【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 本件を神奈川簡易裁判所に差戻す。 理 由 被告人両名の弁護人小原栄次の控訴理由は、末尾に添附する控訴趣意書と題する 書面
主文 原判決を破棄する。 本件を神奈川簡易裁判所に差戻す。 理由 被告人両名の弁護人小原栄次の控訴理由は、末尾に添附する控訴趣意書と題する書面に記載するとおりである。 <要旨>ところで、刑法第一八六条第二項に規定する賭場開張罪は、利益を得る目的をもつて、他人をして賭博をさ</要旨>せる場所を開設する行為を以て成る罪であり、その利益を得る目的とは、その賭場において賭博をする者から寺銭又は手数料等の名義で、賭場開設の対価として財産的利得をしようとする意思あることをいうのである。だから、自ら賭博の相手方となり、勝者となることによつて敗者から賭銭の交付を受けて、これを収得することを目的としたというのであつては、如何にその賭場が自己の開設にかかるものであつても、その財産的利得たるや賭場開設の対価としての利益の取得ではないので、これを以て賭場開張罪に問擬するわけにはいかない。ひるがえつて、原判決の判示事実をその挙示する証拠に照合してみるに、被告人Aは自らしんとなり、被告人Bはさくらとなつて賭客を誘致した上、竹竿三本及び台板等を組立て、これに煙草ピースの箱三個を配して、俗に煙草がえしと称するデンスケ賭博の一種をしたというのである。してみれば、賭場そのものの開設が被告人等の所為にかかるものであつても、財産的利得を右賭博行為そのものからしようとする意思のあつたことを容易に認められるだけであつて、右賭場開設の対価としての財産的利得をしようとする意思のあつたものと観ることはできない。従つて、原判示事実に対し、原判示刑法第一八六條第二項の規定を適用して被告人両名を処断した原判決は理由にくいちがいあるものというの外はないので、控訴理由として主張する各論旨に対する判断に待つまでもなく、原判決はおのずから破棄 判示刑法第一八六條第二項の規定を適用して被告人両名を処断した原判決は理由にくいちがいあるものというの外はないので、控訴理由として主張する各論旨に対する判断に待つまでもなく、原判決はおのずから破棄を免れない。 よつて刑訴法第三九七条に則つて原判決を破棄し、同法第四〇〇條末文に従つて、本件を原裁判所に差し戻すこととする。 よつて、主文のごとく判決する。 (裁判長判事中野保雄判事尾後貫莊太郎判事渡辺好人)
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