令和7(行ケ)10051 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和8年1月22日 知的財産高等裁判所 1部 判決 請求棄却
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令和8年1月22日判決言渡令和7年(行ケ)第10051号審決取消請求事件口頭弁論終結日令和7年12月8日判決 原告興和株式会社 同訴訟代理人弁理士中嶋俊夫高野登志雄中嶋真也 被告東亜薬品株式会社 同訴訟代理人弁護士古城春実牧野知彦 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 特許庁が無効2023-800004号事件について令和7年4月8日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要本件は、特許権者である原告が、特許を無効とした審決の取消しを求める事案である。争点は、進歩性に関する判断の誤りである。 1 特許庁における手続の経緯等(当事者間に争いがないか、又は当裁判所に顕 著な事実)⑴ 原告は、平成27年9月25日、発明の名称を「医薬品」とする発明について、特許出願(特願2016-550377号。出願日:平成27年9月25日、優先権主張日:平成26年9月25日(以下「本件優先日」という。)、優先権主張国:日本)をし、平成29年11月2日、特許権の設定登録(特 許第6236167号。請求項の数4。以下、この特許を「本件特許」という。)を受けた。 ⑵ 被告は、令和5年1月13日、本件特許につき、無効審判 し、平成29年11月2日、特許権の設定登録(特 許第6236167号。請求項の数4。以下、この特許を「本件特許」という。)を受けた。 ⑵ 被告は、令和5年1月13日、本件特許につき、無効審判を請求した(無効2023-800004号)。 原告は、令和6年8月5日、同事件において、本件特許の特許請求の範囲 を訂正する旨の訂正(以下「本件訂正」という。)を請求した(訂正後の請求項の数4)。 特許庁は、令和7年4月8日、本件訂正を認めた上で、「特許第6236167号の請求項1~4に係る発明についての特許を無効とする。」との審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同月23日、原告に送達さ れた。 ⑶ 原告は、同年5月22日、本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。 2 特許請求の範囲及び本件明細書の記載本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1から4までの記載は、以下のとおりであり(以下、本件訂正後の請求項1から4までに係る発明を請求項の番号に 応じて「本件訂正発明1」等といい、これらを併せて「本件各訂正発明」という。甲64)、本件特許に係る明細書(以下「本件明細書」という。)の記載は、別紙(本件特許に係る特許公報。甲80)に記載のとおりである。 【請求項1】リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物が、 ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン 系樹脂製容器に収容されてなり、水性組成物中のリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の含有量が、水性組成物100mL当たりフリー体として0.4gであり、容器が、点眼剤用容器である、医薬製剤。 【請求項2】水性組成物のpHが4~9であり、ポリオレフィン系樹 はそれらの溶媒和物の含有量が、水性組成物100mL当たりフリー体として0.4gであり、容器が、点眼剤用容器である、医薬製剤。 【請求項2】水性組成物のpHが4~9であり、ポリオレフィン系樹脂製容器がポリエ チレン製容器である、請求項1記載の医薬製剤。 【請求項3】リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有し、水性組成物中のリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の含有量が、水性組成物100mL当たりフリー体として0.4gである水性組成物を、ポリエチレ ン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン系樹脂製容器に収容する工程を含む、水性組成物の変色の抑制方法。 【請求項4】容器が、点眼剤用容器であり、60℃で3ヶ月間保存したときに色差計(分光測色計CM-700d:コニカミノルタセンシング(株))で測定した保存前 後の色差(ΔYI)を5未満とする、請求項3記載の方法。 3 本件審決の理由の要旨上記審判手続において主張された無効理由のうち、無効理由1(甲2を主引用例とする進歩性欠如)についての判断の要旨は、次のとおりである。 ⑴ 甲2に記載された発明 本件優先日前に頒布された刊行物である甲2(CurrentEyeResearch,2014年,Vol.39,No.8,pp.813-822)には、次の発明が記載されていると認められる。 ア下記の構造式で表されるK-115を含有する局所点眼液(以下「甲2発明1」という。)。 イ下記の構造式で表されるK-115を、K-115点眼薬のビヒクルに溶解させる工程からなる、K-115を含有する局所点眼液製造方法(以下「甲2発明2」という。)。 イ下記の構造式で表されるK-115を、K-115点眼薬のビヒクルに溶解させる工程からなる、K-115を含有する局所点眼液製造方法(以下「甲2発明2」という。)。 ⑵ 本件訂正発明1についてア本件訂正発明1と甲2発明1との一致点・相違点(一致点)リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する組成物。 (相違点1) 本件訂正発明1は、組成物が「水性組成物」であるのに対し、甲2発明1では、対応する事項が特定されていない点。 (相違点2)本件訂正発明1は、組成物が「ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン系樹脂製容器に収容されてなり」、「容器が、点眼剤用容器である、医薬製剤」であるのに対し、甲2発明1では、対応する事項が特定されていない点。 (相違点3)本件訂正発明1は、組成物中の「リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の含有量」が、組成物「100mL当たりフリー体として0. 4g」であるのに対し、甲2発明1では、対応する事項が特定されていない点。 イ相違点1について甲2には、様々な濃度のK-115を組換えROCKという酵素とともにTris-HCl緩衝液(pH7.5)中でインキュベートすることによって、組換えROCKに対する50%阻害濃度(IC50)を決定したこと、K-115が選択的かつ強力なROCK阻害剤であって、動物実験に おいて眼圧を低下させる効果が確認されたことが記載されている。ここで、Tris-HCl緩衝液(pH7.5)は、トリスヒドロキシメチルアミノメタンと塩酸を含む水性組成物であって、当該分野において生体分子を て眼圧を低下させる効果が確認されたことが記載されている。ここで、Tris-HCl緩衝液(pH7.5)は、トリスヒドロキシメチルアミノメタンと塩酸を含む水性組成物であって、当該分野において生体分子を用いる実験においてよく用いられる緩衝液であることは、当業者に明らかな技術的事項である。そうすると、甲2に接した当業者は、甲2に記載さ れたK-115は水性組成物となりうるもので、水性組成物中にあることでROCK阻害活性(眼圧低下効果)を発揮する化合物であると理解する。 他方、甲2にはK-115を含む組成物が油性組成物であることは記載されておらず、K-115を含む組成物を油性組成物とすることが技術常識であったという事情も見当たらない。 したがって、甲2に記載されたK-115を含む組成物は、動物実験で 用いられた組成物も含めて、いずれも水性組成物であると解することが相当であるから、相違点1は、実質的な相違点ではない。 相違点1が実質的な相違点であるとしても、甲2には、K-115が水性組成物中でROCK阻害活性を示すことが記載されているから、当業者は、相違点1に係る本件訂正発明1の構成に容易に到達し得た。 ウ相違点2について抗緑内障薬の点眼薬としての使用が予定されるリパスジル(甲2)について、これを有効成分とする点眼薬という製剤として薬事承認を受けるためには、容器の材質等を特定して安定性試験を行う必要のあることは当業者の技術常識であるから、当業者には、そのような点眼剤用容器を選択し ようとする動機付けがある。 そして、本件優先日当時において、医薬品を収容できる容器の材質として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、 そのような点眼剤用容器を選択し ようとする動機付けがある。 そして、本件優先日当時において、医薬品を収容できる容器の材質として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)といった種々のものが知られていたところ(甲4~6、8、9)、リパスジルを有効成分とする点眼薬の容器として、 ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)といったポリオレフィン系樹脂製容器を用いることを妨げる特段の事情は見当たらない。 そうすると、当業者は、甲2発明1において、リパスジルを有効成分とする点眼薬に用いる容器の材質として、種々の材質を検討し、周知の材質であるポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)を選択して、相違 点2に係る本件訂正発明1の構成に容易に到達し得た。 エ相違点3について点眼剤における有効成分の濃度は、所望の効果を奏することが期待できる範囲において当業者が設定する設計事項であるところ、一般に、ヒトに適用することを前提とする点眼液を調製するに当たり、ウサギやサルの用 量に基づいて、有効成分の濃度を設計することは、当業者に自明の技術的 事項である。そうすると、K-115が用量依存的に眼圧(IOP)を低下させるという甲2記載の知見に接した当業者は、ヒトにおける眼圧低下作用の向上を期待して、ウサギやサルの用量に基づいて、眼圧低下作用が期待される濃度を設計しようとするのが自然であるから、甲2に開示されたリパスジルの濃度に基づいて、相違点3に係る本件訂正発明1の構成に 容易に到達し得た。 オ効果について本件明細書の試験例1には、ポリエチレン(PE)製容器又はポリプロピレン(PP)製容 の濃度に基づいて、相違点3に係る本件訂正発明1の構成に 容易に到達し得た。 オ効果について本件明細書の試験例1には、ポリエチレン(PE)製容器又はポリプロピレン(PP)製容器を用いた場合には、ポリ塩化ビニル(PVC)製容器を用いた場合と比較して、高温で長期間保存した場合でも相対的に変色 が生じ難いこと、すなわち、変色の点で保存安定性に優れることが記載されている。しかし、保存条件を「60℃で3ヶ月間」としたことの技術的な理由も、「色差(ΔYI)」の値を「5以上のものを×」、「5未満のものを○」と評価したことの技術的な理由も記載されていない。 リパスジルを有効成分とする点眼薬という製剤として薬事承認を受け るためには、当業者は容器の材質を検討して特定した製剤の安定性試験を行う必要があることは上記ウのとおりであり、点眼剤組成物の安定性を評価する指標に変色のあることは当業者に周知の技術的事項であるから、上記の効果は、当業者が必ず行う製剤の安定性試験によって自ずと明らかになる効果を確認したにすぎない。 そうすると、本件明細書に記載された効果は、本件訂正発明1の進歩性の存在を推認できるような予測困難かつ顕著な効果であるとはいえない。 ⑶ 本件訂正発明2についてア本件訂正発明2と甲2発明1との一致点・相違点一致点並びに相違点1及び3は本件訂正発明1に係る一致点並びに相 違点1及び3と同様であり、その余の相違点は以下のとおりである(なお、 本件審決が認定した相違点4に関する容易想到性の判断については、当事者間に争いがないため、その記載を省略する。)。 (相違点2’)本件訂正発明2は、組成物が、「ポリオレフィン系 本件審決が認定した相違点4に関する容易想到性の判断については、当事者間に争いがないため、その記載を省略する。)。 (相違点2’)本件訂正発明2は、組成物が、「ポリオレフィン系樹脂製容器である」「ポリエチレン製容器」「に収容されてなり」、「容器が、点眼剤用容器である、 医薬製剤」であるのに対し、甲2発明1では、対応する事項が特定されていない点。 イ相違点2’について前記⑵ウ(相違点2)と同様にして、当業者は、甲2発明1において、リパスジルを有効成分とする点眼薬に用いる容器の材質として、種々の材 質を検討し、周知の材質であるポリエチレン(PE)を選択して、相違点2’に係る本件訂正発明2の構成に容易に到達し得た。 ⑷ 本件訂正発明3についてア本件訂正発明3と甲2発明2との一致点・相違点(一致点) リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する組成物を容器に収容する工程を含む、方法。 (相違点5)本件訂正発明3は、組成物が「水性組成物」であるのに対し、甲2発明2では、対応する事項が特定されていない点。 (相違点6)「容器に収容する工程を含む、方法」について、本件訂正発明3では、容器が「ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン系樹脂製容器」であり、方法が「水性組成物の変色の抑制方法」であるのに対し、甲2発明2では、容器の材質が特定されない「局所点眼 液製造方法」である点。 (相違点7)本件訂正発明3は、組成物中の「リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の含有量」が、組成物「100mL当たりフリー体として0. (相違点7)本件訂正発明3は、組成物中の「リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の含有量」が、組成物「100mL当たりフリー体として0. 4g」であるのに対し、甲2発明2では、対応する事項が特定されていない点。 イ相違点5について前記⑵イ(相違点1)と同様にして、相違点5は、実質的な相違点ではないか、相違点5が実質的な相違点であるとしても、当業者は、相違点5に係る本件訂正発明3の構成に容易に到達し得た。 ウ相違点6について 前記⑵ウ(相違点2)と同様にして、当業者は、甲2発明2において、リパスジルを有効成分とする点眼薬に用いる容器の材質として、種々の材質を検討し、周知の材質であるポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)を選択し得たといえる。また、点眼剤は、適切な容器に収容することにより光や酸素など安定性にとって不利に働く条件を克服することがで きることは当業者に周知の技術的事項であるところ、そのような安定性を評価する指標に変色があることは当業者に周知の技術的事項であって、変色が抑制されているほど安定性が向上しているといえる。よって、当業者は、相違点6に係る本件訂正発明3の構成に容易に到達し得た。 エ相違点7について 前記⑵エ(相違点3)と同様にして、当業者は、相違点7に係る本件訂正発明3の構成に容易に到達し得た。 ⑸ 本件訂正発明4についてア本件訂正発明4と甲2発明2との一致点・相違点一致点並びに相違点5及び7は、本件訂正発明3に係る一致点並びに相 違点5及び7と同様であり、その余の相違点は以下のとおりである。 (相違点6’) 一致点並びに相違点5及び7は、本件訂正発明3に係る一致点並びに相 違点5及び7と同様であり、その余の相違点は以下のとおりである。 (相違点6’)「容器に収容する工程を含む、方法」について、本件訂正発明4では、容器が「ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン系樹脂製容器」である「点眼剤用容器」であり、方法が「水性組成物の変色の抑制方法」であるのに対し、甲2発明2では、容器の材質と 用途が特定されない「局所点眼液製造方法」である点(相違点8)本件訂正発明4では、「60℃で3ヶ月間保存したときに色差計(分光測色計CM-700d:コニカミノルタセンシング(株))で測定した保存前後の色差(ΔYI)を5未満とする」ことが特定されているのに対し、甲 2発明2では、対応する事項が特定されていない点イ相違点6’について容器が「ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン系樹脂製容器」であり、方法が「水性組成物の変色の抑制方法」である点については、前記⑷ウ(相違点6)と同様にして、容器が「点眼 剤用容器」である点については、上記⑴ウ(相違点2)と同様にして、当業者が容易に到達し得た。 ウ相違点8について相違点8に係る「60℃で3ヶ月間保存したときに色差計(分光測色計CM-700d:コニカミノルタセンシング(株))で測定した保存前後の 色差(ΔYI)を5未満とする」という発明特定事項は、色の変化が小さいほど保存安定性が高く、水性組成物の変色が抑制されているということを、設計的事項であり当業者にも知られた保存条件(甲33)における、本件優先日当時の当業者が容易に測定することのできる指標に基づく基準値を適 安定性が高く、水性組成物の変色が抑制されているということを、設計的事項であり当業者にも知られた保存条件(甲33)における、本件優先日当時の当業者が容易に測定することのできる指標に基づく基準値を適宜に設定して特定するにすぎないものであって、それ以上の技術 的意義がある発明特定事項であるとはいえない。したがって、当業者は、 甲2発明2において、リパスジルを含有する組成物をポリエチレン(PE)製やポリプロピレン(PP)製の容器といった周知の容器に収容することによって、相違点8に係る本件訂正発明4の構成に容易に到達し得た。 ⑹ 結論以上のとおり、本件各訂正発明は、いずれも甲2に記載された発明及び周 知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、本件各訂正発明に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであるから、同法123条1項2号に該当し、無効とすべきものである。 第3 原告主張の審決取消事由 1 取消事由1(本件訂正発明1と甲2発明1の相違点に関する容易想到性及び顕著な効果の判断の誤り)⑴ 相違点1についての判断の誤り甲2には、K-115をウサギ及びサルに局所点眼した動物試験(invivo試験)で使用したサンプルの溶媒種に関する記載は一切ない。Tris-H Cl緩衝液(pH7.5)については、組み換えROCKに対する50%阻害濃度を決定する試験(invitro 試験)のインキュベートに使用したという言及があるのみであり、この実験の条件は、動物実験に使用するサンプルの溶媒種を決定するというようなものではない。また、Tris-HCl緩衝液(pH7.5)のように生体分子を用いる実験によく用いられるものが、 り、この実験の条件は、動物実験に使用するサンプルの溶媒種を決定するというようなものではない。また、Tris-HCl緩衝液(pH7.5)のように生体分子を用いる実験によく用いられるものが、 動物やヒトに点眼するときの溶媒として必ずしも使用されるというわけではない。 甲2は、K-115点眼液が新規かつ強力な緑内障治療薬となることを専ら示唆するのみであり、動物実験に用いた溶媒種の記載については一切文献中に記載されておらず、ましてや、水性組成物とすることとROCK阻害活 性との関連については何の記載も示唆もないのであるから、K-115を含 む組成物が、動物実験で用いられた組成物も含めて、いずれも「水性組成物」であると解することが相当であるとして、相違点1は実質的な相違点ではないか、実質的な相違点であるとしても相違点1に係る本件訂正発明1の構成に容易に到達し得たとする本件審決の判断は誤りである。 ⑵ 相違点2についての判断の誤り ポリオレフィン系樹脂製点眼剤用容器という特定について、容器の用途と材質とを切り分けて、用途に関する選択と、材質に関する選択という2段階を経て容易想到性について判断することは適切ではない(なお、原告は認定の誤りと主張するが、上記主張内容に照らし、判断の誤りを主張するものと解される。)。 薬事承認を受けるための製剤安定性試験として、60℃で3か月間という条件の苛酷試験は必要とされていない。また、医薬品インタビューフォーム(甲33)は医薬品製造販売承認申請書ではないので、甲33に記載された60℃で3か月間という苛酷試験の結果は、薬事承認とは無関係である。また、高温で長期間(60℃で3か月間)保存した場合にリパスジルを含有す る水性組 承認申請書ではないので、甲33に記載された60℃で3か月間という苛酷試験の結果は、薬事承認とは無関係である。また、高温で長期間(60℃で3か月間)保存した場合にリパスジルを含有す る水性組成物が変色するという課題は、ポリエチレン(PE)製、ポリプロピレン(PP)製、ポリ塩化ビニル(PVC)製及びポリエチレンテレフタレート(PET)製のいずれの容器中でも、25℃で4週間保存した時点では変色は見られるものではないことから(甲43)、実際に高温で長期間保存してみなければ決して把握できないものである。したがって、このことが薬 事承認を受けるための安定性試験で自ずと明らかになるというものではない。 本件優先日当時、製剤の安定性との関連が高いとされる容器のガス透過性について、プラスチックフィルムの中ではポリ塩化ビニル(PVC)が最も低くて優れており、ポリエチレンテレフタレート(PET)、不飽和ポリエステル(UP)がこれに次ぎ、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、 ポリカーボネート(PC)は劣るとされていた(甲42)。そうすると、製剤 の安定性への影響を考慮して容器の材質を当業者が選択しようとした場合には、ガス透過性が高いポリエチレンやポリプロピレン製の容器は、安定性をむしろ満足させにくいものと考えるはずであり、このことを看過し、それら樹脂製の容器を採用することを妨げる特段の事情は見当たらないとして、ポリエチレンやポリプロピレン製の容器を選択して本件訂正発明1の構成に容 易に到達し得たとする本件審決には誤りがある。 ⑶ 相違点3についての判断の誤り用量依存的に眼圧(IOP)が低下するという甲2の知見に当業者が接した場合、当業者は、0.5%(水性組成物100mL当たり る本件審決には誤りがある。 ⑶ 相違点3についての判断の誤り用量依存的に眼圧(IOP)が低下するという甲2の知見に当業者が接した場合、当業者は、0.5%(水性組成物100mL当たりのフリー体の含有量に換算して0.41g)としたときに眼圧低下作用が最も期待されると 考えるのが通常であり、また、ヒトにおける眼圧低下作用の更なる向上を期待したときには更に高濃度としようとするのが自然である。そうすると、水性組成物100mL当たりのリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の含有量を、フリー体として0.4gとする動機付けは一切ない。 ⑷ 顕著な効果についての判断の誤り 薬事承認を受けるために必要な製剤安定性の試験条件には、60℃で3か月間という条件の苛酷試験は一切記載がなく、医薬品インタビューフォーム(甲33)に挙げられた60℃で3か月間という試験結果は、必ずしも薬事承認を受けるために必要であった製剤安定性試験の結果とは限らない。したがって、高温で長期間(60℃で3か月間)保存した場合にリパスジルを含 有する水性組成物が変色するということや、この変色が、ポリエチレン製又はポリプロピレン製の容器に収容したときに抑制されるということは、薬事承認を受けるための安定性試験で自ずと明らかになるというものではない。 また、ポリエチレン製又はポリプロピレン製容器に収容した場合は、ポリ塩化ビニル製容器(本件明細書・試験例1)又はポリエチレンテレフタレー ト製容器(甲11)に収容した場合よりも、「色差(ΔYI)」が小さくなっ ていることから、本件明細書において、「色差(ΔYI)」の値を「5以上のものを×」、「5未満のものを○」と評価したことの技術的な理由が記載されてい 」が小さくなっ ていることから、本件明細書において、「色差(ΔYI)」の値を「5以上のものを×」、「5未満のものを○」と評価したことの技術的な理由が記載されていないとしても、変色抑制効果が顕著であることを否定する合理的な根拠にはならない。 さらに、高分子製容器は高温条件で保存した場合にガス透過性が大きくな るということが本件優先日当時に知られていた。ガス透過性の大きいポリエチレン製やポリプロピレン製の容器は、高温条件で保存した場合にガス透過性がなおのこと増大するものであるから、高温で長期間保存したときに変色が生じやすい内容物の場合には適切でないと考えるのが当業者の通常の思考である。 以上のことからすれば、本件訂正発明1の効果は、予測困難かつ顕著な効果であり、本件審決はこの点の判断を誤るものである。 2 取消事由2(本件訂正発明2と甲2発明1の相違点に関する容易想到性及び顕著な効果の判断の誤り)⑴ 相違点1及び3についての判断の誤り 本件訂正発明1に係る相違点1及び3についての判断の誤り(前記1⑴及び⑶)と同様である。 ⑵ 相違点2’についての判断の誤り本件訂正発明1に係る相違点2についての判断の誤り(前記1⑵)と同様である。 ⑶ 顕著な効果についての判断の誤り本件訂正発明1に係る顕著な効果についての判断の誤り(前記1⑷)と同様である。加えて、ポリエチレンは、ポリオレフィン系樹脂の中でもガス透過性が高いとされていたものであるから、製剤の安定性への影響を当業者が考慮した場合に、ポリエチレンのような特にガス透過性が高い材質を選択す ることは猶更ないはずである。 ものであるから、製剤の安定性への影響を当業者が考慮した場合に、ポリエチレンのような特にガス透過性が高い材質を選択す ることは猶更ないはずである。 3 取消事由3(本件訂正発明3と甲2発明2の相違点に関する容易想到性及び顕著な効果の判断の誤り)⑴ 相違点5及び7についての判断の誤り本件訂正発明1に係る相違点1及び3についての判断の誤り(前記1⑴及び⑶)と同様である。 ⑵ 相違点6についての判断の誤り本件訂正発明1に係る相違点2についての判断の誤り(前記1⑵)と同様である。 加えて、本件審決は、相違点6に関して、化学物質を含む組成物である点眼剤は、光や酸素による影響を受けることがあるため、適切な容器を選択す ることによって、このような安定性にとって不利に働く条件を克服することができることは、当業者に知られた技術的事項である(甲5)と認定したが、リパスジルを含有する水性組成物を、25℃で保存した場合には、リパスジルを含有する水性組成物は適切な容器を選択することなどせずとも安定性にとって特に不利になるものではないし(甲43)、リパスジルは易加水分解性 基を分子内に持つものでもない。本件審決は、このようなリパスジルを含有する水性組成物の性質を看過している。 また、本件訂正発明3は、ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン系樹脂製容器という特定の材質の容器への収容が、100mL当たりにリパスジルをフリー体として0.4g含有する水性組成 物を高温で長期間保存したときの変色を抑制するという、「ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン系樹脂製容器」の新たな属性を見出したことに基づく、「1 する水性組成 物を高温で長期間保存したときの変色を抑制するという、「ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン系樹脂製容器」の新たな属性を見出したことに基づく、「100mL当たりにリパスジルをフリー体として0.4g含有する水性組成物の変色の抑制方法」に関する用途発明であるから、使用態様においても甲2発明2のような試料溶液の調製方 法と明確に区別されるものである。そうすると、ポリエチレン及びポリプロ ピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン系樹脂製容器に収容することと、リパスジルを含有する水性組成物の変色を抑制する効果との関連性については何の記載も示唆もないのにもかかわらず、相違点6に係る本件訂正発明3の構成に容易に到達し得たということはできない。 ⑶ 顕著な効果についての判断の誤り 本件訂正発明1に係る顕著な効果についての判断の誤り(前記1⑷)と同様である。 4 取消事由4(本件訂正発明4と甲2発明2の相違点に関する容易想到性及び顕著な効果の判断の誤り)⑴ 相違点5及び7についての判断の誤り 本件訂正発明1に係る相違点1及び3についての判断の誤り(前記1⑴及び⑶)と同様である。 ⑵ 相違点6’についての判断の誤り本件訂正発明3に係る相違点6についての判断の誤り(前記3⑵)及び本件訂正発明1に係る相違点2の判断の誤り(前記1⑵)と同様である。 ⑶ 相違点8についての判断の誤り本件訂正発明1に係る相違点2についての判断の誤り(前記1⑵)と同様である。 ⑷ 顕著な効果についての判断の誤り本件訂正発明1の顕著な効果についての判断の誤り(前記1⑷)と同様で ある。 係る相違点2についての判断の誤り(前記1⑵)と同様である。 ⑷ 顕著な効果についての判断の誤り本件訂正発明1の顕著な効果についての判断の誤り(前記1⑷)と同様で ある。 第4 被告の反論 1 取消事由1(本件訂正発明1と甲2発明1の相違点に関する容易想到性及び顕著な効果の判断の誤り)について⑴ 相違点1について 本件審決は、甲2で使用されているTris-HCl緩衝液(pH7.5) は水性組成物であるから、甲2に接した当業者はK-115は「水性組成物となり得るもの」と理解すると認定しているのであって、Tris-HCl緩衝液(pH7.5)が、動物やヒトに点眼するときの溶媒として使われると述べているわけではない。 ⑵ 相違点2について 本件審決では、容器の用途と材質を相違点2としてまとめて認定しているから、両者を切り分けて判断してはいない。 また、本件審決は、安定性の評価項目として、変色を指標とすることが当業者に周知の技術的事項であること、及び、安定性試験ガイドラインや各種インタビューフォームの記載に基づいて薬事承認を受けるために行う安定性 試験の条件として、苛酷試験が当業者に知られた技術的事項であることを述べているのであって、60℃で3か月間の苛酷試験が薬事承認を受けるための申請資料に添付する資料として必須であるとは述べてはおらず、理由にもしていない。一方、甲33の医薬品の承認の申請資料概要(乙1)にも、甲33と同様に苛酷試験60℃で3か月の記載があるから、本件優先日以前に おいて当該試験条件が承認申請に使用されていたといえる。苛酷試験は承認審査の対象となり得る試験であるから、当業者は苛酷試験における製剤安定性 60℃で3か月の記載があるから、本件優先日以前に おいて当該試験条件が承認申請に使用されていたといえる。苛酷試験は承認審査の対象となり得る試験であるから、当業者は苛酷試験における製剤安定性の評価は当然に行うものといえる。 さらに、原告が主張の根拠とするプラスチックフィルムのガス透過性についての証拠(甲42)には、そのガス透過性は「測定法により大幅に異なり 一概に比較できない」と注記があるので、その結果は一般化できるとはいえないし、点眼剤の容器としてポリエチレンテレフタレート(PET)やポリ塩化ビニル(PVC)がガス透過性の点で優れていることも一切記載されていないから、同証拠は当業者がポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)といった周知の容器材質を検討することを回避する阻害要因にはならな い。そもそも、リパスジルを含有する水性組成物を高温で長期間保存した場 合に生じる着色が、酸素等のガスによって生じる現象であるかも不明である以上、当業者が容器のガス透過性にのみ着目して容器材質を選択するという主張自体に根拠がない。 ⑶ 相違点3について甲2には、0.5%、すなわち水性組成物100mL中のフリー体換算で 0.4084…g(=0.5×323.39/395.88)の含量とすることが開示されているのであるから、本件訂正発明1において、リパスジル1塩酸塩2水和物0.4896g、すなわちフリー体換算での含量0.3999…g(=0.4986×323.39/395.88)を「フリー体として0.4g」と表記するのであれば(本件明細書【0044】、【0048】 参照)、この点は本来的には本件訂正発明1との一致点というべきものである。また、甲2には複数の用量が記載され リー体として0.4g」と表記するのであれば(本件明細書【0044】、【0048】 参照)、この点は本来的には本件訂正発明1との一致点というべきものである。また、甲2には複数の用量が記載されていることから、この点を相違点として理解するとしても、それらを適宜、適用すればよいのであるから、明らかに容易想到である。 ⑷ 顕著な効果について 水性組成物である点眼剤が何らかの容器に収容されていることは当然のことであるが、本件優先日当時における点眼剤の容器のほとんどはプラスチック製であり、かつ、本件各訂正発明が規定するポリエチレンやポリプロピレンは、本件優先日のはるか以前から、点眼剤の容器として最も一般的に使用されている。このような普遍的かつ一般的な点眼剤の容器を使用したとして も、それは単なる設計的事項の適用にすぎない。このような単なる設計的事項を適用することにこれ以上の動機付けは不要であるし、また、このような日常的な構成を採用することに顕著な効果は認められない 2 取消事由2(本件訂正発明2と甲2発明1の相違点に関する容易想到性及び顕著な効果の判断の誤り)について 取消事由1に係る被告の主張と同様である。 原告は、本件訂正発明2の顕著な効果を主張しているが、そもそも、本件優先日当時の周知の素材を選択することは当業者が設計的事項として行うことであって、そのような選択に顕著な効果は認められない。 3 取消事由3(本件訂正発明3と甲2発明2の相違点に関する容易想到性及び顕著な効果の判断の誤り)について 取消事由1に係る被告の主張と同様である。また、本件審決は、承認審査のために高温での安定性を当業者が確認することは周知の技術的事項としており、 到性及び顕著な効果の判断の誤り)について 取消事由1に係る被告の主張と同様である。また、本件審決は、承認審査のために高温での安定性を当業者が確認することは周知の技術的事項としており、常温(25℃)について述べる原告の主張は本件審決の認定に対する反論になっていない。 4 取消事由4(本件訂正発明4と甲2発明2の相違点に関する容易想到性及び 顕著な効果の判断の誤り)について取消事由1に係る被告の主張と同様である。 第5 当裁判所の判断 1 本件各訂正発明の概要本件訂正後における本件特許の特許請求の範囲及び本件明細書の記載(前記 第2の2)によると、本件各訂正発明の概要は以下のとおりと認められる。 すなわち、眼科用剤等は、通常、水を含有する組成物(水性組成物)であり、内容物の散逸や外気からの不純物の混入等を防ぐため、容器に収容する必要があるところ、リパスジルを眼科用剤等として製剤化するに当たり、リパスジルを含有する水性組成物が、特定の材質の容器(ポリ塩化ビニル製)に収容した 場合、高温で長時間の保存により変色するという問題が生じることが判明したことから、この高温保存時の変色を抑制して保存安定性に優れた医薬製剤を提供すること及びその変色を抑制する方法を提供することが課題であった(【0009】)。本件各訂正発明は、容器の材質をポリエチレン又はポリプロピレンから選ばれるポリオレフィン系樹脂製とすることにより、その課題を解決した (【0010】)。本件各訂正発明は、そのように容器の材質を選択することによ り、高温で長期間(60℃で3か月間)保存した後の変色が相対的に抑制され(ΔYIが5未満)、保存安定性に優れた医薬製剤を提供できるという効果を奏 選択することによ り、高温で長期間(60℃で3か月間)保存した後の変色が相対的に抑制され(ΔYIが5未満)、保存安定性に優れた医薬製剤を提供できるという効果を奏するものであり(試験例1、2)、医薬品産業等において好適に利用できるという産業上の利用可能性を有するものである(【0059】)。 2 甲2に記載された発明及び本件各訂正発明との対比 本件優先日前に頒布された刊行物である甲2には、本件審決が認定した発明(甲2発明1及び2)が記載されており、これと本件各訂正発明とを対比すると、本件審決が認定した一致点及び相違点が認められる(前記第2の3⑴、⑵ア、⑶ア、⑷ア、⑸ア参照)。 3 取消事由1(本件訂正発明1と甲2発明1の相違点に関する容易想到性及び 顕著な効果の判断の誤り)について⑴ 相違点1について原告は、甲2はK-115点眼液が新規かつ強力な緑内障治療薬となることを専ら示唆するのみであり、動物実験に用いた溶媒種の記載については一切文献中に記載されておらず、水性組成物とすることとROCK阻害活性と の関連については何の記載も示唆もないことなどから、本件審決が、相違点1は実質的な相違点ではないか、実質的な相違点であるとしても相違点1に係る本件訂正発明1の構成に容易に到達し得たと判断したことは誤りであるなどと主張する。 そこで検討するに、甲2には、K-115によるROCK阻害活性試験(in vitro 試験)を、Tris-HCl緩衝液(pH7.5)中でのインキュベートにより確認したことが記載されているから、K-115は、溶媒として水が用いられているTris-HCl緩衝液(pH7.5)に溶解された水性組成物の状態で上記試験が行われ、その水性組成物中でR ュベートにより確認したことが記載されているから、K-115は、溶媒として水が用いられているTris-HCl緩衝液(pH7.5)に溶解された水性組成物の状態で上記試験が行われ、その水性組成物中でROCK阻害活性が確認されたものと認められる。そうすると、当業者は、K-115は、水性 組成物となり得るものであり、水性組成物中にあることでROCK阻害活性 を発揮する化合物であると理解するということができる。 そして、甲2に記載された動物実験(invivo 試験)では、有効成分が溶解された局所点眼液が用いられているところ、K-115化合物の溶解性に関する上記理解に加え、甲2には非水性組成物であることは記載されておらず、K-115を含む組成物を非水性組成物とすることが技術常識であった という事情も見当たらないことを併せ考慮すると、甲2発明1の「K-115を含有する局所点眼液」が水性組成物であることは、当業者においては甲2に記載されているのと同様であると評価できるのであり、そうでなくとも、「K-115を含有する局所点眼液」を水性組成物とすることは当業者であれば自然に想起し得るものということができる。 したがって、相違点1は、実質的な相違点ではないか、実質的な相違点であるとしても、当業者は、相違点1に係る本件訂正発明1の構成に容易に到達し得たと認められるのであり、原告の上記主張は採用することができない。 ⑵ 相違点2についてア甲2には、選択的で強力なROCK阻害剤であるK-115を含有する 点眼液が、局所点眼により眼圧を低下させる効果を発揮することで抗緑内障薬となることが記載されている。 他方、甲2には、局所点眼液を収容する容器やその材質に関する具体的な記載はない 含有する 点眼液が、局所点眼により眼圧を低下させる効果を発揮することで抗緑内障薬となることが記載されている。 他方、甲2には、局所点眼液を収容する容器やその材質に関する具体的な記載はない。しかし、当業者であれば、点眼液を医薬製剤にするに際して、収容する容器を検討することは自然であるところ、本件優先日当時に おいて、点眼薬の容器に関連して、通常、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどが使用されており、その容器の材質は収容される点眼液の安定性に影響を与えることが知られていた(甲5)。また、医薬品として製造販売承認を受けるためには、長期保存試験、加速試験、苛酷試験等の安定性試験を通じ、製剤としての安 定性の確保が求められており(甲5、16)、その際に容器の材質を特定す る必要があることなどは、当業者に周知かつ自明の事項である。そして、その際、ポリエチレン又はポリプロピレンから選ばれるポリオレフィン系の周知の樹脂を特定することに格別の困難性があるともいえない。 そうすると、当業者において、甲2に記載の局所点眼液を医薬製剤とするための容器を選択するに当たり、周知の容器の材質の中から、点眼液の 安定性等の観点から好適な材料を選択することは、当業者が適宜なし得た設計事項である。 イ原告は、薬事承認を受けるための製剤安定性試験として、60℃で3か月間という条件の苛酷試験は必要とされておらず、甲33に記載された60℃で3か月間という苛酷試験条件は薬事承認とは無関係で、リパスジル は25℃で4週間保存した場合には容器材質によらず変色は見られないものであって(甲43)、高温で長期間(60℃で3か月間)保存した場合にリパスジルを含有 件は薬事承認とは無関係で、リパスジル は25℃で4週間保存した場合には容器材質によらず変色は見られないものであって(甲43)、高温で長期間(60℃で3か月間)保存した場合にリパスジルを含有する水性組成物が変色するという課題は、実際に高温で長期間保存してみなければ把握できないものであるから、薬事承認を受けるための安定性試験により、上記本件訂正発明1の課題が自ずと明らか になるというものではないと主張する。 しかし、本件優先日当時、高温や長期間の保存により内容物の安定性が損なわれる傾向があり、そのため、医薬品製剤には、長期保存試験、加速試験、苛酷試験等の温度や期間等の異なる保存条件により試験を行うことを通じ、製剤の品質の変化が許容範囲内に収まるものとなるような品質の 安定性が求められていることは、当業者の技術常識であるといえる(甲5、16)。そして、そのような品質の安定性の評価指標として、色の変化に着目することは、当業者として自然なことである。 そして、本件優先日当時、点眼剤に対する安定性試験において、苛酷試験の具体的条件は定められておらず(甲16)、種々の条件下で行われ得る ものであるところ、60℃で3か月間という高温かつ長時間という条件は、 当業者において、既に試みられ、知られていたものである(甲33)。 そうすると、医薬品製剤の安定性の確保の観点から、高温で長期間という条件で保存したときに製剤の品質が変化することは当業者にとって周知の課題であり、このことは、リパスジルを含有する水性組成物においても同様であって、高温で長期間保存した場合の安定性(変色等)の課題が 存在することは当業者にとって明らかであるといえる。この点に関し、医薬品製剤を ことは、リパスジルを含有する水性組成物においても同様であって、高温で長期間保存した場合の安定性(変色等)の課題が 存在することは当業者にとって明らかであるといえる。この点に関し、医薬品製剤を25℃で4週間保存した場合の変色の程度が小さいことが、高温で長期間保存した場合の安定性を予見させるものとはいえない。そして、当業者が想定し得る条件である60℃で3か月間の保存時の変色が相対的に抑制される容器材質を好適なものとして選択することは、当業者の設 計事項の範囲内の事柄ということができる。したがって、原告の上記主張は採用することはできない。 ウまた、原告は、本件優先日当時、当業者が製剤の安定性への影響を考慮して容器の材質を選択しようとした場合には、ガス透過性が高いポリエチレンやポリプロピレン製の容器は、安定性をむしろ満足させにくいものと 考えるはずであるから、ポリエチレンやポリプロピレン製の容器を選択して本件訂正発明1の構成に容易に到達し得たということはできないと主張する。 しかし、医薬品を樹脂製の容器に収容して高温で長期間保存した時の変色(黄色度の増加)が、専ら容器を透過したガスに起因することを示す根 拠は見当たらず、本件優先日時点において、点眼剤容器の材質選択に際して、ポリエチレンやポリプロピレンはガス透過性が高いために容器の材質には不適であり回避されていたといった知見が当業者に知られた事項であったということもできない。また、本件明細書においても、樹脂製の容器に収容したときの水性組成物の黄色度の増加が、当該樹脂を透過したガ スによりもたらされたことの記載も示唆もない。そうすると、原告の上記 主張は根拠に乏しく、採用することができない。 なお、原告は、ポ 、当該樹脂を透過したガ スによりもたらされたことの記載も示唆もない。そうすると、原告の上記 主張は根拠に乏しく、採用することができない。 なお、原告は、ポリオレフィン系樹脂製点眼剤用容器という特定について、容器の用途と材質とを切り分けて、用途に関する選択と材質に関する選択という2段階を経て容易想到性について判断することは適切ではないとも主張するが、以上の検討は、容器の用途と材質とを切り分けて判断 しているものではなく、このことは、本件審決においても同様であるから、原告の主張は採用することができない。 ⑶ 相違点3について原告は、当業者において用量依存的に眼圧が低下するという甲2の知見に接した場合、当業者は、ヒトにおける眼圧低下作用の更なる向上を期待した ときには更に高濃度としようとするのが自然であるから、水性組成物100mL当たりのリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の含有量を、フリー体として0.4gとする動機付けは一切ないなどと主張する。 しかし、点眼剤における有効成分の濃度は、所望の効果を奏することが期待できる範囲において当業者が設定する設計事項であって、ヒトに適用する ことを前提とする点眼液を調製するに当たり、ウサギやサルでの用量を参考にして有効成分の濃度を設計することは、当業者に自明の技術的事項である。 そうすると、K-115が用量依存的に眼圧を低下させるという甲2に記載の知見に接した当業者が、ヒトにおける眼圧低下作用の向上を期待して、甲2に示されたウサギやサルの用量に基づいて、ヒトにおいて眼圧低下作用が 期待される濃度を設計しようとすることは自然であり、相違点3に係る本件訂正発明1の構成に容易に到達し得たと認められる。したがって、 れたウサギやサルの用量に基づいて、ヒトにおいて眼圧低下作用が 期待される濃度を設計しようとすることは自然であり、相違点3に係る本件訂正発明1の構成に容易に到達し得たと認められる。したがって、原告の上記主張は採用することができない。 ⑷ 顕著な効果について原告は、①本件明細書に記載の、高温で長期間(60℃で3ヶ月間)保存 した場合の、リパスジルを含有する水性組成物の変色が、ポリエチレン製又 はポリプロピレン製の容器に収容すると、ポリ塩化ビニル製容器を用いた場合と比較して相対的に抑制され、変色の点で保存安定性に優れる、という効果(試験例1、2)は、薬事承認を受けるための安定性試験で自ずと明らかになるというものではないこと、②本件明細書の試験例1及び甲11により、容器材質の違いによる色差(ΔYI)の違いが示されているので、「色差(Δ YI)」の値を「5以上のものを×」、「5未満のものを○」と評価したことの技術的な理由が記載されていないことは、変色抑制効果が顕著であることを否定する合理的な根拠にはならないこと、③ポリエチレン製やポリプロピレン製の容器のようなガス透過性の大きい容器は、高温で長期間保存したときに変色が生じやすい内容物の場合には適切でないと考えるのが当業者の通常 の思考であることなどから、本件訂正発明1の効果は、予測困難かつ顕著な効果であると主張する。 そこで検討するに、上記①については、前記(2)イで判示したとおり、当業者の設計事項の範囲内でその効果も予測可能な範囲内のものであって、薬事承認を受けるための安定性試験で自ずと明らかになる性質のものである。 また、上記②については、本件明細書及び甲11には、上記①で原告が指摘した効果が記 可能な範囲内のものであって、薬事承認を受けるための安定性試験で自ずと明らかになる性質のものである。 また、上記②については、本件明細書及び甲11には、上記①で原告が指摘した効果が記載されている。しかし、原告が主張する、本件明細書等に示されたΔYI値の結果及びその違いは、高温で長期間という条件で保存したときの安定性の評価指標の一つである変色の程度が容器材質により異なり得るという、当業者であれば当然に予期し得る事項に沿うものにすぎない。そ して、その変色の程度について検討しても、本件明細書には60℃で3か月間という保存条件や色差(ΔYI)値を「5」を基準に評価する点について、技術的な理由は記載されていないことから、60℃で3か月という保存条件も、色差(ΔYI)値の「5」という評価基準も、当業者が適宜検討し設定し得る範囲内の保存条件及び評価基準にすぎず、この結果をもって、顕著な 変色抑制効果であるということはできない。 さらに、上記③については、本件優先日当時、点眼薬の容器に関連して、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどが使用され、その容器の材質は収容される点眼液の安定性に影響を与えることが知られていたこと(甲5)からすると、当業者において、それらの容器の材質の長所や短所を総合的に検討することが当然であるから、 専らガス透過性の観点に基づき、ポリエチレンやポリプロピレン製の容器が不適であると考えることが当業者の通常の思考であるということはできない。 そうすると、ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン樹脂製の容器に収容したことによる本件訂正発明1の効果が、本件訂正発明1の進歩性の存在を推認できるような予測 きない。 そうすると、ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン樹脂製の容器に収容したことによる本件訂正発明1の効果が、本件訂正発明1の進歩性の存在を推認できるような予測困難かつ顕著な効果 であるとはいえない。 ⑸ 小括以上のとおり、本件訂正発明1は、甲2発明1及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、原告の取消事由1は理由がない。 4 取消事由2(本件訂正発明2と甲2発明1の相違点に関する容易想到性及び顕著な効果の判断の誤り)について相違点1、2’、3及び顕著な効果については、前記3において判示したとおりである。 よって、本件訂正発明2は、甲2発明1及び周知技術に基づいて、当業者が 容易に発明をすることができたものであるから、原告の取消事由2は理由がない。 5 取消事由3(本件訂正発明2と甲2発明2の相違点に関する容易想到性及び顕著な効果の判断の誤り)について⑴ 相違点5、7及び顕著な効果については、前記3⑴、⑶及び⑷において判 示したとおりである。 ⑵ 相違点6についてア相違点6については、前記3⑵において判示したとおりである。 イ原告は、リパスジルを含有する水性組成物を、25℃で保存した場合には、リパスジルを含有する水性組成物は適切な容器を選択することなどせずとも安定性にとって特に不利になるものではなく、また、リパスジルは 易加水分解性基を有した化合物ではないから、本件審決は、このようなリパスジルを含有する水性組成物の性質を看過したものであると主張する。 そこで検討するに、甲43においては、リパスジルを含有する水性組成物は、25 合物ではないから、本件審決は、このようなリパスジルを含有する水性組成物の性質を看過したものであると主張する。 そこで検討するに、甲43においては、リパスジルを含有する水性組成物は、25℃で保存して4週間経過した時点で、ポリエチレン製、ポリプロピレン製、ポリ塩化ビニル製、ポリエチレンテレフタレート製のいずれ の容器中で保存したときであっても変色はみられないものであったことが記載されている。 しかし、変色に関して、常温かつ短期間で保存したときの変色の程度が、高温かつ長期間で保存したときの変色の程度よりも小さいであろうことは、当業者の有する技術常識に沿うものであるから、リパスジルを含有す る水性組成物を25℃で保存した場合に変色が見られなかったとしても、当業者において、リパスジルを含有する水性組成物を高温かつ長期間で保存した場合に、適切な容器を選択することによって、安定性にとって不利に働く条件を克服しようとすることは自然なことであり、このことが当業者に知られた技術的事項であることに変わりはない。また、易加水分解性 基を有しない化合物を含む水性組成物が、高温かつ長期間の保存時に変色しないなどの根拠は示されていない。 ウ次に、原告は、本件訂正発明3は、「ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン系樹脂製容器」の新たな属性を見出したことに基づく、「100mL当たりにリパスジルをフリー体として0. 4g含有する水性組成物の変色の抑制方法」に関する用途発明であると主 張する。 しかし、本件訂正発明3は、リパスジルを含有する水性組成物をポリオレフィン系樹脂製容器に収容する工程を含む水性組成物の変色の抑制方法であるところ、変色の抑制は容器 張する。 しかし、本件訂正発明3は、リパスジルを含有する水性組成物をポリオレフィン系樹脂製容器に収容する工程を含む水性組成物の変色の抑制方法であるところ、変色の抑制は容器に収容することによる通常の効果であるから、このような効果がポリオレフィン系樹脂製容器の新たな属性を見 出したものということはできない。 ⑶ 以上により、本件訂正発明3は、甲2発明2及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、原告の取消事由3は理由がない。 6 取消事由4(本件訂正発明2と甲2発明2の相違点に関する容易想到性及び 顕著な効果の判断の誤り)について相違点5、6’、7、8及び顕著な効果については、前記3⑴から⑷まで及び5⑵において判示したとおりである。 よって、本件訂正発明4は、甲2発明2及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、原告の取消事由4は理由がな い。 7 結論以上のとおり、原告が主張する取消事由はいずれも理由がない。 よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第1部 裁判長裁判官 増田稔 裁判官 伊藤清隆 裁判官 天野研司 JP 6236167 B2 2017.11.22(57)【特許請求の範囲】【請求項1】リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成 天野研司 JP 6236167 B2 2017.11.22(57)【特許請求の範囲】【請求項1】リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物が、ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン系樹脂製容器に収容されてなる、医薬製剤。 【請求項2】容器が、点眼剤用容器である、請求項1記載の医薬製剤。 【請求項3】リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物を、ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる1種以上のポリオレフィン系樹脂製容器に収容する工程を含む、水性組成物の変色の抑制方法。 【請求項4】容器が、点眼剤用容器である、請求項3記載の方法。 【発明の詳細な説明】【技術分野】【0001】本発明は、医薬製剤等に関する。 【背景技術】【0002】以下の構造式: (別紙) (2)JP 6236167 B2 2017.11.22【0003】【化1】【0004】で表されるリパスジル(化学名:4-フルオロ-5-[[(2S)-2-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル]スルホニル]イソキノリン)や、以下の構造式:【0005】【化2】【0006】で表される4-ブロモ-5-[[(2S)-2-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル]スルホニル]イソキノリンなどのハロゲン化イソキノリン誘導体は、Rhoキナーゼ阻害作用等の薬理作用(例えば、特許文献1、2)を有し、眼疾患の予防や治療に有用であることが知られている。具体的には例えば、高眼圧症や緑内障等の予防又は治療(例えば、特許文献3)、あるいは加齢黄斑変性等の眼底疾患の予防又は治療(例えば、特許文献4)に有用であることが報告されている。 【0007】そのため、 は例えば、高眼圧症や緑内障等の予防又は治療(例えば、特許文献3)、あるいは加齢黄斑変性等の眼底疾患の予防又は治療(例えば、特許文献4)に有用であることが報告されている。 【0007】そのため、これらのハロゲン化イソキノリン誘導体を、例えば眼科用剤等として安定的に製剤化する技術を確立することは、極めて有用である。 【先行技術文献】【特許文献】【0008】【特許文献1】特許第4212149号公報【特許文献2】国際公開第2006/115244号パンフレット【特許文献3】国際公開第2006/068208号パンフレット【特許文献4】特許第5557408号公報【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0009】眼科用剤等は、通常、水を含有する組成物(水性組成物)であり、内容物の散逸や外気からの不純物の混入等を防ぐため、容器に収容する必要がある。そのため、本発明者は、ハロゲン化イソキノリン誘導体であるリパスジルを眼科用剤等として製剤化するに当たり、水性組成物を収容するための容器の材質を検討した。しかるところ、特定の材質の容器にリパスジルを含有する水性組成物を収容すると、高温で長期間の保存により、水性組成 (3)JP 6236167 B2 2017.11.22物が変色するという問題が生じることが判明した。 そこで、本発明は、ハロゲン化イソキノリン誘導体含有水性組成物の、高温保存時の変色を抑制する技術を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】【0010】そこで本発明者は、前記課題を解決するため鋭意検討したところ、リパスジル等のハロゲン化イソキノリン誘導体を含有する水性組成物を容器に収容するに際し、容器の材質をポリオレフィン系樹脂製とした場合に特異的に高温で長期間の保存後でも変色を抑制で 鋭意検討したところ、リパスジル等のハロゲン化イソキノリン誘導体を含有する水性組成物を容器に収容するに際し、容器の材質をポリオレフィン系樹脂製とした場合に特異的に高温で長期間の保存後でも変色を抑制できることを見出し、本発明を完成した。 【0011】すなわち、本発明は、次の一般式(1)【0012】【化3】【0013】[式中、Xはハロゲン原子を示す。]で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物が、ポリオレフィン系樹脂製容器に収容されてなる、医薬製剤を提供するものである。 また、本発明は、前記一般式(1)で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物を、ポリオレフィン系樹脂製容器に収容する工程を含む、水性組成物の変色の抑制方法を提供するものである。 【発明の効果】【0014】本発明によれば、リパスジル等のハロゲン化イソキノリン誘導体を含有する水性組成物の高温保存時の変色を抑制できる。 【発明を実施するための形態】【0015】本明細書は、これらに何ら限定されるものではないが、例えば以下の態様の発明を開示する。 [1]次の一般式(1)【0016】【化4】【0017】 (4)JP 6236167 B2 2017.11.22[式中、Xはハロゲン原子を示す。]で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物が、ポリオレフィン系樹脂製容器に収容されてなる、医薬製剤。 [2]前記一般式(1)で表される化合物が、リパスジルである、[1]記載の医薬製剤。 [3]前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン又はポリプロピレンである、[1]又は[2]記載の医薬製剤。 [4]前記ポリオレフィン系樹脂製容器が、点眼剤用容器である、[1]~[3 記載の医薬製剤。 [3]前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン又はポリプロピレンである、[1]又は[2]記載の医薬製剤。 [4]前記ポリオレフィン系樹脂製容器が、点眼剤用容器である、[1]~[3]のいずれか記載の医薬製剤。 [5]前記一般式(1)で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物を、ポリオレフィン系樹脂製容器に収容する工程を含む、水性組成物の変色の抑制方法。 [6]前記一般式(1)で表される化合物が、リパスジルである、[5]記載の方法。 [7]前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン又はポリプロピレンである、[5]又は[6]記載の方法。 [8]前記ポリオレフィン系樹脂製容器が、点眼剤用容器である、[5]~[7]のいずれか記載の方法。 【0018】[9]前記水性組成物が、さらにα 1受容体遮断薬、α 2受容体作動薬、β 遮断薬、炭酸脱水酵素阻害剤、プロスタグランジンF2α 誘導体、交感神経作動薬、副交感神経作動薬、カルシウム拮抗剤及びコリンエステラーゼ阻害剤よりなる群から選ばれる1種以上を含有する、[1]~[4]のいずれか記載の医薬製剤。 [10]前記水性組成物が、さらにラタノプロスト、ニプラジロール、ドルゾラミド、ブリンゾラミド及びチモロール並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上を含有する、[1]~[4]のいずれか記載の医薬製剤。 [11]前記水性組成物が、さらにα 1受容体遮断薬、α 2受容体作動薬、β 遮断薬、炭酸脱水酵素阻害剤、プロスタグランジンF2α 誘導体、交感神経作動薬、副交感神経作動薬、カルシウム拮抗剤及びコリンエステラーゼ阻害剤よりなる群から選ばれる1種以上を含有する、[5]~[8]のいずれか記載の方法。 [12]前記水性組成物が、さらにラタノプロスト、ニプラジロール、ドルゾラミド ルシウム拮抗剤及びコリンエステラーゼ阻害剤よりなる群から選ばれる1種以上を含有する、[5]~[8]のいずれか記載の方法。 [12]前記水性組成物が、さらにラタノプロスト、ニプラジロール、ドルゾラミド、ブリンゾラミド及びチモロール並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上を含有する、[5]~[8]のいずれか記載の方法。 【0019】前記一般式(1)において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。前記一般式(1)において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。 また、前記一般式(1)において、メチル基の置換したホモピペラジン環を構成する炭素原子は不斉炭素である。そのため、立体異性が生じるが、一般式(1)で表される化合物にはいずれの立体異性体も包含され、単一の立体異性体でもよく、各種立体異性体の任意の割合の混合物でもよい。前記一般式(1)で表される化合物としては、絶対配置がS配置である化合物が好ましい。 【0020】前記一般式(1)で表される化合物の塩としては、薬学上許容される塩であれば特に限定されず、具体的には例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、カンファ̶ スルホン酸塩等の有機酸塩等が挙げられ、塩酸塩が好ましい。 さらに、前記一般式(1)で表される化合物又はその塩は、水和物やアルコール和物等の溶媒和物であってもよく、水和物であるのが好ましい。 (5)JP 6236167 B2 2017.11.22【 合物又はその塩は、水和物やアルコール和物等の溶媒和物であってもよく、水和物であるのが好ましい。 (5)JP 6236167 B2 2017.11.22【0021】前記一般式(1)で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物としては、具体的には例えば、リパスジル(化学名:4-フルオロ-5-[[(2S)-2-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル]スルホニル]イソキノリン)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物;4-ブロモ-5-[[(2S)-2-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル]スルホニル]イソキノリン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物;等が挙げられる。 【0022】前記一般式(1)で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物としては、リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、4-ブロモ-5-[[(2S)-2-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル]スルホニル]イソキノリン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物が好ましく、リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物がより好ましく、リパスジル若しくはその塩酸塩又はそれらの水和物がさらに好ましく、以下の構造式:【0023】【化5】【0024】で表されるリパスジル塩酸塩水和物(リパスジル1塩酸塩2水和物)が特に好ましい。 【0025】前記一般式(1)で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は公知であり、公知の方法により製造できる。具体的には例えば、リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、国際公開第1999/020620号パンフレット、国際公開第2006/057397号パンフレット記載の方法等により製造することが出来る。また、4-ブロモ-5-[[(2S)-2-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル]スルホニル]イ 号パンフレット、国際公開第2006/057397号パンフレット記載の方法等により製造することが出来る。また、4-ブロモ-5-[[(2S)-2-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル]スルホニル]イソキノリン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、国際公開第2006/115244号パンフレット記載の方法等により製造することが出来る。 【0026】水性組成物中の前記一般式(1)で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の含有量は特に限定されず、適用疾患や患者の性別、年齢、症状等に応じて適宜検討して決定すればよいが、優れた薬理作用を得る観点から、水性組成物全容量に対して、一般式(1)で表される化合物のフリー体に換算して0.01~10w/v%含有するのが好ましく、0.02~8w/v%含有するのがより好ましく、0.04~6w/v%含有するのが特に好ましい。中でも、一般式(1)で表される化合物としてリパスジルを用いる場合においては、優れた薬理作用を得る観点から、水性組成物全容量に対して、リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を、フリー体に換算して0.05~5w/v%含有するのが好ましく、0.1~3w/v%含有するのがより好ましく、0.1~2w/v%含有するのが特に好ましい。 【0027】本明細書において「水性組成物」とは、少なくとも水を含有する組成物を意味し、その性状としては、液状(溶液又は懸濁液)、半固形状(軟膏)が挙げられる。なお、組成物 (6)JP 6236167 B2 2017.11.22中の水としては例えば、精製水、注射用水、滅菌精製水等を用いることができる。 水性組成物に含まれる水の含有量は特に限定されないが、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに しては例えば、精製水、注射用水、滅菌精製水等を用いることができる。 水性組成物に含まれる水の含有量は特に限定されないが、5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がさらにより好ましく、90~99.8質量%が特に好ましい。 【0028】水性組成物は、例えば、第十六改正日本薬局方製剤総則等に記載の公知の方法に従って、種々の剤形とすることができる。剤形としては、後述する容器に収容可能なものである限り特に限定されないが、例えば、注射剤、吸入液剤、点眼剤、眼軟膏剤、点耳剤、点鼻液剤、注腸剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、ゲル剤、経口液剤、シロップ剤等が挙げられる。剤形としては、一般式(1)で表される化合物の有する薬理作用を有利に利用する観点から、眼疾患用剤、具体的には点眼剤、眼軟膏剤が好ましく、点眼剤が特に好ましい。 【0029】水性組成物は、上記した以外に、剤形に応じて、医薬品や医薬部外品等で利用される添加物を含んでいても良い。このような添加物としては、例えば、無機塩類、等張化剤、キレート剤、安定化剤、pH調節剤、防腐剤、抗酸化剤、粘稠化剤、界面活性剤、可溶化剤、懸濁化剤、清涼化剤、分散剤、保存剤、油性基剤、乳剤性基剤、水溶性基剤等が挙げられる。 こうした添加物としては、具体的には例えば、アスコルビン酸、アスパラギン酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、アルギン酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、イプシロン-アミノカプロン酸、ウイキョウ油、エタノール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エデト酸ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩酸、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、カルボキシビニルポリマー、乾燥亜硫酸ナトリ デト酸ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩酸、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、カルボキシビニルポリマー、乾燥亜硫酸ナトリウム、乾燥炭酸ナトリウム、d-カンフル、dl-カンフル、キシリトール、クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、グリセリン、グルコン酸、L-グルタミン酸、L-グルタミン酸ナトリウム、クレアチニン、クロルヘキシジングルコン酸塩液、クロロブタノール、結晶リン酸二水素ナトリウム、ゲラニオール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム水和物、酸化チタン、ジェランガム、ジブチルヒドロキシトルエン、臭化カリウム、臭化べンゾドデシニウム、酒石酸、水酸化ナトリウム、ステアリン酸ポリオキシル45、精製ラノリン、D-ソルビトール、ソルビトール液、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、タウリン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム水和物、チオ硫酸ナトリウム水和物、チメロサール、チロキサポール、デヒドロ酢酸ナトリウム、トロメタモール、濃グリセリン、濃縮混合トコフェロール、白色ワセリン、ハッカ水、ハッカ油、濃ベンザルコニウム塩化物液50、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、ヒアルロン酸ナトリウム、人血清アルブミン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、氷酢酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、フェニルエチルアルコール、ブドウ糖、プロピレングリコール、ベルガモット油、ベンザルコニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物液、ベンジルアルコール、ベンゼトニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物液、ホウ砂、ホウ酸、ポビドン、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングルコール ザルコニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物液、ベンジルアルコール、ベンゼトニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物液、ホウ砂、ホウ酸、ポビドン、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングルコール(70)、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、d-ボルネオール、マクロゴール4000、マクロゴール6000、D-マンニトール、無水クエン酸、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、メタンスルホン酸、メチルセルロース、l-メントール、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ユーカリ油、ヨウ化カリウム、硫酸、硫酸オキシキノリン、流動パラフィン、リュウノウ、リン酸、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リンゴ酸、ワセリン等が例示される。 【0030】 (7)JP 6236167 B2 2017.11.22添加物としては、例えば、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、グリセリン、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム水和物、酒石酸、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム水和物、濃グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ホウ砂、ホウ酸、ポビドン、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、マクロゴール4000、マクロゴール6000、無水クエン酸、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、メチルセルロース 酸ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、マクロゴール4000、マクロゴール6000、無水クエン酸、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、メチルセルロース、モノエタノールアミン、リン酸、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、ヒアルロン酸ナトリウム、ブドウ糖、l-メントール等が好ましい。 【0031】水性組成物は、さらに、上記した以外に、適用疾患等に応じて、他の薬効成分を含んでいても良い。このような薬効成分としては、例えば、ブナゾシン塩酸塩などのブナゾシン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含むα 1受容体遮断薬;ブリモニジン酒石酸塩などのブリモニジン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、アプラクロニジン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含むα 2受容体作動薬;カルテオロール塩酸塩などのカルテオロール若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、ニプラジロール若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、チモロールマレイン酸塩などのチモロール若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、ベタキソロール塩酸塩などのベタキソロール若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、レボブノロール塩酸塩などのレボブノロール若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、ベフノロール若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、メチプラノロール若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含むβ 遮断薬;ドルゾラミド塩酸塩などのドルゾラミド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、ブリンゾラミド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、アセタゾラミド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、ジクロルフェナミド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、メタゾラミド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含む炭酸脱水酵素阻害剤;イソプロピルウノ 、アセタゾラミド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、ジクロルフェナミド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、メタゾラミド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含む炭酸脱水酵素阻害剤;イソプロピルウノプロストン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、タフルプロスト若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、トラボプロスト若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、ビマトプロスト若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、ラタノプロスト若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、クロプロステノール若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、フルプロステノール若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含むプロスタグランジンF2α 誘導体;ジピべフリン塩酸塩などのジピべフリン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、エピネフリン、エピネフリンホウ酸塩、エピネフリン塩酸塩などのエピネフリン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含む交感神経作動薬;ジスチグミン臭化物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、ピロカルピン、ピロカルピン塩酸塩、ピロカルピン硝酸塩などのピロカルピン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、カルバコール若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含む副交感神経作動薬;ロメリジン塩酸塩などのロメリジン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含むカルシウム拮抗薬;デメカリウム若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、エコチオフェート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、フィゾスチグミン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含むコリンエステラーゼ阻害剤などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を配合できる。 他の薬効成分としては、ラタノプロスト、ニプラジロール、ドルゾラミド、ブリンゾラミド及びチモロール並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上が好ましい。 【0032】水性組成物のpHは特に限定されないが、4~9が好 ラタノプロスト、ニプラジロール、ドルゾラミド、ブリンゾラミド及びチモロール並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上が好ましい。 【0032】水性組成物のpHは特に限定されないが、4~9が好ましく、4.5~8がより好ましく、5~7が特に好ましい。また、生理食塩水に対する浸透圧比は特に限定されないが、0.6~3が好ましく、0.6~2が特に好ましい。 【0033】本明細書において「容器」とは、前記水性組成物を直接的に収容する包装体を意味する。容器は、第十六改正日本薬局方通則に定義される「密閉容器」、「気密容器」、「密封容器」のいずれをも包含する概念である。 (8)JP 6236167 B2 2017.11.22【0034】当該容器の形態は、前記水性組成物を収容可能であることを限度として特に限定されず、剤形、医薬製剤の用途等に応じて適宜選択、設定すればよい。このような容器の形態としては、具体的には例えば、注射剤用容器、吸入剤用容器、スプレー剤用容器、ボトル状容器、チューブ状容器、点眼剤用容器、点鼻剤用容器、点耳剤用容器、バッグ容器等が挙げられる。 【0035】本明細書において「ポリオレフィン系樹脂製容器」とは、容器のうち少なくとも水性組成物と接する部分が「ポリオレフィン系樹脂製」である容器を意味する。従って、例えば、水性組成物と接する内層にポリオレフィンの層を設け、その外側に他の材質の樹脂等を積層等させてなる容器も、「ポリオレフィン系樹脂製容器」に該当する。ここで、ポリオレフィン系樹脂は特に限定されず、単一種のモノマーの重合体(ホモポリマー)であっても、複数種のモノマーの共重合体(コポリマー)であってもよい。また、コポリマーである場合においては、その重合様式は特に限定されず、ランダム 限定されず、単一種のモノマーの重合体(ホモポリマー)であっても、複数種のモノマーの共重合体(コポリマー)であってもよい。また、コポリマーである場合においては、その重合様式は特に限定されず、ランダム重合でもブロック重合でもよい。さらに、その立体規則性(タクティシティー)は特に限定されない。 このようなポリオレフィン系樹脂としては、具体的には例えば、ポリエチレン(より詳細には例えば低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレンを含む)、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリ(4-メチルペンテン)、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α -オレフィン共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組合わせて使用できる。ポリオレフィン系樹脂としては、変色を抑制する観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンがより好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。 なお、本明細書において「ポリオレフィン系樹脂製」とは、その材質の少なくとも一部にポリオレフィン系樹脂を含んでいることを意味し、例えば、ポリオレフィン系樹脂と他の樹脂との2種以上の樹脂の混合体(ポリマーアロイ)も「ポリオレフィン系樹脂製」に含まれる。 【0036】ポリオレフィン系樹脂製容器には、さらに紫外線吸収剤や紫外線散乱剤などの紫外線の透過を妨げる物質を練り込むのが好ましい。これにより、一般式(1)で表される化合物の光に対する安定性が改善される。こうした物質としては、具体的には例えば、紫外線散乱剤としては、酸化チタン;酸化亜鉛等が挙 を妨げる物質を練り込むのが好ましい。これにより、一般式(1)で表される化合物の光に対する安定性が改善される。こうした物質としては、具体的には例えば、紫外線散乱剤としては、酸化チタン;酸化亜鉛等が挙げられる。また、紫外線吸収剤としては、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール(例えば、TinuvinP:BASF社)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(例えば、Tinuvin 234:BASF社)、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(例えば、Tinuvin320:BASF社)、2-[5-クロロ(2H)-ベンゾトリアゾール-2-イル]-4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール(例えば、Tinuvin 326:BASF社)、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(例えば、Tinuvin327:BASF社)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール(例えば、TinuvinPA328:BASF社)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(例えば、Tinuvin 329:BASF社)、2,2'-メチルレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(例えば、Tinuvin 360:BASF社)、メチル3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコール300の反応生成物(例えば、Tinuvin 213:BASF社)、2-(2H-ベンゾトリア アゾール-2-イル)-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコール300の反応生成物(例えば、Tinuvin 213:BASF社)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノール( (9)JP 6236167 B2 2017.11.22例えば、Tinuvin 571:BASF社)、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(3'',4'',5'',6''-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5'-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2'-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2,2-ビス{[2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリロイルオキシ]メチル}プロパン-1,3-ジイル=ビス(2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート)(例えば、Uvinul 3030 FF:BASF社)、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸エチル(例えば、Uvinul 3035:BASF社)、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルへキシル(例えば、Uvinul 3039:BASF社)等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤;2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール(例えば、Tinuvin 1577 ED:BASF社)等のトリアジン系紫外線吸収剤;オクタベンゾン(例えば、Chimassorb 81:BASF社)、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン(例えば、Uvinul 3049:BASF 等のトリアジン系紫外線吸収剤;オクタベンゾン(例えば、Chimassorb 81:BASF社)、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン(例えば、Uvinul 3049:BASF社)、2,2'-4,4'-テトラヒドロベンゾフェノン(例えば、Uvinul 3050:BASF社)、オキシベンゾン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、シノキサート、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ケイ皮酸ベンジル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、4-[N,N-ジ(2-ヒドロキシプロピル)アミノ]安息香酸エチル等の安息香酸エステル系紫外線吸収剤;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;グアイアズレン;ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル;2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5-トリアジン;パラヒドロキシアニソール;4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン;フ エチルヘキシル;2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5-トリアジン;パラヒドロキシアニソール;4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン;フェニルベンズイミダゾールスルホン酸;2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)-安息香酸ヘキシルなどが挙げられる。 【0037】なお、紫外線の透過を妨げる物質を容器に練り込む場合、その配合割合は、当該物質の種類等によって異なるが、例えば、容器中に、0.001~50質量%、好ましくは0. 002~25質量%、特に好ましくは0.01~10質量%程度とすればよい。 【0038】容器は、その内部が肉眼で視認可能(観察可能)であるのが好ましい。内部が視認可能であれば、医薬製剤の製造工程において異物混入の有無等の検査が可能となる、医薬製剤の使用者が内容物(水性組成物)の残量を確認できる等のメリットが生ずる。ここで、視認可能性は、少なくとも容器表面の一部において確保されていればよい(例えば、点眼剤用容器の側面がシュリンクフィルム等により見通せなくなっていても、底面が視認可能であれば視認可能と言える。)。容器表面の一部において内部が視認可能であれば、これにより、容器内の水性組成物が確認可能となる。 【0039】容器への水性組成物の収容手段は特に限定されず、容器の形態等に従って常法により充填等すればよい。 【0040】医薬製剤の適用疾患は特に限定されず、前記一般式(1)で表される化合物の有する薬 (10)JP 6236167 B2 2017.11.22理作用等に応じて適宜選択すればよい。 具体的には例えば、一般式(1)で表される化合物の有するRhoキナーゼ阻害作用や眼圧低下作用に基づき、高眼圧症や緑内 36167 B2 2017.11.22理作用等に応じて適宜選択すればよい。 具体的には例えば、一般式(1)で表される化合物の有するRhoキナーゼ阻害作用や眼圧低下作用に基づき、高眼圧症や緑内障の予防又は治療剤として利用できる。ここで、緑内障としては、より詳細には例えば、原発性開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障、房水産生過多緑内障、急性閉塞隅角緑内障、慢性閉塞隅角緑内障、plateauirissyndrome、混合型緑内障、ステロイド緑内障、水晶体の嚢性緑内障、色素緑内障、アミロイド緑内障、血管新生緑内障、悪性緑内障などが挙げられる。 【0041】また、日本国特許第5557408号公報に開示されるように、眼底疾患(主として網膜及び/又は脈絡膜に発現する病変。具体的には例えば、高血圧と動脈硬化による眼底変化、網膜中心動脈閉塞症、網膜中心静脈閉塞症(centralretinalveinocclusion)や網膜静脈分枝閉塞症(branchretinalveinocclusion)等の網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、糖尿病黄斑症、イールズ病(Ealesdisease)、コーツ病(Coatsdisease)等の網膜血管先天異常、ヒッペル病(vonHippeldisease)、脈なし病(pulselessdisease)、黄斑疾患(中心性網脈絡膜症(centralserouschorioretinopathy)、嚢胞様黄斑浮腫(cystoidmacularedema)、加齢黄斑変性(age-relatedmaculardegeneration)、黄斑円孔(macularhole)、近視性黄斑萎縮(myopicmaculardegeneration)、網膜硝子体界面黄斑変性症、薬物毒性黄斑変性症 culardegeneration)、黄斑円孔(macularhole)、近視性黄斑萎縮(myopicmaculardegeneration)、網膜硝子体界面黄斑変性症、薬物毒性黄斑変性症、遺伝性黄斑変性等)、(裂孔原性、牽引性、滲出性等の)網膜剥離、網膜色素変性症、未熟児網膜症等が挙げられる。)の予防又は治療剤、より好適には糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫又は加齢黄斑変性の予防又は治療剤として利用できる。 【実施例】【0042】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。 なお、以下の試験例において、リパスジル1塩酸塩2水和物は、例えば国際公開第2006/057397号パンフレット記載の方法により製造することが出来る。 【0043】[試験例1]保存試験その1表1に示す処方の水性組成物を常法により調製した後、ポリエチレン(PE)製、ポリプロピレン(PP)製、又はポリ塩化ビニル(PVC)製の容器に入れて医薬製剤を製した。 得られた各医薬製剤を、60℃で3ヶ月間保存し、保存前後での色差(Δ YI)を色差計(分光測色計CM-700d:コニカミノルタセンシング(株))を用いて測定し、ΔYIの値が5以上のものを× 、5未満のものを○と評価した。 結果を表2に示す。 【0044】【表1】【0045】 (11)JP 6236167 B2 2017.11.22【表2】【0046】表2記載の結果の通り、リパスジルを含有する水性組成物をポリエチレン(PE)製、ポリプロピレン(PP)製等のポリオレフィン系樹脂製容器に収容した場合、高温で長期間保存した場合においてもΔ YIの値は低く抑えられていたのに対し、ポリ塩化ビニル(PVC)製の容器に収容した場合、Δ Y プロピレン(PP)製等のポリオレフィン系樹脂製容器に収容した場合、高温で長期間保存した場合においてもΔ YIの値は低く抑えられていたのに対し、ポリ塩化ビニル(PVC)製の容器に収容した場合、Δ YIの値が高くなった。 【0047】[試験例2]保存試験その2表3に示す処方の水性組成物を常法により調製した後、ポリエチレン(PE)製又はポリプロピレン(PP)製の容器に入れて医薬製剤を製した。 得られた各医薬製剤を、60℃で3ヶ月間保存し、保存前後での色差(Δ YI)を色差計(分光測色計CM-700d:コニカミノルタセンシング(株))を用いて測定し、ΔYIの値が5以上のものを× 、5未満のものを○と評価した。 結果を表4に示す。 【0048】【表3】【0049】【表4】【0050】表4記載の結果の通り、水性組成物の処方を変更した場合であっても、ポリエチレン(PE)製、ポリプロピレン(PP)製等のポリオレフィン系樹脂製容器に収容した場合、高温で長期間保存した場合においてもΔ YIの値は低く抑えられていた。 【0051】以上の試験例1、2の結果から、リパスジルを含む一般式(1)で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物をポリオレフィン系樹脂製容器に収容した場合、高温で長期間保存した場合でも相対的に変色が生じ難く、保存安定性に優れることが明らかとなった。 【0052】[製造例1~27]表5~表7に記載の成分及び分量(水性組成物100mL当たりの量(g))を含有する水性組成物を常法により調製し、これをポリエチレン製の点眼剤用容器に収容して、製造例1~27の医薬製剤を製造できる。 【0053】 (12)JP 6236167 B2 2017.11.22【表5】【 ン製の点眼剤用容器に収容して、製造例1~27の医薬製剤を製造できる。 【0053】 (12)JP 6236167 B2 2017.11.22【表5】【0054】 (13)JP 6236167 B2 2017.11.22【表6】【0055】 (14)JP 6236167 B2 2017.11.22【表7】【0056】[製造例28~54]製造例1~27において、ポリエチレン製の代わりにポリプロピレン製の点眼剤用容器を用いて、製造例28~54の医薬製剤を製造できる。 【0057】[製造例55~81]製造例1~27において、ポリエチレン製の代わりに環状ポリオレフィン(COP)製の点眼剤用容器を用いて、製造例55~81の医薬製剤を製造できる。 【0058】[製造例82~162]製造例1~81において、リパスジル1塩酸塩2水和物の代わりに同量の4-ブロモ- (15)JP 6236167 B2 2017.11.225-[[(2S)-2-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル]スルホニル]イソキノリンを用いたものを、製造例82~162の医薬製剤として、常法により製造できる。 【産業上の利用可能性】【0059】本発明によれば、保存安定性に優れた医薬製剤を提供でき、医薬品産業等において好適に利用できる。 (16)JP 6236167 B2 2017.11.22̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶フロントページの続き(51)Int.Cl. FIA61P 27/06 ̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶フロントページの続き(51)Int.Cl. FIA61P 27/06 (2006.01) A61P  27/06(72)発明者杉本信静岡県富士市大野新田332-1 興和株式会社富士研究所内審査官岩下直人(56)参考文献米国特許出願公開第2008/0064681(US,A1)ISOBE, Tomoyukiet. al,EffectsofK-115, aRho-KinaseInhibitor, onAqueousHumorDynamicsinRabbits,CurrentEyeResearch,2014年 2月 6日,Vol. 39, No. 8,p. 813-822,ISSN 0271-3683, 特にAbstract、p.814「Drugs」の項眼科NewInsight 第2巻点眼薬-常識と非常識-,1987年 7月10日,第3刷,ISBN4-89553-470-7, p.15-23,特にp.15「I.点眼薬の安定性とは何か」の項、p.16「光」の項、p.20「点眼瓶・包装の選択」の項、p.21「点眼(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)A61K  31/551A61J 1/05A61K 9/08B65D  65/00A61P  27/02A61P  27/06JSTPlu A61K 9/08B65D  65/00A61P  27/02A61P  27/06JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)

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