該マグネットスクリーンが前記設置面に接触可能と成っている、 2F マグネットスクリーン装置。 (4) 被告製品の構成については当事者間に争いがあるが、被告製品が、本件訂正後発明1に係る構成要件1A~1C、1D-2、1D-3 及び1E を充足すること、本件発明2に係る構成要件2A~2C、2E 及び2F を充足することは当事者間に争いがない。 (5) 被告の行為等被告は、平成30年1月頃から被告製品を製造し、複数の販売代理店を介して、複数の教育機関に対し、被告製品を販売し、輸入し又は譲渡の申出をしている。 2 争点(1) 本件訂正後発明1の技術的範囲への属否(争点1) (2) 本件発明2の技術的範囲への属否(争点2)(3) 本件訂正後発明1の無効理由の有無(争点3)ア公開特許公報(特開2015-45715 号。平成27年3月12日公開。乙10。 以下「乙10公報」という。)記載の主に請求項2、図3(A)及び図5(A)から把握される発明(以下「引用発明1-1」という。)に基づく本件訂正後発 明1の拡大先願要件違反の有無(争点3-1)イ乙10公報記載の主に請求項6、図9(A)及び図11(A)から把握される発明(以下「引用発明1-2」という。)に基づく本件訂正後発明1の拡大先願要件違反の有無(争点3-2)ウ公開特許公報(特開2015-217642 号。平成27年12月7日公開。乙1 1。以下「乙11公報」という。)記載の発明(以下「引用発明2」という。) 先願要件違反の有無(争点3-2)ウ公開特許公報(特開2015-217642 号。平成27年12月7日公開。乙1 1。以下「乙11公報」という。)記載の発明(以下「引用発明2」という。) に基づく本件訂正後発明1の拡大先願要件違反の有無(争点3-3)エ公然実施発明(引用発明2の実施品である製品名「横引きぺたり2wayスクリーン」、品番「ASC-ICT-YS」(乙12・9頁)(以下「乙11実施品」という。)の構造に係る発明。以下「引用発明3」という。)に基づく本件訂正後発明1の進歩性欠如の有無(争点3-4) (4) 本件発明2の無効理由の有無(争点4)ア乙10公報記載の主に請求項2、図3(A)及び図5(A)から把握される発明(以下「引用発明4-1」という。)に基づく本件発明2の新規性及び進歩性欠如の有無(争点4-1)イ乙10公報記載の主に請求項6、図9(A)及び図11(A)から把握さ れる発明(以下「引用発明4-2」という。)に基づく本件発明2の新規性及び進歩性欠如の有無(争点4-2)(5) 損害の発生及びその額(争点5)第3 争点についての当事者の主張 1 本件訂正後発明1の技術的範囲への属否(争点1) (原告の主張)(1) 被告製品の構成被告製品の構成を本件訂正後発明1の構成要件に即して分説すると、別紙「被告製品説明書」記載1のとおりである。 (2) 構成要件1D-1 の充足性 ア 「収納」の意義について「収納」の字義は「物を片づけてしまうこと」であり、「片づける」が「散乱したものを整える。整理する。」ことを、「しまう」が「入れ納める。片づける。 始末する。」との字義を有することからすると、「収納」は、そもそも、対象物の全てが しまうこと」であり、「片づける」が「散乱したものを整える。整理する。」ことを、「しまう」が「入れ納める。片づける。 始末する。」との字義を有することからすると、「収納」は、そもそも、対象物の全てが収納される被対象物の内側にあることまでを意味するものではない。特 に、本件訂正後発明1のケーシングのように開口部が設けられた収容器において、 「被収容物」は、通常、開口部から視認可能であり、「被収容物」の一部が開口部から外部に出ている場合であっても、その大部分が収まっていれば「収納」されていると評価されるものである。 被告製品の本体ケースは、被告製品を構成する、マグネットスクリーンシート、ロール部材及び押さえローラーの全体を内側に囲むように縁どっているところ、 押さえローラーのアルミ部分はわずかにケース本体からはみ出しているものの、その大部分はケース本体に存在していることに変わりはないから、これらの各部材は全てケース本体に内包されている。 イ被告は、本件訂正後発明1の長尺部材の作用効果に照らし、長尺部材がケーシングの内側に位置付けられることが必須である旨を主張する。しかし、従来 は、投影面がマグネット面に対して相対的に内側となるようにスクリーンシートが収納されていたのに対し、本件訂正後発明1は、マグネット面が投影面に対して相対的に内側となるようにスクリーンシートを収納することで、巻かれていた時のスクリーンシートのくせを積極的に利用している。その結果、本件訂正後発明1においては、従来と異なり、使用に際し、設置面からより離れた位置からス クリーンシートが巻き出されることとなるが、開口部に位置する長尺部材を設置面に近接した位置に設けることで、スクリーンシートを設置面に近接した位置で局所的に抑え込みながら設置 離れた位置からス クリーンシートが巻き出されることとなるが、開口部に位置する長尺部材を設置面に近接した位置に設けることで、スクリーンシートを設置面に近接した位置で局所的に抑え込みながら設置することが可能となり、これによって、スクリーンシートが設置面に設置完了した状態において、シート全体が端部(特に長手端部)までピンと張った状態でスクリーンシートを設置面に展張保持できることとな る。このような本件訂正後発明1における長尺部材の作用効果に照らすと、長尺部材は、開口部付近にあって設置面に近接していれば足りるのであって、長尺部材がケーシングの内側か外側のいずれに設けられるかということは、長尺部材の役割とは関連性を有しない。 ウしたがって、被告製品は構成要件1D-1 を充足する。 (3) 構成要件1D-4 の充足性 ア 「開口部に位置付けられ」の意義について被告製品の押さえローラーは、スクリーンシートの巻き出し時及び巻き取り時にスクリーンシートを抑え込む役割を果たすための部材であり、本体ケースの開口部に位置付けられている。 イ被告は、開口部の内側に位置付けられる必要があるなどと限定解釈をする が、前記(2)イのとおり理由がない。 ウしたがって、被告製品は構成要件1D-4 を充足する。 (被告の主張)(1) 被告製品の構成に関する原告の主張のうち、1a~1c、1d-2、1d-3 及び1eは認め、その余は否認する。 (2) 構成要件1D-1 の非充足性ア 「収納」の意義について被告製品は、押さえローラーの一部が本体ケースの縁どりの外側に突出していて収納されていないが、これは単なる設計上の相違ではなく、被告製品がその作用効果を奏するための必須の構成である一方、本 いて被告製品は、押さえローラーの一部が本体ケースの縁どりの外側に突出していて収納されていないが、これは単なる設計上の相違ではなく、被告製品がその作用効果を奏するための必須の構成である一方、本件訂正後発明1の作用効果を阻 害するものであるから、本件訂正後発明1の技術的思想との関係において本質的な相違である。すなわち、被告製品は、押さえローラーの一部が本体ケースの縁どりの外側に突出していることにより、押さえローラーでマグネットスクリーンシートを設置面に押さえつけた状態でスライドさせ、本体ケースからマグネットスクリーンシートを繰り出しながら順次設置面に押圧して貼り付けることによ って、マグネットスクリーンシートと設置面との間に気泡が入らないよう貼り付けることを可能とする作用効果を奏する。一方で、本件訂正後発明1で、長尺部材がケーシングの開口部の内側に位置付けられるのは、使用に際して巻き出される又は巻き取られるスクリーンシートを長尺部材によって局所的に抑え込み、スクリーンシート全体に張力を与えて端部(特に長手端部)までピンと張った状態 でスクリーンシートを設置面に展張保持できるようにするためである。長尺部材 がケーシングの縁どりから外側に突出していると、スクリーンシートを設置面に貼り付けようとしたときに、所望の長さ分のスクリーンシートを巻き出す前に、ケーシングから巻き出されたスクリーンシートがすぐに長尺部材に押圧されて設置面に磁着することから、スクリーンシート全体を端部(特に長手端部)までピンと展張保持することができなくなり、作用効果が阻害される。 イ原告は、「収納」の字義に照らして、対象物の全てが収納される被対象物の内側にあることまでを意味するものではないとして、被告製品の押さえローラーはわず きなくなり、作用効果が阻害される。 イ原告は、「収納」の字義に照らして、対象物の全てが収納される被対象物の内側にあることまでを意味するものではないとして、被告製品の押さえローラーはわずかにアルミ部分がはみ出しているにすぎず、その大部分は本体ケースに存在しているから「収納」されているなどと主張する。 しかし、「収納」には「物をかたづけてしまうこと」の字義があり、「しまう」 の字義である「入れ納める」の「納める」には、「範囲の中にきちんと入れる」という字義がある。したがって、「収納」には、物を特定の範囲の中にきちんと入るようにかたづけるという字義がある。また、本件明細書1では、スクリーンシート10、ロール部材20及び長尺部材30のそれぞれの全部が、ケーシング40の内側にあることをもって、「スクリーンシート10、ロール部材20およ び長尺部材30がケーシング40内に収納されている」と表現されているが、これは、長尺部材30がケーシング40の内側にあることによって、ケーシングから巻き出されたスクリーンシートが長尺部材30によって設置面に押圧されることがないため、ケーシングから巻き出されたスクリーンシートに張力を与えてシート全体を端部までピンと張るという本件訂正後発明1の技術的思想が実現 されるからである。したがって、本件訂正後発明1において「収納」とは、被収納物の全部が収納器の内側にあるという意味で用いられている。 仮に、原告の「収納」の意義に関する主張を前提にするとしても、被告製品の押さえローラーは、その半分以上が「ケーシング」の開口部から外部に出ており、その大部分が「ケーシング」に収まっているとはいえない。すなわち、本件明細 書1において、ケーシング40は「第1サブ・ケーシング40A」と「第2サブ・ ーシング」の開口部から外部に出ており、その大部分が「ケーシング」に収まっているとはいえない。すなわち、本件明細 書1において、ケーシング40は「第1サブ・ケーシング40A」と「第2サブ・ ケーシング40B」の2パーツで構成されると説明されているから、構成要件1D- 1 の「ケーシング」にはキャップ(側板)は含まれない。そうすると、被告製品において、キャップは「ケーシング」を構成しないから、これによって「ケーシング」が押さえローラーの全体を内側に囲むように縁どられていることにはならない。仮に、キャップが「ケーシング」を構成し、被告製品におけるケース全体 が「ケーシング」に相当すると解するとしても、被告製品は、キャップの縁どりとケーシングの縁どりで構成されるケース全体の縁どりから押さえローラーの半分以上がはみ出した構造であるから、いずれにしても押さえローラーはこれらに「収納」されていない。 ウしたがって、被告製品は、収納ケースが押さえローラーを収納しておらず、 構成要件1D-1 を充足しない。 (3) 構成要件1D-4 の非充足性ア 「開口部に位置付けられ」の意義について前記(2)アのとおり、構成要件1D-1~1D-4 の作用効果は、使用に際して巻き出される又は巻き取られるスクリーンシートが長尺部材によって局所的に抑え込 まれ、シート全体が端部(特に長手端部)までピンと張った状態でスクリーンシートを設置面に展張保持できるというものである。そして、この作用効果を得るためには、長尺部材がケーシングの開口部の内側に位置付けられるという構成が必須である。この作用効果からすれば、「開口部に位置付けられ」とは、長尺部材が開口部の内側に位置付けられるものと解される。 被告製品は、長尺部材が本 口部の内側に位置付けられるという構成が必須である。この作用効果からすれば、「開口部に位置付けられ」とは、長尺部材が開口部の内側に位置付けられるものと解される。 被告製品は、長尺部材が本体ケースの開口部から外側に突出しており、開口部の内側に位置付けられていない。 イしたがって、被告製品は、構成要件1D-4 を充足しない。 2 本件発明2の技術的範囲への属否(争点2)(原告の主張) (1) 被告製品の構成 被告製品の構成を本件発明2の構成要件に即して分説すると、別紙「被告製品説明書」記載2のとおりである。 (2) 構成要件2D の充足性ア 「同一平面上に位置付けられ」の意義について「位置付ける」とは、「全体との関連を考えて、ふさわしい位置を定める。」 との字義を有するところ、「存在する」等の用語ではなく、「位置付け(る)」との用語が用いられていることからすると、「同一平面上に位置付けられ(る)」とは、「棒部材」と「磁石」の各「部材」が、本件発明2全体においてふさわしい位置関係にあることを示した記載であると解するのが自然な解釈である。そうすると、棒部材と磁石とが同一平面上にある位置関係とは、各部材のいずれかの 面に限定した同一性をいうのではなく、本件明細書2の記載や本件発明2における各部材の作用効果を考慮して、各部材が同一平面上にあると評価される位置関係をいうものと解すべきである。 本件発明2の作用効果は、マグネットスクリーンを設置面に押圧しながら貼り付けることで、「浮き」の原因とされる空気が入り込むことを防ぎ、設置面に好 適に貼り付けることを可能とするものである。かかる作用効果は、構成要件2E の構成により、ケーシングを移動させてマグネットスクリーンを設置 」の原因とされる空気が入り込むことを防ぎ、設置面に好 適に貼り付けることを可能とするものである。かかる作用効果は、構成要件2E の構成により、ケーシングを移動させてマグネットスクリーンを設置面に設置する状況において、空気が入り込むことを防ぎ、構成要件2D の構成により、マグネットスクリーンの設置が完了した状況において、空気が入り込むことを防ぎながら設置されたマグネットスクリーンが設置面から剥離するなどして空気が入り込 むことを防ぎ、好適に貼り付けられた状態を維持することによって実現されるものである。ここで、2E の構成による効果は、棒部材と磁石が同一平面上に位置付けられているか否かにかかわらず得られるものであり、2D の構成による効果は、棒部材が、その直下に位置するマグネットスクリーンと接触し、当該棒部材と好適に接触したマグネットスクリーンが、その直下に存在する設置面と好適に接触 することによって得られるものである。また、本件明細書2では、第2磁石を磁 着させ、エンドバーを引き出してマグネットスクリーンを設置する使用方法について、設置完了時にケーシングを回転させて第1磁石を磁着させてマグネットスクリーンを抑え込む際に、「棒部材の自重を利用したものに限られない」として、さらに棒部材を設置面側に回転させることで設置面に押し付けることを予定していることから、本件発明2においては、棒部材と設置面との間にわずかな間隙 があることを予定しているものであって、「同一平面上」とは完全に設置面に接するとの意味で用いられているものではない。 そうすると、構成要件2D における、磁石と棒部材とが、断面視にて「同一平面上に位置付けられ」るとは、棒部材が、その接触するマグネットスクリーンを抑え込むことで、その直下に存在す ものではない。 そうすると、構成要件2D における、磁石と棒部材とが、断面視にて「同一平面上に位置付けられ」るとは、棒部材が、その接触するマグネットスクリーンを抑え込むことで、その直下に存在する設置面とマグネットスクリーンを好適に接触 させることが可能な位置に存することをいうと解釈するべきである。 被告製品は、本体ケースを移動してマグネットスクリーンシートを設置している途中においては、棒部材を設置面に押圧しながら設置することから、気泡などが入ることなく設置面に設置することを可能とし、また、被告製品の押さえローラーは、マグネットスクリーンシートを抑え込むことで、同シートは、設置面と 好適に接触している。そのため、押さえローラーによって、設置されたマグネットスクリーンシートが設置面から剥離することが防止され、端部の浮きを防止することが可能とされているのであるから、被告製品は、本件発明2の作用効果を奏するものである。そして、被告製品における押さえローラーは、磁石が磁着して設置完了した状態で、押さえローラーによって、その接触するマグネットスク リーンシートは抑え込まれ、同シートをその直下に存在する設置面に好適な位置で接触させているのであるから、設置後に剥離するなどして浮きが生じることは防止されており、被告製品の押さえローラーは磁石と「同一平面上」に「位置付けられ」ているものである。 イ被告は、本件発明2の特許請求の範囲等で「同一平面上」と「略同一平面 上」や「略同一平面配置」の用語が明確に使い分けられていることから、「同一 平面上に位置付けられ」とは、磁石の磁着面と同一平面上に棒部材が位置していることを意味すると解すべきであると主張する。 しかし、本件特許2に係る特許請求の範囲請求項4及び8にお 同一 平面上に位置付けられ」とは、磁石の磁着面と同一平面上に棒部材が位置していることを意味すると解すべきであると主張する。 しかし、本件特許2に係る特許請求の範囲請求項4及び8において「略同一平面上」との記載があるが、これらは同請求項1の従属項であり、同請求項1は同請求項4及び8より権利範囲が広く、これらを含むことになり、また、本件明細 書2においては、いずれも「略同一平面上」などと記載されていることから、本件発明2における「同一平面上」とは、「略同一平面上」と同義であるというべきである。 (3) 以上から、被告製品は構成要件2D を充足する。 (被告の主張) (1) 被告製品の構成に関する原告の主張のうち、2a~2c、2e 及び2f は認め、その余は否認する。 (2) 構成要件2D の非充足性ア磁石は面で磁着するものであるから、「同一平面上」とは、この磁石の磁着面と同一の平面上を指していると解釈するのが自然である。また、構成要件2D によって得られる作用効果は、ケーシングが磁石によって設置面に保持された際に、磁石の磁着面と棒部材が同一平面上にあることによって、棒部材がマグネットスクリーンを設置面に押圧することになり、マグネットスクリーンの浮きが抑制されるというものであり、この作用効果を奏するためには、磁石の磁着面(すなわち設置面)と同一平面上に棒部材が位置していることが必要である。さらに、 本件発明2に係る請求項や本件明細書2では、「同一平面上」と「略同一平面上」や「略同一平面配置」との記載があり、これらは明確に使い分けられている。 したがって、「同一平面上に位置付けられ」とは、「同一平面」という文言どおり、磁石の磁着面と同一平面上に棒部材が位置しているものと解すべきである。 被 があり、これらは明確に使い分けられている。 したがって、「同一平面上に位置付けられ」とは、「同一平面」という文言どおり、磁石の磁着面と同一平面上に棒部材が位置しているものと解すべきである。 被告製品は、磁石が設置面に磁着した際、押さえローラーは設置面から浮いて おり、磁石の磁着面と押さえローラーが同一平面上に位置付けられていない。 イ原告は、本件発明2の作用効果は、マグネットスクリーンを設置面に押圧しながら貼り付けることで、「浮き」の原因とされる空気が入り込むことを防ぎ、接地面に好適に貼り付けることを可能とするものであり、構成要件2E の構成により、ケーシングを移動させてマグネットスクリーンを設置面に設置する状況において、空気が入り込むことを防ぎ、構成要件2D の構成により、マグネットスク リーンの設置が完了した状況において、好適に貼り付けられた状態を維持することによって実現されるものであって、被告製品も同作用効果を奏する旨を主張する。 しかし、被告製品は、ロール部材に巻き取り用のスプリングが内蔵されており、常時スクリーンシートを巻き取る力が発生しているため、装置を回転させて押圧 した後に元の状態に戻した場合、スクリーンシートが巻き取られ、「浮き」が発生する。仮に、被告製品を設置面の方向へ回転させることでさらにスクリーンシートが巻き出され、回転を元に戻した際にスクリーンシートが磁着したまま浮き上がらないとすると、押さえローラーでスクリーンシートを抑え込むことができなくなるから、棒部材が接触するスクリーンシートを抑え込むことで、スクリー ンシートを、その直下に存在する設置面にて好適に接触させるという本件発明2の作用効果は奏しない。 ウ以上から、被告製品は、構成要件2D を充足しない。 シートを抑え込むことで、スクリー ンシートを、その直下に存在する設置面にて好適に接触させるという本件発明2の作用効果は奏しない。 ウ以上から、被告製品は、構成要件2D を充足しない。 3 乙10公報記載の発明(引用発明1-1)に基づく本件訂正後発明1の拡大先願要件違反の有無(争点3-1) (被告の主張)(1) 乙10公報記載の特許請求の範囲請求項2、図3(A)及び図5(A)(別紙「乙10公報抜粋」参照)は、可搬式のマグネットスクリーン1(1a)であって、スクリーン層4aと該スクリーン層4aに対向するマグネット層4bとを備えたスクリーン本体4、及び(1b-1)スクリーン本体4を巻き取るための巻取ロ ール3を有して成り(1b-2)、非使用時ではマグネット層4bがスクリーン層4 aに対して相対的に内側となるようにスクリーン本体4が巻取ロール3に巻き取られており(1c)、巻き出される又は巻き取られるスクリーン本体4と接するように設けられた押さえ部5、並びに、スクリーン本体4、巻取ロール3を収納する収納ケース2を更に有して成り(1d-1)、スクリーン本体4の巻き出し時又は巻き取り時において押さえ部5がスクリーン層4aと直接的に接し(1d-2)、 ケース本体21はスクリーン本体4の巻き出し及び巻き取りのための開口部2Bを有し、及び(1d-3)押さえ部5が、該開口部2Bに位置付けられており、かつ、マグネットスクリーン1が設けられる被磁着体90に対して相対的に近い側に位置付けられる巻取ロール3の下側ロール胴部分に隣接して設けられていることを特徴とする(1d-4)、マグネットスクリーン1(1e)という発明(引用発 明1-1)を開示している。 引用発明1-1の1a~1e の各構成は、本件訂正後 部分に隣接して設けられていることを特徴とする(1d-4)、マグネットスクリーン1(1e)という発明(引用発 明1-1)を開示している。 引用発明1-1の1a~1e の各構成は、本件訂正後発明1の1A~1E の各構成要件とそれぞれ一致するから、引用発明1-1は、本件訂正後発明1の全ての構成要件を備えている。 (2) 原告は、引用発明1-1は、巻き出し時及び巻き取り時において押さえ部 5が収納ケースの外側に出ることから、本件訂正後発明1と引用発明1-1は、構成要件1D-1 及び1D-4 の点で相違する旨を主張する。 しかし、乙10公報記載の特許請求の範囲請求項2には、単に「前記張設されたスクリーン本体における前記巻取りロールに近接した部位を幅全体にわたって前記押さえ部によって被磁着体側に向けて押さえ付け得る」とだけ記載されて いる一方、同請求項2に従属する請求項3では、さらなる限定事項として「前記押さえ部は、前記収納ケースに対し移動可能に取り付けられ、」と記載されているから、請求項2ではこれ以外の構成、すなわち、押さえ部が収納ケースに対し移動不可能に取り付けられた構成が実質的に開示されているといえる。仮に、原告が主張するとおり本件訂正後発明1と引用発明1-1が相違するとしても、原 告が主張する「長尺部材がケーシングの内側か外側のいずれに設けられるかとい うことは、長尺部材の役割とは関連性を有しない。」ことを前提とする限り、長尺部材がケーシングの内側か外側のいずれに設けられているのかに基づくこれらの相違点は、原告が主張する作用効果に対応した課題の解決に対して無関係の特徴であって、特許法29条の2で「同一」と評価できる範囲内での微差にすぎない。 (3) したがって、本件訂正後発明1は、その 点は、原告が主張する作用効果に対応した課題の解決に対して無関係の特徴であって、特許法29条の2で「同一」と評価できる範囲内での微差にすぎない。 (3) したがって、本件訂正後発明1は、その特許出願の日前の他の特許出願であって、その特許出願後に出願公開された乙10公報に記載された引用発明1-1と同一であるから、本件特許1は無効審判により無効にされるべきものであって、原告は、本件特許権1を行使することができない。 (原告の主張) 本件訂正後発明1と引用発明1-1とは、構成要件1D-1 及び1D-4 の点で相違する。 すなわち、本件訂正後発明1の構成要件1D-1 において、長尺部材は「非使用時並びに巻き出し時及び巻き取り時において、…ケーシングに収納されて」いる。 これに対し、引用発明1-1においては、開口部からスクリーン本体4を巻き出 す又は巻き取る際には、スムーズな巻き出し又は巻き取りを可能にし、スクリーン本体4を傷付けることを防止するために押さえ部5を、敢えて、被磁着体90から離した態様(第1配置態様)で行うものであって、押さえ部5を被磁着体90に近接させた態様でスクリーン本体4を巻き出す又は巻き取るという技術的思想はない。そして、乙10公報の図1で固定用板18がケースの上方から視認 できていることからすると、巻き出し時及び巻き取り時において固定用板18より外側に押さえ部5が位置している第1配置態様では、押さえ部5は、収納ケース2より外側にあり、収納ケース2に「収納」されていないことは明らかである。 また、本件訂正後発明1の構成要件1D-4 によれば、長尺部材は、「ロール部材の下側ロール胴部分に隣接して設けられ」ていること、つまり、ロール部材の下 側ロール胴部分に隣接した位置から離れないように 本件訂正後発明1の構成要件1D-4 によれば、長尺部材は、「ロール部材の下側ロール胴部分に隣接して設けられ」ていること、つまり、ロール部材の下 側ロール胴部分に隣接した位置から離れないように設置されていることが必要 である。これに対し、引用発明1-1において、押さえ部5は、前述したとおり、設置面である被磁着体90に近接した位置にあるとスクリーン本体4が被磁着体90に磁着しやすく、巻き出し又は巻き取りをスムーズに行い難いし、スクリーン本体4の表面に傷が付くことがあるから、巻き出し時又は巻き取り時には押さえ部5を被磁着体90から離した態様(第1配置態様)にする必要がある。す なわち、スクリーン本体4が巻き出される又は巻き取られる際には、押さえ部5を被磁着体90から離した態様になるよう可動するものであり、押さえ部5が巻取ロール3の下側ロール胴部分に隣接した位置から離れないよう設置されているものではない。 被告は、乙10公報記載の特許請求の範囲請求項2及び請求項3を根拠に、押 さえ部が可動しないものが実質的に開示されている旨主張するが、請求項2は、巻き出し時や巻き取り時といった使用時の押さえ部の位置については何ら特定するものではないし、本件訂正後発明1と引用発明1-1は、技術的思想を異にするものであるから、同請求項が、押さえ部が収納ケースに対し移動不可能に取り付けられた構成を実質的に開示しているとはいえない。 4 乙10公報記載の発明(引用発明1-2)に基づく本件訂正後発明1の拡大先願要件違反の有無(争点3-2)(被告の主張)乙10公報記載の特許請求の範囲請求項6、図9(A)及び図11(A)(別紙「乙10公報抜粋」参照)は、被磁着体90に対して着脱自在のマグネットス クリーン1であ -2)(被告の主張)乙10公報記載の特許請求の範囲請求項6、図9(A)及び図11(A)(別紙「乙10公報抜粋」参照)は、被磁着体90に対して着脱自在のマグネットス クリーン1であって(1a’)、スクリーン層4aと該スクリーン層4aに対向するマグネット層4bとを備えたスクリーン本体4、及び(1b’-1)スクリーン本体4を巻き取るための巻取ロール3を有して成り(1b’-2)、非使用時ではマグネット層4bがスクリーン層4aに対して相対的に内側となるようにスクリーン本体4が巻取ロール3に巻き取られており(1c’)、巻き出される又は巻き取 られるスクリーン本体4と接するように設けられた可動体24の先端部26、並 びに、スクリーン本体4、巻取ロール3の全部を収めることが可能な収納ケース2を更に有して成り(1d’-1)、スクリーン本体4の巻き出し時又は巻き取り時において可動体24の先端部26がスクリーン層4aと直接的に接し(1d’-2)、ケース本体21はスクリーン本体4の巻き出し及び巻き取りのための開口部2Bを有し、及び(1d’-3)可動体24の先端部26が、該開口部2Bに位置付け られており、かつ、マグネットスクリーン1が設けられる被磁着体90に対して相対的に近い側に位置付けられる巻取ロール3の下側ロール胴部分に隣接して設けられていることを特徴とする(1d’-4)、マグネットスクリーン1(1e’)という発明(引用発明1-2)を開示している。 引用発明1-2の1a’~1e’の各構成は、本件訂正後発明1の1A~1E の各構 成要件とそれぞれ一致するから、引用発明1-2は、本件訂正後発明1の全ての構成要件を備えている。 したがって、本件訂正後発明1は、その特許出願の日前の他の特許出願であって、その特許 の各構 成要件とそれぞれ一致するから、引用発明1-2は、本件訂正後発明1の全ての構成要件を備えている。 したがって、本件訂正後発明1は、その特許出願の日前の他の特許出願であって、その特許出願後に出願公開された乙10公報に記載された引用発明1-2と同一であるから、本件特許1は無効審判により無効にされるべきものであって、 原告は、本件特許権1を行使することができない。 (原告の主張)本件訂正後発明1と引用発明1-2は、長尺部材を構成要件に含む、1D-1、1D- 2 及び1D-4 の点で相違する。 すなわち、本件訂正後発明1においては、長尺部材とケーシングは別の部材で あることを前提として、長尺部材を必須の構成としている。これに対し、引用発明1-2においては、可動体24は、収納ケース2の一部であり、可動体24の先端部26についても同様に、収納ケース2の一部を構成するものである。したがって、引用発明1-2の可動体24の先端部26は、本件訂正後発明1の長尺部材と一致するものではない。 5 乙11公報記載の発明(引用発明2)に基づく本件訂正後発明1の拡大先 願要件違反の有無(争点3-3)(被告の主張)乙11公報記載の特許請求の範囲請求項1、明細書【0007】、【0008】、【0015】、図1、図2及び図5(別紙「乙11公報抜粋」参照)には、ガイドレールにスライド可能に取り付けられたスクリーン収納用スライド枠5を有する黒板装置で あって(2a)、スクリーン生地11と該スクリーン生地11に対向するマグネットシート12とを備えた映写スクリーン7、及び(2b-1)映写スクリーン7を巻き取るための巻取軸9を有して成り(2b-2)、非使用時ではマグネットシート12がスクリーン生地11に対して するマグネットシート12とを備えた映写スクリーン7、及び(2b-1)映写スクリーン7を巻き取るための巻取軸9を有して成り(2b-2)、非使用時ではマグネットシート12がスクリーン生地11に対して相対的に内側となるように映写スクリーン7が巻取軸9に巻き取られており(2c)、巻き出される又は巻き取られる映写スク リーン7と接するように設けられたガイドローラ10、並びに、映写スクリーン7、巻取軸9の全部を収めることが可能なカバー体5bを更に有して成り(2d-1)、映写スクリーン7の巻き出し時又は巻き取り時においてガイドローラ10がスクリーン生地11と直接的に接し(2d-2)、カバー体5bは映写スクリーン7の巻き出し及び巻き取りのための開口部を有し、及び(2d-3)ガイドローラ10 が、カバー体5bの開口部に位置付けられており、かつ、黒板装置が設けられる黒板1に対して相対的に近い側に位置付けられる巻取軸9の下側ロール胴部分に隣接して設けられていることを特徴とする(2d-4)、黒板装置(2e)という発明(引用発明2)を開示している。 本件訂正後発明1と引用発明2とを比較すると、引用発明2が「ガイドレール にスライド可能に取り付けられたスクリーン収納用スライド枠5を有する黒板装置」(2a)であり、可搬式ではないのに対し、本件訂正後発明1は「可搬式のマグネットスクリーン装置」(1A)である点が相違しているものの、その余の構成要件は全て一致している。そうであるところ、本件訂正後発明1と引用発明2は、いずれもマグネット面を外側にしていたことでくせが発生していたという課 題を、マグネット面が内側になるように巻き取るという具体化手段によって解決 したものであり、可搬式か否かは、課題解決のための具体化手段における微差 とでくせが発生していたという課 題を、マグネット面が内側になるように巻き取るという具体化手段によって解決 したものであり、可搬式か否かは、課題解決のための具体化手段における微差にすぎない。したがって、引用発明2は、本件訂正後発明1の全ての構成要件を備えている。 以上から、本件訂正後発明1は、その特許出願の日前の他の特許出願であって、その特許出願後に出願公開された乙11公報に記載された引用発明2と同一で あるから、本件特許1は無効審判により無効にされるべきものであって、原告は、本件特許権1を行使することができない。 (原告の主張)本件訂正後発明1と引用発明2とは、構成要件1A の点で相違しており、かかる相違点は課題解決手段における微差に該当するものではない。 すなわち、耐久性が要求される据え置き式のマグネットスクリーン装置とは異なり、可搬式のマグネットスクリーン装置は、筐体や各部材を軽量化し、装置全体をコンパクトにすることが求められるし、使用時に黒板等の設置面からマグネットスクリーン装置が落下しないようにする必要があるなど、設置できるスクリーンシートのサイズや材質も据え置き式のスクリーン装置とは異なってくる。ま た、引用発明2では、映写スクリーンの一端部は、設置面である黒板の垂直方向にほぼ平行に固定されており、上下両ガイドレールに沿ってスクリーン収納用スライド枠を横方向にスライドできるようになっている。一方、可搬式のマグネットスクリーン装置においては、巻き出し時に設置面に対して、スクリーンシートの上端側と下端側を、常に平行に保って巻き出し又は巻き取ることが困難である ことから、たわんだり、歪んだり、ねじれたりすることなく、スクリーンシートをスムーズに巻き出し又は巻き取る構造を要す の上端側と下端側を、常に平行に保って巻き出し又は巻き取ることが困難である ことから、たわんだり、歪んだり、ねじれたりすることなく、スクリーンシートをスムーズに巻き出し又は巻き取る構造を要する。 このように、乙11公報には黒板装置が可搬式タイプのものであるという構成や技術的思想は何ら開示されていない上、可搬式か据え置き式かで有すべき構造や解決すべき課題が異なる。 6 公然実施発明(引用発明3)に基づく本件訂正後発明1の進歩性欠如の有 無(争点3-4)(被告の主張)(1) 乙11公報に係る特許出願人である株式会社青井黒板製作所(以下「青井黒板」という。)は、その特許出願前から、被告と共同して、引用発明2の実施品である乙11実施品を開発して、販売及び設置をしていた。すなわち、青井黒 板は、被告に対し、乙11実施品の製造及び設置を発注し、被告は、①平成26年7月23日、岡山県都窪郡<以下略>小・中学校に設置し、②同年9月26日、茨城県古河市の<以下略>小学校に設置し、③同年11月から平成27年1月頃にかけて、福井県<以下略>内の複数の小中学校に設置した。 「公然実施をされた発明」(特許法29条1項2号)とは、その内容が公然知 られる状況又は公然知られるおそれのある状況で実施をされた発明をいうところ、乙11実施品の構造等は、キャップを外してその内部を観察することで容易に認識することができるものであって、当業者であれば、容易にその内容を知り得たものである。そのため、乙11実施品が販売された時点、又は、遅くともそれが設置により引き渡された時点で、買主等の不特定多数の者によって自由にそ の内部が観察可能になったといえるから、乙11実施品の構造に係る発明(引用発明3)は、公然知られるおそれ 、遅くともそれが設置により引き渡された時点で、買主等の不特定多数の者によって自由にそ の内部が観察可能になったといえるから、乙11実施品の構造に係る発明(引用発明3)は、公然知られるおそれのある状況で実施されたといえる。 したがって、引用発明3は、本件特許1に係る特許出願の前に公然実施された発明である。 (2) 引用発明3の構成は、ガイドレールにスライド可能に取り付けられたス クリーン収納用スライド枠を有するマグネットスクリーン装置(3a)であって、投影面と該投影面に対向するマグネット面とを備えたシート、及び(3b-1)シートを巻き取るための巻取軸を有して成り(3b-2)、非使用時ではマグネット面が投影面に対して相対的に内側となるようにシートが巻取軸に巻き取られており(3c)、巻き出される又は巻き取られるシートと接するように設けられたガイド ローラ、並びに、シート、巻取軸を収納する移動側ケースを更に有して成り(3d- 1)、シートの巻き出し時又は巻き取り時においてガイドローラが投影面と直接的に接し(3d-2)、移動側ケースはシートの巻き出し及び巻き取りのための開口部を有し、及び(3d-3)ガイドローラが、移動側ケースの開口部に位置付けられており、かつ、マグネットスクリーン装置が設けられる黒板等の板面に対して相対的に近い側に位置付けられる巻取軸の下側ロール胴部分に隣接して設けられて いることを特徴とする(3d-4)、マグネットスクリーン装置(3e)である。 本件訂正後発明1と引用発明3とを比較すると、可搬式であるか否か(構成要件1A と構成3a)を除いて構成要件1B-1~1E と構成3b-1~3e がそれぞれ全て一致する。 そうであるところ、引用発明3を可搬式にすることは、本件特許1に係る 可搬式であるか否か(構成要件1A と構成3a)を除いて構成要件1B-1~1E と構成3b-1~3e がそれぞれ全て一致する。 そうであるところ、引用発明3を可搬式にすることは、本件特許1に係る特許 出願前に当業者が引用発明3に基づいて容易に発明することができたものである。すなわち、本件特許1に係る特許出願当時、ケース表面に磁石を備えることで設置面に磁着可能とした可搬式のマグネットスクリーン装置が普及しており、同様のマグネットスクリーン装置に関する特許出願や登録実用新案も公開されていたこと、マグネットスクリーン装置を設置面に固定する据え置き型にするの か可搬式にするのかは、当業者が顧客の希望に応じて適宜選択し得る設計的事項にすぎなかったこと、本件明細書1には当業者であれば可搬式と据え置き型を変更することは容易に理解できる旨記載されていることから、マグネットスクリーン装置を可搬式にすることは当業者の周知慣用技術であった。 また、登録実用新案公報(実用新案登録第3195909 号。平成27年2月12日 発行。乙33)は、ケース2の底面に設けられたケースマグネット7とエンドバー4に設けられたマグネット5によって装着全体を黒板等に対して着脱自在とし、ケース2の長手方向の両端に設けられたガイドローラ9を転動させてケース2をスライドさせることでマグネットスクリーン3を貼り付ける可搬式のケース一体型マグネットスクリーンの発明(以下「副引用発明」という。)が開示さ れている。引用発明3と副引用発明は、ともにケース内にマグネットスクリーン を収納したマグネットスクリーン装置であり、技術的分野は同一である。また、引用発明3と副引用発明は、ともにケースをスライドさせることでマグネットスクリーンを貼り付ける構成であ リーン を収納したマグネットスクリーン装置であり、技術的分野は同一である。また、引用発明3と副引用発明は、ともにケースをスライドさせることでマグネットスクリーンを貼り付ける構成であり、作用・機能も共通する。そして、引用発明3では、装置の長手方向の両端に設けられているブラケットによって装置本体を支持するとともにスライド可能にしているが、これを副引用発明のようにマグネッ ト5、7を用いて装置本体を支持するとともにガイドローラ9を用いてケースをスライド可能にすることによって、レールを使用しない「可搬式」にすることについては、特段の阻害事由もなく、それによって特に有利な効果が生じることもない。 したがって、本件訂正後発明1は、引用発明3と副引用発明とに基づいて当業 者が容易に発明をすることができたものである。 (3) 以上から、本件訂正後発明1は、引用発明3と周知慣用技術又は副引用発明とに基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、本件特許1は特許無効審判により無効にされるべきものであって、原告は、本件特許権1を行使することができない。 (原告の主張)乙11実施品の構造に係る発明(引用発明3)が公然実施されていたことは争う。 仮に、引用発明3が、本件特許1に係る特許出願前に日本国内において公然実施されていたとしても、本件訂正後発明1と引用発明3とは、構成要件1A の点 で相違しており、引用発明3と周知慣用技術又は副引用発明とに基づいて、当業者が本件訂正後発明1を容易に想到することができたものではない。 すなわち、マグネットスクリーン装置を「可搬式」とする場合には、装置全体をコンパクトにし、軽量化することが求められるところ、「据え置き型」の装置は、長期間にわたり黒板等に設置 できたものではない。 すなわち、マグネットスクリーン装置を「可搬式」とする場合には、装置全体をコンパクトにし、軽量化することが求められるところ、「据え置き型」の装置は、長期間にわたり黒板等に設置された状態のまま使用するため耐久性が求めら れることから、単に「据え置き型」の装置を形式上「可搬式」にしたとしても、 実際「可搬式」として利用することができるものではない。また、本件明細書1は、「可搬式」であるマグネットスクリーン装置を設置箇所に固定して「据え置き型」とすることを開示、示唆しているにすぎないし、可搬式のマグネットスクリーン装置に係る特許出願等があったとしても、それは、単に可搬式の同装置の存在を示すにすぎない。したがって、既存の「据え置き型」のマグネットスクリ ーン装置を可搬式に変更することは周知慣用技術とはいえない。 また、引用発明3は、ブラケットで装置全体を支持するとともに、同装置に設けられたマグネットを備えるストッパーを回転させて、黒板に磁着させることで固定させる構成である。一方、副引用発明は、スクリーンシートを黒板に設置する際に、空気の侵入や弛みの発生を防止するため、装置本体とは別に外部に設け られたローラーを用いることを特徴とする。そうすると、装置本体を固定する構成を有している引用発明3において、あえて、構成すら異なる副引用発明を適用し、装置本体の底面にマグネットを貼り付けることで固定するという別の構成を採用する動機付けがない。 7 乙10公報記載の発明(引用発明4-1)に基づく本件発明2の新規性及 び進歩性欠如の有無(争点4-1)(被告の主張)(1) 引用発明4-1に基づく新規性の欠如乙10公報記載の特許請求の範囲請求項2、図3(A)及び図5(A)は、マグネット 規性及 び進歩性欠如の有無(争点4-1)(被告の主張)(1) 引用発明4-1に基づく新規性の欠如乙10公報記載の特許請求の範囲請求項2、図3(A)及び図5(A)は、マグネットスクリーン1であって(4a)、開口部2Bを有する収納ケース2と、収 納ケース2内に回転自在に設けられた巻取りロール3と、収納時に巻取りロール3に巻き取られ、使用時に収納ケース2の開口部2Bから巻き出されて被磁着体90に貼り付けされるマグネット層4bを有するスクリーン本体4とを備え(4b)、開口部2Bの形成領域に設けられた押さえ部5を更に有して成り(4c)、収納ケース2は底壁2aに永久磁石を備えており、スクリーン本体4を被磁着体 90側に押さえ付ける押さえ部5が、スクリーン本体4の浮きを抑制することが できる程度に被磁着体90に近接して位置付けられ(4d)、押さえ部5は、開口部2Bの形成領域に位置するスクリーン本体4に接触してこれを押さえ付け、押さえ付けられたスクリーン本体4は被磁着体90に接触している(4e)、マグネットスクリーン1(4f)という発明(引用発明4-1)を開示している。 引用発明4-1の4a~4f の各構成は、本件発明2の2A~2F の各構成要件とそ れぞれ一致するから、引用発明4-1は、本件発明2の全ての構成要件を備えている。 したがって、本件発明2は、その特許出願当時、既に刊行物に記載されていたものであるから、新規性を欠き、本件特許2は、特許無効審判により無効にされるべきものであって、原告は、本件特許権2を行使することができない。 (2) 引用発明4-1に基づく進歩性の欠如仮に、引用発明4-1において、押さえ部が収納ケースに対して移動不可能に取り付けられた構成が開示されておらず 権2を行使することができない。 (2) 引用発明4-1に基づく進歩性の欠如仮に、引用発明4-1において、押さえ部が収納ケースに対して移動不可能に取り付けられた構成が開示されておらず、本件発明2と引用発明4-1とが相違するとしても、押さえ部を収納ケースに対して移動不可能に取り付けることは、引用発明4-1において押さえ部を移動可能に構成することによる効果(スクリ ーン本体の引き出し操作、巻き取り操作をスムーズに行うこと)を放棄して構成を簡略化するという退歩的な設計変更にすぎないから、当該相違点は当業者が適宜なし得る設計事項にすぎない。 また、乙11公報には、スクリーンシートを押さえつけて浮きを防止するという引用発明4-1における押さえ部と同じ機能を有したガイドローラ10を備 えた引用発明2が開示されているところ、ガイドローラ10はケースに対して移動不可能に取り付けられているから、引用発明4-1の押さえ部を、引用発明2に基づいてケースに対して移動不可能に取り付けることは、当業者が容易に想到し得ることである。 したがって、本件発明2は、進歩性を欠き、本件特許2は、特許無効審判によ り無効にされるべきものであって、原告は、本件特許権2を行使することができ ない。 (原告の主張)(1) 新規性について本件発明2と引用発明4-1とは、構成要件2C、2D 及び2E の点で相違している。 すなわち、本件発明2では、「棒部材」は「開口部の形成領域に設けられ」た部材(2C)であるところ、本件明細書2によれば、非使用時並びにマグネットスクリーン50の巻き出し時及び巻き取り時において、棒部材がケーシングの「開口部の形成領域」から離れない状態で設置されている必要がある。一方、前記3のとお 明細書2によれば、非使用時並びにマグネットスクリーン50の巻き出し時及び巻き取り時において、棒部材がケーシングの「開口部の形成領域」から離れない状態で設置されている必要がある。一方、前記3のとおり、引用発明4-1の押さえ部5は可動式であり、開口部2Bからスクリ ーン本体4を巻き出す際又は巻き取る際には、押さえ部5は被磁着体90に近接させた態様から動かさないという技術的思想がそもそも存在しない。 また、本件発明2では、「棒部材が断面視にて該磁石と同一平面上に位置付けられて」いること(構成要件2D)、つまり、棒部材が接触するスクリーンシートを抑え込むことで、その直下に存在する設置面にスクリーンシートを好適に接触 させることが可能な位置から動かない状態にあることが必要である。一方、引用発明4-1の押さえ部5は、前述したとおり可動式のものである。 さらに、本件発明2では、「前記棒部材は、前記開口部の前記形成領域に位置する前記マグネットスクリーンと接触し、それによって、該マグネットスクリーンが前記設置面に接触可能と成っている」こと(構成要件2E)、すなわち、ケー シングを移動させてマグネットスクリーンを設置している途中においては、棒部材を設置面に押圧しながら設置することが可能な構造であることが必要である。 一方、引用発明4-1の押さえ部5は、前記のとおり、スクリーン本体4の巻き出し又は巻き取りの際には、押さえ部5を被磁着体90から離した態様(第1配置態様)に固定するものであり、押さえ部5をスクリーン本体4と接触した状態 で、被磁着体90に押圧しながら設置する構造ではない。 (2) 進歩性について引用発明4-1においては、スクリーン本体の引き出し、巻き取り操作をスムーズに行うための具体的構成として 被磁着体90に押圧しながら設置する構造ではない。 (2) 進歩性について引用発明4-1においては、スクリーン本体の引き出し、巻き取り操作をスムーズに行うための具体的構成として、押さえ部を移動可能にしてスクリーン本体を巻き出し又は巻き取る構成しか開示されておらず、かかる構成を採用せずに、敢えて、巻き出し、巻き取りを困難にする構成を採用する動機付けは存在しない。 そのため、引用発明4-1の押さえ部を移動不可能に構成することは設計事項ではない。 また、引用発明2は、ケースを設置面からやや浮かせてレールの上をスライドさせてスクリーンを設置するためのものであり、可搬式ではないばかりか、スクリーンシートの巻き出し、巻き取りを容易にするとの引用発明4-1のような課 題を有していない。 8 乙10公報記載の発明(引用発明4-2)に基づく本件発明2の新規性及び進歩性欠如の有無(争点4-2)(被告の主張)(1) 引用発明4-2に基づく新規性の欠如 乙10公報記載の特許請求の範囲請求項6、図9(A)及び図11(A)は、マグネットスクリーン1であって(4a’)、開口部2Bを有する収納ケース2と、収納ケース2内に回転自在に設けられた巻取りロール3と、収納時に巻取りロール3に巻き取られ、使用時に収納ケース2の開口部2Bから巻き出されて被磁着体90に貼り付けされるマグネット層4bを有するスクリーン本体4とを備え (4b’)、開口部2Bの形成領域に設けられた可動体24の先端部26を更に有して成り(4c’)、収納ケース2は底壁2aに永久磁石を備えており、スクリーン本体4を被磁着体90側に押さえ付ける可動体24の先端部26が、スクリーン本体4の浮きを抑制することができる程度に被磁着体90に近接して位置付けら ース2は底壁2aに永久磁石を備えており、スクリーン本体4を被磁着体90側に押さえ付ける可動体24の先端部26が、スクリーン本体4の浮きを抑制することができる程度に被磁着体90に近接して位置付けられ(4d’)、可動体24の先端部26は、開口部2Bの形成領域に位置する スクリーン本体4に接触してこれを押さえ付け、押さえ付けられたスクリーン本 体4は被磁着体90に接触している(4e’)、マグネットスクリーン1(4f’)という発明(引用発明4-2)を開示している。 引用発明4-2の4a’~4f’の各構成は、本件発明2の2A~2F の各構成要件とそれぞれ一致するから、引用発明4-2は、本件発明2の全ての構成要件を備えている。 したがって、本件発明2は、その特許出願当時、既に刊行物に記載されていたものであるから、新規性を欠き、本件特許2は、特許無効審判により無効にされるべきものであって、原告は、本件特許権2を行使することができない。 (2) 引用発明4-2に基づく進歩性の欠如仮に、本件発明2には棒部材がケーシングの一部である場合が含まれないと解 釈され、引用発明4-2は先端部がケーシングと一体化されている点において、本件発明2と引用発明4-2とが相違するとしても、棒部材及び先端部は、いずれもスクリーンシートを設置面側に抑え込むものであり、この作用効果を奏することに関して、スクリーンシートを抑え込む部材がケーシングと別体であるか一体であるかという違いは何らの影響も与えない。そうすると、スクリーンシート を抑え込む部材がケーシングと別体であるか一体であるかという相違点は、当業者が適宜なし得る設計事項にすぎない。 また、引用発明4-1は、収納ケースとは別部材である押さえ部5を有するものであるから、引用発明 む部材がケーシングと別体であるか一体であるかという相違点は、当業者が適宜なし得る設計事項にすぎない。 また、引用発明4-1は、収納ケースとは別部材である押さえ部5を有するものであるから、引用発明4-2の先端部を、引用発明4-1に基づいて収納ケースとは別部材とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 したがって、本件発明2は進歩性を欠き、本件特許2は、特許無効審判により無効にされるべきものであって、原告は、本件特許権2を行使することができない。 (原告の主張)ア新規性について 本件発明2と引用発明4-2とは、構成要件2C、2D 及び2E の点で相違してい る。すなわち、本件発明2の構成要件2C、2D 及び2E は「棒部材」を含むものであるが、引用発明4-2における可動体24の先端部26は、収納ケース2の一部であり、本件特許発明2の棒部材と一致するものではない。 イ進歩性について引用発明4-2は、収納ケース自体の一部を可動体とし、その可動体の先端部 を用いてスクリーン本体を押さえ付けることで、収納ケースのみによって、スクリーン本体の引き出し操作、巻き取り操作をスムーズに行いつつ、設置完了時においてスクリーンシートを磁着面に近接させることができるものである。そうすると、敢えて、本体ケースのみによって引用発明4-1と同様の作用効果を有することとした引用発明4-2において、先端部を別体にする動機付けはないので あって、設計事項とはいえない。 また、引用発明4-2は、本体ケース自体の一部を可動体とし、その可動体の先端部を用いてスクリーン本体を押さえ付けることで、本体ケースのみによって、スクリーン本体の引き出し操作、巻き取り操作をスムーズに行いつつ、設置完了時においてスクリーン本 を可動体とし、その可動体の先端部を用いてスクリーン本体を押さえ付けることで、本体ケースのみによって、スクリーン本体の引き出し操作、巻き取り操作をスムーズに行いつつ、設置完了時においてスクリーン本体を磁着面に近接させることができるものであるから、 引用発明4-2に対して、引用発明4-1を組み合わせることは動機付けがなく、むしろ阻害事由があるものである。 9 損害の発生及びその額(争点5)(原告の主張)(1) 特許法102条2項に基づく損害額の主張 被告は、平成30年1月頃から令和2年3月末日までの間、被告製品を少なくとも7000台販売している。 被告の主要な取引先である販売代理店への被告製品の販売価格の平均単価は、スクリーンの大きさにより異なるものの、1個当たり6万4584円(消費税込)である。被告の販売会社に対する卸値は、最終販売価格の40%程度とみられる ことを踏まえると、被告製品の販売による売上額の合計は1億8083円 (=64,584 円×7000 台×40%)を下らない。 被告製品の利益率は少なくとも40%であるから、上記期間に被告が被告製品を販売して得た利益は7233万4080円を下らない。 (2) 特許法102条3項に基づく損害額の主張平成30年1月頃から令和2年3月末日までの被告の売上高合計額は4億5 208万8000円(=64,584 円×7000 台)を下らない。 原告が本件訂正後発明1及び本件発明2の実施に対して受けるべき実施料相当額は、被告製品の売上高合計額に対して5%を乗じた2260万4400円を下らない。 (3) 弁護士・弁理士費用 被告による本件各特許権侵害行為によって、原告は本件訴えを提起することを余儀なくされたところ、同行為と相 に対して5%を乗じた2260万4400円を下らない。 (3) 弁護士・弁理士費用 被告による本件各特許権侵害行為によって、原告は本件訴えを提起することを余儀なくされたところ、同行為と相当因果関係にある弁護士・弁理士費用は少なくとも730万円が相当である。 (4) 前記(1)と(2)は選択的請求の関係にあることから、損害額の高い(1)の7233万4080円に(3)の730万円を加えた合計7963万4080円及び これに対する本訴状送達の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 (被告の主張)否認ないし争う。 第4 当裁判所の判断 1 本件明細書1及び2の記載(図面については添付の各特許公報参照)(1) 本件明細書1には次の記載がある。 ア技術分野「本発明は、スクリーン装置に関する。より詳細には、本発明は、マグネットによって映写用スクリーンシートを設置面に展張保持するマグネットスクリー ン装置に関する。」(【0001】) イ背景技術「従来より、会議、学会、講演会および展示会等のプレゼンテーション用にスクリーン装置が用いられている。また、近年では家庭内においてもホームシアター等の映像視聴用にスクリーン装置が用いられている。スクリーン装置は、プロジェクター(即ち、投影機又は投射型表示装置)と共に用いられるのが一般的で あり、プロジェクターから投影される像をスクリーンシート上に映し出して使用される。」(【0002】)「スクリーン装置としては、マグネット式なるものが存在し、マグネット手段によってスクリーンシートを展張保持する装置として実用化されている。かかるマグネットスクリーン装置の使用に際しては、巻き出されたスクリーンシー 置としては、マグネット式なるものが存在し、マグネット手段によってスクリーンシートを展張保持する装置として実用化されている。かかるマグネットスクリーン装置の使用に際しては、巻き出されたスクリーンシートが マグネットの磁力によって壁面などの設置面に保持される。」(【0003】)ウ発明が解決しようとする課題「本願発明者らは、鋭意検討の末、マグネットスクリーン装置について更なる改善点があることを今回見出した。具体的には、使用に際して巻き出されたスクリーンシートを設置面に展張保持した際に“カール”と呼ばれる現象がシートに 生じ、かかるカールによってプロジェクターから投影される像を所望に映し出すことができないことが分かった。特に図15に示すように、垂直平面に対して展張保持されたスクリーンシートの長手端部においては手前側(“プロジェクター側”)に湾曲した部分(“カール”)が発生し、投影される像がシート端部で局所的に歪んでしまう。」(【0005】) 「特定の理論に拘束されるわけではないが、“カール”は、非使用時のスクリーンシートの巻回形態が“くせ”として残り、巻き出し後も依然として反映されることが要因として考えられる。つまり、ロール部材に巻かれることで長期保持されたスクリーンシートは、使用に際して巻き出され延ばされたとしても、ロール部材に巻かれていた時の形態を依然取り易い傾向を有し、それゆえ、展張保持 されたシートの長手端部が手前のプロジェクター側へと湾曲するものと考えら れる(特に、スクリーンシートの長手端部の中央部分ではカールの程度がより大きくなる傾向がある。また、水平方向に沿ってスクリーンシートを横に引き出した場合では、2つの対向する長手端部のうち垂直方向上側に位置する端部で発生するカールが、 部の中央部分ではカールの程度がより大きくなる傾向がある。また、水平方向に沿ってスクリーンシートを横に引き出した場合では、2つの対向する長手端部のうち垂直方向上側に位置する端部で発生するカールが、その自重に起因して、下側端部のカールよりも大きくなり得る)。」(【0006】) 「このような“カール”は、短焦点で投影されるプロジェクター(即ち、「短焦プロジェクター」または「超短焦プロジェクター」)が使用される場合に特に不都合となり得、“カール”の存在によって映し出される像に“影部分”が生じてしまう虞がある。」(【0007】)「本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の主たる 課題は、プロジェクターから投影される像をシート端部においても所望に映し出すことが可能なマグネットスクリーン装置を提供することである。」(【0008】)エ発明の効果「本発明に従えば、使用に際して巻き出されたスクリーンシートを“カール”の発生なく設置面に保持することができ(図14参照)、プロジェクターから投 影される像をシート端部にまで所望に映し出すことができる。つまり、スクリーンシートの端部で像が歪んだり、影が生じたりせず好適にプロジェクター投影できる。」(【0017】)「本発明のマグネットスクリーン装置では「非使用時にマグネット面が投影面に対して相対的に内側となるようにスクリーンシートがロール部材に巻き取ら れている」ので、スクリーンシートを巻き出した際、そのシート長手端部では局所的に湾曲しようとする力が働くものの、その湾曲方向は設置面側(“手前側”と反対の側) となっており、スクリーンシートが設置面にむしろ貼り付くように作用する。それゆえ、ロール部材に巻かれていた時の“くせ”をスクリーンシートが有 ものの、その湾曲方向は設置面側(“手前側”と反対の側) となっており、スクリーンシートが設置面にむしろ貼り付くように作用する。それゆえ、ロール部材に巻かれていた時の“くせ”をスクリーンシートが有する場合であったとしても、それは設置面に貼り付くように好適に作用す るので、スクリーンシートを“カール”の発生なく展張保持できる。…」(【0019】) オ発明を実施するための構成「…図3に示すように、長尺部材30は、ロール部材20の近傍に位置しており(例えば、長尺部材とロール部材との離隔距離が約1cm~約15cm程度)、巻き出される又は巻き取られるスクリーンシート10を局所的に抑え込むようになっている。特に、投影面側(即ち、シートの樹脂層側)からスクリーンシー ト10を局所的に抑え込むことができるように、ロール部材20に隣接して長尺部材30が設けられていることが好ましい。尚、図3、図4および図6に示す態様からわかるように、設置平面に対して平行な面でロール部材を半分割した場合に設置平面に対してより近い側に位置付けられる半分割ロール部分(図6に示す如くの“下側ロール胴部分”)に隣接して長尺部材30が設けられていることが より好ましい。換言すれば、設置平面に対して平行な面でロール部材を半分割する面に対してより設置平面側に長尺部材30が位置付けられていることが好ましい。」(【0030】)「本発明のマグネットスクリーン装置では、このようにロール部材の“設置面遠位側”からスクリーンシートの巻出し又は巻取りがなされるのに対して、従来 のマグネットスクリーン装置では、ロール部材の“設置面近位側”からスクリーンシートの巻出し又は巻取りがなされる。…」(【0036】)「…本発明のマグネットスクリーン装置は、 対して、従来 のマグネットスクリーン装置では、ロール部材の“設置面近位側”からスクリーンシートの巻出し又は巻取りがなされる。…」(【0036】)「…本発明のマグネットスクリーン装置は、“表側”…に巻出しポイント又は巻取りポイントが存在する。具体的には、図7に示すように、設置面に設けたマグネットスクリーン装置につき下側に設置面が位置する一方、上側にロール部材 が位置するものとして規定した場合、ロール部材におけるスクリーンシート巻き出しポイント又はスクリーンシート巻き取りポイントがロール部材の上側半分に位置付けられる。ここでいう「巻き出しポイント」とは、スクリーン装置(図3に示すような長尺部材30を特に設けていないスクリーン装置100)を使用する際、巻き出されるスクリーンシートとロール部材との離別箇所を指している。 一方、「巻き取りポイント」とは、スクリーン装置(図3に示すような長尺部材 30を特に設けていないスクリーン装置100)の使用後において、巻き取られていくスクリーンシートとロール部材とが互いに接触する箇所を指している。」(【0037】)「本発明のマグネットスクリーン装置では、このように“装置表側”…に巻出しポイント又は巻取りポイントが存在するのに対して、従来のマグネットスクリ ーン装置では、“装置裏側”…に巻出しポイント又は巻取りポイントが存在する。」(【0038】)カ本発明のスクリーン装置の具現化態様「…長尺部材30は、ケーシング40の開口部46に位置付けられている。より具体的にいえば、スクリーンシート10の巻出し又は巻取りのためのケーシン グ開口部46に長尺部材30が位置付けられている。換言すれば、長尺部材30の長手軸がスリット形状のケーシング開口部46の長 体的にいえば、スクリーンシート10の巻出し又は巻取りのためのケーシン グ開口部46に長尺部材30が位置付けられている。換言すれば、長尺部材30の長手軸がスリット形状のケーシング開口部46の長手軸と互いに整合するように、長尺部材30がケーシング40の開口部46の内側に位置付けられている。 このような構成によって、使用に際して巻き出される又は巻き取られるスクリーンシートが長尺部材30によって局所的に抑え込まれることになる。」(【0048】) (2) 本件明細書2の記載ア技術分野「本発明は、マグネットスクリーン装置に関する。」(【0001】)イ背景技術「従来より、学校施設等内に設置された黒板、ホワイトボード等の黒板類にマ グネットスクリーン装置が用いられている。具体的には、当該黒板類にマグネットスクリーンを貼り付け、マグネットスクリーンにプロジェクタから映像を投影して、授業を進行させる態様が多く採られている。」(【0002】)ウ発明が解決しようとする課題「…本願発明者らは、従来のマグネットスクリーン装置には以下の改善点があ ることを見出した。具体的には、かかる装置の構成要素であるマグネットスクリ ーンを黒板類等の設置面に貼り付ける際に、マグネットスクリーンの局所領域が設置面から浮いてしまう問題が生じ得る。特定の理論に拘束されるものではないが、設置面からのマグネットスクリーンの“浮き”はマグネットスクリーンと設置面との間に空気が入り込むことに起因するものと考えられる。かかるスクリーンの“浮き”はプロジェクタからの映像を好適に投影できないことにつながる。」 (【0005】)「…本発明は、マグネットスクリーンを設置面に好適に貼り付け可能なマグネットスクリーン装 クリーンの“浮き”はプロジェクタからの映像を好適に投影できないことにつながる。」 (【0005】)「…本発明は、マグネットスクリーンを設置面に好適に貼り付け可能なマグネットスクリーン装置を提供することを目的とする。」(【0006】)エ発明の効果「本発明の一実施形態に係るマグネットスクリーン装置によれば、マグネット スクリーンを設置面に好適に貼り付け可能である。従って、プロジェクタからの映像を好適に投影可能である。」(【0023】)オ本発明の特徴部分「本願発明者らは、上記の設置面からのスクリーンの“浮き”に関する技術的課題を解消するために鋭意検討し、本発明を案出するに至った。」(【0036】) 「具体的には、本願発明者らは、図1に示すように当該浮きの発生開始ポイントであり得るケーシング20の開口部10の形成領域に新たに棒部材60を設けることを新たに案出した。当該棒部材60(長尺部材に相当)は、マグネットスクリーン50の巻出し又は巻取りのためのケーシング20の開口部10に位置付けられている。…かかる構成によれば、棒部材60は、開口部10の形成領 域に位置するマグネットスクリーン50と接触可能となる。換言すれば、開口部10に位置するマグネットスクリーン50が、当該棒部材60と接触可能となる。」(【0039】)「これにより、マグネットスクリーン50を巻き出して黒板類等の設置面に貼り付ける際に、棒部材60によりマグネットスクリーン50が設置面側の方向と は反対の方向に向かうことを抑制することができる。そのため、マグネットスク リーン50と設置面との間に空気が入り込むことを抑制することができる。つまり、設置面からのマグネットスクリーン50のいわゆる“浮き”を抑制することが できる。そのため、マグネットスク リーン50と設置面との間に空気が入り込むことを抑制することができる。つまり、設置面からのマグネットスクリーン50のいわゆる“浮き”を抑制することができる。つまり、棒部材60は、“マグネットスクリーン浮き抑制部材”として機能する。従って、マグネットスクリーン50を設置面に好適に貼り付けることができる。それ故、プロジェクタからの映像を好適に投影することができる。」 (【0040】)「…開口部10は、マグネットスクリーン50が巻き出し時に設置面40側の方向とは反対の方向に向かい始める箇所、すなわち「マグネットスクリーン50が巻き出し時に設置面40から離隔し始める」箇所であると言えるところ、本発明ではかかる箇所に棒部材60を配置するため、棒部材がケーシング20の外側 領域に設けられる場合と比べて、マグネットスクリーン50が設置面40側の方向とは反対の方向に向かうことを効果的に抑制することができる。それ故、マグネットスクリーン50と設置面40との間に空気が入り込むことを効果的に抑制することができる。…」(【0041】)「一態様では、ケーシング20Aは、断面視にてその表面に第1磁石81Aお よび第1磁石81Aの延在方向とは異なる方向に延在する第2磁石82Aを備えており、棒部材60Aが、断面視にて第1磁石81Aと略同一平面上に位置付けられていることが好ましい(図2参照)。」(【0048】)「…かかる構成によれば、第1磁石81Aが設置面に貼り付いている状態で、第1磁石81Aと棒部材60Aとの略同一平面配置により、断面視で開口部10 Cに位置するマグネットスクリーン50Aを挟み込むように棒部材60Aを設置面上に位置付けることができる。これにより、棒部材60Aによって、設置面 Aとの略同一平面配置により、断面視で開口部10 Cに位置するマグネットスクリーン50Aを挟み込むように棒部材60Aを設置面上に位置付けることができる。これにより、棒部材60Aによって、設置面に位置するマグネットスクリーン50Aを押圧することが可能となる。」(【0050】) 2 本件訂正後発明1の技術的範囲への属否(争点1)について(1) 被告製品の構成 被告製品が、別紙「被告製品説明書」記載1の1a~1c、1d-2、1d-3 及び1e の 構成を有することは当事者間に争いがなく、証拠(甲5~7、乙7~9、35)及び弁論の全趣旨によれば、被告製品の形状や構成部材の位置関係等は、別紙「写真目録」の写真のとおりであり、本体ケースは、マグネットスクリーンシートの巻き出し及び巻き取りのための開口部を有し、同開口部付近に、マグネットスクリーンシートと接するように配置され、キャップ(側板)に支持された押さえロ ーラーが設けられていること、本体ケースの設置面側の表面に磁石を備えていることが認められる。 被告製品が、本件訂正後発明1の構成要件1A~1C、1D-2、1D-3 及び1E を充足することは当事者間に争いがない。争いのある同構成要件1D-1 の充足性(被告製品の押さえローラーが「ケーシングに収納」されているといえるか)、及び、 同構成要件1D-4 の充足性(被告製品の押さえローラーがケーシングの「開口部に位置付けられて」いるといえるか)につき、以下検討する。 (2) 構成要件1D-1 の充足性ア 「収納」の意義について(ア) 「収納」の字義は「物をかたづけてしまうこと」であり(甲10)、「か たづける」の字義は「散乱したものを整える。整理する。」、「しまう」の字義は「入れ納め ア 「収納」の意義について(ア) 「収納」の字義は「物をかたづけてしまうこと」であり(甲10)、「か たづける」の字義は「散乱したものを整える。整理する。」、「しまう」の字義は「入れ納める。片づける。」である(広辞苑第7版)。また、「納める」の字義は、「物事を落ち着けるべき所に落ち着ける。物を特定の場所に入れる。範囲の中にきちんと入れる。」である(乙6)。そうすると、「収納」は、物を整理して片づける、又は、物を整理して特定の範囲にきちんと入れるという字義を有 しているといえるが、物を完全に特定の場所に入れ込むという字義に限定されるとは解されない。 (イ) 本件訂正後発明1に係る請求項のうち、「長尺部材」と「ケーシング」の位置関係に関する部分は、「スクリーンシート、ロール部材および長尺部材を収納するケーシングを更に有して成り」(1D-1)、「非使用時並びに巻き出し時お よび巻き取り時において、前記ロール部材および前記長尺部材が前記ケーシング に収納されており」(1D-1)、及び「長尺部材が、該開口部に位置付けられており」(1D-4)との記載があるのみで、それ以上の特定はなされていない。 (ウ) 前記(ア)及び(イ)の「収納」の字義、本件訂正後発明1に係る請求項の記載内容に照らすと、ケーシングに「収納」するとは、長尺部材の全部がケーシング内に完全に収まることを要するものではなく、ケーシングと長尺部材の位置関係 として、ケーシングにしまわれている状態(整然と入れられた状態)を意味し、少なくとも、ケーシングの開口部を含めたケーシングの内部に長尺部材の大部分が入れられている状態はこれに当たると解するのが相当である。 (エ) 前記(1)のとおり、被告製品の押さえローラーは、マグネットスクリーンシートの の開口部を含めたケーシングの内部に長尺部材の大部分が入れられている状態はこれに当たると解するのが相当である。 (エ) 前記(1)のとおり、被告製品の押さえローラーは、マグネットスクリーンシートの巻き出し及び巻き取りのための開口部付近に、同シートと接するように 配置されている。また、別紙「写真目録」の写真に示されるように、被告製品の押さえローラーは、本体ケースの内側にその全部が収まっているものではないが、キャップ(側板)に支持されており、その大部分が本体ケースに覆われていることから、構成要件1D-1 のケーシングに相当する、本体ケース及びキャップにしまわれている状態であるといえる。 したがって、被告製品の押さえローラーは、本体ケース及びキャップに収納されていることから、被告製品は、構成要件1D-1 を充足する。 イ被告の主張について(ア) 被告は、本件訂正後発明1において、長尺部材がケーシングの開口部の内側に位置付けられるのは、スクリーンシートが長尺部材によって局所的に抑え込 まれ、シート全体に張力を与えて端部(特に長手端部)までピンと張った状態でスクリーンシートを設置面に展張保持できるようにすることを実現するためのものであるところ、長尺部材がケーシングの縁どりから外側に突出していると、その作用効果が阻害される旨を主張する。 そこで、長尺部材の技術的意義について検討する。本件訂正後発明1 は、マグ ネットスクリーン装置に関する発明であるところ、従来のマグネットスクリーン 装置には、使用に際して巻き出されたスクリーンシートを設置面に展張保持した際に“カール”と呼ばれる現象、すなわち、非使用時のスクリーンシートの巻回形態が“くせ”として残り、巻き出し後も依然として反映される現象が生じ、かかる 出されたスクリーンシートを設置面に展張保持した際に“カール”と呼ばれる現象、すなわち、非使用時のスクリーンシートの巻回形態が“くせ”として残り、巻き出し後も依然として反映される現象が生じ、かかるカールによってプロジェクターから投影される像を所望に映し出すことができない技術的課題があった(【0005】~【0007】)。これに対し、本件訂正後 発明1は、非使用時ではマグネット面が投影面に対して相対的に内側となるようにスクリーンシートがロール部材に巻き取られている構成にすることによって(【0009】)、スクリーンシートを巻き出した際、そのシート長手端部では局所的に湾曲しようとする力が働くものの、その湾曲方向は設置面側となっており、スクリーンシートが設置面にむしろ貼り付くように作用し、ロール部材に巻かれ ていた時の“くせ”をスクリーンシートが有する場合であったとしても、それは設置面に貼り付くように好適に作用するので、スクリーンシートを“カール”の発生なく展張保持することを可能とした(【0019】)。一方、かかる構成にすることによって、スクリーンシートの巻出し又は巻取りがロール部材の“設置面遠位側”からなされることになるから(【0036、図6】)、スクリーンシートが設 置面から浮き上がる方向に作用する。すなわち、ロール部材におけるスクリーンシート巻き出しポイント又はスクリーンシート巻き取りポイント(図7。長尺部材を設けない場合において、スクリーンシートを巻き出し又は巻き取った際のスクリーンシートとロール部材の離別箇所又は接触箇所)がロール部材の上側半分に位置付けられることとなる(【0037】、【0038】)。そこで、長尺部材は、使 用に際して「巻き出される又は巻き取られるスクリーンシートと接するように」、「開口部に位置付 ル部材の上側半分に位置付けられることとなる(【0037】、【0038】)。そこで、長尺部材は、使 用に際して「巻き出される又は巻き取られるスクリーンシートと接するように」、「開口部に位置付けられ」、「設置面に対して相対的に近い側に位置付けられるロール部材の下側ロール胴部分に隣接して設けられ」(構成要件1D-4)ることにより、スクリーンシートを投影面側から設置面側に向かって局所的に抑え込む機能を有するものである(【0030】、【0048】)。長尺部材が前記機能を発揮する ためには、長尺部材がない場合にスクリーンシートが自重や磁着力等により設置 面に自然に接する地点よりもロール部材側でスクリーンシートに接する地点に存すれば足りるといえる。そうすると、長尺部材の技術的意義からみた場合、必ずしも、長尺部材はケーシングの内側に完全に位置する必要まではないと解するのが相当である。加えて、本件明細書1において、「展張保持」は、スクリーンシートを広げた状態の維持という意で使用されており(【0003】、【0005】、【0019】 等)、シート全体に張力を与えながらスクリーンシートを張る作業自体を指すものではないし、同作業を経て張られた状態を指すものでもない。したがって、長尺部材の技術的意義から、「収納」の意義について長尺部材が必然的にケーシングの完全な内側に位置づけられることを示すものと解することはできない。 また、被告は、本件明細書1には、「本発明のマグネットスクリーン装置10 0では、スクリーンシート10、ロール部材20および長尺部材30がケーシング40内に収納されている。より具体的には、ロール部材20に対して巻回保持されたスクリーンシート1がケーシング40の内部に収められており、かかる巻回状態のスクリーンシー および長尺部材30がケーシング40内に収納されている。より具体的には、ロール部材20に対して巻回保持されたスクリーンシート1がケーシング40の内部に収められており、かかる巻回状態のスクリーンシート10に隣接して長尺部材30も同様にケーシング40内に収められている。」(【0044】)との記載がある旨も指摘する。しかし、 これは、本件特許1に係る発明のスクリーン装置の具体化態様に関するものであるから(【0042】)、当該記載があるからといって、「収納」の意義が「内部に収められていること」に限定されることにはならない。 (イ) 被告は、被告製品において、キャップは「ケーシング」を構成しないこと、仮にキャップが「ケーシング」を構成するとしても、被告製品は、キャップの縁 どりとケーシングの縁どりで構成されるケース全体の縁どりから押さえローラーの半分以上がはみ出した構造であるから、いずれにしても押さえローラーはこれらに「収納」されていない旨を主張する。 確かに、本件明細書1では、「ケーシング40が「第1サブ・ケーシング40A」と「第2サブ・ケーシング40B」とから構成されている」(【0044】)と 記載されており、ケーシング40の側面を覆う部材がケーシングに含まれること は明記されていない。しかし、一方で、本件明細書1において、「ロール部材20は、その端部がケーシングの内壁に取り付けられており」(【0046】)、「ケーシングに取り付けられた突起具48」(【0058】)などとされており、ケーシング40の側面を覆う部材がケーシングを構成することを前提とした記載がなされている。また、本件訂正後発明1に係る請求項1は、ケーシングに関し、「ス クリーンシート、ロール部材及び長尺部材を収納するケーシングを更に有して成り シングを構成することを前提とした記載がなされている。また、本件訂正後発明1に係る請求項1は、ケーシングに関し、「ス クリーンシート、ロール部材及び長尺部材を収納するケーシングを更に有して成り、」、「ケーシングはスクリーンシートの巻き出しおよび巻き取りのための開口部を有し、」と記載されているに留まり、開口部を有することを除いて、ケーシングの意義について特段の限定を加えるものではない。そうすると、本件訂正後発明1において、ケーシングとは、スクリーンシート等の部材を外側から覆う 部材であると解するのが相当であり、このうち側面部分についてのみケーシングから除外するべき理由はない。 また、被告は、被告製品を設置面側から観察することを前提として(別紙「写真目録」の写真4参照)、被告製品について、キャップの縁どりとケーシングの縁どりで構成されるケース全体の縁どりから押さえローラーの半分以上がはみ 出した構造である旨を主張するものと解されるが、同目録の写真1ないし3からすると、被告製品の押さえローラーはケーシング(本体ケース及びキャップを含む。)の開口部を含めたケーシングの内部に大部分が入れられているものと認められ、ケーシングにしまわれている状態にあるといえる。押さえローラーがケーシングにしまわれている状態か否かは、投影面側又は設置状態における側面側を 含む被告製品の全体を観察して判断すべきであって、使用状態において視認されない設置面側からの観察に限定すれば押さえローラーがケーシングから多くはみ出しているように見えるからといって、ケーシングにしまわれている状態にないと判断する合理的理由はない。 (ウ) したがって、被告の前記主張はいずれも採用できない。 (3) 構成要件1D-4 の充足性 ア 「開 シングにしまわれている状態にないと判断する合理的理由はない。 (ウ) したがって、被告の前記主張はいずれも採用できない。 (3) 構成要件1D-4 の充足性 ア 「開口部に位置付けられ」の意義について「開口部に位置付けられ」の字義は多義的なものではなく、前記(2)アのとおり、本件訂正後発明1に係る請求項をみても、長尺部材と開口部の位置関係をさらに特定する記載はない。前記(2)イの長尺部材の技術的意義に照らすと、長尺部材がその機能を果たす位置に存すれば足りることから、「開口部に位置付けられ」 という構成要件に、「開口部の内側に位置付けられ」といった特段の限定等を加えることにはならない。そうすると、「開口部に位置付けられ」とは、その字義どおりに解釈するほかないといえる。 前記(1)のとおり、被告製品の押さえローラーは、マグネットスクリーンシートの巻き出し及び巻き取りのための開口部付近に、同シートと接するように配置さ れていることから、被告製品の押さえローラーは、開口部に位置付けられているといえる。 イしたがって、被告製品は、構成要件1D-4 を充足する。これに反する被告の主張は採用できない。 (4) 以上から、被告製品は本件訂正後発明1の技術的範囲に属する。 3 本件発明2の技術的範囲への属否(争点2)について(1) 被告製品が、別紙「被告製品説明書」記載2の2a~2c、2e 及び2f の構成を有することは当事者間に争いがなく、前記2(1)のとおり、被告製品は、本体ケースの設置面側の表面に磁石を備えていることが認められる。 被告製品が、本件発明2の構成要件2A~2C、2E 及び2F を充足することは当事 者間に争いがない。争いのある同構成要件2D の充足性(被告製品 側の表面に磁石を備えていることが認められる。 被告製品が、本件発明2の構成要件2A~2C、2E 及び2F を充足することは当事 者間に争いがない。争いのある同構成要件2D の充足性(被告製品の押さえローラーが磁石と「同一平面上に位置付けられ」ているといえるか)につき、以下検討する。 (2) 構成要件2D の充足性ア 「同一平面上に位置付けられ」の意義について 「同一」の字義は「同じであること。別物でないこと。ひとしいこと。差のな いこと。」であり、「平面」の字義は「平らな表面」である(広辞苑第7版)。 本件発明2に係る請求項1は、構成要件2B により「使用時に前記ケーシングの前記開口部から巻き出されて設置面に貼り付けされるマグネットスクリーンとを備え、」と特定され、構成要件2D 及び2E により各構成部材の位置関係を特定しているところ、構成要件2D 及び2E は、棒部材がケーシングの表面に備えら れた磁石と同一平面上にあることによって、開口部の形成領域において、棒部材がマグネットスクリーンに接触し、それによって、マグネットスクリーンが設置面と接触可能となっていること、すなわち、使用時に、開口部の形成領域において、開口部から巻き出されたマグネットスクリーンの両面が、棒部材及び設置面とそれぞれ接触可能な位置関係となっていることを示していると解するのが相 当である。 イ次に、棒部材が磁石と「同一平面上に位置付けられ」ていることの技術的意義について検討する。 本件発明2は、マグネットスクリーン装置に関する発明であるところ、従来は、マグネットスクリーンを黒板類等の設置面に貼り付ける際に、マグネットスクリ ーンと設置面との間に空気が入り込むことに起因して、マグネットスクリーンの局所領域が 関する発明であるところ、従来は、マグネットスクリーンを黒板類等の設置面に貼り付ける際に、マグネットスクリ ーンと設置面との間に空気が入り込むことに起因して、マグネットスクリーンの局所領域が設置面から浮いてしまう問題が生じ、プロジェクタからの映像を好適に投影できないという技術的課題があった(【0005】)。これに対し、本件発明2は、前記浮きに関する問題を解消し、マグネットスクリーンを設置面に好適に貼り付け可能なマグネットスクリーン装置を提供することを目的とするもので ある(【0006】、【0036】)。 本件発明2は、浮きの発生開始ポイントであり得るケーシング20の開口部10の形成領域に、新たに棒部材60を設けることを特徴としており、かかる構成により、棒部材60は、開口部10の形成領域に位置するマグネットスクリーン50と接触可能、換言すれば、開口部10に位置するマグネットスクリーン50 が、棒部材60と接触可能となる(【0039】)。これにより、マグネットスクリ ーン50を巻き出して黒板類等の設置面に貼り付ける際に、棒部材60によりマグネットスクリーン50が設置面側の方向とは反対の方向に向かうことを抑制し、マグネットスクリーン50と設置面との間に空気が入り込むこと、つまり、設置面からのマグネットスクリーン50の浮きを抑制することが可能となる(【0040】)。また、本件明細書2において、ケーシングが、断面視にてその表 面に第1磁石81A及びその延在方向とは異なる方向に延在する第2磁石82Aを備えており、棒部材60Aが、断面視にて第1磁石81Aと略同一平面上に位置付けられていることが好ましいとされているところ(【0010】、【0048】)、かかる構成によれば、第1磁石81Aが設置面に貼り付いている状態 材60Aが、断面視にて第1磁石81Aと略同一平面上に位置付けられていることが好ましいとされているところ(【0010】、【0048】)、かかる構成によれば、第1磁石81Aが設置面に貼り付いている状態で、第1磁石81Aと棒部材60Aとの略同一平面配置により、断面視で開口部10Cに位 置するマグネットスクリーン50Aを挟み込むように棒部材60Aを設置面上に位置付けることが可能となり、これにより、棒部材60Aによって、設置面に位置するマグネットスクリーン50Aを押圧することが可能となる(【0050】)。 これらの本件明細書2の記載内容からすると、本件発明2において、棒部材が磁石と「同一平面上に位置付けられ」ていることの技術的意義は、ケーシングの 開口部の形成領域において、マグネットスクリーンは、設置面側とは反対の方向に向かい始めるところ(図1、図2、【0041】)、ケーシングの表面に備えられた磁石を設置面に貼り付けた状態において、開口部に位置するマグネットスクリーンを挟み込むように開口部の形成領域に設けられた棒部材を設置面上に位置付けることで、すなわち、断視面にて、棒部材と磁石が同一平面上に位置付けら れることで、マグネットスクリーンが設置面側とは反対の方向に向かうことを抑制し、設置面からのマグネットスクリーンの浮きを抑制することにあると解される。 ウ本件特許2に係る出願経過(ア) 証拠(甲17、18の1・2、乙2、36~38)及び弁論の全趣旨によ れば、本件特許2に係る出願経過として次の事実が認められる。 a 本件特許2の出願当初、本件発明2に係る請求項1に該当する請求項の記載は、「マグネットスクリーン装置であって、開口部を有するケーシングと、該ケーシング内に回転自在に設けられたロールと、 a 本件特許2の出願当初、本件発明2に係る請求項1に該当する請求項の記載は、「マグネットスクリーン装置であって、開口部を有するケーシングと、該ケーシング内に回転自在に設けられたロールと、収納時に前記ロールに巻き取られ、使用時に前記ケーシングの前記開口部から巻き出されて設置面に貼り付けされるマグネットスクリーンとを備え、前記開口部の形成領域に設けられた棒部材 を更に有して成り、前記棒部材は、前記開口部の前記形成領域に位置する前記マグネットスクリーンと接触可能と成っている、マグネットスクリーン装置。」というものであった。 b 特許庁は、平成30年6月27日付けの拒絶理由通知書(甲17)により、原告に対し、前記出願に係る発明は、乙10公報、乙11公報等で開示された発 明に基づき新規性及び進歩性を欠くとの拒絶理由を通知した。 これを受けて、原告は、手続補正書(甲18の2)において、請求項の「前記棒部材は、前記開口部の前記形成領域に位置する前記マグネットスクリーンと接触可能と成っている」との記載を「前記棒部材は、前記開口部の前記形成領域に位置する前記マグネットスクリーンと接触し、それによって、該マグネットスク リーンが前記設置面に接触可能と成っている」(構成要件2E)と補正するとともに、意見書(甲18の1)において、乙11公報には、「ガイドローラ10により映写スクリーン7の裏面側を黒板1の表面に近接させる旨は開示されていますが、ガイドローラ10により映写スクリーン7の裏面側を黒板1の表面に接触させる旨は開示されていないと思料致します。」と主張した。 c 特許庁は、平成30年8月16日付けの拒絶理由通知書(乙36)により、原告に対し、「棒部材が開口部の形成領域に位置する前記マグネットスクリーンと接触することに 致します。」と主張した。 c 特許庁は、平成30年8月16日付けの拒絶理由通知書(乙36)により、原告に対し、「棒部材が開口部の形成領域に位置する前記マグネットスクリーンと接触することによって、ケーシングが設定面に保持された場合を含んで常にマグネットスクリーンが前記設置面に接触可能となるか否かは、ケーシングが設置面に保持された際の棒部材と接地面に保持されたケーシング面との位置関係に よって変化し得ることは当業者に明らかであるので、接地面に対するケーシング の保持面と棒部材との位置関係についての事項が不足していることは明らかである」として、前記出願に係る発明は明確性要件に違反するとの拒絶理由を通知した。 これを受けて、原告は、手続補正書(乙38)において、請求項の「前記開口部の形成領域に設けられた棒部材を更に有して成り、」との記載の後に、「前記 ケーシングは該ケーシングの表面に磁石を備えており、前記棒部材が断面視にて該磁石と同一平面上に位置付けられており、および」との記載(構成要件2D)を追加するとともに、意見書(乙37)において、「かかる補正により、新請求項1では、ケーシングの表面に供される磁石と、ケーシングの開口部に位置付けられる棒部材との位置関係が明確に規定されていると思料いたします。これにより、 ケーシングの開口部に棒部材が位置付けられている場合に、マグネットスクリーンと設置面とが隙間なく接触可能となることが明確であると思料いたします。」と主張した。 (イ) 前記事実経過に照らすと、原告は、乙11公報の図2(a)(別紙「乙11公報抜粋」参照)のように、映写スクリーン7が、ガイドローラ10より図面左 側では黒板1に接触しているが、ガイドローラ10の直下では黒板1の表面に近接するの 11公報の図2(a)(別紙「乙11公報抜粋」参照)のように、映写スクリーン7が、ガイドローラ10より図面左 側では黒板1に接触しているが、ガイドローラ10の直下では黒板1の表面に近接するのみで接触していない場合を除外することを目的として補正を行い、構成要件2E としたのであり、また、構成要件2D は、構成要件2E とともに、マグネットスクリーン装置のケーシングが設置面に保持された場合における、ケーシング表面に備えられた磁石と棒部材との設置面に対する位置関係を特定する構成 要件であり、当初請求項の記載に限定を加えて明らかにするもの、すなわち、少なくともマグネットスクリーン装置のケーシングが磁石によって設置面に保持された場合において、棒部材がマグネットスクリーンに接触し、棒部材の直下において、マグネットスクリーンが設置面に接触している状態となることを明らかにするものと解される。 エ前記ア~ウに述べた字義、本件発明2に係る請求項や本件明細書2の記載 内容、本件発明2の技術的意義、出願経過に照らすと、「同一平面上に位置付けられ」とは、構成要件2E と併せて、少なくともケーシング表面に備えられた磁石が設置面に磁着した状態において、棒部材の設置面側がマグネットスクリーンに接触し、棒部材の直下において、マグネットスクリーンが設置面に接触している状態となることを意味するものと解するのが相当である。 オ証拠(甲13、乙35)及び弁論の全趣旨によれば、被告製品は、磁石が設置面に磁着した状態において、押さえローラーの設置面側とマグネットスクリーンは接触しているものの、押さえローラーの直下において、マグネットスクリーンが設置面に接触していないことが認められる。 したがって、被告製品の押さえローラーは、磁石と 設置面側とマグネットスクリーンは接触しているものの、押さえローラーの直下において、マグネットスクリーンが設置面に接触していないことが認められる。 したがって、被告製品の押さえローラーは、磁石と同一平面上に位置付けられ ているとはいえず、被告製品は、構成要件2D を充足しない。 (3) これに対し、原告は、本件明細書2では、棒部材と設置面との間にわずかな間隙があることを予定していることなどを指摘して、「同一平面上に位置付けられ」るとは、磁石が設置面に磁着した状態において、棒部材が、完全に設置面に接するとの意味ではなく、その接触するマグネットスクリーンを抑え込むこと で、その直下に存在する設置面とマグネットスクリーンを好適に接触させることが可能な位置に存することをいうと解釈するべきである旨を主張する。 原告が指摘するとおり、本件明細書2には、「所定長さケーシング20Bを一方向に移動させた後、当該ケーシング20Bを断面視にて時計回り又は反時計回りに回転移動させる。当該回転移動により、第1磁石81Bを設置面40Bの所 定箇所に貼り付け可能となる。第1磁石81Bが設置面40Bに貼り付けられると、第1磁石81Bの磁着力によりケーシング20Bを固定保持することができる。なお、本態様では、棒部材の自重を利用したものに限定されない。例えば、ケーシング20Bを一方向に移動させてマグネットスクリーンの巻き出し完了時に、ケーシング20Bを…回転移動させて設置面40Bに対して略垂直な方向 に棒部材60Bを押し付けることがより好ましい。これにより、巻き出したマグ ネットスクリーンの端部における“浮き”をより好適に回避することができる。」(【0058】)との記載がある(【0066】にも同趣旨の記載がある。)。しかし、これ より、巻き出したマグ ネットスクリーンの端部における“浮き”をより好適に回避することができる。」(【0058】)との記載がある(【0066】にも同趣旨の記載がある。)。しかし、これらの記載は、本件発明2では、開口部の形成領域において、マグネットスクリーンは設置面側の方向と反対の方向に向かい始めることから、巻き出したマグネットスクリーンの端部における“浮き”を回避するための押圧の態様として、 棒部材の自重を利用する態様だけでなく、操作者が棒部材を設置面に押し付けることにより、“浮き”をより好適に回避する態様があることを指摘したものにすぎず、第1磁石を設置面に貼り付けた状態で、棒部材の直下においてマグネットスクリーンが設置面に接触している状態を示すものではあっても、棒部材の直下にあるマグネットスクリーンと設置面との間に間隙があることを許容するもの とはいえない。 また、本件明細書2の他の記載内容をみても、磁石が設置面に磁着した状態において、棒部材が、その直下に存在する設置面とマグネットスクリーンを好適に接触させることが可能な位置に存すれば足り、必ずしもマグネットスクリーンと設置面とが接触している必要はないと解すべき事情はうかがえない。 したがって、原告の前記主張は採用できない。 (4) 以上から、被告製品は、本件発明2の技術的範囲に属さない。 4 乙10公報記載の発明(引用発明1-1)に基づく本件訂正後発明1の拡大先願要件違反の有無(争点3-1)について(1) 乙10公報は、発明の名称をマグネットスクリーンとする公開特許公報 であり、その特許請求の範囲及び発明の詳細な説明には次の記載がある(乙10)。 ア特許請求の範囲(ア) 請求項2収納ケースと、前記収納ケースに対し回動自在に取 とする公開特許公報 であり、その特許請求の範囲及び発明の詳細な説明には次の記載がある(乙10)。 ア特許請求の範囲(ア) 請求項2収納ケースと、前記収納ケースに対し回動自在に取り付けられた巻取りロールと、少なくとも、一方の表面にスクリーン層を有し、他方の表面にマグネット層 を有するスクリーン本体と、前記収納ケースに取り付けられた押さえ部と、を備 え、前記押さえ部の長さは、前記スクリーン本体の幅より大きく設定され、又は前記スクリーン本体の幅と同一に設定され、前記スクリーン本体の巻き取り方向の一端部におけるマグネット層側の面が、前記巻取りロールに接合され、前記スクリーン本体は、マグネット層側を内側にして前記巻取りロールにロール状に巻き取られている収納状態から使用時に引き出されて張設され、前記張設されたス クリーン本体における前記巻取りロールに近接した部位を幅全体にわたって前記押さえ部によって被磁着体側に向けて押さえ付け得るものとなされていることを特徴とするマグネットスクリーン。 (イ) 請求項3前記押さえ部は、前記収納ケースに対し移動可能に取り付けられ、前記押さえ 部は、被磁着体から離れた第1配置態様と、被磁着体に近接した第2配置態様の少なくとも2つの配置態様を採ることができるものとなされている請求項2に記載のマグネットスクリーン。 イ発明の詳細な説明(ア) 発明が解決しようとする課題 「…上記従来のマグネットスクリーン装置は、マグネットスクリーンの特殊コート層を内側にして(巻取りロール側に向けて)、即ちマグネットシート層を外側にして、巻取りロールに捲回されて収納されているので(特許文献1の段落0010及び図2参照)、巻取りロールに捲回されたマグネットスクリー にして(巻取りロール側に向けて)、即ちマグネットシート層を外側にして、巻取りロールに捲回されて収納されているので(特許文献1の段落0010及び図2参照)、巻取りロールに捲回されたマグネットスクリーンを引き出して張設したときに、マグネットスクリーンにおける、引き出し方向と直交す る幅方向の両端部が、カーリングして捲れ上がり、被磁着体(黒板、ホワイトボード等)から浮き上がってしまって、マグネットスクリーンの全面を有効面として使用することができない上に、見栄え、外観が良好でないという問題があった。」(【0005】)「本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、マグネットス クリーンの両端部が、捲れ上がることがなくて、被磁着体から浮き上がりを生じ ることなく張設することのできるマグネットスクリーンを提供することを目的とする。」(【0006】)(イ) 発明の効果「[2]の発明では、スクリーン本体の巻き取り方向の一端部におけるマグネット層側の面が巻取りロールに接合され、スクリーン本体は、マグネット層側を 内側にして巻取りロールにロール状に巻き取られて収納される構成であるから、使用時にスクリーン本体を引き出して張設したときに、スクリーン本体の両端部が、捲れ上がることがなくて、スクリーン本体を被磁着体から浮き上がりを生じることなく張設することができる。従って、スクリーン本体のスクリーン層の幅方向の両端部も有効面として使用することができると共に、スクリーン本体の張 設時の見栄え、外観も良好である。」(【0018】)「また、押さえ部の長さは、スクリーン本体の幅より大きく設定され、又はスクリーン本体の幅と同一に設定されているので、張設されたスクリーン本体における巻取りロールに近接した部位を幅 【0018】)「また、押さえ部の長さは、スクリーン本体の幅より大きく設定され、又はスクリーン本体の幅と同一に設定されているので、張設されたスクリーン本体における巻取りロールに近接した部位を幅全体にわたって押さえ部によって被磁着体側に向けて押さえ付けることができ、これにより、巻取りロールに近接した部 位をも被磁着体に磁着させた状態でスクリーン本体を張設することができ、従って、張設されたスクリーン本体のスクリーン層の略全面(略全領域)を有効面として使用することができる。」(【0019】)「[3]の発明では、押さえ部は、収納ケースに対し移動可能に取り付けられ、押さえ部は、被磁着体から離れた第1配置態様と、被磁着体に近接した第2配置 態様の少なくとも2つの配置態様を採ることができる構成であるから、スクリーン本体を、巻取りロールに巻き取られている収納状態から引き出す時や、スクリーン本体を巻取りロールに巻き取る時に、押さえ部を第1配置態様にすれば、スクリーン本体の引き出し操作、巻き取り操作をスムーズに行うことができる。一方、スクリーン本体を張設したときには、押さえ部を第2配置態様にすることで、 スクリーン本体における巻取りロールに近接した部位を幅全体にわたって押さ え部によって被磁着体側に向けて押さえ付けることができる。」(【0020】)(ウ) 発明を実施するための形態「張設されたスクリーン本体4における巻取りロール3に近接した部位を幅全体にわたって押さえ部5によって被磁着体90側に向けて押さえ付けることができるので(図3(A)参照)、巻取りロール3に近接した部位をも被磁着体9 0に磁着させた状態でスクリーン本体4を張設することができ、これにより、引き出されたスクリーン本体4のスクリーン層4 ができるので(図3(A)参照)、巻取りロール3に近接した部位をも被磁着体9 0に磁着させた状態でスクリーン本体4を張設することができ、これにより、引き出されたスクリーン本体4のスクリーン層4aの略全面(略全領域)を有効面として使用することができる。」(【0046】)(エ) 図3(A)及び図5(A)は別紙「乙10公報抜粋」参照。 (2) 乙10公報記載の特許請求の範囲請求項2、図3(A)及び図5(A)や 発明の詳細な説明の内容から、乙10公報は引用発明1-1を開示しているものと認められる。 (3)ア本件訂正後発明1と引用発明1-1とを比較すると、引用発明1-1の1a~1e の各構成は、本件訂正後発明1の各構成要件とそれぞれ一致するものと認められる。 イこれに対し、原告は、引用発明1-1においては、開口部からスクリーン本体4を巻き出す又は巻き取る際には、スムーズな巻き出し又は巻き取りを可能にし、スクリーンシートを傷付けることを防止するために押さえ部5を、敢えて、被磁着体90から離した態様(第1配置態様)で行うものであって、押さえ部5を被磁着体90に近接させた態様でスクリーン本体4を巻き出す又は巻き取る という技術的思想はないことを指摘し、①本件訂正後発明1では、長尺部材が「非使用時並びに巻き出し時及び巻き取り時において、ケーシングに収納されて」(構成要件1D-1)いるのに対し、引用発明1-1においては、押さえ部5が収納ケース2に「収納」されていない、②本件訂正後発明1では、長尺部材が「ロール部材の下側ロール胴部分に隣接して設けられ」(構成要件1D-4)ているのに対し、 引用発明1-1においては、押さえ部5は巻取りロール3の下側ロール胴部分に 隣接した位置から離れないよう設置さ ール胴部分に隣接して設けられ」(構成要件1D-4)ているのに対し、 引用発明1-1においては、押さえ部5は巻取りロール3の下側ロール胴部分に 隣接した位置から離れないよう設置されているものではないとして、引用発明1-1は、本件訂正後発明1の構成要件1D-1 及び1D-4 において相違する旨を主張する。 しかし、乙10公報記載の特許請求の範囲請求項2において、「押さえ部」は、「前記張設されたスクリーン本体における前記巻取りロールに近接した部位を …被磁着体側に向けて押さえ付け得るものとなされている」ところ、同請求項2では、「前記収納ケースに取り付けられた押さえ部と、を備え」と特定されているに留まり、収納ケースに対し押さえ部が可動か否かについては記載されていない。一方、同請求項2に従属する乙10公報記載の特許請求の範囲請求項3では、「前記押さえ部は、前記収納ケースに対し移動可能に取り付けられ」と押さえ部 が可動であることが明記されている。また、乙10公報には、請求項2の発明の効果として、押さえ部によって、巻取りロールに近接した部位をも被磁着体に磁着させた状態でスクリーン本体を張設することができ、張設されたスクリーン本体のスクリーン層の略全面を有効面として使用することができる旨が記載されている(【0019】)一方、請求項3の発明の効果として、収納ケースに対し移動 可能に取り付けられた押さえ部を移動させ、被磁着体から離れた第1配置態様にすることで、スクリーン本体の引き出し操作、巻き取り操作をスムーズに行うことができ、被磁着体に近接した第2配置態様にすることで、スクリーン本体における巻取りロールに近接した部位を幅全体にわたって被磁着体側に向けて押さえ付けることができる旨が記載されている(【0020】)。こ でき、被磁着体に近接した第2配置態様にすることで、スクリーン本体における巻取りロールに近接した部位を幅全体にわたって被磁着体側に向けて押さえ付けることができる旨が記載されている(【0020】)。これらの乙10公報の 記載内容に照らすと、引用発明1-1において、押さえ部は、スクリーン本体の巻取りロールに近接した部位をも被磁着体側に向けて押さえ付けるとの機能を有し、被磁着体に磁着させた状態で張設されたスクリーン本体の略全面を有効面として使用することができるとの効果を奏するものとされるのであるから、引用発明1-1には、押さえ部5を被磁着体90に近接させた態様でスクリーン本体 4を巻き出す又は巻き取るという技術思想が表れているといえるし、また、乙1 0公報記載の特許請求の範囲請求項2には、押さえ部が移動可能でないものが含まれると解するのが相当である。そして、乙10公報の図1、2からすると、押さえ部5を移動可能でないものとした場合において、押さえ部は収納ケース2に収納されているものと認められる。なお、乙10公報上、実施形態や他の実施形態では、収納ケース又はケース本体に対して押さえ部又は可動体の先端部が可動 なもののみが記載されているが(【0029】)、請求項2との関係においては、付加的な効果を奏する実施例の一つにすぎず、前記認定を左右するものではない。 以上によれば、引用発明1-1において、押さえ部5が収納ケース2に収納される構成、及び、押さえ部5が巻取ロール3の下側ロール胴部分に隣接した位置に固定して設置された構成を有するものと認められ、本件訂正後発明1の構成要 件1D-1 及び1D-4 と一致する。 したがって、原告の前記主張は採用できない。 (4) 証拠(乙10)及び弁論の全趣旨によれば、乙10公 するものと認められ、本件訂正後発明1の構成要 件1D-1 及び1D-4 と一致する。 したがって、原告の前記主張は採用できない。 (4) 証拠(乙10)及び弁論の全趣旨によれば、乙10公報は、平成25年8月28日に出願され、平成27年3月12日に公開されたことが認められ、本件訂正後発明1(出願日:平成27年3月10日)は、その特許出願の日前の他の 特許出願であってその特許出願後に出願公開された乙10公報に記載された引用発明1-1と同一である。 したがって、本件特許1は、拡大先願要件に違反しており、無効審判により無効にされるべきものであって、原告は、被告に対し、本件特許権1を行使することができない(特許法123条1項、104条の3第1項、29条の2)。 5 結論以上から、その余の争点について判断するまでもなく、原告の請求は理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第21民事部 裁判長裁判官武宮英子 裁判官杉浦一輝 裁判官 峯健一郎 公報省略(別紙)被告製品目録 名称マグネットスクリーンモバイルケースタイプ(MJ) 型番 MJ-60VMJ-72VMJ-80V以上 (別紙)被告製品説明書 クリーンモバイルケースタイプ(MJ) 型番 MJ-60VMJ-72VMJ-80V以上 (別紙)被告製品説明書 1 本件訂正後発明1の構成要件に即した分説 1a 持ち運びが可能なマグネットスクリーン装置であって、1b-1 投影面と投影面に対向するマグネット面とを備えたマグネットスクリーンシート、および1b-2 マグネットスクリーンシートを巻き取るためのロール部材を備えているものであって、 1c 非使用時ではマグネットスクリーンシートを構成するマグネット面が投影面に対して相対的に内側になるように、ロール部材に巻き取られており、1d-1 巻き出される又は巻き取られるマグネットスクリーンシートと接するように設けられた押さえローラーや本体ケースを備えており、本体ケースは、マグネットスクリーンシート、ロール部材および押さえローラーを内側に囲う ように縁どられており、1d-2 マグネットスクリーンシートの巻き出し時又は巻き取り時において押さえローラーが投影面と直接的に接するように構成されており、1d-3 本体ケースは、マグネットスクリーンシートの巻き出しおよび巻き取りのための開口部を有しており、 1d-4 押さえローラーが、本体ケースの開口部に位置付けられており、かつ、押さえローラーが、当該マグネットスクリーン装置が設けられる設置面である黒板等に対して相対的に近い側に位置付けられるロール部材の下側ロール部材胴部分に隣接して設けられていることを特徴とする、1e マグネットスクリーン装置。 2 本件発明2の構成要件に即した分説2a マグネットスクリーン装置であって、 に隣接して設けられていることを特徴とする、マグネットスクリーン装置。 本件発明の構成要件に即したマグネットスクリーン装置であって、開口部を有する本体ケースと、当該ケース内に回転自在に設けられたロール部材と、収納時にロール部材に巻き取られ、使用時に前記ケースの前記開口部から巻き出されて設置面に貼り付けされるマグネットスクリーンシートとを備えており、本体ケースに設けられた開口部の付近に押さえローラーが設けられ、本体ケースは表面に磁石を備えており、押さえローラーは、断面視にて本体ケースの表面に供された磁石と同一平面上に位置付けられており、押さえローラーが、本体ケースに設けられた開口部の付近に位置しているマグネットスクリーンシートと接触することによって、当該マグネットスクリーンシートが黒板等の設置面に接触可能となっている、マグネットスクリーン装置。 以上 (別紙)乙10公報抜粋 【図1】 【図2】 【図3】 【図4】 【図5】 【図9】 【図10】 【図11】 以上 (別紙)乙11公報抜粋 【図1】 【図2】 【図5】 以上 (別紙)写真目録 写真1 本体ケース 【図2】 【図5】 以上 (別紙)写真目録 写真1 本体ケース押さえローラーマグネット固定バー 本体ケース押さえローラーキャップ(側板) 写真2 写真3 マグネットスクリーンシートマグネット固定バー 写真4 キャップ(側板)押さえローラー本体ケース 以上

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