平成4(オ)996 地位確認等

裁判年月日・裁判所
平成6年7月14日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 平成2(ネ)2471
ファイル
hanrei-pdf-62716.txt

判決文本文1,824 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 一上告代理人浦功、同下村忠利、同谷野哲夫、同黒田建一、同信岡登紫子の上告理由第一点ないし第三点並びに第六点の一及び三について所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯することができる。右事実関係によれば、上告人は、期限付任用に係る非常勤の国家公務員である日々雇用職員、すなわち、任期を一日と定め、任用予定期間内は任命権者が別段の措置をしない限り任用を日々更新し、任用予定期間が経過したときは任期満了により当然に退職する職員として任用されたものであるところ、その任用当時、上告人が配属されたD大学付属図書館閲覧課第一閲覧掛の事務量は、正規任用に係る常勤職員のみによって処理することができる範囲を超えていたが、直ちに常勤職員の定員を増加することは実際上困難であり、同掛の業務のうち図書の貸出し、返却図書の受領等のいわゆるカウンター業務は、特別の習熟、知識、技術又は経験を必要としない代替的事務であって、日々雇用職員によっても適正に処理することができるものであったとみることができる。このような事情の下においては、日々雇用職員として任用することを明示した上で、上告人をカウンター業務に従事させることを予定して任用したことが、職員の任用を原則として無期限とした国家公務員法の趣旨に反するものとまでは解し難い。したがって、D大学学長が上告人を日々雇用職員として任用したことを違法ということはできないとした原審の判断は、正当として是認することができ、右判断は、所論引用の判例に抵触するものではない。原判決に所論の違法はない。論旨は、以上と異なる見解に立って、若しくは原判決を正解しないでこれを論難するか、又は原審の専権に属 して是認することができ、右判断は、所論引用の判例に抵触するものではない。原判決に所論の違法はない。論旨は、以上と異なる見解に立って、若しくは原判決を正解しないでこれを論難するか、又は原審の専権に属する証拠の取捨判断、- 1 -事実の認定を非難するものであって、採用することができない。 二同第五点について原審の適法に確定した事実関係の下においては、上告人は、昭和五九年三月三〇日に任用予定期間が満了したことによって当然に退職したものとした原審の判断は、正当として是認することができ、右判断は、所論引用の判例に抵触するものではない。原判決に所論の違法はない。論旨は、独自の見解に立って原判決を論難するものであって、採用することができない。 三同第四点及び第六点の二について上告人が、日々雇用職員として任用され、昭和五九年三月三〇日に任用予定期間が満了したことによって退職したことは前示のとおりであるところ、上告人が、任用予定期間の満了後に再び任用される権利若しくは任用を要求する権利又は再び任用されることを期待する法的利益を有するものと認めることはできないから、D大学学長が上告人を再び任用しなかったとしても、その権利ないし法的利益が侵害されたものと解する余地はない。もっとも、任命権者が、日々雇用職員に対して、任用予定期間満了後も任用を続けることを確約ないし保障するなど、右期間満了後も任用が継続されると期待することが無理からぬものとみられる行為をしたというような特別の事情がある場合には、職員がそのような誤った期待を抱いたことによる損害につき、国家賠償法に基づく賠償を認める余地があり得るとしても、原審の適法に確定した事実関係の下においては、右のような特別の事情があるということはできない。したがって、上告人の請求を排斥した原審の判断は、正当と 賠償法に基づく賠償を認める余地があり得るとしても、原審の適法に確定した事実関係の下においては、右のような特別の事情があるということはできない。したがって、上告人の請求を排斥した原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、違憲をいう点を含め、独自の見解に立って原判決の右判断における法令の解釈適用の誤りをいうものであって、採用することができない。 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主- 2 -文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官大白勝裁判官大堀誠一裁判官小野幹雄裁判官三好達裁判官高橋久子- 3 -

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る