昭和26(う)3011 窃盗水道損壊被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和26年12月12日 福岡高等裁判所 破棄自判
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【DRY-RUN】主    文      原判決中被告人等関係部分を破棄する。      被告人Aを懲役参年六月に、同Bを懲役弍年に、同C、同Dを各懲役式 年六月に処する。      原審における未決勾留日数中、被告人

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判決文本文2,676 文字)

主文 原判決中被告人等関係部分を破棄する。 被告人Aを懲役参年六月に、同Bを懲役弍年に、同C、同Dを各懲役式年六月に処する。 原審における未決勾留日数中、被告人A、同B、同Cに対し、各百弍拾日を、同Dに対し百拾日をいずれも、右本刑に算入する。 訴訟費用中、原審における国選弁護人E、同Fに支給した分は被告人A、同B、同Dの、原審証人Gに支給した分は、被告人等四名並びに原審相被告人Hの各負担とし、当審における国選弁護人山本貞義に支給した分は、被告人等の負担とする。 理由 検察官宮井親造の控訴趣意は、記録に編綴されている原審検察官塩田末平提出の控訴趣意書記載のとおりであるからこれを引用する。 控訴趣旨について記録によると被告人等に対する起訴状記載の訴因たる公訴事実は原判示第一の(一)、第三及び第五の(二)の事実を除くその余の各事実において、被告人等が単独又は共謀で各判示日時場所で、門司市長の管理にかかる水道鉛管を金切鋸で切り取つて、同鉛管、口金又は量水器等を窃取するとともに、公衆の飲料に供する浄水の水道を損壊したものであるというのに対し、原判決は、右の公訴事実中、ただ各窃盗の事実を認定しただけで、右窃盗罪と想像的競合犯の関係があるものとして起訴された刑法第百四十七条の水道損壊罪については、同条のいわゆる「公衆」とは、不特定、又は「多衆人」と解するのが最も妥当であるところ、被告人等によつて破壊された水道鉛管、口金、水量器はいずれも、各家庭の専用又は数家庭の共用として使用されるもので、使用者が特定しているばかりでなく、その設備、使用の人数、その使用方法、態様、使用される水道の位置その他諸般の事情からみて、多衆人の使用に供する水道と認めるに足るべき資料がないので、結局、犯 もので、使用者が特定しているばかりでなく、その設備、使用の人数、その使用方法、態様、使用される水道の位置その他諸般の事情からみて、多衆人の使用に供する水道と認めるに足るべき資料がないので、結局、犯罪の証明がないものとして無罪の認定をしていることが認められる。 案ずるに刑法第百四十二条乃至第百四十七条の飲料水に関する罪は公衆衛生の見地から人の健康を保持するために設けられた罰則に外ならないから、同法第百四十七条にいわゆる「公衆の飲料の用に供する浄水」とは<要旨>広く不特定又は多数人の飲料の用に供する浄水と解するのが相当である。そして苟も、住民に対する飲料水の</要旨>供給用としての浄水の水道設備である以上、たといそれが一世帯の専用又は数世帯の共用のために引用敷設されたものであるにせよ、それは広く不特定又は多数人の飲料を供給する浄水の水道ということかできるから、その水道設備の一部を毀損して、一時的にも飲料水の清潔とその完全使用を阻害したときは、いわゆる公衆の飲料の用に供する浄水の水道を損壊したものといわねばならぬ。 原判決のあげている各証拠によると、本件において被告人等が金切鋸で切り取つて窃取したものは、いずれも門司市が市民に飲料水の供給用として設備した浄水の水道の一世帯専用又は数世帯共用の水道鉛管であつて、一世帯専用のものでも、その世帯を構成する者は普通数名以上であり、その大多数の被害水道はいずれも二世帯乃至十世帯共用のものであつて、しかもその使用が当該世帯内の者のみに限られてもいないし、又被告人等が被害者の住宅内又はその附近の道路に敷設されていた本件鉛管が一米位から長いのは二十米も切断した結果、殆んどすべての場合、水道の浄水は道路上に噴出して附近一帯は相当長時間に亘つて洪水のようになつていたので、たとい被告人等が切断したものが給水設備 た本件鉛管が一米位から長いのは二十米も切断した結果、殆んどすべての場合、水道の浄水は道路上に噴出して附近一帯は相当長時間に亘つて洪水のようになつていたので、たとい被告人等が切断したものが給水設備の末端のものであつたにせよ、これによつて生じた部分的の噴水、その他の事故はこれと直結している配水本管、送水本管を流通する全体の水量に影響し、その衛生保持にも重大な脅威を取ぼしたことが明らかであるから、本件水道鉛管、同口金、等は浄水の水道の一部を構成していたものということができる。してみれば被告人等の本件各所為は、一面窃盗罪にあたるとともに他面いわゆる公衆の飲料の用に供する浄水の水道を損壊した罪にあたるものであることが明白であるから、原判決が冐頭掲記のような理由によつて、被告人等の本件各所為を以て窃盗罪のみを構成するものとなし、水道損壊罪について、その犯罪の証明がないものして、無罪の認定をしたのは法律の解釈を誤つた結果、法令の適用を誤つたもので、その誤が原判決に影響を及ぼすことが明白であるから、原判決は刑事訴訟法第三百九十七条第三百八十条に則り、破棄を免れない。 論旨は理由がある。 そして当裁判所は、本件記録及び原裁判所において取調べた証拠によつて直ちに判決することができるものと認めるので、刑事訴訟法第四百条但書に従い、本件につき更に判決をすることとする。 当裁判所の認定したる事実並びに証拠は原判示第一の二、第二、第四及び第五の一の各事実(以上、いずれも水道鉛管の切取りにかかる分全部)の末尾に、「切り取り各窃取し」とあるのを「切り取り窃取するとともに公衆の飲料の用に供する浄水の水道を損壊し」と訂正する外、第一審判決の事実(被告人A、同Bの前科事実をも含む)並びに証拠と全く同一であるからこれを引用する。 法令の適用。 一、 判示第一の一、第三 衆の飲料の用に供する浄水の水道を損壊し」と訂正する外、第一審判決の事実(被告人A、同Bの前科事実をも含む)並びに証拠と全く同一であるからこれを引用する。 法令の適用。 一、 判示第一の一、第三、第五の二、の各事実につき、刑法第二百三十五条(共謀の点につき、刑法第六十条)一、 判示第一の二、第二、第四、第五の一の各事実につき、刑法第二百三十五条、第百四十七条(共謀の点につき、第六十条)、第五十四条第一項前段第十条一、 被告人A、同Bの前科の点につき、刑法第五十六条第一項、第五十七条、第五十九条一、 以上につき刑法第四十五条前段、第四十七条、第十条、被告人A、同Bにつき更に第十四条一、 未決勾留日数の算入につき、刑法第二十一条一、 訴訟費用の負担につき、刑事訴訟法第百八十一条第一項(裁判長裁判官白石亀裁判官後藤師郎裁判官大曲壮次郎)

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