平成14(わ)4 競売入札妨害被告

裁判年月日・裁判所
平成14年7月19日 青森地方裁判所
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判決文本文1,745 文字)

(主文)被告人を懲役10月に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 (犯罪事実)被告人は,平成11年4月1日から平成12年3月31日までの間,青森県上北郡a村の建設課長として,同村発注に係る工事の計画の樹立及び実施並びに指名審査会に関する事務等を総括運営する業務を担当していたものであるが,同村村長であったB,同村議会議員であったC,有限会社D1の代表取締役で同村内の土木建築請負業者で構成する建友会の会長であったD及び株式会社F1の取締役で前記建友会の会員であったFの4名と共謀のうえ,平成11年7月15日に同村が施行する村道G線道路改良工事(第1工区)の指名競争入札に関し,同工事を前記株式会社F1に落札させることを企て,同月11日ころ,同村大字b字cd番地e所在の同村役場敷地内において,被告人が前記Dに対して同工事の設計価格(1218万8000円)が約1210万円である旨教示し,Dにおいて,同日ころ,同村大字b字fg番地所在のC方において,同人に対して同価格を告げたうえ,同月12日ころ,同村大字b字hi番地j所在の前記株式会社F1資材置場小屋において,Cが,Fに対して同価格を教示し,同月15日,同村役場において実施された前記入札に際し,同人が同価格で入札して同社に落札させ,もって,偽計を用いて公の入札の公正を害すべき行為をしたものである。 (量刑の理由) 1 本件は,a村の建設課長として,同村発注に係る工事の計画の樹立及び実施並びに指名審査会に関する事務等を総括運営する業務を担当していた被告人が,同村が施行する道路改良工事の指名競争入札に関し,同村村長,同村議会議員及び同村内の土木建設業者で構成する建友会の会員2名と共謀のうえ,予め同工事の設計価格に近似する金額を建友会会員に内報し,同会会員に同価格で る道路改良工事の指名競争入札に関し,同村村長,同村議会議員及び同村内の土木建設業者で構成する建友会の会員2名と共謀のうえ,予め同工事の設計価格に近似する金額を建友会会員に内報し,同会会員に同価格で落札させることにより,公の入札の公正を阻害した事案である。 2 本件犯行は,a村の要職にある被告人が,同村村長,同村議会議員,さらには同村長に協力し支援する見返りとして同村の発注する工事を談合により確実かつ高額で落札するために設けられた団体である建友会の会員らと通謀して,組織的になされたもので,特定の業者との癒着を排し,公正な公共工事の発注を旨とする競争入札制度の趣旨を没却し,a村の財政に多大の損害を与えたもので,甚だ悪質である。 また,被告人は,a村の幹部職員として,公正中立にその職務を遂行すべき職責を有し,部下職員を指導監督すべき立場にありながら,敢えて本件犯行に及んだものであり,同村建設課の職務はもちろん,同村の職務全般に対する村民の信頼を大きく損なった被告人の刑事責任は実に重いといわなければならない。 3 しかしながら,被告人については,a村の職員を統括管理する村長の命を受け,これに従って本件犯行に及んだものであり,村役場職員の一員として,組織の長である村長の指示・命令を拒むことは,著しく困難であること,本件犯行によって,何らの直接的利益も受けていないこと,むしろ,判決の確定により,当然のこととはいえ,懲戒免職処分を受けて退職金の支給も受けられなくなること,再犯の虞れはないこと,談合による弊害の大きさを自覚し,深い反省の情を示していること,前科前歴が全くないこと,30年以上にわたり同村職員として真面目に職務に従事してきたことなど,酌むべき事情も多く認められる。 4 そこで,これらの諸事情を総合考慮して,被告人に対し,主文掲記の刑を科し 前科前歴が全くないこと,30年以上にわたり同村職員として真面目に職務に従事してきたことなど,酌むべき事情も多く認められる。 4 そこで,これらの諸事情を総合考慮して,被告人に対し,主文掲記の刑を科したうえ,その刑の執行を猶予し,社会内で自力更生する機会を与えることとする。 よって,主文のとおり判決する。 (求刑懲役10月)裁判長裁判官山内昭善裁判官結城剛行裁判官吉田静香

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