昭和26(れ)1529 殺人、銃砲等所持禁止令違反

裁判年月日・裁判所
昭和26年11月20日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 仙台高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人勅使河原直三郎の上告趣意は末尾添附別紙記載のとおりである。  第一点に対する判断。  「憲法第三七条第一項にいわゆ

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判決文本文1,979 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人勅使河原直三郎の上告趣意は末尾添附別紙記載のとおりである。 第一点に対する判断。 「憲法第三七条第一項にいわゆる公平な裁判所の裁判とは、偏頗や不公平の惧れのない組織と構成をもつた裁判所による裁判を意味する」ことは、論旨の引用する当裁判所大法廷の各判決(昭和二二年(れ)第一七一号、同二三年五月五日大法廷判決、集二巻五号四四七頁、同二二年(れ)第四八号、同二三年五月二六日大法廷判決、集同号五一一頁)に示されているとおりである。そして、原判決は、所論裁判官Aを陪席裁判官の一員として昭和二六年三月二六日仙台高等裁判所で開かれた公判に基ずいて言渡されたものであつて、右Aが同判決のあつた当時、判事の身分を有し、仙台地方裁判所判事であつたここは当裁判所に顕著なことであり(仙台高等裁判所事務局長は単にその事務取扱を委嘱されていたに過ぎない)、「高等裁判所は、裁判事務の取扱上さし迫つた必要があるときはその管轄区域内の地方裁判所又は家庭裁判所の判事にその高等裁判所の判事の職務を行わせることができる」(裁判所法一九条一項)のであるから、仙台地方裁判所判事たる判事Aが仙台高等裁判所判事の職務を代行したのは、固より適法であるといわねばならない。従つて、原判決は何等憲法に違反するものではなく、論旨は採用し難い。 第二点に対する判断。 原判決は第一審判決の事実摘示を引用し、同判示第一の事実を認定する証拠としては被告人の第一審第一回公判調書中における被告人判示の同趣旨の供述(自白)記載の外に数多の証拠を挙示しており、又同第二の事実を認定する証拠としては右自白の外に押収にかかる日本刀一振(証第一号)の存在を掲げている。成る程、記- 1 -録を調べると、被告人は原審公判で第一審の右 外に数多の証拠を挙示しており、又同第二の事実を認定する証拠としては右自白の外に押収にかかる日本刀一振(証第一号)の存在を掲げている。成る程、記- 1 -録を調べると、被告人は原審公判で第一審の右各自白を翻して事実を否認していることが窺われるが、第一審の供述と原審の供述とは、全然別個のものであり、各別の証拠となるのであつて、その何れを措信するかは事実審裁判所の自由心証の問題であるから、被告人が原審公判で否認したにもかかわらず、原判決が第一審における自白を証拠としたからとて、固よりこれを違法とすることは出来ない。そして、右自白は原判決挙示のその余の証拠によつて十分裏付けされている。即ち、第一審第二回公判調書中における証人Bの供述記載、司法警察官のCその他に対する各聴取書又はその謄本中の同人等の供述記載は単なる情況証拠に止まるものではなく、直接犯罪事実の証明に役立つものであるし、鑑定人Dの尾形万に対する死体解剖鑑定書中には使用された兇器の種類、被害者の死因等につき判示と照応する記載があり、押収の日本刀の刀身に海水に因つて生じたと認むべき銹が附着していることは原審鑑定人E作成の鑑定書によつて明らかである。従つて、所論憲法第三八条第三項違反の主張は、既にその前提において採用し難いものである。 第三点に対する判断。 論旨は刑訴施行法第三条の二により上告適法の理由とならない。(なお、第一審各公判調書を閲すると、被告人の供述記載中、少くとも原判決認定の犯罪事実に関する部分については別に矛盾撞着を認め得ない。そして、所論自白が他人の身代りとなつて為したものであることを首肯すべき証拠は、原審における被告人の供述を除いては、外に何もない。又、本件起訴事実中、既に第一審が被告人を無罪としたBに対する殺人未遂の点は、必らずしも本件殺人行為と切離しては考へら であることを首肯すべき証拠は、原審における被告人の供述を除いては、外に何もない。又、本件起訴事実中、既に第一審が被告人を無罪としたBに対する殺人未遂の点は、必らずしも本件殺人行為と切離しては考へられない事柄ではない。そして、被告人が水泳も可成り出来ることは原審第三回公判における被告人の供述によつて窺われるし、被告人が海中に飛び込み、争闘したことは、論旨第二点において問題とした各補強証拠でも認められるのであつて、斯かる事実を見聞した者がないという所論は当らない。なお、本件の如き殺傷行為が海中でも不- 2 -可能ではないことは、原審鑑定人F作成の鑑定書によつてたやすく首肯することが出来る。従つて、原判決に所論のような採証法則違背があるということは出来ない。)よつて、刑訴施行法三条の二、刑訴法四〇八条に従つて主文のとおり判決する。 右は裁判官全員一致の意見によるものである。 昭和二六年一一月二〇日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官島保- 3 -

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