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平成10(う)1533 強盗殺人等被告

裁判所

平成13年9月11日 東京高等裁判所

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16,158 文字

主文 本件控訴を棄却する。理由 本件控訴の趣意は,弁護人光廣龍夫が提出した控訴趣意書に,これに対する答弁は,検察官石橋基耀が提出した答弁書に,それぞれ記載されているとおりであるから,これらを引用する。第1 事実誤認の論旨についてⅠ 原判決認定の罪となるべき事実の要旨(1) 被告人は,A及びBことCと共謀の上,DことE(当時32歳。)及びFことG(当時33歳。)の両名を殺害して,Eが経営し,Gが店長を務めるSMクラブ「H」及びその系列店店内で同人らが所有又は管理する財物を強取しようと企て,① 平成7年12月21日午前10時30分ころ,前記「H」事務所である東京都品川区内の本件マンション907号室において,被告人及びAが,Gに対し,その頭部を斧やハンマーで殴打し,その胸部をバタフライナイフで突き刺すなどし,その場で同人を胸部刺創による心損傷により死亡させて殺害したが,その財物を強取するには至らなかった。② 同日午後5時過ぎころ,被告人が,Eを電話で前記907号室に呼び出した上,同所において,同人の頭部をハンマーで殴打し,その背部をバタフライナイフで突き刺し,その頸部に紐を巻いて絞めつけ,この間CがEの体を押さえ付けるなどして,その場でEを背部刺創による肺損傷により死亡させて殺害した上,同人所有の現金約20万円在中の財布1個,普通乗用自動車の鍵等を強取した。(2) 被告人は,A及びCと共謀の上,E及びGの各死体を遺棄することを企て,同日,C及び被告人が,布団袋に入れたGの死体を本件マンション907号室から902号室に運び,翌22日,A及び被告人が,布団袋に入れたEの死体を907号室から902号室に運び込み,その後,被告人がIらに各死体の処分を依頼するなどして,C及び被告人のほか4名 907号室から902号室に運び,翌22日,A及び被告人が,布団袋に入れたEの死体を907号室から902号室に運び込み,その後,被告人がIらに各死体の処分を依頼するなどして,C及び被告人のほか4名と順次共謀の上,各死体をコンクリート詰めにした上,平成8年1月21日,茨城県鹿島郡内の海岸まで運搬して,岸壁から海中に投棄し,もって,各死体を遺棄した。 死体の処分を依頼するなどして,C及び被告人のほか4名 907号室から902号室に運び,翌22日,A及び被告人が,布団袋に入れたEの死体を907号室から902号室に運び込み,その後,被告人がIらに各死体の処分を依頼するなどして,C及び被告人のほか4名と順次共謀の上,各死体をコンクリート詰めにした上,平成8年1月21日,茨城県鹿島郡内の海岸まで運搬して,岸壁から海中に投棄し,もって,各死体を遺棄した。(3) 被告人は,J及びKと共謀の上,平成7年12月25日ころ,東京都渋谷区内のE方において,定期預金通帳等在中の耐火金庫1個を窃取した。(4) 被告人は,Iと共謀の上,(3)の窃取にかかるE名義の定期預金通帳等を使用して,預金解約名下に現金等を騙取しようと企て,平成8年1月5日から同月9日までの間に,前後3回にわたり,銀行等に対しE名義の定期預金払戻請求書等を偽造して提出し,現金合計2502万7548円及び額面500万円の小切手3通を騙取した。(5) 被告人は,Aと共謀の上,同年8月29日,A方において,回転弾倉式けん銃1丁をこれに適合する実包23発と共に保管して所持した。Ⅱ 所論と検討所論は,要旨,次のように主張する。ⅰ 前記Ⅰ(1)①掲記の犯行については,被告人に財物奪取の目的はなかったから,単純殺人罪が成立するにとどまり,強盗殺人罪は構成しない。ⅱ 前記Ⅰ(3)掲記の犯行は,Eの死亡時から既に4日経過した後に,殺害場所から離れた場所で行われたから,占有離脱物横領罪が成立するにとどまり,窃盗罪は成立しない。ⅲ 原判決は,被告人に完全責任能力を認めているが,被告人は,本件各犯行当時,心身耗弱の状態にあった。そこで,以下,検討する。1 関係各証拠によれば,以下の事実が認められる。(1) 被害者Eは,平成5年ころから,Dと名乗って,男性客に女性従業員相手にいわゆるSMプレイ 心身耗弱の状態にあった。そこで,以下,検討する。1 関係各証拠によれば,以下の事実が認められる。(1) 被害者Eは,平成5年ころから,Dと名乗って,男性客に女性従業員相手にいわゆるSMプレイをさせるクラブ「H」を経営し,平成7年12月当時には,本件マンションの902,907,602号室などを含む,東京都品川区a所在及び港区b所在のマンション数か所の部屋を賃借して,「H」のほか,「L」「M」などの店名を付けた系列店も抱えてて,手広く営業していた(以下,特に断らない限り,系列店も含めて「H」という。 ) 被害者Eは,平成5年ころから,Dと名乗って,男性客に女性従業員相手にいわゆるSMプレイをさせるクラブ「H」を経営し,平成7年12月当時には,本件マンションの902,907,602号室などを含む,東京都品川区a所在及び港区b所在のマンション数か所の部屋を賃借して,「H」のほか,「L」「M」などの店名を付けた系列店も抱えてて,手広く営業していた(以下,特に断らない限り,系列店も含めて「H」という。)。(2) 被告人は,平成6年10月ころ,新聞の求人広告に応募して,「H」の従業員となり,Nと名乗って働くようになったが,当時は,従業員が少なかったこともあり,同店の経営は,主にEと被告人の二人だけで行っており,Eから,「売上げが伸びたら,それに応じた歩合を付けるし,新店舗ができたらその店を任せる。」などと言われていた。そこで,被告人は,店の売上げを伸ばすための努力を重ね,その結果,従前,月額600万円ないし800万円程度であった店の売上げは,平成6年12月には1000万円を超えるようになったが,Eの前記の約束を履行してもらうことはできなかった。また,平成7年初めころ,被告人は,Eから,「H」の1日の利益が一定の基準額を超えたら日当を5000円増額する旨の約束を得たものの,実際には,余り増額してもらえなかった。そのうち,Eは,被告人を店長に昇格させないまま,同年2月ころ,それまで「H」に客として出入りしていたGを同店の店長として雇い入れ,同人は,Fと名乗って,被告人の上司として働くようになった。その後も,被告人は,Eに対し,再三にわたり,給料の増額等を申し入れたが聞き入れてもらえず,不満を募らせた。被告人は,Eに対するこのよう は,Fと名乗って,被告人の上司として働くようになった。その後も,被告人は,Eに対し,再三にわたり,給料の増額等を申し入れたが聞き入れてもらえず,不満を募らせた。被告人は,Eに対するこのような不満等から,同年8月ころ,同僚従業員であるKらと語らって,強盗に奪われたと偽って,同店の売上金約90万円をくすねたこともあった。(3) また,被告人は,Gに対しても,後から入っていながら自分より地位が上で,高給を得ていることや従業員らに対する態度が悪いこと,女性従業員に,店で禁止されている売春をさせてその客から別料金を取るなどしていたことに強い反発心を抱いていた。 た。被告人は,Eに対するこのような不満等から,同年8月ころ,同僚従業員であるKらと語らって,強盗に奪われたと偽って,同店の売上金約90万円をくすねたこともあった。(3) また,被告人は,Gに対しても,後から入っていながら自分より地位が上で,高給を得ていることや従業員らに対する態度が悪いこと,女性従業員に,店で禁止されている売春をさせてその客から別料金を取るなどしていたことに強い反発心を抱いていた。そして,このようなGの問題行動をEに告げたこともあったが,相手にされなかった。(4) そのような中で,同年8月,被告人と双生児である兄Aが,被告人の勧めで,「H」に従業員として入り,Oと名乗って働くようになり,同年9月ころには,Cが,新聞の求人広告に応募して,「H」でBと名乗って働くようになった。(5) 被告人は,Eの前記のような態度を不満として,同年9月ころ,独立して自らSMクラブを経営したいと考えるようになり,この考えをA,C及びKに持ちかけ,共同してSMクラブを新規開業する構想を話し合うなどしたが,資金の調達が困難であったことや,仮に開業できても,Eの営業妨害に遭うのではないかなどと考え,断念するに至った。そして,同年11月ころ,被告人が,Eに対し,再び,報酬等に関する前記の約束の件を持ち出したところ,同人から「文句があったら辞めてもよい。」旨,冷淡に突っぱねられたため,これまで鬱積していた不満を一気に募らせた。被告人は,以上のように,独立の計画が頓挫したことやEに対し待遇や経営上の不満を募らせたこと,Gに対する反発などから,この上はEとGを殺害して「H」を乗っ取ることを していた不満を一気に募らせた。被告人は,以上のように,独立の計画が頓挫したことやEに対し待遇や経営上の不満を募らせたこと,Gに対する反発などから,この上はEとGを殺害して「H」を乗っ取ることを考えるようになり,間もなくAにこの話を持ちかけた。これに対して,Aも,Gの女性従業員に対する扱いの悪さを見るなどして,同人に悪感情を抱くようになっており,また,被告人から,Eとの間の前記やりとりを聞くにつけ,同人に対しても良い感情を持てなくなっていたこともあり,これに同調した。(6) しかし,被告人は,A共々,比較的小柄であることから,自分たち兄弟だけでは,体格に優り,格闘技の心得のあるEや,巨漢のGを殺害することは困難と考え,同年12月に入ってから,先に独立の話を持ちかけたことのあるCに協力を求め,その応諾を得た。 に悪感情を抱くようになっており,また,被告人から,Eとの間の前記やりとりを聞くにつけ,同人に対しても良い感情を持てなくなっていたこともあり,これに同調した。(6) しかし,被告人は,A共々,比較的小柄であることから,自分たち兄弟だけでは,体格に優り,格闘技の心得のあるEや,巨漢のGを殺害することは困難と考え,同年12月に入ってから,先に独立の話を持ちかけたことのあるCに協力を求め,その応諾を得た。(7) 当初,被告人は,殺害の凶器としてけん銃を使用しようとして,後に死体の遺棄を請け負わせた前記Iに入手のあっせんを依頼したが不調に終わったので,Aと共に,凶器として斧やハンマー,死体遺棄用の布団袋等を買い揃えるなどして準備を整え,実行の機会を窺っていた。(8) 同年12月21日午前10時30分ころ,被告人が,「H」907号室に出向いた際,偶々,遅番の勤務を明けたGが,同室の待合室にあるソファーで熟睡しているのを目にして,この状況で襲えば,Aと二人だけで殺害を実行できると考え,当時,602号室で「H」の系列店「L」の受付をしていたAを呼び寄せて,準備しておいた前掲凶器を持ち出し,最初にAが,横臥しているGの頭部を斧で殴り付け,次いで被告人が,ハンマーで頭部を殴り付け,続けてAが,上半身をバタフライナイフで突き刺し,被告人が,紐で首を締めるなどしてGをその場で殺害した。そして,Aは,一旦602号室に引き上げて,「L」の受付の仕事 人が,ハンマーで頭部を殴り付け,続けてAが,上半身をバタフライナイフで突き刺し,被告人が,紐で首を締めるなどしてGをその場で殺害した。そして,Aは,一旦602号室に引き上げて,「L」の受付の仕事に戻った。(9) 被告人は,同日午前11時30分ころに907号室に出勤してきたCと共に,Gの死体を布団袋に入れて「H」の事務所のある902号室に運び込み,さらに,Aも交えた3人で,同死体を同室のユニットバス内に運び入れた。(10) その後,Aは,再度602号室に戻り,被告人は,Cと共に907号室に引き返し,同人と一緒に,同室内のソファーやカーペット等に付いたG殺害時の血を拭き取るなどの後始末をしたが,被告人は,急にGがいなくなると,Eをはじめ周囲に不審を抱かれることを懸念し,Gを殺害したからには,できるだけ早くEも殺害する必要があると考え,同日中に実行することに決めた。 で,同死体を同室のユニットバス内に運び入れた。(10) その後,Aは,再度602号室に戻り,被告人は,Cと共に907号室に引き返し,同人と一緒に,同室内のソファーやカーペット等に付いたG殺害時の血を拭き取るなどの後始末をしたが,被告人は,急にGがいなくなると,Eをはじめ周囲に不審を抱かれることを懸念し,Gを殺害したからには,できるだけ早くEも殺害する必要があると考え,同日中に実行することに決めた。そこで,Eに電話をかけ,「H」にSM嬢になろうとする可愛い女性が面接に来ているなどと嘘を言って,同人をおびき寄せるとともに,602号室のAに対し,「これからEが来るから,同人の殺害を手伝ってくれ。」とその殺害の実行に加担するよう申し向けたが,Gの殺害で精神的に疲弊しきったAからは「勘弁してくれ。」などと言われたため,Cと二人だけでE殺害を実行することを決意した。そして,被告人は,Cの面前でハンマーの素振りをするなど,犯行の予行演習をしながら,Eの到着を待ち,同日午後5時ころ907号室にやって来たEを,面接に来た女性が奥の待合室にいるように装っておびき入れ,被告人がその背後から後頭部をハンマーで殴り付け,CがもがくEの身体を押さえ付ける間に,更に被告人がバタフライナイフで多数回背中を突き刺し,紐で頸部を絞め,最後に斧で殴るなどの攻撃を加えて同人をその場で殺害した上,同人所携の2 ンマーで殴り付け,CがもがくEの身体を押さえ付ける間に,更に被告人がバタフライナイフで多数回背中を突き刺し,紐で頸部を絞め,最後に斧で殴るなどの攻撃を加えて同人をその場で殺害した上,同人所携の20万円在中の財布,乗用車の鍵,同人の居宅マンションの鍵などを奪った。(11) 被告人は,E殺害後,その後始末ができないうちに907号室に「H」の顧客が来店することを懸念して,Aに対し,一時閉店の張り紙を出しておくように指示した。被告人は,その後,907号室の犯跡を消すため掃除などをし,翌朝,Aと共にEの死体を902号室に運び込んだ。(12) 被告人らは,907号室での営業を翌22日だけ休むこととし,その他の部屋での営業は,そのまま平常どおり行い,いずれも「H」の従前の備品類や従業員をほとんどそのまま使って,平成8年8月下旬に被告人らが逮捕されるまで経営を続けた。(13) 被告人は,Eが「H」の経営に関わっていた痕跡をなくして犯跡を隠蔽しようと考えて,同年12月24日深夜,東京都渋谷区内のマンションのEの住居に,同人殺害時に奪った鍵を使って入り込み,H関係の書類等を運び出し,さらに,翌25日,死体遺棄を依頼したIらに報酬として支払う資金を得るため,同所を物色して耐火金庫を発見したが,重過ぎて運び出せずに一旦引き上げ,同日午後9時ころ,「H」の従業員のJに依頼して,同金庫を運び出させた。 の経営に関わっていた痕跡をなくして犯跡を隠蔽しようと考えて,同年12月24日深夜,東京都渋谷区内のマンションのEの住居に,同人殺害時に奪った鍵を使って入り込み,H関係の書類等を運び出し,さらに,翌25日,死体遺棄を依頼したIらに報酬として支払う資金を得るため,同所を物色して耐火金庫を発見したが,重過ぎて運び出せずに一旦引き上げ,同日午後9時ころ,「H」の従業員のJに依頼して,同金庫を運び出させた。被告人は,この金庫を本件マンション707号室で破壊して,在中の本件定期預金通帳等を取り出し,以後,これらを使用して,銀行等から3回にわたり,現金合計2502万7548円及び額面500万円の小切手3通を騙取した。以上の事実が明らかであり,これらの事実については,被告人も基本的に争っていない。2 所論についてⅰ 強盗殺人の財物奪取目的について所論は,被告人が び額面500万円の小切手3通を騙取した。以上の事実が明らかであり,これらの事実については,被告人も基本的に争っていない。2 所論についてⅰ 強盗殺人の財物奪取目的について所論は,被告人がGを殺害したのは,同人に対する怒りと嫉妬心や,「H」の経営を乗っ取るためであって,財物を強取する意図はなかったと主張する。そこで按ずるに,前記1掲記の認定事実によれば,E及びGを殺害するについて,被告人らの主たる目的は,Eの経営する「H」の乗っ取りにあったことは明らかであるところ,これは,E,Gの両名を殺害して,同店の名称や顧客,従業員等を引き継ぐことはもちろんのこと,それだけではなく,同店の営業用備品,保管金等も利用しようとしたと見るのが自然かつ合理的であって,現に,被告人らは,殺害の犯行後,引き続きこれらの金品をそのまま自分たちのもののように使って「H」を営業していたのである。したがって,両名を殺害して「H」を乗っ取ろうと謀議する段階において,被告人らには,EやGの所有ないし管理に関わる店の備品や保管金等を奪取する意図があったものと認められる。また,盛業中の「H」を乗っ取るという経済的利得を目的にE,Gの両名を殺害しようとした被告人らが,殺害時に,個人の携帯所持する金銭等をあえて強取の対象から除外するような特段の事情やその意思の表れは何ら見当たらないのであり,しかも,被告人は,当審公判において,犯行の計画段階で,Eの個人財産も奪うことを予め考えていた旨供述しているのであって,現に,G殺害の約6時間半後に行われたE殺害の際には,同人の所持していた現金約20万円在中の財布,乗用車の鍵,マンション居室の鍵を同人から奪取しているのである。 殺害時に,個人の携帯所持する金銭等をあえて強取の対象から除外するような特段の事情やその意思の表れは何ら見当たらないのであり,しかも,被告人は,当審公判において,犯行の計画段階で,Eの個人財産も奪うことを予め考えていた旨供述しているのであって,現に,G殺害の約6時間半後に行われたE殺害の際には,同人の所持していた現金約20万円在中の財布,乗用車の鍵,マンション居室の鍵を同人から奪取しているのである。このようないきさつに照らしても,被告人には,G,E殺害時に,同人らが金品を携帯所持していた場合には,これをも 現金約20万円在中の財布,乗用車の鍵,マンション居室の鍵を同人から奪取しているのである。このようないきさつに照らしても,被告人には,G,E殺害時に,同人らが金品を携帯所持していた場合には,これをも奪う意図があったと認めて誤りない。以上によれば,被告人には,EだけでなくGについても,原判示のとおり,店内で同人が所有ないし管理する金品を,その身に付けているものも含め,奪取する目的があったと認めるのが相当であって,原判決に事実の誤認は認められない。ⅱ Eの居室における窃盗について所論は,被告人がE名義の定期預金通帳等在中の耐火金庫を同人の居室で取得した時点では,その所有者であるEは既に死亡しており,他に占有者も存在しなかったのであるから,占有離脱物横領罪が成立するにとどまり,窃盗罪は成立しない旨主張する。検討するに,前記認定のとおり,被告人は,平成7年12月21日午後5時過ぎ,東京都品川区a所在の本件マンション907号室内でEを殺害後,同人が「H」に関わっていた痕跡をなくして,犯跡を隠蔽しようと考えて,殺害から3日目の同月24日深夜,都内渋谷区cd丁目e番f号所在のg106号室のEの居室に殺害時に奪った居室ドアの鍵を使って入り込み,物色して「H」関係の書類等を運び出し,翌25日には,前記居室内を物色して本件金庫を発見し,同日午後9時ころ,共犯者に指示して同所からこの金庫を運び出している。このように,被告人は,新たな犯意に基づいて,E殺害から3日目に,共犯者と共謀の上,品川区内の殺害場所から直線距離で数キロメートルの渋谷区内のEの居室のドアを,同人から奪った鍵で開けて入り込み,前記書類を持ち出し,その翌日には本件金庫を持ち出したものである。当時,Eは,前記居室に独りで生活していたのであり,その内部は,被告人が入り込んで物色する ろ,共犯者に指示して同所からこの金庫を運び出している。このように,被告人は,新たな犯意に基づいて,E殺害から3日目に,共犯者と共謀の上,品川区内の殺害場所から直線距離で数キロメートルの渋谷区内のEの居室のドアを,同人から奪った鍵で開けて入り込み,前記書類を持ち出し,その翌日には本件金庫を持ち出したものである。当時,Eは,前記居室に独りで生活していたのであり,その内部は,被告人が入り込んで物色する を,同人から奪った鍵で開けて入り込み,前記書類を持ち出し,その翌日には本件金庫を持ち出したものである。当時,Eは,前記居室に独りで生活していたのであり,その内部は,被告人が入り込んで物色するまで,生前とほとんど変わりのない状態にあったこと,被告人は,Eを殺害して奪取した鍵を用いてその居室内に入り込み,本件金庫を持ち出したこと,Eの殺害行為と金庫の持ち出し行為の時間的,場所的懸隔が前記の程度に止まることなどの事情にかんがみると,本件金庫の持ち出し当時,Eの居室内の財物は,未だその占有下にあるものとして,刑法上保護されるべきであり,したがって,その持ち出し行為は,原判決認定のとおり,窃盗罪を構成すると解するのが相当である。ⅲ 責任能力について所論は,被告人は,頭部に形態的異常があり,子供のころ父親から受けた虐待,母と祖母による過保護等の家庭環境の影響などから,境界性人格障害,解離性障害等の精神障害を持つに至り,本件各犯行当時は,精神的に躁状態にあり,心神耗弱の状態にあった旨主張する。そこで,検討する。被告人の本件各犯行に至る経緯は,前記のとおり,「H」の従業員であった被告人の独立計画の挫折や経営者Eに対する待遇上の不満,店長Gに対する反感などを背景に,「H」の経営乗っ取りを企て,そのために被害者両名を殺害したというものであって,犯意形成の過程にはそれなりの合理性が認められ,十分に理解可能なものである。そして,犯行とその前後の被告人の具体的行動について検討するに,①準備段階においては,Aと共に,適当な凶器を吟味・選択し,あらかじめ死体遺棄に用いる布団袋等も準備するなど,周到かつ合理的な行動を積み重ね,②犯行時においても,G殺害時には,仮眠中の同人を目の前にして,何度も斧を振り上げては躊躇し,結局,Aに代わってもらったいきさ 体遺棄に用いる布団袋等も準備するなど,周到かつ合理的な行動を積み重ね,②犯行時においても,G殺害時には,仮眠中の同人を目の前にして,何度も斧を振り上げては躊躇し,結局,Aに代わってもらったいきさつがあり,また,その後のGに対する攻撃態様もそれなりに合理的なもので,行動に破綻はなく,③Gを殺害した以上は,犯行発覚を防ぐ必要から,その日のうちにEも殺害することを決め,これに用いる凶器は,既にG殺害時に使用して血液が付着し,滑り易くなっていたため,洗浄するなどして,冷静に準備を整え,④その後,前記のとおり,Eに対し,可愛い女性がSM嬢の採用面接に来ているなどと,言葉巧みに欺いて,入口には,来訪した女性のものに見立てて女物の靴を置いておくなど,周到に偽装工作を施して,Eをおびき寄せ,⑤また,G殺害時には,同人が仮眠中であったため斧を用いたのに対し,おびき寄せたEに対しては,攻撃を仕掛けるに当たって,斧に比して目立ち難いハンマーとナイフを用いることにするなど,凶器の使い分けを行い,⑥E殺害後,遅番の従業員が来る時間が近付いていることに気付くと,その従業員に電話して,出勤を差し止め,室内の犯跡を隠蔽するために,部屋の掃除を入念に行い,⑦顧客が907号室を訪れることを懸念して,Aに対し,同室の入口に,本日閉店の張り紙を出すように指示するなどしていることが,関係証拠により認められる。 けるに当たって,斧に比して目立ち難いハンマーとナイフを用いることにするなど,凶器の使い分けを行い,⑥E殺害後,遅番の従業員が来る時間が近付いていることに気付くと,その従業員に電話して,出勤を差し止め,室内の犯跡を隠蔽するために,部屋の掃除を入念に行い,⑦顧客が907号室を訪れることを懸念して,Aに対し,同室の入口に,本日閉店の張り紙を出すように指示するなどしていることが,関係証拠により認められる。このようにE,Gを殺害した当時の被告人の行動は,その前後も含め,いずれも目的に適った合理的なもので,意識に混濁は認められず,事態の記憶も清明である。そして,その後,被害者両名の死体の処理をIに依頼し,共犯者にE方で窃盗を行わせ,窃取した定期預金通帳等を用いて,Eの預金等を引き出させ,けん銃等を購入して保管するなどした経緯についても,その動機,行動において,およそ不可解 の死体の処理をIに依頼し,共犯者にE方で窃盗を行わせ,窃取した定期預金通帳等を用いて,Eの預金等を引き出させ,けん銃等を購入して保管するなどした経緯についても,その動機,行動において,およそ不可解な点は見られず,その経過についても,被告人は詳細に記憶し,これを供述している。所論は,父親からしばしば体罰を伴う厳しい扱いを受けたことなどによる精神障害を主張するが,被告人の当審における供述等によっても,父親からの体罰等は,これが直ちに精神の病的な異常につながるようなものとは考え難い上,被告人は,精神疾患の診断歴もなく(なお,親族にも精神病罹患者は見当たらない。),被告人の本件当時までの経歴に特段精神的異常性を窺われる点もないのであって,被告人に重い精神障害等の徴候は認められない。以上によれば,被告人は,本件各犯行当時,行為の是非を弁別し,これに従って行動する能力が著しく減弱してはいなかったことが明らかであり,被告人に完全責任能力を認めた原判決に事実の誤認はない。その他,所論に照らし,関係証拠を子細に検討しても,原判決に所論指摘の事実の誤認は認められない。論旨は理由がない。第2 量刑不当の論旨について論旨は,要するに,被告人を死刑に処した原判決の量刑は,重過ぎて不当である,というのである。そこで,検討する。1 本件犯行の内容は,前記第1のⅠ掲記のとおりであるが,被告人は,昭和45年9月に,山口県下松市において,兄Aと共に一卵性双生児として出生し,地元の高校を卒業し,在京の私立大学商学部に進学したが,間もなく中途退学して,インテリアデザイン関係の専門学校に入り,同校を平成4年3月に卒業後,平成5年1月に,更に勉強を続けるため,米国に留学したものの,犯罪に加担するなどして志を遂げることができず,平成6年9月ころ帰国した。 は,前記第1のⅠ掲記のとおりであるが,被告人は,昭和45年9月に,山口県下松市において,兄Aと共に一卵性双生児として出生し,地元の高校を卒業し,在京の私立大学商学部に進学したが,間もなく中途退学して,インテリアデザイン関係の専門学校に入り,同校を平成4年3月に卒業後,平成5年1月に,更に勉強を続けるため,米国に留学したものの,犯罪に加担するなどして志を遂げることができず,平成6年9月ころ帰国した。そ アデザイン関係の専門学校に入り,同校を平成4年3月に卒業後,平成5年1月に,更に勉強を続けるため,米国に留学したものの,犯罪に加担するなどして志を遂げることができず,平成6年9月ころ帰国した。その後,同年10月に,新聞の求人広告に応募して,「H」で働くことになり,その後,前記第1のⅡの1掲記の経緯で,本件各犯行に及んだものである。2 被告人らは,本件強殺の犯行の数週間前から,E,G両名の殺害計画を練り,当初は,凶器にけん銃を使用しようとして前記Iと交渉したが,入手できなかったため,鈍器を用いることにして,その種類や大きさを吟味・検討してハンマーや斧を買い揃え,死体運搬用の布団袋,ビニールシート,ガムテープ,手袋なども購入するなど,事前に,周到な準備を遂げている(なお,けん銃は,強殺の犯行前には入手できなかったが,結局,前記(1)ないし(4)の犯行後に,Iから適合実包と共に購入することになり,これらをAと共謀して,同人宅に保管させておいた。これが前記(5)の犯行である。)。そして,本件殺害の当日,偶々907号室で仮眠しているGを見た被告人は,殺害の好機と判断し,Aを別室から呼び寄せ,Aが斧の峰で,被告人がハンマーで,ソファーに横臥しているGの頭部をそれぞれ強打し,Aがバタフライナイフでその胸部を刺して心臓に達する傷を含む多数の刺創を負わせ,さらに,被告人が紐をその頸部に巻いて強く絞め付けるなど,残忍な攻撃を執拗に加えて殺害し,更に,被告人は,Eもその日のうちに殺害する必要があると決意し,同人を907号室におびき寄せた上,背後から,いきなりハンマーでその頭部を強打し,Cが身体を押さえ付けている間に,更にハンマーで頭部を激しく殴り付け,バタフライナイフで同人の前胸部及び背部を数十回突き刺し,その頸部に紐を巻いて絞め付け,最後のとどめに,斧 マーでその頭部を強打し,Cが身体を押さえ付けている間に,更にハンマーで頭部を激しく殴り付け,バタフライナイフで同人の前胸部及び背部を数十回突き刺し,その頸部に紐を巻いて絞め付け,最後のとどめに,斧の峰でその頭部を強打するなど,Gに対するのと同様,誠に残忍な攻撃を執拗に加えて殺害した上,同人が所持していた現金約20万円在中の財布のほか,Eのマンション居宅の鍵等を強取したものである。 後のとどめに,斧 マーでその頭部を強打し,Cが身体を押さえ付けている間に,更にハンマーで頭部を激しく殴り付け,バタフライナイフで同人の前胸部及び背部を数十回突き刺し,その頸部に紐を巻いて絞め付け,最後のとどめに,斧の峰でその頭部を強打するなど,Gに対するのと同様,誠に残忍な攻撃を執拗に加えて殺害した上,同人が所持していた現金約20万円在中の財布のほか,Eのマンション居宅の鍵等を強取したものである。その後,被告人らは,被害者両名の死体を,一旦,本件マンション内に隠した後,被告人が,Iらに交渉して,金品総額1000万円相当の報酬を支払って遺棄の処理を委ね,コンクリート詰めにして,茨城県内の海中に沈めている。また,被告人は,E殺害時に奪った同人の居宅の鍵を使って,そこから金庫を窃取し,在中の預金通帳を用いて,銀行等から,前後3回にわたり現金合計2502万7548円及び額面500万円の小切手3通を騙取し,前記Iらへの報酬支払いの資金はこれから捻出している。そして,被告人らは,Eは税務署の査察を逃れて国外へ逃亡し,Gは店の金を持ち逃げして,いずれも行方が分からないなどと周囲に言い繕い,当初の計画どおり「H」をそっくり乗っ取り,本件が発覚する平成8年8月までの間,平然として営業を続け,これにより多額の収益を上げていたのである。3 以上のように,本件は,周到に計画された,極めて残忍かつ冷酷非道な犯行であり,結果も誠に重大である。都心のマンションの1室で,このような凄惨な犯行が行われ,死体は運び出されてコンクリート詰めにされ,無惨にも海中に遺棄された事件として,広く報道され,周辺の居住者,事務所,商店等の従業者や利用者などに大きな不安を与え,社会に強い衝撃をもたらしたことも軽視できない。被告人は,前記第1のⅡの1(2)(3)に見るように,E,Gの両名に対 報道され,周辺の居住者,事務所,商店等の従業者や利用者などに大きな不安を与え,社会に強い衝撃をもたらしたことも軽視できない。被告人は,前記第1のⅡの1(2)(3)に見るように,E,Gの両名に対して不満と反感を抱いていたのであり,被告人の立場で考えると,その心情も理解できないではない。しかしながら,この両名を亡き者にして,「H」を乗っ取ろうとした本件強殺の犯行は,余りに身勝手というべきであって,その動機は,つまるところ財産的欲望の達成にあったのであり,目的のためには手段を選ばない本件犯行に,酌量の余地は全くないといわなければならない。 第1のⅡの1(2)(3)に見るように,E,Gの両名に対して不満と反感を抱いていたのであり,被告人の立場で考えると,その心情も理解できないではない。しかしながら,この両名を亡き者にして,「H」を乗っ取ろうとした本件強殺の犯行は,余りに身勝手というべきであって,その動機は,つまるところ財産的欲望の達成にあったのであり,目的のためには手段を選ばない本件犯行に,酌量の余地は全くないといわなければならない。4 Eは,都内の有名私大の経済学部を卒業後,大手不動産会社に就職した後,転職を繰り返し,本件当時はSMクラブを経営していたが,事件の直前ころには,これを他に譲って手を引く考えを周囲に漏らしており,同人の年齢,経歴からすれば,まともな職業に就いても活躍できる可能性は,十分にあったものと考えられ,Gは,関西の有名私大の経済学部を卒業後,東京都内の広告会社に勤務し,家業の会社を継ぐ予定で,平成6年12月に退職したが,平成7年初頭の阪神大震災で実家が大きな損害を受けたため,その予定を一時変えて,本件SMクラブで働いていたもので,間もなく実家に戻ることになっていた。このように,被害者両名がそれぞれ大学を出て普通の就職をしていながら,なぜ自ら裏稼業に入ったのか,その理由は詳らかではないが,近々に足を洗うつもりであり,前途に大きな希望を抱いていたと察せられるところ,いずれも三十代前半の若さで,予想だにせぬ本件凶行に遭い,事態ものみ込めないまま,苦悶のうちに非業の死を遂げたのであり,盛業していた「H」は,理不尽にも被告人らに乗っ取られた上,両名は,コンクリート詰めにされて海中に投棄され,半年以上経って,変わり果てた姿で ものみ込めないまま,苦悶のうちに非業の死を遂げたのであり,盛業していた「H」は,理不尽にも被告人らに乗っ取られた上,両名は,コンクリート詰めにされて海中に投棄され,半年以上経って,変わり果てた姿で引き上げられたのであって,その受けた苦痛や恐怖,無念の思いは察するに余りある。また,被害者らの両親同胞等遺族の悲嘆は大きく,当然のことながら被告人らに対する感情には極めて厳しいものがある。5 被告人は,これまでの検討の結果から明らかなように,本件各犯行全てについて,冷静に事態に対処し,共犯者らに対して終始主導的な立場にあったと認められる。この点につき,被告人は,当審において従前の供述を翻し,Aとの関係では自分が主導していたわけではなく,同人とは対等の立場であった旨,その上申書及び公判供述で主張するが,①本件犯行計画を最初に考え,Aに提案したのは被告人であること,②被告人が当初凶器としてけん銃を用いることを考え,これを調達しようとしたが叶わず,これに代えて,Aに指示して斧,ハンマーなどを準備させたこと,③被告人とAの二人でG殺害後,Aは精神的にショックを受けて,E殺害の実行には加わらなかったが,被告人はCを手伝わせて,E殺害の実行行為も主導し,完遂させていること,④被害者両名の死体遺棄については,被告人が独りでIらと交渉して,これを請け負わしたこと,⑤その後,被告人は,Aを関与させずに,Eの居室から預金通帳など在中の金庫を盗みだし預金を引き出すなどしており,⑥乗っ取り後の「H」の経営の実権も,被告人が独りで掌握していたことなどの事実に照らして,本件各犯行は,被告人が首謀者として敢行したものであり,Aと対等の関係にはなかったことが明らかである。 せていること,④被害者両名の死体遺棄については,被告人が独りでIらと交渉して,これを請け負わしたこと,⑤その後,被告人は,Aを関与させずに,Eの居室から預金通帳など在中の金庫を盗みだし預金を引き出すなどしており,⑥乗っ取り後の「H」の経営の実権も,被告人が独りで掌握していたことなどの事実に照らして,本件各犯行は,被告人が首謀者として敢行したものであり,Aと対等の関係にはなかったことが明らかである。被告人の当審における前記の言い分は,容れることができない。被告人が,率先して計画を押し進め,共犯者を 行は,被告人が首謀者として敢行したものであり,Aと対等の関係にはなかったことが明らかである。被告人の当審における前記の言い分は,容れることができない。被告人が,率先して計画を押し進め,共犯者を指示して被害者両名の殺害と死体遺棄,「H」の乗っ取りを完遂したことは,先にみたとおりであって,その冷酷な所業には戦慄を禁じ得ない。以上の次第で,被告人の刑事責任は,重大極まりないというべきである。これは,Eが「H」で多大な収益をあげるのを見るにつけ,従業員であることに満足できなくなり,欲望の赴くままに行動した結果であるが,事件発覚後は,各犯行を大筋で認めて反省し,遺族に対し謝罪文を書き送り,被告人の母親も謝罪のために遺族らのもとを度々訪れていること,逮捕された当時に保有していた5040万円(その大半は,乗っ取り後の「H」の営業収益と見られる。)を遺族側に引き渡し,さらに,当審段階において,母親が金策をして,Aの弁護人が開設した遺族のための預り口座に,各被害者当たり800万円ずつを入金したこと,被告人は,本件犯行時25歳と若年であり,前科がないこと,社会貢献の方途として臓器提供の意思表示を行ったことなど,被告人のために酌むべき事情も認められる。しかしながら,これまで検討した本件の罪質,動機,犯行態様,事後の行動,社会への影響,遺族の心情などの諸事情にかんがみると,本件における被告人の刑事責任は余りにも重大であり,被告人のために斟酌すべき叙上の事情を考慮し,死刑は究極の刑罰であって,真にやむを得ない場合にのみこれを選択すべきことを念頭に熟慮し,検討を重ねても,被告人を死刑に処した原判決の量刑が重過ぎて不当であるとは認められない。論旨は理由がない。よって,刑訴法396条により本件控訴を棄却することとし,当審における訴訟費用を被告人に どの諸事情にかんがみると,本件における被告人の刑事責任は余りにも重大であり,被告人のために斟酌すべき叙上の事情を考慮し,死刑は究極の刑罰であって,真にやむを得ない場合にのみこれを選択すべきことを念頭に熟慮し,検討を重ねても,被告人を死刑に処した原判決の量刑が重過ぎて不当であるとは認められない。論旨は理由がない。よって,刑訴法396条により本件控訴を棄却することとし,当審における訴訟費用を被告人に を重ねても,被告人を死刑に処した原判決の量刑が重過ぎて不当であるとは認められない。論旨は理由がない。よって,刑訴法396条により本件控訴を棄却することとし,当審における訴訟費用を被告人に負担させないことにつき同法181条1項ただし書を適用して,主文のとおり判決する。平成13年9月11日東京高等裁判所第4刑事部裁判長裁判官高木俊夫裁判官高麗邦彦裁判官芦澤政治

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