平成13(ワ)2568 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
平成14年8月19日 名古屋地方裁判所
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判決文本文24,715 文字)

主文 1 被告は,原告Aに対し,金1億5807万4256円及びこれに対する平成12年5月3日以降完済まで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は,原告Bに対し,金261万7500円及びこれに対する平成12年5月3日以降完済まで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告は,原告Cに対し,金220万円及びこれに対する平成12年5月3日以降完済まで年5分の割合による金員を支払え。 4 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 5 訴訟費用は,これを3分し,その1を原告らの負担とし,その余を被告の負担とする。 6 この判決は原告ら勝訴部分に限り仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は,原告Aに対し,金2億7554万0928円及びこれに対する平成12年5月3日以降完済まで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は,原告Bに対し,金591万7500円及びこれに対する平成12年5月3日以降完済まで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告は,原告Cに対し,金550万円及びこれに対する平成12年5月3日以降完済まで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,原告らが被告に対し,民法709条,自賠法3条に基づき,原告Aと被告との間の交通事故(以下「本件事故」という。)により,原告Aが被った損害,原告Aの両親である原告B,同Cが被った損害及びその遅延損害金につき,その賠償を求めた事案である。 1 争いのない事実等(証拠を示した部分以外は争いがない。)(1) 本件事故原告Aと被告との間に以下の本件事故が発生した。 ア日時平成12年5月3日午前4時50分ころイ場所名古屋市a区b町c丁目d番e号先路線上(以下この場所を「本件事故現場」,この道路を「本件道路」という。)ウ車両1 普通乗用自動車(以 平成12年5月3日午前4時50分ころイ場所名古屋市a区b町c丁目d番e号先路線上(以下この場所を「本件事故現場」,この道路を「本件道路」という。)ウ車両1 普通乗用自動車(以下「被告車」という。)エ同運転者被告オ車両2 普通乗用自動車(以下「原告車」という。)カ同運転者原告Aキ同所有者原告Bク事故態様原告車前部と被告車前部とが正面衝突した。 (2) 原告Aの傷害(甲2,3)原告Aは,本件事故により,脳挫傷,右大腿開放性骨折,右血気胸,両膝挫創の傷害を負った。 (3) 治療経過原告Aは,上記傷害の治療のために,平成12年5月3日から同年8月30日まで小牧市民病院に入院し,その後,現在までの間原告Aの自宅において在宅療養するとともに,木村病院の医師による往診を受けている。 (4) 後遺障害(甲5ないし7)原告Aは,平成12年10月31日,症状固定となり,頭部外傷による四肢痙性麻痺及び高度意識障害の後遺障害が残存した。原告Aの上記後遺障害は,自賠法施行令(平成13年12月21日付政令第419号による改正前のもの。)2条別表1級3号記載の後遺障害(神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの)に該当する。 (5) 原告Bは,原告Aの父であり,原告Cは原告Aの母である。 (6) 原告Bの物的損害原告Bは,本件事故により,以下の物的損害を被った。 ア原告車全損 36万5000円イレッカー費用 5万2500円ウ合計 41万7500円(7) 損害のてん補原告Aは,自賠責保険金合計3120万円を受領している。 2 争点(1) 本件事故態様,原告Aと被告の過 円ウ合計 41万7500円(7) 損害のてん補原告Aは,自賠責保険金合計3120万円を受領している。 2 争点(1) 本件事故態様,原告Aと被告の過失,過失割合(原告らの主張)本件事故は,被告が制限速度を大きく上回る速度で中央線を越えて被告車を進行させたため,対向車線を進行していた原告車と正面衝突したものである。 したがって,本件事故は,被告の一方的かつ極めて重大な注意義務違反により発生したものである。 (被告の主張)本件事故現場は,変則交差点であり,被告は同交差点を右折しようとして対向車線に進行し,対向車線を直進していた原告車と衝突したのである。 このような事故態様からすると,主たる過失は被告にあるとしても,原告Aにも本件事故の発生に1割以上の過失がある。 (2) 原告Aの損害(原告らの主張)ア治療費 150万9740円(ア) 小牧市民病院 149万0810円(イ) 木村病院 1万8930円イ入院雑費 27万1500円小牧市民病院120日分及び入院と同等評価の自宅療養61日分の合計181日分。 ウ症状固定前の看護費用 117万6500円イと同様合計181日分。 エ看護のための交通費 21万1460円オ訪問看護費用 2万1000円カ学費,教材費等 88万7500円キ購入済みの備品等 62万6525円(ア) 療養ベッド一配送費等 1万8000円(イ) エアーマット 10万00 88万7500円キ購入済みの備品等 62万6525円(ア) 療養ベッド一配送費等 1万8000円(イ) エアーマット 10万0080円(ウ) おむつ代等 11万0791円(エ) 経口栄養 20万0338円(オ) 清拭剤 1600円(カ) 車椅子 2万6150円(キ) 吸入器 2万6150円(ク) 浴槽代 1万1550円(ケ) 体位変換器 7680円(コ) 床擦れ防止用品 1万1235円(サ) ガーゼ 2163円(シ) 口腔ケア用品 1680円(ス) トイレ関連小物 1260円(セ) イルリガードル棒 6615円(ソ) 空気清浄器 9万1455円(タ) 聴診器 892円(チ) 水まくら代 8166円ク将来介護料 1億2938万4652円(ア) 原告Aは24時間の介護が必要であり,原告Aの家族による介護のほか,ホームヘルパーの派遣も得て原告Aの介護を受ける必要あり,その状況は将来も変わらないから,1日当たりの介護費用は親族介護分6000円,ホームヘルパー分1万2500円の合計1万8500円が必要である。そこで,原告Aの平均余命を65年として中間利息を控除すると以下のとおりとなる。 計算式 18,500×365×19.161=129,384,65 分1万2500円の合計1万8500円が必要である。そこで,原告Aの平均余命を65年として中間利息を控除すると以下のとおりとなる。 計算式 18,500×365×19.161=129,384,652(イ) いわゆる植物状態になった者の平均余命につき被告が主張する「寝たきり者の生存余命」が適用されるためには,この基準が相当の合理性を有している必要がある。しかし,被告の主張する基準を根拠付ける統計資料は15年間に集められた1898の事例に基づくものであること,また,平成4年度の調査であり,近年の医療の進歩についても考慮されていないことからすれば,同統計から寝たきり者の平均余命を判断することはできない。さらに,原告Aは,在宅看護以降,生命に危険が及んだことはないこと,むしろ,原告Aの状態は改善していること,原告Aが緊急の場合には医療機関へ容易に連絡できる体制が整っていること,両親らの原告Aに対する手厚い看護が期待できることからすれば,被告が主張する「寝たきり者の生存余命」という基準が原告Aに適用される合理性はない。 ケ将来の訪問看護費用 3003万0605円原告Aは,原告Cが65歳を超えてから(症状固定後22年)原告Aの平均余命(症状固定後64年)までの間,経管栄養や症状の点検等のための訪問看護が必要となる。そして,その費用は上記金額を下回らない。 計算式 (13,260×365+16,848×12)×(19.119-13.163)=30,030,605コ将来の備品等 1964万0262円(ア) 入浴担架 71万5687円8万0750円,耐用年数5年(イ) 簡易浴槽 64万8024円5万0544円,耐用年数3年( 64万0262円(ア) 入浴担架 71万5687円8万0750円,耐用年数5年(イ) 簡易浴槽 64万8024円5万0544円,耐用年数3年(ウ) 介護用ベッド 143万6725円22万2300円,耐用年数8年(エ) 床擦れ防止特殊マット 157万7771円9万9840円,耐用年数2年(オ) 体位変換器 23万3597円4万6020円,耐用年数10年(カ) 移動リフト 76万7998円15万1300円,耐用年数10年(キ) 安眠枕,デニム防水シーツ 42万5657円3万3200円,耐用年数3年(ク) 車椅子 138万2628円15万6000円,耐用年数5年(ケ) スライドスロープ 26万5779円5万2360円,耐用年数10年(コ) おむつ代等 344万8980円1月当たり1万5000円(サ) 経管栄養 873万7416円1月当たり3万8000円サ住宅購入費等 303万8050円原告Aは,本件事故による後遺障害により,バリアフリー等障害者用の住宅を購入する必要が生じた。そこで,上記住宅購入費2038万0500円の1割程度に引越費用100万円を加えた上記金額につき,本件事故による損害となる。 シ逸失利益 6744万3134円平成11年賃金センサスの産業計・企業規模計・女子労働者・高専,短大卒・全年齢平均賃金375万0800円を基礎収入として,労働能力喪失率を100パーセントとして,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除すると以下の 業計・企業規模計・女子労働者・高専,短大卒・全年齢平均賃金375万0800円を基礎収入として,労働能力喪失率を100パーセントとして,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除すると以下のとおりとなる。 計算式 3,750,800×17.981=67,443,134ス傷害慰謝料 500万円セ後遺障害慰謝料 3000万円ソ弁護士費用 1750万円(被告の認否及び反論)ア治療費小牧市民病院分の治療費は認めるが,木村病院分は不知。 イ入院雑費入院は120日間であり,1日当たり1300円として計算すべきである。 ウ症状固定前の看護費用入院は,120日間であり,1日当たり6000円として計算すべきである。 エ看護のための交通費不知オ訪問看護費用不知カ学費,教材費等不知キ購入済みの備品等不知ク将来介護料原告Aのような障害を有する者の平均余命は一般健常者と比べて著しく短いので,一般健常者の数値を基準とした計算は妥当ではない。 原告らが請求している将来の訪問看護費用,将来の備品等は積極損害であり,原告Aのようにいわゆる植物状態になった被害者の生存可能年数は通常人と比べて著しく短いのであるから,「寝たきり者の平均余命」を基準として計算すべきである。「寝たきり者の平均余命」は,証拠(乙1)によると,9.9年である。 ケ将来の訪問看護費用上記クと同じく「寝たきり者の平均余命」を用いるべきである。 コ将来の備品等上記ク,ケと同じく「寝たきり者の平均余命」を用いるべきである。 サ住宅購入費等否認する。本件事故と相当因果関係がない。 シ逸失利益原告は,高卒であるから,基礎収入は高 コ将来の備品等上記ク,ケと同じく「寝たきり者の平均余命」を用いるべきである。 サ住宅購入費等否認する。本件事故と相当因果関係がない。 シ逸失利益原告は,高卒であるから,基礎収入は高卒者の基準を採用すべきである。専門学校へ行く人が高専・短大卒となる訳ではないのである。 ス傷害慰謝料200万円をもって相当とすべきである。 セ後遺障害慰謝料2700万円をもって相当とすべきである。 ソ弁護士費用争う(3) 原告B,同Cの損害(原告らの主張)ア原告Bの損害(ア) 物的損害 41万7500円(前記1(6)記載のとおり。)(イ) 慰謝料 500万円子である原告Aが前記のとおり受傷し重篤な後遺障害が残存したことによる精神的苦痛に対する慰謝料。 (ウ) 弁護士費用 50万円イ原告Cの損害(ア) 慰謝料 500万円上記ア(イ)と同様。 (イ) 弁護士費用 50万円(被告の認否)ア原告Bの損害物的損害は認め,その余は争う。 イ原告Cの損害争う第3 争点に対する判断 1 争点(1)(本件事故態様,原告Aと被告の過失,過失割合)(1) 前記争いのない事実等並びに証拠(甲1,9,10,16ないし18,19の①ないし⑦,20ないし27)及び弁論の全趣旨によると以下の事実が認められる。 ア本件道路は,東から西に向かう幅約6.5メートルの片道1車線の道路であり,本件事故現場付近で本件道路から北西に向かう幅約5.6メートルの交互通行の単路(以下「本件交差道路」という。)と交差してY字路交差点を形成している 向かう幅約6.5メートルの片道1車線の道路であり,本件事故現場付近で本件道路から北西に向かう幅約5.6メートルの交互通行の単路(以下「本件交差道路」という。)と交差してY字路交差点を形成している(以下「本件交差点」という。)。また,本件道路の制限速度は毎時40キロメートルである。本件道路の中央線は黄色線(追越しのための右側部分はみ出し通行禁止)であり,中央線は本件交差点内にも設けられている。本件交差点付近の本件道路南側路外土手上には,カーブミラーが設置されている。 本件交差点の本件交差道路北側には本件交差道路東進車線から本件交差点を左折進行する車のためのゼブラゾーンが設けられている。なお,本件交差点に信号機は設置されていない。 本件交差点付近における本件道路西進車線から対向車線の見通しは,本件道路が本件交差点を越えた辺りから下り坂となっているため不良である。同様に,本件交差点付近における本件道路東進車線から対向車線の見通しも本件交差点の手前が上り坂の頂点となっているため不良である。 イ被告は,本件事故当時,名古屋市千種区に住む友人と会うため,被告車を運転して本件道路西進車線を東から西に向けて毎時約78キロメートルの速度で進行し,本件交差点に至った。被告は,本件事故現場から約57.5メートル手前の地点(別紙図面②の地点)において,本件道路東進車線及び本件交差道路を進行する車両の有無を確認したが,本件道路東進車線を走行する原告車の存在に気付かず,安全に本件交差点を右折進行できると判断して,本件事故現場から約26.1メートル手前の地点(別紙図面③の地点)において,減速しないまま右に転把し,本件交差点で右折進行するため,本件道路中央線を越えて対向車線を進入し走行した。 ウ他方,原告Aは,自宅に帰宅するため,本件道路東進車線を毎時約41キロ ③の地点)において,減速しないまま右に転把し,本件交差点で右折進行するため,本件道路中央線を越えて対向車線を進入し走行した。 ウ他方,原告Aは,自宅に帰宅するため,本件道路東進車線を毎時約41キロメートルの速度で進行して本件交差点に直進,進入し,その後,本件交差点内を上記速度で約28.1メートル進行し,本件事故現場に至った。 エ被告は,本件事故現場から約10メートルの手前の地点で,対向車線を進行する原告車の存在に気付いたが,そのままの速度で進行し,被告車前部が原告車前部に正面衝突した。原告車は,本件事故の衝撃により前部を中心に大きく損壊し,全壊状態になった。 本件事故現場は,本件交差点の西端から約28.1メートル,前記したカーブミラーから約19.2メートル東側に進んだ地点である。 以上のとおり認められる。 (2) 上記認定事実によると,被告は,本件交差点を右折進行するためには,対向車線を走行する車両の有無を確認し,その進行を妨害しないように進行する必要があるにもかかわらず,これを怠り,対向車線の車両がない旨誤信して右折進行して本件事故を惹起した過失がある。また,被告は,本来交差点を右折するためには交差点の中心の直近の内側を徐行しなければならないにもかかわらず,これを怠り,本件交差点の手前である別紙図面③の地点において指定速度を大きく上回る高速度で漫然と右折を開始したものであり,この過失も本件事故の一因となっている。 他方,原告Aにも,対向車線を走行する車両が本件交差点を高速で右折進行してくることを予期して,これとの衝突を避けるために減速等の措置を行い本件事故の発生を事前に回避する可能性がなかったとまでは断じがたいところ,原告Aが上記のような措置を採ったものと認めるに足りる証拠はない。 しかしながら,上記の被告の過失内容,本件交差 の措置を行い本件事故の発生を事前に回避する可能性がなかったとまでは断じがたいところ,原告Aが上記のような措置を採ったものと認めるに足りる証拠はない。 しかしながら,上記の被告の過失内容,本件交差点の形状,本件事故態様,本件事故に至るまでの原告Aと被告の各運転状況,特に本件事故時,被告は毎時約78キロメートルという指定速度の2倍近い高速度で,かつ,交差点の手前で右折を開始して反対車線を走行したこと,被告が右折を開始してから約26.1メートルで本件事故が起きたこと,本件事故現場は原告Aが本件交差点に進入してから約28.1メートルも進行した地点であること,被告は,右折開始後原告車との距離が約10メートルになるまで,原告車の存在に気付いていなかったこと等を考慮すると,原告Aとしては,本件被告のような無謀かつ危険な右折進行車があるとまでは通常予測できないものというべきであるから,本件事故は専ら被告の過失に基づき発生したものであって,原告Aには,過失相殺として斟酌すべき程の落ち度はなかったものと認めるのが相当である。 2 争点(2)(原告Aの損害)(1) 原告Aの症状及び推定余命年数ア前記争いのない事実等並びに証拠(甲2ないし7,15,23,24,56,57,58の①,②,59,61,乙1,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると以下の事実が認められる。 (ア) 原告Aは,昭和56年2月5日生まれであるところ,本件事故後,小牧市民病院に搬送されたが,CTにより左急性硬膜下血腫及び脳挫傷の所見があり,重度の意識障害(痛み刺激で少し手足を動かしたり,顔をしかめるだけで,刺激をしても覚醒しない状態。)であったため,同病院において左開頭血腫除去術を施行された。原告Aは,同手術後,意識レベルが上昇したが未だ重度の意識障害が残存した。原告Aは,本件事故時 かめるだけで,刺激をしても覚醒しない状態。)であったため,同病院において左開頭血腫除去術を施行された。原告Aは,同手術後,意識レベルが上昇したが未だ重度の意識障害が残存した。原告Aは,本件事故時,上記頭部外傷のほかX線写真による右血気胸の所見もあり,自力呼吸ができず人工呼吸器の使用が必要であったが,その後回復して自力呼吸が可能となった。 (イ) 原告Aは,平成12年8月30日,小牧市民病院を退院し,その後在宅療養を行い,同年10月31日,四肢の自動運動不能,自力摂取不能,便尿失禁,意味ある発語不能,追視なし,口頭指示に対する応答なし,経管栄養中の状態で症状固定とされた。 原告Aは,在宅療養時毎週火曜日に木村病院の医師による往診を受けているほか,週2回(退院後約2か月間は週3回。)の訪問看護を受け,その中で,リハビリ治療等を行っている。原告Aの症状は,在宅看護が始まって以降,痙攣も発熱時のみに限定され,その程度も軽くなったこと,痰も少なくなり,痛み等を表現するようになったほか,生理になったり,座位をとれるようになった等の改善があった。また,在宅看護開始後,呼吸の乱れや肺炎等に罹患したこともない。 (ウ) 原告Aの看護は主に原告Cが行っており,原告Cが体調を崩したときや,夜間等は原告Bがその看護を行っている。 原告C,同Bの平成14年2月における原告Aに対する1日の看護内容は,以下のとおりである。 a 午前4時ころに起床後,検温,おむつ交換,体位変換等を行う。 b 午前5時半ころ,検温,顔ふき,歯磨き,目薬等を行う。 c 午前8時ころから10時ころまで,経管栄養のテルミール,お茶及び薬を与える。経管栄養は,聴診器を用いて管(チューブ)を正常な位置に挿入し,約1時間30分の時間をかけて徐々に与える必要がある。 d 午前12時ころ,食間の薬と目 まで,経管栄養のテルミール,お茶及び薬を与える。経管栄養は,聴診器を用いて管(チューブ)を正常な位置に挿入し,約1時間30分の時間をかけて徐々に与える必要がある。 d 午前12時ころ,食間の薬と目薬を与える,e 午後2時ころ,検温を行い,発熱していれば氷枕,アイスノン等により体温を下げさせ,また,おむつ交換を行う。 f 午後3時ころ,2度目の食事を経管栄養により与える。 d 午後6時ころ,薬を与える。 g 午後10時ころ,おむつ交換をし,3度目の食事を経管栄養により与える。 h 午前1時ころ,薬を与え,検温,場合によっては体温を下げさせる。 i 毎週月曜日には歯科医の訪問,火曜日には医師による往診があり,毎週火曜日,水曜日には看護婦の訪問看護がある。 j また,毎週2回程度,午後8時ころ,原告Aの入浴の介助をしている。 以上のとおり認められる。 イそして,上記の原告Aの本件事故時の症状,在宅看護開始後の症状の変化,在宅看護における看護内容等を考慮すると,原告Aの生命維持につき特段の障害があると認めることはできない。 ウこれに対し,被告は,原告Aがいわゆる植物状態にあり,「寝たきり者の平均余命」が10年程度であるから原告Aの余命も同程度であると主張し,これに沿う証拠(乙1)もある。 しかし,上記証拠(乙1)の根拠とされる統計資料が過去の一定期間に集められた,少ないサンプル数に基づいているものであることからすれば,同証拠(乙1)のみで原告Aの平均余命が通常人より少ないと認めることはできない。むしろ,上記のとおり,原告Aは,原告Cらによる手厚い看護を受けているほか,医師等による定期的な診療,リハビリ治療等も受けており,更に今日の医療の進歩を考慮すれば,原告Aが健常者と同様の余命年数を生存できる蓋然性があると認められる。 エ以上からすれば,原告 けているほか,医師等による定期的な診療,リハビリ治療等も受けており,更に今日の医療の進歩を考慮すれば,原告Aが健常者と同様の余命年数を生存できる蓋然性があると認められる。 エ以上からすれば,原告Aの余命年数は,原告Aの症状固定時である平成12年度の簡易生命表女子平均余命に照らし,症状固定後66年であると認めるのが相当である。 (2) 治療費 150万9740円ア小牧市民病院 149万0810円当事者間に争いがない。 イ木村病院 1万8930円前記認定事実等並びに証拠(甲6,24,28の①ないし⑤,56,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成12年8月30日に小牧市民病院を退院した後,自宅において在宅看護を受けているが,毎週1回血液検査や器具の交換,症状の点検等のために木村病院の医師による往診を受けていること,同日から同年12月までの往診費用が1万8930円であったこと,原告の後遺障害からすれば医師による検査,器具の交換等が必要であることが認められるのであるから,原告Aの上記往診費用も本件事故による損害と認められる。 (3) 入院雑費 18万円前記認定事実等並びに証拠(甲2ないし4)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故日である平成12年5月3日から同年8月30日までの120日間,本件事故による脳挫傷,右大腿骨開放性骨折等の傷害の治療のため,小牧市民病院において入院治療を受けていたこと,入院期間中の食事療養費,病衣代,電気代等が上記2(2)の治療費に含まれていたこと,他方,原告Aの症状からおむつ,ガーゼ等の医療品が必要となったこ め,小牧市民病院において入院治療を受けていたこと,入院期間中の食事療養費,病衣代,電気代等が上記2(2)の治療費に含まれていたこと,他方,原告Aの症状からおむつ,ガーゼ等の医療品が必要となったことが認められ,これらの事実からすると,原告Aの入院雑費につき,上記入院期間中1日当たり1500円の範囲で認めるのが相当である。 計算式 1,500×120=180,000(4) 症状固定前の看護費用 112万3000円ア前記認定事実並びに証拠(甲24,56)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,小牧市民病院へ搬送された時,生命に危険があったこと,原告Aの症状は,徐々に改善したが,発熱,痙攣等の症状があったこと,原告B及び同Cは,原告Aの小牧市民病院の入院期間中,交替で原告Aに付き添っていたことが認められ,これによれば原告Aの症状は重篤であり,常に原告Aの症状を見ている人が必要であったことが認められる。そして,入院期間中は看護婦等による看護が期待できること等からすれば,原告Aの付添看護費用は1日当たり6000円の範囲で認めるのが相当である。 イまた,前記認定事実並びに証拠(甲57,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aが平成12年8月30日に退院後は,原告Aの家族が自宅で原告Aを看護していること,原告Aの看護は,1日3回の経管栄養,検温,おむつ交換,寝衣交換,口腔ケア,体位変換,車椅子への移乗,発熱時の冷却,マッサージ等のリハビリのほか,週2回の入浴,洗髪,シーツ交換が必要であることが認められ,これらの事実からすれば,原告Aの自宅における看護費用として,上記退院から症状固定までの62日間につき,1日当たり6500円の範囲で認めるのが相当である。 ウ以上から,原告Aの症状固定前の看護 れ,これらの事実からすれば,原告Aの自宅における看護費用として,上記退院から症状固定までの62日間につき,1日当たり6500円の範囲で認めるのが相当である。 ウ以上から,原告Aの症状固定前の看護費用は合計112万3000円となる。 計算式 6,000×120=720,0006,500×62=403,000720,000+403,000=1,123,000(5) 看護のための交通費 21万1460円証拠(甲56,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Cは,原告Aの入院期間中,片道約2時間かけて小牧市民病院に通っていたこと(ただし,病院に宿泊していたこともあるため,交通機関を使用したのは97日間であること),その交通費は1日当たり2180円を下らないことが認められる。 したがって,原告Aの看護のための交通費は,合計21万1460円となる。 計算式 2,180×97=211,460(6) 訪問看護費用 2万1000円前記認定事実並びに証拠(甲24,29の①ないし④,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成12年8月30日以降,週に約2,3回看護婦に訪問してもらい,手足のマッサージ等のリハビリ等の訪問看護を受けていたこと,上記日から同年12月までに,訪問看護における交通費として合計2万1000円を負担したことが認められる。 そしてこれらからすれば,原告Aの訪問看護費用として上記2万1000円を認めるのが相当である。 (7) 学費,教材費等 81万3541円証拠(甲23,24,30,31,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故当時,専門学校であるD学院に通い,歯科衛 学費,教材費等 81万3541円証拠(甲23,24,30,31,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故当時,専門学校であるD学院に通い,歯科衛生士となるべく勉強をしていたこと,原告らは,平成12年4月11日,平成12年度の学費として学納金70万7500円,教材費18万円の合計88万7500円を支払ったこと,原告Aは,本件事故により,本件事故日以降,上記専門学校への通学ができなかったことが認められ,上記支払済の専門学校の学費,教材費等のうち,受講することができなくなった平成12年5月分から11か月分の学費,教材費に相当する81万3541円は本件事故と因果関係を有する損害と認めることができる。 計算式 887,500÷12×11=813,541(8) 購入済みの備品等ア療養ベッド一式配送費等 1万8000円前記認定事実並びに証拠(甲37)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年8月29日,訴外株式会社Eに対し,療養ベッドの配送,設置費用として1万8000円支払ったこと,原告Aは,本件事故による後遺障害のために,療養ベッド一式が必要であることが認められ,これらの事実によると,上記療養ベッドの配送,設置費用も本件事故と因果関係のある損害と認めることができる。 イエアーマット 10万0800円前記認定事実並びに証拠(甲38)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年10月23日,訴外株式会社Fに対し,エアーマットの代金として10万0800円支払ったこと,原告Aは,後遺障害により寝たきりの生活を送っているため,褥瘡予防のために特別なエアーマットを必要とすることが認められ,そしてこれらの事実によると,上記エア 代金として10万0800円支払ったこと,原告Aは,後遺障害により寝たきりの生活を送っているため,褥瘡予防のために特別なエアーマットを必要とすることが認められ,そしてこれらの事実によると,上記エアーマットの代金も本件事故と因果関係のある損害と認めることができる。 ウおむつ代等 3万1000円証拠(甲39)によると,原告らは,本件事故時から平成13年2月10日までの間,原告Aのおむつ代等として合計11万0791円を支出していること,そのうち,症状固定までに購入したのは7万9610円であること,原告Aは,本件事故による後遺障害(尿便失禁)のため,おむつが必要であることが認められる。 そして,上記認定事実及び原告にはおむつのほか,ガーゼ,脱脂綿等の医療品が必要となること,他方,ティッシュ等日用品については本件事故との因果関係につき疑問があることからすると,原告Aのおむつ代等としては,1日当たり500円の費用の範囲が本件事故と因果関係を有すると認めるのが相当である。他方,上記のとおり,原告が入院していた期間については入院雑費を損害として認めており,それ以外にさらにおむつ代等が必要であったと認めるに足りる証拠はない。 したがって,原告Aが小牧市民病院を退院後症状固定までの間,1日当たり500円のおむつ代等が必要であったとして,その費用を計算すると以下のとおり3万1000円となる。 計算式 500×(182-120)=31,000エ経管栄養 0円前記認定事実並びに証拠(甲40の①)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年8月31日から平成13年1月22日までの間,訴外株式会社八神製作所に対し,経管栄養により摂取する高カロリー栄養飲 前記認定事実並びに証拠(甲40の①)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年8月31日から平成13年1月22日までの間,訴外株式会社八神製作所に対し,経管栄養により摂取する高カロリー栄養飲料であるテルミール2.0の代金として合計20万0338円を支払ったこと,原告Aは,本件事故による後遺障害のため,自力摂取することができず,経管栄養により摂取していることが認められる。そしてこれらの事実によると,原告らが支出する上記栄養飲料費用はいわば原告Aの食費に替わるものであるといえ,その費用として原告Aの日常生活における食費に比べ高額であるとはいえないのであるから,上記経管栄養における栄養飲料代は本件事故による損害と認めることはできない。 オ清拭剤 0円証拠(甲41の①,②)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年10月18日及び平成13年1月15日,それぞれ清拭剤等代として合計1600円を支出したことが認められるが,前述のとおり,原告Aのおむつ代等として既に考慮しているのであるから,上記費用は独立した損害とは認められない。 カ車椅子 2万6150円前記認定事実並びに証拠(甲42,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年12月27日,訴外株式会社Fに対し,車椅子代として2万6150円を支払ったこと,原告Aは後遺障害により移動には車椅子が必要となることが認められ,そしてこれらの事実によれば,上記車椅子代は本件事故と因果関係のある損害と認めることができる。 キ吸入器 2万6150円前記認定事実並 実によれば,上記車椅子代は本件事故と因果関係のある損害と認めることができる。 キ吸入器 2万6150円前記認定事実並びに証拠(甲3,43,61,原告B本人)によると,原告らは,平成12年12月15日,訴外株式会社Fに対し,吸入器代として2万6150円を支払ったこと,原告Aは,本件事故による後遺障害のため,誤嚥の危険があることから,吸入器が必要であることが認められ,そして,これらの事実によると,上記吸入器代は,本件事故と因果関係のある損害と認めることができる。 ク浴槽代 1万1550円前記認定事実並びに証拠(甲24,44,58の①,②,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると原告らは,平成12年10月27日,訴外株式会社八神製作所に対し,簡易浴槽代として1万1550円を支払ったこと,原告Aは,本件事故による後遺障害のため,自宅(ただし,平成12年10月当時に居住していた住居。)における入浴に簡易浴槽が必要であったことが認められ,そしてこれらの事実によると,上記簡易浴槽代は,本件事故と因果関係のある損害と認めることができる。 ケ体位変換器 7680円前記認定事実並びに証拠(甲45,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年10月23日,訴外株式会社Fに対し,体位変換器代として7680円を支払ったこと,原告Aは本件事故による後遺障害のため寝返りができず,褥瘡予防のために体位変換を行う必要があり,その介護のために体位変換器が必要であることが認められ,そしてこれらの事実によると,上記体位変換器代は,本件事故と因果関係のある損害と認める 返りができず,褥瘡予防のために体位変換を行う必要があり,その介護のために体位変換器が必要であることが認められ,そしてこれらの事実によると,上記体位変換器代は,本件事故と因果関係のある損害と認めることができる。 コ床擦れ防止用品 1万1235円前記認定事実並びに証拠(甲3,46,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年10月17日,訴外G株式会社に対し,床擦れ防止用品代(枕,円座,円座パット)として1万1235円を支払ったこと,原告Aは,褥瘡予防のために円座等を必要とすることが認められ,そして,これらの事実によると,上記床擦れ防止用品代は,本件事故と因果関係があると認めることができる。 サガーゼ 0円証拠(甲47の①,②,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年6月25日及び同年10月19日,それぞれガーゼ代等として合計2163円を支出したことが認められるが,前述のとおり,原告Aの入院雑費又はおむつ代等として既に考慮しているのであるから,上記費用は独立した損害とは認められない。 シ口腔ケア用品 0円証拠(甲48,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年9月18日,訴外株式会社Hに対し,口腔ケア用品代として合計1680円を支出したことが認められるが,前述のとおり,原告Aのおむつ代等として既に考慮しているのであるから,上記費用は独立した損害とは認められない。 ストイレ関連小物 0円証拠(甲49,原告B本人)及び弁論の Aのおむつ代等として既に考慮しているのであるから,上記費用は独立した損害とは認められない。 ストイレ関連小物 0円証拠(甲49,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年9月12日,1260円でシャワーボトルを購入したことが認められるが,同品物が原告Aに必要かを認めるに足りる証拠がなく,上記トイレ関連小物を本件事故と因果関係のある損害と認めることはできない。 セイルリガードル棒 6615円前記認定事実並びに証拠(甲50,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年8月29日,訴外株式会社Fに対し,イルリガードル棒(経管栄養を行う際に用いる器具)代として6615円を支払ったこと,原告Aは,本件事故による後遺障害のため,自力摂取が行えず食事等を経管栄養によって行っていることが認められ,そしてこれらの事実によると,上記イルリガードル棒代は本件事故と因果関係のある損害と認めることができる。 ソ空気清浄器 0円証拠(甲51,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年8月29日,訴外株式会社Iに対し,空気清浄器,床擦れ防止ウェービングマットほかの代金として合計9万1455円支払ったこと,原告らが原告Aの感染を防ぐために空気清浄器を使用していることは認められる。しかし,本件全証拠によっても上記空気清浄器を使用する必要性があるとの事情を認めることができない。 したがって,原告らが主張する上記空気清浄器代を本件事故による損害と認めることはできない。 タ聴診器 たがって,原告らが主張する上記空気清浄器代を本件事故による損害と認めることはできない。 タ聴診器 892円前記認定事実並びに証拠(甲52,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年8月21日,訴外株式会社Fに対し,聴診器代として892円を支払ったこと,原告Aは,本件事故による後遺障害のため経管栄養の方法により食事を摂取するところ,経管栄養の際に管(チューブ)が正常な位置にあることを確認するために聴診器が必要であることが認められ,そしてこれらの事実によると,上記聴診器代は,本件事故と因果関係のある損害と認めることができる。 チ水まくら代 7854円前記認定事実並びに証拠(甲24,53,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成12年8月26日,水まくら,アイスノン等を8166円で購入したこと,そのうち312円(計算式 298×1.05=312)はティッシュペーパーの代金であったこと,原告Aは,本件事故による後遺障害のため,体温の調節ができなくなっており,発熱した場合,頭,脇,足もと等にアイスノン等を置いて体温の冷却を行う必要があることが認められ,そしてこれらの事実によると,上記アイスノン等のうち上記ティッシュペーパーの代金を除いた7854円は,本件事故と因果関係のある損害と認めることができる。 なお,上記ティッシュペーパー代は既におむつ代等として考慮しているので,これは上記水まくら代に含めない。 (9) 将来介護料 6592万6300円前記認定事実並びに証拠(甲32の①,②,33,56,57,61,原告 しているので,これは上記水まくら代に含めない。 (9) 将来介護料 6592万6300円前記認定事実並びに証拠(甲32の①,②,33,56,57,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故による後遺障害により,常時介護を必要とする状態にあること,原告Aは,平成12年8月30日に小牧市民病院を退院して以降,原告Cらによる看護を受けていたこと,原告Cらの看護は前記のとおり,経管栄養等が必要であり,そのためには看護婦(看護士)の資格を有しているものによる看護が行われることが望ましいこと,有資格者の看護は約3割の費用の増加があることが認められ,そしてこれらの事実を考慮すると,原告Aは,症状固定後原告Cが67歳になる平成37年2月までの24年間については,原告Cらによる家族による看護が,その後原告Aの平均余命までは職業看護人による看護がそれぞれ必要であると認められ,その看護費用は,家族看護分につき前記のとおり1日当たり8000円,職業看護人による看護につき1日当たり1万3000円と認めるのが相当である。 そして,これらの将来看護費用の本件事故時における現価につき,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除して求めると以下のとおり6592万6300円となる。 計算式 8,000×365×13.7986=40,291,91213,000×365×(19.2010-13.7986)=25,634,38840,291,912+25,634,388=65,926,300(10) 将来の訪問看護費用 634万2940円前記認定事実及び証拠(甲24,29の①ないし④,33,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告 10) 将来の訪問看護費用 634万2940円前記認定事実及び証拠(甲24,29の①ないし④,33,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,週2回の割合で訪問看護を受けていること,原告Aの日常の看護を原告Cらが行う場合,体調等の検査及びリハビリ治療のために訪問看護を受ける必要があること,訪問看護料は1日当たり4420円が必要であること,原告Cらによる原告Aの介護は,平成37年2月まで行われ,それ以降は職業看護人による介護が行われることが認められる。 そこで,平成12年12月以降平成37年2月まで,1週間に2回の割合で訪問看護が必要であるとして,本件事故時における訪問看護費用の現価につき,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除して求めると以下のとおり634万2940円となる。 計算式 4,420×2×52×13.7986=6,342,940(11) 将来の備品等ア入浴担架 34万0296円前記認定事実並びに証拠(甲54ないし56,59,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故による後遺障害のため,入浴する際に他人による介護が必要であるほか入浴担架が必要となること,入浴担架の価格が1台当たり8万0750円であることが認められる。 そしてこれらの事実によると,原告Aは,原告らの新居が完成した平成13年9月から平均余命までの間1台8万0750円の入浴担架が必要であり(耐用年数は5年が相当である。),その買換え費用の本件事故時の現価につき,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除すると以下のとおりとなる。 計算式 80,750×(0.9523+0.7462+0.58 が相当である。),その買換え費用の本件事故時の現価につき,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除すると以下のとおりとなる。 計算式 80,750×(0.9523+0.7462+0.5846+0.4581+0.3589+0.2812+0.2203+0.1726+0.1352+0.1059+0.0830+0.0650+0.0509)=340,296イ簡易浴槽 0円証拠(甲54)によると,簡易浴槽の価格が1台当たり5万0544円であることが認められるが,証拠(甲58の①,②,59)及び弁論の全趣旨によると,原告Aの自宅は新築され,入浴には自宅の浴槽を使用していることが認められるのであるから,原告Aに将来上記簡易浴槽が必要であると認めることはできない。 ウ介護用ベッド 44万5000円前記認定事実並びに証拠(甲37,54,56,59,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故による後遺障害により,いわゆる寝たきりの生活を余儀なくされており,その介護のために介護用ベッドが必要であること,原告Aは,平成12年8月29日,介護用ベッドを1台購入したこと,介護用ベッドは1台当たり22万2300円であることが認められる。そしてこれらの事実によると,原告Aは上記介護用ベッドの耐用年数(耐用年数は8年が相当である。)が尽きる平成20年8月から平均余命まで,1台22万2300円の介護用ベッドを購入する必要があり,その買換え費用の本件事故時の現価につき,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除すると以下のとおり44万5000円となる。 計算式 222,300×(0.6768+0.4581+0.3100+0.2098+0.1420+ き,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除すると以下のとおり44万5000円となる。 計算式 222,300×(0.6768+0.4581+0.3100+0.2098+0.1420+0.0961+0.0650+0.0440)=445,000エ床擦れ防止特殊マット 103万0838円前記認定事実並びに証拠(甲54,55)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故による後遺障害のため,いわゆる寝たきりの生活を余儀なくされていること,原告Aは,褥瘡予防のための特殊マットを使用する必要があること,そのマットは1枚当たり9万9840円であることが認められる。そしてこれらの事実によると,原告Aは,症状固定から平均余命まで,上記1枚9万9840円の特殊マットを必要とし(耐用年数は2年が相当である。),その買換え費用の本件事故時の現価につき,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除すると以下のとおり103万0838円となる。 計算式 99,840×(1+0.9070+0.8227+0.7462+0.6768+0.6139+0.5568+0.5050+0.4581+0.4155+0.3768+0.3418+0.3100+0.2812+0.2550+0.2313+0.2098+0.1903+0.1726+0.1566+0.1420+0.1288+0.1168+0.1059+0.0961+0.0872+0.0790+0.0717+0.0650+0.0590+0.0535+0.0485+0.0440)=1,030,838オ体位変換器 2万0539円前記認定事実並びに証拠(甲45,54ないし56,61,原告B本人)及び弁論の )=1,030,838オ体位変換器 2万0539円前記認定事実並びに証拠(甲45,54ないし56,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故による後遺障害のためいわゆる寝たきりの生活を余儀なくされていること,そのため,褥瘡予防等の目的で体位変換クッションが必要となり,そのために体位変換クッションが必要となること,原告らは,平成12年10月23日,体位変換器を購入したこと,体位変換クッションは1個当たり1万3650円であることが認められる。 これに対し,原告らは,将来の体位変換器としてナーセントパットA1枚,体位変換クッション2個(合計4万6020円)を主張するが,その種類,個数が必要であると認めるに足りる証拠はなく,原告らの上記主張は採用できない。 そこで,原告Aの購入済みの上記体位変換器の耐用年数(耐用年数は10年が相当である。)が尽きる平成22年10月から原告Aの平均余命まで1万3650円の体位変換クッション1個の範囲で必要であるとして,その買換え費用の本件事故時における現価につき,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除すると以下のとおり2万0539円となる。 計算式 13,650×(0.6139+0.3768+0.2313+0.1420+0.0872+0.0535)=20,539カ移動リフト 36万0880円前記認定事実並びに証拠(甲54ないし56,59,61)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故による後遺障害のため,入浴等により自宅内を移動する場合移動リフトが必要であること,移動リフトは1台当たり15万1300円することが認められる。 そしてこれらの事実によると,原告Aは,平成 本件事故による後遺障害のため,入浴等により自宅内を移動する場合移動リフトが必要であること,移動リフトは1台当たり15万1300円することが認められる。 そしてこれらの事実によると,原告Aは,平成13年9月から平均余命までの間,1台15万1300円の移動リフト(耐用年数は10年が相当である。)が必要であり,その買換え費用の本件事故時の現価につき,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除すると以下のとおり36万0880円となる。 計算式 151,300×(0.9523+0.5846+0.3589+0.2203+0.1352+0.0830+0.0509)=360,880キ安眠枕,デニム防水シーツ 0円枕,シーツともに,健常者の日常生活においても必要なものであり,原告Aの後遺障害により特に高額の枕,シーツが必要となったと認めるに足りる証拠はない。 なお,防水性等,原告Aの症状を理由とする通常品との差額は,後掲する医療品等,後遺障害慰謝料において考慮することとする。 ク車椅子 54万0867円前記認定事実並びに証拠(甲42,54ないし57,59,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故による後遺障害のため,自力で歩行することができず,移動のために車椅子が必要となること,原告らは,平成12年12月車椅子を購入していること,車椅子は1台当たり15万6000円であることが認められる。 そしてこれらの事実によると,原告Aは,上記車椅子の耐用年数(耐用年数は5年が相当である。)が尽きる,平成17年12月から平均余命まで,1台15万6000円の車椅子が必要であり,その買換え費用の本件事故時における現価につき,ライ Aは,上記車椅子の耐用年数(耐用年数は5年が相当である。)が尽きる,平成17年12月から平均余命まで,1台15万6000円の車椅子が必要であり,その買換え費用の本件事故時における現価につき,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除すると以下のとおり54万0867円となる。 計算式 156,000×(0.7835+0.6139+0.4810+0.3768+0.2953+0.2313+0.1812+0.1420+0.1112+0.0872+0.0683+0.0535+0.0419)=540,867ケスライドスロープ 0円証拠(甲35,36,56,59,60の①,②,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告らは,平成13年9月ころ,障害者用のバリアフリー住宅を新築し,原告Aは,同新居において在宅療養していることが認められる。他方,上記スロープが新居においてなお必要であると認めるに足りる証拠はない。 コおむつ代等 350万4182円前記認定事実並びに証拠(39,41の①,②,47の①,②,48,49,51,53,56,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故による後遺障害(便尿失禁)のため,常時おむつをしている必要があること,1日当たり約3回のおむつ交換が必要であること,原告Aは,後遺障害のため,日常生活において健常者と比べると多くのガーゼ,消毒薬,清拭剤,手袋などの医療品等が必要となるほか,防水機能を備えたシーツが必要となるための差額等の特別の支出が必要となることが認められる。 そしてこれらの事実によると,原告Aのおむつ代等として,症状固定後原告Aの平均余命まで,1日当たり50 か,防水機能を備えたシーツが必要となるための差額等の特別の支出が必要となることが認められる。 そしてこれらの事実によると,原告Aのおむつ代等として,症状固定後原告Aの平均余命まで,1日当たり500円のおむつ代等が必要であり,その本件事故時における現価につき,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除すると以下のとおり350万4182円となる。 計算式 500×365×19.2010=3,504,182サ経管栄養 0円前記のとおり,原告Aの経管栄養における高カロリー栄養飲料の代金につき本件事故と因果関係のある損害と認めることはできない。 (12) 住宅購入費等 270万3750円前記認定事実並びに証拠(甲23,24,34ないし36,56,58の①,②,59,61,62の①ないし⑥,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,平成12年8月30日以降,在宅療養を行っているが,原告らは,エレベーターのない建物の3階部分に居住しており,建物内の通路,室内の廊下,間口の幅が狭く,車椅子,移動リフトにより原告Aを移動させることが困難であるほか,原告Aの状態の監視が困難であり,入浴のために簡易浴槽を準備する必要があるなど,介護の利便性のみならず,原告Aが安全な在宅療養を受けるために新たな住居が必要であったこと,原告らは,訴外J株式会社との間で,同年12月27日,愛知県天白市の土地を3380万円(消費税を除く。)で購入するとともに,同土地に原告らの新居を2038万0500円(消費税を含む。)で建築する契約を締結したこと,原告らの新居は,追加工事等を経て,平成13年9月25日, 380万円(消費税を除く。)で購入するとともに,同土地に原告らの新居を2038万0500円(消費税を含む。)で建築する契約を締結したこと,原告らの新居は,追加工事等を経て,平成13年9月25日,完成したこと,原告らは,平成12年12月15日から平成13年9月19日まで,訴外J株式会社に対し,土地代金及び新居建築の報酬として合計5935万7130円を支払ったこと,原告らの新居の工事費用のうち,原告Aの介護用住宅仕様にするために要した費用の見積は,270万3750円(消費税を含む。)であることが認められる。 そしてこれらの事実によると,原告Aは,本件事故による後遺障害のため,新居を介護用の仕様にする必要があったこと,そのために増加した工事費用は270万3750円であったことが認められること,この工事費用増加分を本件事故と因果関係のある損害と認めることができる。 なお,原告らは,新居の建築費用の1割に引越費用を加えたものが住宅購入費等となる旨主張するが,原告らの新居の建築費用の具体的な内訳,そのうちいかなる割合で共用部分となり,いかなる部分が原告Aの専有部分であるのか,具体的な引越費用の内訳等具体的にその金額を認めるに足りる証拠がないことからすれば,原告らの上記主張は採用できない。そこで,上記新居建築及び引越により生じる原告らの特別の負担は後掲する後遺障害慰謝料において考慮することとする。 (13) 逸失利益 6795万1997円前記認定事実並びに証拠(甲23,24,31,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告Aは,本件事故当時,19歳であったこと,原告Aは,普通科の高校を卒業し,専門学校であるD学院に入学して勉強をしていたこと,D学院は2年制の専門学校であること,原告Aは,本件事故に遭わなけ ると,原告Aは,本件事故当時,19歳であったこと,原告Aは,普通科の高校を卒業し,専門学校であるD学院に入学して勉強をしていたこと,D学院は2年制の専門学校であること,原告Aは,本件事故に遭わなければ平成13年3月にD学院を卒業した後,歯科衛生士として歯科医院に勤務することを予定していたこと,しかし,原告Aは本件事故による後遺障害により就労が不可能となったことが認められる。 そしてこれらの原告Aの本件事故時の年齢,本件事故当時の就学状況,卒業後の就職の予定,その職種,原告Aの後遺障害等を考慮すると,原告Aは,本件事故に遭わなければ平成13年3月に上記専門学校を卒業後歯科衛生士として就労し,同年代,同性の高専,短大を卒業した者と同等の収入を得られたはずであるところ,前記後遺障害によりその労働能力を100パーセント喪失したものと認めるのが相当である。そこで,症状固定時である平成12年賃金センサスの産業計・企業規模計・高専,短大卒・女子労働者の全年齢平均賃金377万9100円を基礎とし,原告Aが67歳になるまでの約47年間就労が可能であったものとして原告Aの逸失利益のを算定するのが相当である。したがって,本件事故時における原告Aの逸失利益の現価は,ライプニッツ方式により年5分の割合の中間利息を控除すると以下のとおり6795万1997円となる。 計算式 3,779,100×17.9810=67,951,997(14) 傷害慰謝料 200万円原告Aの症状固定までの入通院期間,本件事故の態様,本件事故時の障害の程度等を考慮すると,原告Aの傷害慰謝料は上記金額とするのが相当である。 (15) 後遺障害慰謝料 2600万円原告Aの後遺障害の程度,本件事故態様,原 の障害の程度等を考慮すると,原告Aの傷害慰謝料は上記金額とするのが相当である。 (15) 後遺障害慰謝料 2600万円原告Aの後遺障害の程度,本件事故態様,原告Aは後遺障害のため,前記判示以外にも,数額としては確実に把握し得ないような医療品等特別の負担が必要となること,原告Aの在宅看護のため新居の購入及び引越を行うこととなったこと,他方,原告B,同Cに慰謝料を認めること等を考慮すると,その後遺障害慰謝料は上記金額とするのが相当である。 (16) 弁護士費用 800万円上記(2)から(16)までの原告Aの本件事故による損害,本件訴訟の経緯等に照らすと,本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は,原告Aにつき800万円とするのが相当である。 (17) 損害小計 1億8927万4256円(18) 損害のてん補 3120万円原告らは,自賠責保険金として3120万円を受領していることがは争いがない。 (19) 合計 1億5807万4256円 3 争点(3)(原告B,同Cの損害)(1) 原告Bの物的損害 41万7500円前記のとおり当事者間に争いがない。 (2) 慰謝料各200万円前記認定事実並びに証拠(甲23,24,56,61,原告B本人)及び弁論の全趣旨によると,原告B,同Cは,同Aの両親であり,同Aの本件事故による重大な傷害,後遺障害により多大な精神的苦痛を被ったこと,原告B,同Cは今後同Aの看護を継続して行うことが認められる。 そしてこれらの事実等を考慮すると,原告B,同Cの慰謝料の金 Aの本件事故による重大な傷害,後遺障害により多大な精神的苦痛を被ったこと,原告B,同Cは今後同Aの看護を継続して行うことが認められる。 そしてこれらの事実等を考慮すると,原告B,同Cの慰謝料の金額はそれぞれ200万円と認めるのが相当である。 (3) 弁護士費用各20万円上記原告B及び同Cの損害額,本件訴訟の経緯等に照らすと,本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は,原告B及び同Cにつきそれぞれ20万円とするのが相当である。 (4) 原告B小計 261万7500円(5) 原告C小計 220万円第4 結論以上によれば,原告Aの請求は,上記損害金1億5807万4256円及びこれに対する本件事故日である平成12年5月3日以降完済まで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で,原告Bの請求は,上記損害金261万7500円及びこれに対する本件事故日である平成12年5月3日以降完済まで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で,原告Cの請求は上記損害金220万円及びこれに対する本件事故日である平成12年5月3日以降完済まで民法所定年5分の割合による遅延損害金を求める限度でそれぞれ理由があるので,これを認容し,原告らのその余の請求はいずれも理由がないのでこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第3部裁判長裁判官渡辺修明裁判官城内和昭裁判官小島清二(別紙図面省略) 申し訳ありませんが、テキストが提供されていないため、整形を行うことができません。整形したいテキストを提供してください。

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