- 1 -平成25年9月12日判決言渡平成24年(行ウ)第303号譲渡所得非課税承認申請に係る不承認処分取消請求事件 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求国税庁長官が平成23年3月11日付けで原告に対してした,原告の平成22年11月19日にした租税特別措置法(平成20年法律第23号による改正前のもの。以下「措置法」という。)40条の規定による承認申請(以下「本件申請」という。)を不承認とする処分(以下「本件処分」という。)を取り消す。 第2 事案の概要本件は,原告が,財団法人P1(以下「本件財団」という。)に対してした株式会社P2(以下「P2」という。)発行に係る株式の寄附(以下「本件寄附」という。)は,公益を目的とする事業を行う法人に対する財産の贈与に当たるとして,措置法40条1項後段の規定による譲渡所得の非課税の承認申請(本件申請)をしたところ,国税庁長官が本件申請を不承認とする処分(本件処分)をしたため,これを不服として,本件処分の取消しを求めている事案である。 1 関係法令等の定め別紙2のとおり(別紙2で定義した略語は,本文においても用いることとする。)。 2 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 原告等ア原告は,株式会社P3(以下「P3」という。)の代表取締役会長,本 - 2 -件財団の理事,学校法人P4(以下「P4」という。)の理事長等を務める者である。(乙1,20,27)イ本件財団は,ものづくり技術の高度化に関する試験研究,普及等に対する助成等を行うことにより,茨城県における産業振興に寄与することを目的とする財団法人である。(乙 者である。(乙1,20,27)イ本件財団は,ものづくり技術の高度化に関する試験研究,普及等に対する助成等を行うことにより,茨城県における産業振興に寄与することを目的とする財団法人である。(乙20)(2) 本件財団の設立に至る経緯等ア原告は,本件財団を設立するため,平成19年10月19日付け「寄付書」と題する書面により,現金1000万円及びP2発行に係る株式(額面50円)500万株(以下「本件寄附株式」という。)の寄附(本件寄附)を申し込んだところ,同日,本件財団の設立総会において,本件寄附の申込みが可決,承認されるとともに,現金1000万円のうち500万円を運用財産に,残りの500万円及び本件寄附株式を基本財産にそれぞれ組み入れることが可決された。(乙17,18)イ本件財団は,平成19年11月19日,茨城県知事から民法(平成18年法律第50号による改正前のもの。以下同じ。)34条の規定に基づく設立の認可を受け,同月28日,設立された。なお,本件財団の設立が認可された日に施行された寄附行為(以下「本件寄附行為」という。)には,別紙3記載のとおりの規定がある。(乙2,19,20)(3) 本件財団の事業計画及び事業運営等ア(ア) 本件財団の平成20年度から平成22年度までの事業計画においては,広報宣伝については,インターネットによる公募及び募集要項の配布を実施するとされており,助成金の給付については,試験研究助成につき200万円以内で10件程度,普及活動助成につき100万円以内で3件程度,調査研究助成につき100万円以内で2件程度とされていた。(乙7の1~3)(イ) P3のインターネット上のウェブサイトには,「新技術開発の方に - 3 -小さなお手伝いをします。財団法人P1(2008/06/24)詳しくは 2件程度とされていた。(乙7の1~3)(イ) P3のインターネット上のウェブサイトには,「新技術開発の方に - 3 -小さなお手伝いをします。財団法人P1(2008/06/24)詳しくは当財団までご相談ください。」と表示されるとともに,本件財団の所在地,連絡先等が掲載されている。また,P4のインターネット上のウェブサイトには,本件財団について,「P5グループの技術開発を総合的に担い,部門を越えて様々な研究をしています。」と紹介されている。(乙21,22)(ウ) 本件財団の平成19年度知識普及事業募集要項には,本件財団が,ものづくり技術の高度化に関する知識を普及するための講演会,シンポジウム及びセミナー等の開催に要する経費の助成を行い,茨城県内の産業振興に寄与しようとするものであり,平成20年1月1日から同年3月31日までの間に茨城県内において開催するものを対象とし,1事業につき100万円を限度として1件助成すると記載されていた。 また,平成20年度から平成23年度までの各学術研究等助成事業募集要項には,本件財団が,① 試験研究助成事業として,平成20年度から平成22年度までについては,1件当たり10万円から200万円以内で,ものづくり産業の基盤技術である「めっき」,「鋳造」,「金型」等の高度化(微細化・精密化,小型化・軽量化など)を図るための試験研究,平成23年度については,ものづくり技術の高度化を図るための試験研究に対する各助成を,② 知識普及助成事業として,1件当たり10万円から100万円以内で,ものづくり技術の高度化に関する知識の普及活動に対する助成を,③ 調査研究助成事業として,1件当たり10万円から100万円以内で,ものづくり技術の動向に関する調査研究に対する助成を行うとそれぞれ記載されていた。 ((ウ) する知識の普及活動に対する助成を,③ 調査研究助成事業として,1件当たり10万円から100万円以内で,ものづくり技術の動向に関する調査研究に対する助成を行うとそれぞれ記載されていた。 ((ウ)につき,乙5の1~5)イ本件寄附株式に係るP2からの配当金として,平成20年7月1日に平成19年度分として2500万円が,平成21年7月1日に平成20年度 - 4 -分として250万円が,平成22年7月1日に平成21年度分として750万円が,それぞれP6銀行(現在のP7銀行)P8支店「財団法人P1理事長P9」名義の普通預金口座(以下「本件口座」という。)に入金された。(乙23の1~3,乙24)ウ(ア) 本件財団に対して提出された平成19年度から平成22年度までの間の助成申請書の提出状況は,別紙4の1記載のとおりであり,平成19年度が1件,平成20年度が6件,平成22年度が1件であった。(甲5,6,8,10,12,14,16,18,乙25)(イ) 本件財団の選考委員会が平成19年度から平成22年度までの間に助成を承認した助成候補者は,別紙4の2記載のとおりであり,平成19年度が1件,平成20年度が8件,平成21年度が1件,平成22年度が1件であった。(乙25)(ウ) 本件財団は,上記(イ)のとおり選考委員会において助成の承認を受けた者に対し,別紙4の3記載のとおり,本件口座から同3の「振込先口座」欄記載の各銀行預金口座に振り込む方法により,助成額を支払った。(乙26の1~10)(エ) 本件財団における本件寄附株式に係る配当金の収入状況及び助成金としての支出状況は,別紙4の4記載のとおりである。(乙24)(4) 本件処分に至る経緯等ア原告は,平成22年11月19日,国税庁長官に対し「租税特別措置法第40条の規定によ 状況及び助成金としての支出状況は,別紙4の4記載のとおりである。(乙24)(4) 本件処分に至る経緯等ア原告は,平成22年11月19日,国税庁長官に対し「租税特別措置法第40条の規定による承認申請書」と題する書面(以下「本件申請書」という。)を提出し,本件寄附について本件申請をした。(乙1)イ国税庁長官は,平成23年3月11日付けで,本件申請について,本件寄附が措置法施行令25条の17第2項に規定する要件に該当しないことを理由として,これを不承認とする本件処分をした。(甲1)ウ原告は,平成23年5月10日,本件処分を不服として異議申立てをし - 5 -たが,国税庁長官は,同年11月2日,同異議申立てを棄却する旨の決定をした。(乙6)(5) 本件訴えの提起原告は,平成24年5月2日,本件訴えを提起した。(顕著な事実) 3 争点本件の争点は,本件申請を承認しなかった本件処分の違法性の有無であり,具体的には次の(1)から(3)までの各点について争いがある。 (1) 措置法施行令25条の17第2項1号の要件(以下「公益増進に関する要件」という。)該当性(2) 措置法施行令25条の17第2項2号の要件(以下「事業供用に関する要件」という。)該当性(3) 手続的違法の有無 4 争点に関する当事者の主張の要旨(1) 争点(1)(公益増進に関する要件該当性)について(原告の主張の要旨)ア原告がした本件寄附は,以下のとおり,その目的において,公益性が極めて高く,それ以外の目的を有していなかった。 (ア) 原告は,自らが経営するP3の事業等を通じて長年「ものづくり」に取り組んでいたところ,これを更に発展させる開発活動等の助成や,これを担う次世代の育成,支援をすることによる地域の産業振興を願い,ものづ 告は,自らが経営するP3の事業等を通じて長年「ものづくり」に取り組んでいたところ,これを更に発展させる開発活動等の助成や,これを担う次世代の育成,支援をすることによる地域の産業振興を願い,ものづくり技術の高度化に関する試験研究,普及等に対する助成等を行うための本件財団を設立したものである。 (イ) 本件財団は,P3のウェブサイトにおいて助成金申請募集を広報し,応募要領についても,茨城県の産業振興の催事会場等において配布するなどし,毎年1,2回,十分な学識を有する4名の学者及び1名の実務家の選考委員から成る選考委員会を開催し,助成金の支出先を決定して - 6 -いる。 イ本件財団は,募集要項において,助成の対象を「めっき」,「鋳造」,「金型」についての試験研究としていたが,この分野に関する茨城県内の助成対象先がごく少数に限られており,申請を全て認めたとしても予定していた助成金額に達しないため,多額の繰越金が生ずることが予想されており,上記分野に限らず,他の分野にも選考の範囲を広げる必要が生じていた。 そのような中で,原告は,平成20年3月,免疫学やプロポリスの研究をしていたP10から,P4における生活習慣病に関する試験研究のための助成申請(以下「本件助成申請」という。)がされたため,本件財団の事務局に対し,本件助成申請がされたことを口頭で伝えた(なお,本件財団の事務局は,不慣れであり,本件助成申請を書面化することに思い至らなかったため,本件助成申請に係る申請書は作成されなかった。)。本件財団の選考委員会は,同年10月6日,本件助成申請について他の案件と共に審理し,承認した。 本件助成申請に対する助成をすれば,その研究の成果としてサプリメントや運動器具の製造技術の高度化が期待できるため,ものづくり技術の高度化に関する知識 申請について他の案件と共に審理し,承認した。 本件助成申請に対する助成をすれば,その研究の成果としてサプリメントや運動器具の製造技術の高度化が期待できるため,ものづくり技術の高度化に関する知識の普及活動に対する助成やこのような事業を達成するために必要な事業の一切を含む本件財団の目的にもかなうものである上,当該年度のその他の助成申請が少なく,余剰金が大幅に生ずる見通しの中,ものづくりの基礎となる学術的研究のための助成金の申請に応ずることは,財団の実態をその目的に沿うように運営しようとする努力の現れというべきであるし,原告において特に課税を免れる意図等を有していたこともないことからすれば,本件助成申請に係るP4への助成(以下「本件助成」という。)のみを捉えて,本件財団が公益増進に関する要件に該当しないと判断されるべきではない。 - 7 -なお,被告は,本件財団の選考委員会における助成の承認が恣意的にされたものであると主張するが,上記承認は,選考委員会の裁量的判断としてされたものであって,原告は,選考委員会において発言権を有しておらず,その判断に関与していない。また,助成金額について,募集要項には10万円から200万円の範囲であることが記載されているものの,これは目安として定められたものにすぎず,本件寄附行為において助成金額の上限額が特に定められていないことからしても,上記の範囲に限定されるものでもなく,研究の重要性,必要な研究期間,研究規模,設備,財団の資金状況等を勘案して定められるものであって,基礎研究のような長期にわたる研究に対する助成については,合理的な期間の数期分を合計して一括助成する方が適切な場合もあり,これをまとめて助成するのか,毎年申請を受けてその都度助成するのかについても,選考委員会の合理的な裁量的判断に委 する助成については,合理的な期間の数期分を合計して一括助成する方が適切な場合もあり,これをまとめて助成するのか,毎年申請を受けてその都度助成するのかについても,選考委員会の合理的な裁量的判断に委ねられている。 ウ国税当局の実務においては,措置法40条に基づく申請をした時点では措置法施行令25条の17第2項の定める要件を全て満たしていない場合であっても,公益目的に合致しないことが明らかな場合を除き,直ちに不承認とせず,当該贈与を認めることが民間の担う公益活動の促進という措置法40条の制度趣旨に合致するかどうかの観点から承認の是非が判断されており,特に,所得税等の負担の不当減少に当たらないような場合においては,必要な要件を概ね(例えば7~8割)満たし,全体として同条の制度趣旨に合致するものであると認められれば,承認が認められている。 また,同条の制度趣旨には合致するものの,上記要件の充足が不十分であるような場合,国税当局が,申請者からの要求に応じて必要な是正措置を求め,場合によっては2,3年かけて要件を満たすように指導することもある。 本件寄附は,所得税等の負担の不当減少に当たらないものであるから, - 8 -本件申請の審査において,公益増進に関する要件等の該当性が厳格に判断されるべき事案ではなく,むしろ,同条の制度趣旨に立ち返り,本件寄附を認めることが民間の担う公益活動の促進という趣旨に合致するかどうかの観点から,全体として承認に値するかどうかの判断がされるべきである。 (被告の主張の要旨)ア公益事業が公益の増進に著しく寄与するかどうかについては,① 公益事業の規模(社会的存在として認識される程度の規模を有すること),②公益の分配(公益を必要とする者に公平に与えられること),③ 事業の営利性(営利企業的に行われていな かどうかについては,① 公益事業の規模(社会的存在として認識される程度の規模を有すること),②公益の分配(公益を必要とする者に公平に与えられること),③ 事業の営利性(営利企業的に行われていないこと),④ 法令の遵守等の4項目の要件を満たしているかどうかにより判定する取扱いをしている(措置法40条通達の8)ところ,公益増進に関する要件を満たすためには,公益の分配が適正に行われる必要があるため,助成事業を行う財団等において,恣意性を排除した助成対象者の選定基準などの客観的指針を作成し,それに基づく事業が行われる必要がある。 イ(ア) 本件財団は,平成20年度の事業計画(以下「本件事業計画」という。)及び同年度の募集要項(以下「本件募集要項」という。)において,助成金の給付の上限額を100万円又は200万円以内と定めていたところ,同年度において,原告が理事長を務めるP4に対し,上記上限額の範囲を超えた1000万円もの助成(本件助成)をした上,P4からは,本件助成について,本件募集要項で定める申請書や実績報告書が提出されていないほか,本件募集要項では,試験研究助成事業の対象が「めっき」,「鋳造」,「金型」等の高度化(微細化・精密化,小型化・軽量化など)とされていたにもかかわらず,P4が助成を求めた事業は,サプリメントや運動器具を製造する技術の高度化を図るための試験研究であり,助成事業の対象も合致していない。また,本件財団は,本件事業計画において,公募の方法については,インターネットによる - 9 -公募及び募集要項の配布をする旨定めていたにもかかわらず,原告の主張を前提とすると,本件助成は,公募によるものではないことが明らかであるばかりか,P4の理事長である原告が本件財団の事務局に対し本件助成への対応を指示しているに等しいので たにもかかわらず,原告の主張を前提とすると,本件助成は,公募によるものではないことが明らかであるばかりか,P4の理事長である原告が本件財団の事務局に対し本件助成への対応を指示しているに等しいのであって,以上によれば,本件助成は,助成金額・手続や内容面において,本件事業計画及び本件募集要項にのっとったものであるということはできない(なお,本件事業計画や本件募集要項において,研究の重要性などの合理的な理由がある場合に所定の助成金額を超えて助成金を支給できる旨の記載はない上,選考委員会において,本件助成について上記合理的な理由を検討した事情もうかがえない。また,仮に,本件財団が助成対象を他分野や他業種に変更又は拡大するのであれば,本件寄附行為や本件募集要項を必要に応じて変更することもできたにもかかわらず,こうした変更をしないまま助成対象者の選定がされており,以上によれば,本件財団における助成対象者の選定が恣意的にされたものであることを否定できない。)。 このほか,本件財団が平成20年度及び平成21年度において特定非営利活動法人P11に対してした助成についても,助成申請書や実績報告書が提出されておらず,募集要項にのっとった手続がされていない。 以上のとおり,本件財団が,事業計画や募集要項にのっとった助成をしていたということはできず,公益の分配と認められるような適正な助成がされていたということはできない。 (イ) 本件寄附行為においては,助成対象の選定について審議するため選考委員会を置くと定められ(27条1項),募集要項上も,助成対象者の選定に係る審査については,選考委員会において厳正に審査し,理事長が決定すると記載されている。 しかし,本件財団がした助成を審査した選考委員会の議事録には,審査経過や発言者の発言要旨の記載がないことに加 係る審査については,選考委員会において厳正に審査し,理事長が決定すると記載されている。 しかし,本件財団がした助成を審査した選考委員会の議事録には,審査経過や発言者の発言要旨の記載がないことに加え,各選考委員の供述 - 10 -によれば,各選考委員は,選考委員会の議題とされた段階で当該事業が助成対象となることが既に予定されていると認識していたことがうかがわれることからすれば,選考委員会の選考は形骸化していたということができる。 以上によれば,本件財団における選考委員会の助成の可否に係る審査は公正さを欠き,選考委員会の運営状況も適正さを欠くものといわざるを得ない。 ウ以上のとおり,本件財団が行っていた助成については,事業計画及び募集要項等に沿わない不適正な助成がされていた上,選考委員会における運営状況も適正さを欠くものであることから,本件財団は,不特定多数の者を対象とした社会一般への公益の分配を行っていたということはできず,公益増進に関する要件に該当するということはできない。 なお,原告は,国税当局の実務において,① 措置法40条に基づく申請については,所得税等の負担の不当減少に当たらないような場合であれば,必要な要件を概ね満たし,全体として措置法40条の制度趣旨に合致していれば承認が認められているものであること,② 国税当局において,申請者からの要求に応じて必要な是正措置を求め,場合によっては2,3年かけて要件に該当するように指導されることもあるなどと主張する。しかし,上記①については,同条の承認を受けるためには,所定の要件を全て満たす必要があるとされており,安易な拡張解釈が許されるべきではない。また,上記②については,そもそも所得税法が申告納税制度を採用していることからして,同条の承認に当たり,国税当局において当該承 て満たす必要があるとされており,安易な拡張解釈が許されるべきではない。また,上記②については,そもそも所得税法が申告納税制度を採用していることからして,同条の承認に当たり,国税当局において当該承認のための申請が要件に該当するように是正等をさせるべき義務を負うものではない。 (2) 争点(2)(事業供用に関する要件該当性)について(原告の主張の要旨) - 11 -ア事業供用に関する要件について,措置法40条通達の9によれば,寄附財産が株式の場合,各年の配当金の全額が直接かつ継続して公益を目的とする事業(以下「公益事業」という。)の用に供されるかどうかにより判定することとされている(なお,措置法施行令25条の17第2項2号は,株式という性質上,当該年度にどの程度配当金が生ずるのかも,当該株式の発行会社の業績いかんによるものであり,事前予測が困難であるため,財産が公益事業に直接供される場合のみならず,供される見込みがある場合にも要件に該当することとしたものと解される。)。 また,同号括弧書の「やむを得ない事情」については,同条1項後段の「やむを得ないと認める事情」についての解釈や運用と同様に,極めて広く解釈,運用されるべきであるところ,申請者又は受贈団体の関係者が事業供用に関する要件の存在や内容を知らなかった場合には,「やむを得ない事情」があるものとし,事業供用に関する要件該当性については,贈与から2年経過後の財産の供用についても考慮されるべきである(措置法40条通達の13において掲げられている事情は,一旦措置法40条の承認がされた後にこれを維持するかどうかを判断する上では妥当であるものの,同条の申請の際にまで要することとするのは酷であり,上記のような場合にも「やむを得ない事情」があるものというべきである。)。 イこ れた後にこれを維持するかどうかを判断する上では妥当であるものの,同条の申請の際にまで要することとするのは酷であり,上記のような場合にも「やむを得ない事情」があるものというべきである。)。 イこれを本件についてみると,本件寄附がされた平成19年以前の過去5年間の本件寄附株式に係る配当金の平均額は1900万円であったところ,平成20年度には1928万3200円が助成金として支出されたのであるから,少なくとも,本件寄附の時点においては,本件寄附株式が,本件寄附がされた日から2年以内に公益事業の用に直接供される見込みであったことは明らかである。 また,平成21年度の助成金は6万円にとどまり,平成20年度及び平成21年度に関する限り,助成金の額は本件寄附株式の配当金の額を下 - 12 -回っているものの,本件財団は,本件寄附株式を基本財産として助成事業を開始したばかりであり,助成申請の公募等の経験もなかったため,助成申請が予想どおり集まらなかったものであり,本件寄附株式の配当金を助成金として2年間で完全に支出できなかったのも当然であり,本件財団について,相当期間助成事業を続けてきた実績を有する他の財団と同様に考えるべきではない。 さらに,原告は,事業供用に関する要件について知らず,本件財団が上記要件に適合するように財産運用をしているかどうかを確認することができなかったのであるから,措置法施行令25条の17第2項2号括弧書の「やむを得ない事情」があるというべきである。 ウ本件寄附が事業供用に関する要件に該当するかどうかは,前記(1)(原告の主張の要旨)ウ記載のとおり,民間の担う公益活動の促進という措置法40条の制度趣旨に合致するかどうかの観点から合理的かつ柔軟に解釈されるべきであるところ,本件財団において,本件寄附株式の配当金の全 の主張の要旨)ウ記載のとおり,民間の担う公益活動の促進という措置法40条の制度趣旨に合致するかどうかの観点から合理的かつ柔軟に解釈されるべきであるところ,本件財団において,本件寄附株式の配当金の全額が本件寄附から2年以内には公益事業に供されていないものの,同配当金の残額は,平成23年度までにその一部が助成され,平成24年度には平成21年度までの本件寄附株式の配当金の全額を超える助成がされることが決定されており,最終的には全額が公益事業に供されている。また,本件財団は,設立以来,科学・産業技術の調査,研究及び関連活動に対する助成を行い,将来もこのような活動を継続する具体的な計画があるなど,広く社会の発展に資する活動を行っている実態を有することからすれば,本件寄附が同条の制度趣旨に合致するものであることは明らかである。 (被告の主張の要旨)ア本件寄附が事業供用に関する要件を満たすためには,本件寄附のあった日以後2年を経過する日までの期間内に,法人の公益事業の用に供され,又は供される見込みであることを要し,寄附財産が株式の場合,その果実 - 13 -である各年の配当金の全額が直接かつ継続して公益事業の用に供されるかどうかにより判定することとなる。 イ本件財団は,平成20年7月1日に本件寄附株式の平成20年度の配当金として受領した2500万円を,同日から2年以上経過した平成23年3月時点においても全額使用していなかった。また,本件財団に対する平成20年度から平成22年度までの本件寄附株式の配当金合計3500万円のうち,助成金として支出された金額等は1939万9725円であり,その使用割合は55%にすぎない(なお,これらの点は,本件財団の平成20年度から平成22年度までの助成金を除く費用を含めても同様である。)。 また,措置 された金額等は1939万9725円であり,その使用割合は55%にすぎない(なお,これらの点は,本件財団の平成20年度から平成22年度までの助成金を除く費用を含めても同様である。)。 また,措置法施行令25条の17第2項2号は,当該財産が,当該贈与があった日以後2年を経過する日までの期間内に,「当該法人の当該事業の用に供され,又は供される見込みであること」と規定しており,措置法40条2項及び措置法施行令25条の17第8項によれば,国税庁長官は,贈与のあった日以後2年を経過するまでの期間内に,当該受贈財産が公益事業の用に供されなかった場合には,非課税承認を取り消すことができるとされていることからすれば,事業供用に関する要件について,措置法40条に基づく申請の時点で既に贈与のあった日以後2年を経過している場合には,当該財産が上記2年の期間内に現に当該法人の当該事業の用に供されたか否かを判断すれば足りるというべきであって,「供される見込み」であるか否かを判断する余地はないというべきである。そして,本件申請は,本件寄附から3年が経過した後にされたものであるから,事業供用に関する要件については,本件寄附のあった日から2年以内に本件寄附株式に係る配当金の全額が現に本件財団の公益事業の用に供されたか否かを判断することとなるところ,これによれば,上記のとおり,事業供用に関する要件を満たしていないことが明らかである(なお,本件財団について当 - 14 -該事業の用に「供される見込み」について検討しても,平成22年度の事業計画の内容は前年度及び前々年度の事業計画の内容と同様であり,また,平成22年度に助成申請があったものは,株式会社P12からの1件のみであったことからすれば,本件寄附のあった日から2年以内に配当金の全てが助成金として支出される見 事業計画の内容と同様であり,また,平成22年度に助成申請があったものは,株式会社P12からの1件のみであったことからすれば,本件寄附のあった日から2年以内に配当金の全てが助成金として支出される見込みといえるような具体的計画があったということもできない。)。 したがって,本件寄附が,事業供用に関する要件を満たしているということはできない。 ウ措置法40条の要件の解釈は厳格にされるべきであり,安易な拡張解釈は許されないというべきであるところ,措置法施行令25条の17第2項2号括弧書の「やむを得ない事情」については,当該贈与に係る財産が,当該贈与があった日以後2年を経過する日までの期間内に,当該法人の公益事業の用に供されることが困難である事情が客観的に認められる場合をいうものとして取り扱っており(措置法40条通達の13),原告や本件財団の関係者が事業供用に関する要件を把握していなかったとの事情は,上記の場合に当たらないため,本件寄附について上記「やむを得ない事情」があったということはできない。 (3) 争点(3)(手続的違法の有無)について(原告の主張の要旨)国税当局は,平成22年10月に実施したP5グループに属する合計16社に対する一斉の税務調査において,同社らへの新たな課税根拠を発見できなかったところ,原告に対する課税を検討する中で,本件寄附の事実を発見したため,当初から本件寄附について課税をすることを意図し,原告から必要な情報を入手するため措置法40条の申請手続を利用することを考え,措置法施行令25条の17第1項の「やむを得ないと認める事情」について何ら問題とすることなく,贈与から4か月の申請期限経過後の本件申請を認め - 15 -た。 そして,事業供用に関する要件について定める同条2項2号によれば,贈与から2 いと認める事情」について何ら問題とすることなく,贈与から4か月の申請期限経過後の本件申請を認め - 15 -た。 そして,事業供用に関する要件について定める同条2項2号によれば,贈与から2年経過後に受贈財産がどのように使用されたのかは原則として問題とならないところ,本件申請が,本件寄附がされてから3年後にされたものであるため,国税当局は,同年12月9日までに事業供用に関する要件を満たすかどうかを判断するための書類を受領していた以上,遅くとも同月上旬から中旬頃にはこれを判断することができたにもかかわらず,その後も本件申請についての調査を続け,原告をして,国税当局の指導に従って是正をし,必要な情報を提供すれば同条の承認が得られるものと誤信させ,譲渡所得課税の更正決定の期限である平成23年3月15日までの間に,原告から課税に必要な株式の価額に関する情報を提供させてこれを入手した上で,本件処分をしたものである。 本件処分は,以上のような目的や手続からして許されるべきではなく,また,措置法40条の趣旨にもとるものであり,信義則,適正手続を保障した憲法31条,法の下の平等を保障した憲法14条などの趣旨に反し,国税庁長官としての権限を濫用し,その裁量権を逸脱した違法,不当なものであるから,取り消されるべきものであることは明らかである。 (被告の主張の要旨)本件処分について,信義則の法理を適用して取り消すことができる特別な事情が存在するというためには,少なくとも,① 税務官庁が原告に対し信頼の対象となる公的見解を表示したこと,② 原告がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したこと,③ 後に公的見解の表示に反する処分が行われたこと,④ そのため,原告が経済的不利益を受けることになったこと,⑤ 原告が税務官庁の上記表示を信頼しその信頼に を信頼しその信頼に基づいて行動したこと,③ 後に公的見解の表示に反する処分が行われたこと,④ そのため,原告が経済的不利益を受けることになったこと,⑤ 原告が税務官庁の上記表示を信頼しその信頼に基づいて行動したことについて納税者の責に帰すべき事由がないことが必要となると解される。 これを本件についてみると,上記①に関し,本件の調査担当者が原告に対 - 16 -し,本件申請が承認されるか否かについて公的見解を示した事実はない。また,上記④に関し,原告が本件処分を受けた結果,本件寄附を譲渡所得とみなされて課税の対象とされることとなったとしても,それは,措置法40条1項後段に基づく税制上の優遇措置を受けられないため,原則どおり,所得税法59条1項1号により本来納付すべき税額の納付義務を負うこととなったにすぎず,原告は,本件処分により,上記税制上の優遇措置を受けられるとの事実上の期待が失われたにすぎないのであって,原告が経済的な不利益を被ったということはできない。 そうすると,本件処分について,信義則の法理を適用して取り消すべきものということはできない(なお,原告は,本件寄附について,本来であれば,平成19年分の所得税の確定申告において,所得税法59条の規定に基づき本件寄附に係るみなし譲渡所得の申告をする必要があったにもかかわらず,これを申告していなかったことから,本件寄附について本件申請をしなければ,同条に基づく本件寄附に係る譲渡所得が申告漏れとなり,修正申告をする必要があったのであって,本件寄附に関しては,原告が本件申請をするかどうかにかかわらず,本件寄附に係る譲渡所得の金額の計算をする必要があったものである。そして,国税当局の担当調査官が原告に対し,本件寄附につき措置法40条に基づく承認制度を教示したのは,原告が本件寄附につ かかわらず,本件寄附に係る譲渡所得の金額の計算をする必要があったものである。そして,国税当局の担当調査官が原告に対し,本件寄附につき措置法40条に基づく承認制度を教示したのは,原告が本件寄附について同承認に係る申請をする意思があるのであれば,その申請及びこれに対する国税庁長官の判断を待った上で原告の平成19年分に係る譲渡所得の金額や所得税額の計算をすることとした方が,原告の意思にもかない,適当であると判断したためである。)。 また,本件処分は,本件申請について,措置法40条の承認要件を全て満たすかどうかを適正に審査した上で,本件寄附が同条の要件の全てを充足していないためされたものであって,法令上の手続違背があるということはできない。 - 17 -第3 当裁判所の判断 1 争点(2)(事業供用に関する要件該当性)について(1) 法人に対する贈与により譲渡所得の基因となる資産の移転があった場合には,その贈与をした時に,その時における価額に相当する金額により,これらの資産の譲渡があったものとみなされて,当該贈与者に対し所得税が課税される(所得税法59条1項1号)ところ,民法34条の規定により設立された法人その他の公益を目的とする事業を営む法人に対する財産の贈与で当該贈与が教育又は科学の振興,文化の向上,社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与することその他の政令で定める要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けたものについては,所得税の課税においては当該財産の贈与がなかったものとみなされる(措置法40条1項後段。以下,この特例を「本件特例」という。)。本件特例は,公益法人等に対する贈与を行おうとする者の税負担を軽減し,民間の担う公益活動を促進しようとするものと解される。 本件特例の適用要件は,措置法施行令25条の17 を「本件特例」という。)。本件特例は,公益法人等に対する贈与を行おうとする者の税負担を軽減し,民間の担う公益活動を促進しようとするものと解される。 本件特例の適用要件は,措置法施行令25条の17第2項に定められているところ,同項2号は,当該贈与に係る財産(以下「寄附財産」という。)が,当該贈与があった日以後2年を経過する日までの期間内に,当該法人の当該事業の用に供され,又は供される見込みであること(事業供用に関する要件)をその要件の一つとして定め,所定の期間内に寄附財産が公益事業の用に直接供されることを求めている。そして,事業供用に関する要件について,措置法40条通達の9ただし書においては,株式等のように,その財産の性質上その財産を直接公益事業の用に供することができないものである場合には,各年の配当金等その財産から生ずる果実の全部が当該公益事業の用に供されるかどうかにより,当該財産が当該公益事業の用に直接供されるかどうかを判定して差し支えないものとして取り扱うこととし,この場合において,各年の配当金等の果実の全部が当該公益事業の用に供されるかどうか - 18 -は,例えば,科学技術その他の学術に関する研究を行う者に対して助成金を支給する事業を営む法人において助成金として支給されるなど,当該果実の全部が直接,かつ,継続して,当該公益事業の用に供されるかどうかにより判定することに留意するものとしている。 上記措置法40条通達の9ただし書は,株式等のように,その財産の性質上その財産を直接公益事業の用に供することができないものについても措置法40条の承認の対象から除外しないこととする一方で,事業供用に関する要件の判定について,他の財産についての判定と同様に,直接,当該公益事業の用に供されるかどうかを実質的に判定することとしており,合 法40条の承認の対象から除外しないこととする一方で,事業供用に関する要件の判定について,他の財産についての判定と同様に,直接,当該公益事業の用に供されるかどうかを実質的に判定することとしており,合理的な指針であるということができる。 そこで,以下,上記措置法40条通達の9ただし書の指針に従い,本件寄附が事業供用に関する要件に該当するかどうかを判断することとする。 (2) 前提事実(2)のとおり,原告は,本件財団の設立について認可された平成19年11月19日をもって本件寄附をしたことから,同日から2年以内の期間(平成21年11月19日まで。以下「本件期間」という。)にされた本件寄附株式に係る配当金が,本件期間内に全額助成金として支給されているかどうかを検討する。 前提事実(3)ウ(エ)によれば,本件期間内にされた本件財団に対する本件寄附株式に係る配当金は,別紙4の4記載のとおり,平成20年7月1日に2500万円,平成21年7月1日に250万円の合計2750万円であったのに対し,本件期間内にされた本件財団における助成金の支給状況は,別紙4の3記載のとおり,合計1928万3200円を支給したにすぎず,その支給割合は約70%にすぎない。 なお,平成21年7月1日に平成21年度の配当金が支払われてから本件期間の終期である同年11月19日までの期間が約5か月弱しかなかったことを考慮し,仮に,平成20年度の配当金(2500万円)のみについてみ - 19 -たとしても,これが本件期間内に全額助成されたことはない(助成金の支給割合は約77%にすぎない。)し,また,同日経過後も含めた平成21年度全体における助成金までみたとしても,同年12月10日に6万円が支給されているにすぎず,この支給を加えたとしても,本件期間内における配当金が全額助成金と 。)し,また,同日経過後も含めた平成21年度全体における助成金までみたとしても,同年12月10日に6万円が支給されているにすぎず,この支給を加えたとしても,本件期間内における配当金が全額助成金として支給されているということもできない。 以上によれば,本件期間内にされた本件寄附株式に係る配当金が,本件期間内に全額助成金として支給されているということはできないため,本件寄附株式が,本件財団の公益事業の用に直接供されたということはできない。 (3)ア原告は,本件寄附がされた平成19年以前の過去5年間の本件寄附株式に係る配当金の平均額は1900万円であるところ,平成20年度には1928万3200円が助成金として支出されたのであるから,少なくとも,本件寄附の時点においては,本件寄附株式が,本件寄附がされた日から2年以内に公益事業の用に直接供される見込みであったと主張する。 しかし,上記主張のうち,平成19年以前の過去5年間の本件寄附株式に係る配当金の平均額が1900万円であることについては,本件申請書(10-3(1))に,本件寄附株式の1年間の運用利益が1900万円であるとの記載はあるものの,同記載が上記事実を認めるに十分なものということはできず,他にこの事実を裏付ける的確な証拠は見当たらない。 また,この点をおくとしても,措置法40条2項及び措置法施行令25条の17第8項によれば,国税庁長官は,仮に贈与の時点で当該贈与がされた日から2年以内に公益事業の用に直接供される見込みがあるとして措置法40条1項の承認をした場合であっても,贈与のあった日以後2年を経過するまでの期間内に,寄附財産が公益事業の用に供されなかった場合には,同項の承認を取り消すことができることとされているのであるから,事業供用に関する要件について,同条に基づく申請がされ 後2年を経過するまでの期間内に,寄附財産が公益事業の用に供されなかった場合には,同項の承認を取り消すことができることとされているのであるから,事業供用に関する要件について,同条に基づく申請がされた時点で既に贈与のあった日以後2年を経過している場合には,原則として寄附財産が上 - 20 -記2年の期間内に実際に当該法人の公益事業の用に供されたかどうかにより判断すれば足りるものというべきである。そうすると,本件申請は,本件寄附がされた日から2年以上を経過した時点でされたものである以上,本件申請に係る事業供用に関する要件の判断において,本件寄附株式が本件寄附の時点において本件寄附がされた日から2年以内に公益事業の用に直接供される見込みがあったかどうかを検討する必要はないといわざるを得ない(なお,事業供用に関する要件の判定は,当該財産が,当該贈与があった日以後2年以内に,当該財産を受けた法人の当該贈与に係る公益事業の用に供されることについて,具体的計画があり,かつ,その計画の実現性があるかどうかにより行うものとするとされている〔措置法40条通達の12〕ところ,原告は,実際の助成金の支給状況に基づき公益事業の用に供される見込みがあったと主張するのみであって,具体的計画に基づく上記見込みがあったことの裏付けもないといわざるを得ない。)。 イ次に,原告は,事業供用に関する要件について知らず,本件財団が上記要件に適合するように財産運用をしているかどうかを確認することができなかったのであるから,措置法施行令25条の17第2項2号括弧書の「やむを得ない事情」があるというべきであると主張する。 しかし,前記(1)で説示したとおり,本件特例は,所得税法59条1項1号による課税要件規定に対する例外規定に基づくものであり,公益性を担保し,租税負担の い事情」があるというべきであると主張する。 しかし,前記(1)で説示したとおり,本件特例は,所得税法59条1項1号による課税要件規定に対する例外規定に基づくものであり,公益性を担保し,租税負担の公平な負担を図る観点からは,措置法施行令25条の17第2項において定められている要件の解釈も厳格にすべきである。同項2号括弧書の「やむを得ない事情」については,上記の観点から検討する必要があるほか,同号括弧書において「当該贈与又は遺贈を受けた土地の上に建設をする当該贈与又は遺贈に係る公益を目的とする事業の用に供する建物のその建設に要する期間が通常2年を超えること」との例示に続いて定められていることも考え合わせると,措置法40条通達の13におい - 21 -て,寄附財産が,当該贈与があった日以後2年を経過する日までの期間内に,贈与者及び贈与を受けた法人の責めに帰せられない事情により,当該法人の公益事業の用に供されることが困難である事情が客観的に認められる場合をいうものとして取り扱うこととしているのは,正当な解釈であるというべきである。そして,この解釈によれば,単に贈与者が事業供用に関する要件を知らなかったとの事情をもって,上記「やむを得ない事情」があるということができないことは明らかである(なお,上記措置法40条通達の13について,原告は,一旦措置法40条の承認がされた後にこれを維持するかどうかを判断する上では妥当であるものの,同条の申請の際にまで要することとするのは酷であると主張するが,同条及び措置法施行令25条の17の規定上,原告の主張するような区別がされているわけではないことからすれば,そのような区別をした上で解釈することに合理性があるとは認められない。)。 ウさらに,原告は,本件寄附が事業供用に関する要件に該当するかどうかは うな区別がされているわけではないことからすれば,そのような区別をした上で解釈することに合理性があるとは認められない。)。 ウさらに,原告は,本件寄附が事業供用に関する要件に該当するかどうかは,措置法40条の制度趣旨に合致するかどうかの観点から合理的かつ柔軟に解釈されるべきであるところ,本件財団において,本件寄附株式の配当金の全額が最終的には公益事業に供されており,また,本件財団が広く社会の発展に資する活動を行っている実態を有することからすれば,本件寄附が同条の制度趣旨に合致するものであることは明らかであると主張し,これに沿う証拠として,同旨の記載があるP13税理士の陳述書(甲34)を提出する。 しかし,前記(1)のとおり,本件特例は,公益法人等に対する贈与を行おうとする者の税負担を軽減し,民間の担う公益活動を促進しようとするものと解されるものの,所得税法59条1項1号による課税要件規定に対する例外規定に基づくものであって,これを適用するための要件として事業供用に関する要件が定められている以上,その該当性についても,法令の - 22 -定めに従い厳格に判断すべきである。そして,前記(2)で説示したとおり,本件期間内にされた本件寄附株式に係る配当金が,本件期間内に全額助成金として支給されているということができない(本件寄附の時点でその見込みがあったということもできない。)以上,本件寄附について,事業供用に関する要件を満たしているということはできない(本件期間後に助成金として全額支給されたかどうかや本件財団の実態を考慮する余地はないというべきである。)。 エしたがって,原告の上記アからウまでにおける各主張をいずれも採用することはできない。 (4) よって,本件寄附が,事業供用に関する要件を満たすということはできない。 いうべきである。)。 エしたがって,原告の上記アからウまでにおける各主張をいずれも採用することはできない。 (4) よって,本件寄附が,事業供用に関する要件を満たすということはできない。 2 争点(3)(手続的違法の有無)について原告は,本件処分が,その目的や手続に照らすと,許されるべきではなく,また,措置法40条の趣旨にもとるものであり,信義則,適正手続を保障した憲法31条,法の下の平等を保障した憲法14条などの趣旨に反し,国税庁長官としての権限を濫用し,その裁量権を逸脱した違法,不当なものであるから,取り消されるべきである旨主張するので,以下では,原告の主張について,原告が上記手続的違法の主張の基礎とする事情も踏まえつつ検討する。 まず,本件寄附は,原則として,所得税法59条1項1号に定める譲渡所得があったものとみなされ,所得税の課税対象となるものであるところ,本件処分は,所得税の課税において贈与がなかったものとみなされるとの本件特例の適用を求める本件申請を承認しないことを内容とするものであって,原告は,本件処分により新たな課税がされることとなったわけではなく,原則どおり,本来納付すべき税額の納付義務を負うこととなったにすぎない。 次に,原告が提出する原告及び本件申請について原告に代わり国税当局への対応を主にしていたP14株式会社総務部長のP15の各陳述書(甲2,57, - 23 -58)によっても,国税当局の担当者が,原告及びP15に対し,本件申請がされれば承認されることを公的見解として示していたことが裏付けられているということはできず(本件寄附につき,このままでは株式の譲渡について課税されてしまうことになるから,措置法40条の規定による承認申請をしておいた方がよいとの指導をし,その後も,申請書の不備の訂正や資料 いうことはできず(本件寄附につき,このままでは株式の譲渡について課税されてしまうことになるから,措置法40条の規定による承認申請をしておいた方がよいとの指導をし,その後も,申請書の不備の訂正や資料の補充に関する指導等をしたとしても,それは承認がされる可能性を否定しなかったというにとどまり,承認がされることを公的見解として示したことにはならない。),他にこれを認めるに足りる証拠はない。 また,本件申請の調査を行う国税当局が,本件申請について必要な調査を尽くした上で承認をするかどうかの判断を行うのは当然であると考えられ,仮に,原告の主張するように,原告が国税当局に対し平成22年12月頃までに事業供用に関する要件についての書類を提出していたとしても,その時点で確定的に承認要件の充足の有無についての判断をしていたと認めるに足りる証拠はない以上,国税当局が本件申請についてその後も調査を継続したことが違法であると評価することもできない。 さらに,本件寄附により所得金額が算出されない(贈与した財産の価額から必要経費を控除した金額がない)のであれば,そもそも本件申請の対象とされないのであるから,国税当局において,本件申請の対象となるかどうかを確認するため,本件寄附により所得金額が算出されるかどうかを調査する必要があると考えられるし,また,国税当局において,本件申請を承認せず,本件寄附について原則どおり課税すべきこととなった場合を想定し,本件寄附株式の価額に関する情報を調査する必要があったということができることからすれば,国税当局が本件寄附株式の価額に関する情報について調査したことを違法と評価すべきであるということはできない。 その他,本件全証拠を精査してみても,国税当局において,本件申請に係る手続について適正さを欠くものであるとか,本件処分が法 る情報について調査したことを違法と評価すべきであるということはできない。 その他,本件全証拠を精査してみても,国税当局において,本件申請に係る手続について適正さを欠くものであるとか,本件処分が法の下の平等に反する - 24 -など,本件処分について憲法31条や14条の趣旨に反するものであったことをうかがわせる事情があるということはできない。 以上の点を考慮すると,仮に,原告やP15が本件申請について承認されるものと考えていたとしても,原告やP15がそのような認識をするに至ったことについて,本件処分に係る手続中に違法があるということはできない。 したがって,原告の上記主張を採用することはできない。 3 以上のとおり,本件寄附が措置法40条の承認の要件である事業供用に関する要件を満たしておらず,また,本件処分に係る手続に手続的違法も認められないことからすれば,本件処分は適法なものということができる。 第4 結論よって,その余の点(争点(1))を判断するまでもなく,原告の請求は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官川神 裕 裁判官村田一広 裁判官不破大輔 - 25 -(別紙2)関係法令等の定め 1 贈与等の場合の譲渡所得等の特例所得税法59条(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)(1) 1項次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があった場合には,その者 得税法59条(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)(1) 1項次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があった場合には,その者の山林所得の金額,譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については,その事由が生じた時に,その時における価額に相当する金額により,これらの資産の譲渡があったものとみなす。 ① 1号贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)② 2号 (略)(2) 2項 (略) 2 国等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税(1) 措置法40条(国等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税)ア 1項国又は地方公共団体に対し財産の贈与又は遺贈があった場合には,所得税法59条1項1号の規定の適用については,当該財産の贈与又は遺贈がなかったものとみなす。民法34条の規定により設立された法人その他の公益を目的とする事業を営む法人に対する財産の贈与又は遺贈(当該法人を設立するためにする財産の提供を含む。以下この条において同じ。)で当該贈与又は遺贈が教育又は科学の振興,文化の向上,社会福祉への貢献その他公益 - 26 -の増進に著しく寄与することその他の政令で定める要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けたものについても,また同様とする。 イ 2項前項後段の規定の適用を受けて贈与又は遺贈があった場合において,当該贈与又は遺贈のあった後,当該贈与又は遺贈に係る財産(中略)が当該財産を受けた法人の当該贈与又は遺贈に係る公益を目的とする事業の用に供されないこととなったときその他当該贈与又は遺贈につき政令で定める事実が生 遺贈のあった後,当該贈与又は遺贈に係る財産(中略)が当該財産を受けた法人の当該贈与又は遺贈に係る公益を目的とする事業の用に供されないこととなったときその他当該贈与又は遺贈につき政令で定める事実が生じたとき(中略)は,国税庁長官は,その承認を取り消すことができる。この場合には,その承認が取り消された時において,政令で定めるところにより,同項に規定する贈与又は遺贈があったものとみなす。 ウ 3~6項 (略)(2) 租税特別措置法施行令(平成20年政令第161号による改正前のもの。以下「措置法施行令」という。)25条の17(公益法人に対する寄附財産の譲渡所得等の非課税のための手続等)ア 1項措置法40条1項後段の規定の適用を受けようとする者は,贈与又は遺贈(同項後段に規定する法人を設立するためにする財産の提供を含む。以下この条において同じ。)により財産を取得する法人の事業の目的,当該贈与又は遺贈に係る財産その他財務省令で定める事項を記載した申請書に当該申請書に記載された事項が事実に相違ないことを当該法人において確認した書面を添付して,当該贈与又は遺贈のあった日から4月以内(当該期間の経過する日前に当該贈与があった日の属する年分の所得税の確定申告書の提出期限が到来する場合には,当該提出期限までとする。)に,納税地の所轄税務署長を経由して,国税庁長官に提出しなければならない。この場合において,当該期間内に当該申請書の提出がなかったこと又は当該書面の添付がなかったことにつき国税庁長官においてやむを得ないと認める事情があり,かつ, - 27 -当該贈与又は遺贈に係る山林所得又は譲渡所得につき国税通則法24条から26条までの規定による更正又は決定を受ける日の前日までに当該申請書又は書面の提出があったときは,当該期間内に当該申請書の提 -当該贈与又は遺贈に係る山林所得又は譲渡所得につき国税通則法24条から26条までの規定による更正又は決定を受ける日の前日までに当該申請書又は書面の提出があったときは,当該期間内に当該申請書の提出又は当該書面の添付があったものとする。 イ 2項措置法40条1項に規定する政令で定める要件は,次に掲げる要件(中略)とする。 ① 1号当該贈与又は遺贈が,教育又は科学の振興,文化の向上,社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること。 ② 2号当該贈与又は遺贈に係る財産(中略)が,当該贈与又は遺贈があった日以後2年を経過する日までの期間(当該贈与又は遺贈を受けた土地の上に建設をする当該贈与又は遺贈に係る公益を目的とする事業の用に供する建物のその建設に要する期間が通常2年を超えることその他のやむを得ない事情があるため,当該期間内に当該財産の贈与又は遺贈を受けた法人の当該事業の用に供することが困難である場合には,当該贈与又は遺贈があった日以後国税庁長官が認める日までの期間)内に,当該法人の当該事業の用に供され,又は供される見込みであること。 ③ 3号措置法40条1項後段に規定する法人に対して財産の贈与又は遺贈をすることにより,当該贈与者若しくは遺贈者の所得に係る所得税の負担を不当に減少させ,又は当該贈与者若しくは遺贈者の親族その他これらの者と相続税法64条1項に規定する特別の関係がある者の相続税若しくは贈与税の負担を不当に減少させる結果とならないと認められること。 ウ 3~7項 (略) - 28 -エ 8項措置法40条2項に規定する政令で定める事実は,2項2号に規定する期間内に同号に規定する財産が同号の事業の用に供されなかったこと,同項3号に掲げる要件に該当しないこととなったこと,6項に規定する財務省令で 40条2項に規定する政令で定める事実は,2項2号に規定する期間内に同号に規定する財産が同号の事業の用に供されなかったこと,同項3号に掲げる要件に該当しないこととなったこと,6項に規定する財務省令で定める書類の提出がなかったことその他財務省令で定める事実とする。 オ 9,10項 (略)(3) 国税庁長官「租税特別措置法第40条第1項後段の規定による譲渡所得等の非課税の取扱いについて(法令解釈通達)」(平成20年7月8日付け課資4-83外による改正前のもの。以下「措置法40条通達」という。)(乙13)ア 8(公益の増進に著しく寄与するかどうかの判定)措置法施行令25条の17第2項1号に規定する「当該贈与又は遺贈が…公益の増進に著しく寄与する」かどうかの判定は,7に該当するものを除き,当該贈与又は遺贈に係る「公益を目的とする事業」(以下「公益事業」という。)が公益の増進に著しく寄与するかどうかにより行うものとして取り扱う。この場合の判定は,次に掲げる事項が,それぞれ次に掲げる要件を満たしているかどうかによるものとして取り扱う。 (ア) (1)公益事業の規模当該贈与又は遺贈を受けた法人の当該贈与又は遺贈に係る公益事業が,その事業の内容に応じ,その事業を営む地域又は分野において社会的存在として認識される程度の規模を有すること。 この場合において,例えば,次のイからヌまでに掲げる事業がその法人の主たる目的として営まれているときは,当該事業は,社会的存在として認識される程度の規模を有するものに該当するものとして取り扱う。 ① イ~ト (略)② チ科学技術その他の学術に関する研究を行うための施設(以下「研究施 - 29 -設」という。)を設置運営する事業又は当該学術に関する研究を行う者(以下「研究者」という。)に対して助成 ② チ科学技術その他の学術に関する研究を行うための施設(以下「研究施 - 29 -設」という。)を設置運営する事業又は当該学術に関する研究を行う者(以下「研究者」という。)に対して助成金を支給する事業(助成金の支給の対象となる者が都道府県の範囲よりも狭い一定の地域内に住所を有する研究者又は当該一定の地域内に所在する研究施設の研究者に限定されているものを除く。)③ リ,ヌ (略)(イ) (2)公益の分配当該贈与又は遺贈を受けた法人の事業の遂行により与えられる公益が,それを必要とする者の現在又は将来における勤務先,職業等により制限されることなく,公益を必要とするすべての者(やむを得ない場合においてはこれらの者から公平に選出された者)に与えられるなど公益の分配が適正に行われること。 (ウ) (3)事業の営利性当該法人の当該贈与又は遺贈に係る公益事業について,その公益の対価がその事業の遂行に直接必要な経費と比べて過大でないことその他当該事業の経営が営利企業的に行われている事実がないこと。(以下略)(エ) (4)法令の遵守等当該法人の事業の運営につき,法令に違反する事実その他公益に反する事実がないこと。 イ 9(当該贈与又は遺贈に係る財産が公益事業の用に供されるかどうかの判定)措置法施行令25条の17第2項2号の規定による当該贈与又は遺贈に係る財産(同号かっこ書の規定の適用により当該財産の譲渡による収入金額をもって取得した資産を含む。)が当該贈与又は遺贈に係る公益事業の用に供されるかどうかの判定は,当該財産そのものが,直接,当該公益事業の用に供されるかどうかにより行うものとする。 - 30 -ただし,株式,著作権などのようにその財産の性質上その財産を直接公益事業の用に供することができないものである のが,直接,当該公益事業の用に供されるかどうかにより行うものとする。 - 30 -ただし,株式,著作権などのようにその財産の性質上その財産を直接公益事業の用に供することができないものである場合には,各年の配当金,印税収入などその財産から生ずる果実の全部が当該公益事業の用に供されるかどうかにより,当該財産が当該公益事業の用に供されるかどうかを判定して差し支えないものとして取り扱う。この場合において,各年の配当金,印税収入などの果実の全部が当該公益事業の用に供されるかどうかは,例えば,(中略)8の(1)のチに掲げる法人において助成金として支給されるなど,当該果実の全部が直接,かつ,継続して,当該公益事業の用に供されるかどうかにより判定されることに留意する。 ウ 12(2年を経過する日までの期間内に公益事業の用に供される見込みであるかどうかの判定)措置法施行令25条の17第2項2号に規定する「当該贈与又は遺贈があった日以後2年を経過する日までの期間内に,当該法人の当該事業の用に供される見込みである」かどうかの判定は,当該財産が,当該贈与又は遺贈があった日以後2年を経過する日までの期間内に,当該財産を受けた法人の当該贈与又は遺贈に係る公益事業の用に供されることについて,例えば,建物の設計図,資金計画などその具体的計画があり,かつ,その計画の実現性があるかどうかにより行うものとする。 エ 13(2年を経過する日までの期間内に公益事業の用に供されることが困難である場合の「やむを得ない事情」)措置法施行令25条の17第2項2号かっこ書に規定する「贈与又は遺贈を受けた土地の上に建設をする当該贈与又は遺贈に係る公益を目的とする事業の用に供する建物のその建設に要する期間が通常2年を超えることその他のやむを得ない事情」がある場合とは,贈 定する「贈与又は遺贈を受けた土地の上に建設をする当該贈与又は遺贈に係る公益を目的とする事業の用に供する建物のその建設に要する期間が通常2年を超えることその他のやむを得ない事情」がある場合とは,贈与者(当該贈与者の相続人及び包括受遺者を含む。)又は遺贈者(当該遺贈者の相続人及び包括受遺者を含む。)及び贈与又は遺贈を受けた法人の責めに帰せられない次に掲げる場合など, - 31 -当該贈与又は遺贈に係る財産が,当該贈与又は遺贈があった日以後2年を経過する日までの期間内に,当該法人の公益事業の用に供されることが困難である事情が客観的に認められる場合をいうものとして取り扱う。 (ア) (1)災害により,当該財産が当該期間内に当該事業の用に供せないこと。 (イ) (2)建築基準法その他の法令による制限を受けるなどのため,施設の設置に関する計画の変更を余儀なくされ,施設の設置ができなくなったことに伴い,当該財産が,当該期間内に当該事業の用に供せないこと。 (ウ) (3)施設の設置認可に係る行政庁の指導又は施設の設置についての隣接地等の所有者等の反対などにより,施設の設置に関する計画の変更を余儀なくされ,施設の設置ができなくなったことに伴い,当該財産が,当該期間内に当該事業の用に供せないこと。 オ 22(判定の時期等)公益法人に対する財産の贈与又は遺贈が措置法施行令25条の17第2項各号に定める要件に該当するかどうかの判定は,同条1項に規定する申請書の記載等に基づき,当該贈与又は遺贈の時を基準として,その後に生じた事実関係をも勘案して行うのであるが,当該贈与又は遺贈の時には,当該各号に定める要件に該当しない場合においても,その申請につき措置法40条3項の規定による承認をしないことを決定した旨の通知をする時までに,当該法人の組 行うのであるが,当該贈与又は遺贈の時には,当該各号に定める要件に該当しない場合においても,その申請につき措置法40条3項の規定による承認をしないことを決定した旨の通知をする時までに,当該法人の組織,寄附行為等を変更すること等により当該各号に定める要件に該当することが明らかにされたときは,当該贈与又は遺贈は,当該各号に定める要件に該当するものとして取り扱うことができるものとする。 以上 - 32 -(別紙3)本件寄附行為の規定 1 3条(目的)この法人は,ものづくり技術の高度化に関する試験研究,普及等に対する助成等を行うことにより,茨城県における産業振興に寄与することを目的とする。 2 4条(事業)この法人は,前条の目的を達成するために,次の事業を行う。 (1) ものづくり技術の高度化に関する試験研究を行う者に対する助成(2) ものづくり技術の高度化に関する知識の普及活動に対する助成(3) ものづくり技術の動向に関する調査研究に対する助成(4) 前各号の事業を達成するために必要な事業 3 11条(会計年度)この法人の会計年度は,毎年4月1日に始まり,翌年3月31日に終わる。 4 19条(権能)(1) 1項理事会は,この寄付行為に別に規定するもののほか,次の事項を議決する。 ① 事業計画の決定② 事業報告の承認③ その他この法人の運営に関する重要な事項(2) 2項 (略) 5 26条(議事録)(1) 1項理事会及び評議員会の議事については,次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。 ① 理事会又は評議員会の日時及び場所 - 33 -② 理事又は評議員の定数及び現在数③ 理事会又は評議員会に出席した理事又は評議員の指名(書面表決者及び表決委任者を含む。)④ い。 ① 理事会又は評議員会の日時及び場所 - 33 -② 理事又は評議員の定数及び現在数③ 理事会又は評議員会に出席した理事又は評議員の指名(書面表決者及び表決委任者を含む。)④ 議決事項⑤ 議事の経過及び要領並びに発言者の発言要旨⑥ 議事録署名人の選任に関する事項(2) 2項議事録には,議長及び出席した理事又は評議員のうちからその理事会又は評議員会において選出された議事録署名人2人以上が署名押印しなければならない。 6 27条(選考委員会及び委員)(1) 1項この法人に,理事会の議決により,助成対象の選定について審議するため,選考委員会を置く。 (2) 2項選考委員会の委員の数は5人以上9人以内とする。 (3) 3項選考委員会の委員は,理事会の同意を得て,理事長が委嘱する。 (4) 4項選考委員会の委員は学識経験者によって構成されなければならない。 (5) 5項 (略)⑹ 6項前各号に定めるもののほか,選考委員会及びその委員に関し必要な事項については,理事会の議決を経て,理事長が定める。 以上 - 34 -(別紙4) 1 本件財団に対する助成申請書の提出状況 年度申請年月日申請者(申請機関名)助成申請額 平成20 年1 月17 日有限会社P16 代表取締役P17370,000 円 平成20 年6 月26 日P18実行委員会委員長P191,000,000 円平成20 年10 月8 日株式会社P20 代表取締役P211,554,000 円平成20 年10 月9 日P22株式会社代表取締役P23739,200 円平成20 年10 月10 日株式会社P24 代表取締役P25 2,000,000 円平 ,554,000 円平成20 年10 月9 日P22株式会社代表取締役P23739,200 円平成20 年10 月10 日株式会社P24 代表取締役P25 2,000,000 円平成20 年10 月14 日株式会社P26 代表取締役P272,000,000 円平成20 年10 月15 日株式会社P28 代表取締役P291,890,000 円 平成23 年1 月20 日株式会社P12 代表取締役P301,000,000 円 2 本件財団の選考委員会が助成を承認した助成候補者 年度選考委員会開催日助成候補者 平成20 年1 月22 日有限会社P16 平成20 年9 月16 日P18実行委員会平成20 年10 月16 日株式会社P20P22株式会社株式会社P24株式会社P26株式会社P28P4平成21 年2 月5 日特定非営利活動法人 P11 平成21 年12 月1 日特定非営利活動法人 P11 平成23 年2 月22 日株式会社P12 - 35 - 3 本件口座からの振込状況 日付振込先口座振込金額平成20 年2月20 日P31銀行P32支店の有限会社P16名義普通預金口座370,480 円平成20 年9 月22 日P31銀行P33支店のP18事務局長P34名義普通預金口座1,000,000 円平成20 年11 月25 日P31銀行P35店の株式会社P20名義普通預金口座1,554,000 円P31銀行P36支店のP22株式会社代表取締役P23名義普通預金口座739,200 円P31銀行P37支店の株式会社P24代表取締役P25名義普通預金口座2,0 1,554,000 円P31銀行P36支店のP22株式会社代表取締役P23名義普通預金口座739,200 円P31銀行P37支店の株式会社P24代表取締役P25名義普通預金口座2,000,000 円P38銀行P39支店の株式会社P26代表取締役P27名義普通預金口座2,000,000 円P31銀行P40支店の株式会社P28名義普通預金口座1,890,000 円平成20 年12 月4 日P6銀行P8支店のP4名義当座預金口座10,000,000 円平成21 年2 月10 日P6銀行P32支店の特定非営利活動法人P11P41名義普通預金口座100,000 円平成21 年12 月10 日P6銀行P32支店の特定非営利活動法人P11P41名義普通預金口座60,000 円 4 本件財団における本件寄附株式に係る配当金の収入状況及び助成金としての支出状況 年度配当金の収入金額(支払日)助成金としての支出金額等 25,000,000 円(平成20 年7 月1 日)19,309,200 円(うち助成金としての金額19,283,200 円) 2,500,000 円(平成21 年7 月1 日)60,525 円(うち助成金としての金額60,000 円) 7,500,000 円(平成22 年7 月1 日)30,000 円(うち助成金としての金額0 円) 以上
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