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主文 本件控訴を棄却する。理由 検察官の控訴の趣意は記録編綴の広島地方検察庁検察官検事桂正昭名義の控訴趣意書記載のとおりであるから、とこにこれを引用する。これに対する当裁判所の判断は次のとおりである。論旨第一点法令適用の誤りの主張について一、 銃砲刀剣類等所持取締法違反事件の免訴について所論の要旨は、本件公訴事実中「被告人が昭和三七年八月頃肩書自宅において旧陸軍九四式けん銃一挺を所持していた」との点につき、原判決は「現行法である銃砲刀剣類所持等取締法附則第五項により、右事実に適用すべき刑罰法規は銃砲刀剣類等所持取締法第三一条第一号であつて、その定むる懲役刑は長期三年である。よつて、刑訴法第二五〇条第五号により公訴の時効期間は三年であり、本件起訴の日たる昭和四〇年一二月七日以前すでに時効が完成していたことになる。公訴時効に関する規定が手続法規である点を重視すれば、時効期間につき昭和四〇年七月一五日から施行された現行法の法定刑、即ち長期懲役五年を標準とすることになるが、公訴時効の制度はむしろ犯罪の社会的影響の低減を根拠とする実体法的なものと解すべきであるから、行為時法によるべきである。」と説示して被告人に対し免訴の言渡しをした。しかしながら、右附則第五項は単に従前の行為に対する罰則の適用につき刑法第六条の適用を排除し、旧法によるべき旨を規定するに止まり、公訴時効期間についてまでも旧法に定める法定刑によるべき旨を規定したものではない。公訴時効は訴訟法上の制度と認められるから、新法優先適用という一般原則により、起訴当時に施行されている法令によることとなる(殊に本件においては、旧法の法定刑により計算した公訴時効の完成前に法改正が行われている関係になるから尚更である。)というのであ という一般原則により、起訴当時に施行されている法令によることとなる(殊に本件においては、旧法の法定刑により計算した公訴時効の完成前に法改正が行われている関係になるから尚更である。 認められるから、新法優先適用という一般原則により、起訴当時に施行されている法令によることとなる(殊に本件においては、旧法の法定刑により計算した公訴時効の完成前に法改正が行われている関係になるから尚更である。)というのであ という一般原則により、起訴当時に施行されている法令によることとなる(殊に本件においては、旧法の法定刑により計算した公訴時効の完成前に法改正が行われている関係になるから尚更である。)というのである。そこで次のとおり判断する。一件記録によると、所論の如き公訴事実に対し、原審が所論の如き理由を以て被告人に対し免訴の言渡しをしたこと、右公訴にかかる犯罪は証拠上も起訴状記載の如く昭和三七年八月頃犯されたといえること、右事実に対する公訴提起は昭和四〇年一二月七日であることがそれぞれ認められる。銃砲刀剣類所持等取締法は昭和四〇年法律第四七号(昭和四〇年七月一五日より施行)により、その題名が銃砲刀剣類等所持取締法から右の如く改められ、内容が一部改正されたのであるが、その際本件公訴事実である銃砲刀剣類の不法所持に対する罰則は「三年以下の懲役又は五万円以下の罰金」であつたものが、「五年以下の懲役又は二〇万円以下の罰金」に改められた。もつとも、右法律第四七号附則第五項には「この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。」との規定が存する。<要旨>右附則第五項の如き経過規定の趣旨は、法改正後においても、法改正前に行われた違反行為の罰則の適用に</要旨>関する範囲においてはなお改正しないというもの、即ちその限りにおいて旧法は生きているものである。したがつて、前記法改正前である昭和三七年八月頃に犯された本件公訴事実に対する罰則の関係では、改正前の銃砲刀剣類等所持取締法が生きていることになる。刑訴法第二五〇条の公訴時効期間は、当該犯罪事実に適用される刑によつて定まるのであるから、本件公訴事実については、右の如く現に生きておりこれに適用される右改正前の取締法罰則の刑、即ち長期懲役三年によるべきことはいうまでもない。所論は 当該犯罪事実に適用される刑によつて定まるのであるから、本件公訴事実については、右の如く現に生きておりこれに適用される右改正前の取締法罰則の刑、即ち長期懲役三年によるべきことはいうまでもない。所論は、右経過規定は罰則の適用についてのみ旧法によるべきことを定めているものであつて、公訴時効の期間を算定するについてまでその法定刑によるべきことを定めたものでないというけれども、右の如き経過規定により旧法が生きている場合は、何等の法改正のない一般の場合と同じなのであつて、罰則の適用と公訴時効期間の算定とが別々の法律に基礎をおくということはあり得ない。 ち長期懲役三年によるべきことはいうまでもない。所論は、右経過規定は罰則の適用についてのみ旧法によるべきことを定めているものであつて、公訴時効の期間を算定するについてまでその法定刑によるべきことを定めたものでないというけれども、右の如き経過規定により旧法が生きている場合は、何等の法改正のない一般の場合と同じなのであつて、罰則の適用と公訴時効期間の算定とが別々の法律に基礎をおくということはあり得ない。訴訟法規は新法によるという原則が、このような場合にまで及ぶものではない。右の如き経過規定なくして刑の変更があつた場合は、刑法第六条が適用され、ひいては刑訴法に定める公訴時効期間の算定についても刑法第六条に則ることになるかどうかが問題となるところであるが、本件の場合はこれと異なることを知らなくてはならない。所論引用にかかる昭和二九年六月一七日言渡札幌高等裁判所判決は、右の如き経過規定なくして刑の変更があつた場合のものであつて、本件に適切な判例ではない。そうすると、本件の場合刑訴法第二五〇条第五号により公訴時効の期間は三年であり、公訴提起当時には既に公訴時効は完成していたこと明らかである。原判決が免訴理由として説くところは当を得ない点もないことはないけれども、結論において正当である。論旨は理由がない。二、 火薬類取締法違反事件の免訴について所論の要旨は、本件公訴事実中「被告人が昭和三七年八月頃肩書自宅において前記けん銃の実包七発を所持していた」との点につき、原判決は「火薬類取締法第五九条第二号によればその懲役刑は長期一年であるから、公訴時効が完成している。」として被告人に対し免訴の言渡しをし において前記けん銃の実包七発を所持していた」との点につき、原判決は「火薬類取締法第五九条第二号によればその懲役刑は長期一年であるから、公訴時効が完成している。」として被告人に対し免訴の言渡しをした。しかしながら、右は前記銃砲刀剣類所持等取締法違反の罪と科刑上一罪の関係にあるので、後者につき公訴時効が完成しない以上前者につき公訴時効が完成することはない。というのである。そこで次のとおり判断する。一件記録によると、所論の如き公訴事実に対し、原審が所論の如き理由を以て被告人に対し免訴の言渡しをしたこと、右公訴にかかる犯罪は証拠上も起訴状記載の如く昭和三七年八月頃犯されたといえること、右事実に対する公訴提起は昭和四〇年一二月七日であることがそれぞれ認められる。 罪の関係にあるので、後者につき公訴時効が完成しない以上前者につき公訴時効が完成することはない。というのである。そこで次のとおり判断する。一件記録によると、所論の如き公訴事実に対し、原審が所論の如き理由を以て被告人に対し免訴の言渡しをしたこと、右公訴にかかる犯罪は証拠上も起訴状記載の如く昭和三七年八月頃犯されたといえること、右事実に対する公訴提起は昭和四〇年一二月七日であることがそれぞれ認められる。右公訴事実に適用される火薬類取締法第五九条第二号の法定刑は長期懲役一年であるから、それ自体では刑訴法第二五〇条第五号により公訴時効が完成していることになる。そして、前記銃砲刀剣類等所持取締法違反の公訴事実については、既に公訴時効が完成しているととはさきに述べたとおりであるから、右火薬類取締法違反の事実がこれと科刑上一罪の関係にあるとしても、そのことの故に公訴時効が完成していないとはいえない。公訴時効が完成しているとして免訴の言渡しをした原判決は正当である。論旨は理由がない。論旨第二点量刑不当の主張について所論は要するに、原判決の量刑は軽きに失するというのである。有罪認定にかかる原判示事実は、けん銃一挺および同実包八発を所持していたというのであるから、社会治安の上から極めて危険なものということができ、殊に本件においては、これらが暴力団の手に渡されているという点も軽視できない。しかしながら、一件記録によると、被告人は暴力団と交際しているという関係にあったものでもなく 危険なものということができ、殊に本件においては、これらが暴力団の手に渡されているという点も軽視できない。しかしながら、一件記録によると、被告人は暴力団と交際しているという関係にあったものでもなく、平素の生活も殊更不真面目なものとはいえず、殊に本件所為発覚後は、行動を慎んで改悛の情を示していることが明らかである。これまで前科もないことであるし、短期自由刑の弊害などを考慮すると、刑執行猶予の恩典を与えた原審の処置は理解できなくはない。これを破棄してまで重い刑を科す必要はない。論旨は理由がない。よつて刑訴法第三九六条に則り本件控訴を棄却することとし、主文のとおり判決する。(裁判長裁判官高橋英明裁判官福地寿三裁判官竹村寿)
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