平成24(行ケ)10455 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成25年10月30日 知的財産高等裁判所 1部 判決 請求棄却
ファイル
hanrei-pdf-83713.txt

キーワード

判決文本文38,134 文字)

平成25年10月30日判決言渡平成24年(行ケ)第10455号審決取消請求事件口頭弁論終結日平成25年8月26日判決原告株式会社DAPリアライズ被告特許庁長官指定代理人石井研一同山中実同田部元史同堀内仁子 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求特許庁が訂正2012-390058号事件について平成24年12月11日にした審決を取り消す。 第2 前提となる事実 1 特許庁における手続の経緯原告は,発明の名称を「携帯情報通信装置,携帯情報通信装置を使用したパーソナルコンピュータシステム及び携帯情報通信装置用外部入出力ユニット」とする特許第3872502号に係る特許(国内優先権主張平成16年12月24日,平成17年7月28日。以下「本件特許」という。)の特許権者である。本件特許は,同年12月21日(以下「原出願日」という。)にされた出願(特願2005-367373)について,平成18年2月27日に分割出願されたものであり,同年10月27日に設定登録された。(甲17) 平成23年2月28日,本件特許の請求項5記載の発明に係る特許について,無効審判(以下「前審判」という。 月27日に分割出願されたものであり,同年10月27日に設定登録された。(甲17) 平成23年2月28日,本件特許の請求項5記載の発明に係る特許について,無効審判(以下「前審判」という。)が請求され,同審判手続において,原告は本件特許の請求項3ないし5の特許請求の範囲の訂正を含む訂正請求を行い(以下「前訂正」という。),特許庁は,同年9月29日,前訂正を認めた上,請求項5記載の発明に係る特許を無効にするとの審決(以下「前審決」という。)をした(甲18)。前審決について,原告は,当庁に,審決取消訴訟を提起したが,平成24年4月11日,請求棄却の判決が出され,前審決は確定した(甲22)。 原告は,同年5月1日,本件特許に係る特許請求の範囲の訂正を求める訂正審判(以下「本件審判」という。)を請求し(甲14),同年7月19日,本件審判請求の手続補正を行い(以下,同手続補正後の本件審判請求による訂正を「本件訂正」という。),特許庁は,同年12月11日,請求不成立の審決(以下「本件審決」又は「審決」という。)をし,同審決の謄本は同月21日,原告に送達された。 2 本件訂正の内容本件訂正における訂正事項1ないし17は,いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり,本件訂正後の請求項3,6ないし8及び24ないし32に係る訂正である。 3 特許請求の範囲本件訂正後の,本件特許に係る特許請求の範囲の請求項3,6ないし8及び24ないし32は,次のとおりである(以下,本件訂正後の請求項3に係る発明を「訂正発明」といい,請求項6ないし8及び24ないし32に係る発明を,請求項の番号に従って「訂正発明6」などという。)(甲14,16)。 「【請求項3】ユーザーがマニュアル操作によって入力したデータを後記データ処理手段に送信する入力手 び24ないし32に係る発明を,請求項の番号に従って「訂正発明6」などという。)(甲14,16)。 「【請求項3】ユーザーがマニュアル操作によって入力したデータを後記データ処理手段に送信する入力手段と,無線信号を受信してデジタル信号に変換の上,後記データ処理手段に送信するとともに,後記データ処理手段から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と, 後記データ処理手段を動作させるプログラムと後記データ処理手段で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と,前記入力手段から送信されたデータ及び前記記憶手段に格納されたプログラムに基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル信号及び/又は前記記憶手段から読み出したデータに必要な処理を行って,デジタル表示信号及びその他のデジタル信号を生成して送信するデータ処理手段と,画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルAと,前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルAの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Aとから構成されるディスプレイ手段と,外部ディスプレイ手段を含む周辺装置,又は,外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続し,該周辺装置に対して,前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき,TMDS方式で伝送されるデジタル外部表示信号を送信するインターフェース手段A1と,を備えるとともに,前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って,該インターフェース手段A1から,高解像度デジタル外部表示信号を送信する機能を実現する携帯情報通信装置であって,前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って,ユーザーエージェント情報を含みインターネットプロトコル 1から,高解像度デジタル外部表示信号を送信する機能を実現する携帯情報通信装置であって,前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って,ユーザーエージェント情報を含みインターネットプロトコルに準拠した無線信号を送信する機能と,インターネットプロトコルに準拠した無線信号を受信することにより,インターネットに接続したウェブサーバから画像データファイルを取得する機能と,を実現するとともに,前記データ処理手段は,前記画像データファイルの本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合でも,前記画像データファイルを前記記憶手 段に一旦格納し,その後読み出した上で処理することによって,前記画像データファイルの本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成する機能を有することを特徴とする携帯情報通信装置。 【請求項6】前記画像データファイルの本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合に,前記データ処理手段と前記ディスプレイ制御手段Aとが相俟って,前記ディスプレイパネルAに,本来画像の対象全体をカバーする全体画像ではあるが,解像度は前記ディスプレイパネルAの画面解像度を上回らない画像を表示する機能を実現するとともに,前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って,該インターフェース手段A1から,周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段がそれを受信して適正に処理することにより,本来画像を表示することが可能であるような外部表示信号を送信する機能を実現することを特徴とする,請求項3に記載の携帯情報通信装置。 【請求項7】前記画像データファイル又は前記デジタル動画信号の本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合に,前記データ処理手段と前記ディスプレイ制御手段 携帯情報通信装置。 【請求項7】前記画像データファイル又は前記デジタル動画信号の本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合に,前記データ処理手段と前記ディスプレイ制御手段Aとが相俟って,前記ディスプレイパネルAに,本来画像から前記ディスプレイパネルAの画面解像度に相当する部分を切り出した部分画像を表示する機能を実現するとともに,前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って,該インターフェース手段A1から,周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段がそれを受信して適切に処理することにより,本来画像を表示することが可能であるような外部表示信号を送信する機能を実現することを特徴とする,請求項3又は4に記載の携帯情報通信装置。 【請求項8】前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って,該インターフェース手段A1から,周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手 段がそれを受信して適切に処理することにより,本来画像に画素を補間することによって高解像度とした画像を表示することが可能であるような外部表示信号を送信する機能を実現することを特徴とする,請求項3又は4に記載の携帯情報通信装置。 【請求項24】前記デジタル動画信号の本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合に,前記データ処理手段と前記ディスプレイ制御手段Aとが相俟って,前記ディスプレイパネルAに,本来画像の対象全体をカバーする全体画像ではあるが,解像度は前記ディスプレイパネルAの画面解像度を上回らない画像を表示する機能を実現するとともに,前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って,該インターフェース手段A1から,周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段がそれを受信して適正に 示する機能を実現するとともに,前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って,該インターフェース手段A1から,周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段がそれを受信して適正に処理することにより,本来画像を表示することが可能であるような外部表示信号を送信する機能を実現することを特徴とする,請求項4に記載の携帯情報通信装置。 【請求項25】外部入力手段を含む周辺装置,又は,外部入力手段が接続される周辺装置を接続し,該周辺装置における外部入力手段で入力されたデータ(以下,外部入力データと略記する)を受信し,必要であれば変換を行った上で,前記データ処理手段に送信するインターフェース手段A2を備え,前記データ処理手段は,該インターフェース手段A2から受信したデータを処理する機能を有することを特徴とする,請求項1乃至4のいずれか一項,請求項6乃至8のいずれか一項,又は,請求項24に記載の携帯情報通信装置。 【請求項26】外部記憶手段を含む周辺装置,又は,外部記憶手段が接続される周辺装置を接続し,該周辺装置における外部記憶手段との間でデータを授受するインターフェース手段A3を備え,前記データ処理手段は,該外部記憶装置にアクセスしてデータを書き込む機能及び/又はデータを読み出す機能を有することを特徴とする,請求項1乃至4のいずれか一項,請求項6乃至8のいずれか一項,請求項 24,又は,請求項25に記載の携帯情報通信装置。 【請求項27】内蔵充電池と該内蔵充電池に充電するための充電用端子Aとを備えたことを特徴とする,請求項1乃至4のいずれか一項,請求項6乃至8のいずれか一項,又は,請求項24乃至26のいずれか一項に記載の携帯情報通信装置。 【請求項28】請求項1乃至4のいずれか一項,請求項6乃至8のいずれか一項,又は,請 のいずれか一項,請求項6乃至8のいずれか一項,又は,請求項24乃至26のいずれか一項に記載の携帯情報通信装置。 【請求項28】請求項1乃至4のいずれか一項,請求項6乃至8のいずれか一項,又は,請求項24乃至27のいずれか一項に記載の携帯情報通信装置と,該携帯情報通信装置のインターフェース手段A1と接続され,該インターフェース手段A1から外部表示信号を受信するインターフェース手段B1と,外部ディスプレイ装置とのインターフェース手段C1と,を備えた接続ユニットと,から構成されることを特徴とするパーソナルコンピュータシステム。 【請求項29】請求項25又は26に記載の携帯情報通信装置と,該携帯情報通信装置のインターフェース手段A1と接続され,該インターフェース手段A1から外部表示信号を受信するインターフェース手段B1と,該携帯情報通信装置のインターフェース手段A2と接続され,該インターフェース手段A2に外部入力データを送信するインターフェース手段B2と,外部ディスプレイ装置とのインターフェース手段C1と,外部入力装置とのインターフェース手段C2と,を備えた接続ユニットと,から構成されることを特徴とするパーソナルコンピュータシステム。 【請求項30】請求項26に記載の携帯情報通信装置と,後記インターフェース手段B3経由でデータの書き込み及び/又は読み出しが行われる外部記憶手段Bと,該携帯情報通信装置のインターフェース手段A1と接続され,該インターフェース手段A1から外部表示信号を受信するインターフェース手段B1と,該携帯情報通信装置のインターフェース手段A2と接続され,該インターフェース 手段A2に外部入力データを送信するインターフェース手段B2と,該携帯情報通信装置のインターフェース手段A3と接続 該携帯情報通信装置のインターフェース手段A2と接続され,該インターフェース 手段A2に外部入力データを送信するインターフェース手段B2と,該携帯情報通信装置のインターフェース手段A3と接続され,前記外部記憶手段Bとの間でデータを授受するインターフェース手段B3と,外部ディスプレイ装置とのインターフェース手段C1と,外部入力装置とのインターフェース手段C2と,を備えた接続ユニットと,から構成されることを特徴とするパーソナルコンピュータシステム。 【請求項31】請求項27に記載の携帯情報通信装置と,該携帯情報通信装置のインターフェース手段A1と接続され,該インターフェース手段A1から外部表示信号を受信するインターフェース手段B1と,外部ディスプレイ装置とのインターフェース手段C1と,直流電力供給手段と,前記充電用端子Aと接続され,前記直流電力供給手段からの直流電力を前記携帯情報通信装置に備えられた内蔵充電池に供給する充電用端子Bと,を備えた接続ユニットと,から構成されることを特徴とするパーソナルコンピュータシステム。 【請求項32】前記接続ユニットは,インターフェース手段B1経由で外部表示信号を受信し,インターフェース手段C1に接続された外部ディスプレイ装置の画面解像度及び/又は走査方式に適合した表示信号に変換するスキャンコンバート手段を備えたことを特徴とする,請求項28乃至31のいずれか一項に記載のパーソナルコンピュータシステム。」また,上記各請求項において引用されている請求項4の内容は,以下のとおりである(請求項4は,本件訂正における訂正の対象とされていない。以下,同請求項に係る発明を「本件発明4」という。)(甲17)。 「【請求項4】ユーザーがマニュアル操作によって入力したデータを後記データ ある(請求項4は,本件訂正における訂正の対象とされていない。以下,同請求項に係る発明を「本件発明4」という。)(甲17)。 「【請求項4】ユーザーがマニュアル操作によって入力したデータを後記データ処理手段に送信する入力手段と, 無線信号を受信してデジタル信号に変換の上,後記データ処理手段に送信するとともに,後記データ処理手段から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と,後記データ処理手段を動作させるプログラムと後記データ処理手段で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と,前記入力手段から送信されたデータ及び前記記憶手段に格納されたプログラムに基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル信号及び/又は前記記憶手段から読み出したデータに必要な処理を行って,デジタル表示信号及びその他のデジタル信号を生成して送信するデータ処理手段と,画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルAと,前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルAの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Aとから構成されるディスプレイ手段と,外部ディスプレイ手段を含む周辺装置,又は,外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続し,該周辺装置に対して,前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき,外部表示信号を送信するインターフェース手段A1と,を備えるとともに,前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って,該インターフェース手段A1から,高解像度外部表示信号を送信する機能を実現する携帯情報通信装置であって,前記無線通信手段は,アナログテレビ放送信号,デジタルテレビ放送信号,携帯テレビ電話信号,インターネットプロトコルに準拠した 高解像度外部表示信号を送信する機能を実現する携帯情報通信装置であって,前記無線通信手段は,アナログテレビ放送信号,デジタルテレビ放送信号,携帯テレビ電話信号,インターネットプロトコルに準拠した無線ストリーミング信号のうちの少なくとも1つの無線信号(以下,無線動画信号と略記する)を受信し,デジタル動画信号に変換の上,前記データ処理手段に転送する機能を有し,前記データ処理手段は,前記デジタル動画信号の本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合でも,前記デジタル動画信号をリアルタイムで 処理することによって,及び/又は,前記デジタル動画信号を自らが処理可能な画像データファイルとして前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理することによって,前記デジタル動画信号の本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成する機能を有することを特徴とする携帯情報通信装置。」 4 本件審決の理由(1) 本件審決の理由は,別紙審決書写しに記載のとおりであり,その概要は以下のとおりである。 本件訂正は,いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり,特許法126条1項ただし書1号に適合し,同条5項及び6項に適合する。 訂正発明は,特開2004-214766号公報(甲1。以下「引用例1」という。)に記載された発明(以下「引用発明1」という。)及び特開2004-128587号公報(甲2。以下「引用例2」という。)に記載された発明(以下「引用発明2」という。)並びに周知技術1及び2に基づいて,当業者が容易に発明することができたものであり,特許出願の際独立して特許を受けることができない。 訂正事項2ないし17に係る本件訂正後の請求項6ないし8及び24ないし32に係る発明も,引用発明1及び2,周知技術並びに技術常識に基 たものであり,特許出願の際独立して特許を受けることができない。 訂正事項2ないし17に係る本件訂正後の請求項6ないし8及び24ないし32に係る発明も,引用発明1及び2,周知技術並びに技術常識に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許出願の際独立して特許を受けることができない。 (2) 本件審決が認定した引用発明1,2及び周知技術1,2の内容,訂正発明と引用発明1との一致点及び相違点は,以下のとおりである。 ア引用発明1の内容「ダイヤルキーやブラウザ操作キー等を備えた入力デバイスである操作部14と,CCDカメラやCMOSカメラから成る画像撮影手段である撮像部15と,送信回路と受信回路を有して成り,アンテナを介して電波を送受信することで,基地局との双方向通信を行う送受信部11と,ROMやRAMから成る情報格納手段である記憶部16と, CPU等から成り,装置全体の動作を制御する制御部10と,液晶ディスプレイ等から成る情報表示手段である表示部12と,入力された情報(静止画や動画,文字など)を外部表示装置2で読取可能な画像信号形式(例えば,ビデオ信号形式)に変換して出力するインターフェイス部である画像出力部17と,を備えるとともに制御部10は,送受信部11を介して指定サーバから所望のWebコンテンツ情報を取得して画像出力部17に送出し,該情報を外部出力するように要求し,該要求を受けた画像出力部17は,制御部10からの入力情報に所定の信号処理を施して外部表示装置2に出力することによって,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,表示部12のサイズや解像度に依存することなく正常に表示することが可能となる携帯電話機1」イ引用発明2の内容「撮像素子によって被写 話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,表示部12のサイズや解像度に依存することなく正常に表示することが可能となる携帯電話機1」イ引用発明2の内容「撮像素子によって被写体を撮影する撮像手段を有するデジタルカメラであって,前記撮像素子から得られる画像を表示する表示手段と,前記撮像素子から得られる画像を記録する記録手段と,前記表示手段よりも高解像度の外部表示装置を接続可能な接続手段と,前記撮像素子から得られる画像データに対して所定の解像度変換を行う解像度変換部と,を備え,前記解像度変換部は,前記撮像手段の生成する画像データの本来解像度が前記表示手段の画面解像度より大きい場合に,前記接続手段に対して前記外部表示装置が接続された場合,前記外部表示装置の表示解像度に適合させて表示用画像データを生成するように構成されるデジタルカメラ」ウ周知技術1の内容「外部ディスプレイ装置に送信される外部表示信号をTMDS方式で伝送される デジタル外部表示信号とすること」エ周知技術2の内容「インターネットプロトコルに準拠した信号がユーザーエージェント情報を含むこと」オ訂正発明と引用発明1の一致点「ユーザーがマニュアル操作によって入力したデータを後記データ処理手段に送信する入力手段と,無線信号を受信してデジタル信号に変換の上,後記データ処理手段に送信するとともに,後記データ処理手段から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と,後記データ処理手段を動作させるプログラムと後記データ処理手段で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と,前記入力手段から送信されたデータ及び前記記憶手段に格納されたプログラムに基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル信号及び 後記データ処理手段で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と,前記入力手段から送信されたデータ及び前記記憶手段に格納されたプログラムに基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル信号及び/又は前記記憶手段から読み出したデータに必要な処理を行って,デジタル表示信号及びその他のデジタル信号を生成して送信するデータ処理手段と,画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルAと,前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルAの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Aとから構成されるディスプレイ手段と,外部ディスプレイ手段を含む周辺装置,又は,外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続し,該周辺装置に対して,前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき,外部表示信号を送信するインターフェース手段A1と,を備えるとともに,前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って,該インターフェース手段A1から,外部表示信号を送信する機能を実現する携帯情報通信装置で あって,前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って,インターネットプロトコルに準拠した無線信号を送信する機能と,インターネットプロトコルに準拠した無線信号を受信することにより,インターネットに接続したウェブサーバから画像データファイルを取得する機能と,を実現する携帯情報通信装置。」カ訂正発明と引用発明1の相違点(ア) 相違点1「インターフェース手段」から送信される「外部表示信号」に関し,訂正発明では「TMDS方式で伝送されるデジタル外部表示信号」,「高解像度デジタル外部表示信号」であるのに対し,引用発明1では「外部表示装置2で読取可能な画像 送信される「外部表示信号」に関し,訂正発明では「TMDS方式で伝送されるデジタル外部表示信号」,「高解像度デジタル外部表示信号」であるのに対し,引用発明1では「外部表示装置2で読取可能な画像信号形式(例えば,ビデオ信号形式)」の信号である点。 (イ) 相違点2送信される「インターネットプロトコルに準拠した無線信号」に関し,訂正発明では「ユーザーエージェント情報を含みインターネットプロトコルに準拠した無線信号」であるのに対し,引用発明1では,単に「指定サーバから所望のWebコンテンツ情報を取得」するための要求信号である点。 (ウ) 相違点3訂正発明は,「前記データ処理手段は,前記画像データファイルの本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合でも,前記画像データファイルを前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理することによって,前記画像データファイルの本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成する機能」を有するのに対し,引用発明1は,そのような構成要件はない点。 第3 取消事由に関する当事者の主張 1 原告の主張本件審決は,相違点1の容易想到性の判断の誤り(取消事由1),相違点3の容易想到性の判断の誤り(取消事由2),訂正発明6の容易想到性の判断の誤り(取消事由3),訂正発明24の容易想到性の判断の誤り(取消事由4),訂正発明7及び8の容易想到性の判断の誤り(取消事由5),訂正発明25ないし32の容易想到性の判断の誤り(取消事由6),前審決と矛盾した審決を行ったことの誤り(取消事由7)があり,本件審決の結論に影響を及ぼすから,違法であるとして取り消されるべきである。 (1) 相違点1の容易想到性の判断の誤り(取消事由1)相違点1は,二つの相違点からなる。 ① 相違 事由7)があり,本件審決の結論に影響を及ぼすから,違法であるとして取り消されるべきである。 (1) 相違点1の容易想到性の判断の誤り(取消事由1)相違点1は,二つの相違点からなる。 ① 相違点1-1訂正発明では,インターフェース手段から「TMDS方式で伝送されるデジタル外部表示信号」が送信されるのに対して,引用発明1では,「TMDS方式で伝送されるデジタル」外部表示信号を出力することについて記載がない点。 ② 相違点1-2訂正発明では,インターフェース手段から「高解像度外部表示信号」が送信されるのに対して,引用発明1では,「高解像度」外部表示信号を出力することについて記載がない点。 本件審決は,「一般に『外部ディスプレイ装置』の方が,携帯機器本体の有するディスプレイ手段よりも『高解像度』であるのも普通のことである」との一般的事実から,相違点1-2が容易想到であると判断する。しかし,相違点1-2が容易想到であるとした本件審決の判断には,誤りがある。すなわち,ア本件特許の優先日当時,「一般に『外部ディスプレイ装置』の画面解像度の方が,携帯機器本体の有するディスプレイ手段の画面解像度よりも大きいのは普通のこと」であったことについての立証はない。 イ仮に,本件特許の優先日当時,「一般に『外部ディスプレイ装置』の方が,携帯機器本体の有するディスプレイ手段よりも『高解像度』であるのも普通のことである」としても,以下のとおり,その一般的事実から相違点1-2が容易想到であるということはできない。 (ア) 本件訂正後の本件特許に係る明細書(以下「本件明細書」という。)及び特許請求の範囲では,以下のとおり,3種類の「解像度」が明確に区別されており,当業者は,この3種類の「解像度」が異なった対象の属性であることを,理解でき に係る明細書(以下「本件明細書」という。)及び特許請求の範囲では,以下のとおり,3種類の「解像度」が明確に区別されており,当業者は,この3種類の「解像度」が異なった対象の属性であることを,理解できる。 ① 本来解像度(本来の解像度)画像データファイル,動画信号,表示信号,外部表示信号の属性② 画面解像度ディスプレイパネル,外部ディスプレイ手段の属性③ 表示画像の解像度ディスプレイパネルに現実に表示される画像,外部ディスプレイ手段に現実に表示される画像の属性「本来解像度」は,本件明細書の段落【0032】に定義されているように,表示信号,画像データファイル又は動画信号を,高解像度ディスプレイ手段又はデータ処理手段及び高解像度ディスプレイ手段が適切に処理することにより表示される本来の解像度を意味する。また,本件明細書の段落【0079】【0080】【0093】の記載から,「本来解像度」は「画像データファイル又は信号」の属性であって,XGA(1024×768)やQVGA(240×320)のような2次元値で定義されうることが理解される。 また,「(ディスプレイ手段の)画面解像度」と「(ディスプレイ手段に現実に表示される)画像の解像度」とは,ディスプレイ手段が情報機器本体に備わっている場合には通常一致するが,情報機器本体に接続する外部ディスプレイ手段である場合には,必ずしも一致しないことは,当業者にとっては技術常識である。 本件審決のいう一般的事実は,ディスプレイ手段の属性である「画面解像度」に係る事実である。これに対し,「高解像度」外部表示信号とは,本件明細書の段落【0032】に定義されているように,「本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい外部表示信号」を意味し,上記のとおり「本来解像度」は ,「高解像度」外部表示信号とは,本件明細書の段落【0032】に定義されているように,「本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい外部表示信号」を意味し,上記のとおり「本来解像度」は外部表示信号の属性であるから,相違点1-2は,(インターフェース手段から外部表示手段に送信される)外部表示信号の属性に係る相違点である。このように,本件審決のいう一般的事実と相違点1-2とでは「高解像度」の意味が異なる。 (イ) また,本件特許の優先日当時,「外部ディスプレイ装置の画面解像度」が「携帯情報通信装置が備えているディスプレイ手段の画面解像度」よりも大きいとしても,「外部ディスプレイ装置に表示される画像の解像度」が「携帯情報通信装置が備えているディスプレイ手段に表示される画像の解像度」と同じであることは,普通のことであった。なお,本件特許の優先日当時,当業者が「画像を外部ディスプレイに表示する携帯電話機」を設計する場合,本体ディスプレイに加えて外部ディスプレイにも画像を「付加的に」表示するとして設計するのが自然であり,そのような場合,当業者は,外部ディスプレイ装置の表示能力を最大限発揮させる設計は採用しない。そのような設計を行うことは,訂正発明の属する技術分野における本件特許の優先日当時の技術常識ではない。 (ウ) 以上のとおり,上記の一般的事実から相違点1-2が容易想到であるということはできない。 (2) 相違点3の容易想到性の判断の誤り(取消事由2)相違点3が容易想到であるとした本件審決の判断には,以下のとおり,誤りがある。 ア引用例2の記載によると,引用発明2の解像度変換部が解像度変換を行う対象は,CCD撮像素子20から出力されるような「画素毎にRGBの色成分に光電変換された画像信号」(以下「RGB画像信号」という ア引用例2の記載によると,引用発明2の解像度変換部が解像度変換を行う対象は,CCD撮像素子20から出力されるような「画素毎にRGBの色成分に光電変換された画像信号」(以下「RGB画像信号」という。),又は,色補正部25から出力されるような「画素毎にRGB色空間で表現されたカラー情報をYCrC b色空間で表現されたカラー情報に変換した画像信号」(以下「YCrCb画像信号」という。)である。一方,引用例1の記載によると,引用発明1の制御部10がいかなるタイプの画像信号を処理するかは不明であり,引用例1には,制御部10が「RGB画像信号」や「YCrCb画像信号」を処理することを示唆する記載はない。 したがって,当業者は,引用例1と引用例2の双方に接したとしても,「RGB画像信号」や「YCrCb画像信号」に係る「引用発明2の解像度変換部が有する解像度変換機能」が,「引用発明1の制御部10が元々有する画像信号処理機能」に統合可能であるとは認識しない。 また,仮に,これが統合可能であると認識したとしても,「引用発明1の制御部10が元々有する画像信号処理機能」については,「Webコンテンツ情報」の「取得」「送出」「外部出力の要求」の3つしか特定されていないのであるから,当業者が,引用例1の記載に基づいて,「引用発明1の制御部10が元々有する画像信号処理機能」に対して「引用発明2の解像度変換部が有する解像度変換機能」を統合した具体的な実施形態に想到することは不可能である。 このように,当業者が,引用発明1の制御部10に引用発明2の解像度変換機能を統合することは,容易ではない。 イ引用例1に接した当業者は,引用発明1の制御部10が取得する「Webコンテンツ情報に含まれる画像データファイル」については,「RGB画像信号」や「YCrCb画 を統合することは,容易ではない。 イ引用例1に接した当業者は,引用発明1の制御部10が取得する「Webコンテンツ情報に含まれる画像データファイル」については,「RGB画像信号」や「YCrCb画像信号」のような「非圧縮画像信号」ではなく,本件特許の優先日当時から一般的であったJPEG(静止画)やMPEG(動画)の方式で圧縮変換されたファイルであると理解する。信号のタイプが異なれば,適用される処理が異なるから,当業者が,「RGB画像信号」や「YCrCb画像信号」のような「非圧縮画像信号」に係る「引用発明2の解像度変換部が有する解像度変換機能」を,「圧縮画像信号」に係る「引用発明1の制御部10が元々有する画像信号処理機能」と統合することは,容易でない。 ウ引用例1にも引用例2にも,引用発明1の制御部10又は引用発明2の解像度変換部が,「相違点3」に係る「画像データファイルを記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理することによってデジタル表示信号を生成する」との構成を備えているとの記載も示唆もない。 「ウェブサーバから取得した画像データファイルを記憶手段に格納後,読み出し処理する方法」が周知技術(以下「周知技術3」という。)であったとしても,引用発明1の制御部10に引用発明2の解像度変換機能を統合した場合に,制御部10が解像度変換の処理を行う対象は,本件特許の優先日当時の技術常識から「非圧縮画像信号」であると解されるが,引用発明1の制御部10に周知技術3を統合した場合には,制御部10は記憶手段から読み出した画像データファイルに解像度変換処理をすることが必要となる。このように,両者の処理対象は異なるから,当業者が,「引用発明1の制御部10に対し引用発明2の解像度変換機能を統合すること」により,「引用発明1の制御部10に対 像度変換処理をすることが必要となる。このように,両者の処理対象は異なるから,当業者が,「引用発明1の制御部10に対し引用発明2の解像度変換機能を統合すること」により,「引用発明1の制御部10に対し周知技術3を統合すること」に想到することは容易でない。 (3) 訂正発明6の容易想到性の判断の誤り(取消事由3)訂正発明は容易想到ではなく,本件訂正後の請求項3のみを引用する訂正後の請求項6に係る発明(訂正発明6)も容易想到ではない。 (4) 訂正発明24の容易想到性の判断の誤り(取消事由4)本件訂正後の請求項24は,本件訂正の対象ではない請求項4のみを引用する。 本件発明4と引用発明1との間には,次の相違点が存在する。 ① 相違点1’-2本件発明4では,インターフェース手段から「高解像度デジタル外部表示信号」が送信されるのに対して,引用発明1では,「高解像度」デジタル外部表示信号を出力することについて記載がない点。 ② 相違点3’本件発明4は,「前記データ処理手段は,前記デジタル動画信号の本来解像度が 前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合でも,前記デジタル動画信号をリアルタイムで処理することによって,及び/又は,前記デジタル動画信号を自らが処理可能な画像データファイルとして前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理することによって,前記デジタル動画信号の本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成する機能」を有するのに対し,引用発明1は,そのような構成要件はない点。 相違点1’-2は相違点1-2と同じであり,容易想到ではない。 引用発明1では,「前記デジタル動画信号の本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成する機能」は特定されておらず,前記のとおり,「引用発明1の制御部10に対し引用発 じであり,容易想到ではない。 引用発明1では,「前記デジタル動画信号の本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成する機能」は特定されておらず,前記のとおり,「引用発明1の制御部10に対し引用発明2の解像度変換機能を統合すること」は容易ではない。 したがって,本件発明4は容易想到ではなく,訂正発明24も容易想到ではないから,これを容易であるとした審決の判断には誤りがある。 (5) 訂正発明7及び8の容易想到性の判断の誤り(取消事由5)上記のとおり,訂正発明は容易想到ではなく,また本件発明4も容易想到ではないから,本件訂正後の請求項3及び本件訂正の対象でない請求項4を引用する本件訂正後の請求項7及び8に係る発明(訂正発明7及び8)も容易想到ではない。 (6) 訂正発明25ないし32の容易想到性の判断の誤り(取消事由6)本件訂正後の請求項25ないし32は,本件訂正後の請求項3と本件訂正の対象でない請求項4に加えて,本件訂正の対象でない請求項1,2も引用する。上記請求項1及び2につき,容易想到性の判断はない。また,上記のとおり,訂正発明は容易想到ではなく,また本件発明4も容易想到ではないから,訂正発明25ないし32も容易想到ではない。 (7) 前審決と矛盾した審決を行ったことの誤り(取消事由7)前審決では,前訂正による訂正後の請求項3記載の発明は,独立特許要件に適合すると判断しており,原告は,特段の事情のない限り,特許庁が,上記請求項3記載の発明に係る特許について,無効の判断をすることはないと期待していた。とこ ろが,本件訂正は前訂正後の請求項3の特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるところ,本件審決は,本件訂正後の請求項3記載の発明(訂正発明)は容易想到であると判断したのであり,この判断は,前訂正後の請求項3記 正は前訂正後の請求項3の特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるところ,本件審決は,本件訂正後の請求項3記載の発明(訂正発明)は容易想到であると判断したのであり,この判断は,前訂正後の請求項3記載の発明も容易想到であることを意味する。したがって,本件審決は前審決と矛盾するものであり,このような判断をすることについて,やむを得ない特段の事情は存在しない。 前訂正においても,引用例1は考慮されるべき刊行物であり,前訂正における訂正後の請求項3記載の発明の容易想到性を判断するにおいて引用例1が考慮されていなかったのであれば,前審判では十分な審理がなされていなかったといわざるを得ない。 特許法の目的を達するためには,特許の安定性が維持されなければならず,このように前審決と矛盾する審決を行うことは,特許の安定性を毀損するものであり,しかも,不十分な審理の結果矛盾する審決を行うことになったのであるから,本件審決は取り消されるべきである。 2 被告の反論(1) 相違点1の容易想到性の判断の誤り(取消事由1)に対してア原告は,相違点1を相違点1-1と相違点1-2に分けて主張するが,同主張を前提とした場合,相違点1-2は以下のとおりとすべきである。 「相違点1-2訂正発明では,インターフェース手段から「高解像度デジタル外部表示信号」が送信されるのに対して,引用発明1では,「高解像度」デジタル外部表示信号を出力することについて記載がない点。」イ原告が主張する3種類の解像度のうち,訂正発明の特許請求の範囲には,「本来解像度」「画面解像度」の記載はあるが,「画像の解像度」の記載はない。 本件明細書には,「表示画像の解像度」「本来画像の解像度」などの表記もあり,語句の表記は統一されておらず,当業者が他の2種類と混同する余地がある。ま 度」の記載はあるが,「画像の解像度」の記載はない。 本件明細書には,「表示画像の解像度」「本来画像の解像度」などの表記もあり,語句の表記は統一されておらず,当業者が他の2種類と混同する余地がある。また,「本来解像度」と「画像の解像度」に含まれる「ディスプレイ(外部ディスプレイ 手段)に表示される画像」の解像度との差異も明確ではない。 原告は,「外部ディスプレイ装置に表示される画像の解像度」が「携帯情報通信装置が備えているディスプレイ手段に表示される画像の解像度」と同じであることは,普通のことであったと主張するが,引用発明2のように,2つの解像度が同じでない公知例もある。 ウ 「一般に『外部ディスプレイ装置』の画面解像度の方が,携帯機器本体の有するディスプレイ手段の画面解像度よりも大きい」ことは,例えば引用例2や甲8にも示されていることから,同証拠により認められる。そして,この事実から,外部ディスプレイ装置を接続する場合に,その能力を発揮させようとするのは当然の要求であるから,外部表示信号を「高解像度」のデジタル表示信号として外部出力するのは容易であるとした本件審決の判断に誤りはない。 (2) 相違点3の容易想到性の判断の誤り(取消事由2)に対して引用発明1において「制御部10」から「インターフェイス部である画像出力部17」を介して「外部表示装置2」に出力されるのは,「指定サーバ」から取得した(画像データファイルを含む)「Webコンテンツ情報」であり,引用発明2における,「解像度変換部」から「接続手段」を介して「外部表示手段」へ「表示用画像データ」を出力する表示用画像データの解像度変換機能を,引用発明1の「Webコンテンツ情報」の「信号処理」に適用し,相違点3の構成に想到することは容易である。 原告は,「撮像電子信号」 示用画像データ」を出力する表示用画像データの解像度変換機能を,引用発明1の「Webコンテンツ情報」の「信号処理」に適用し,相違点3の構成に想到することは容易である。 原告は,「撮像電子信号」と「ウェブ画像ファイル」とは処理対象が異なると主張する。しかし,RGB画像信号もJPEG方式の画像ファイルも,広く知られた画像データの形式であり,いずれの画像データの形式であっても,表示装置に表示するには,表示用画像メモリに所定の解像度で格納される表示用画像データとして変換処理されるのであるから,引用例2の解像度変換部の処理機能は,「ウェブ画像ファイル」に,容易に適用し得る。 以上のとおり,引用発明1に引用発明2を適用して,相違点3が容易想到である とした本件審決の判断に誤りはない。 (3) 訂正発明6の容易想到性の判断の誤り(取消事由3)に対して本件訂正後の請求項6は本件訂正後の請求項3のみを引用するが,前記のとおり訂正発明は容易想到であり,訂正発明6で付加されている構成は周知の慣用手段等であるから,訂正発明6も容易想到である。 (4) 訂正発明24の容易想到性の判断の誤り(取消事由4)に対して原告主張の相違点1’-2は,前記(1)のとおり容易想到である。 原告主張の相違点3’については,引用発明1は「動画」も例示するものであり,引用例1には「ストリーミング」などの記載があることに照らすならば,引用発明1を動画対応とすることは容易であるといえる。 また,訂正発明24で付加されている「前記データ処理手段と前記ディスプレイ制御手段Aとが相俟って,前記ディスプレイパネルAに,本来画像の対象全体をカバーする全体画像ではあるが,解像度は前記ディスプレイパネルAの画面解像度を上回らない画像を表示する機能」は,周知の慣用手段等である。 が相俟って,前記ディスプレイパネルAに,本来画像の対象全体をカバーする全体画像ではあるが,解像度は前記ディスプレイパネルAの画面解像度を上回らない画像を表示する機能」は,周知の慣用手段等である。 したがって,訂正発明24は容易想到である。 (5) 訂正発明7及び8の容易想到性の判断の誤り(取消事由5)に対して本件訂正後の請求項7と8は本件訂正後の請求項3を引用するが,前記のとおり訂正発明は容易想到であり,訂正発明7,8で付加されている構成は周知の慣用手段等であるから,訂正発明7,8も容易想到である。 (6) 訂正発明25ないし32の容易想到性の判断の誤り(取消事由6)に対して本件訂正後の請求項25ないし32は,本件訂正後の請求項3を引用するものであり,前記のとおり,訂正発明は容易想到である。また,訂正発明25ないし32で付加されている構成は周知技術等であり,訂正発明25ないし32も容易想到である。 (7) 前審決と矛盾した審決を行ったことの誤り(取消事由7)に対して 前審判事件における主引用例は本件審判事件における主引用例である引用例1とは異なる。前審決と本件審決の判断が異なったとしても,引用例が異なる以上,矛盾しているとはいえない。 第4 当裁判所の判断当裁判所は,訂正発明は容易想到であり,特許出願の際独立して特許を受けることができないから,本件訂正後の請求項3に係る本件訂正は許されないものと判断する。その理由は,以下のとおりである。 1 認定事実---本件明細書,引用例1及び引用例2の各記載(1) 本件明細書の記載本件明細書には,以下の記載がある(甲15)。 「【技術分野】【0001】本発明は,携帯電話機などの携帯情報通信装置,携帯情報通信装置とともに用いる接続ユニット,及び携帯情報通信装置 明細書の記載本件明細書には,以下の記載がある(甲15)。 「【技術分野】【0001】本発明は,携帯電話機などの携帯情報通信装置,携帯情報通信装置とともに用いる接続ユニット,及び携帯情報通信装置とともに用いる外部入出力ユニットに関する。」「【0004】・・・携帯電話機をはじめとする携帯情報通信装置においては,その携帯性が重視されるため大きいサイズのディスプレイを付属させることができない。このため,携帯電話機の場合,画面サイズは最大でも2.5インチ程度であり,また,画面解像度は最大でもQVGA・・・サイズ(携帯電話機においては,通常,縦長画面であるため,水平画素数×垂直画素数=240×320画素)となっている。」「【0013】・・・携帯情報通信装置の携帯性を損なわないために付属ディスプレイのサイズを現状通りに維持したままで,しかもパソコンを併用することなく,長文の電子メールやパソコン向けウェブページ,娯楽性の高いゲーム,さらにはテレビ番組の映像などを大きな画面で表示すること,特に,長文の電子メールについては,垂直スクロールを繰り返すことなく読めること,パソコン向けウェブページについては,パソコンでの画面イメージに近いレイアウトで表示し,しかも水平スクロールを繰り返すことなく閲覧できること,テレビ番組については,テレビ放送 における本来画像を全画面表示することが課題とされている。」「【0020】この第三種の技術として既に実用化されているものに,いわゆる「テレビ(TV)出力機能」又は「AV出力機能」を有する携帯電話機がある。このような携帯電話機においては,携帯電話機とテレビモニタを,携帯電話機側は携帯電話機に固有の接続端子とし,テレビモニタ側はビデオ端子とするケーブルで接続することにより,該携帯電話機に付属するデジタルカ ような携帯電話機においては,携帯電話機とテレビモニタを,携帯電話機側は携帯電話機に固有の接続端子とし,テレビモニタ側はビデオ端子とするケーブルで接続することにより,該携帯電話機に付属するデジタルカメラ機能を用いて撮影した静止画や動画,あるいは一部のゲームを,携帯電話機の付属ディスプレイよりも大画面であるテレビモニタに表示することができる。しかし,その場合にテレビモニタに表示される画像の解像度は,付属ディスプレイの画面解像度(最大でもQVGA)と同じであるため,該画像は,テレビモニタの中央部に小さく表示されるか,画質の粗い拡大画像が全画面に表示されるかのいずれかである。」「【発明の開示】【発明が解決しようとする課題】【0031】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,携帯電話機やPDAをはじめとする携帯情報通信装置に大画面外部ディスプレイ装置を接続することにより,より一般的には,携帯情報通信装置に大画面ディスプレイ手段を含む周辺装置,及び/又は,大画面ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続することにより,該大画面外部ディスプレイ手段において,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示すること,特に,長文の電子メールについては,垂直スクロールを繰り返すことなく読めること,パソコン向けウェブページについては,パソコンでの画面イメージに近いレイアウトで表示し,しかも水平スクロールを繰り返すことなく閲覧できること,テレビ番組については,テレビ放送における本来画像を表示することを,該大画面外部ディスプレイ手段向けの専用の表示データ生成手段を,付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと必要である表示データ生成手段(以下,付属表示データ生成手段と略記する)とは別個に使用することなく,大画面 プレイ手段向けの専用の表示データ生成手段を,付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと必要である表示データ生成手段(以下,付属表示データ生成手段と略記する)とは別個に使用することなく,大画面ディスプレイ手段を含む周辺装置,及び/又は,大画面ディスプレイ手段が接続される周辺装置と間のインターフェース手段の追加と,付属表示 データ生成手段への若干の機能追加だけで実現する携帯情報通信装置を提供する点にある。また,携帯情報通信装置及び大画面外部ディスプレイ装置とともに用いられ,該大画面外部ディスプレイ装置の画面に,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示するための接続ユニットを提供する点にある。さらに,携帯情報通信装置とともに用いられ,自らに付属する大画面外部ディスプレイパネルに,該携帯情報通信装置の付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示する外部入出力ユニットを提供する点にある。 【課題を解決するための手段】【0032】・・・また,本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「外部表示信号」とは,周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段がそれを受信して適切に処理することにより画像を表示することが可能であるような信号を意味する。そして,表示信号,画像データファイル又は動画信号を「適切に処理する」とは,高解像度ディスプレイ手段,又は,データ処理手段及び高解像度ディスプレイ手段が,表示信号,画像データファイル又は動画信号に含まれている画素ごとの論理的な色情報を,ディスプレイ手段の画面を構成する物理的な画素の色表示として過不足なく現実化することを意味しており,より具体的には,物理的な現実化にあたって画素を間引いて表示画像の解像度を小さくしたり,画素を補間して表示画像の解像度を大きくしたりしないこ 素の色表示として過不足なく現実化することを意味しており,より具体的には,物理的な現実化にあたって画素を間引いて表示画像の解像度を小さくしたり,画素を補間して表示画像の解像度を大きくしたりしないことを意味している。 さらに,本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「高解像度外部表示信号」とは,本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい外部表示信号を意味し,また,「高解像度外部ディスプレイ手段」とは,十分な大きさの画面解像度(水平画素数垂直画素数)を有する外部ディスプレイ手段を意味する。 また,本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「本来解像度」とは,表示信号,画像データファイル又は動画信号を,高解像度ディスプレイ手段,又は,データ処理手段及び高解像度ディスプレイ手段が適切に処理することにより表示される本来の解像度を意味する。そして,「本来画像」とは,表示信号,画像データファイル 又は動画信号を,高解像度ディスプレイ手段,又は,データ処理手段及び高解像度ディスプレイ手段が適切に処理することにより表示される本来解像度を有する画像を意味する。」「【発明の効果】【0078】第1乃至第15の発明の携帯情報通信装置においては,携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に高解像度外部ディスプレイ手段を含む周辺装置,及び/又は,外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続して高解像度外部表示信号を送信することにより,該高解像度外部ディスプレイ手段の画面において,携帯情報通信装置に付属するディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する高解像度画像を表示することができる。これにより,付属ディスプレイパネルにおいては,その画面解像度に相当する部分だけを切り出した部分画像しか表示できなかったり,画素を間引くことによっ い解像度を有する高解像度画像を表示することができる。これにより,付属ディスプレイパネルにおいては,その画面解像度に相当する部分だけを切り出した部分画像しか表示できなかったり,画素を間引くことによって画質を落とした全体画像しか表示できなかったりしたような画像を,高解像度外部ディスプレイ手段においては,その本来の解像度のままの全体画像として表示できるようになる。・・・しかも,そのような高解像度外部表示信号の送信は,付属ディスプレイパネルにおいて画像を表示するためにもともと必要であるデータ処理手段と,外部ディスプレイ手段を含む周辺装置,及び/又は,外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続するために不可欠のインターフェース手段だけによって実現されている。 このため,従来の技術のように,携帯情報通信装置に備えられた表示データ処理手段とは別に,外部ディスプレイ手段を含む周辺装置向けの専用の表示データ生成手段を設ける必要はなく,「不合理な二重投資」や「非効率な資源利用」の問題は回避できる。」(2) 引用例1の記載引用例1には,以下の記載がある。図1は,別紙引用例1図1のとおりである。 (甲1)「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は,携帯電話機(通信機能搭載 のパームトップPCやPDA[PersonalDigital/DataAssistant]などの携帯電子機器を含む)に関するものである。 【0002】【従来の技術】従来より,携帯電話機の多くは,各種情報(静止画や動画,文字など)を表示する手段として,数インチの表示部(液晶ディスプレイなど)を有して成る。」「【0004】【発明が解決しようとする課題】確かに,上記構成から成る携帯電話機は,アドレス帳や電子メールの内容,或いは携帯電話機での閲覧を目的として作成さ 晶ディスプレイなど)を有して成る。」「【0004】【発明が解決しようとする課題】確かに,上記構成から成る携帯電話機は,アドレス帳や電子メールの内容,或いは携帯電話機での閲覧を目的として作成されたWebコンテンツ等を表示部に出力することができるので,ユーザにとって非常に便利である。 【0005】しかしながら,上記構成から成る携帯電話機では,本体の携帯性を考慮して表示部の設置面積を大きくとれないため,表示内容の視認性や臨場感が乏しい上,ユーザの視力低下を招くおそれがあった。また,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについては,正常に表示することすらできなかった。」「【0007】本発明は,上記の問題点に鑑み,本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性や臨場感を向上させることが可能な携帯電話機の提供を第1の目的とし,ハンズフリーマイクやヘッドホンを用いることなく,表示内容を見ながら良好な音声通話を行うことが可能な携帯電話機の提供を第2の目的とする。 【0008】【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために,本発明に係る携帯電話機は,入力された情報を外部表示装置で読取可能な画像信号形式に変換して出力する画像出力部を有して成り,前記外部表示装置への情報出力を行う構成としている。このような構成とすることにより,本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性や臨場感を向上させることが可能となる。」「【0012】また,上記構成から成る携帯電話機において,前記外部表示装置に出力される情報は,サーバから取得されたWebコンテンツ情報とすればよい。 このような構成とすることにより,外部表示装置には,閲覧中のWebコンテンツ 情報が表示されることになるので,携帯電話機本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性 ンツ情報とすればよい。 このような構成とすることにより,外部表示装置には,閲覧中のWebコンテンツ 情報が表示されることになるので,携帯電話機本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性を向上させることが可能となる上,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,正常に表示することが可能となる。また,ユーザは,外部表示装置を通してWebコンテンツ情報を閲覧しながら,携帯電話機本体で良好な音声通話を行うことが可能となる。 【0013】また,上記構成から成る携帯電話機において,前記外部表示装置に出力される情報は,サーバから取得されたストリーミング情報に含まれる画像情報とすればよい。このような構成とすることにより,外部表示装置には,再生中のストリーミング画像が表示されることになるので,携帯電話機本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性及び臨場感を向上させることが可能となる。また,ユーザは,外部表示装置を通して再生中のストリーミング画像を見ながら,携帯電話機本体で良好な音声通話を行うことが可能となる。」「【0015】【発明の実施の形態】図1は本発明に係る携帯電話機の要部構成を示すブロック図である。本図に示すように,本発明に係る携帯電話機1は,制御部10と,送受信部11と,表示部12と,音声部13と,操作部14と,撮像部15と,記憶部16と,画像出力部17と,を有して成る。 【0016】制御部10は,CPU[CentralProcessingUnit]等から成り,上記各部11~17を含む装置全体の動作を制御する。送受信部11は,送信回路と受信回路を有して成り,アンテナ11aを介して電波を送受信することで,基地局(不図示)との双方向通信を行う。なお,アンテナ11aとしては,携帯性や格納性に優れたロッドアン 送受信部11は,送信回路と受信回路を有して成り,アンテナ11aを介して電波を送受信することで,基地局(不図示)との双方向通信を行う。なお,アンテナ11aとしては,携帯性や格納性に優れたロッドアンテナを用いるとよい。表示部12は,液晶ディスプレイ等から成る情報表示手段である。音声部13は,マイク13aやスピーカ13bを制御する音声入出力手段である。操作部14は,ダイヤルキーやブラウザ操作キー等を備えた入力デバイスである。撮像部15は,CCDカメラやCMOSカメラから成る画像撮影手段である。記憶部16は,ROMやRAMから成る情報格納手段である。本発明の特徴部分である画像出力部17は,入力された情報(静止画や動画, 文字など)を外部表示装置2で読取可能な画像信号形式(例えば,ビデオ信号形式)に変換して出力するインターフェイス部である。」「【0020】第3の具体例は,閲覧中のWebコンテンツ情報を外部表示装置2に出力する場合である。この場合,制御部10は,送受信部11を介して指定サーバから所望のWebコンテンツ情報を取得して画像出力部17に送出し,該情報を外部出力するように要求する。該要求を受けた画像出力部17は,制御部10からの入力情報に所定の信号処理を施して外部表示装置2に出力する。このような動作により,外部表示装置2には,閲覧中のWebコンテンツ情報が表示されることになる。従って,外部表示装置2として表示部12より大型のモニタ装置を用いれば,携帯電話機1本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性を向上させることが可能となる。また,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,表示部12のサイズや解像度に依存することなく正常に表示することが可能となる。」(3) 引用例2の記載引用例2には,以下 た,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,表示部12のサイズや解像度に依存することなく正常に表示することが可能となる。」(3) 引用例2の記載引用例2には,以下の記載がある。図5は別紙引用例2図5のとおりである。 (甲2)「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は,デジタルカメラにおいて画像の表示処理を行う際の画像表示技術に関する。 【0002】【従来の技術】一般に市販されているデジタルカメラには,外部表示装置を接続するための接続端子が設けられているものが多く存在する。この種のデジタルカメラは,電子ビューファインダ(EVF)や表示用の液晶表示部に表示される画像を,外部表示装置にも表示することができるように構成されており,接続端子から外部表示装置に対して映像信号(例えばNTSC信号等)が出力される。」「【0006】【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のデジタルテレビ対応デジタルカメラでは,以下のような課題があった。 【0007】まず,撮影待機状態におけるライブビュー表示においては,デジタルカメラからデジタルテレビに対して従来の映像フォーマットに変換した上で映像出力されるため,依然としてデジタルテレビの表示解像度を活かした高精細な画像表示を行うことができないという問題があった。」「【0010】そこで,本発明は,上記課題に鑑みてなされたものであって,デジタルカメラがデジタルテレビにおいて最適な画像表示を行うことを可能にする技術の提供を目的とする。 【0011】【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために,請求項1に記載の発明は,撮像素子に蓄積された電荷を読み出すことにより,画像データを取得するデジタルカメラであって,表示装置に対してライブビュー表示を行う表 るための手段】上記目的を達成するために,請求項1に記載の発明は,撮像素子に蓄積された電荷を読み出すことにより,画像データを取得するデジタルカメラであって,表示装置に対してライブビュー表示を行う表示画像出力手段と,前記表示装置の表示解像度を検知し,前記表示解像度に応じて前記撮像素子の読み出し方式を変更する制御手段と,を備えて構成される。」「【0017】<1.第1の実施の形態><1-1.撮影システム>図1は本実施形態にかかる撮影システム100の構成例を示す図である。図1に示すように撮影システム100は,デジタルカメラ1と,デジタルテレビ等によって構成される高精細な画像表示が可能な表示装置2とが,データ送信用のケーブル3によって接続された構成となっており,デジタルカメラ1において取得される画像が表示装置2に対して表示可能なように構成される。 【0018】表示装置2は,その映像フォーマット(表示解像度)を変更可能なように構成されており,例えば,525i,525p,750p,1125i,1125pの5種類の映像フォーマットのうちから一の映像フォーマットを選択設定して画像表示動作を行うように構成される。例えば525i又は525pの映像フォーマットが選択されている場合には,表示装置2における表示解像度は横720×縦480となる。」「【0025】デジタルカメラ1の背面には,撮影動作前の撮影待機状態におけ るライブビュー表示,撮影動作後のアフタービュー表示,及び,記録画像の再生表示等を行うための,電子ビューファインダ(以下,EVFという。)4と,LCD(判決注:液晶表示部)5とが設けられている。EVF4及びLCD5では,それぞれカラー画像の表示が行われる。なお,以下の説明においてはEVF4及びLCD5は横320×縦240の表示画素 4と,LCD(判決注:液晶表示部)5とが設けられている。EVF4及びLCD5では,それぞれカラー画像の表示が行われる。なお,以下の説明においてはEVF4及びLCD5は横320×縦240の表示画素数を有する場合を例示する。」「【0029】次に,デジタルカメラ1の内部構成について説明する。図5は,デジタルカメラ1の内部機能を示すブロック図である。」「【0045】画像メモリ44は,S2状態に応答して行われる撮影動作によってCCD撮像素子20で取得され,各種画像処理が施された画像データを一時的に記憶するメモリである。画像メモリ44は,少なくとも1フレーム分の記憶容量を有している。そして撮影動作後に画像のアフタービュー表示が行われる場合には,画像メモリ44に格納された画像データからアフタービュー用の画像データが生成され,撮影画像を確認するための画像表示が行われる。また,ユーザによって記録指示が与えられた場合には,画像メモリ44に格納された画像データから,撮影画像とサムネイル画像とを含む画像ファイルが作成され,メモリカード90に転送されて,画像ファイルの記録保存が行われる。」「【0050】まず,撮影モードに移行すると,デジタルカメラ1ではライブビュー表示のための処理(ステップS10)が行われる。ライブビュー表示処理の詳細は図8及び図9に示すフローチャートである。」「【0052】デジタルカメラ1に表示装置が接続されている場合,全体制御部30は表示装置2の映像フォーマットを確認する(ステップS103)。そして表示装置2の映像フォーマットが1125i又は1125pである場合には,CCD読出モードがフルフレームモードに設定される(ステップS104)。また,表示装置2の映像フォーマットが750pである場合には,CCD読出モードが2倍速モード 5i又は1125pである場合には,CCD読出モードがフルフレームモードに設定される(ステップS104)。また,表示装置2の映像フォーマットが750pである場合には,CCD読出モードが2倍速モードに設定され(ステップS105),525i又は525pである場合は,8倍速モードに設定される(ステップS106)。また,デジタルカメラ1に表示装 置2が接続されていない場合も,ステップS106においてCCD読出モードが8倍速モードに設定される。 【0053】そしてステップS107に進み,全体制御部30は解像度変換部26における処理内容を決定する。 【0054】CCD読出モードとしてフルフレームモードが設定された場合には,1960ライン分の画像データがCCD撮像素子20から出力され,このうち1920ライン分が表示用に用いられる。このため,解像度変換処理において,横2560×縦1920の画像を,横1440×縦1080の画素数を有する画像に変換するための処理内容が決定される。 【0055】また,CCD読出モードとして2倍速モードが設定された場合には,980ライン分の画像データがCCD撮像素子20から出力され,このうち960ライン分の画像データが表示用に用いられる。このため,解像度変換処理において,横2560×縦960の画像を,横960×縦720の画素数を有する画像に変換するための処理内容が決定される。 【0056】また,表示装置2が接続され,CCD読出モードとして8倍速モードが設定された場合には,245ラインの画像データがCCD撮像素子20から出力され,このうち240ライン分が表示用に用いられる。このため,解像度変換処理において,横2560×縦240の画像を,横640×縦480の画素数を有する画像に変換するために,垂直方向には2倍に拡大す 力され,このうち240ライン分が表示用に用いられる。このため,解像度変換処理において,横2560×縦240の画像を,横640×縦480の画素数を有する画像に変換するために,垂直方向には2倍に拡大するための解像度変換処理(補間処理)が決定され,水平方向には1/4倍に縮小するための解像度変換処理が決定される。」「【0060】そしてデジタルカメラ1では,ステップS104~S106のいずれかにおいて設定されたCCD読出モードでライブビュー表示用の画像撮影が行われる(ステップS109)。ここで得られた画像データは解像度変換部26に与えられ,ステップS107で決定された解像度変換処理が実行される。」「【0062】このようにして得られる表示用画像は,表示用画像メモリ43に 格納される(ステップS111)。これにより,解像度変換によって生成される表示用画像は,EVF4,LCD5又は表示装置2における表示対象画像(ライブビュー画像)となる。」「【0064】また,表示装置2が接続されている場合,表示用画像メモリ43に格納されている表示用画像が表示装置2に出力され,デジタルカメラ1の外部に設けられた表示装置2でライブビュー表示が行われることになる(ステップS113)。このとき,表示装置2に表示される画像は,表示装置2の映像フォーマットに応じて生成され,表示装置2の表示解像度に適合した画像となっているので,表示装置2において高精細なライブビュー表示を行うことが可能である。なお,表示装置2の表示解像度が高くなるにつれて,表示フレームレートは低下することになる。」「【0085】そして全体制御部30は,画像メモリ44に格納された撮影画像に基づいてアフタービュー表示を行う(ステップS127)。アフタービュー表示の詳細は図11に示すフローチャー になる。」「【0085】そして全体制御部30は,画像メモリ44に格納された撮影画像に基づいてアフタービュー表示を行う(ステップS127)。アフタービュー表示の詳細は図11に示すフローチャートである。 【0086】アフタビュー表示が開始されると,デジタルカメラ1に表示装置2が接続されているか否かを判断し(ステップS140),表示装置2が接続されている場合は表示装置2に対してアフタービュー表示を行うべく,ステップS141に進む。また,表示装置2が接続されていない場合には,デジタルカメラ1に設けられたEVF4又はLCD5に対してアフタービュー表示を行うべく,ステップS147に進む。 【0087】表示装置2が接続されている場合,全体制御部30はまず表示装置2の映像フォーマット(表示解像度)を確認する(ステップS141)。また,画像メモリ44に格納された撮影画像の画像サイズを確認し,全体制御部30は,撮影画像サイズが表示装置2の表示解像度よりも小さいか否かを判断する(ステップS142)。そして撮影画像サイズが表示装置2の表示解像度よりも小さい場合には,撮影画像を拡大処理して表示解像度に適合させ,それを表示用画像メモリ43 に格納する。そして表示切替部48及び通信回路49の機能によって,表示用画像メモリ43に格納された撮影画像を表示用画像として表示装置2に出力することによりアフタービュー表示を行う(ステップS143)。 【0088】ステップS142にてNOと判断された場合には,撮影画像サイズが表示装置2の表示解像度に等しいか否かを判断する(ステップS144)。そして撮影画像サイズが表示装置2の表示解像度に等しい場合には,撮影画像をそのまま表示用画像メモリ43に格納する。そして表示切替部48及び通信回路49の機能によって, 判断する(ステップS144)。そして撮影画像サイズが表示装置2の表示解像度に等しい場合には,撮影画像をそのまま表示用画像メモリ43に格納する。そして表示切替部48及び通信回路49の機能によって,表示用画像メモリ43に格納された撮影画像を表示用画像として表示装置2に出力することによりアフタービュー表示を行う(ステップS145)。 【0089】さらにステップS144にてNOと判断された場合には,撮影画像サイズが表示装置2の表示解像度よりも大きいこととなるため,全体制御部30は,撮影画像を縮小処理して表示解像度に適合させ,それを表示用画像メモリ43に格納する。そして表示切替部48及び通信回路49の機能によって,表示用画像メモリ43に格納された撮影画像を表示用画像として表示装置2に出力することによりアフタービュー表示を行う(ステップS146)。 【0090】一方,デジタルカメラ1に表示装置2が接続されていない場合には,画像メモリ44に格納された撮影画像から横320×縦240の画像サイズを有する縮小画像を生成し,それを表示用画像メモリ43に格納する。そして表示切替部48の機能によって,表示用画像メモリ43に格納された縮小画像を表示用画像としてEVF4又はLCD5に出力することによりアフタービュー表示を行う(ステップS147)。」 2 訂正発明,引用発明1及び引用発明2の解決課題及び解決手段等について(1) 訂正発明の解決課題及び解決手段等訂正発明の解決課題は,次の点にあった。すなわち,携帯電話機をはじめとする携帯情報通信装置においては,その携帯性を損なわないために,文字や映像を含む画像を表示するためのディスプレイの大きさに制限があり,パソコン向けウェブペ ージやテレビ番組の画像等の本来の解像度を有する画像全体を表示すること の携帯性を損なわないために,文字や映像を含む画像を表示するためのディスプレイの大きさに制限があり,パソコン向けウェブペ ージやテレビ番組の画像等の本来の解像度を有する画像全体を表示することができないという問題があり,また,従来は,携帯情報通信装置に,携帯情報通信装置の付属ディスプレイよりも画面が大きい外部ディスプレイ装置(以下「大画面外部ディスプレイ装置」という。)を接続し,大画面外部ディスプレイ装置に画像を表示するという技術があったが,大画面外部ディスプレイ装置に表示される画像の解像度は,付属ディスプレイの画面解像度と同じであるため,画像は,大画面外部ディスプレイ装置の中央部に小さく表示されるか,画質の粗い拡大画像が全画面に表示されるかのいずれかであったとの問題があった。 そこで,訂正発明は,携帯情報通信装置の携帯性を損なわないために付属ディスプレイのサイズを現状通りに維持したままで,しかもパソコンを併用することなく,パソコン向けウェブページ等の本来の解像度による全体画像を表示できるようにすることを目的とした。訂正発明は,その解決手段として,携帯情報通信装置に十分な大きさの画面解像度を有する高解像度外部ディスプレイ手段を接続し,データ処理手段は,取得した画像データファイルの本来解像度が付属ディスプレイの画面解像度より大きい場合でも,画像データファイルをそのまま記憶手段にいったん格納し,その後読み出した上で,インターフェース手段によって高解像度外部ディスプレイ手段に送信するという構成を採用したものであり,これにより,高解像度外部ディスプレイに画像データファイルの本来画像の全体画像を表示することができ,しかも,付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと必要である表示データ生成手段とは別個に,外部ディスプレイ手段向けの専用 ィスプレイに画像データファイルの本来画像の全体画像を表示することができ,しかも,付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと必要である表示データ生成手段とは別個に,外部ディスプレイ手段向けの専用の表示データ生成手段を使用することなく,外部ディスプレイ手段を含む周辺装置等を接続するためのインターフェース手段の追加と,付属表示データ生成手段への若干の機能追加だけで,これを実現することができるという効果を有する。 この点で,本件明細書の段落【0032】を参酌すると,訂正発明における「本来画像」とは,画像データファイル等を高解像度ディスプレイ手段等が適切に処理することにより表示される本来解像度を有する画像を意味するものであり,上記 「適切に処理する」とは,高解像度ディスプレイ手段等が画像データファイル等に含まれている画素ごとの論理的な色情報を,ディスプレイ手段の画面を構成する物理的な画素の色表示として過不足なく現実化すること,具体的には,物理的な現実化にあたって画素を間引いて表示画像の解像度を小さくしたり,画素を補間して表示画像の解像度を大きくしたりしないことを意味すると解される。また,訂正発明における「本来解像度」とは,画像データファイル等を高解像度ディスプレイ手段等が適切に処理することによって表示される本来の解像度を意味すると解される。 したがって,訂正発明における「前記データ処理手段は,前記画像データファイルの本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合でも,前記画像データファイルを前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理することによって,前記画像データファイルの本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成する」とは,画像データファイルの本来の解像度が付属ディスプレイの画面解像度より大きい場合でも, み出した上で処理することによって,前記画像データファイルの本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成する」とは,画像データファイルの本来の解像度が付属ディスプレイの画面解像度より大きい場合でも,画像データファイルを,画素を間引いて表示画像の解像度を小さくしたり,画素を補間して表示画像の解像度を大きくしたりすることなくそのまま記憶手段にいったん格納し,その後読み出した上で処理することによって,画素を間引いて表示画像の解像度を小さくしたり,画素を補間して表示画像の解像度を大きくしたりすることなく,画像データファイルをインターフェース手段によって外部ディスプレイに送信することにより,高解像度外部ディスプレイに画像データファイル全体が,画像データファイルの本来の解像度を有する画像の状態で表示されることを意味すると解される。 (2) 引用発明1の解決課題及び解決手段等引用発明1は,従来,携帯電話機の多くは表示部を有しているが,表示部は大きくないため,表示内容の視認性や臨場感が乏しく,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについては,正常に表示することすらできなかったことから,本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性や臨場感を向上させることが可能な携帯電話機を提供すること等を課題とした発明であり,課題解決手段と して,携帯電話機は,入力された情報を外部表示装置で読取可能な画像信号形式に変換して出力する画像出力部を有しており,これによって外部表示装置への情報出力を行うとの構成を採用したものである。そして,具体的には,制御部が所望のWebコンテンツ情報を取得して,画面出力部に送出し,画面出力部は,制御部からの入力情報に所定の信号処理をして,外部表示装置へ出力することにより,表示部より大型の外部表示装置に,Webコン が所望のWebコンテンツ情報を取得して,画面出力部に送出し,画面出力部は,制御部からの入力情報に所定の信号処理をして,外部表示装置へ出力することにより,表示部より大型の外部表示装置に,Webコンテンツ情報が表示されることとなる。 (3) 引用発明2の解決課題及び解決手段等引用発明2は,デジタルカメラには,電子ビューファインダ(EVF)や表示用の液晶表示部に表示される画像が,外部表示装置にも表示することができるような構成となっているものが多いが,従来のデジタルテレビ対応デジタルカメラでは,撮影待機状態におけるライブビュー表示において,デジタルカメラからデジタルテレビに対して従来の映像フォーマットに変換した上で映像出力されるため,デジタルテレビの表示解像度を活かした高精細な画像表示を行うことができないという問題があったことから,デジタルカメラがデジタルテレビにおいて最適な画像表示を行うことを可能にすることを課題とした発明である。引用発明2では,上記課題の解決手段として,外部表示装置が接続された場合に,表示装置の画面解像度を検知し,「前記外部表示装置の表示解像度に適合させて表示用画像データを生成する」との構成を採用したものである。そして,引用例2には,ライブビュー表示において,解像度変換部が,外部表示装置の表示解像度に適合させて表示用画像データを生成するとの構成が開示されている。 3 相違点1の容易想到性の判断の誤り(取消事由1)について当裁判所は,相違点1について容易に想到できるとした審決の判断に誤りはないと解する。 原告主張に係る相違点1-1に係る構成が引用発明1に周知技術を適用することにより容易に想到し得る点については,当事者間に争いがない。そこで,原告主張に係る相違点1-2に係る構成の容易想到性について判断する。 相違点1-1に係る構成が引用発明1に周知技術を適用することにより容易に想到し得る点については,当事者間に争いがない。そこで,原告主張に係る相違点1-2に係る構成の容易想到性について判断する。 (1) 相違点1-2の容易想到性について引用発明1は,表示内容の視認性や臨場感を向上させるために外部表示装置を設け,携帯電話機から外部表示装置へ情報を出力するとの構成を採用したものである。 引用発明2は,外部表示装置の表示解像度に適合させた表示用画像データが生成されるとの構成を有するデジタルカメラに関する発明である。前記のとおり,引用例2には,実施例の一つとして,デジタルカメラと,デジタルテレビ等によって構成される高精細な画像表示が可能な表示装置とが,データ送信用のケーブルによって接続された撮影システムにおいて,デジタルカメラに設けられた電子ビューファインダ(EVF)と液晶表示部(LCD)の表示画素数が横320×縦240であるのに対し,表示装置の表示解像度は横720×縦480以上と高解像度であり,ライブビュー表示において,インターフェース手段から,表示装置の表示解像度に適合した高解像度のデジタル外部表示信号が送信されることが記載されている。 引用発明1は,上記のとおり,表示内容の視認性や臨場感を向上させるために外部表示装置を設け,携帯電話機から外部表示装置へ情報を出力するとの構成を採用したものであり,引用発明1の課題は,高解像度の外部表示装置に最適な画面表示を行うとの引用発明2の課題と共通する。そうすると,当業者が,引用発明1に,外部に設けられた表示装置において最適な画像表示を行うことを課題とした引用発明2の構成を組み合わせ,インターフェース手段から高解像度のデジタル外部表示信号を送信するとの構成を採用することに困難な点はない に設けられた表示装置において最適な画像表示を行うことを課題とした引用発明2の構成を組み合わせ,インターフェース手段から高解像度のデジタル外部表示信号を送信するとの構成を採用することに困難な点はないと解される。 この点,原告は,「外部ディスプレイ装置」が,携帯機器本体の有するディスプレイ手段よりも「高解像度」であるとしても,外部表示信号が「高解像度」であるとはいえないと主張する。 しかし,引用例2には,デジタルカメラの外部に設けられた表示装置がデジタルカメラ自体に設けられた電子ビューファインダや液晶表示部よりも高解像度であることが示されているのみならず,表示装置の表示解像度に適合した高解像度のデジタル外部表示信号が送信される(例えば,横640×縦480の画素数を有する表 示用画像が出力される。)ことが示されている点に照らすならば,原告の主張を採用することはできない。 (2) 小括以上のとおり,相違点1-2は容易想到であると認められることから,相違点1について容易想到であるとした審決の判断に誤りはない。 4 相違点3の容易想到性の判断の誤り(取消事由2)について(1) 相違点3の容易想到性ア引用例1には,「入力された情報(静止画や動画,文字など)を外部表示装置2で読取可能な画像信号形式(例えば,ビデオ信号形式)に変換して出力するインターフェイス部である画像出力部17」,すなわち,取得した情報を外部表示装置により読み取り可能な画像信号の形式に変換するとの構成が示されている。 引用例2には,画像メモリ44にCCD撮像素子20で取得された画像データを一時的に記憶させ,アフタービュー表示を行う場合には,画像メモリ44に格納された画像データを読み出し,画像処理を行って,アフタービュー用の画像データを生成する構成が記載され で取得された画像データを一時的に記憶させ,アフタービュー表示を行う場合には,画像メモリ44に格納された画像データを読み出し,画像処理を行って,アフタービュー用の画像データを生成する構成が記載されている(段落【0045】,【0085】ないし【0090】)。 そうすると,当業者は,引用発明1の画像信号処理について,引用例2に記載された上記構成を適用することにより,引用発明1において,取得した画像データをいったん記憶手段に格納し,その後読み出して処理するとの構成に至ることに困難性はないといえる。また,これをデータ処理手段で行うことは,当業者において周知である。 また,携帯電話機やデジタルカメラに設けられた表示部は小さく,取得した画像データを適切に表示できなかったことに鑑みると,画面解像度の高い外部表示装置を設け,高解像度の表示信号を出力して表示することは,携帯電話やデジタルカメラ等のデジタル表示信号を表示するに当たっての,一般的な解決課題であったといえる。 そして,高解像度の表示信号を出力するため,十分に高解像度である表示画面を接続させた上で,取得した高解像度の画像データについて解像度を変換させることなく記憶させ,出力することは,当業者において適宜なし得たことである。 イ以上によれば,「前記画像データファイルを前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理する」こと,このような処理をデータ処理手段で行うこと,画像データを解像度を変換させることなく記憶させ,出力することによって,「前記画像データファイルの本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成する」ことは,いずれも当業者が容易になし得ることであるから,相違点3に係る構成に至るのは容易である。 (2) 原告の主張に対して原告は,①引用例1には,制御部10が,引用発 タル表示信号を生成する」ことは,いずれも当業者が容易になし得ることであるから,相違点3に係る構成に至るのは容易である。 (2) 原告の主張に対して原告は,①引用例1には,制御部10が,引用発明2の解像度変換部が解像度変換を行う対象である「RGB画像信号」や「YCrCb画像信号」を処理することの示唆はないことから,当業者は,「引用発明2の解像度変換部が有する解像度変換機能」が,「引用発明1の制御部10が元々有する画像信号処理機能」に統合可能であるとは認識しない,②仮に認識したとしても,当業者が,引用例1の「引用発明1の制御部10が元々有する画像信号処理機能」に関する記載に基づいて,「引用発明1の制御部10が元々有する画像信号処理機能」に対して「引用発明2の解像度変換部が有する解像度変換機能」を統合した具体的な実施形態に想到することは不可能である,③また,引用発明1の制御部10が処理する対象であるJPEG方式の画像データファイル等と,引用発明2の解像度変換部が処理するRGB画像信号とでは信号のタイプが異なることから,当業者が「引用発明2の解像度変換部が有する解像度変換機能」を,「圧縮画像信号」に係る「引用発明1の制御部10が元々有する画像信号処理機能」と統合することは,容易でないと主張する。 しかし,原告の主張は,いずれも失当である。 すなわち,引用発明1においては,「入力された情報(静止画や動画,文字など)を外部表示装置2で読取可能な画像信号形式(例えば,ビデオ信号形式)に変 換して出力するインターフェイス部である画像出力部17」「該要求を受けた画像出力部17は,制御部10からの入力情報に所定の信号処理を施して外部表示装置2に出力する」とされているとおり,画像信号の処理を行うのは制御部10ではなく,画面出力部17であり, 「該要求を受けた画像出力部17は,制御部10からの入力情報に所定の信号処理を施して外部表示装置2に出力する」とされているとおり,画像信号の処理を行うのは制御部10ではなく,画面出力部17であり,画面出力部17は,取得した情報を外部表示装置で読み取り可能な画像信号の形式に変換する機能を有しているといえる。 また,原告が,引用例1におけるデータ処理の対象であると主張するJPEG方式の画像ファイル等も,引用例2におけるデータ処理の対象であると主張するRGB画像信号等も,広く知られた画像データの形式であり,画像データの形式が異なることは,引用発明1と引用例2に記載された発明とを組み合わせて,画像データをいったん記憶手段に格納し,その後読み出して処理するとの構成を採用することを阻害するものではない。さらに,RGB画像信号等はビデオ信号であるから,引用発明1において入力されたデータがRGB画像信号等であったとしても,ビデオ信号形式への変換を行うことなく外部表示装置に出力することは,極めて自然の技術的手段であるから,引用発明1において,RGB画像信号等を入力して記憶手段に格納し,その後読み出して出力することに困難性はない。 (3) 小括上記のとおり,訂正発明は,相違点1も3も容易想到であり,相違点2が容易想到であることは当事者間に争いがないから,訂正発明は容易想到であるといえる。 5 本件審決の判断は,前審決と矛盾するとの主張(取消事由7)について前審決においては,前訂正後の請求項3に係る発明が容易想到ではないと判断しているが(甲18),前審決と本件審決とで請求項3に係る発明の容易想到性についての判断が異なっているとしても,そのことをもって,本件審決が違法であるということはできない。よって,その点に関する原告の主張は失当である。 6 本 本件審決とで請求項3に係る発明の容易想到性についての判断が異なっているとしても,そのことをもって,本件審決が違法であるということはできない。よって,その点に関する原告の主張は失当である。 6 本件訂正の可否について上記のとおり,訂正発明は容易想到であるから,本件訂正後の請求項3に係る訂正は,特許出願の際独立して特許を受けることができない。本件訂正後の請求項6 ないし8は本件訂正後の請求項3を,本件訂正後の請求項25ないし28はいずれも本件訂正後の請求項3,8及び24を,本件訂正後の請求項29は本件訂正後の25及び26を,本件訂正後の請求項30は本件訂正後の請求項26を,本件訂正後の31は本件訂正後の27を,本件訂正後の請求項32は本件訂正後の請求項28ないし31をいずれも引用しているため,本件訂正後の請求項3を引用するか,又は請求項3を引用した請求項を更に引用している本件訂正後の請求項6ないし8及び25ないし32に係る本件訂正,並びに本件訂正後の請求項25ないし28において,本件訂正後の請求項3や8と共に引用されている本件訂正後の請求項24に係る本件訂正も,全て認められない。 7 結論上記のとおりであるから,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求は理由がないので,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第1部 裁判長裁判官飯村敏明 裁判官八木貴美子 裁判官小田 官八木貴美子 裁判官小田真治 別紙引用例1図1 別紙引用例2図5

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る